知事記者会見の概要(平成15年1月6日(月))
平成15年1月6日(月)
10:00~10:45
県庁 特別会議室
○発表事項
(知事)
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
お手元に平成15年の県政推進の基本的な取組み方針等を記載した資料と、それから平成15年の県政テーマ「活力と交流で拓こう 希望に満ちたふるさと福井」の2つをお渡しいたしておりますが、まず平成15年の県政推進の基本的な取組み方針からお話しさせていただきます。
私は、この16年近く、常に県民の視点に立って福井県の将来を考え、懸命に県政に推進に取り組んでまいりました。
県民の福祉向上のためには、県政が滞ることなく、スムーズに推進されなければならないと考えております。
今後は、残された任期を県民の皆様のご協力をいただきながら、当面する県政の課題解決に向け精力的に取り組みますとともに、中長期的な課題については、これまで積み上げてまいりました福井新時代の基礎づくりをさらに進め、本県が21世紀に大きく飛躍できるよう、その筋道をつけるため全力を尽くす決意であります。
経済のグローバル化やボーダレス化が一層進む中にありまして、国内経済の空洞化、厳しい雇用情勢、不良債権処理の遅れなどにより、日本経済の先行き不透明感や金融不安が高まっております。
また、国、地方を通じ、財政状況は一段と厳しい状況に置かれております。
このように、国内、県内とも社会経済情勢は厳しさを増しておりすが、平成15年の福井県は県民の長年の念願でありました舞鶴若狭自動車道舞鶴東・小浜西間の開通やJR小浜線の電化開業など、交流基盤の整備が図られ、また、「若狭路博2003」、「全国高等学校総合文化祭」などの開催によります県内外との活発な交流によりまして、新たな飛躍のときを迎えます。
そこで、このチャンスを生かし、県民一人ひとりが持つ個性と能力を発揮して生み出される活力と、人々が交流することによって生み出される新たな発想やパワーによりまして、人が輝く、希望に満ちたふるさと福井を拓くことが重要であると考えております。
このような観点から、「活力」、「交流」、「希望」をキーワードに、「活力と交流で拓こう 希望に満ちたふるさと福井」を本年の県政テーマに掲げました。
目下の重要な課題は、一日も早い県内景気の回復でございます。
これまで中小企業金融対策や雇用対策をはじめ、総額1000億円余の切れ目のない経済対策を講じてきたわけでございます。
中小企業対策といたしまして、厳しい経済環境にある中小企業の経営の安定化を図るため、中小企業育成資金の融資枠の増枠を行うとともに、昨年10月には県制度融資の既存の借入金についての借り換え制度を創設し、中小企業の資金調達の円滑化を努めております。
また、厳しい雇用情勢に対応するため、地域において緊急かつ臨時的な雇用を創出する基金や離職等による緊急的な資金借入への利子補給制度などを活用し、新規雇用の創出から生活面の支援まで総合的な雇用施策を行うとともに、失業者の発生を抑制するため、「緊急避難型ワークシェアリング」の導入を支援しております。
政府においては、総合デフレ対策を策定し、6兆円規模の補正予算がこのたび召集されます通常国会冒頭に提出されることになっております。今後とも、県内の経済情勢を十分見極め、国の補正予算との連携を図りながら、引き続き、経済対策を実施し、一日も早い本県の景気回復と雇用情勢の改善を図ってまいりたいと考えております。
さて、新年を迎えて私が心を痛めていることとして、地村さんご一家の拉致問題がございます。
北朝鮮に子どもさんたちが残されているわけでございますので、まず家族全員の帰国を早期に実現させることを最優先課題として、さらに強く国に対して要請していかなければならないと考えております。
このたび、いわゆる「拉致被害者支援法」が制定・施行されましたが、県としても地村さんご一家が我が国において安心して生活できるよう、就職、教育、健康、住宅など様々な課題につきまして、国や地元小浜市と連携してできるだけの支援をしていかなければならないと考えております。
重要施策・事業の取組み方針でございますが、「本年度中に取り組むべき主要な施策・事業」について、まず、お話しさせていただきます。
市町村合併でございますが、平成17年3月末の合併特例法の期限から逆算いたしますと、各市町村は、遅くとも本年度内には、その方向性を定めなければならないと考えられます。
