知事記者会見の概要(平成27年5月14日(木))

最終更新日 2015年5月15日ページID 029668

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平成27年5月14日(木曜日)
14:00~14:55
県庁 特別会議室

 
H27.5会見
  

 

  

【知事】

 27年度の人事異動あるいは機構改革について記者会見をさせていただきます。通常の会見はまた月末にも予定をさせていただきます。

〔資料:知事談話〕

 機構改革・人事異動に当たっては、次の3点を重視しました。

 1つは、特に人口減少に歯止めをかける政策について特別な関心を持って実行するということを、今回の人事異動あるいは組織で考えています。福井に住んでいただける雰囲気をつくるため、総合政策部に「ふるさと県民局」を局として設けます。

 2つ目は、交流人口の拡大に向けた誘客強化であり、昨年は舞鶴若狭自動車道の全線開通、中部縦貫道と北陸道との直結が今年に入って行われました。2年後には中部縦貫道は大野まで開通、30年の国体開催等々がございますので、広域誘客、交流人口の拡大に向けた強化です。

 3つ目は、国体開催に伴ういろいろな準備、競技力向上、あるいはスポーツ振興などを行うものです。

 もちろん、選挙後の4期目がスタートしたわけであり、全体的に進めなければなりませんので、「福井ふるさと元気宣言」に基づいて、地方から様々な政策を打ち出していく、また国に対して提言をする、地方を盛り上げていくという総合的な事柄については、引き続きこれまで以上に頑張りたいと思います。

 

 2ページ以降に個別に書いてありますが、総合政策部の中に「ふるさと県民局」、一定程度の独立した局を設けます。ふるさと関係の事柄をここで全体的に行うわけです。つまり、ふるさと納税やふるさと定住、若者・女性・県民活動などを行いますが、これに加えて、移住定住の支援をここでまとめて行うことになります。もとより、ほかの部の全ての施策について、人口減少に関わる政策はかなりありますが、主に注意を向けなければならないものを、この局で行うことになります。

 なお、いろんな計画をこの中でつくる必要がありますので、政策推進課に「ふるさと創生室」を設け、この部分についても「ふるさと県民局長」が目を配ることになります。

 なお、県全体としては副知事をトップにした「人口減少対策推進本部」がありますので、この局長は副本部長になります。したがって、ふるさと政策に加えて移住定住のための様々な政策、県内大学への進学拡大、UIターン者への支援など、地方創生などの仕事もここで行うことになります。

 それから、「ふくい創生・人口減少対策推進会議」を設けて、全体の地方創生戦略をつくります。これは県庁の組織ではなく、市町、産業界、大学など各分野の代表による会議を設けるということです。

 県庁にこういう組織をつくり、局長を配置し、対策本部を設け、そして、県全体としては推進会議をつくるということになります。

 

 次に、「交流人口の拡大に向けた誘客強化」ですが、これまで観光等については、新幹線や高速道路のこれから整備に基づいてどんなふうにしていくか、「新高速交通活用推進室」が観光営業を進めていたのですが、具体的に事業が進んでまいりましたので、観光プロジェクトをいかに具体的に進めるかという「観光プロジェクト推進室」に様変わりをさせます。ここで、100万人の観光地づくりや、全体としての1,300万人の観光誘客達成などを行うことになります。

 そして、今回、特に観光営業部に「広域誘客課」を設けて、本県としては初めて観光の専門家、具体的には日本航空の、海外でも支店長の経験を持った職員を「企画幹(広域誘客)」として配置して、課長の仕事もしますが、広域誘客、インバウンドはもとより、民間のいろんな経験も豊富でしょうから、そういうセンスを活かして仕事をしていただく、また、小松空港の利活用なども担当していただくことになると思います。

 日本航空の常務がお見えになっておりますので、後ほど、ご一緒に趣旨をお話ししたいと思います。

 5ページは「食」、食べ物です。これから農林水産業の振興のため「食」が大事ですので、農林水産部長をリーダーとする「ふくいの食の販路拡大チーム」を農林水産部に設置をします。

 それから、文化財の指定・活用。このところ、世界文化遺産や日本遺産、重要文化財、あるいは埋もれていた文化財が見つかったという動きが出ておりますし、埋蔵文化財の発掘、あるいは一乗谷朝倉氏遺跡のような資料収集など、これもまた重要な局面ですので、文化財行政の専門家で元文化庁の参事官に「文化財調査特別顧問」として来ていただいて、文化財指定のスピードアップ、保存整備など、この人を中心に進めていくことを考えております。

