知事記者会見の概要(平成28年1月4日(月))

最終更新日 2016年1月5日ページID 031536

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平成28年1月4日(月曜日)
10:00~10:50
県庁 特別会議室

 
H28.1知事会見
  

    

【知事】

 新年明けましておめでとうございます。昨年はいろいろとお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

 それでは、新年の冒頭でありますが、主な課題、それから今年の行事やトピックなどについて申し上げます。

 先ほど県職員に対し年頭の挨拶を行ったところですが、ここ数年、福井県は、幸福度が日本一とか、あるいは高校野球で優勝するとか、いろいろな事柄で県民の実力も高まってきており、また、そのことを様々分かっていただけるようなことが増えてきたわけです。そういう意味で、この新しい年は、噛み合ってきた歯車を力強く回し、スピードを上げ、いろいろな意味で、住んでいる人はもとより、来る人たちにも面白いとか楽しいと思っていただける福井県にする、そういう年にしてまいりたいと思います。

 

 最初に、主な課題について申し上げます。

 1つは「地方創生・人口減少対策」であります。

 地方創生・人口減少対策については、昨年計画をつくり、それを一つひとつ実行することになります。特に有効求人倍率が東京に次いで全国第2位と雇用環境は悪くないのですが、逆に人手が足りないという別の意味の課題が前面に出てきています。そのため、国、労働局とも連携し、東京など大都市からのみならず、有効求人倍率のあまり高くない、職場を求めている地域からもU・Iターンを促進する努力もしてまいります。

 それから、3つの大学と就職協定なども結んでいますが、県外大学と連携をしながら福井県へのU・Iターンを促進し、また「愛着県民」を増やすということを具体的に予算なども考えながら進めてまいりたいと思います。

 また、地元企業も従来10人採用していたところを11人、12人採用するなど、人に対して企業が投資をするということ、そういう関心を持つという動きを進めてまいりたいと思います。

 特に大学関係では、4月に、大学連携センターの開設を行う予定であり、県内の高等教育機関8校全ての学生が集まり、学べる拠点としてアオッサに開設します。このセンターでは、教養科目はもとより、恐竜や日本海の自然など福井の魅力や企業の実態を学ぶ、約20科目以上の講座が開講できるように大学と協議を進めています。福井駅前も徐々に活性化の動きがあるわけですが、4月9日(土)にセンターを開き、オープニングフェスティバルを行いたいと思います。著名講師による特別の授業なども行いますし、駅前商店街においてはファッションショーなどのイベントも開こうではないかという動きであります。

 また、大学連携センターのオープンと連動して、学生間の交流を促進するために、県内の各大学生が参加する合同の大学祭を6月に予定しています。昨年末12月20日には、芝政ワールドにおいてプレイベントとして約200名の学生が集まり、実行委員会をつくっているところです。現在4大学、1短期大学から40人の学生が実行委員になり、いろいろな自主企画を検討しているという状況です。

 

 2つ目の課題は「高速交通体系の整備促進」です。

 新幹線については、年が明けて3月までに福井高柳高架橋(約2.6km)のほか、福井トンネル(約3.5km)の工事着手を予定しており、今年度末の工事の着手率は概ね約5割となる予定です。

 また、福井市森田地区の高架橋(約1.1km)の工事を4月に開始する予定です。29年度からは沿線全域で工事に着手できるよう、総力を挙げて用地買収や埋蔵文化財の調査を加速させます。

 敦賀以西ルートについては、若狭ルートが、何としても今年中に決定される必要があります。今後、与党の検討委員会をはじめ政府・与党に対し、議論のスピードアップをし、早期に若狭ルートを決定するよう求めてまいります。

 次に、高規格道路です。

 中部縦貫自動車道については、永平寺大野道のうち、28年度中に永平寺-上志比間が開通する予定ですので、大野まで中部縦貫道が北陸道と直結をするということになります。これにより、28年度内には全ての県内主要都市が高速道路で結ばれるということになりますので、企業進出あるいは観光誘客などを進めてまいることになります。なお、大野油坂道路の開通については、新幹線敦賀開業にあわせて同じ時期までに整備をしたい、このように予定をしています。

