知事記者会見の概要(平成16年2月20日(金))
平成16年2月20日(金)
10:30~11:40
県庁 特別会議室
【司会】
それでは、平成16年度当初予算案についての記者会見を始めさせていただきます。
まず最初に、知事から予算案についての説明をいただきたいと思います。
知事、お願いします。
【知事】
おはようございます。
それでは、きょうは私のほうから、平成16年度の当初予算の概要、またいろんな周辺の問題、考え方についてご説明をいたしたいと思います。
今回の16年度の当初予算につきましては、私が知事に就任して最初から取り組んだ予算でございまして、本格的な予算編成ということになったところでございます。厳しい財政状況の中ではございますけれども、今回の予算編成に当たりましては、既存の事務事業を大胆に見直しながら、真に効果のある施策を重点的に予算化いたしました。
お手元にもいろんな資料があると思いますが、基本的には「福井元気宣言」に掲げた4つのビジョン、それから昨年中、多くの方にご協力いただいて、「挑戦(チャレンジ)ふくい」、福井県の産業社会活性化プランでございますが、そこに掲げた施策を実現して、福井県の皆さんがふるさとに誇りを持てる地域づくりを進めていくために、福井県が持っておりますよいもの、すぐれたものを大切に生かす、これを全国に誇れるようにするということが基本でございまして、「プライド福井」の創造を目指すということで予算を組ませていただきました。
特に、経済活性化、それから県民生活の安全・安心、きめ細やかな福祉、教育の充実、福井ブランドの創造の5つを重点課題として掲げておりまして、これを中心に予算編成を行ったところでございます。主なものは後ほど説明をいたしたいと思います。
世の中、少しずつ明るさといいますか、そういう動きも見え始めておりまして、私としては、そうした動きをしっかりつかまえながら、予算などを通じて元気で前向きな雰囲気が出るような、そういう行政を進めたいと思っているところでございます。
なお、大詰めの段階で、国の三位一体の改革の影響によりまして、福井県の予算は5,000億円前後のスケールでございますが、その中で220億円余りの地方交付税等が削減をされました。税源移譲の工程も明確に示されない中で、地方の意見が十分反映していない形でこうした結果が出たのは非常に残念でございまして、受け入れ難いものでございます。
先日、中部圏、それから近畿ブロックの知事会を通じまして、国に対し、地方の財政運営の実情を十分踏まえた的確な財政措置を講ずるよう強く求めたところでございます。今後、全国の知事会で、地方税源のいろんな検討をさらに継続的に行い、国とのいろんな要請をする組織をつくるようでございますので、私もそうした中に参画をして、16年度の第1段階、三位一体が進んだのでありますが、さらに地方分権の立場で実効性が上がる努力をしてまいりたいと思います。
なお、県といたしましても、財源確保といかに県政を推進するかという立場から、これから18年度までの4年間を推進期間といたします行財政構造改革プログラムの策定に取り組みまして、国から自立した財政構造の確立を目指そうしているところでございます。この具体的な中身は近日中にお示ししたいと思いますが、そうした作業を今、最終的に計数整理しております中でこの予算を組んだと、こういうことであります。
それでは、いろいろな予算にかかわるお話をこれから申し上げたいと思います。
まず、政策論議を実施したということでありまして、予算編成に当たりましては、民間的な手法を行政に導入するということで、NPM、ニュー・パブリック・マネジメントの考え方に立ちまして、成果を大事にするということで、限られた資源を効果配分するということで作業を進めました。福井県政策推進マネジメントシステム、これを明らかにしたところでございますが、これに基づきまして分析をし、計画をし、進行を図り、評価をするというプロセスの中で、こういった予算の作業を行うように努力したところでございます。
具体的には、従来はボトムアップといいますか、各部局の積み上げで予算要求が行われてきまして、どうしても前例踏襲的になる弊害がありましたけれども、今回は、重要課題に係る予算は、予算編成に先立つといいますか、政策論議をまず行いまして、各部局長と徹底した議論を行いましてやったものでございまして、全国的には初めてのやり方かなと思います。少し時間はかかりましたけれども、そういう方向で取り組んだところであります。
それから、公共事業関係につきましては、一件審査ということで、従来は、500億円なら500億円ありますと、総枠の調整で、これで抑えるとか、あるいは伸ばすというようなことで取り組みまして、あまり一件的な中身には十分立ち入らなかったことがございますが、今回は成果主義に基づきまして、公共的な事業のうち県単独財源で行う県単独事業については一件審査を行いました。来年度からは、全国に先駆けまして、公共事業、国の国庫補助事業が入ります事業につきまして、全体の一件審査に取り組みたいと思っているところであります。
それから、今回の予算では、県民とのパートナーシップを十分考える必要があるということで、現在作成を進めておりますNPOなどとの協働、協力して働くという協働、コラボレーションといいますが、協働ガイドラインの考え方に基づきまして、予算の執行に当たりましては、ボランティア、NPOをはじめとする民間団体、あるいは地域コミュニティーとの協働を進めることにより、民間の活力や県民の創意工夫などを行政に取り入れまして、新しい行政といいますか、予算を目指しました。
その例といたしましては、資料の1-3、これがマニフェスト「元気宣言」の柱に沿って予算を整理したものでありまして、これが大体すべてでありますが。そして、1-2は、その概要といいますか、柱をまとめたものでございますが、結局は1-3をごらんおき願いたいと思うのでありますが。