 

 3つ目は「北陸新幹線の整備促進」です。新幹線については新幹線・交通政策監という職がありましたが、今回、用地買収など具体的に期限を決めて仕事をしていかなければなりませんので、「新幹線政策監」、これは部長級ですが、敦賀開業に向けた用地取得関係の調整等をここで行うことになります。これまで担当していた2次交通対策や地域交通政策については総合政策部長が直接やることになります。なお、福井用地事務所の設置など、3つの事務所体制を拡充して、平成26年度のスタッフ29人から52人への増員配置は、既に4月から実行済みです。

 

 次に、「県民総参加の福井国体」です。3年後の国体に向け、国体推進局を30人から44人体制にしました。これに基づいて国体の具体的な計画などをしてまいりたいと思います。また、競技力向上対策室については、11人から13人体制にして、人材発掘、指定校の強化など、競技力の向上を図ってまいります。

 

 8ページですが、「『福井型18年教育』の推進」です。

 今回、国の法律が改正されて、知事部局と教育委員会との関係が、より知事部局の全体のリーダーシップのもとに教育を推進するという方向になっているわけです。もとより、法律改正前から我々と教育委員会とでは、かなり緊密にいろいろな協議などを行っていますので、福井県としては、何もないところからこういうものやるわけではありません。若干の制度の変更の中でさらに強化をするという関係になると思いますが、いずれにしても教育の基本方針となる「大綱」をつくる必要がありますし、「総合教育会議」を主宰する必要がありますので、そういう考えのもとで新制度による教育長を今回任命し、学力・体力の日本一の維持・発展、あるいは、ふるさと教育、外国語教育、特に高校の教育内容の転換など、「福井型18年教育」を発展させてまいりたいと思います。

 それから、進学指導の強化ですが、高校教育について、義務教育に比べるとやや福井県としてはてこ入れをする部分がありますので、指導方法の研究、また子どもたちあるいはご家庭へのいろいろなアドバイス、指導、こういうものを強化してまいりたいと思いますので、「大学進学強化プロジェクトチーム」を設ける。また、高校教育課に学力向上のための課長を配置し、これは教育研究所の副所長を兼務しますが、指導力を向上したいと思います。

 

 6番目ですが、防災・安全です。危機対策・防災課に幹部自衛官を「課長(防災対策)」を配置し、災害時の速やかな人員・車両・資機材の派遣、また自衛隊との協力体制などを強化したいと思います。

 

 10ページからは、具体的な組織全体の人数や、バランスの問題がどうなっているかという話になるわけですが、まず、一般行政部門の職員数については2,786人であり、第三次行財政改革実行プランの目標(平成28年4月)に概ね到達をすることになります。今後は、全国最少水準の職員数を維持しながら政策課題に対応してまいります。

 「現場に応じたサービス改善・政策立案」ですが、特にこれから介護や福祉、子育て等、たくさんの種類のいろいろなタイプの施設が様々な形態によって行われるものが増えてきましたので、そうした実態を把握し、現場の声を政策に反映してまいりたいと思います。また、それぞれの施設の現場でもこうしたサービスが適切に行われるかどうかについても十分見てまいります。

 なお、いろいろな税金や福祉等の受付時間延長なども行ってまいります。

 それから、市町の協力体制です。人口減少問題あるいは新幹線開業、まちづくりなど、市町と協力しなければ十分な業務ができません。そこで、移住定住促進については、「移住定住支援員」に地元職員を併任する、あるいは新幹線用地の早期取得では市町職員を8名から19名に倍増、中部縦貫道用地取得についても大野市の職員を2名に増員します。

 なお、部局横断の課題については、若手職員で引き続きいろいろなチームを組んでいただいて、短期的に解決方法を打ち出してまいります。

 

 12ページは、具体的な人事異動の関係です。

 877名の人事異動が行われます。4月でも一部異動しましたが、これを合わせますと941名です。今回は、昭和52年以降、最も少ない規模になるかと思います。

 若手の起用については、若手職員を管理職に登用。課長級で48歳の2人と49歳の職員を登用しています。それから、通常は45歳前後で登用する本庁のグループリーダーに30代後半あるいは40代前後のグループリーダーを12人に増員しています。

