知事記者会見の概要(平成15年10月27日(月))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002822

印刷
平成15年10月27日(月)
10:30~ : 
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

○発表事項


【司会】

 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。

 初めに、発表事項がございますので、知事のほうからお願いいたします。

【知事】

 それじゃ、私から、発表事項といいますか、何点か申し上げたいと思います。

 1つは、中国との今後の経済交流の関係でございます。

 10月20日から22日まで、中華人民共和国の上海及び浙江省を訪問いたしました。ちょうど浙江省との提携10周年ということで、先月、呂祖善省長が本県に来県されましたが、その際も、今後両方の県と省が特に経済的な面で連携を密にしていくことが重要であろうということで意見が一致しているところでございますが、今回、私どものほうから浙江省に10周年ということでお伺いしたのでございますけれども、今回の訪問においては特にそういう10周年の式典的なことはさておきまして、特に経済関係につきましては浙江省経済交流促進機構という組織が浙江省にあるんですが、県とその機構との間で協議をいたしました。

 その際、本県から浙江省に進出しておられる企業のメンバー、そういう人にも入っていただいて、その中にはもちろん経済団体連合会の会長もおられますし、眼鏡協同組合の会長それから機械工業組合の副会長もお見えでございましたが、そのほか個別の企業の方、全体で約10社近く10人ぐらいの方がいらっしゃったと思いますが、そうしたことで実務者による進出企業と先方の経済機構との協議会を行いまして、私も出席いたしました。

 中国のほうは税制とか法律等々、また役所の関係がいろいろ力を持っておりますので、そういうところとのいろんなコンタクトとか情報が十分とれないとなかなか今のところビジネスができないということでありますので、そういう機会を設けたところでございます。

 日本の場合には、民間と公共といいますか、別ですから、ちょっとやり方が違いますので、福井県としてはそういう中国との関係では民間の企業を公の立場で応援するということが重要だろうと思います。それで、今後とも県がバックに立ちまして、こういう検討をより密にすべきだと思っているところでございます。

 それから、これとの関係で、これまで展示商談会とか市場調査等を中国で行っているところでございますが、よりきめ細やかな支援が必要だろうということで、ただいまのような協議組織のほかに、特に繊維でございますとかあるいは眼鏡関係のマーケティングといいますか、販路開拓、こういう活動の支援策として6月補正予算におきまして海外マーケット開拓支援事業というものをつくりました。

 この事業を活用して、繊維については既に4つの会社が10月に開催されました上海でのインターテキスタイル2003に出展し、商談なども進めていると理解しております。

 それから、眼鏡につきましては1社が9月に北京で開催されました国際眼鏡展に出展をしております。また、来年の2月になりますと上海で国際眼鏡展というのが開かれるということで、5社が出展する予定でありまして、引き続き支援をするとともにその後のフォローというのが大事かと思いますので、そういう対応もしてまいりたいと思っているところでございます。

 また、繊維協会が9月に上海と広州にビジネスサポートセンターを設けておりますので、こうしたところとの連携支援も十分やっていきたいと考えるものであります。

 また、話が戻りますが、今ほど申し上げました県と浙江省の経済交流促進機構とで営業担当者を相互に短期的に派遣して、いろんな販路開拓の可能性などの調査なども強化したいと思っております。

 なお、中国も含めましてですけれども、県内企業の販路開拓ということで東アジア・マーケット開拓戦略プランを今、県庁内で実務的に検討を進めておりますが、年度内の策定を目途に取り組んでまいりたいと考えております。

 そのほか、海外事務所機能のいろんな議論があるのでありますが、経済を中心とした県民の利益といいますか、県民益重視の視点に立って、抜本的に見直す必要があると思います。選択、集中ということが重要でございますので、東アジア地域に重点を置いた体制にシフトしていきたいと思います。これは新年度に向けての予算でございますとか組織改正にかかわりますので、年度内を目途にこの作業を進めてまいりたいと思っているところでございます。

