知事記者会見の概要(平成27年2月16日(月))

最終更新日 2015年2月17日ページID 028988

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平成27年2月16日(月曜日)
10:30~11:40
県庁 特別会議室

 
H27.2会見
  

 

 

【知事】

 おはようございます。今日は予算の発表を行いたいと思います。

 後ろに背景がございますが、3月14日に北陸新幹線の金沢までの開業がありますが、福井駅の西口に動く恐竜のモニュメント、造形物を設置するほか、福井駅舎には恐竜が生きていた時代の壁画を今、作成中です。壁画と、下の部分に恐竜が飛び出すように見えるトリックアートを設置しますが、そのトリックアートのデザインをこちらにご披露しました。恐竜の造形物とあわせて、3月7日(土)に公開されますので、あらかじめここに掲示をしました。

 

 それでは、予算についてご説明を申し上げます。

 

〔資料〕資料№1 平成27年度当初予算案 予算案の概要

    資料№2 平成26年度2月補正予算案 予算案の概要

    資料№3 平成27年度当初予算・26年度2月補正予算案 主要事業

    資料№4 平成27年度当初予算案 主要事業(施策別・予算額一覧)

    資料№5 平成27年度当初予算・26年度2月補正予算案の発表要旨

 

 考え方ですが、今回は27年度当初予算案と、国の経済対策を受けた26年度2月補正案が一緒になって出ております。さらに、27年度当初予算については、4年に一度の統一地方選挙の年に当たりますので、俗に言う「骨格予算」になっています。医療や福祉、教育、安全・安心など、基盤となる予算といいますか、従来からの支えとなっている予算については予め計上しますが、その他の新しい年度の政策的なものについては計上されていません。4年前でいいますと200億円から300億円近い予算は、6月の27年度補正予算で追加されるわけで、それが除かれた骨格予算。さらに複雑なのは、26年度の補正予算があるということです。そういうことですので、骨格予算の27年度予算案には政策的なものを一部除いた基本的なものと、新幹線対策や国体に向けた競技力向上など、4月からどんどん連続してやっていかなければならないものについては計上してあるとご理解ください。特に今回、26年度の補正予算案については特別な内容になっており、国の地方創生に向けた政策が盛り込まれていると思っていただければと思います。26年度補正予算と27年度当初予算が一体として人口問題に取り組むという形です。

 

 まず、国の補正予算と我が方の2月補正予算について申し上げます。

 国は去る2月3日に、地方の消費喚起、地方創生に重点を置いた3兆5千億円規模の経済対策を含む補正予算案を可決しています。この中には「地域住民生活等緊急支援交付金」が全国で4,200億円措置されており、この使い道も2つに分かれます。地方創生を26年度で先立って行うという「地方創生先行型」の交付金と、「地域消費喚起・生活支援型」の2種類に分かれています。

 前者の「地方創生先行型」の交付金については、いわゆる人口減少問題に対応しますので、県や市としてローカル版の総合戦略をつくりながら、U・Iターンの推進や少子化対策、地域振興、観光などを行うものです。全国の金額は4,200億円のうちの1,700億円で、このうち福井県には第一次分として11.2億円が交付されます。そして、全国ではまだ300億円残っており、これが新年度に来るということです。

 もう1つの「地域消費喚起・生活支援型」の交付金ですが、これは地方の経済活性化ですので、プレミアム付き商品券等いろんな消費喚起の助成であり、これは全国で4,200億円の中の2,500億円で、このうち、福井県には8億7千万円が交付されるということです。ですので、福井県には11.2億円と8.7億円の2種類の交付金が来るということです。これを2月補正予算に計上する、主なものはそういうことになります。

 そこで具体的な話になりますが、まず、この補正予算の「地方創生先行型交付金」11.2億円の中身ですが、資料№5をご覧いただきたいと思います。

 福井県は、この人口問題あるいは出生率の問題については全国上位ですし、待機児童ゼロ、学力・体力日本一などトップクラスの環境にありますので、さらにそれを強化する必要があります。U・Iターンあるいは若者・女性の仕事創出、こういうものを強化していくということになると思います。

 具体的には4つの柱がございますが、今回の2月補正予算では、縁結び・子育て支援、幸福度をアピールして、福井へのU・Iターン推進、それから、福井のすばらしい資産といいますか、「宝」をよく磨き上げて、これを活かした産業の新展開、それから、立地条件が整って新幹線や小松空港など利用状況が変わってまいりましたので、それを使った誘客対策、こういうものを4つの柱として行うという予算が組んであります。