 女性の登用ですが、女性の管理職が37人になります。課長補佐、グループリーダーを合わせると135人となります。これは過去一番大きい数字です。

 民間、県庁外の人たちの採用については、先ほど申し上げた日本航空の社員の方、幹部自衛官、文化庁参事官ということです。

 以上です。

 

~質疑~

 

【記者】

 「ふるさと県民局」を新設されているのですが、人口減少に係る対策を全てこの局でやるというわけではないということですか。例えば、UIターンや子育て政策というのは、従来どおり観光営業部や健康福祉部でやるということでしょうか。

 

【知事】

 そうですね。全部を1つのところではやれませんので、他の部局でやることがありますが、この局長が人口減少対策推進本部の副本部長ということで、副知事の下でいわば事務局長みたいな感じになってやるということになると思います。全てのものをここでやるわけにはいけないので、主だったところは、ここである程度掌握してやるということになると思います。

 

【杉本副知事】

 UIターンやふるさと定住などは、観光営業部からこちらに移っています。だから、観光営業部には残りません。

 

【記者】

 そうすると、この部署が県庁内の人口減少対策の核になる組織として、これからは中心になっていくというような理解でよろしいですか。

 

【知事】

 そうですね。大部分はここで掌握するようなことです。

 

【記者】

 この件に関して知事の意気込みをお伺いします。多岐にわたる非常に難しい問題だと思いますが。

 

【知事】

 これは、自分でやれることは、こういう組織なり本部を通じて全力でやりますけれども、また国がやらないといけないことも多いです。1億人の人口を維持するというようなことについては、日本の国全体としての福祉、あるいは人口政策、国土政策ですので、両面の提言とか、我々でやる実行をこういう組織を通じて行うということになると思います。

 

【記者】

 知事が4期目に当選されたときに、人口減少問題について全国のモデル地域を目指すというような話もありましたが、改めてこういった部署の新設にかける思いというのは。

 

【知事】

 私が、12年前に知事になったときに「ふくい2030年の姿」というのをつくり、また1回改定をしていますが、そこで既に人口減少問題のことをはっきり書いてあるわけです。そして、課題も大体あるわけですので。ただ、今回は、国もそのことをはっきり意識し、具体的な現実の人口減少の数字が統計として目の前にあらわれましたので、いわば気がついたような状況になっているわけです。ですから、このように具体化したということであって、我々の意識したものをよりクリアにしながらこの問題に取り組むということになります。そういう意味では、ふるさと納税やいろいろな税制の問題、ふるさと政策、それらをこれまでも述べてきているということです。

 

【記者】

 「ふるさと県民局」の全体の規模を教えてください。また、子育てなど、すみ分けがいま一つイメージできないので、もう少し詳しく説明していただきたい。

 

【政策幹】

 課が2つでございまして、職員は24名を予定しております。

 

【知事】

 ただ、具体的に子育て、不妊治療、保育園など、そういういろんな事柄で、それは健康福祉部でやらないといけないことになりましょうし。

 

【記者】

 子ども家庭課とのすみ分けはどういうふうに。

 

【知事】

 それはここでは直接はやりませんから、「人口減少対策推進本部」の副本部長として、最も全体を掌握している有力な局長としてアレンジするということになると思います。

 

【記者】

 その課が直接やるのではなくて。

 

【知事】

 直接は、その部分は他の部がやることになると思います。

 

【杉本副知事】

 福祉的な子ども・子育て支援のような話は、今までどおり健康福祉部でやります。ここでやる女性活躍は、女性が社会で活躍するという方に重点を置いて、今まで男女参画・県民活動課でやっていた仕事になります。大きく言うと、家庭の中の子育ての部分と社会で女性がどう活躍するかという部分に分かれると思います。

 

【知事】

 最もこうした問題の仕事をたくさん抱えた局長であり、そして全体のと、そんな感じです。全ては持てませんので。

 

【記者】

 集約するものは、男女参画・県民活動課とふるさと納税室が持っていた業務が集中していると思いますが、この2つの分野を特に集約させた意義は何でしょうか。

 

