知事記者会見の概要(平成26年11月21日(金))

最終更新日 2014年11月25日ページID 028409

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平成26年11月21日(金曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

 
知事記者会見写真(11月)
  

 

【知事】

 今日は11月の定例記者会見です。私からの発表事項としては、12月補正予算案、バンコクビジネスサポートセンターの開設、オリンピック東京大会への対応、この秋の米価下落等に係る減収農家への金融支援、それから、恐竜ブランドを活用した誘客などについて申し上げます。

 

 まず、12月補正予算案です。

〔資料:予算案の概要主要事業

 今回の補正予算案は、若狭さとうみハイウエイの全線開通により順調に推移している観光客の流れ、あるいは地域への経済波及効果を、なお途切れることなく、夏、秋から次の冬、それから春先にかけて誘客拡大につなげていくための予算が1つです。

 2つ目は、従来からお医者さんの確保や医療・介護の連携を推進するために地域医療再生基金が国から来ておりました。平成21年から25年まで5年間、国の交付金が85億円来ておりましたが、今回、この制度が変わり、高齢化の進展に対応するための財政支援制度ができたので、さらに継続して基金を積み立てて、医療・介護の提供体制の充実を図るというものです。初年度の今年、全国で904億円の基金がありますが、福井県で8億円程度になります。なお、来年度以降については、国の新年度の予算などで決まっていくという制度と理解しています。

 3点目は、毎年の人事委員会勧告を受けた職員給与費の予算計上です。

 

 まず、誘客拡大ですが、7月に全線開通した若狭さとうみハイウエイ、舞鶴若狭自動車道を利用して、嶺南地域では、嶺北、福井・越前地域からの観光客や、県外でいいますと中・四国など遠方からの観光客が順調に増加しております。この好調をこれからの冬と春先につなげていくために、誘客や消費拡大を目的としたキャンペーンを行います。

 開通後3か月間の嶺南地域の主要観光地への入込客数は、前年同期比で約22%増となっております。しかし、春・夏に比べ、秋、特に冬はすごく数字が減りますので、それをうまく次の春先につなげていく必要があるわけです。

 そこで、1つは、「若狭路冬・春キャンペーン事業」を行います。4千万円余の予算になります。来年度の春につなげるものがありますので債務負担行為が一部入っています。

 具体的には、これまで実施してきた夏・秋の「モリモリ若狭路キャンペーン」を引き続き嶺南地域で行うものであり、消費額の1割相当の特産品をプレゼントすることによって消費拡大をするものです。

 この夏と秋では、9億円の消費拡大を目指して予算を組みました。9千万円のお金を使って、10倍の9億円の消費を喚起し、さらに、付随的な消費拡大として約3億円拡大しましたので、消費効果としては12億円ぐらいの波及効果があったようです。今回は3か月ぐらいの期間になり、4千万のうち約3千万円が商品に充てられるわけですが、それで10倍の3億円の消費、さらに波及効果も1億円ぐらいで、4億円ぐらいの効果が出てくるというふうになるわけです。

 もう1つは、土・日曜日、休日などを中心に、三方五湖パーキングエリアや若狭路の道の駅などにおける特産物の販売なども行う予定にしています。

 それから、9月からコシヒカリ全国キャラバンを行ってきたキッチンカーを活用し、そこで調理した食をアピールするなどして、地域の観光団体が主体となった誘客事業を支援します。

 なお、キッチンカーは、9月から走っていますが、昨日までで約8,600キロ、日本を縦断したという状況であり、味の週間の最終日にこちらへ戻ってくることになります。

 

 次に、2つ目の、医療・介護関係の予算です。

 団塊の世代が75歳以上となる2025年というのが一種の人口問題のキーポイント、あるいは高齢化対策のキーイヤーということになるわけですが、こういうことも考えながら、国は本年6月に新たに「地域医療介護総合確保推進法」を制定し、従来の基金に代えて、全都道府県、それぞれ合計すると約900億円の新たな基金制度を設けました。これを福井県としても活用しながら、1つは、「地域医療介護総合確保基金」8億4,000万円余の基金をまず積み立てます。そして、これを基に事業をするわけです。