 2ページには、「迷惑ありがた縁結び」と我々は言っておりますが、縁結び事業です。企業の職域での縁結びを強化する。こちら、主要事業(資料№3)では1ページ以下に書いてあります。迷惑ありがた縁結びについては、地域や職域に拡大をします。職場で縁結びをやっていただく方を増やしていって、あの会社とこちらの団体とか、こちらの企業とあのグループとか、若い方やそういうことに関心のある方をもっともっとやってほしいという感じが多いのです。もちろん1対1の婚活やグループ婚活みたいなものはありますが、みんなで何かを共通に、料理をやったり、あるいはボランティアをやったり、いろんなことによってこういうものができるだろうと思います。今回、新たに企業のそういう皆さんが加わりますし、地域とつながりの強いお寺のお坊さん、住職さんなどもそういう気持ちを持っていただくようになっています。それから、JC(青年会議所)の方たちや栄養士さんたちも料理や健康、そういうことを通じて、物理的に男女の縁を取り持つということです。

 それから、その下は若者たちのチャレンジ・交流ということです。今年1月現在、県内においては、理容業やブライダル業の方などが約240名、既にこういうことをやっていただいているわけです。そこへこういう方が何百名も加わるということです。そういった人たちを増やしていく、コーディネートする人です。

 それから、3ページですが、3億5千万円程度になっていますが、「新ふくい3人っ子応援プロジェクト」です。福井県では、全国に先駆けて平成18年から第3子が生まれた場合の応援を重点的にやっています。アンケートをとりますと、今お子さんが1人とか2人いて、本当は3人まで欲しいのだけれども、ちょっと3人目は、ということが非常に多いのです。そこにインセンティブを加えるということです。既にいろいろな料金などを安くしているわけですが、今回、「新3人っ子応援プロジェクト」としては、世帯の所得に関わりなく、保育園、幼稚園も含めて小学校就学前まで無料化を拡大するというふうにしたいと思っています。ですから、金額が大きくなっております。医療費については既に中学生まで無料化ということになっていますが、この保育料であります。全国の動きを見ますと、3人っ子政策ということに絡み、どこの県も手を伸ばし始めているということですので、福井県が先進的に進めたこういう施策がポピュラーになってきたということかと思っています。これはもちろん市町と連携して互いに負担をし合いながら、こうした事業を進めたいと思います。

 4ページは、女性に優しい職場づくりのさまざまな事業。

 5ページは、「ふるさと福井移住促進機構」設置ということで1億1千万円余りです。「ふるさと帰住センター」というのを我々は持っていますが、今回、これを強化して、「ふるさと福井移住定住促進機構」を県内に設けると同時に、東京・有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」にもスタッフを置き、首都圏、そして福井県、全国に向けて移住の働きかけを、総合化してまいりたいと思います。

 これは、先ほどの男女の交際の場と同じように、あらゆる手段、あらゆる情報、あらゆる組織といいますか、徹底してきめ細やかにやろうという精神で臨んでまいりたいと思います。やや時間がかかるかもしれませんが、そういうことで徹底をするということです。単に来てほしいということではなくて、生活、住宅、身の回りの環境、教育環境、あらゆること。職場はもちろんそうですが、徹底をするという徹底センター、こういうふうにやりたいと思います。

 6ページは、特に人材に関連しますが、園芸、あるいは水産、林業、ものづくり、観光などです。数年来、U・Iターンの意味も込めて、例えば「ふくい園芸カレッジ」ですと既に23名の方がお見えになっているとか、「職人塾」でも36名が頑張っておられるとか、いろんなことがあるわけですので、これを特定の分野に限定をしながら、こういう道筋もつくっていこうというタイプのものであす。これも人口問題につながっていくと思います。技能や技術と結びつけた人材、ふるさと移住といいますか、そういうことになるかと思います。

 特に今回、観光などの分野についても、6ページの一番下にあるように、高校生や大学生に授業として学んでいただくと同時に、現場でいろんな研修もし、サービス業や観光の資格も取れるようにして、あらゆる職業にこれは大事ですので、自然に観光やサービスあるいは誘客への関心といいますか、気持ちが向くような教育を根っこから進めたいと考えています。

 7ページは創業者支援です。新しい事業を行う場合の応援、それから空き家対策、こういう予算があるわけです。

 3つ目の項目の「福井の『宝』を活かしたふるさと産業の新展開」は、9ページ以降に書いてあり、福井県が幸福度日本一などいろんなことを言われますが、それはやはり地元の中小企業の皆さんが基本的に独立して、または関連した企業と連携しながら頑張っていただいていることが大きな力になっていると思いますので、産学官あるいは金融、最近は金融の皆さんも非常に関心が高いわけですが、連携をして、このふるさとに拠点を持った産業として内外に攻めていくという心構えの事業を進めたいと思います。