【知事】

 今、総務部と総合政策部にこれが分かれているというのは、これ自身はあまりいいことではなかったのですね。これをまずきちんとまとめる。

 もう1つは、実行することと計画をつくることと2つあり、そういう意味で総合政策部にした方がよろしいだろうと。

 かつ、いろんな事業を計画として統合したり、国に要請したり、民間の力を得たりするのはまた必要ですので、こういうものをまた推進会議で別に民間の方々と一緒になってやると。そこにも入る、そうしてやることになります。

 

【記者】

 部内局にした意義というのは、そこにあると考えればいいのですか。

 

【知事】

 さらに外局をつくるというのは、部や局があまりにも多過ぎますし、子育てのあらゆるものをこの中に6つ持った部長というのはちょっと作りがたいですから。

 

【記者】

 女性や若手登用の狙いについて、改めてお願いできますか。

 

【知事】

 やはり男女同じように頑張ってもらわないといけませんし、相対的に女性の管理職が少ないということがあります。かつ、新採用職員についても、最近若い方は女性が増えていますが、ややこの時期というのは、女性は採用しているけれども管理職になるまでには至っていないような社会状況もその中にあったり、そういうところがあるから、ここで少しバックアップしたり伸ばしたりする局面であるので、あえて格別のこうした問題に対応しているということです。

 

【記者】

 高校教育課の学力向上の課長と「大学進学強化プロジェクトチーム」というのがありますが、高校生が特に学力が低いという話も聞かないのですけれども、なぜ高校にこれ2つを設けるのですか。

 

【知事】

 低くないけれども、福井県の小・中学校の学力・体力日本一とのバランスでいうと、もう少し実力を発揮できる局面かなと。

 

【記者】

 それはセンター試験の平均点だと多少下がるとか、そういう部分の話ですか。

 

【知事】

 それはそんなに低くはないですよ。要するに、突破力ですね。職業系の部分でこんなことができるとか、進学でも新しい分野のことに挑戦できるとか、ちょっと難しいと大学を諦めるとか、そういうことがないような、そういう対応です。

 それから、教育内容についても、小・中学校については、かなり細かくどういうことをしたらいいかとか、次の段階に引き上げるにはどうしたらいいかということがあるのだけれども、高校になるとそれがあまりはっきりしないのですね。学校単位でいろんなことをやっている感じですから。それ自体が悪いというわけではありませんが、さらに内容を充実すべきだろうと。地域でいろいろと支えられるいわば一番の最後の部分でしょう、高校というのは。そこでレベルが低かったり、あるいは小・中学校で持っていた実力が十分発揮できないという状況ではまずいので。そういう印象なのです。

 

【記者】

 学力向上の担当課長というのは具体的に何をされるのですか。

 

【知事】

 学力向上を担当します。ただし、学力向上というのは学校でやるわけだから、この人がオフィスでやっても学力向上しませんから、それぞれの学校で何をしたらいいかとか、中高一貫の高志高校はどうするとか、そういうものの科目はどうするとか、進学相談はどうするだとか、そういうことです。どうしても東京の子どもに比べるといろいろな情報が少ないから。

 

【記者】

 小・中で持っていた実力が発揮できないようではいけないというのは、どういう意味なのかをもう少し詳しく。

 

【知事】

 小・中学校で学力・体力日本一と言っているけれども、高等学校のいろんなレベルを見ると日本一ではないのですね。センター試験も上の方にあるけれども日本一ではないし。

 

【記者】

 よくセンター試験との比較を福井県の話で伺うのですが、小・中学生も上位層だけ抜いて平均で見ると、高校で別に学力が下がっているわけではなくて同じなのではないかという話を、よく教育関係の方から聞くのですけれども、それをもっと上に上げるということですか。いわゆる大学進学するような学力上位層の子どもの学力をもっと上げたいという話なのか。

 

【知事】

 要するに、高校においても、かなりそれぞれが生徒ごとに個性というか個別のものが出てきますから、そこで個人の実力が十分自由に発揮できるかという、そういう環境が整えられないといけないわけです。こういうことをしたいとか、あるいはこういう分野をやりたいという、そこが十分できていないのではないか。それから平均力も、平均しても小中学校ほど高くない。

 

【記者】

 日本航空の方も含めて3人の外部の方を活用するのは、何か狙いがあるのでしょうか。

 

