知事記者会見の概要(平成14年6月12日(水))
平成14年6月12日(水)
11:00~11:45
県庁 特別会議室
○発表事項
(知事)
最初に、日本原電敦賀発電所3、4号機の増設計画にかかる知事意見の提出について申し上げます。少し長くなりますが、経緯から説明させていただきます。
敦賀発電所3、4号機の増設計画につきましては、平成5年12月に増設促進請願が採択されて以来、県議会での議論、県民の皆様方からのさまざまな意見について、一つ一つ慎重に対処してまいりました。平成12年2月に安全協定による事前了解願いを受理いたしました。そして、県内の原子力発電所における安全対策および地域振興等の状況と課題、また軽水炉におけるこれまでの事故等の評価を取りまとめまして、平成12年10月と平成13年11月に福井事業所に要望いたしますとともに、敦賀発電所3、4号機そのものの安全性の確認、地域住民の理解と同意、15基体制および地域振興等について、毎議会、慎重に議論を進めてまいりました。
まず環境影響評価についてでございますが、事業者において平成12年2月に環境影響評価方法書を県・国へ提出して以来、環境影響評価準備書の手続きを経まして、去年12月に環境影響評価書を経済産業省に提出し、国の審査を経て、1か月の公告・縦覧が行われるなど、その手続きがすべて終了しております。県としましては、この間に県の環境審議会、県自然環境保全審議会での専門的な審査の結果、公聴会での意見、関係市町の意見、および県議会での議論を踏まえまして、知事意見を出しておりますが、その知事意見と申しますのは、「事業の実施区域が若狭湾国定公園内に位置していることから、自然・地形等の改変の更なる抑制、また生態系の保全および周辺海域に排出される排水の影響の把握が重要である。」という知事意見を、去年7月に経済産業大臣に提出しております。
次に安全性の確認でございますが、敦賀3、4号機の設計上の特徴である大型化や改良点につきまして、県技術顧問の意見をお伺いし、調査・検討を行いまして、現在、運転中の加圧水型軽水炉と同等以上の安全性・信頼性が確保できる基本設計であることを確認し、その結果を去年9月の定例県議会に報告いたしております。
今後、国におきまして、法律に基づく安全審査が行われることになりますと、厳正な審査によりまして、安全性・信頼性が具体的に十分確認されることになると考えております。
次に住民の理解・同意についてですが、今年2月に開催されました第1次公開ヒアリングにおきまして、意見陳述人が安全対策、地域振興、原子力防災対策等について、さまざまな意見を述べ、事業者がわかりやすく説明するなど整然と行われています。これらの意見は経済産業省において取りまとめられ、4月2日から1か月間、一般の方々の閲覧に供されております。国や事業者に対しましては、より多くの県民の理解が一層深められるよう、引き続き積極的な取り組みを行うよう求めております。
次に15基体制についてでありますが、これまでの県議会での議論を踏まえますと、現時点におきましては、県民の理解を得て、本県の原子力行政を円滑に進めるうえで、当面は15基を維持することが適切であると考えます。「ふげん」が平成14年度末に運転を停止することから、敦賀発電所1号機の運転停止時期につきまして、先月30日に日本原子力発電所株式会社社長から、「平成22年に運転を停止する方針である。」との報告を受けておりまして、そういたしますと15基体制が確保できることになります。
地域振興については、原子力発電所等立地地域の振興に関する特別措置法が制定されまして、これに基づく振興計画が、今年3月に内閣総理大臣によって決定されております。また、電源三法交付金の増額、昨年11月に核燃料税の税率の引き上げが行われたことなど、これまでの国の取り組みは評価できますが、近畿自動車道敦賀線や北陸新幹線など、本県の重要プロジェクトの推進が課題としてまだ残っていると認識しております。
こういった状況の中で、今月3日に平沼経済産業大臣が来県されまして、敦賀3、4号機の増設計画についての協力要請がありました。平沼大臣からは、「敦賀3、4号機の増設は地球温暖化対策推進大綱や国のエネルギー政策において非常に重要な位置づけであり、安全性の担保を第一として、地域振興についても政府一体として取り組んでいきたい。」ということで、協力要請がございました。