 9ページは、こうした繊維などいろんなものを中心に、それから、「ふくいオープンイノベーション機構」を設けるというやり方をし、10ページは、福井の地元にある比較的小さい企業とか老舗の企業、こういう方に頑張ってほしい。これはまさに地域の中心となるものですので、例えば企業ができてから30年以上経過しているお菓子屋さんであったりいろんなお店の店舗の改修や設備の導入、あるいは専門家のいろんなアドバイスなどの応援の予算がここに入ってございます。

 さらに、11ページには食品関係、それから、農水産物を扱う飲食店の登録など、情報発信もやってまいりたいと思います。

 12ページは農林業関係であり、いろんな事業があるわけです。特に中山間地域においては平坦部よりも生産コストが高いとか、高齢化や鳥獣害などいろんなことがありますので、中山間地域におけるハウス整備の支援、施設園芸の導入、また、鳥獣害に強い作物、クルミやカリンなどの果樹園芸のモデル実証なども行いたいと思いますし、国の補助対象外である小規模な農地を守るための鳥獣害の防止柵なども対象にする必要があると思っています。

 13ページ以降は、4つ目のテーマですが、新幹線あるいは小松空港を利用した誘客ということになります。いよいよ3月14日から金沢開業ですので、北陸新幹線対策の誘客強化事業を行ってまいりたいと思います。本県の宿泊客に対する「食の國ふくいカタログギフト」の抽選などいろんなインセンティブをつけて、福井県に皆さんが来ていただくこともやりたいと思います。それから、3月下旬から5月にかけて、JR主要駅において恐竜骨格の展示、恐竜ショーなど、「恐竜王国福井」を売りながら観光キャラバンを行うということも13ページに載っています。

 14ページは小松空港との関係です。金沢開業によって航空機の需要が大きくシフトすることになります。したがって、福井県の小松空港への利用というものがウエイトを増すわけですので、航空会社とこれまで以上にタイアップをし、小松-羽田便などを活用した誘客プロモーションを行います。航空会社の機内誌における特集記事、ビデオによるPR、食材の機内食、空港ラウンジによる県内県産工芸品の展示や、小松空港2階空港ロビーにアンテナショップ開設などを行うことになります。

 15ページは主に外国人客との関係ですが、ICTなどを皆さん方がよく使われますのでそういうもの、あるいはバスツアーへの助成なども行いたいと思います。

 それから、16ページ以降は、補正予算のもう1つの大きな柱である「消費喚起型」の事業です。プレミアム商品券発行支援事業、福井ふるさと旅行券の発行など、地方消費を喚起したいと思います。こうした事業は、既に数年前のいろんな景気対策、また舞鶴若狭自動車道開通に当たっての消費拡大などに使われた政策ですが、それをさらにより具体化したり、割合を高めたりして制度を拡充したいと思います。この制度も全国的に先駆けた制度であり、国でこういう制度が逆に使われたような格好になっているかと思っております。なお、プレミアム商品券については、5月からの使用を予定しており、全体で約50億円程度の消費効果を見込んでいます。また、福井ふるさと旅行券発行については、他の事業と相まって約30億円の経済効果を狙っております。

 

 17ページ以降は、今度は当初予算の事業です。

 資料№1で、予算規模は4,589億円、骨格予算の関係もあり、前年度比4.8%の減です。

 それから、18ページですが、「ポストこしひかり生産対策」です。23年度から「ポストこしひかり」ということで、最初は20万種類の候補からスタートし、今年度中には味や収穫期、収量などから10種類に絞り込んでいます。来年度はこの10種類について、気象条件、土壌が違いますので、県内5つの地域の圃場において最終的な実証栽培を開始し、今後は平成29年度の品種登録の出願、30年度から本格生産ということで、国体のときには、こういうお米を皆さんに食べていただけるように努めたいと思います。

 19ページは北陸デスティネーションキャンペーンの誘客であり、今年の10月から3か月間にわたり、北陸3県とJRグループ6社との連携による北陸デスティネーションキャンペーンが行われるわけです。11月21日、22日両日には、「食」を一堂に集めたイベントなども行いたいと思いますし、DC期間中の土日祝日には、福井県内の主な観光地を巡るバスツアーの運行も考えたいと思っております。