これまで、昨年10月1日の芦原町・金津町の合併協議会の発足を皮切りとして、現在、5つの地域で法定合併協議会が設けられており、また、1地区で任意の合併協議会が設立されております。
また、新たな枠組みを求める住民発議もあるなど、様々な取組みが行われているわけでございますが、合併特例法の期限内に円滑に合併が進むように、全庁を挙げて積極的に支援するとともに、自主的な合併への取組み過程で、必要に応じて調整役も果たしていきたいと考えております。
次に、交通網の整備でございますが、高規格幹線道路につきましては、「道路関係四公団民営化推進委員会」におきまして、昨年12月6日、日本道路公団等の民営化に関する意見書がとりまとめられました。
その中で、今後の道路建設については、
・現行の道路整備特別措置法に基づく施行命令等により高速道路の建設を強制する仕組みは廃止し、新たな制度を政府において検討すること
・新会社は、公益性にも配慮しながら、経営状況、投資採算性に基づき判断し自主的に決定すること
・工事により形成された資産は、新会社に所属させること
・新会社の採算を超える部分につきましては、その財源は国および地方公共団体が負担すること
こういったものが主な柱となっております。
本来高速道路は、国が責任を持って整備すべきものでございまして、国の整備計画として定められております9342キロメートルの整備については、国が料金プール制を最大限に活用し、新たな地方負担を求めることなく計画どおり全線を完成すべきものと考えております。
しかしながら、この意見書が、我々の主張が反映されたものとは考えられないわけでございまして、誠に遺憾でございます。この意見書の方針が、そのまま実施されることになりますと、新規道路建設が実質上不可能となるわけで、到底、受け入れられるものではありません。
舞鶴若狭自動車道の舞鶴東・小浜西間については、本年度末の開通に向けて工事が順調に進められておりますが、小浜西から敦賀までの残り50キロメートルの整備により、「中国道」、「名神高速」、「北陸道」等と一体となって北近畿大環状ネットワークが形成されるわけでございます。
産業・経済の発展に大きく貢献するとともに、災害時における迂回道路あるいは緊急避難道路としても、また、国のエネルギー政策に大きく貢献してきた沿線地域の発展にとっても極めて重要な路線でございますので、これまでもその重要性、必要性を強く県内外に訴えてまいりました。
今後、県といたしましては、これまで主張してまいりました舞鶴若狭自動車道路の重要性、必要性を県選出国会議員、県議会、沿線市町村および経済界と一体となって政府、与党に対して強く訴え、政府が責任を持って個別路線の優先順位を決定する中で、本路線を上位に位置づけ、早期に計画どおり整備するよう、強く働きかけてまいりたいと考えております。
次に、嶺南地域の活性化や地域住民の利便性向上に大きく貢献するものとして、本年3月15日に小浜線が電化開業いたします。
いよいよ長年の悲願が実現するわけでございますので、これに合わせて、利用促進のための電化開業記念事業を実施することとしております。
敦賀までの直流化につきましては、小浜線電化と相まって北近畿鉄道ネットワークが構築され、京阪神圏との広域交流の促進が期待されますので、昨年の基本合意を踏まえ、本年3月にはJR西日本と協定を締結したいと考えております。
そして、今年の秋には着工し、平成18年度中には直流化開業できるよう取組みを進めていく必要があると考えております。
えちぜん鉄道については、2月1日に、えちぜん鉄道株式会社が、京福電鉄から鉄道事業を譲り受ける予定であります。
また、1月中旬ごろには運転再開スケジュールが明らかになることになっておりまして、今後、再開に向け、工事や職員の採用等に順次着手し、沿線市町村と一体となって積極的に電車の利用促進策を図っていくこととしておりますので、県といたしましても、引き続き支援を行っていく必要があると考えております。
次に、県都の整備でございますが、福井駅付近連続立体交差事業については、JR線の約3.3キロメートルの高架区間のうち、約1.5キロメートルの区間の高架部の工事が概ね完了いたしました。
また、駅部全体においても、本格的な高架部の工事が進められておりまして、平成16年度末の高架切替え、平成18年度末の仮線撤去に向けて、計画的に進めていく必要があります。
また、福井駅高架下につきましても、これに併せて利活用の検討を福井市とともに進めており、平成16年度末のJR線高架化・新駅開業に合わせて、事業の促進を図っていく必要があると考えております。