【知事】

 未来永久にこういうことをやるというわけではなく、ある時期はこういうことが必要だろうということです。今ちょうどいろんな観光や防災、文化関係などそういう問題もあると思います。いろんな行政のみならず民間的なものとか、外部的な知識とか情報、あるいは意識、こういうものを入れて、次の段階にもう1回引き上げる局面だろうということでこういうことをしているということです。私が知事になったときに、自衛隊の方を日本で最初に防災の課長として採用しましたが、それはその時期としてそういうことが必要だと思いました。今回はさらに防災対策で原子力の問題などいろいろなことがありますし、実働部隊のいろいろな支援など、さらに次の対応が要るだろうということでやろうということです。

 

【記者】

 文化財の調査特別顧問は、越前和紙などを見据えていらっしゃるということですか。

 

【知事】

 あらゆる文化財の情報ですね。建築などもありましょうし、道の駅や日本遺産、ああいう関係もあるでしょうし、あるいは埋蔵文化財の発掘など。

 

【記者】

 外部人材のうちの1つの防災対策の幹部自衛官の件ですが、この時期にという意味は、まさに関電の高浜3・4号機が新基準に適合して、今年度重要な局面を迎えるということを踏まえてこういうふうに活用されるのでしょうか。

 

【知事】

 いえ、それだけではありませんけれども、今、あらゆる防災、もちろん原子力あるいは自然災害、複合災害なども出ておりますし、特に実働部隊との関連について、さらに具体的ないろんな対応をしていく必要があるだろうということです。

 

【記者】

 それだけではないということは、一応、高浜3・4号機も意識しているということでよろしいですか。

 

【知事】

 別に高浜は特に意識していません。

 

【記者】

 意識していないのですか。

 

【知事】

 ええ、全体を意識しているのです。特定のことを意識して、このようなものをつくるものではありませんから。つまり、12年前に、何もないときでも自衛隊の方に来ていただきましたが、次の新しい段階として必要になるということです。

 

~福井県と日本航空株式会社との共同記者会見~

 

【知事】

 それでは、私からまずご説明申し上げます。

 今日、日本航空から清水常務執行役員に福井県までお越しをいただき、ありがとうございます。感謝申し上げます。

 さて、今回の定期人事異動から福井県と日本航空との間で人事交流を行うことにいたしました。これは昨年の10月に日本航空株式会社と福井県において共同の企画事業「JAPAN PROJECT 福井」がありましたが、その記者会見の際に日本航空の大西会長とお話しした際、会長から福井の観光地などについてこれからどうあるべきかといろいろなアドバイス、また一定の評価もいただいているところであります。その日本航空と意見交換を進める中で、互いに職員を派遣するということで相互の考えが一致し、今回、日本航空のご協力をいただき実現したものです。

 今回、福井県に派遣していただく方は、海外はスペインのマドリッド支店長、それからまた国内でも北海道旭川の支店長の職をご経験されており、いわば福井県を外から見られる方だと思います。

 これにより、福井県にどのような魅力が、外から、具体的には航空会社の立場から見てどんな価値があるのかといったようなこと、また幸福度日本一がどう役に立てられるのかなど、県職員とはまた違った視点があると思うわけです。こうした福井の魅力を、広域誘客担当の企画幹として、これまで培われた知識、経験、またネットワークを活かして全国に売り出していただき、福井の観光あるいは地方創生の一翼を担っていただきたいと思っております。なお、企画幹という幹部の立場で民間企業の職員を受けるのは初めてのことですし、外国人誘客や小松空港の活用を先頭に立ってやってほしいと思っております。

 さらに、逆に福井県からは30代の若手職員を日本航空の販売営業部門へ派遣するということにいたしております。航空機を活用した旅行商品の販売に係る営業手法、販売戦略なども学び、観光政策の企画力を高め、県における誘客業務にも活かしてまいりたいと考えております。

 今後も日本航空との連携を強化し、本年3月に策定した「福井県観光新戦略」の1,300万人の達成に向け、福井県のさらなる観光誘客を進めてまいりたいと思っております。

 こういう趣旨での今回の人事交流ですので、どうかよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。

 

【日本航空清水常務執行役員】

 初めに、本日、お忙しい中、皆様にお集まりいただきましたこと、ありがとうございます。そして、日ごろ、日本航空グループに対しましてご愛顧いただいておりますことについて、本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。