 具体的な事業をいくつか申し上げますが、「医師確保の推進」に約460万円です。現在の修学資金貸与制度や医師派遣支援制度の拡充、あるいは若手医師に対する研修・指導体制の強化のお金として使われます。

 それから、「病床の機能分化、連携体制の強化」です。比較的大きい病院では、急性期病棟が多かったのですが、これからだんだん高齢化しますと、回復期病棟への転換というのが全国的にも必要であり、福井県内の病院等でもこういう動きがございますので、そういう施設整備を、今年度を初年度として来年以降も続けていく。その初年度の予算が約3,900万円になるわけです。

 

 3点目は、人事委員会勧告を受けた職員給与費の補正で、13億1千万円余です。今回の人事委員会勧告においては、本年度分として月例給の平均0.26%の引上げ、また、期末勤勉手当支給は0.15月分の引上げを行う一方、来年度以降、50歳代後半層の給与制度の見直しということで、国に準じて給料表の水準を平均2%引き下げ、高齢者については4%引き下げる勧告がなされており、今回の議会で引き下げる条例を提案します。ただ、今回のお金の面では給与の人勧分の引上げだけが13億円出て、先ほどの2%とか4%の引下げについては、条例は出しますが、予算の額は来年度以降で減額がされていくわけです。

 この結果、12月補正予算の規模は約22億円となり、4,884億円の現計予算額になります。前年度比0.9%の減少となります。

 以上が12月補正予算の概要です。

 

 次に、「ふくいバンコクビジネスサポートセンター」のオープンです。

〔資料:バンコク訪問日程

 来週11月25日にタイ・バンコクに、ビジネスサポートセンターを開設します。福井銀行の駐在員事務所の開設と合わせて行うものであり、まず、福井銀行1名、福井県職員1名、現地スタッフ2名、計4名でスタートをします。

 バンコクについては、ASEAN経済共同体の発足が来年予定されており、各国間の経済の自由化が予測されるなど、東南アジアの要の地域になるわけです。福井県からもタイを中心に他の周辺の国にも多くの企業の立地がございますし、福井県としても、タイ政府工業省とのさまざまなビジネスの提携、あるいは、恐竜等のつながりがありますので、「シリントーン博物館」との提携、あるいは旅行関係のセールスのために、私もバンコクにこの週末から3日間参らせていただきます。

 11月25日には、開所式、夜は関係企業との意見交換などを行います。

 そして、タイ工業省とのMOU(了解覚書)締結により、現地企業や工業団地に関する詳細な情報、データなどがタイ国から提供され、これによって進出企業が現地において安定した品質の資材の提供を受けることが期待できます。また、今後、工業省の幹部を講師とする東南アジアセミナーを福井県内で開催したり、タイ国内における大規模な商談会の開催など、タイ国政府との連携を強めたいと思います。

 こうしたタイ政府工業省とのMOU締結は、福井県が7県目となります。平成25年に埼玉県、山梨県、秋田県、鳥取県、今年に入って島根県、愛知県がそういう契約を結んでおります。

 それから、恐竜博物館の関係ですが、タイの「シリントーン博物館」との姉妹提携調印です。シリントーンという、現のタイ王国の王女のお名前を冠した国の博物館であり、恐竜の研究と展示に関しては東南アジアで最大級の博物館と言われております。

 この博物館とは平成18年から交流を深めており、さまざまな特別展での恐竜化石の標本の借用展示などを行っており、こうした交流の結果を踏まえて、今回、姉妹提携を行うことになりました。当日は、シリントーン博物館長やタイ政府の鉱物資源局長も参加していただき、調印を行います。

 これからは、この提携を基に、タイでの共同研究、研究員の相互交流をさらにより強めていきたいと思っております。

 福井県立恐竜博物館は、世界3大博物館であるロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館など8つの博物館と提携をしていますので、今回は9番目となります。