 次に、2つ目の御説明事項でありますが、若狭路博2003メインイベント等の状況でございます。

 若狭路博は現在も開催中でございますが、メインイベントでございます「水と炎の千年祭」については、9月14日から10月13日まで開催をされたところでございます。メイン会場のいわゆる海会場でございますが、入場者数が、目標が30万人でございましたがこれを5割近い増加でございますが43万1,000人余りということで、多くの方々が来ていただいたところでございまして、感謝を申し上げるところでございます。これは、市町村や関係団体、それからボランティアの方々をはじめ多くの関係者が頑張っていただいたということでございまして、厚くお礼を申し上げたいと思っているところでございます。

 それで、入場者の県内・県外別の内訳の様子でございますが、実行委員会が実施した5つの指定駐車場での調査によりますと、県外からの入場者数は、自家用車では36%が県外、それから団体バスでは42%が県外からという結果が出ております。

 なお、鉄道も含めた全体の結果については、現在、来場者へのアンケートなどを分析しておりますので、また結果が出た段階で申し上げたいと思います。

 県外からの来客については、旅行代理店へのPRでございますとか、大阪からの高速バスの運行など、これは舞鶴若狭自動車道の整備なども影響しておりますが、そうしたことで効果があったものと思っております。

 また、催事の内容については、「食」という非常に国民的な関心のある課題をテーマにしたこと、それから参加型の行事をたくさん取り入れたこと、また、伝統的といいますか祭りなども内容といたしましたので、盛り上がりがあったのではないかと思っているところでございます。

 主なイベントについてはおおむね順調に運営をされまして、いろんな課題もございますけれども来場者には総じて好評をいただいたのではないかと思っているところでございます。

 なお、ボランティアの方は、1,200人登録していただいて全員が実働していただきました。延べで申し上げますと、30日間で3,000人の方に活動していただいたという結果が出ているようでございます。

 これからのことでございますが、本県のイメージアップや地域の活性化につなげる必要がありますので、具体的には、若狭路の観光につきましては、特に、食やイベント、祭りなどをテーマにした通年型の観光につなげる必要がございますし、漁業や農業とのグリーンツーリズムへの発展、それから若狭路の8市町村の連携等々いろいろございまして、実行委員会では今、そうした問題も含めて、実績報告とか決算のいろんな作業にもかかっているところでございますが、最終的には来年3月に開催を予定しております総会においてもろもろのことをまとめてまいり次につなげたいと考えているところでございます。

 なお、地元ボランティアの皆さんは、11月上旬にメンバーが集まりまして、ボランティアのお立場から総括をするということになっておりますので、また、そうした結果も生かしてまいりたいと、このように思っております。

 それから、3つ目でございますが、雇用等の関係で、特に新卒者の雇用対策であります。

 昨日もフェニックスプラザで就職未内定者と求人企業とがいろいろご相談をしたり意見を聞く「ふくい就職フェア」が開催されたところでございますが、厳しい就職状況を反映いたしまして500人近い学生の参加があったところでございますけれども、来年3月の卒業予定の県内の高校生の状況では、就職希望者が1,667人に対して求人数が1,183人ということで、大体0.7倍から0.8倍の求人倍率と厳しい状況でございます。

 それで、高校生の就職支援については、これまで県教育委員会を中心に、教育長をはじめ校長会などが経済団体の協力要請を行っているところでございます。各学校においても、延べで言いますと、総計2,000回を上回る会社訪問を行ってきているところでございますが、この結果、10月15日現在の県立高校の内定率は60%であります。昨年同期に比べ5%アップしております。これから100%を目指して、1人でも多くの高校生が将来不安のないように、就職できるように、支援をしていくことが大事だと考えます。このため、改めて私を含めまして、先頭に立ちまして、経済団体の協力の再要請、また、高校生の求人が減少等した企業への要請といいますか、こうしたことを強めてまいりたいと、このように予定しております。