福井駅前線の地下駐車場および幸橋整備事業については、平成18年度の完成を目指して工事を促進を図っていく必要があると考えております。
再開発事業につきましては、福井市三の丸地区市街地再開発事業で、本年春に再開発ビルが竣工する予定であります。
手寄地区の市街地再開発事業につきましては、本年度中に県の公共公益施設を決定したいと考えております。
また、福井駅西口中央地区の再開発につきましては、地元や経済界の主体的な取り組みを促すとともに、行政としての協力について、県・市で積極的な検討を進めていく必要があると考えております。
県立図書館および県文書館でございますが、県民の生涯学習の拠点として、また、歴史的に貴重な公文書・古文書の収集保存を行う施設として、多くの県民の方々に利用していただけるよう、2月1日のオープンを目指しております。
県立大学につきましては、看護福祉学の大学院でございます看護福祉学研究科がこの4月に開設されるわけでございまして、現在、その準備に鋭意取り組んでおります。
これによりまして、3学部3研究科1研究所体制が整い、教育・研究機関として十分な機能が発揮できる組織となります。
このほか、先に述べた中小企業対策と併せ、県内中小企業等の経営革新や創業、ベンチャーへの積極的な取組みに対し、引き続き、資金面、専門家による経営相談、人材育成など、研究開発から事業化まで総合的に支援し、本県産業の活性化に努めてまいります。
また、敦賀市民間最終処分場問題については、地域住民の不安の解消と生活環境の保全に万全を期するため、必要な措置を講じてまいります。
次に、現在進めております計画の策定等がございます。
主なものといたしまて、環境分野では、平成22年度を目標年次とする「循環と共生を基調に環境と調和した『環境立県 福井』の実現」を基本目標とする新たな環境基本計画を近日中に策定いたします。
これは今後、「資源の循環」、「環境関連産業の創造と振興」、「地球環境の保全」、「自然との共生」「環境意識の醸成」の分野で施策を進めていく指針となるものです。
また、民間のリサイクル産業の動向を見極めながら、「福井県リサイクル推進センター(仮称)」基本構想ならびに、資源循環システムの構築と環境産業の創造と振興を図るための「資源循環拠点地域」の基本構想を策定いたします。
福祉分野では、保健・医療と連携のとれた福祉の地域づくりを市町村とともに進めるための「県地域福祉支援計画」、また、高齢者福祉の推進については、在宅サービスを一層充実するとともに、真に入所が必要な方々の待機の解消を目指した介護保険施設等の計画的整備など、各種施策に取り組むための新たな「福井県老人保健福祉計画・福井県介護保険事業支援計画」など、それぞれ新たな計画を策定いたします。
また、「森林・林業活性化プラン21」につきまして、国における森林の有する多面的機能の持続的な発揮を進める政策への転換、あるいは本県の森林・林業の実情を踏まえまして、持続的な森林の保全と利用の調和を基本理念に、近日中に改定したいと考えております。
「水産振興プラン21」につきましても、水産基本法の制定や消費者の食へのニーズが「安全」、「安心」へと変化していることから、「資源を育て、地の利を活かす水産業の展開」を基本理念に、近日中に改定をいたしたいと考えております。
人権に関する教育、啓発につきましては、「人権教育に関する国連10年」福井県行動計画の改定ならびに人権に関する条例を制定することとしております。
これらはいずれも本年度中に策定を行うものでございまして、今後の県政推進の重要な指針となるよう、しっかりとした内容にしてまいりたいと考えております。
次に、「中長期的に取り組む主要な施策・事業」でございます。
すでにスケジュールが明らかになっている施策・事業につきましては、スムーズな実施が可能となるよう着実に準備を進めてまいりたいと考えております。
引き続き取り組んでいくべきものとして、産学官連携により進めておりますレーザ関連技術の開発・研究がございます。
昨年10月には、世界に先駆け、レーザによる金属の光造型複合加工が可能なレーザ工作機械の試作に成功いたしました。今後レーザ関連の研究を一層推進し、この技術を核として本県独自の、世界に通用する中核的な研究拠点の形成を目指していく必要があると考えております。