その際、私は4つのことについて要望いたしました。1つは、敦賀発電所3、4号機そのものの安全性の確認をはじめ、廃炉対策や高経年炉対策などの安全確保対策、2番目に国の原子力政策に対する国民合意の形成、3番目に本県の重要プロジェクトの推進、4番目に電源地域の地域振興、この4つについて要望いたしました。特に近畿自動車道敦賀線の早期完成や北陸新幹線の早期建設は、本県にとりまして非常に重要な課題でありますので、特段のご理解・ご協力をお願いしたところでございます。
平沼大臣からは、「原子力政策を進めるうえで安全性の確保が第一であり、敦賀3、4号機についても安全性を担保してしっかりやっていきたい。国民合意の形成につきましては、電力生産地と消費地の交流促進、学校教育への取り組み等に懸命に努力していきたい。地域振興につきましては、電源三法交付金のさらなる充実強化を図るとともに、特別措置法に基づく振興計画についても政府一体となって取り組んでいきたい。近畿自動車道敦賀線につきましては、第二国土軸の形成や国土の安全確保の面で非常に大切であり、閣僚の一員として総理にも認識していただき、実現化に向けて全力を尽くしていきたい。北陸新幹線については、21世紀の日本海国土軸構想に基づく大切なプロジェクトであると考えられるので、最大限努力していきたい。国のエネルギー政策に協力していただいていることに対して誠心誠意むくいなければならないと考えており、福井県の要望に対して内閣一体となって全力で取り組んでいきたい。」という力強い回答をいただきました。
そこで、さる6月4日に、経済産業省資源エネルギー庁長官から、敦賀発電所3、4号機計画を平成14年度の電源開発基本計画に組み入れることについて、知事意見の照会がございました。このため昨日、地元敦賀市の河瀬市長に県庁に来てもらいまして協議をいたしましたところ、市長からは、「敦賀発電所3、4号機については、これまでの市議会でのご意見や国がこれまでとってきた安全面・地域振興面の施策を勘案すると、この増設計画を促進すべきであると判断している。」との考えが示されました。
以上のことから、敦賀発電所3、4号機増設計画につきましては、これまでの県議会での議論、地元敦賀市の意見、第1次公開ヒアリングの実施、国や事業者の安全対策や地域振興への取り組みなどを踏まえまして、原子力三原則を基本に総合的に判断いたしました。
知事意見につきましては、次の6項目につきまして、国において誠意と責任ある対応をされることを前提に、敦賀発電所3、4号機増設計画を電源開発基本計画に組み入れることに異存のない旨、明日6月13日付けで回答することといたしました。
その6項目は、1つには敦賀発電所3、4号機そのものの安全性の確認をはじめとした安全確保対策、2番目に国の原子力政策に対する国民合意の形成、3番目に防災訓練やテロ防止等の防災対策、4番目に環境保全の徹底や温排水等の環境保全対策、5番目に近畿自動車道敦賀線や北陸新幹線等の重要プロジェクトの推進、6番目に企業誘致や電源三法交付金制度の拡充など電源地域等の振興、この6項目であります。
なお、これら意見書に明記いたします6項目に対する国の取り組み状況によっては、今後、国が進める原子力政策に対する本県の協力のあり方を見直すとともに、県が有する権限等を留保せざるをえないことを申し添えることといたしております。
この知事意見につきましては、国に十分、理解していただくことが大切でありますので、明日、副知事が経済産業省資源エネルギー庁に出向きまして、河野長官に直接提出いたしますとともに、意見書に明記する6項目については、要望書として取りまとめ、各関係機関へ要望することといたしております。
以上が敦賀3、4号機増設計画にかかる意見書についてであります。
次に、若狭湾エネルギー研究センターにおける陽子線がん治療の臨床試験についてお話をさせていただきます。若狭湾エネルギー研究センターでは、平成11年度に加速器を整備いたしまして、工業、農林水産、医学などのさまざまな分野におきまして、放射線利用計画・研究を積極的に進めてきております。
特に陽子線がん治療・研究につきましては、昨年8月に研究装置を整備するなど、本格的な研究開発に向けた準備を進めてまいりましたが、昨日から、がん患者に陽子線を照射する臨床試験に着手いたしました。この臨床試験は、市立敦賀病院および県立病院の支援を受けまして、今月から来月にかけて2症例、来年1月から3月にかけまして4症例の合計6症例につきまして、装置の有効性などを確認することを目的として実施するものでございまして、来年7月に終了する予定であります。臨床試験が終了した後は、年間20人程度のがん患者を対象といたしまして、装置の小型化、照射技術の高度化に向けた本格的な陽子線がん治療研究を進めまして、実用的ながん治療方法の開発に取り組みたいと考えております。