この中で、例えば今申しましたNPO等の民間団体の協働につきましては、例えば19ページ、個別の事業にわたりますけれども、すみずみ子育てサポート事業というのがあります。これは、お母さんたちが困ったときにNPOの皆さんにやってもらうわけですが、その負担を軽減するということなんです。こうしたNPOとの協働事業。
それから、27ページ、一番上にございますが、障害児の方の夏休みなどの生活支援、これも民間団体に応援をしてもらうということであります。
それから、37ページでございますが、上から2つ目、地域をつなぐ河川環境づくり推進ということでありまして、これも河川愛護団体等が実際、草刈りなどをやってもらう。公共事業でやらないということです。土木事業ではやらない。こういう人にやってもらう、そういういろんな例をこっちに書いてあるものであります。
それから、電源三法交付金の活用ということでありまして、これは財源的な観点から書いてありますが、電源三法交付金は県分としては70億円前後あると思いますけれども、これまで、施設整備がハード面あるいは産業面に限定されましたが、福井県からもっと使い方を弾力化すべきだという国への要請を行いまして、それが実現いたしまして、昨年10月からは福祉等のソフト事業も対象になるということで、そういう方面に使っているものでありまして、既に9月補正予算で、知的障害者のグループホーム支援の財源に投入しておりますが、今回、対象とする事業を大幅に拡大いたしました。
この中には、母親手作り子育て情報誌作成事業でありますとか、病児デイケア、あるいは県立学校のリフレッシュ事業、などがあります。
18ページをごらんいただきたいと思います。
個別にわたって恐縮ですが、18ページをごらんいただくと、一番左下です。母親手作り子育て情報誌作成事業というのがあります。これまでは県がいろんな子育ての情報誌をつくっておりましたが、どうしても使い勝手が悪いということで、お母さんたちがみずからつくってもらう、そして使いやすいものにするという事業であります。こういうものについて交付金を使うとか、あるいは20ページをごらんいただけますか。病児デイケアです。お子さんがインフルエンザにかかったり、はしかにかかった場合の、病期中あるいは病後、こうしたことについて病院で預かった場合に、その施設を応援するというものでありますが、こういうものに投入をいたしております。
それから、23ページは、従来からの事業の拡充でございますが、上から3つ目でございましょうか、県立学校のリフレッシュ、こうした事業に、電源ということで右側に枠で囲ってありますが、こういうふうになっております。
それから、これは説明が前後いたしましたが、資料の1-2に枠、予算編成の新たな手法ということで、政策議論、公共事業の一件審査、パートナーシップ、電源三法交付金の活用、政策過程からの県民参加、最後の話を今しております。資料の1-2の3枚ぐらいの紙があると思います。政策過程からの県民参加ということで、いわゆるパブリックコメントといいますか、そうした手続、これは資料としては1-5にまとめてあります。
あらかじめ42件、県民の皆さんのご意見をいただきやすい事業をご提示し、98件のご意見をいただいた。それから、そのほか、それに関連して50件の意見をいただいて、大体148件の意見をいただいた。主なものの中身が書いてございますが、その中のご説明になりますが、そのほかに女性会議あるいは座ぶとん集会などで私が直接県民の皆さんからお聞きして、重要だと思い、かつ普遍性があるといいますか、共通的に皆さんが思っておられて、これはやるべきだという事業を主に実行いたしました。
その中で、予算編成過程の県民参加としては、7ページにございます開業特別支援資金貸付金でございますが、この枠を8,000万円と考えておりましたのを1億円に引き上げたこと。
それから、23ページの、きめ細やかな教育体制の充実、上から3つ目でございますが、私学の支援、これを従来、2億5,000万円程度と考えておりましたのを3億円に引き上げたということ。
それから、福井女性会議での議論がございまして、不妊治療費の助成事業、これが21ページの一番右上、県民参加と書いてございますけれども、国の制度が2年間、新たにこれは設けられますので、本県独自としてさらに2年、4年間の不妊支援ですね。
それから、座ぶとん集会の例としては、15ページをごらんいただきましょうか。鳥獣害のない里づくり推進事業、つまりイノシシとかシカとか猿とか、これは、座ぶとん集会、どこへ行きましても、地域からこういう鳥獣被害を何とかしてくれという話がございましたので、この予算を積極的に計上いたしまして、かなり地域ぐるみでこの対応をするという新しい制度でございます。
考え方としては、海と陸は海岸線という関連がありますが、これは里地里山線、要するに田んぼ、畑と山といいましょうか、そのライン、ゾーンを保全したりガードするという、そういう観念を入れました。そこを、この予算以外にもため池整備とか里山事業などのいろんな事業を総合的に考えながら、里地里山線を保全したり防御する、そういう発想の事業にいたしております。
では、先ほどの資料をちょっと戻りまして、資料1-1の一番最初をごらんいただきたいと思います。あちこち行って申しわけありません。
ちょっと字が小そうございますが、1ページに16年度当初予算案、これは全体の計数でありますが、一番左側に今回の当初予算額、Aという欄がありまして、一般会計で5,004億円、前年度対比で97.1%、特別会計、企業会計はそれぞれこちらに書いてあるところでございまして、一般会計予算は、近年の厳しい経済財政状況を反映いたしまして、6年連続して対前年度比マイナスとなりました。規模5,004億円というのは、さかのぼりますと平成7年度の6月の補正水準になっていると思います。その水準の大きさというふうに思いいただきたいと思います。
