知事記者会見の概要(平成26年5月19日(月))

最終更新日 2014年5月20日ページID 026742

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平成26年5月19日(月曜日)
10:35~11:45
県庁 特別会議室

 
知事記者会見写真(4月)
  

 

   

 

【知事】

 先般、連休中にヨーロッパのオランダ、ドイツ、オーストリアに出張訪問しましたので、その内容について報告します。

 時間的には相前後しますが、オーストリアのことについて申し上げます。

 今回の訪問は、IAEA(国際原子力機関)から招へいを受け、IAEA本部で開かれた「原子力人材育成国際会議」での講演を目的としたものです。

 この会議には、原子力発電所に関わる各国の政府や規制機関の関係者をはじめ、大学や電力事業関係者など、70か国、約340名が参加しました。1つの会場で最初のセッションがあり、そのほか、個別の議論が数日間行われましたが、私はその最初のところで講演をしました。

 講演の内容は、福井県がエネルギー政策や国内外の原子力人材の育成には積極的に努力し、大きな役割を果たしてきていることを述べ、原子力の安全な管理はもとより、人材育成が重要であり、これからも世界の原子力人材の育成に積極的に取り組んでいくということを申し上げました。

 会議の中では、すべて英語でしゃべっておりましたので、全て正確に理解はしていないかもしれませんが、私と同じく3名の方が講演をされた中で、「福島」という言葉が数多く出てきまして、早く日本がこの問題を解決してほしい、現状がわかりにくいというような感じを持ってしゃべっておられるのではないかと感じました。

 日本は原子力の先進的な国であるから、この問題を早く解決して、世界にこういうことだということを示してほしいというふうに理解しました。

 したがって、日本として早急にこの問題を解決するといいましょうか、福島の現場そのものの方向づけや再稼働の問題、これからの日本のエネルギーのベストミックスなどについての方向づけが重要だという認識を抱いたところです。

 なお、これに先立ち、IAEAの天野事務局長との協議を行いました。

 その結果、IAEAが主催する国際会議「原子力発電計画における地域との関わりに関する技術会合」を、来年、福井県で開催していただくということに合意しました。

 これまでウイーンで2回開催され、今年はイギリスで開かれるこの会議には、例年、IAEA加盟国から約30の国や国際機関の関係者が出席し、そのほか、一緒にお見えになる人もいますから、150人くらいの参加人数になるかもしれません。

 本県での開催により、原子力の安全な利用のための人材育成の拠点として福井県を理解していただく大きな機会になると同時に、世界各国との人的ネットワークが拡大できるものと思っています。

 別の感想ですが、ああいうところに行きますと、ヨーロッパと西アジア1つの近接関係にあるのでまとまっていますが、日本はすごく遠い感じがしているのではないかという印象を受けました。地理的に遠いということもありますが、そういうところへ日本の人たちがあまり行っていない、また、向こうの人たちも日本にそんなに来ていないということがあって、心理的にも遠くて、十分理解できていない地域であると思っているのではないかという感じも若干、抱いたところであり、もっともっと人的ネットワークを広げないと、国際的にも互いに理解しにくいのではないかと思ったところです。

 なお、この会議に先立ち、IAEAの天野事務局長の下の事務次長4名、またそこに属している課長数名と、各セクションごとに意見交換をそれぞれ3、40分ずつぐらい行い、事務レベルでこれからさらにいろんな協力関係を具体化していこうということになりました。

 これから、陽子線がん治療やPET診断などの最先端医療技術、放射線監視などの分野における海外研究者の受入れや他の国際会議の開催にもつなげてまいりたいと思います。

 特にIAEAの場合、新興国に対して、原子力の技術とかそういうものをいかに応用して、そういう国を盛り上げていけるかということに大きな関心があるようですので、そういうところに役立てる部分が多いかと思います。

 

 ドイツでは原子力防災機関の調査を行いました。

 福井県では、平成27年度を目標に電気事業連合会が原子力緊急事態支援機関(原子力レスキュー)を整備するということで、美浜町で、今、用地も確保し、いろいろ整備をしつつあるわけですが、その先進事例となるドイツの原子力防災対策機関KHG(カー・ハー・ゲー)を視察しました。

原子力事故に対応するために遠隔操作ロボット等の充実した資機材や作業訓練ができる施設が配備されており、作業員の日々の操作訓練を行っているほか、政府が行う総合訓練にも参加しているという話でした。