 なお、高速交通体系が良くなるわけですが、これをうまく利用するための計画が必要ですので、3月頃までには高速交通開通に備えたアクション・プログラムを取りまとめてまいりたいと考えます。

 

 それから、課題の3つ目として、「福井国体に向けた準備」であります。

 昨年夏に会期が決定しており、本日で開催まで999日と、1,000日を切りました。専用のホームページを明日5日からつくり、情報発信を強化します。県民総参加で盛り上げていけるよう、新県民歌や国体・大会ダンスの普及など、機運醸成を図ってまいります。

 施設の整備については、メイン会場となる「福井運動公園」の「陸上競技場」は、4月からの供用開始に向けて準備を進めています。「野球場」も4月から供用開始を予定していますが、スコアボードに全面LEDパネルを採用し、パブリックビューイングなども実施できるようになります。市町の施設では、勝山市の新体育館が竣工するなど、3月末までに5つの施設ができます。勝山市の体育館、敦賀市きらめきスタジアム、小浜市営野球場、南越前町桜橋運動公園野球場、丸岡スポーツランドサッカー場という5つであります。

 次に、競技力向上ですが、和歌山国体では良いものはあったのですが、全体としては26位にとどまっているということで、国体終了後、直ちに各競技団体と個別に検討会を開き、話し合いを行っています。同時に県も組織体制を強化し、競技団体と一緒になって選手の獲得や実績のある指導者の派遣強化などを行っています。そして、今月15日には、初めての「拡大強化本部会議」を開きます。県の競技力向上対策本部に県体育協会の理事、競技団体を加えた強化本部会議を開催する予定です。

 それから、選手の獲得ですが、「スポジョブ福井」についてであります。今年は60名の獲得を目標に、現在30競技80名の選手と交渉を続けており、本日までに57名の方が、福井県での就職の意思を固めております。いずれもレスリングや柔道など全国規模の大会などで実績のある選手ですので、福井国体後も選手あるいは指導者として貢献してもらえる選手です。レスリング、相撲、柔道、バドミントン、弓道、剣道などです。今後も、意思の固まっていない選手の勧誘を続け、来年春のU・Iターン希望者の勧誘にも努めてまいります。

 

 次に、今年の主な行事・トピックであります。

 まず、「県都のまちづくり」です。

 福井鉄道とえちぜん鉄道の相互乗り入れが、この春からスタートすることになると思います。2つの会社による鉄道と路面軌道の間での相互乗り入れは、全国初めての試みであり、両事業者では現在、低床ホームの設置など必要な工事を行っており、並行して田原町駅での運転引継ぎや運賃の受け取り、異常時の対応などについて調整をしています。

 また、この春、福井鉄道の駅前線が150m延伸し、駅前広場に乗り入れます。あわせてバスターミナルも開業し、JRと地域鉄道、バス、タクシーなどの交通が1か所に集まることになります。これにより、交通同士の乗り継ぎが楽になり、福井駅周辺の賑わいが期待できます。

 西口再開発については、4月28日には西口再開発ビルがオープンし、県都の顔となる駅前の整備が完成します。長年の課題であった福井駅西口整備に一区切りがつく形になりますが、これで終わりというわけではありません。元日の新聞には、「福井銀行が福井駅周辺の再開発事業などを積極的に支援する」との記事がありましたが、市街地の再開発などについては民間の動きが出てきていますので、我々としても行政の立場から具体的な調整や協議、応援をしてまいりたいと思います。

 

 それから、「全国規模のコンベンションの開催」であります。

 11月24日から27日、4日間にかけて、サンドーム福井をメイン会場に「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」が開かれます。この大会は、全国から伝統工芸の関係者が一堂に会する唯一の大会であり、伝統的工芸品の展示販売や製作体験を通して、本県の伝統工芸をPRしてまいります。昨年は富山県、その前は佐賀県、その前は和歌山県で開かれており、大体2万から3万人台の来場がある大会です。