それから、先ほど申し上げました資料1-3、これがマニフェストに従った柱立てでございまして、このビジョンを実現するために、この事業は新世紀政策推進枠事業というふうに整理いたしておるのでありますが、冒頭開いていただきますと、総括表に16年度当初予算ということで、事業数として210事業、この黒枠の中であります。予算額として179億円、これは事業費であります。それから、予算額のうち一般財源、これが、税、交付税など自由に使える自前の金、国庫補助金などを除いたお金でありますけれども、これが58億円、ここへ投入して、「福井元気宣言」ビジョンの実現を図ったということでございます。
この黒枠の下に昨年の予算が書いてございますが、ここでは93億円の事業を行って、23億の一般財源を使ったということで、合計いたしますと、下の欄でございますが、272億円で、82億円の財源をここで投入いたしました。
選挙のときに200億円の一般財源で、新世紀枠で元気ビジョンと言いましたが、この200億のうち82億円、去年と今年で使わせていただきたい、こういうことになる説明でございます。
特に新年度予算の特色としては、この表をごらんいただくとわかりますように、一番上の4つのビジョンのうちの1、元気な産業に80件80事業、一般財源19億ということで、全体のおよそ3分の1を占めております。去年が全体の中で元気な産業、大体十四、五%の数字になると思いますが、これが大きくウエートとして倍以上になりましたのは、今回、先ほど申し上げました「挑戦(チャレンジ)ふくい」、産業活性化のビジョンが出ましたので、それを何とかして実現し、景気浮揚、雇用の核という事業に挑戦したいということで、こちらにウエートがかかっているというものでございます。
こうした取り組みの結果、今回の当初予算編成においては、「元気宣言」に係る施策については、昨年の6月補正予算では取り組めなかった事業がありました。30人学級編成は新学期が終わっておりましたので取り組めませんでしたが、今回これに取り組んだことなど、予算で対応すべきものはすべて今年度の予算で対応したということになっております。
次のページに、項目といいますか、目次、それぞれの項目についての柱立てが書いてございまして、もう既にマニフェストにこういうふうにしておりますので、この形に応じて予算を編成したという格好になりますので、予算の編成には時間がかかりましたが、説明を申し上げるときにはわかりやすい形になっているというふうに思っております。
次のページに、事業の見方でございますが、これはご案内だと思いますが、新規は新規、拡充は拡充、それから「挑戦(チャレンジ)ふくい」、県民参加、電源と書いてありますが、それぞれ先ほど申し上げましたような説明が相前後しますが、こうした事業に関係する事柄であるという意味でございます。
まず、それで、産業の活性化でございますが、就職支援に力を入れたことでございます。特に、高校生といいますか、高卒予定者の内定率は全国3位と高いのでございますが、なお15%は未決定でございます。そこで、若者を対象とした職業訓練、就職支援、就業政策、一貫した支援を行う支援センター、これは通称ジョブカフェというふうに言っておりますが、国の公共職業安定所と連携して若者の就業を支援するというものでございます。これは、3,000万円の事業であります。
それから、3ページにちょっと行っていただきたいと思いますが、ものづくりのところでございますが、産力強化ということでありまして、生み出す力ということであります。福井産力強化事業が一番上にございますし、その下には共同研究の事業の具体的なプロジェクト、また少し飛びまして、7ページをちょっと見ていただけますでしょうか。上から2つ目、開業特別支援資金貸付金、こうした事業が新規でありますが、ほかにもいろいろありますが、こうしたプロジェクトによって、これまではある意味で一生懸命はやっておったんですが、産学官、少しばらばらであったんじゃないかということで、産学官のそれぞれの組織あるいはトップが、同じ方向といいますか、ベクトルを一致させて、県内の企業、大学、行政からの力を結集しようということで、福井県産力戦略本部を設けまして、事業を進めたいというふうに思います。
また、繊維、金属など、福井県が比較優位を有する分野での産学官研究を進めるために、今申し上げました資金を大胆に投入するということであります。また、県内での新規創業を強力に支援するために、創業の際、あと創業1年以上経過した企業、この瞬間が大事でありますので、融資制度を、今申し上げましたようにいろんなものをつくりまして、産業支援センターとの支援制度を組み合わせて、全国的にはあまり例がないんですが、そうした組み合わせ方式によるかなり規模の大きい創業支援制度を創設するということでございます。
また、6ページ、7ページにも書いてございますが、NPO法人あるいはボランティア団体が、コミュニティビジネスといいますか、地域の課題をビジネスとして解決しようとする取り組み、こういうものに対して支援、またセミナーの開催、塾の開校、専門家による指導、こういう事業を行うとともに融資制度を創設したいということで、6ページの地域助け合いビジネス起業化支援事業、上から3つ目であります。263万円ぐらいです。これは専門家の派遣の事業であります。
それから、産業活性化支援資金貸付金、これが7ページの下から2つ目です。地域助け合いビジネスについて新たに融資する、こういう事業を行うものでありまして、貸付限度額が3,000万円というのは全国一水準が高いのであります。こうした例は、他県では富山県が2,000万円とか長野県が500万円、大阪府が500万円というスケールがございますけれども、福井県はそういう水準で応援をしたいと思っております。