 今後整備する日本の原子力レスキューにおいては、福島事故の状況も踏まえて、実際に使える資機材の整備が大事だと思ったところであり、施設を有効に使用するためにも、原子力災害に限らず自然災害や化学工場の事故など特殊災害の対応にも使えるようなものが大事だという印象を受けました。

 ドイツは原子力だけに特化しているような感じですし、福島の事故以降、基本的に原子力発電から撤退しようというドイツ政府の方針が今の政党の中では出ていますので、彼らもいろんな思いを持ってこの施設の運営を行っているような印象を受けたわけです。

 いずれにしろ、KHGは、既にこういう実績のある機関ですので、その経験を活かして、技術交流や人事交流などを、いろんな工夫をして行うことによって、日本として役に立つ施設をつくってまいろうと思ったわけです。このとおりまねをしてつくるわけにはいかないと思いました。

 

 次に、将来の原子力施設の廃炉の問題に対応するため、廃止措置を先行して進めている「ミュルハイム・ケールリッヒ原子力発電所」を見学しました。廃止施設の工期、費用、廃炉作業、地元企業の参入等について情報収集や意見交換を行いました。

 この施設は、2000年に正式に廃炉を決定した施設で、今、廃止の途中です。燃料ピットは既になくなっていますし、使用済燃料もフランスに出してしまっているということですので、あとは原子炉本体の炉の部分を除去していくという作業が本格的に残っているということです。

 この発電所は1年ちょっとしか稼働しなくて廃止した施設で、廃止としては割合やりやすい施設なのかなという印象を持ちました。長く使っているものではありませんので、放射能とかそういうものもそんなには付着していないのかもしれません。廃止措置の作業は2025年まで約20年の完了計画ということですが、放射性廃棄物の最終処分の条件が整うことが前提というお話でした。

 こうした使用済燃料あるいは放射性廃棄物の処分の問題は、ドイツも含めて国際的な課題であるということを改めて強く感じたところであり、高レベル放射性廃棄物の減容技術の確立とともに、最終処分施設の整備時期や内容など、道筋の明確化を日本としては早々につくっていく必要があるだろうと感じました。

 これは、原子力施設が再稼働するとかそういうこととは別に、並行していろんなことを早めにやっていかないと、日本としても問題ですし、国際的にもこういう問題が起こってくるわけですので、日本はそういう役割を果たすべき立場にあると感じたところです。

 

 オランダでは、農業について、大規模園芸団地である「アグリポートA7」を視察しました。オランダは天然ガスが自分の国でも採れるため、安い天然ガスを利用し、栽培環境を自動制御したハウスでトマトやパプリカが栽培されていました。ハウスは2階建てか3階建てぐらいの高さで、数百m、左右にあるわけです。それを自動で移動する小さいクレーンみたいな作業台車に乗って作業員が収穫するということです。私たちが見たのは、個人経営から3代目という人が会社をつくってやっておられて、ご夫婦が、日本でいうと社長と専務で、ほかにいろんな外国の人も含めて2、30人雇っているという会社です。我々が行ったときには、スイスの観光客のような人たちが見学に来ておりました。

 ですから、我々が、高浜町で0.5haで始めていて、またこれからもっと大きいものをやりますけれども、ああいうものの何十倍かの大きさで行われている7つのうちの1つを見学したということになります。

 それから、こういうものを技術的にバックアップする「ワーヘニンゲン大学」の研究センターにも行き、研究を全体的に統括している中の1人とお会いし、そこのいろんな研究成果の提供をいただくようにお話をしました。

 オランダのようなハウスは日本にはあまりありませんが、特に雪国福井県ですから、日照時間が少ないという共通する条件でオランダの栽培技術を日本的にいかに利用するかということに関わると感じたところです。

 今、ちょうど田植えの時期ですけれども、日本の場合にはむしろ水田にお金をたくさん使っていて、トラクターなどの農機具を使う機械農業、こういうものはオランダなどにありませんので、日本はそちらのほうからずっと長年ハイテク農業を進めているということです。オランダはコンピューターを使ってハウスのほうから攻めている。ですから、そんなに考え方が違わないのかなという感じがします。近づき方の方向が地面のほうから行くのと、片方は屋根のほうから行っている、こんな感じを見方によっては受けまして、全く別のことをお互いやっているわけではないわけで、日本型のやり方で必ずこれはできるという感じを抱いたところです。