 20ページは、恐竜博物館15周年記念企画展です。平成12年に開館した恐竜博物館は、本年15周年を迎えます。学術的な調査研究の成果を国内外にPRしてきたことにより、恐竜は福井県の大きなブランドになっております。これまで630万人を超える方々に来館をいただいているわけです。今年は、夏休み開始前の7月10日から10月12日までの95日間にわたり、15周年記念の「南アジア恐竜展(仮)」を予定しています。タイ、ラオス、中国南部などアジア南部で続々と新しい恐竜化石が発見され、福井県の恐竜博物館もその応援に行っているわけですが、イクチオベナトールの全身骨格など展示予定標本約150点、そのうち初公開のものが約80点含まれるということであり、ご来館を奨励したいと思います。

 それから、21ページは、ミラノ国際博覧会への出展3,600万円です。本年5月から10月末の半年間のミラノ万博に対し、福井県としては、10月24日から27日の4日間にわたり、県内4市2町の皆さんなどと連携し、主に永平寺の禅や食をテーマに進めたいと思います。

 22ページは、中高一貫教育です。先月30日に90名の県立高志高中学校入学者が決定したわけです。4月4日には開校式ということになります。福井県内の先生方で教育をするのが中心ですが、全国トップレベルの中高一貫高校で成果を上げてきた教員を招聘するなど、6年間を通して運営し、他の中学校やあるいは高校とそれぞれ多様性を持って切磋琢磨するという方向で進めたいと考えます。

 23ページですが、地域おこし協力隊です。2,200万円ということになります。現在、県内には首都圏、都市圏からお見えになった19名の方が地域おこし協力隊として、それぞれの町などに配属され、町おこしやイベント、観光のPRなどいろんなことをやっていただいている。若い方が多いのですが、来年度はこの協力隊の活動を19名から30名に拡大し、県内の若手経営者やJA職員との交流を図って、また、隊員自体も福井県内での起業が行われるとか、就職が可能だとか、いろんなことを考えてまいりたいと思います。これは、当初予算ですが、やや人口問題に関わることになるかと思います。

 また、県内に在住する外国語指導助手(ALT)の皆さんを「地域づくりサポーター」として委嘱し、彼らにもいろいろ頑張っていただくということになるかと思います。県内のALTは現在118名おられます。生徒当たりのALTの数が日本一多いのが我が福井県ですので、英語やいろんな言葉の問題ももちろん指導願いますが、地域に出ていただくことになります。

 それから、24ページはコウノトリであり、昨年6月に50年ぶりに誕生した3羽は、現在ケージの中で飼育を行っておりますが、来年度、兵庫県のコウノトリの郷公園で馴化訓練を行う。そして、7月ごろには福井生まれのコウノトリを白山地区で放鳥するという予定にしております。また、さらにこれから鳥の繁殖シーズンですので、さらなる次の妹、弟の期待をしたいと思います。

 25、26ページですが、まず、北陸新幹線41億円余です。新幹線金沢-敦賀間については、先月14日、政府・与党申し合わせにより、本県が提案したとおりに3年前倒しで34年度末、8年以内の完成、開業を目指すことが決定しております。27年度政府予算において事業費ベースで220億円が盛り込まれました。このうち、県内区間の事業費は、今年度比約16億円増の124億3千万円が予定されています。この地方負担分として41億円を計上し、九頭竜川橋梁や北陸トンネルの工事を進めていくことになります。なお、この41億円については、地方債を起こし30年で償還をし、その償還について地方交付税が投入をされますので、実質負担はかなり下がっていくということです。かつ、今度の制度によって従来よりも地方負担はさらに下がるだろうと思っています。全体8年間の事業を約7,500億円から8,000億円近くかかると思いますが、これまで県の実質負担が800億円と一応推計していましたが、起債を入れ、交付税措置をすると200億円軽減されて600億円ぐらいになるということになります。

 敦賀港については、外貿コンテナの貨物量に応じた助成制度を設け伸びてまいりましたが、滋賀県にある一部工場が、韓国に倉庫を構えるなどして物流の変化が起きております。そこで、国内あるいは県内の特定の大口荷主に焦点を当てて営業をし、実際、お使いになるときにコンテナの取扱量に応じて応援をしようというものです。