また、県立高校の入学者選抜制度につきましては、平成16年3月の入学者選抜から普通科と理数科の学区を全県一円とするとともに、学校群制度を廃止することとしており、この制度の見直しが円滑に行われるよう制度の広報・周知や、現在設置しております県教育問題等研究会を中心といたしまして、入学者選抜の改善、中高一貫教育の推進などの検討を積極的に進めていく必要があると考えております。
次に、計画どおりの完成を目指し、引き続き整備を進めていく事業といたしまして、まず、県立病院の再整備でございますが、福井県立総合医療センター(仮称)病院本棟の平成15年度完成を目指し、着実に工事を進めております。
また、県立病院関連施設である小児療育センター、特殊教育センター、福井東養護学校、県立看護専門学校の再整備については、平成14年度に基本計画を策定し、平成15年度の基本設計・実施設計、平成16年度の建設工事を目指して準備を進めております。
南越地区における養護学校の整備でございますが、県産材を使用した木造建築として、幼稚部から高等部まで一貫教育を行う地域の総合養護学校として、平成17年度開校を目指して準備を進めてまいります。
大飯町に整備を計画しております嶺南児童館(仮称)ですが、平成14年度中に基本計画を策定し、整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、全国規模の大会等でございますが、6月にサンドーム福井で開催される「フェンシングワールドカップ福井大会」は、日本で初めてのワールドカップ大会でございまして、その成功に向けて支援を行ってまいります。
また、「第27回全国高等学校総合文化祭」につきましては、本年8月に福井市を中心に県内7市町で、延べ20会場で開催が予定されておりますが、より本格的な準備を進めてまいりたいと考えております。
また、平成16年度開催予定の「第17回全国スポーツ・レクリエーション祭」、平成17年度に本県で開催される「第20回国民文化祭」につきましては、引き続き円滑な開催準備を進めてまいります。
次に、イメージアップでございますが、本年開催いたします「若狭路博2003」につきましては、県民の積極的な参加と協力を得ながら、若狭路の魅力を広く県内外にアピールするとともに、本県のイメージアップや地域の活性化につながるイベントとなるよう、準備を進めてまいりたいと考えております。
また、本年放映されるNHK大河ドラマ「武蔵」に登場する佐々木小次郎を活用いたしまして、「佐々木小次郎ゆかりの地 ふくい」を全国にPRするため、各種メディアを活用した情報発信やイベントの開催等を効果的に行い、本県のいっそうのイメージアップと観光誘客に努めてまいりたいと考えております。
そのほか、本年は、本県と中国浙江省とが友好提携協定を結んで10周年に当たりますので、これを記念した多彩な交流行事の準備を進めてまいりたいと考えております。
次に、これまで積み重ねてまいりました取組みを踏まえ、さらに推進していく必要があると考えられる事業についてでございます。
まず、北陸新幹線につきましては、今年の秋に、次のスキームの見直しが予定されていますので、南越までの一括工事認可と本県内での速やかな着工および早期整備の実現を目指すとともに、南越・敦賀間についても工事実施計画の認可申請と速やかな着工ができるよう、県民一丸となって最大限の努力をしていく必要があると考えております。
中部縦貫自動車道の福井・大野間につきましては、約7割の用地買収が完了し、高架橋下部工事、トンネル工事等が進められており、平成19年度までのできるだけ早い時期に一部区間で開通できるよう、また、大野・油坂峠間につきましては、この路線の重要性について国の理解をさらに強く求め、一日も早くルート公表、整備計画への組入れが行われるよう、沿線市町村と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
福井空港につきましては、「福井空港利活用策検討委員会」からの報告を基に、現空港の利活用に関する推進計画を本年度中にとりまとめ、対応できるものから計画的かつ着実に取り組んでいく必要があると考えております。
教育改革につきましては、21世紀の「福井の教育」の指針であります「福井県教育振興ビジョン」を昨年3月に策定いたしましたが、この基本目標である「家庭、地域、学校の連携による社会全体の教育力の向上」に基づき、県民総ぐるみで、着実にそのビジョンの具体化を進め、福井の未来を担う人材の育成に全力で取り組んでいくことが重要であると考えております。