次に、9ページに参りまして、人づくりの問題であります。本年4月から国立大学の法人化を控えまして大学間の競争が強まっておりますが、県立大学は開学12年を経過しておりまして、企業が求める高度な知識を持った産業人材の育成などの課題に十分対応できているかを見直す時期だと思っております。県としては、県立大学のあり方懇話会を開きまして今検討中でありますが、18年度にはビジネススクールを開設する予定でございます。そこで、16年度はこれに先立って、社会人などを対象とした半年間の短期課程と年間7回程度のプレビジネススクールを開校しまして、人材育成に取り組みます。
この中で、今申し上げました短期課程はビジネススクールと同様、企業経営者等を講師とする実践コースであります。それから、プレビジネススクールは広く社会人を対象といたしまして、将来のビジネススクールのエッセンス的なものを体験できる講座を行いたいと思っておりまして、こちらに3本事業が書いてあるものであります。9ページであります。
次に、10ページに参りまして、販路開拓、マーケティングの問題であります。中国を中心とした東アジアは有望な市場でございまして、本県にとって大事な分野であります。こうした地域で販路開拓にチャレンジしたいという企業を積極的に支援したいということであります。2月18日からきょうまで上海で眼鏡展が開催されておりますが、それはともかく、上海事務所に現地市場に精通したコーディネーターを置きたいと思います。県職員も行っておりますけれども、販路開拓のための支援体制を強化します。これに伴って、事業の選択と集中の観点から、ニューヨーク事務所、ミラノ事務所を本年をもって廃止したいというふうに思っておりまして、これでコストが大体年間6,000万円削減をされるというふうに思っております。
それから、企業誘致は10ページ、11ページに書いてございますが、昨年コールセンターが開設されまして、2月16日から業務を開始していることで、3カ月ぐらいでもう仕事が始まっていると、非常にスピード感があるわけでございますが、我々もこうした民間のスピードにおくれをとらないようにして、今後とも、私自身、また副知事を中心に積極的に企業誘致に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
10ページに、企業誘致、アタック500推進事業、企業立地関係強化事業、それから立地企業促進補助金、誘致企業支援補助金ということで、土地などへの支援、またいろんな経常経費への支援など、日本有数の補助制度になっているというふうに思います。
それから、農林水産業につきましては、13ページ以降になるのでありますが、夢のある農林水産業を目指すということでございまして、特に村落広域営農支援事業というのが13ページの一番上に書いてございますけれども、特に法人化の促進、さらには、従来は、村落といいますか、集落単位で農業をやっていましたが、さらに広げないとということで、旧村単位、いわゆる村落といいますか、集落じゃなくて村落、そうしたスケールでの応援を地域的には進めてまいりたいと、そのように思っております。
また、市場のニーズを踏まえながら、園芸あるいはブランドの確立、こうしたことに取り組みます。また、今ほど申し上げました鳥獣被害などにも取り組みたいということで、ここにそうした事業が書いてあるものでございます。
それから、少し飛ばさせていただきますが、県民生活の安全・安心のお話を申し上げたいと思います。
39ページをお願いしたいと思うのですが、引き続き治安の回復に取組む、また有事の対応も念頭に置いて予算編成に当たりました。特に有事の対応につきましては、39ページの県民保護計画策定事業でございますが、国民保護法制の成立に合わせまして、県民を武力攻撃、災害から守るための避難、援護に対する措置を内容とする計画を全国に先駆けて策定したいと思います。これは2,300万円の事業であります。
それから、治安回復につきましては、昨年から強化した治安回復の取組みによりまして、15年度の犯罪は前年に比べ18%減少いたしましたが、さらに抑制をする必要があると思います。今回、安心なまちづくり推進に関する条例を提案し、市町村に市町村安全安心センターを設置することにいたしております。これが40ページ。安全・安心まちづくり地域実践支援事業1,165万円、上から2つ目、あるいは下から3つ目の臨時交番相談員などの事業を行います。
それから、児童・生徒をねらった犯罪や交通事故を防ぐために、父兄や生徒から通学路の歩道や照明などについて意見が多く出ておりましたので、子供たちが安心して通学できるよう県民意見に基づいた歩道の新設や照明の設置などを行うということで、39ページの右下でありますが、安心で明るい子供の道整備事業をここに入れております。なお、3億円ということで、これは県単独公共事業の一件審査をチェックして、この財源をここからここへ生み出したものであります。新学期になりますと、それぞれのご家庭といいますか、学校からどのようにお子さんが自宅から学校へ通学できるかという行程を地図にかきますよね。そういうところでここがいつも危ないとか、そういうことを書いていただいて、そういうものに基づいていろんなチェックをしたいというふうに思っておるものであります。
それから、ちょっともとに戻りまして、福祉の問題であります。これが18ページ。元気な社会ということでありますが、きめ細やかな子育て支援ということでございまして、これは18、19ページにございます。共働きが多いという本県の特性を踏まえまして、子育てに悩む親御さんの情報提供がまず大事だということがわかりましたので、みずからつくっていただくとか、そういう情報のアクセスの容易さといいますか、わかりやすさに努力したいというふうに思っております。それが18ページの左下であります。