 ただいま西川知事よりご紹介がございましたとおり、私どもの社員を、福井県の観光営業部の中で新しくつくられる「広域誘客課」の企画幹として派遣をさせていただく、そして、県庁から私どもの営業の方に出向していただくことが決まりましたので、今日、ここに皆様にご案内を申し上げる次第です。

 西川知事より先にご案内のとおりですが、昨年に私ども、「JAPAN PROJECT」というもので福井県の皆様と一緒にプロジェクトを進めさせていただいた経緯がございます。この「JAPAN PROJECT」と申しますのは、地方への観光誘致あるいは地域経済を活性化するということを目的とした取組みで、2011年から全国の都市、地域に対して一緒に活動している流れでございますが、2014年10月に福井県との一緒のプロジェクトを立ち上げさせていただいたと。その後、福井県の観光需要創造に向けて意見交換を都度させていただいていたところ、今般、人材交流をしようではないかということがまとまりましたので、今日の発表に至ったというところです。

 今回の人材の交流により、福井県がお考えになっている海外あるいは日本の他の県からの観光需要の創造の取組みについて、私どもの会社が有しておいる、航空会社としての特有の部分かもしれませんが、観光需要創造に関わる知見、こういったものを活かして、福井県庁の職員の皆様と一緒に取り組んでまいりたいと考えております。

 一方、3月に北陸新幹線が開業して、今まさに北陸が盛り上がっているというところであり、こちらの観光需要喚起ということについては、航空会社としても日本の観光の中でも大変重要な位置付けと考えております。そういう意味で、私どもは小松-東京線というものを飛ばしていただいておりますので、そちらへの航空需要の創設ということについても進めることができるのではないかと思っております。

 また、外国人観光客の誘客という観点では、関東や関西だけではなくて日本の各地の魅力を知っていただいて、そこを回っていただくということも必要だと思っておりますし、その意味で国内線を日本のお客様だけではなくて海外のお客様に利用していただいて、北陸地方を始めとした日本各地に旅行に行っていただきたいと考えております。

 今後、こういった取組みを強化することを進めていきたいと思っていますので、今回の福井県との人材交流というのは、そういった取組みにつながっていくものだと考えております。

 先にご案内がございました私どもから派遣をさせていただく社員は、海外の経験としてはフランスのパリ支店、そして、スペインのマドリッド営業支店長を経験した後、直近まで北海道の旭川の支店長を務めております。そういった意味では、海外の観光に対する政策についての知識、経験を持っていると同時に、日本の地方都市における考え方ということについても少しは学ばせていただいておりますので、福井県においてもそういった知見を活かして、今後の観光需要の創造に何らかお役に立てるものと考えております。

 一方、日本航空に今回来ていただきます県庁の方については、私どもが持っている民間における考え方についても学んでいただけると思いますし、一方で、地方都市がどのようなことを考えられて、どのような要望があるということも直接私どもの社員に伝えていただくことができると思いますので、そこから新しい観光政策につながるアイデアが出てくればと期待しております。

 私からは以上でございます。ありがとうございました。

 

~質疑~

 

【記者】

 福井県として企画幹に外部の方を入れるのは初めてという話がありましたが、日本航空として、こういった自治体や都道府県とのやりとりや人事交流の経験があるのでしょうか。

 

【清水常務】

 このような形でするのは初めてですが、過去に東京都のスポーツ振興局に派遣をした経験がございます。これは約4年ほど前でございますけれども、それ以来はございません。初めてでございます。

 

【記者】

 任期というか、何年間というのは決まっているのですか。

 

【知事】

 今のところ、当面2年間を予定しています。

 

【記者】

 東京都に4年ほど前に派遣して初めてというのは矛盾があるのですが、2回目ということでよろしいですか。

 

【清水常務】

 そういう意味では、県や都などの官庁に対して出向するということについては2回目ということで、失礼いたしました。

 

【記者】

 東京都に派遣されたときは、どのぐらいのクラスの…。

 

【清水常務】

 これはかなり若手のポストだと思いますが、その業務の中身については、こういった具体的に観光振興という大きな枠組みを進めていくポジションではなくて、具体的な企画ということまではいかなかったと記憶していますが、後ほどその点につきましては広報の方からお答えさせていただきます。

 