農林水産政策につきましては、国において、米政策の抜本的な改革を進めるため、昨年12月に、米の受給調整・流通・担い手対策を明らかにした「米政策改革大綱」が策定されました。今後は、この大綱に基づく各施策の本格的な実施に向けまして、市町村・農業団体とも十分協議し、円滑な推進に努めていく必要があると考えております。
原子力行政につきましては、何よりも安全性の確保が重要でございまして、今後とも県民の安全、安心が確保されるよう、県民の立場に立って、国あるいは事業に対しまして厳正に対処していかななければなりません。
敦賀3、4号機増設計画につきましては、県議会の議論や地元敦賀市の意見等を総合的に判断し、昨年12月25日に、安全協定に基づく事前了解をいたしましたが、その際に要請した安全確保や地域振興等について、今後とも国や事業者の取組みを確認していく必要があると考えております。
「もんじゅ」につきましては、昨年12月26日に経済産業省が原子炉設置変更許可を行いましたが、県といたしましては、「もんじゅ」全体の安全性を確認するため、県独自で設けております、「もんじゅ安全性調査検討専門委員会」において、引き続き県民の視点に立った、わかりやすい審議を進めていく必要があると考えております。
最後に、地方分権新時代にあって住民本位の行政を推進するためには、地方の役割に応じた事務権限が配分されるとともに、それに伴う財源が是非とも確保される必要がありました。その方策として国庫補助金等の見直しに見合う税源を地方に移譲することを、地方交付税制度の現行維持と併せ、国に対して強く要請してまいりたいと考えております。
以上、年頭に当たりまして、主要な県政の諸課題の取組みについてお話をさせていただきましたが、任期いっぱい全力で取り組み、知事としての4期16年の仕上げをしっかりと進めてまいりたいと考えております。以上であります。
○質疑応答
(広報広聴課長)
それでは、ただいまの発表事項を含めまして、皆様からのご質問を受けたいと思います。よろしくお願いいたします。
(記者)
最後の地方分権のところで触れられた税源移譲の件ですが、県でも独自の税源移譲の案をまとめて国の方へ提案されたわけですが、知事は政府税調の委員を長くお務めになってこの問題は非常にお詳しいわけですが、知事なりに考えて税源移譲というのは、どうあるべきと考えておられるのかということが1点。
それから、県なりの独自案なども含めて、今後どのように国の方に働きかけていくのかについてもお願いします。
(知事)
地方分権新時代に対応する税源の移譲ということが大きな課題ですが、例の推進会議の中では、事務事業の移譲だけが謳われておりまして、それから、補助金の整理も謳われておりますが、税源の移譲については直接触れられていないということで、大変遺憾に思っております。
今後の税源移譲は、よく言われますように国税として納められるものと地方との割合が6対4といったことが言われておりますが、現実に事業として支出されるのは地方が6で国が4といった状況ですので、その実態に合わせる必要があるわけでございます。
そのためには、地方の税源を充実する必要があるわけで、国から地方へ税源を移譲する必要があると考えております。
具体的には、例えば所得税の一部を住民税に移すといったこと、あるいは、消費税の税率を現状のまま据え置いて、今、5%のうち1%が地方に移譲されるわけですが、その5%の範囲内で、地方に移譲する分をもっと増やすといったような形で、地方の税源を充実することが是非とも必要だと思っております。
2番目のこれからの取組みといたしまして、そういった地方の税源の移譲について、国に強く働きかけをしていく必要があるわけでございますが、その際に、やはり地方として行政改革を徹底することによって、むだを省いているということを国に示す必要があるわけですので、そういった行政改革を徹底して行う。と同時に、全国知事会等を通じまして、その税源の移譲に向けての働きかけを、さらに国に対して強く求めていくという取組みが必要であろうと考えております。
(記者)
外形標準課税が導入されることになったのですが、県内の経済団体などには反対があるわけですが、その辺は今後理解を求めていく取組みはどういうふうに進めるのでしょうか。
(知事)
外形標準課税は、今回の案では大法人に限定をしたということで中小企業に対する配慮がされておりますし、また、法人の所得といわゆる外形の標準の割合を、所得の方にかなりウエイトを置いたということで、企業の厳しい現状にかなりの配慮がされておりますので、そのことを経済界にも理解を求める。そういう取組みを県としても、今後とも進めていく。それと、平成16年度導入ですから、それまでの間にそういった努力をさらに進め、スムーズに導入ができるように努めていきたいと思っております。