それから、19ページに特定保育事業、これは普通は年単位で保育所に行くことになるんですが、月単位で弾力的にできるように。それから、すみずみ子育てサポートは、冠婚葬祭、病気などでお困りのときに民間などに委託して700円のお金を時間で払うんですが、これを350円で済むようにとか、そういうことであります。
それから、障害者施策につきましては、27ページにございます。これにつきましては、ここにいろいろ書いてございますが、さっき申し上げました夏休みの生活支援、それから障害者の自立促進事業、グループホーム、あるいはいろいろ実践活動の勉強をする事業ですね。そのほか、ユニバーサルデザインの事業などもここに書いてあるものでございます。
それから、もとへ戻っていただかないといかんのですが、19ページに戻っていただけますでしょうか。お子さんの話に戻りますが、嶺南地域で整備を検討しておりました児童館でありますが、地元の考え方を十分に反映した整備と運営を進めるという観点から、今回、整備は福井県、その運営管理は地元大飯町が行うという新しい方式を前提に、16年度から子供家族館、これは仮称でありますが、この準備を進めたいというふうに思います。子供家族館というのは、児童館ということではなく、親御さんとかおじいちゃん、おばあちゃんと家族としてこれをどう使っていくか、その中にはいろんなその町の、先ほど言った子育て支援センターでありますとか、お母さんたちが何かいろいろ相談して、居場所といいますか、たまり場になるような、そういうものの機能を備えた、子供、そして家族といいますか、そういう観念を入れたものを検討して、運営は地元の大飯町にやってもらうという新しい方式で検討をしたいと、このような意味であります。
それから、教育につきましては、22ページをごらんいただきたいと思いますが、未来を託す人づくりということで、今回、30人学級の編成がまず1つの柱でございますのと、学力の低下に対する問題などがものすごくあれがありまして、高校生の学力向上については22ページの2つ上に書いてございますが、高等学校学力向上教員配置、中高一貫教育推進配置事業ということで、高校に先生を充実いたしまして、合宿による集中講義、きめ細やかな教科指導、進路指導、そうしたことを行いたいと思います。
また、大学の大手の予備校などの先生の技術も引き続き導入しようということであります。大学入試センターの試験成績を見ますと、5教科の平均総合を申し上げますと、平成5年度で全国5位でありましたが、今、平成15年で、10年後には全国25位ということで20位ランクが下がっております。特に物理、化学、数学などの成績が全国で中位になっておりまして、こうした問題に取り組まなければなりません。
それから、30人学級の導入が22ページの下から書いてございますが、平成19年度までに、基礎学力の習得に重要な時期でございます小学6年から中学3年までに30人学級あるいは30人台学級の導入を目指して、この事業を進めるものでございます。特に小学1、2年については、学校生活になじむ必要もございますので、ボランティアの導入を行いまして、先生とボランティアという方式をとります。小学校3、4、5年生については、1クラスに2人の先生を配置しておりますチームティーチング、それから小人数の小クラス編成を採用します。こうした弾力的な方法は全国でもないユニークな取り組みではないかというふうに思っております。
それから、私学振興につきましては、先ほど23ページの上から2つ目の3億円の事業を申し上げましたが、これはいろんな県民のご意見もいただきましたが、毎年度20億円近い助成を行ってきているところでございますが、かなり厳しいということ、さらに、いろんな学校ごとの特色ある教育づくりについて父兄の負担が少しでも軽減されるように3億円の予算を計上したことによりまして、私立高等学校生徒1人当たりの助成額はこれで全国のトップクラスになるというふうに思います。
それから、青少年の健全育成でございます。青少年健全育成については、マニフェストの中では位置づけがちょっと弱かった分野だというふうに思っておりまして、今回、青少年育成アクションプランを近日中にお示ししたいと思いますけれども、そうしたものに基づきまして予算を計上いたしたものでございます。
24ページにボランティア体験「ユースチャレンジャー隊」事業ということが書いてございますが、青少年がボランティア活動を通じまして、いろんな社会貢献をし、みずから成長してほしいという事業でございます。
また、これは国から市町村に直接行く事業が1つございまして、県の予算にはのりませんが、地域子ども教室推進事業です。7,000万円の事業が県下の市町村に行きます。これは、何とかして、公民館あるいはお寺、福井県にお寺がたくさんございますが、そうした地域に昔からある寺子屋と言ったら変なんですが、そういう施設をもっと地域に密着させた形で使わんといかんということを前から考えておったんですが、県の予算を計上しようと思ったら、ちょうど新規事業としてこういう事業が国で今回設けられたことがわかりましたので、全国4,000カ所あるそうですが、予定としては、そのうち県内で90カ所をここへ投入する働きかけをしまして、市町村でやってもらうということになったものであります。これは、1カ所60万円の補助金、またコーディネーターを市町村ごとに導入して、ものづくりをやったり、スポーツ教室をやったり、子供の居場所づくりをすると、こういうタイプの事業であります。