 それから、既に内定している高校生等については、一旦就職いたしましても3年内に離職する状況が、過去の例を見ますと43、44%が離職されてしまうと。全国の平均は48%ぐらいなので、福井県はそれよりちょっと低いですけれども、半分近くがまた離職するというような状況がございますので、これは課題として非常に意識をしております。それで、新規高卒就職者の支援セミナーということを敦賀を皮切りに県内6会場で開催いたしまして、世の中の仕組みなり、職業人としての意識なり、いろんなそういう努力を行政の立場からも行ってまいりたいと思っております。こうしたことで、できるだけ高校生の就職を向上する、それから離職率の低下を図るということを行ってまいります。

 それから、4点目でありますが、冬の除雪対策、雪の問題でございますけれども、今年の除雪計画については例年でございますと11月の半ばには除雪対策本部を立ち上げましていろんな対策を立てるのですが、特に今年は少し早めて、まだ具体的な日取りは決まっておりませんが、十分な対応をしたいと思います。

 特に、高速道路の交通確保というのは、福井県にとっては重要でございます。木之本でありますとか長浜あたりではよい天気だけれども、突然、敦賀とか今庄に入りますと、天候が激変しているというようなことがございまして、全国的にも世界的にも非常に天候が、インター1つか2つで大きく変わるという地形といいますか、そういう条件のもとでありますので、福井県のいろんな交通、日本全体の交通にとっても重要でございますし、観光などいろんな面でも重要でございますので、日本道路公団との協議をさらに従来以上に強めなければなりませんので、そうした対応を行いたいと思います。

 特に、道路公団側における除雪対策、あるいは県外車への指導、取り締まり、あるいはいろんな情報の提供など課題が一つ一つあると思いますし、公団においてもこれまでも取り組んできているところでありますが、さらに強化をしてまいりたいと思います。

 もう一つは、これは県内の地域の除雪といいますか交通確保でございますが、どうしても車社会でございますから車道の除雪というのがこれまで中心でありましたが、実際車道も大事でありますけれども、除雪した雪が歩道に積み上げられて、歩かなければ生活ができない人たち、これは児童・生徒もございますし、年配の方もございますし、またいわゆる交通弱者と言われている方もそうでございますが、県民から歩道除雪の充実が非常に強く、いろんなところへ参りましても声が大きいのであります。そうした問題に取り組むことが重要だと思います。

 そこで、今年から小学校周辺の歩道について、モデル地区として除雪を行う歩道除雪モデル事業、これは対象となる学校が120校余りあるのでありますが、こうした地域をモデルとしながら、別にここだけにとどまる必要はありません、歩道除雪を重視した対策を進めてまいりたいと思います。

 また、道路というのは、国道、県道、市町村道と、三者一体とならなければ有効ではございませんので、三者が協議して、ほんとうに県民の皆さんに満足いただけるようなそういう除雪対策を進めたいと思います。

 雪でありますから、いろいろ雪の降りぐあい、また、これからは地域住民の方々の応援も必要でありますので、そうしたことを総合的に対策を講じまして、雪に強い福井県になるように努力したい、このように考えます。

 それから、最後、5点目でありますが、安全・安心なまちづくりということであります。いわゆる県と警察本部、また公安委員会とで進めております治安回復事業であります。

 これにつきましては、今回、安全・安心なまちづくりを考える懇話会というのをつくりまして、具体的に各団体がとるべき施策、また、来年2月議会に提案する予定の安全・安心のまちづくり条例、こういう問題の議論を進める必要がございますので、第1回の会合を10月31日に開催いただきたいと考えているところでございます。なお、詳しくは、また関係部課の情報を提供させていただきたいと思っているところでございます。

 そのほか、これから年末になりますが、地域の防犯のシステムですね。私自身、いろんなところへ参りましても、それぞれの地域の日々の暮らしが安全・安心か、また青少年対策が十分かという議論がございまして、やはり地域ごとのそうした防犯活動というのは重要でございます。そうした問題につきましても、今後ともあのプログラムに従って積極的に進めてまいり、また問題がありましたら、一つ一つ関係者が力を寄せて解決していく、こういう対応をしてまいりたい、このように思うところでございます。

 以上、冒頭、私のほうからご報告を申し上げたところでございますので、よろしくお願いします。

【司会】

 それでは、質問がありましたらお願いします。

【記者】

 まず、一昨日のえちぜん鉄道の事故の件、あと、先週のプルサーマル計画に関し、これから県がどのような日程で何をしようとしているのか、いつごろまで時期をずらすかということをお伺いします。