 以上が出張のご報告です。

 

 次に、「ふくい園芸カレッジの開校」です。

 今のオランダの農業とも関係しますが、福井県は米が中心でしたが、園芸についても振興を図る必要があります。そのためには、人材育成が重要ですので、園芸に特化した栽培技術や経営ノウハウを習得した人材を育成する「ふくい園芸カレッジ」を、来月6月7日(土)に、元の「県園芸振興センター」に設置します。これはあわら市の井江葭という地係にあります。

〔資料:概要、位置図、パンフレット〕

 カレッジでは、従来の施設に加えて、地元農家の協力を得て農地を借り入れ、実習ができるようにしております。現在の面積2.3haを、今後、3.7haまで、約1.5町歩増設することになります。

 この施設では、園芸部門での就農希望者を対象に、「新規就農コース」(定員20名)と、水田をやっているけれども園芸に取り組みたいという集落営農組織や水稲農家を対象にした「プラス園芸コース」(定員70名)の2コースを用意します。7名の職員が指導に当たりますが、そのほか部外からもいろんな人に来ていただくことになると思います。

 20名の「新規就農コース」については、2年間やるわけですが、1年目は園芸栽培の技術や経営、販売力などの知識を習得する研修に加え、県の推進品目のトマトやネギなどについて、研修生自らが約2反分の専用ハウスと約1haの露地畑を管理して、生産から販売までの独立採算で行う模擬の経営研修を行います。

 2年目には、1年目の品目にさらにメロン、ニンジンなどを加えて、1年目の2倍に当たる約40aのハウスと2haの露地畑で、より実践的な模擬経営を行うというやり方をやりたいと思います。

 なお、研修修了後は、研修で使用した畑でそのまま就農ができますので、未利用農地の解消や後継者の確保につながるのではないかと思います。

 「新規就農コース」については、既に募集を行っており、20名が入校予定で、このうち県外からは8名で、女性は5名です。年齢は20代3名、30代9名、40代4名、50代4名となります。

 なお、特別講師として東京大学大学院の鈴木宣弘先生や、農業生産法人和郷園代表の木内博一さん、マイファームの西辻一真社長など、農業界のいろんなリーダー的な役割の人を起用し、応援をしてもらいたいと思っています。

 それから、米から園芸という方については、「プラス園芸コース」ということになりますが、約2反分の圃場を用いて、推進品目のトマト、キャベツ、ニンジンなどについて種まきから収穫までの技術を習得していただき、農業経営の多角化を図ります。「プラス園芸コース」は、年間70名の入校を予定しております。

 なお、開校式は、6月7日(土)、午後1時30分から「ふくい園芸カレッジ」で行います。

 

 次に、国体が4年後余りに迫ったわけですが、「国体推進局」を4月に設置したところです。さらに、競技力の向上はもとより県民スポーツ振興ということで、「1県民1スポーツ」など普及・広報が大事となります。

 この国体を多くの県民や企業の参画を得て開きたいと思っており、開催をしますといろいろ物を買ったり、調達、工事発注が必要ですので、そのための有効な組織として県と市町の会議をつくりたいと思っています。

 5月28日(水)に、杉本副知事と各市町の副市長、副町長による第1回の「県・市町国体準備推進会議」を開き、県、市町が共通の調達方針を定めることにしています。全県的にこういうことをやるのは初めてで、ほかの国体ではないことです。

 既に先催県があるわけですが、国体および障害者スポーツ大会では、物品調達については約2~4億円程度の市場がありますし、輸送、警備、仮設設置などの役務サービスを含めると3、40億円ぐらいのオーダーが発生しますので、そういう調達をできるだけ地元で、もちろんフェアに進めたいと思います。その中でいろんな技術も培われると思いますので、さらに2年後の東京オリンピックにも役立てたいと思っています。

 イメージとしては、物としては、ジャンパーや帽子、リボンなどいろいろあります。それから賞状、メダル、参加者に配付する記念品、県民運動によるベンチ製作や、花いっぱい運動に使ういろんな物品、弁当などさまざまあります。

 

 それから、競技力向上については、既に平成23年度に副知事本部長の「競技力向上対策本部」をつくっているわけですが、今年度には教育庁スポーツ保健課に「競技力向上対策室」を設けております。