 最後は27ページですが、福井しあわせ元気国体、これは、骨格予算とはいえ国体のいろんな準備は継続して行う必要がありますので、選手の養成、就職支援システム「スポジョブふくい」により、4月には46名の選手のU・Iターンが実現するわけですが、引き続き、県内企業の協力もいただいて、国体開催までに約200名の選手、また、会社の社員といいますか、そういう方の強化を図りたいと思います。また、少年の選手については、中学、高校指定校に全国トップレベルの競技力を持つ指導者を「特別強化コーチ」として配置し、競技力の底上げを図ってまいりたいと思います。今年は和歌山国体であります。去年は長崎でしたが、さらに上位を目指して福井国体での優勝につなげてまいりたいと思います。

 予算の説明は以上です。

 

~質疑~

 

【記者】

 コウノトリを放鳥する許可は、得られているのでしょうか。

 

【知事】

 どんなふうに、いつのタイミングで何羽放鳥するかについては、これから先、コウノトリの郷公園での馴化訓練や生き物の環境などもリサーチした上でやらなければいけないと思いますので、定着推進会議の意見を聞き、文化庁などとも相談してこれから行うことになります。しかし、行うということで相談をしたいと思っております。おそらく行われるであろうということです。

 

【記者】

 骨格予算ではありますが、2月補正も含めて、全体的に知事が今回の予算をどう見ていらっしゃいますか。

 

【知事】

 今回、いろんな事情が絡んだ予算になっていますので、まず、県内消費の喚起や人口対策を、補正予算でまず最大限活用してスタートをするということです。そうした上で、既に先進的な福井県の子育てだとかいろんな予算がありますので、それを活用しながら新年度の予算につなげたいと思うのです。

 なお、新年度予算については先ほど申し上げたように、統一地方選挙もございますので、さらに十分ないろんな皆さんのご意見を入れて政策予算を加えていくということです。これが、前回4年前であれば200億円台であったということです。

 

【記者】

 今回が人口減少や地方創生に関する本格的な第一段予算になったと思いますが、そこにかける思いとか、これからの方向性が見えてきたとか、そういう方針的なものというのはいかがでしょうか。

 

【知事】

 人口減少対策については、「人口減少対策本部会議」を毎月、副知事をトップに開いていますし、市町の首長や議員等のご意見もお聞きし、また、首都圏での本県出身の女性のインタビューも進めており、大分数字も整ってまいりましたし、各種統計指標の分析なども今行っているわけです。そして、とりあえず今の段階で実行してよろしいだろう、効果があるだろうというものを、12億円近くの予算を使って、最大限まずキックオフしたということです。そして、今回、予算化した事業は来年度の策定を予定している「まち・ひと・しごと創生戦略」に先行して実行するものです。これからいろんなご意見を聞かなければなりませんし、選挙などもございますので、マニフェストとかいろんな作成の中でそういうものが盛り込まれると思っていますが、選挙が終了した段階でそれはそれで対応するけれども、それがどうであれ、今の段階でぜひやらなければならないことを現職の知事として準備をしたということです。

 

【記者】

 当初と補正の一体編成ということですが、人口減少対策などに関しては、本来6月補正で盛り込むようなものを前倒しして、通常の当初予算並みの施策を盛り込んだといったイメージなのでしょうか。

 

【知事】

 特に国の予算が補正予算の形で出たものですから、新年度に向けての事業のニュアンスが若干あるかもしれませんが、あくまで補正予算ではありますから、27年度予算としては別途6月にそれをさらに踏まえてつくるということになるのではないかと思います。

 

【記者】

 人口減少対策については、今回揃えたメニューでどれくらい人口減少を食い止めるための効果があるとお考えになっているのか。あるいはまだこれからの課題というのがあると思われているか、いかがでしょうか。

 

【知事】

 人口減少対策というのは、国家としての対策があり、こうした県の政策、そして、市町の政策があるわけです。国の政策については既に国土の強靱化の問題や法人税制の見直し、あるいは極端に言いますと選挙定数の問題とか、いろんなことがその背景にあるわけですから、東京一極集中をいかに直す国土計画を行うやり方に深く関わるものが、まず1つあると。

 我々のベースでは、そういうことをまず国にしっかり申し上げながら、福井県は元々人口や子どもの出生率、地域のつながりでも先進的な地域ですから、我々がいろいろ考えて、皆さんと相談して、それが福井県の現場で実行できるわけです。さっきの婚活やいろんなこともそうです。大都市でそんなことは不可能だと思いますので。そういう良さを活かした事業を幅広く粘り強くやっていくものだと思っております。

 それから、人の移動や新しい動きについては、「移住定住促進機構」を福井県内に設け、東京にも相談員を配置して、また、特別目的を持った人たちもいらっしゃいますから、そういうことを、考えられる手段を尽くしてやろうという手法なのです。