なお、これに関連して42ページでございますか、上から3つ目、公民館活性化支援事業というのがありますが、公民館を地域の活動拠点とするためのモデル事業あるいは活性化計画、お母さんたちが気楽に行けるとか、これはちょっと遠のく感じがありましたので、こうした事業とも複合させて、地域の施設を有効活用したいと、このように思っているものであります。
なお、話題が少し横に行くかもしれませんが、36ページを見ていただきたいと思いますが、一番下に、食べ残しを減らす社会づくり推進事業と書いてあります。これは、環境保全というところにも書いてございますが、青少年対策ということにもかかわるのでありますが、飽食の時代ということで、日常生活あるいは外食での食べ残しによる問題が多く出ております。本県でも生ごみが9万6,000トンあるんですが、4分の1は食べ残しだというふうに言われておりまして、こうしたことを、食べるという習慣、また、こういう生産流通の中で、飲食業界の意見交換、あるいは県民に対する意識啓発などをして、食べ残しを減らす社会づくりに向けた運動といいますか、こういうことを進めたいと思います。レフトオーバーと英語で食べ残しは言うそうですが、そういうことをやりたいと思います。
それから、先ほど述べました県立大学につきましては、23ページを見ていただきたいと思いますが、教育に関係いたしますが、これは新しい方法でありますけれども、23ページの下から2つ目、県民参加による県立大学地域貢献推進事業、これは、県立大学の教員研究費、先生方の研究費があるのでありますが、県の行政施策や福井県のニーズを反映した特色ある研究について、県民等で構成する委員の意見を踏まえて奨励研究費を交付するという制度を設けたいと思います。要するに、地域貢献型の大学研究、こういうことで、全国で初めてかと思いますが、県民の皆さんの考えで、こういう研究が重要だという判断をしてもらって、それをやってもらうと、こういう意味であります。
それから、その下にありますファカルティー・ディベロプメント、県立大学授業改善事業、これは、大学競争が非常に強くなっておりますので、学生、教員の参加によって授業の改善を行う、学生による授業評価などを導入すると、こういうことをここで考えているものでございます。
最後にブランドの話をいたします。34ページを。
これまでイメージアップという議論で進めておったのでありますが、さらにそれを発展させまして、福井にさまざまなすぐれたものがございますので、それをブランドとして、個別ブランド、またクラスターといいますか、ブランド管理をしっかり進めると。それによって、さらに福井のプライド、あるいは観光、いろんなものにつなげていくということで、整理をいたしたものでございます。
一番上は、県下の地域にありますブランドがそれぞれ競争しながら、自分のところはこれだというものを県下で5グループ程度エントリーしていただいて、そういう事業に支援をするというものであります。
それから、ふくいブランド県民大使というのは、いろんな方といろんなところでお会いしますと、福井が全国に知れ渡っていないとか、あるいは福井はどこなのとよく言われる。自分がやりたいという人が非常に多いんです。自分でブランド大使になりたい、そういう人たちの思いを何とかして生かしたいということで、ふくいブランド県民大使、これは、500名、700名、いろんなオーダーがあると思いますが、なっていただいて、いろんな勉強もしていただき、情報も交換して、福井を積極的に県外などにアピールしてほしいなという予算でございます。
特に、このブランドで申し上げたいのでありますが、本県は全国トップレベルの健康長寿県であります。つまり、元気長生き県でありますので、その要因の分析を行い、その成果を県内外に発信したいということでありまして、これが35ページの上から2つ目に書いてございますが、健康長寿福井調査発信事業、なぜ福井県がこうした長生きの県なのかという、いろんな面からも、文化的な面も含めて、医療の面もございますが、アプローチをしてみたいということと、長生き県である福井でこういうフォーラムもやりたいと思います。
また、健康長寿というのは食と深くかかわるわけでございまして、今年は国際コメ年であります。将来の食糧としても重要だということで、コシヒカリは福井が発祥の地でございますし、コシヒカリそのもの、その子供、孫、曾孫、曾々孫といいますか、これが全国に行き渡っているわけでありますが、そのことで、コシヒカリ一族を福井で集合いたしまして、田植え、刈り取り、食べ比べ等々を全国の人にやってもらおうかというふうに思っておりますのが、コシヒカリのふるさと・福井全国発信事業であります。
そのほか、観光などにつきましては、観光のいろんなデータの調査、また観光業界がまとまっていろんな事業をする、あるいは直接旅行業者とタイアップしてその成果がすぐに上がるような対応をするなどの事業をここに組ませていただいたものでございます。
以上、事業などについて申し上げたものでございます。
【司会】
以上で説明は終わらせていただきます。大体11時35分ぐらいを目安に質疑をお受けしたいと思います。質問がございましたらお願いいたします。
【記者】
時間もないので簡単に予算についてお伺いします。
今回の予算は、知事就任されて初めての当初予算で、県税収入ですと昭和63年度並み、それから一般会計の予算規模ですと平成7年度、9年前の水準ということで、さらに、三位一体の改革で当初の想定よりも100億円ばかり財源不足を生じたと、こういったいろいろ苦しい状況の中での率直なご感想と、この予算についてもし名前をつけるとしたら、どういったキャッチコピーといいますか、名前をつけられるか、ちょっとその辺を。
【知事】