 特に、指導者の育成が大事であり、今月5月27日(火)に、「競技力向上対策本部第7回本部委員会」を開き、競技力向上対策を加速してまいりたいと思います。

 この委員会では、特に強化が必要な競技に対し、常設のコーチを配置したいと思っており、年間を通して指導を受けられる「特別強化コーチ」を初めて決定します。1つはバドミントンの山口茜選手の相手になる廣部好輝 選手、それから足羽高校でレスリングの実地指導を行う、全日本の社会人選手権で準優勝された 園部竜也 選手を決定したいと思います。今後さらにカヌーとセーリングのコーチを追加したいと思います。

 また、昨年度から始めている「スーパーアドバイザー」数を26名から49名に増員することも考えています。

 さらに、「アスリート強化指定選手」を約80名増やし、1,074名から1,151人にすることになっています。

 それから、もちろん技術的な指導は大事ですが、メンタル、フィジカル面の指導も重要ですので、トレーナーを招いて、体力・心理面の強化を行うなど、福井国体で活躍ができる選手を育てていきたいと考えています。

 

 それから、競技力そのものではありせんが、「1県民1スポーツ」との関係でいろいろなことをやりたいと思っています。県内では20種目のニュースポーツ競技団体が普及活動を、今進めていますが、まず10種目の体験イベントを開催したいと思います。県内のショッピングセンターや児童館、サンドーム福井など、県内9会場で12回、5月21日から夏休みにかけて行うことになります。

〔資料:開催スケジュール〕

 体験イベントでは、本県発祥の「スティックリング」や「真向法」のほか、氷の上ではなく室内でカーリングを行う「カローリング」などについてもやりたいと思います。まず手始めに、あさって5月21日、県庁ホールで「3B体操」を実施します。参加は無料なので、気軽にご参加願いたいと思います。

 

 4点目は、「クルーズ客船の敦賀港寄港」です。

 8月25日に、乗客定員が約900名の国内最大クルーズ客船「飛鳥Ⅱ」が、平成23年以来3年ぶりに敦賀港に寄港します。

 また、定員600名を超えるクルーズ客船「ぱしふぃっくびいなす」が6月28日を皮切りに9月まで毎月、敦賀港に寄港します。これによって、昨年の4回を大幅に上回る8回、大型クルーズ船が敦賀港に寄港することになります。このことによって、あちこちの観光地を見ていただいたり、お土産を買っていただくなどいろんなことが行われるわけです。敦賀港は、立地条件は悪くありませんから、十分アピールをしながら、国内船はもとより、海外からの客船誘致に努力してまいりたいと思います。

 以上です。

 

【記者】

 訪欧の件で、現地で、福島の方向づけや再稼働の問題、エネルギーのベストミックスについて、日本が早く解決して世界に示してほしいということを聞かれたということですが、これに対する知事のお考えをお聞かせください。

 

【知事】

 これは私が常々いろんなところで申し上げているように、エネルギー基本計画ができましたが、できただけではいけませんので、政府が腰を入れて国民に十分説明をし、場合によってはその意味を説得することですね。いろんなことを加えながら、安全は第一ですけれども、安全確保を図りながら、再稼働の問題あるいは「もんじゅ」の問題等々、日程をはっきりしながら、そういうことを進めることによって国際的な信頼も得られると思います。

 そして、我々は、直接関与していませんが、福島のいろんな対策が目に見えるようにわかりやすく、そして、何をどうするのか、基準は今の基準でいいのか変えるのか、そのためにどんな対策をするのかというのを明らかにして詰めていくことが大事だという印象を持ちました。

 

【記者】

 IAEAの講演の中で、廃炉技術の研究拠点の整備についても話されていますが、具体的な考えや思いをお聞かせください。

 

【知事】

 廃炉の問題については、「廃炉・新電源対策室」がいろんな調査をしております。廃炉と関係して、実際さまざま関係する民間の企業や研究機関もありますから、そういう国内あるいは国際的なデータを一定の段階でまとめて、これから何が必要か、どういう役割をそれぞれ持ってやっていくかということを整理した上で、我々だけでは十分ではありませんので、これを国に申し上げる体制を整えるということが必要かと思っています。それを基に福井県でどんなことを進めていくかということになると思います。

 

【記者】

 IAEAの講演で、福島の現状がわかりづらいという国際的な声があったり、核のごみの最終処分の道筋をつけていかなければならないと改めて感じられたということですが、今後、国に対して改めて今回の欧州視察で感じられたそういうことを要望したり、提言したりされることはあるのでしょうか。