 なお、アジアからの観光客が、福井県も増えつつありますが、なおなお石川県や富山県と比べると人数が少ないので、私自身も、タイの旅行会社やエージェントに対しセールスをしてまいります。

 なお、中部各県の東南アジアの事務所の状況を申し上げますと、シンガポールに石川県、長野県、静岡県、バンコクには富山県、愛知県、三重県が事務所を設けています。

 

 3点目ですが、東京オリンピックのさまざまなビジネスあるいは競技などに対する福井県としての対応です。

 東京オリンピックについては、その効果が東京のみならず日本全国に、都市と地方がともに発展するのに役立ってもらわなければなりません。このため、県としては、国際交流あるいは観光誘客、それから県産品の販路拡大、スポーツの面ではキャンプの誘致など、いろんな分野の検討と実行が必要ですので、これらを全て含めて、全庁一体となって進める東京オリンピックの総合対策会議を今日、設置します。

〔資料:オリンピック・パラリンピック東京大会 総合対策会議

 杉本副知事が全体の座長、副座長が教育長と国体推進局長で、関係部局の企画幹で構成され、今日午後、第1回会合を開催します。第1回目ですので、私も出席していろんな意見交換を行います。

 今日は、県庁に東京オリンピック組織委員会の布村副事務総長がお見えになりますので、ご参加をいただいて意見交換をしたいと思います。副事務総長は今、意見を聞くためにずっと全国を訪問しておられ、この結果を来年2月の国際オリンピック委員会に提出する基本計画にも反映させたいとうかがっております。

 組織委員会に対しては、福井県の優れた繊維、伝統工芸などの製品を大会で使う品物に採用していただくとか、北陸新幹線活用による観光誘客のPRなど、いろんなことを依頼したいと思います。

 

 4点目は、米の価格の下落に伴う農家への金融支援です。

 現在、農業関係の融資制度としては、農業近代化資金があります。県あるいは国が共同して利子補給をして、できるだけ低利の融資をしていますが、今回、米の価格が下落していますので、これをベースに、JAグループと県が協力して農業者に対し、無利子の融資制度の農業近代化資金にするというわけです。

〔資料:米価下落等に係る減収農家への無利子融資の概要

 米の値段は、本県産コシヒカリで、去年は1俵1万2,300円でしたが、今年は1万300円で、2,000円下落しています。こうなりますと農業者が営農意欲を失ったり、次の農業への投資とかいろんな問題があるわけであり、今月13日には、県議会議長、田波JA中央会会長とともに農林水産省に、JAに対する改革などのさまざまな問題について、実態に即した対応を行うことを強く要請したところですが、我々地元としては、こういう状況ですので、稲作収入の減少で資金不足ということに対応するために、国と県が利子補給して、さらに0.35%分の利子が残っているわけですが、それをJAグループが利子補給をして無利子にすることになりましたので、今回ご報告します。

 

 最後に5点目ですが、恐竜ブランド活用による観光誘客です。

 来年3月の北陸新幹線の金沢開業を目前に控えて、大都市圏での福井県の認知度向上、観光誘客が重要です。いろんな方法を講じていますが、特に本県のブランドとしての恐竜を前面に出した観光PRを追加して実行したいと思います。

〔資料:恐竜ブランドを活用した誘客策

 まず、福井県の空の玄関口というのは小松空港になるわけであり、今回、1階の到着ロビーに動く恐竜ロボットを設置します。これは動くと同時に人が近づくと動くとか声を出すとかびっくりするようなロボットであり、このロボットの除幕式を本日午後、小松空港において行います。観光営業部長とラプト君が出席し、JAL、ANAの関係者と除幕式を行います。

 なお、首都圏でのPRについては、明後日、23日から2日間、東京・神楽坂通りで恒例の「越前・若狭まつり」がありますので、大型肉食恐竜タルボサウルスの頭骨や実際触れていただける実物化石を展示します。