【知事】

 それではまずはえちぜん鉄道から。おとといになりますか、土曜日、25日に、えちぜん鉄道の三国芦原線で、踏切で、乗用車と衝突するという事故があったということでございまして、乗用車を運転されていた方が亡くなられたということで、心からお悔やみ申し上げたいと思います。

 なお、電車の乗客あるいは運転手にはけががなかったということでございますが、詳しい事故原因は調査中でございますが、何としても、もちろん交通安全というのは重要でございますけれども、今後とも乗客の方々に安心してえちぜん鉄道に乗っていただけるということが重要であります。

 それで、昨日10月26日に、えちぜん鉄道の見奈美専務に対しまして、県民生活部長から、社員の安全意識の再徹底、また、より一層の安全運行に努めるよう要請をいたしました。県といたしましては、県民の方々に安心して交通機関に乗っていただけるようにさらに安全対策を積極的に支援していきたいと思いますし、また、えちぜん鉄道自身もいろんなことがこれからもあるかもしれませんが、こうしたことを乗り越えて、地域の皆さんの公共交通機関の重要な役割を担っているという自覚のもとで、しっかりした公共交通事業といいますか、こういうものが進められるように努力もしてほしいし頑張ってもほしいと私自身は思っているところでございます。

 それから、もう一つはプルサーマルの問題ですね。

 プルサーマル計画につきましては、先日10月23日に関西電力の社長からこれまで行ってきたMOX燃料体調達業務の改善に関する取り組みについて報告書の提出を受けたところでございまして、また、その際、国や県による品質保証体制の改善状況についての確認、そして地元の理解を得た上で年度内にMOX燃料加工契約を目指したいという旨の説明を受けたところでございますが、その際、私からは、改めて関西電力による品質保証体制強化、整備状況が国によって確認を十分されることが必要でございますし、また、説明会を通じて地元の方々に十分理解をされて県民の信頼が回復されることが大前提だということを申し上げました。県としては、提出を受けました報告書の内容を今後確認するとともに、地元の町、また県議会の議論を踏まえて慎重に対応していく必要があると思います。スケジュールが決まっているからこうだということではございませんで、国や事業者の取り組みに不十分な点があれば必要な要請を行うと、そうしたような旨のことを藤社長にお伝えしたところでございます。

 いずれにしても県民の理解や県民感情に十分合致しないようなことがあれば何一つこうした問題は進むことができないわけでありますので、そうしたことを理解して努力してほしいと藤社長にお伝えしたところでございまして、現在のところはそういう姿勢であります。

【記者】

 そうすると、確認ですけれども、いつまでに説明会を開く、そういう時期的なものは、県からは時期を区切って要請するわけではないということですか。

【知事】

 そういう取り組みを示されたわけですので、事業者として、できるだけ早目にいろんなご説明をしていただくことが重要だと思います。

【記者】

 社長と知事の会談の中で地域振興の話なんかも出たようですけれども、例えば北陸新幹線のこれからの進行状況といいますか、そういうことも踏まえながらプルサーマル計画の再開についてもというおつもりはおありなんでしょうか。

【知事】

 個別具体的に対応しているわけではありませんが、しかし、原子力に対する県民の理解を得るためには、我々立地地域と事業者あるいは関西等の地域などのいろんな意味での共生関係というのが重要でございますし、関西電力自身が関西での企業活動を中心に行っている企業でありますので、こうした今置かれている福井県の事情というのを十分認識されて、企業としてのそうした役割を果たしていただくことが重要だということを申し上げておりますので、そういうことを私自身が社長にも申し上げましたし、また、県民の理解や、あるいは今申し上げました県民の感情に沿わないようなことでは何一つ事業は進まないということを伝えたということなんです。

【記者】

 先ほどのえちぜん鉄道のお話で、今、福井駅の乗り入れの問題が県議会では結局結論が出ずに閉会後にまた協議するということになりましたけれども、今後、市町村なんかとの協議を含めてどういうふうに取り組んでいかれるようなお考えでしょうか。