 

【知事】

 これからまた夏の要請もありますし、福井県では「エネルギー成長戦略特区」の申請もしていますから、そういうものの中で進めたいと思います。

 

【記者】

 先ほど福島の対策が目に見えるようにとか、基準は今までのままでいいのかどうかとか、そういうことを検討していかなければならないとおっしゃいましたが…。

 

【知事】

 それは、現在、福島での、国の除染のやり方とか、そのための基準とか、海にどうするのだとか、いろんなことがあります。そういうことです。

 講演では、私に質問が1つありまして、それは、従来どおり、福井県的な、例の大飯原発でやったような、国がやるけれども県もまた県民の立場に立って安全を進めていくのかというような質問がありましたので、基本的にはそういう方向だとお答えしました。

 

【記者】

 IAEAの講演の中で廃炉技術に関する最先端の研究開発拠点を県内につくりたいという趣旨の講演をされたと思いますが、それについて具体的にどのような…。

 

【知事】

 福島の廃炉というのは現に事故が起きた、そして、まだそういう状況のものがそこにある廃炉の話ですし、こちらは安全に管理されて、一定年数経過して、年次的に廃炉にしなければならない、これをどうするかという、そういう廃炉のスタイルですから、これが本来の廃炉です。そういう拠点を福井県に設けるべきであろうし、ほかの場所ではあまり考えられないのではないかということで、少し時間がかかるかもしれませんが、着実に進めていこうではないかということです。

 

【記者】

 戦略特区とはまた別の話になりますか。

 

【知事】

 そちらのほうに絡めてやったほうがいいのかどうかは、これから特区のいろんな協議とかそういうところからも出てくると思います。国にもよく説明をしないといけませんし。今、福島の廃炉と普通の廃炉と言葉がよく似ているから、はっきり分けてやらないといけないと思います。

 

【記者】

 ヨーロッパの視察の中で、レンブラントも見ていらしたと思いますが、その感想と今後の展開が見えたものがあれば。

 

【知事】

 レンブラントについては、「アムステルダム国立美術館」の研究員と協議をしました。この方はレンブラントの版画、そして和紙の専門家だと理解しました。日本の国立美術館の幸福客員研究員などのお名前をよくご存じで、勉強しておられて、この問題は自分の大事な研究テーマだから、ぜひ一緒にやりたいということでした。

 そこと、近くに「レンブラント・ハイス美術館」があります。これはレンブラントが非常に高い値段で買った住宅で、それが今、美術館になっており、そこにも版画があります。そこの館長と会いました。

 今後の調査のやり方は、福井県の今立にある17世紀、江戸初期の鳥の子の和紙とレンブラントの版画が印刷されている紙を同定しないといけないので、それをどんなふうに技術的にやっていくかということです。越前和紙については、自分たちの和紙だから、いろいろ成分を分析したり、特殊な顕微鏡でチェックしたりできますが、先方の和紙はレンブラントの版画ですので、いろんな協議が要るわけです。それをこれから進めていきたいと思います。今後、和紙組合や越前市、学識経験者と研究会をつくって、その検証を進めたいということです。

 それと並行して、今年度中に越前和紙の展示会をオランダで開いて、世界に越前和紙を発信するプロジェクトを準備したいと思っています。

 

【記者】

 農業基本計画では園芸振興額が40億円のプラスになっていると思いますが、「ふくい園芸カレッジ」の設置でどれぐらいの効果があると見込んでおられますか。

 

【農林水産部技幹】

 2つのコースがあり、新規就農者関係では5年間で100名の方を輩出でき、約5億円、それから集落園芸関係では、100集落の方で、5年間で実践的にやっていただくということで、ここは10億円規模で拡大していきたいという目論見をしており、40億円を出しております。

 

【記者】

 そもそもなぜ園芸作物に力を入れようとしているのでしょうか。

 

【知事】

 米だけでこれから十分農業がやっていけないのではないかというのが1つあります。もちろん米については、コシヒカリの発祥の地ですから、できるだけコストも下げながら、質の良い福井米ということで、「五月半ばの田植え」を数年来やっておりますし、今年からは「秋の田起こし運動」ということで、おいしい米をつくり、かつ、それぞれの地域で有機・無農薬など特色を持たせた、さらに値段の高い米をつくりますが、それだけではまだ不十分かと思います。福井県はそんなに土地は大きくありませんが、それぞれの地域ごとに特色のある農産物をつくることが重要だと思います。となりますと、園芸、場合によっては花卉もあると思いますが、そういうものが農業全体の生産機能、あるいは多様性、そういうことについてはぜひとも必要なことだと思います。