【記者】

 安本さんを選ばれた理由は、福井に何か所縁があるということなのですか。

 

【清水常務】

 これは結果としてというところもございますが、福井県内の高校に通っていたということはございました。もちろん私どもの社員の中で海外あるいは国内の経験を持った者の中から人選をさせていただきましたけれども、そういう中で、ちょうどそういった人物が上がってきたということです。

 

【記者】

 福井の高校まで18年間いたというのではなくて。

 

【清水常務】

 ええ、一部の期間です。

 

【記者】

 高校生の中でも一部の期間という意味ですか。

 

【清水常務】

 高校時代は福井で過ごしております。

 

【記者】

 小松空港の利活用というと具体的にイメージされているようなものがあれば教えてください。

 

【知事】

 小松空港が福井の空港ぐらいに思っておりますし、特に日本航空の場合には小松空港に定期便を持っておられるわけですし、新幹線が開通したということですので、空の観光需要といいましょうか、これについてはビジネスもありますけれども、極めて重要ですので、東京のみならず、あるいはいろんな諸外国との窓口の空港になりますので、相当力を入れてやらなければならないだろうと思っております。

 

【記者】

 福井県の観光から見た魅力というところは、どのようなところにあると考えていますか。

 

【清水常務】

 ある意味、観光の一番へそのような京都であるとか滋賀であるとか、そういったところに隣接をしている中で、まだまだ知られていないところといいますか、こんないいところがあったのかということが、多分、国内も海外もこれからどんどん紹介されていく中で知られていくのだと思います。そういう中で、これから新鮮な状態で進めていかれるということの県を挙げての取組み姿勢が一番の価値ではないかと思っております。

 

【記者】

 そういったところが今回の人事交流をしようかというところにつながったということですか。

 

【清水常務】

 この「JAPAN PROJECT」というのを先ほど申し上げましたけれども、私どもが飛んでいない県とさせていただくのは初めてであったわけです。確かにエリアといいますか地域としては小松空港ですが、石川県にあるわけで、その隣の福井というところについてはどのように紹介できるのかということについては、やはり県を挙げて知事を筆頭に観光を推進していくという強い意志を感じましたし、そういった中でぜひ私どもの「JAPAN PROJECT」で取り上げさせていただこうということにつながったと聞いておりますし、そういった部分の熱意が一番大きなポイントではないかと思っております。

 

【記者】

 福井への誘客を考えたときに、空路、鉄路、あるいは高速道路とあると思いますが、それを総合的に考えていく中で、新幹線を使った誘客などを考えると、ともすれば敵に塩を送るような行為になってしまうとも思うのですけれども、その辺の両立といいますか、我田引水と言われかねない部分とのバランスをどのようにとっていく、その方向性などは明らかにできますでしょうか。

 

【清水常務】

 大変難しいご質問だと思いますが、まさに新幹線が開通して2か月ちょっとというところですので、特にこのエリアにおいてはどういう形で共用していくのかということだと思います。

 やはり海外のお客様からしますと、一回は新幹線に乗ってみたいというのをお持ちだと思いますし、一方、時間は節約したいということもお持ちだと。そうしますと、そこは全く別々ではなくて一緒に、例えば行きは新幹線、帰りは飛行機ということもあろうかと思いますし、飛行機で例えばちょっと離れたところに入られて、その後、鉄道で回って来られるということもあろうかと思います。

 したがいまして、私どもとしては、ぜひそこは、お互いに奪い合いではなく、上手くお客様に満足いただくサービスをつくり上げていくのだと。そういった意味での地域の、特に福井県の県庁の皆様はそういったことを両方ご覧になっていると思いますので、ぜひ我々に逆に要望をぶつけていただくなり、アドバイスをいただくということも1つかなと思っております。

 

【記者】

 今後も、これまでの「JAPAN PROJECT」のような機内を使った福井の発信、あるいは福井への旅行商品など、考えておられることがあったら教えていただきたいのですが。

 

【清水常務】

 今日、この場で何か先々のことを私の方から発表させていただくことはございませんが、実際、「JAPAN PROJECT」として取り上げさせていただいているいろいろなこれまでの県、都市で、2回目であるとかそういったところも出てきております。そういった意味では、始まったばかりと考えておりますので、福井の魅力をぜひ次の機会にお伝えする場をつくりたいとは思っております。

―― 了 ――

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