若狭湾エネルギー研究センターにおける陽子線がん治療研究は、本県における高度先進医療の確立に大きく貢献するものと期待しておりまして、今後はこの研究の成果を踏まえまして、県民の福祉向上に寄与するため、陽子線がん治療の専用施設の整備につきまして検討を進めてまいりたいと考えています。
地方の研究機関が陽子線がん治療研究を行うのは、若狭湾エネルギー研究センターが初めてでございまして、また現在、国内で陽子線によるがん治療が行われているのは、国立がんセンターなど4か所のみですので、今後この研究を着実に進めたうえで、北陸地域はもとより、近畿、中部地域を含めた陽子線がん治療の中核施設の整備を目指していきたいと考えております。
なお、本日の庁議におきまして、「第20回国民文化祭・ふくい2005基本構想」を決定いたしました。
私からの発表は以上でございます。
○質疑応答
(広報広聴課長)
それではただいまの発表事項につきましてのご質問をお受けいたしたいと思います。
(記者)
3、4号機について、さまざまな観点からご判断されたと今ご説明がありましたが、先日、副知事のもとに、21万の反対署名を集めた草の根連帯が来られましたが、これまでも知事は「重く受け止める」という発言をされてきたと思うのですが、この点については、判断にあたってどのように勘案されたのかお聞きしたいのですが。
知事)
敦賀発電所3、4号機の増設問題につきましては、いろいろなご意見があることは十分承知をいたしております。促進のご意見、また今程お話がありましたような反対のご意見等々があるわけですが、これらにつきまして、幅広く慎重に検討をしてきたわけでございます。この反対の方々が特に問題とされ、心配しておられる安全性の確保ということが非常に大事ですので、今後とも安全性の確保を国に強く要請していくということで、この問題に対処していきたい。基本的には県議会の意見を尊重して、取り組むことにしたということです。
記者)
最初の質問にも関わるところがあるのですが、住民理解、これは言葉でいうと簡単ですが、非常にとらえにくい事象でもあると思いますが、ご判断の中に、ある程度の理解も進んだということが、十分かどうかは別にして、総合的な判断の中にあるのかなと理解をしています。この増設に関する住民理解がどこまで進んで、今後どの辺がまだ課題として残っているのか、そのあたりのお考えをお聞かせください。
知事)
原子力行政そのものについての県民・国民の理解という点では、国に対してもさらに国民合意の形成について努力してほしいということは、常に我々も主張をしていまして、そういった国の努力は今後も続けてもらわねばならない。
特に、今回の3、4号機の増設に関連して、国が考えています電力需給計画で、原子力発電所の増設が今後まだ必要だという計画を持っているわけですから、そういった計画について国民の理解・協力が得られるように、さらに国に努力してもらう、ということで、これは先日、平沼大臣にもお願いいたしました。
それから3、4号機そのものについての県民の理解がどの程度かということですが、もちろん、その当時21万の署名がございまして、我々はそれを受けて、今までの原子力発電所の安全性の確認、また事故がどうして起こったのかといった検証も進めてまいりまして、今後も事故が起こらないよう、安全に運転できるようにと国にも要請をしました。また3、4号機そのものの設計につきましても、大型化しておりますし、改良点もあるわけですので、そういった点について県独自で十分な確認をいたしておりまして、そういったことで、長い時間をかけて、細部も含め議論をしてまいりました。
もちろん、先日お見えになったように、まだ反対の方もおられますけれども、反対の方々が心配しておられる安全性の確保というものを、今後、国に対しても要請をし、我々も確認していくということで、この問題を進めていきたいということで、総合判断したわけであります。
記者)
今の理解というところと若干重なりますが、93年に県会で採択された頃には、準立地といわれる周辺地域、三方町とか河野村とか越前町の方々からは、かなり強い反発が出ていたのですが、現在そのような強い反対のところはないように見受けられますが、知事としては周辺地域の理解も進んだとご覧になっていますか。
知事)
最初は周辺地域の反対もありましたが、この数年の間に周辺地域の理解はある程度進んできているのではないか、そういう判断のもとに今回の最終判断をしたということであります。
記者)
近畿自動車道敦賀線や北陸新幹線の地域振興と引き替えに増設を認めるのではないかと、否定的な見方をする人も多いようですが、それについてはどのようにお考えですか。