 既に米の農家では、ブドウなどを集落農業の中でやり始めていますが、米は大体ずっと大昔から、あるいは戦後、いろんな農業技術を通じて、やり方が大体確立しており、そんなに手数がかけずに、5月に苗を植えて、9月の初めには収穫できるわけです。しかし、園芸あるいは花卉は全然それぞれ物が違いますし、技術も違うし、季節も違うということでありますから、勉強しないといいものができませんので、そういうことに力を注ぎたいということです。

 

【記者】

 今お話を伺っていますと、園芸に関しても、原子力に関しても、今後1年、2年という短い期間で解決できる課題ではないように思いました。来年には選挙があるわけですけれども、県政を司るリーダーとして、視察を通じて思いを新たにする部分というのはあったのかなかったのか。

 

【知事】

 まずは、ああいう国に行きまして強く感じたのは、国境がないということです。オランダ、ドイツ、オーストリアというと、全く、どこに国境があるのかわからない。ホテルでちょっと待ち合わせしていて、そこに地図があったから、何となく地図を見ますと、オランダとドイツの国境は、石川県と福井県の県境よりも、何か自由自在というか、どこに境目があるのかわからない、日本人から言うと気味が悪い感じもしますけれど。そういう土地柄で、いろんな人たちが、一生懸命、物をつくったり、あるいは商いをして、金儲けをして生きていこうという、そういう強い気持ちがいろんなところで感じられました。我々は、先ほど言いましたように、遠く極東の離れた島の国ですから、非常に安心して、境目もはっきりしているし、貿易をしてもちゃんと統計にも載るし、人が出入りするときにはパスポートではっきり行けるような国柄ですから、発想が全然違うなと思いました、競争関係もですね。言葉だって、1人が幾つもの言葉を話せるわけです。そういう国が世の中にはたくさんあるわけですので、福井県だ、石川県だと言っていくことも大事なのですけれども、それを大事にしながら、仕事をやる必要があるだろうと強く思いました。そういう方向ですね。

 それから、まちづくりのことについて申し上げますと、まず、都市人口です。アムステルダムというのは人口約70万人で、首都がみんな非常に小さいです。せいぜい100万人ちょっととか、あるいは7、80万人というと、金沢市よりちょっと大きいぐらいの街ですので、大都市問題がそんなにはないのかなと思います。ですから、我々としては、これも日本の特殊性ですが、東京と地方、人が減ってしまうとか、女性がいなくなるとか、そういう議論がありますけれども、この問題にぜひとも、これからアタックするべきかなと思います。福井県としても分析をして、人口問題、大都市集中、ふるさと対策、これをぜひとも進めて、日本の国の成り立ちを、体質を変えていかなければいけないというのが、実感した2つ目です。

 3つ目は、まちづくりに関係しますが、ああいう国で、一番スピードがある交通機関は自転車なのです。車に注意するのではなくて、自転車に注意してくれとガイドさんにいつも言われるわけです。町中をすごいスピードで走ります。道が一番良いんです。一番早いんですね。自転車の次が市内電車です。これもあちこちに、どこへ行っても、どこを走っていても電車が見えるというぐらいに走っています。その次が車ということですので、公共交通機関のあり方を考えていく必要があるのかなと思いました。

 一方で、市内で建物を壊せば、すぐに駐車場とか空き地になるのが日本ですけれども、全くそういうことができないという不便さが彼らにはあって、道がほとんど駐車場でふさがっているわけです、両側に。あの苦しさというのも、また我々には逆にない苦しさだと思いますから、そういうものをいかに日本として、あるいは地方都市として整備をしていくのか、こんな感じを抱きました。

 

【記者】

 安倍首相が、先日、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を検討する考えを表明しました。国民的な議論になる話だと思いますが、知事としてのお考えをお聞かせください。

 

【知事】

 これは、要するに、どういう条件のもとでどんなことができるか、なすべきか、その場合の想定というのは必要ですが、そのコントロールをしっかり行って問題に当たるべきだと私は思っており、これは国会において十分議論すべきことかと思います。