 もう1つの大会は「日本古生物学会総会」です。6月に3日間にわたり、県立大学において「日本古生物学会」の総会が開かれます。福井県での開催は平成14年度に続いて2回目となります。全国の古生物学者約300名が集まり、恐竜あるいはアンモナイトなどの古代生物に関する最新の研究成果が発表される予定です。また、これにあわせ、県立大学主催による海外の恐竜学研究者を招いたシンポジウムを開く予定です。これは恐竜の卵の化石に関する日本で初めてのシンポジウムになると思います。

 

 それから、「教育関係施設のリニューアル」について申し上げます。

 まず、児童科学館「エンゼルランドふくい」が、今年秋にリニューアルオープンします。昨年8月には延べ入館者数が700万人を突破したわけですが、開館から16年を経過しており、先月から改修工事に着手しています。リニューアルに当たっては、子どもたちはもとより、小学校高学年や中学生にも関心を持ってもらえるような施設とするため、生活体験や実感に基づいて理解できる参加型展示へと一新するとともに、館内の高い吹抜け空間を活かしたダイナミックな映像空間や参加型の科学実験教室「コミュニケーション・ラボ」を新たに整備しますので、楽しみにお待ち願いたいと思います。

 それから、北潟湖畔に整備を進めている「芦原青年の家」が、この夏にオープンします。既にありました古い施設を移転・新築するものです。地域住民の皆さんの協力を求めながら、北潟湖でのカヌー体験やサツマイモ掘りや栽培、あるいは東尋坊の地質学的な勉強をしたり、様々なサイエンスの勉強をする場所にしたいと思います。

 

 次に、「新たな観光施設の整備状況」について申し上げます。

 1つは小浜市の旧旭座「まちの駅」が、5月のオープンを目指して整備が進められています。県内で唯一現存している明治時代の芝居小屋「旭座」を移築・復原するものです。

 高浜町では、「ふるさと創造プロジェクト」として、自然体験や薬草を売りにした里山観光地を目指し、健康長寿の里づくりを進めています。青葉山山麓に「ハーバルビレッジ」という施設を整備し、観光山野草園のほか、薬草商品を提供するカフェやショップを新設し、3月に完成する予定です。

 このほか、道の駅「若狭熊川宿」がリニューアルするなど、嶺南地域では新たなスポットができます。

 嶺北地方では、永平寺町の道の駅「禅の里」が3月中旬にオープンする予定です。これは県内では15番目の道の駅になります。ここでは天然温泉施設「禅の里」のほか、上志比にんにく、ピクニックコーンなどの地場野菜やオリジナルメニューを提供する予定です。

 

 次に、主なトピックとしての最後になりますが、「農林水産施設の整備」についてです。

 まず、九頭竜川パイプライン事業です。九頭竜川かんがい排水事業、これは国営の事業ですが、平成11年度から進めてまいりました。いよいよ4月から、福井、坂井、あわら、永平寺の4市町、約1万2千haの農地へ全面通水をされます。幹線用水路の総延長は約55kmであり、パイプラインの口径が国内最大規模の3.5mとなります。この日本一整備が行き届いた生産基盤を活かし、稲が発育する夏の夜に、きれいな冷たい水をかん排でき、おいしいお米の生産基盤ができたわけですし、水田園芸生産をさらに拡大し、この場所が文字どおり福井県のモデル的なお米と野菜などの一大農業地となるよう、これからこの施設を使って進めたいということです。

 林業の関係ですが、大野市に建設中の木質バイオマス発電所が4月から稼働します。発電規模は7千kw級で、約1万5千世帯の家庭用電気を提供できるぐらいの大きさになると思います。県内で発生する未利用の間伐材などを燃料とし、電力供給をする計画です。この結果、これまで山でそのまま放置せざるを得なかった間伐材の利用が可能になるとともに、新たな雇用なども生まれるということであり、中山間地域の活性化につなげてまいります。