知事)
県も原子力行政の三原則を持っているわけですので、安全性の確認・確保、住民の理解・協力、そして恒久的福祉というのはつまり地域振興ですから、この3つを確保されるように努めていくということで、その三原則の1つである地域振興について、具体的には近敦線なり北陸新幹線をぜひ進めてほしいと要請しているわけです。県がこういった福井県の原子力行政を進めていく場合に、地域振興がなおざりにされても、なおかつどんどん進めていくという姿勢をとらないということであります。
記者)
北陸新幹線の方を聞きたいのですが、北陸新幹線への政府の対応を見るのは、来年のスキーム見直しが最初になるのかなと。南越までの着工と南越・敦賀間の計画が、もしそのスキーム見直しで満たされない場合には、「待った」をかけることもありうるのですか。そこまでの考えをお持ちなのでしょうか。
知事)
そういう決定がされるという想定がいいのかどうかという問題がありまして、我々はむしろ、南越までの着工が次のスキーム見直しでは盛り込まれるだろうと期待しておりまして、仮に盛り込まれなかった場合にはどうかということになるわけですが、その「仮に」のウエイトを、我々はどちらかというとスキームに入る方にウエイトを置いておりますので、そういうことはないと思いますが、仮にそういうことになればストップをかけなければいけないことにはなります。そうならないとは思いますが。
記者)
前回、一度ご説明いただいたかと思いますが、今後、仮にこの6項目の中で、国の取り組みが不十分だと判断した場合、県の持っている権限で計画の進行を止めることも可能だということだったのですが、もう一度改めて、どういった権限を持って、この6項目がなされない場合の対応をするのか、説明をしてください。
知事)
法律に基づく権限は、あとで原子力安全対策課に聞いていただければわかりますが、知事が持っている法律上の権限がいくつかあり、そういうものを行使することもあります。それから、例えば地域振興など6の項目が、我々が満足できるものではないということで、仮にストップをかけるとした場合、地元知事が反対をするということは、もちろん法律的な権限でストップをかけるものはかけますが、そういう法律的な権限のほかに、地元知事たちが反対をしているということでこの計画がスムーズにいかないことは明らかです。そういったことも含めて、国に対してチェックをしていくということを申し上げているわけです。
記者)
繰り返しなのですが、具体的な権限をもう一回、詳しくお願いします。
知事)
5項目書いてありますので、法律もそれに基づく権限も。それはあとでまた原子力安全対策課に聞いてください。
記者)
この6項目は、1つでも欠けたら、いろいろな場面でストップをかけるということだと思うのですが、そのタイミングは地域振興以外にどのようなものがあるのでしょうか。
知事)
この6項目について、ここにありますように、政府が誠意と責任ある対応をされることを前提に、異存のないことを回答しますということです。そして、これらの6項目に対する国の取り組み状況いかんによっては「待った」をかけますよということですから、どういう場合に「待った」をかけるかは、その時その時の国のこの6項目に対する取り組み状況により決めていくということです。今、こういう場合、こういう場合という想定はなかなかしづらいと思います。
記者)
増設ということを判断するうえで、地域振興などを、県の方からこのように注文なりを出して、それが進められてきて、慎重に判断されたということですが、結果として原発に対する依存度がより強まる結果になったと見えなくもありません。そのように知事はお考えではないですか。
知事)
依存度というのはどういうことですか。
記者)
原発に依存する部分が大きくなったということです。
知事)
趣旨がよく分かりませんが、我々15基体制で、県民感情からして15基を16基、17基と増やしていくのはいかがなものかということで、県議会でも十分議論をして、当面は15基でやるように、増やさないということで進めていく。その中で、今の「ふげん」と敦賀1号機をやめるということで、いわば15基体制が確保できたということで、今回の判断をしたわけですから、依存度という意味はよく分かりませんが、どんどん原子力発電にウエイトがかかるということではないと認識しています。
記者)
今の質問の依存度の意味ですけれども、例えば市町村の財政面とか、税収、交付金、あとは雇用であるとか、そういう面での依存というか、依拠する部分がまた大きくなるかなというご指摘で質問しているのではないかと思いますが、その辺を含めて。