 

【記者】

 先週の規制委員会の審査会合で、高浜原発再稼働の最大のハードルでもあった基準地震動について概ね了承されたということで、九州の川内原発に続いて2番目の優先審査に選ばれる可能性が出てきたと思いますが、こうした動きについて、知事としてはどういうふうに考えられていますか。

 

【知事】

 国のいろんな議論もあると思いますが、今週半ばに、高浜あるいは大飯の次のいろんな方針が、5人の委員でなされると思います。予定だと、そういう方向は出るのかもしれないと思っており、規制委員会については、行政庁として、今回の問題はこの問題をこういう形でクリアしなければならないという、公的基準をはっきりさせて、効率的な審査を遅滞なく行うべきだろうと思います。

 今、川内原発についても、どういう状態なのですか。福井県ではありませんから十分理解をしてないところがありますが、何かまた違う基準が出たのですか、その辺がわからない。ああいう、初めからそういうものを出してやらないと、ある意味、切りのない議論をしてはいけませんので、公の行政庁としての自らをも律する基準をはっきりさせて、遅滞なく効率的な審査を進めるべきであると思います。

 

【記者】

 漫画の『美味しんぼ』の描写を巡って、福島県知事が批判したり、いろいろ反応がありましたが、知事としてはこうした問題についてどのように受けとめられていますか。

 

【知事】

 漫画を読んでいないのですが、ノンフィクションなのですか、その漫画は。ノンフィクション的な部分があるのだったらちゃんと科学的な裏づけをとって、間違いのない記述をするということも大事かと思います。どういうタイプのものかによると思いますが。それにしても誤解のないようにしなければならないと思います、いろんなものについて。多くの人が漫画をお読みになるのでしょうから、それを読んで、物事がよく正確に、また、ためになることじゃないといけないと思います。

 

【記者】

 今回の作品はお読みになられていますか。

 

【知事】

 特に見ていません。

 

【記者】

 見ていない上でのお話ですか。

 

【知事】

 ええ。学生のころはよく、ちょっと違うタイプの漫画を読んでいましたが、それはいわゆるフィクションですから。

 

【記者】

 「日本創成会議」の提言で、地方の人口が減少して、県内でも若い女性の数が半減する自治体が半分ほどあるというデータが出ていました。先ほど、ふるさと対策については着手するべき課題で、県としても分析していきたいというお話をされましたが、具体的に人口減少対策としてどういうことに取り組んでいくおつもりか、お聞かせ願えますか。

 

【知事】

 以前、「限界集落」という言葉がレポートに書かれたこともありましたし、今回は特に出生率についての捉え方でそういう形になるのかもしれませんが、あまりネーミングに惑わせられることはいけないと思います。

 しかし、よくその報告を勉強する必要がありますし、我々も、人なり、女性が大都市に出て戻ってこない傾向がさらに強まっている、数が減りながら、かつ、たくさん出ているという状況を去年ぐらいから意識しております。実際、女性が大都市にどういう気持ちで出て、今、どんな生活をしており、どう思っているのか、どんなことをしたらどんな行動を次に移されるかということを、社会学的、行動学的に、調査・設計をして、数値分析やアンケート調査、あるいはより細かいインタビュー調査が要ると思います。そういうことを大学などと勉強・調査をして、この問題に対応する必要があるのではないかと思います。実務的に県庁の中で今、指示もしてありますが。

 

【記者】

 先日、滋賀県の嘉田知事が3選出馬されないということを表明されました。隣の県でもありますし、原子力の話を巡っていろいろなやりとりもあったかと思いますが、嘉田知事が出馬をされないということについて、どのように受けとめていらっしゃるかお聞かせください。

 

【知事】

 どういうお方であれ、福井県のこと、あるいは原子力発電所で何十年にわたって電気を供給してきた、そういうことをよく理解して、考え、あるいは行動してほしいと思います。

 特に滋賀県は、水は供給しておられるという大きな役割はあると思いますが、役割が違いますので、水もエネルギーの一種だと思いますけれども、互いにそういう地域の役割を相互に尊重して、理解をしながら近隣の関係を良くしてほしいと思っています。

 

【記者】

 嘉田知事が3選に不出馬だという点については、どのように感じていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

 それは、ちょっとよくわかりません。

 