 もう1つが水産です。水産業に関しては、敦賀市に建設中の水産加工施設が3月までに完成します。魚が獲れるときにはばっと獲れるのですが、数日でこれを売り切るということはなかなか困難ですので、あまり利用されなかった小型のアジやカレイなどを加工し、付加価値を高めることにより、魚価の安定も図れるということでます。加工品は、県内はもちろん、魚があまり豊富にない滋賀県や岐阜県などの卸売市場やスーパーなどにも販売するほか、学校や病院向けの加工品開発も進めていきます。海外への販路拡大も研究・検討していきます。

 

 最後に、大きな3点目ですが、インターネット上のドラマ制作についてです。

 学生のU・Iターン促進を目的に、福井の中小企業のイメージアップドラマの制作発表記者会見を開催します。福井をはじめ、地方には優れた技術を持って世界になくてはならない部品等を製造するなど、やりがいを持って働くことができる中小企業が数多く存在しています。このため、ふるさと知事ネットワークの中から、福井県と長野県が協力し、きらりと光る技術を持つ世界レベルの中小企業を舞台に、働く若者を主人公にしたインターネットドラマの制作を進めています。

 このドラマの内容やキャストの詳細について、1月7日(木)、15時30分から東京都港区虎ノ門のポニーキャニオンにおいて制作発表会見を行う予定です。

〔資料: 「小さな世界企業」ドラマ 制作発表記者会見

 ドラマそのものについては今月中に完成をさせ、2月11日(木・祝)に東京・品川のインターシティホテルにて完成発表イベントの開催を予定しています。

 福井県版と長野県版をつくるわけですが、13県ネットワークでありますので、他の11県についてもこのイベントに参加し、ネットワーク全体でU・Iターンの促進を図るという動きをしてまいりたいと考えています。

 以上、私からの1月冒頭の発表事項であります。

 

【記者】

 明けましておめでとうございます。

 

【知事】

 おめでとうございます。

 

【記者】

 北陸新幹線について、先ほども「何としても今年中に決定される必要がある」と仰っていましたが、敦賀以西について、国の調査費も計上され、議論が本格化すると見込まれます。与党PTは5月中にルートを絞り込むという方針を示す中で、北陸3県の足並みの乱れを懸念する声が上がっています。京都駅を通るというJR西日本の内部案であれば北陸3県が歩み寄れる可能性があると思うのですが、改めて敦賀以西ルートに関して、知事のお考えをもう少し詳しくお伺いしたいと思います。

 

【知事】

 敦賀から先については、若狭ルートによるルート決定を何としても今年中に決定していただきたいと思っております。いろいろな機会を通して強く求めてまいります。

 これからの大体の動きとしては、1月、2月にかけて大阪や京都の意見を聞くということも聞いております。そして、夏近くまでにはいろいろなルートを議論し、その上でどれぐらいお金がかかるとか、効果がどうだとか、こういうことを調査して年内のルート決定ということになるかと思います。並行してJRや経済界からももちろん意見を聞くであろうと思います。

 北陸の動きについては、いろいろな動きがここ1、2年あり、その場その場で条件も違ったり、状況も違う。情報も様々ありまして、いろいろな県がいろいろなことを言っておりますが、最近は、概ね意見の収斂といいますか、そういう雰囲気は出ていますので、若狭ルートで決定をするように努力してまいりたいと思っております。

 

【記者】

 小さな世界企業のドラマについて、これは福井県と長野県それぞれ別個につくるドラマという理解でよろしいのでしょうか。具体的にはどういった内容が盛り込まれるものになるのか、教えていただければと思います。

 

【知事】

 今日のところはまだ内容を申し上げられません、ただ、全く同じものにはしない。長野的な部分も入るし、福井のほうは福井的な部分が入るということで、全然別ではないが全く同じでもないというわけです。

 

【記者】

 若者のU・Iターンを促すためのどのような内容のウェブドラマになるのでしょうか。もう少し具体的に伺えると。

 

【知事】

 1月7日に発表するということでご理解願いたい。ある程度、想像はできると思いますが、あまりよくあるようなものにはしないようにしたいと思います。要するに、それぞれの地方でいろいろ面白い企業があって、頑張っていて、そこへ若者がいろいろな悩みを持ちながら、関心を持って頑張ろうという、そういうストーリーになるとは思いますが、それ以上のことは申し上げられません。