【知事】

 10月24日に沿線市町村長会議が開かれまして負担についても話があったというふうに伺っておりまして、そうした議論を深めていただいて具体的な提案がいただけるものと考えます。今後とも沿線市町村と積極的に協議、調整を行って年内に解決をしたいと、こういう考えです。もちろん、その際、将来の負担の問題も含めて提案をしていただくことが必要だと考えます。

【記者】

 場所は違うんですが、事故がありまして、乗り入れで、ああ、やっぱり高架のほうがいいなとかというふうにお思いになったりということはないですか。

【知事】

 もちろんそれは、できるだけ事故のないようなシステムというのが重要だというふうに考えますが。

【記者】

 その事故の件で、先ほど知事は県として安全対策を今後支援していきたいみたいなことをおっしゃられましたけれども、そういう県としての支援みたいなものは何か具体的にあるんでしょうか。

【知事】

 これからいろんな調査が行われると思いますから、その結果を見て要るものがあるのであればやらなきゃいけませんし、それがハードなものなのかソフトなものなのかということがあると思います。そういう点について応援をすることについては決してやぶさかではございませんし、それは県民全体の立場でえちぜん鉄道というのを支援していかなければなりませんから、そうした姿勢で臨みたいと考えます。

【記者】

 先ほどプルサーマルの話で新幹線のお話が出ましたけれども、経済的には、おっしゃっていたように、例えばスキーム見直しの関係と、例えば「もんじゅ」であるとか増設のお話ですね、これを条件といいますかハードといいますか、そういうふうにというニュアンスともとらえられたんですが、その辺については今後どう考えられていますか。【知事】  さっき言った言葉どおりなんですが、やっぱり全体的な政治の議論でありますし、県民の皆さんの願いというか感情の問題でありますから、それを総合的に判断して、物事に対処する必要があるというふうに私自身は思っているんです。だから、そういう姿勢で臨みたいです。個別に何がどうだってそういう議論ではなくて。

【記者】

 今のに関連して、関電に、県の事情を十分に、立地地域という事情を十分に認識してもらって、企業としての役割を果たしてもらいたいとおっしゃったんですが、企業としての役割というのは例えば具体的にどんなことを想定しているんでしょうか。

【知事】

 もう少し説明すると、要するに我々福井県は15基の原子力発電所があり、そして6割の電力を関西地域のために提供していると。その地域は電気がなければ一瞬たりとも経済活動や生活ができないわけでありますので、そうしたことをよく理解し、またそういう思いを持っていろんなことをしてほしいし、また関西電力の立場でも関西地域で企業活動を行い、そのことは十分認識しておられるわけですから、そこを他の企業やあるいは国への働きかけ、いろんなことがあると思いますが、それは企業の立場で十分な貢献をしていただきたいと、そういう意味です。

【記者】

 中国のお話のところで、海外事務所の関係で、東アジアに重点をシフトしたいということをおっしゃったと思うんですけれども、もう少し詳しくお伺いできましたら。どのような形でいきたいというふうにお考えになのか。

【知事】

 海外事務所は、今、福井県は、中国でいいますと上海、香港、アメリカはニューヨーク、それからヨーロッパはミラノにありますが、そうした事務所などを、福井県の県益なり、これからの企業戦略からみて、そのままでいいのかどうかというのを考えて、どこを重点にしたらいいかということを年度いっぱいで考えて対応したいという意味なんです。

【記者】

 それは、どのような形かは別として、例えば、ニューヨークなりミラノの部分を整理するとか、あるいは中国に新たに設けるとか、そういったことを……。

【知事】

 総合的に、まだ、どこどこというところまではいっておりませんが、他のいろんな市町村の事務所もあったりしますし、企業のこれからの東アジアなりあるいは対外的な戦略方向もあると思いますが、そこを見きわめて、現状のままでは十分でないし、また重点的でもないというふうに思っておりますので、そこを再検討したいという意味なんです。まだ結論なりは出ておりませんが、これから検討し、結果を出したいと思います。