【記者】

 先日、関西電力の社長から、美浜原発を存続させるか廃炉にするか、秋を目処に検討するという発言があったのですが、県にも既に何らかのご説明は入っていますか。

 

【知事】

 特に聞いていません。

 

【記者】

 早ければ今年中に美浜の廃炉が決まる可能性が出てきているのですが…。

 

【知事】

 いずれにしても、40年経過ということについては、前もって規制委員会と協議をして、20年以内の延長なのかそうでないのかという、その作業をもう開始する時期になったという意味かと理解をしますが。特別の何かということではないと思います。

 

【記者】

 新幹線について、先日、与党プロジェクトチームで国土交通省の試算が示され、まずは1年短縮というような形だと思いますが、それに対する受けとめと、福井県としては3年以上の短縮を求めていくということですが、今後もそういう形で求めていくということでよろしいのでしょうか。

 

【知事】

 与党PTとしてはいろんな受けとめがあるのかもしれませんが、敦賀まで少なくとも3年は早めようという検討を始めているのだと思いますので、この提案と心構えについては歓迎しますし、さらに前進を期待したいと思います、前進というか、それ以上のですね。

 またこれから、みんなで集まって建設促進同盟会で討論するなどいろんな機会もありますし、国交省や財務省など、いろんな方面に積極的に働きかけをしてまいりたいと思います。

 先ほど言いましたいろんな、人口集中とかそういうもので、やはり、県の立地条件が良くならないと人の交流もありませんし、東京に物が集中するだけになるのです。また最近、東京に投資をしようということが新聞に書いてあったかと思いますが、東京に集中するだけでほかのことを何も気にかけないということでは今の傾向は良くならないと思います。

 

【記者】

 試算では3年短縮した場合、地元負担が発生するということになっています。県では現行の貸付料の期間を延長するという形でのことも提案されていますが、3年短縮した場合に前倒しで地元負担が増えるということについてどうお考えなのか、また、財政的に大きな影響はないというふうにお考えでしょうか。

 

【知事】

 もともとそういうことを予定して3年短縮の案を出したわけですので、前倒しするというだけだと思います。ですから、負担が増えるという発想はあまりする必要はないと思います。

 それから、「福井県北陸新幹線建設促進同盟会」の総会を今月24日(土)に開くことになると思います。

【記者】

 ということは、仮に前倒しと決まったときには、県としては負担するというニュアンスで捉えればよろしいですか。

 

【知事】

 そういうのはまた別の政治的な議論になりますが、そういういろんな負担を、前倒しして福井県がやっていけるという想定をしながらやっているということです。

 

【記者】

 その知事の考え方に立つと、国としても、工期を短くすることによって年の負担は140億円ぐらい増えるという試算が出たのですが、国に関しても増えるという考え方ではないということになるのですか。

 

【知事】

 もともと4、5年遅れているわけですから、そのときにやっていればこういう問題が起きないので、そのときにやっていると負担が増えるなんていう議論はないでしょうね。それは、こういう一種の机上の計算をして、増えると言っているだけであって、そんなに意味のある議論とは思いません。

 

【記者】

 舞鶴若狭自動車道について、7月20日に全線開通するという見通しになりましたが、夏までに全線開通をお願いしたいと言っていた県の受けとめと、開通に向けた期待をいただければと思います。

 

【知事】

 市町とともに、夏の観光シーズンにできるだけ間に合うようにと強く要請していましたので、7月20日に決まったということは、県の活性化等にとって非常にありがたく思っています。かつ、長期的には嶺南・嶺北の一体化がようやく図れることになりましたし、何といっても、関西、中国、四国などとの関連が非常に容易になります。また、一方で、石川県や富山県の方面の皆さんもそのまま高速道路を使って、若狭、あるいはそれよりもっと京都まで行けることになりますから、非常にありがたく思います。

 「海湖と歴史の若狭路」キャンペーンが、いよいよ7月1日から始まりますので、そのバックアップにもなると思います。

 

【記者】

 道州制について、今、自民党で、基本法案を国会に提出するかどうかいろいろ議論されていて、国民会議をつくるという話も出ていますが、それについて何かお考えがあれば。

 

【知事】

 道州制についてはかねがねいろんな場で言っていますが、もっと大事な話がありますので、そういう議論を大いに進められて、道州制はあまり今の重要なテーマではありませんし、地方としては道州制によって地方は衰退するだろうと思っていますので、反対、消極であります。

── 了 ──

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