 それで、ふるさと納税も、ふるさとを愛するとか、心構えの問題が極めて大事なことであります。お金の問題もありますけれども。ふるさとへの気持ちが起こらなければ、大都市から地方への人口移動というのは起こらないと思います。

 

【記者】

 北陸新幹線の開業に関連して、いろんな事業を見ると嶺北の観光が中心かなと見えますが、嶺南地域への観光振興というものは何かあるのでしょうか。

 

【知事】

 資料№3の26ページ、「海湖と歴史の若狭路」発信事業第2弾、それから、ふるさと交流による嶺南・嶺北一体化事業、あるいは福井を学ぶ体験旅行、漁業と観光のトータル化支援、こういうものは大体、嶺南地域に深く関わる事業だと思います。

 

【記者】

 あまり新幹線と連動という形ではない…。

 

【知事】

 新幹線も金沢まで来ますけれども、金沢から福井県へ来て京都に行くとか、名古屋に行くというときに深く関わりますし、観光客も金沢まで行って同じ道を元に戻るというのは、あまり面白くないと思っておられるでしょうから、そういう動きを強めていきたいと思うのです。

 

【記者】

 先日、原子力規制委員会で高浜3・4号機の審査書が完成し、談話は出していただいたのですが、改めて受け止めを聞かせてください。

 

【知事】

 談話で申し上げたとおりですが、規制委員会は一応、設置変更許可についてはオーケーだということでしょうけれども、川内原発の例を見ても分かるとおり、ずっと審査が続いています。あれは安全の審査だと思われますけれども、まだ審査が十分終わっていないといいますか。ですから、我々としても福井県の原子力安全専門委員会などいろいろなことがありますけれども、そういうところの議論を、その段階として加えていかなければなりませんが、そういう審査をやっている状況ですから、そういう状況のものとして福井県としては高浜の問題についてもその段階で了解とか、そういう対応はできないだろうと思うわけです。

 

【記者】

 工事計画と保安規定の変更も全部終わってからというお話だったのですけれども…。

 

【知事】

 これは、終わってからというか全体性を持って見る必要があるなと。安全がどこまで確保されているかという規制委員会のような考えもありますね。映画で言うと、まだ終わりというふうになっていないでしょう。最後のエンドロールが流れているわけではないですから、まだ安全審査をやっておられるように見えます。

 あと、いろんなほかに条件も必要です。原子力については賛否両論があるわけですから、原子力の必要性や重要性など、再稼働ということになるとそれが前提になりますが、これをしっかり国民の皆さんに説明をして分かってもらい、場合によっては必要な説得が行われるとか、そういうことが重要なのではないでしょうか、今の局面。その中には、原子力がなぜ必要かという議論がありましょうし、これは、いろんな国益の問題や安全保障の問題、あるいはCO2の問題などいろんなことが絡みますので、非常に大きな課題ですから、これを国民の皆さんに分かっていただく努力を、どんどんこれからも重ねていく必要がありますので、まだ十分ではないと思います。

 

【記者】

 必ずしも審査はすべて終了していなくても、全体の流れが見通せればということになるのですか。

 

【知事】

 流れというよりも安全が確保されるということ。

 

【記者】

 安全が確保される…。

 

【知事】

 国民がそのものについて信頼が置けるという方向といいますか、状況が重要だと思います。

 

【記者】

 工事計画認可と保安規定の変更の審査は必ずしも終了していなくても、まだ残っている審査が全て終了した段階まで見極めたいということになるのでしょうか。

 

【知事】

 いや、それはこれから具体的な議論になると思いますが、今はそういう状況ではないだろうということです。まだ安全の審査をしているように見受けられますが、いかがですか。

 

【記者】

 まだしていると思います。

 

【知事】

 終わってはいないでしょう。

 

【記者】

 はい。

 

【知事】

 安全以外のことをやっておられるとも見えないから、詳しくは聞いていませんが、そういう状況かと思います。

 

【記者】

 審査が全部終わった後で、使用前検査というものもありますが、それも見極めるのでしょうか。

 

【知事】

 いやいや、そんなものは物事がいろいろ違うから、今は安全という基本的な問題について十分審査なり、国民の理解、福井県としては廃炉あるいは中間貯蔵施設をどうするとか、いろんなことがありますので、かつ電力事業者も東京電力の吉田調書にも見られるそういうものがクリアされていなければなりませんので、今は最終的にそれをやっていただいていると思いますから、そういうものがしっかり見える必要があるだろうということです。