【記者】

 整理統合も含めて検討したいということですか。

【知事】

 そういうことも選択肢としてはあると思います。

【記者】

 東アジア重点のほうにシフトするということですか。

【知事】

 特に東アジアが重要だと思いますが、ただ、あまり今の段階でこちらということではありませんが、十分検討してまいりたいと思っています。

【記者】

 東アジア・マーケット開拓戦略プランなんですけれども、もう少し具体的にどういったものかお伺いしたいんですけど。

【知事】

 今、内部で一生懸命やっているものですから、具体的に言いたいんだけど、まだ言えないんです。もう少し具体化した段階で方向性が出れば、年度内以前でも申し上げたいと思います。きょうの段階ではちょっと、こうだああだということが言えませんので、ただいまのような説明になりましたが。

【記者】

 目的としては、もう一度確認なんですが、これは何を目指しているのでしょうか。

【知事】

 特に県内企業のマーケットですね、販路拡大といいますか、頑張って東アジアでやろうという、そういう企業の皆さんを応援するにはどうしたらいいかというのがメインだと思います。ですから、東アジアを重点に置いたマーケットをどうするかということだと。

【記者】

 あした衆議院選公示ですよね。それで、いろいろ各党とも知事が知事選でやられたようなマニフェストを出されて、地方分権の話だとか三位一体改革の話、いろいろ打ち出していますけれども、知事として、今回の衆議院選で、結果はどうなるかわかりませんけれども、その中で地方に対するものであるとか、そういったところで望まれるものというのは何かありますか。

【知事】

 今回の選挙は各政党ともマニフェストを出しておられると。中のいろんな詳しさとか、あるいは物の考え方は違うと思いますけど。ですから、党首選挙で初めてマニフェストによる選挙というのが実施されたわけでありますので、いわば地方から国の政治制度を変えたということだと思うんです。かつ、公職選挙法などの改正も短期間で行って、国の法律までも変えているということで、一つ大きな動きだったと思います。私自身も地方から国のいろんなシステムを変えるんだということを選挙の中でも訴えましたので、そういう方向は非常にしかるべき方向だというふうに思います。

 それで、一方でマニフェストというのは、政治的に約束をし、それを実行するということでありますから、大変厳しいものがあるわけですよね。特に政党の場合には、多くの立候補者といいますか、そうしたことのいわば集合体としてのマニフェストでありますので、私どもの知事選挙などのマニフェストとは多少性格は違いますよね。ですから、今回初めての選挙ですから、そういうものをこれからどううまく生かしていくかというのが重要だと思います。

逆に質問して申しわけないですが、個々の候補者はマニフェストをつくる方とつくらない方とあるようになっているんですか。

【記者】

 個々のというのは例えば?

【知事】

 例えば、あるAという候補者の方が、政党のマニフェストもあるけれども、自分マニフェストもおつくりになっているということは?あまりないんですかね。そういうのをどうこれから扱うっていうのはありますね。つまり、国全体のマニフェスト、国政としてのマニフェストはあるけれども、国政と非常にかかわりの深い、それぞれの地域についてそれをどう考えるかと。例えば新幹線がどうだとか、そういった問題をどのように考えるかというのを明瞭にすることが県民のいろんな関心事であるかなと私は思ったりしております。

 しかし、マニフェストは論ずるものではなくて、これはやるものでありまして、あまり評論ばかりしていては意味がありませんので、やはり政治の立場で何を約束して、これをしっかりどう実行するかというのが基本にあると思いますね。ですから、約束事だけで物事が解決するわけではないというふうに思いますけれども。マニフェストじゃなくて、マニフェスヒト(マニフェス人)というのが日本の現状の、そこはやっぱり、それをつくる人がほんとうにやるかどうかということがあるのではないかというふうに思っております。 【記者】

先日、有事法制に関連して、知事が中部の知事会を代表して緊急提言されたということですけれども、内容がかなり非常時の知事の権限を強化するような、結構、ああここまで要るのかというようなことだったんですけれども、その緊急提言ができた経緯と、実際渡しに行ったときの反応を改めてもう一度お願いします。