 

【記者】

 去年のこの年頭会見で「これから10年のスタートになる年になる」と仰られて、年末の会見では「将来の発展の方向性がはっきり見えてきた年」という表現をされました。先ほど「歯車が回り出した」という表現もありましたが、改めて今年の意義付けというか、位置付けを、教えていただきたいと思います。

 

【知事】

 要するに、昨年中に新幹線の方向が出、敦賀までについては福井県で希望していた3年短縮、さらには中部縦貫道の動きもはっきりして来、大体7、8年の中で福井県内の概ね交通体系などが決まっていくだろう。それから、原子力問題も2011年3月以降、様々紆余曲折がございましたが、福井県として努力をしながら再稼働等の動きも出、他のエネルギー全体を今後どうするかという流れを国に対し申し上げ、その方向を進めていくということですので、福井県にとって基本的な事項については大きな方向が出たわけです。ですから、これをいかに実行するかということになります。

 その際、特に交通インフラについては、3月末までにこれをいかにうまく活用するかという計画をつくります。他のものについても昨年中にいろいろな計画をつくりましたが、それだけでは十分ではなくて、やはり20年ぐらいの後の将来の姿を描きながら高速体系をどう利用するか、これがまたエネルギー問題にどう関連するのか、嶺南・嶺北の一体化をどう図るかとか、北陸3県での福井県のポジションをどう高めるか、あるいは大阪、名古屋、東京に対してどういう位置付けにしていくのかという大きなことを考えながら、形は明らかになってきましたので、具体化を図るということができるようになったのではないかなと思うのです。学力・体力、幸福度なども全国一の水準ですから、非常に難しい課題だけれども、次に何をするかという課題に挑戦できるということですので、そういう意味で歯車は回っているということです。ぐるぐる回るけれども、最後どうやって回っていくのだということを考えて回さないいといけないということではないかと思うのです。

 

【記者】

 今朝の挨拶でもそうですし、この会見の冒頭でもそうでしたが、「スピードを上げて」というような表現がありましたけれども、知事の中でそういったスピードアップ、歯車のスピードを…。

 

【知事】

 これは難しい課題ですので、準備を早くして着実にその方向を積み重ねないと7、8年までに間に合わないということが懸念されます。大きい課題であるから、方向さえはっきりしてやると一年一年積み上がって、これが2倍、3倍と成果といいますか、方向が上がってきて、いろいろな交通体系が良くなったりする頃にはものになると思いますが、それをはっきりしないと、単に鉄道が通ったとか道路が良くなったということにとどまってしまうということでは、意味がないわけです。

 

【記者】

 原子力問題について、高浜発電所が今年動き始めますが、発電所が動き始めたら、大きいのはあったら困るのですけれども、小さいトラブルというのは起きてくると思います。そのときの発表の形式の話ですが、私がこちらに赴任してくる前に、事業者から県が聞き取って県が発表する福井方式という、ほかの自治体がまねるような方式があると伺っていたのですけれども、こちらに来てからほとんど止まっていましたので、県が発表するというより事業者が発表しているように思うのですが、それは今から変わっていくのでしょうか。トラブルの大きさなどで違うのですか。

 

【知事】

 物によって違いますが、年末、再稼働への同意の発表をさせていただいたときも特に申し上げましたが、これから再稼働、またほかの課題もありますけれども、あらゆる電力事業者あるいは現場で起こった課題について、迅速に、そしてオープンにお知らせをして、住民、国民の信頼を得なければならないということであり、これまでもそういうふうに努めてきましたが、そういうことがこれまで以上にこれから必要だということを申し上げたと思います。そこで、関西電力なら関西電力と我々との窓口なり情報の連絡体制をさらに強化して、そして、皆さんにもお知らせをする、そういう基本的な方針で強化するという方針でいきたいということであります。これが基本の考えです。

 

【安全環境部長】

 ここ数年、ご指摘のとおり停止しておりましたけれども、基本的な発表の方法としては、異常事象の程度に応じて即時発表あるいは定期的な発表ということになろうかと思います。従来から事業者の発表のみならず、県として聞き取って原子力安全対策課が記者クラブにおいて発表すると、その方式を引き続き継続する考えです。