知事)
逆に言いますと、我々の原子力発電に対する取り組みは、雇用を増やしたいから、あるいは地域振興をどんどん進めたいからということで立地を促進するという立場ではなくて、国あるいは事業者が求めている増設計画について、例えば15基を堅持する、あるいは地域振興としてきちんとやってもらうということで、言葉はいいかどうかかわかりませんが、「受け身」の立場であって、地域振興、あるいは雇用確保のために、どんどん原子力発電所を増やしていくという立場にはないということです。
記者)
ただ、結果としてはそうなる。ついてくるわけです。恩恵といっていいかどうかはわかりませんが、そうした部分は必ず地元にも来るわけで、そうなるとやはり依存度という点で言うと、確かにそうではなく、受け身のスタンスかもしれませんが、結果としてそれについてくることを考えると、やはり依存度は高まったのかなと。
知事)
依存度という言葉がよく分かりませんが。
記者)
地元もそういう要望はしているわけですよね。そういったことも考えたうえで、やはり増設は促進ということになったのですか。
知事)
まず日本原電が増設をしたいという申し出があって、これに対して地元がどうこたえるかということで、地元がどんどん電力会社に働きかけて、増設、誘致をやっているわけではないですよね。そういう国なり事業者の原子力発電所の増設の必要性を、地元がどう受け止めるか、県がどう受け止めるかという問題だと思います。
記者)
経済界からも促進の要望が出ましたが、それも依存とはとらえられないでしょうか。
知事)
いや、依存という言葉の意味がよくわからないのですが、我々は先程から言っておりますように、国の原子力発電所の増設計画があって、いわばそれの一環として増設したいという事業者からの要請を受けて、県としてどうするかという判断をする。その際に、先程の三原則で判断をしていくということです。その過程で、事業者からの増設計画について、経済界からはそれを進めてほしいという要望はありました。
記者)
計画が出てきてから9年ぐらい経つわけですが、率直なお気持ちとして、ここではかなり大きな節目を一つ越えられたことになると思います。実際の率直なご感想と、これまでの原発についての判断は中川知事のときに計画があって、ずっと引き継いだものには「もんじゅ」などもあったと思うのですが、3、4号については本当に知事ご自身がご判断された、初めてのケースではないかと思います。その点も含めてご感想がありましたら。
知事)
国が原子力発電に頼らざるをえないこと、そして地球温暖化の対策を進めていく中で、3、4号をぜひ進めたいという国の要請、あるいは事業者の要請にどう応えるかということで取り組んできたわけですが、やはり15基を守ることができたということは、県民感情からして、どんどん増やすのではなく15基体制を確保できたということで、我々はそういう判断ができたのではないかと思っています。私にとっては初めての増設を認める判断をしたわけですけれども、やはり国のエネルギー政策に協力していくということは、現在、我が国が置かれているエネルギー事情、状況からして15基体制を守りながら協力することができたことは、よかったのではないかと思います。
記者)
少しさかのぼるのですが、平成12年2月に事前了解願いが出まして、記憶にあるのは、そのちょうど1か月少々の前の1月に、原電の社長さんが年賀の挨拶にみえられた時に、私どもの受け止め方が違うかもしれませんが、どちらかというと知事の方から「そろそろ検討に入ってもよろしいかな」というニュアンスの言葉を発せられたと、新聞でもそのような書き方をしたと思いますが、あのときは、どういうご心境だったのでしょうか。
知事)
向こうが言いたかったことを言えなかったわけでしょう。そういうことで、いわば進めてきていたわけでしょう。言わないからこちらから言ったというだけで、それほど大きな意味を持たせているものではないです。
記者)
プルサーマルのことでお伺いします。高浜の方はそろそろ返還になりそうですが、知事はプルサーマルの事前了解はまだ変わっていないというお考えですが、福島県の方では、知事がプルサーマルの必要性自体を考えていらっしゃるようで、それで「凍結も」ということもおっしゃっています。だいぶ福井県と福島県では温度差があるように感じるのですが、知事は、福島県の今の状況をどのように見ていらっしゃるのでしょうか。
知事)