(記者)
敦賀3、4号機についてお聞きしたいのですが、安全性と地域振興について、国と事業者の取組みを見ていかなければいけないとおっしゃいましたが、近々に知事がその取組み方を評価する事象とか時期などを見定めていらっしゃったら教えていただきたいのですが。
(知事)
やはり安全性の確保はもちろんでして、現在あります15基の安全性確保を事業者が注意深く進めてもらうということについて、常に監視もしていかなければならないと思っております。
地域振興につきましては、当面の一番大きな課題は、舞鶴若狭自動車道が、今後どのように進むかということでございます。
民営化推進委員会の意見書が出ましたが、平成15年度の国の予算についての取組みを、よく見極めていかなければならないと思っておりますし、国会の審議もあるわけですから、その過程で、私の任期中にそういうものが我々の望んでいるような方向性になるのかならないのかということを確認して、仮にならないということになれば、「待った」をかけざるをえないということですので、国会の審議と国土交通省の考えとを、十分県として確認をしていく必要があると思っております。
(記者)
16年の仕上げとして、12月議会でも市町村合併の調整と拉致被害者への支援を述べられましたが、残り3か月、特に重点的に手がけたいというか、取り組みたいことというのは、やはりこの2つですか。
(知事)
そうですね。市町村合併は、先程申しましたように、平成14年度中、今年の3月までに、各市町村で方向性を定めてもらわなければならない問題です。
また、各地区でいろいろな動きがございますから、その動きに合わせて県として、必要な調整役も行って、方向性が是非この年度内に出るように、努力をしていきたいと思っております。
拉致問題につきましては、何としても地村さんの3人の子どもさんが一日も早く帰国できるように、それから、もちろん夫妻と子どもさんを含めた永住のための、先程も申しました教育であるとか、あるいは住宅問題、就職問題などについて、小浜市と連携をとって取組みを進めたいと思っております。
(記者)
新幹線ですが、福井商工会議所がワーキンググループで検討しており、年度内にそれぞれの案についてメリット、デメリットなり、技術的な可能性なども検討すると言ってます。
直接京都駅に乗り入れるという案も検討すると言っており、かなり有力な案になる可能性もあるようなのですが、知事ご自身としては、そういう案が会議所なりの総意としてまとまって出てきた場合、県としては乗れる案と考えるのかどうかいかがでしょうか。
(知事)
スキーム見直しは今年の秋ですので、南越まで一括工事認可を受けるために、将来に向かってどのような状況になっていなければならないかということを、その段階、その段階で、情報を的確につかむ必要があるだろうと思っております。
平成15年度の政府予算で、いわば最初に予定していたものは確保されたわけですけれど、これが一つですね。
それから、具体的に南越までの一括工事認可について、敦賀以西がどういう状況にならなければならないのか。
現段階で、私は、米原回りにしても、京都に結ぶ線にしても、あるいは若狭ルートにしても、それぞれ課題がありまして、これを解決しなければ南越まで一括工事認可されないとは考えておりません。
これは将来とも課題として検討していかなればならない問題ですので、いろいろ研究は進めていかなければなりませんが、現時点では、やはり南越まで一括工事を認めてもらうということに全力を注ぐ。もちろんそういう検討は進めていかなければなりませんが、例えば、この3案のうちこの案を採らなければ南越まで来ないというものではないだろうと思っています。
(記者)
市町村合併に関して、今日、鯖江市の方で臨時市議会を開いて住民投票の条例を審議していると思いますが、これについては知事は何かご意見はありますか。
(知事)
非常に民主的なやり方で、住民の意向を確かめるということで、条例ができて、それが具体的な住民投票に移るわけですが、その住民投票の結果を市長がもちろん尊重されると思います。
そういう推移を県として見守っていく、その中で、必要があれば調整役に乗り出していく、ということで進めていきたいと思っております。
以上
〈 総務部広報広聴課 編集 〉
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