 

【記者】

 国が国民を説得する、原子力の必要性を説明するという、その場合は、国の誰がどういう説得をするべきなのでしょうか。

 

【知事】

 それは国がお考えいただくことです。前回、大飯のときにはああいうやり方が行われたし、今回はいろんな国の安全審査の体制が違いますので、それに応じた事柄が必要であろうということですね。

 

【記者】

 知事がおっしゃった、中間貯蔵施設の選定というのは、高浜原発の再稼働の同意に条件の一部として入ってくると考えていいのでしょうか。

 もう1つ、大飯がああいう状況だったのですが、体制が違うということで、総理大臣に記者会見を開いて国民にきちんと原子力の必要性を説明してほしいと求めていくわけではないという理解でよろしいでしょうか。

 

【知事】

 まだそこまで至っていないですね、事が。

 

【記者】

 中間貯蔵施設についてはどうですか。

 

【知事】

 これは、福井県にとってはいろんなファクターがあると、そういうお話をしたのです。

 

【記者】

 それが見えないと再稼働という話ではないのですか。

 

【知事】

 すぐにつながるわけではなくて、いろんな状況、物事があるから、再稼働ということになると、それぞれについて一定の判断を加える必要があるだろうということです。さらに、地域の振興や経済をどうするかなど、いろいろな問題がありますので、単に再稼働そのことだけを取り上げて議論してはいけないというお話を申し上げたのです。

 

【記者】

 先日、関西電力の副社長がいらっしゃって、今後の美浜1・2号機の運転について、今年度中に判断を下すと言っているのですが、そうなると使用済み核燃料をどこに置いておくのかということになると思いますが、中間貯蔵施設の選定はどれぐらいまでには決めてほしいという希望はございますか。

 

【知事】

 これは、できるだけ早くいろんな議論を進めないといけないとは思いますが、要するに廃炉といっても、単に廃炉を宣言して済むわけではなくて、廃炉の手続きが何十年もかかるわけでしょう、燃料をどうするかとか、どこへ何を運ぶとか、そういうこともありますので、そういう見通しを含めた事柄でなければいけませんし、スケジュールも要ります。かつ、廃炉というのは、我々としてはそこが全て更地になった状態を想定していますから、こういう中でどういう考えをするかということだと思います。

 

【記者】

 高浜原発の件で、知事は政府に対して国民の理解を進めるようにと、現時点では国民の理解が不十分であるとおっしゃっていますが、今後、国民の理解がどう進んだかというのをどうやって判断するのですか。また、国民の理解が進まなかった場合は、同意はしないという意味なのでしょうか。

 

【知事】

 あまり仮定法の話ではなくて、国民の理解を進めなければならないわけです。かつ、今、規制委員会は、ご自身の基準だと安全だけれども、完全に安全と言っておられるのかどうかちょっとあやふやなところがありますから。そうなりますと、誰が安全で、事故が起こってからの責任ではなくて、事故が起こらないための責任を誰が持っているのかということをはっきりする必要があると思います。いろんな時間の経過もありましょうが、そういうことを具体化することによって、初めて国民の支持というのが上がってくるのではないかと思います。

 

【記者】

 事故が起こる前の責任をはっきりする必要があるというのは…。

 

【知事】

 起こる前ではなくて、起こらないためのいろんな万全の体制を整える責任ということです。

 

【記者】

 その責任については、知事としてどのようにお考えなのでしょうか。

 

【知事】

 それは政府が今の状況では持っておられるのだと思いますけれども。規制委員会もその中の一員かもしれません。

 

【記者】

 ただ、それが現時点では政府が責任を持って…。

 

【知事】

 すき間があるように思いますね。

 

【記者】

 政府と規制の間にすき間があるという意味でしょうか。

 

【知事】

 規制委員会はご自身の基準だったら安全だけども、正確にはどういう表現をとっているのでしたか。

 

【安全環境部長】

 「運転上求められるレベルの安全性は確保した」という表現です。「リスクはゼロではない」というような発言もございます。

 

【記者】

 そのリスクゼロではない発言が、すき間だということになるのでしょうか。

 

【知事】

 いやいや、それをどう考えているのかということですね。だから、規制委員会が全部責任をとってもらえるのだったらいいけれども、とっておられないような表現ですよね。皆さんがどうお考えかですけれども。同じ考えでしょう。違いますか。

 

【記者】

 そのすき間を政府のほうに埋めてほしいという理解ですか。

 