 さらに、来年1月中旬には、大宮駅において恐竜等をテーマにした大型のフラッグ広告とポスターを集中的に掲出したいと思っております。

 また、来年3月になりますと、金沢開業に合わせて、福井駅の西口広場に動く恐竜モニュメント3体を設置するとともに、JR福井駅西側壁面に恐竜の絵でラッピングをするなど、誘客を強めてまいりたいと考えております。

 

~質疑~

 

【記者】

 補正予算の件で、先ほど、若狭路キャンペーンで9億円の消費があったと話をされていましたが、9億円という数字は、昨年の同じ時期に比べて消費がどれぐらい増えたと言えるのですか。

 

【知事】

 9千万円のお金を使って9億円の需要に対応し、さらにプラスアルファとして3億円の需要が出たということです。今回は3千万円のお金を使って10倍の3億円。そして、さらにプラスアルファで1億円と目論んでいます。

 

【記者】

 オリンピック・パラリンピックの総合対策について、キャンプ誘致活動ということですが、現段階でこういったスポーツをこういった施設に、という構想や思いがありましたらお願いします。

 

【知事】

 これは、今日からいろんな対策を、杉本副知事を中心にやりますが、伝統的に強いスポーツがいろいろありますので、そういうところを中心に。また、ワールドカップやオリンピックなどいろんなことで既に来ていただいている国やスポーツがありますので、そういうものはかなり有力かとは思いますが、これからの検討です。

 

【杉本副知事】

 これからまた、市や町にも声をかけていきますが、今、知事が言われたように、ワールドカップサッカーでメキシコにキャンプを張ってもらったり、世界陸上でギリシャがキャンプを張るとか、いろいろやってきましたので、そういうところが有望だと思いますが、そこは各市や町がまず考えることになると思いますので、これからのことです。

 

【記者】

 質問というよりもお願いですが、今日、小松空港で恐竜ロボットの除幕式を行うということですが、なるべく全国に発信したい話題ですけれども、今日発表して午後となると、対応しかねることが多いので、もう少し早く教えていただけないかというお願いを…。

 

【知事】

 体は1つしかありませんからね。そうですか、承知いたしました。

 

【記者】

 オリンピック・パラリンピックの関係で、ここの部分に特に力を入れていきたいというものがあれば教えていただきたいのですが。

 

【知事】

 これは、分野がいろいろございまして、1つは、先ほど杉本副知事が説明したように、キャンプとかそういうものをいかに誘致して、それぞれの国と友好を深めたり、地域おこしをするというタイプのもの。

 それから、いかに福井の商品を受注していただけるかということです、それが2つ目の筋です。福井県には、伝統産業とか、和食とかいろんなものがありますので、それをいかに売り込んでいくか。売り込み方も普通の売込み方以外にいろんな手法を使って、できるだけパワーがあるようなものにしないといけないと思います。46道府県ありますから、競争関係にありますけれども、福井県にはいろんないいものがありますので、頑張りたいと思います。

 あともう1つは、オリンピックにお見えになったときに福井県にいかに観光などに来ていただけるかというタイプが3つ目としてあるということです。それを進めていくことになります。特に物の売込みは、時間を使ってやらないといけないことだと思っています。

 

【記者】

 全体的に並行して力を入れていくという…。

 

【知事】

 はい。

 

【記者】

 今朝の一部報道で「西川知事、4選出馬へ」という報道もありましたが、来春の知事選に関して、知事は去就についてどうお考えでしょうか。

 

【知事】

 これは、統一地方選挙の知事選挙ということですので、政治に関わることですし、県民の生活に深く影響することですので、11月28日から始まる県議会、県民の代表であります県議会の場で出処について申し上げたいと思っております。

 

【記者】

 自民党県連の山本拓会長が、4期目になる知事に関しては推薦を出さないということを明言されていて、西川知事に対しては、新しい方に禅譲されたらどうかということを言っておられるようですが、そのことに関してはどうお受けとめですか。