 

【知事】

 これまで稼動していませんでしたので、そういうタイプの課題も少なかったと思いますが、これから具体的に動いたり、あるいは様々な新しい方向が出ますと、それに基づいていろいろな情報を迅速にお知らせする必要があると思います。したがって、我々もしっかりお話ししますが、メディアの皆さん方にもそのお知らせした事柄の意味とか、あるいは国民に対する影響度とか、そういうものを十分踏まえて国民にお知らせをしていただいたりすることが重要かと思いますのでよろしくお願いします。

 

【記者】

 原子力行政についてお伺いします。再稼働と一連のものと知事が仰っている廃炉についてお伺いしたいのですけれども、廃炉については九州電力玄海原発や中国電力島根原発など廃止措置に向けた計画を具体化していったり、地元との安全協定を見直すような動きも出始めている状況にあります。県内でも敦賀原発と美浜原発が既に廃炉が決まっていて、今後、事業者が廃炉に向けた計画を具体化させてくる頃かと思いますけれども、今後福井県としては廃炉に向けてどのように取り組んでいきたいとお考えでしょうか。

 

【知事】

 廃炉というのは割りと新しい課題なので、これまでにない部分が出てくると思いますが、廃炉に当たっての廃炉そのものの計画と、あるいは廃炉に伴うフォロー、地域振興をどうするかとか、あるいはいろいろな税制などもどうするかとか、いろいろな事柄が出てくることになります。そして、中間貯蔵などの扱いもそこから発生してくるだろうと思うのです。

 

【記者】

 例えば島根原発ですと、地元の自治体との安全協定を見直して廃炉に向けたシステムづくりを進めている自治体もありますけれども、例えば福井県では事業者の廃止措置計画を提出する前に地元に相談をしてほしい、地元の同意権が欲しいとか、廃炉に向けて協定を見直すというようなお考えはおありでしょうか。

 

【知事】

 島根県のシステムはよく分かりませんが、福井県では、商業用ではありませんが、「ふげん」が既に実態があります。そういうものも踏まえて、福井県はいろいろな歴史がありますから、その中で最も効果的な、そして、分かりやすく、オープンな形のものを進めていくということが大事だと思いますが、まだこれからの話になります。

 

【記者】

 大阪府と大阪市が「副首都化構想」を今進めていますが、28日に対策本部の最初の会議が開かれて、松井知事は中央省庁の移転を主張し、猪瀬直樹特別顧問は新しい省庁をつくるべきだということで、「公益庁」をつくるべきだという主張もしておられますが、そういう大阪の副首都化構想について、どういう所見をお持ちでしょうか。

 

【知事】

 一般論としてこれまでいろいろな首都機能の移転とか都の一部をどうするかという議論は出ておりますが、実現になかなか至っていないというのが現状であり、大阪だけでそんな議論をしてどういう結果になるのかというのはちょっと分かりにくいところがありまして、それ以上はちょっとコメントがしにくいのですが、我々としては新幹線などいろいろなことを地道にやることによって大阪の活力が初めて高まるわけで、構想によって直ちにそれが高まるという話でもないし、構想が実現できるかというのは厳しい課題がありますので、福井県の立場から言うとよく分からないというのが実態ですが、なすべきことをお互いになしていくことが重要かなというような感じはいたします。

 

【記者】

 今年の夏から選挙権の年齢が70年ぶりに引き下げられ、18歳以上から投票できるようになります。選挙は民主主義の根幹だと思うのですが、知事から若者たちにメッセージがございましたらお願いいたします。

 

【知事】

 我々の役割も、またよく勉強しないといけないと思いますし、教育をしっかり進めたいと思うのです、我々としては。ですから、若者にはよく政治や社会の問題をこれまで以上に勉強してほしいし、福井のことも勉強してほしいという気持ちです。

 

【記者】

 知事が初めて一票を投じたときの感想は。

 

【知事】

 ちょっと覚えてないな。学生の頃で、投票には行きましたが。

―― 了 ――

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