今回、かなり財政的にも厳しいと同時に少し世の中としては明るい前向きの動きということで、ちょっと転換点かもしれないと思っているんですが、しかし、現実の財政はそういう現状でございますので、政策推進マネジメントシステムに基づいて成果主義による予算を十分チェックして行ったということ、それから事業のスクラップ、あるいはシーリングなど、いろんなものを組み合わせて財源を工面しながら苦労して予算を組んだと思います。
また、すべてのものを県や行政がやるということではなくて、NPOの皆さん方とも協働しながら創意工夫をし、また一方でそれが効率化にもつながるというようなことを思って予算を組んだものでございまして、キャッチコピー、あんまり思っていなかったんですが、まあ、「元気宣言」の実質初年度といいますか、そういう予算であります。一歩前進、攻めの予算になるように努力したいというふうに思っております。
名前そのものは、「プライド福井」の創造というのが正式の名前であります。かねがね言っておりますように、元気を出し、ブランド力を高め、それがプライドにつながるようにというのが名前であります。
【記者】
経済社会活性化プランをかなり目玉としてやられたと思うんですが、その中で、大体、ざっくりとしたところでどれぐらい事業といいますか、予算化されたということをお伺いしたいんですが。
【知事】
それは、これをごらんいただきたいと思いますが、この1-6は行っていますよね、これは、経済社会活性化プラン「挑戦(チャレンジ)ふくい」をその柱立てにとって予算化したものでございまして、先ほどの「プライド福井」といいますか、それの中に入っておるんですが、これはその経済社会活性化プランに基づいて予算化したもの。4ページの右下をごらんいただきますと、総事業費は110億円、そして福井県自体の予算としては67億円、それ以外は支援されたところが負担されているような項目です。そういうものが入っておりまして、この110億円というオーダーになります。
【記者】
これが大体、ざっくりと、ほぼ100%、それじゃ、プランを事業化できたのか、どこまでできたのかというようなお話だとざっくりどんなもんかなというふうに……。
【知事】
すべてあそこでご報告いただいたものをここに網羅しております。しかし、いろんな融資とか補助制度が3カ年にわたるとか、あるいは観光などはこれから計画を作ってさらに具体化するとか、ブランドなどもそうです、さらに進めていく部分がございますので、すべて1年で全部これをやるというわけには、物理的にもできませんから、もうすべて着手したというふうにご理解願えればと思います。
【記者】
何点かお聞かせ願いたいんですけれども、女性会議と座ぶとん集会、こちらのほうで、どんなぐらいの意見が予算編成に当たって採用されたのかなと。例えば、先ほども少しおっしゃられましたけれども、事業内容、全体、そういう意見の採用割合というのはどのぐらいのものかをお願いします。
【知事】
この話は100億円ぐらいの量があってこれが50億円でしたと、そういう言い方はちょっとしにくいんですが、例えば座ぶとん集会の話をいたしますと、これまで54回実施をいたしました。そして、大体予算として、私自身がいろいろ整理しておりますので、やれるものはやったつもりなんです。主なものを申し上げますと、先ほどのふくいブランド県民大使、この500万円、それからすみずみ子育てサポート事業、これが860万円、それから鳥獣害のない里づくり、6,590万円、それから新規就農サポート事業、1,662万円、これは、アグリ21とか、若手の人たちの皆さんのいろんな声、また、農業婦人というかそういう方の話も聞きました。それから、子供と親の相談員配置事業、これが1,440万円、これは、小中学校にカウンセラーを派遣してほしいということをいろんなところからおっしゃっていただきましたようなものが事業量としては大きいかなというふうに思います。
それから、女性会議からですが、これは、福井・坂井・奥越、それから丹南、嶺南、3ブロックで公式には3回会議を行いましたが、実際、皆さん方は何十回もやっておられたというふうに聞いておるのでありますが、主な事業としては、先ほどのブランド県民大使、それから地域ブランド創造活動事業、これは5,154万2,000円、それから県政マーケティング事業、これは嶺南ブロックからのご提言でございましたが、県民の意見を、年間5回程度、随時いろんな主なものについて意見を反映する。子育てでは、病児デイケア、さらには不妊治療費の助成、こういうようなことを実行いたしました。
それで、提言としては、それぞれ3地域、まちづくり、地域づくりで8件、子育て支援で13件、21件の提言を女性会議でもらっておりまして、新規あるいは拡充で対応したものとして28件。再掲になっているからちょっと説明がしにくいんですが……。ちょっと、後で少しもう一回整理して説明してよろしいですか。
いろいろお聞きして、特に女性会議は具体的に文章で明瞭に言っていただいていますので、反映は非常にしやすかったというふうに思います。
【記者】
この予算では県民の意見を参考にするという中で発表されたと思うんですけれども、今後の……。
【知事】
発表は、もう行った、今回の予算をまた、特に女性会議の皆さんにはこうなりましたということをお話しして、やりとりをやりたいというふうに思っています。
【記者】
ボトムアップというか、これまでとは違うようなやり方で予算編成をやられてこられて、知事のリーダーシップで今回はこういう予算ができたというご説明だったんですけれども、そのでき上がった予算を見られて、これまでと比べてみて、どのような感じになったと思われますか。
【知事】
今回、予算編成と同時に、「挑戦(チャレンジ)ふくい」にしても、いろんな計画を並行的にやりました。雇用プランにしても行政マネジメントシステムでも、いろんなものを並行的に、それぞれの部に大体計画プランが1本、それ以上ありましたので、職員の皆さんは大変だと思いましたが、そうしたものを、理念がどういうことなのかとか、この政策の理念はどうだとか、縦割りになっていないかとか、従来型になっていないかと、いろんなチェックをしてやりましたので、十分創意工夫が加わっていると私自身は思っているんですが。先ほどご説明した中にも何かもし感じていただければありがたいです。