 

【知事】

 まだ28日にどうするかということですし、自民党というのでしょうか、あるいはその一部かよくわかりませんが、コメントのしようがないということでしょうか。

 

【記者】

 28日に出処をおっしゃられるということですが、どういったことを判断のポイントとして考えていらっしゃいますか。

 

【知事】

 28日にそういうことも含めて申し上げるという状況かと思います。

 

【記者】

 今日、衆議院が解散される見通しですが、これについての受けとめと、これから選挙戦でどういったテーマで論戦が深まっていくということを期待されているか、お願いします。

 

【知事】

 今日解散という方針ということですが、そのことについてはともかく、どういうことが大事かということになりますが、まず、今回は地方創生ということが大きなテーマの1つだと受けとめているわけですが、地方創生による地方振興については、いろんな分野がありますが、何といっても生活や産業の基盤になる交通インフラの優先的整備が必要であり、北陸新幹線の早期実現など、ぜひとも進めてほしいというのが1点です。

 それから、今、東京は元気があるかないかというのはいろんな議論がありますけれども、総体的にはやはり地方の疲弊、厳しさというのは、なかなか東京にいるだけではわからない部分が多いわけですが、地方が厳しいというのは人口減少と、それに伴う産業の衰退という議論だと思います。そこで、産業を地方に移転するとか、官公庁や研究機関の一部でもいいから地方へ移すという積極的な政策を進めて、人が都会から地方に行きたくなるようなスタートの選挙になってほしいと思います。

 いずれにしても、アベノミクスによる効果というのが地方にはほとんど及んでいない状況にうかがえますので、中小企業、それから特に農林水産業への対策を、目先のことではなくて、思い切ったことをやるべきだと思います。

 そして、特に福井県の大きな課題でありますエネルギー政策、選挙においても、選挙が終わった後特に重要かと思うのですが、これを明確に国民に説明をして、原発の必要性、あるいは廃炉の問題とか廃棄物の問題など、もっと積極的に説明をし、国民に説得をするぐらいの気持ちでやらなければ、アベノミクスとかいいましても、いろんな経済状況がうまく動かないのはエネルギー問題とかそういうものがかなり影響していると思いますので、エネルギー問題、それから人口問題、こういうことによって経済構造の1つの大きなファクターを動かせるのではないかなと思っております。

 

【記者】

 アベノミクスの効果が地方には及んでいないという話をされましたが、現時点ではアベノミクスに関しては評価されていないということでしょうか。

 

【知事】

 評価というか、途中なのですよね。つまり、産業も大企業が割合中心で、中小企業には十分影響が出ているかどうかというのは問題があるということと、それから、大都市と地方の関係、こういうことでありますので、構造的な議論と実行が要るだろうということを申し上げているのです。

 

【記者】

 確認ですが、今お話しいただいたコメントは、今日解散した後のコメントということで使わせていただいて大丈夫でしょうか。

 

【知事】

 今申し上げたのは、解散のコメントと同じことだと思います。そういうふうにお考えください。

 

【記者】

 国民からも、大義なき解散、なぜ今やるのかという声が出ていますが、知事は解散についてはどうお考えでしょうか。

 

【知事】

 それは、解散するということですから、それをいかに福井県にとっていいものにしないといけないということかと思います。

 

【記者】

 決まってしまった以上はという…。

 

【知事】

 まだ決まってはいないのでしょうが。制度的にも、我々がこうだああだというタイプの問題とはやや違うということですね。

 

【記者】

 安倍首相は消費増税の先送りというのを解散の理由の1つに挙げています。先ほど知事も、アベノミクスの効果は地方に及んでいないとおっしゃいましたが、そうした効果が表われていない中で、10%への増税を先送りしたことの是非についてはどうお考えですか。

 