【知事】

 あの緊急提言は、背景としては有事法制なり国民保護法制のような議論がありましたが、やっぱり、現在の日本の危機管理の体制の中では、最後責任を直接負わなければいけないのは、市町村長なり都道府県知事の場合が多いんですよね。非常に一刻一秒を争ういろんな状況でありますので。そうしますと、どうしても地方団体が住民のために責任をとりやすい体制を用意していくことが重要だろうという問題意識が1つ背後にあります。

 それから、手続的には、先般有事法制ができまして、これから国民保護法制ということですが、地方団体に十分な意見なり作業が、お互いなくて、法律などが出来たきらいがありまして、できたものに対して全国の都道府県知事が、あれは不十分だとか、あれはおかしいということを言った経緯があるんですが、そういうことでは、日本の国家の安全とか国民保護を考える場合にそんなことを国と地方が言っているようでは、ほんとうの意味の有事対策とか国民の保護は図られないだろうということで、あらかじめ、国が法律の作業をする前に地方団体として意見を言うべきだという考えがありまして、ほかの知事も同じ、そうだなということで。かつ、福井県で原子力とかそういう問題に非常に関心があり、また問題でもありますので、こちらでまとめて中部圏の知事の総意をとろうということで作業して、提言したということなんです。

 それで、国の立場では、官房長官をはじめ、あらかじめいろんな意見を知事の側から言っていただいて大変ありがたいと。それで、もちろん国家としての対策でありますので、おのずとその仕組みなり考え方はあると思いますが、十分それを反映してまいりたいという返事をいただいたというふうに思っております。

【記者】

 知事に就任されて半年経過したわけですが、地元新聞の調査によりますと、8割が知事の施策に好感を抱いているという結果も出ておりますが、まずこの半年を振り返っていただいた感想が1つと、あともう一つは、たしか各部長と政策合意というのを結ばれていると思うんですけれども、その政策合意の中には、各部長の皆さん、結構年度内にやりたいという項目がいつも挙がっていたと思うんですけれども、知事の目から見て、各部長の政策合意の取組状況をどのように評価されているかという点を伺いたいんですけれども。その2点をお願いします。

【知事】

 この半年間は、いろんな体制の整備が1つあったと思います。組織なり、あるいは人事なり、あるいは基本的な仕事の進め方といいますか、それにしばらく時間がかかりましたし、また6月の肉づけ予算、また9月の対応ということで、基本的には、先ほど政策公約といいますかマニフェストの議論もございましたけれども、それを一つ一つ実行するのが私の責任でもあり義務でありますので、そうしたことを進めているということを県民の皆様方も応援していただいているのかなという、そういう気持ちであります。ですから、今後ともそうした方向で、お約束していただいたことを、いろいろ大変厳しい環境でもございますし、なかなかつらいところもございますけれども、そうしたことを進めてまいりたいというふうに思います。

 それから、各部長との関係は、新年度の予算の中で主にそれが反映されるのではないかというふうに思いますので、ちょうどその作業の段階なんですね。ですから、そこでしっかり各部局長で議論を進めてもらうことによって政策合意が果たせるのではないかと、このように考えますし、特に戦略会議などもありますので、そうした方向でやりたいと思います。マニフェストに従って、それによって行政を引っ張っていくと言うと言い過ぎかもしれませんが、そういう方向で当面進めたいと思います。

【記者】

 マニフェストの成果とか政策合意の実施の状況を本年度の終わりとかそのぐらいに示すお考えは……。

【知事】

 あれは節目ごとにどういう状況かということになりますので、1年ごとにチェックするつもりです。

【記者】

 具体的な何かチェックの方法とか……。

【知事】

 どういう方法がいいのかということはありますが、チェックして明らかにすることが必要だというふうに思います。ですから、今回、新年度予算の作業が終わってこういうことだと、その結果どうなんだということを明らかにしたいと思います。

 

 それでは、知事定例記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

── 了 ──


 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

知事公室広報広聴課

電話番号:0776-20-0220 ファックス:0776-20-0621メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)