【知事】

 そういう安全のいろんなすき間がありますから、そこはしっかり国民の理解と信頼を得られる方法が必要だろうと思います。

 

【記者】

 もちろん何事もないに越したことはない、起きたら困るのですけれども、知事は原発にゼロリスクを求められるのですか。

 

【知事】

 いや、そういう意味ではない。そんなことを言っていない。正確な言葉を言わないから。ちょっと後で文書を見て。

 

【安全環境部長】

 はい、後で。

 

【記者】

 先週、高浜の審査書が出た後、宮沢経済産業大臣が再稼働に向けて「必要があれば福井県に伺う」と、同意を得るために現地入りする考えを示したのですが、これに対して、現状で知事は経産大臣にこちらに来てもらうように要請するのか、それとも、国が来たいと言って了解するのか、スケジュール感などあるのでしょうか。

 

【知事】

 まだお見えになるという話は来ていませんけれども。

 

【記者】

 13日の閣議後の会見で「必要があれば福井県、高浜町に伺う」とおっしゃっている点なのですが、これに関しては。

 

【知事】

 必要というのはどういう意味かちょっと分かりません。

 

【記者】

 今、政府は基本的に安全が確認された原発は再稼働を進めると言って、地元に同意を求めているわけが、まだ政府が地元に持って来られるような状況ではないとお考えということでよろしいですか。

 

【知事】

 国の委員会でもいろんなことを申し上げていますが、やっぱり規制委員会の判断と政府の判断ですね。全体として安全性が大丈夫だとか、そういう判断を国民がされるのだと思いますけれども、まだそれが十分なされていない状況かと思います。ですから、いろんな支持率も上がっていないのではないのでしょうか。上がらないというか、そういうところがあると。

 

【記者】

 高速増殖炉「もんじゅ」の保守管理上の不備の問題ですが、今、規制委員会からの措置命令の解除の時期を、原子力機構は年度末を目指してきているわけですけれども、昨年末に提出した報告書にもその後、不備が見つかっていますし、現実的には年度内の命令の解除というのが非常に難しい状態になっているかと思うのですけれども、こうした「もんじゅ」の置かれている現状について、知事は今どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

 集中改革期間が3月末までですから、今回、未点検機器の発生ではなく、集計ミスということのようですが、年度内の措置命令の解除に向けてあらゆる努力を傾注するという、そういう段階だと思いますが。あと1か月ほどですが。我々として今申し上げることは。

 

【記者】

 仮に集中改革期間の終了する時期や、規制委員会の措置命令の解除の時期が新年度にずれ込むような事態になった場合、今後、県として何か対応を検討されることはあるのでしょうか。

 

【知事】

 それは、もしそういうことになったときの話になりますので、今ちょっとお答えできません。

 

【記者】

 先ほど、原発関連で立地地域の経済振興について知事はおっしゃられましたが、国は廃炉措置に対しても交付金について検討するということも言っているのですが、廃炉が決まった場合、知事としてはほかにどういった政策が必要だと思いますか。廃炉交付金以外で何かありましたら教えてください。

 

【知事】

 交付金というのは主に公共的な事業について使われるものですが、雇用や地域の消費、経済活動というのはそこに配慮されませんから、そういうものへの影響は。これは福島の事故でも同じですが、単に道路をつくるとか、橋を直すとか、防波堤をつくるお金だけで問題は解決できませんので、地域の皆さんがそこで、新しい産業を我々は興していかなければならないと思いますけれども、従来以上に幸せにするというのが大事なのですね。そういう対策というのは、これまで廃炉ということは本格的に起こっておりませんから、ぜひとも日本の国としても必要ですし、世界的にもこうした問題のいい例をつくらないと、原子力のいろんな稼働だとか、あるいはリプレースとか、こんなことはつながっていかないと思います。そういうことを申し上げているのです。

 

【記者】

 関西電力が今後の方針を先日伝えに来ましたが、その中で、少なくとも9基をこれから残していくということに対して、福井県に9基残す必要性や意味を、知事はどのように考えられますか。

 

【知事】

 これは全国の委員会でも申し上げていますが、これから夏場にかけてエネルギーミックスをどうするかということが関係しますし、その背景として温暖化対策、あるいはいろいろな経済、国益、こういうものも関係しますし、いろんなことがありますので、そういう中でこのことが位置付けられるように思います。そこをしっかりした上で、再稼働は再稼働、廃炉は廃炉、あるいは次の段階、より安全な原子炉をどう考えるかということが議論になるのではないかと思います。

―― 了 ――

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