【知事】

 経済とか、あるいは公共セクターについては財政問題が重要なのですけれども、財政の健全化というのは極めて日本にとって大事なのですが、一方で、僕らが知る限りのいろんな最近のデータなどを見ますと、予定どおりの引上げというのはなかなか難しいデータですよね。ですから、3本の矢というか、アベノミクスに関係しますが、そういうものを考えてこの問題に対応する必要があるのだと思っております。

 その際、消費税の問題もありますが、今申したエネルギーの問題、あるいは地方へのいろんなてこ入れ、基本的な人口問題とか、長期的な、地方の皆さんがこれで何か方向が見られるかなという、そういう意識ですね。それから、大都市中心の政策がどうしても見えるんですよね。そういうものをなくしていくことによって消費税をどうするかという話もうまくつながると思うのだけれども、それがこれからどれくらいできるかにかかるかなと思います。

 

【記者】

 1年半先送りをする中で、今おっしゃったような政策を実現してほしいということですか。

 

【知事】

 ぜひとも何か方向を出さないと、税金だけを個別に取り上げてどうだこうだと言っていても経済もよくならないでしょうし、マインドといいましょうか、それもはっきりしないと思いますね。

 

【記者】

 今回の選挙から福井県は選挙区が1つ減りますが、そのことについて改めてお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

 これは衆議院も参議院もそうですが、過去50年間を統計的に見ますと、それぞれの改選によって、地方圏の政治家の定数が約50減っているのです。そして、大都市のほうに同じ数字が出ているということは、都合100のバランスが崩れているということですよね。

 このまま人口が増田レポートなどの調子でいきますと、さらにこれから30年間で、地方が30減って、大都市に30動いてしまうということになると思いますから、都合80の、減るだけではなくて、大都市に増えてしまうということですから、これはぜひとも直さなければいけないですね。

 

【記者】

 大都市の目線での国政が進められるということになってしまうと…。

 

【知事】

 そうですね。悪循環なのですね、これ。ダイナミックというか、悪いダイナミックなのです。これをぜひとも直すべきで、地方ではちゃんとした定数がなければ地方のいい政治もできませんし、地方の元気も出ない、あるいは人口問題も解決しにくいということだと思います。根っこの問題だと考えているのです。

 

【記者】

 北陸新幹線のことでお伺いします。先日の政府・与党の作業部会で、敦賀までの3年前倒しを前提にした上で、東京五輪の年度に福井までの前倒し開業を考えるという議論が出ていますが、知事はどのように受けとめていらっしゃいますか。

 

【知事】

 これはもともと国の事業ですから、実施主体は国であり、具体的には鉄道・運輸機構がいろんな実務的な議論をするのだと思いますが、我々は地方の立場から、少なくとも3年は前倒しをできるだろうと。これは財源の議論を考えて、いろいろ計算もしてみました。それから、これからの工程を考えても可能だろうということで提案をし、今、幸い大体そういう方向が出ているわけであり、みんなそう思っているわけですが、さらなる話ということになりますと、これは与党のプロジェクトチーム、ワーキンググループなど実施主体のほうでいろいろ考えていただかなければいけない話です、そういう議論をされるのであれば。そういうふうに思うのです。

 

【記者】

 県からもそういう働きかけをしていこうというお考えは今ないと…。

 

【知事】

 これまでずっと、もう結論が出る直前なのですが、少なくとも3年は可能であろうということでやっているという状況だということなのです。

 

【記者】

 敦賀原発2号機の活断層の問題で、先日の有識者会合でも再び見直さないという評価書案が示されましたが、その受けとめはどのように。

 

【知事】

 規制委員会あるいは有識者会合の動き、意見、あるいは調査と、事業者のコミュニケーションというのは、相変わらず十分と図られてないということが問題であり、破砕帯の評価は原子力発電所の存廃に関わる重要な議論でして、破砕帯と、そこにつながっている活断層といいますか、そういう議論だと思いますので、さらに実態的な議論というか、現実的な議論を相互で深めていただくのが大事なのかなと思っています。

 

【記者】

 現実的な議論というのは、例えば原発の工学的なというか…。

 