福島県の状況は、我々はよく分かりませんけれども、近く、返還のための船が着くということです。けれども、我々は平成11年6月に、県議会の議論を踏まえてプルサーマル計画は認めましょうということで結論を出しているわけです。その後、例のデータ不正が発覚したということで、我々の立場としてはプルサーマル計画を認めること自体は変わりませんが、データの不正を起こしているといったようなことで、その辺をきちんとしなければ、これからまた問題になるわけですから、この問題の出発にならないということが1つ、それから、現在、保管しているMOX燃料が返されて、今度はどこの会社とどういう契約をするのか、どういう燃料の作り方をするのか、その際にデータの不正のようなことが絶対にないと保証できるのか、そういう議論を進めていくことになるわけで、プルサーマル計画そのものについての我々の考えは変わっていない。それをいわば大前提として、データ不正あるいはMOX燃料の製造を踏まえた議論をすべきだと思います。
記者)
少し先走った質問になりますけれども、ポストW杯といいますか、今後のメキシコとの交流ですが、今までは教育庁の担当だったと思うのですが、交流という形になれば知事部局となりますか。お考えになられていることがあると思いますが、この機会でメキシコに対するかなりいいムードができたと思います。今後のメキシコとの交流を推進していかれることについて、何かお考えをお聞かせください。
知事)
昨日、三国に行ってまいりましたが、ペラエスさんが、再度日本に来たいと言っておられまして、福井県のイメージアップ、子どもとの交流等といった意味で非常に効果があったと思っております。今後も、サッカーだけではなく、メキシコとの交流を進めていきたいということで、まだ具体的に取りかかってはいませんが、今は教育委員会がやっていますから、それを知事部局の例えば国際課など担当部署を決めて、メキシコとの交流をどのように進めていくかということを早々に検討していきたいと思います。
記者)
関連するのですが、キャンプを誘致したことについて、経済波及効果の試算はあったのですが、全体を総括してどのように思われますか。
知事)
メキシコの練習も公開されて、多くの人が観戦をしましたし、子どもたちとの交流、メキシコ料理の講習、それからメキシコの作家の展示会もありました。今回のメキシコの代表チームが来ることに関連してのいろいろな事業がありましたから、非常に経済効果も上がったのではないかと思っております。今後メキシコと幅広い交流をすることによって、さらにいろいろな面で効果が上がることを期待しております。
記者)
北陸新幹線のことを伺います。先日、自民党の整備新幹線建設促進特別委員会の野沢委員長が、若狭回りよりも米原に接続した方が費用対効果などの面からも非常にいいと。それで見直しの時期も迫ってきているので、判断の時期に来ているのでは、といった見解を示されたのですが、それに加えて県選出の国会議員の方々も同じような考えを示されました。知事として、そのあたりについて、どうお考えですか。
知事)
野沢さんの考え方は、若狭ルートをやめてとは言っていませんでしたね。若狭ルートは、どう言う言葉だったか、まあ残しておいて、とりあえず、というようなニュアンスでしたね。来年の秋に新幹線の見直しがありますから。
私自身は、南越まで行って、南越から敦賀まで、そしてその先ということになると、富山までが一昨年のスキームで12年強です。我々としては南越まで同じ12年強の間でやっていただきたいのですが、そうなるかどうか。そうしますと例えば南越まで15年ぐらいかかるかもしれない。12年強でやれればいいのですが、そうすると今から十数年までかかって南越ということですから、スキームの見直しの際に、我々としては、南越までぜひ一括認可をしてほしい。それが認められれば十数年かかって工事が行われるということですから、その先のことをきちんとしなければ足かせになるという意見があるのですが、果たしてそうなのかと私自身は思っています。そこで、来年の秋のスキーム見直しに向けて、南越までをきちんと一括認可が下りるようにしていくことが当面の課題だと思っています。
若狭ルートを前提として米原に結びつけるのか、あるいは湖西線をフリーゲージでいくのか。そろそろ議論は固めていかなければなりませんけれども、私の現時点での考えは、その先を明確にしなければ南越まで来ないというものではなくて、むしろ南越まで来るために、石川県や富山県等と一体になって、運動していかなければいけないと思っています。
以上
〈 総務部広報広聴課 編集 〉
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