【知事】

 工学的なこともありますし、活断層というのもいろいろあるでしょうから、どういう活断層で、そのプラントにどういう影響を与えるか、もっと話を詰めないと、抽象的に何かやっていても永久に話が深まらないという問題があるように思いますので、時間の関係もありますから、そこをぜひやるべきなのではないかなというふうに見ます。現段階では規制委員会と事業者のお話ではありますけれども、そこはそういうことだと思います。

 

【記者】

 高浜原発3、4号機は、来春にも規制委の審査をクリアするかもしれないという状況ですが、時期として統一地方選も近いこともあり、例えば3月に審査をクリアした場合に、県としての手続きが地方選に影響されて遅くなるということはないのですか。

 

【知事】

 元の日程がわからないですから。ちょっとわからないです。

 

【記者】

 今、設置変更許可申請と保安規定の変更認可申請、工事計画認可申請の3点セットの審査が進められていると思いますが、最初に事実上の合格が出るのは設置変更許可申請になるとは思うのですけれども、地元としての同意をするかしないかという議論の手続きをどの段階からスタートするというお考えがありますか。

 

【知事】

 大体、それぞれの事柄についてそれぞれに議論をし、いろんなものがまとまれば全体としてもう1回最終的な議論をするというのが福井県の従来の手法ではありますけれども、今回どうするかというのは、ちょっと出てこないといけないという状況ですかね。

 

【記者】

 設置変更許可申請が下りたときぐらいからが…。

 

【知事】

 何かぱっといったら、最初のほうで判断はしないというのが福井県の大体のやり方ですね。それは県民の安全とか信頼に関わることだから。

 

【記者】

 運転開始から40年を超える高経年化の原発についてお伺いします。県内では関西電力と日本原電が、国から廃炉にするか運転延長するか早く判断を示すように求められていますが、地元としてはこの問題についてどのように受けとめていて、どのようなことを要望したいか、改めてお聞かせいただけますか。

 

【知事】

 40年運転ということになりますと、それまでに事前に申請する一定の期間があり、さらにその前に、今のプラントの特別点検が行われますので、現象としては事業者が特別点検をどうするかということから起こるわけですので、それがこれからいつ起こってくるかということに対して、我々が事業者とまず必要な対応をするということになります。まだその動きはないということです。

 

【記者】

 現時点では、事業者が、廃炉にするかどうか、特別点検を受けるかどうかという検討を進めているところかと思いますけれども、この段階で、地元への相談や説明は十分になされているとお考えですか。それとも、もっとこういった情報を提供してほしいとか、要望があればお聞かせください。

 

【知事】

 ご趣旨がよくわからないところもありますが、まずは、事業者が延長するどうかというのは、今のプラントがどうかという点検から行動が始まりますので、その動きがスタートになります。そこで我々がそのお話をどう聞くのか、どう事業者からご説明があるのかという話になりまして、それをひょいとおいて抽象的な議論はちょっとしにくいのですけれどね、その話は。

 

【記者】

 特別点検を実施して、その上で判断をして運転延長の申請をするかどうかということですが、特別点検の段階では運転延長というのを切り離して見られるのか、特別点検に入った時点で運転延長への意思があると見られて説明を求めるのか、県としての議論、考え方というのはどの時点になるのかが知りたいのですが。

 

【知事】

 特別点検というのは事業者の一種の半内部的な作業だと思いますから、それは事業者のお仕事ということになると思います、基本的には。ただ、それを我々がどう見るかというのは、またこれからの対応だと思います。

 

【記者】  敦賀原発2号機について、事業者と規制委員会がコミュニケーションが足りないということで、議論をきちんとするようにとか、事業者の話をもうちょっと聞くようにとか、県としての意見を規制委員会なり国なりに要望する予定はございますか。

 

【知事】

 いろんな機会に言っていますし、こういう場でも言っているわけですから。いろいろ考えてはみたいと思いますが。

── 了 ──

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