【記者】
交付税が、100億円ぐらい、大幅に削減されるという形になりまして、県債と財調の取り崩しということで、貯金を取り崩すこと、あるいは借金することで、今回はこういう形になると思うんですけれども、今後もまた、来年も再来年もというような形でこういうことが続いていく形になると、いつまでも貯金があるわけでもないので、借金も増えていくような形になってしまうと思うんですけれども、そういう見通しについてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
大体、税あるいは交付税の見通しというのは、税が前年並みでありましたし、交付税は大きく制度が、基本的にはこれ以上下がらないだろうと。そして、今、400億円の貯金がありますが、これを、18年度には最小限の100億円を残すとか、あるいは借金を返す部分と借りる部分の収支差、それがオーバーにならなきゃ、プライマリーバランスといいますか、そういう意味での指標、そうしたことをコントロールしながら、18年度までに必ず100億円の貯金がちゃんと残せるようにしながら、さらに、国とのいろんな、そうした要請事項にもなりますが、地方の財源を充実して、また景気も上がっていけばそれは変わってきます。そういう財政上の計画を並行的に持ちながら予算を組んでいるということなんです。
【記者】
今の財政健全化の話とも関連するかもしれないですけれども、予算を見ていると、ほとんどソフト事業に転換しているということで、従来だと、当然、予算の最初のときぐらいには相当大きい箱物をやったりとか目玉予算で何々というような予算編成ということだったと思うんですけれども、やっぱりもうそういう時代は終わったという知事自身のご認識なのかどうかというのと、実際問題、大型箱物というのは、嶺南の児童館みたいに運営は市町村、地元がやるというような新しい方式を取り入れて、なるべく実態に合った形で抑制していかれるのか、その2つをお伺いします。
【知事】
マニフェストでも基本的に大型の箱物については、正確な表現はちょっとあれですが、抑制するという方針で考えておりますし、いろんなこれまでの議論の中でそういう整備が必要だというものについては工夫を加えながら、ほんとうに、つくることが目的ではなく、使う、役立つことを目的に予算を組んでおります。また、既にできているいろんな施設についてもいかに使うかという方向でいろんな工夫をしたいと思うんです。
なお、これから、県都のまちづくりとか、いわゆる都市開発、そうした事業はなお、箱物というのが適当かどうかは知りませんが、進めなければならないと思いますし、あまりそうしたご説明を今日はしませんでしたが、いわゆる元気な県土というところに、30ページをごらんいただきますと、いろんな鉄道の問題とか、いわゆる基本的なハードといいましょうか、インフラ整備、そういうものは、必要なものは進めていくというのが私の考えでございます。なお、この資料の1-1の5ページは公共の事業、土木事業、農林事業、あるいは、6ページには県単独の土木事業、そういうものは、前年度で公共だったら95%、県単独のものは90%ということで、一定のシーリングをかけておりますが、事業は厳選しながら計上し執行していくと、そういう考えでございます。
【記者】
投資的経費で、ここ10年で数百億円余り減っていると思うんです。それに比べてやっぱり義務的経費とか行政経費はあまり減っていないと。この部分はやはり、ご努力されていると思うんですが、なかなか減らしにくい部分だと思います。やはり投資的経費の中でいかにやりくりをしていくかということから言えば、例えば一件審査ですとかいろんなやり方がありますけれども、逆にそういうことをやっていかなければ、一定の議論もそうですが、硬直化した予算編成の流れを変えていかなければいけないというお気持ちは知事の中にあったんでしょうか。
【知事】
おっしゃるとおりで、従来のやり方をしておりますと予算だけが縮んで何か成果が上がらないということになってしまいますので、そういう工夫を加えて限られた財源を有効に使うといいますか、そういう努力をしなければなりません。それと同時に、これから、全国の知事も同じ思いだと思いますが、地方の税源の充実、何といっても景気や経済がよくなっていくと、それはおのずと一つの方向が出ますので、そういう景気対策、経済対策を福井県としても全力で取り組むといいますか、都市と地方との、中央との格差がないような、なくなるような努力をいろんな面でやりたいというふうに思います。
【記者】
18日に東京のほうの新幹線の特別委員会に知事として行かれたんですけれども、この前の嶺南の商工会議所の要望に際しても、そのときの感触いかんで原子力問題に関しては判断したいということをおっしゃられていたんですけれども、感触はいかがだったんでしょうか、それで、それに対する今後の原子力政策についてどうお考えになられているか、お伺いしたいと思います。
【知事】
先般、自民党の検討会では、関係の知事等からそれぞれの地域の思いを申し上げたところでございまして、その中身については既にご案内かと思いますが、北陸については3県ともよく考え方がまとまって、共同した要請ができたと思います。それで、あさって、県内の関係団体とその様子を私からお伝えし、そして皆さんから意見を伺って今後の対応をさらに進めたいと思います。それから、今申し上げられたようなことについては、私自身の考え方をまとめて、24日、議会が始まり、提案理由がありますから、そこで明らかにしたいというか、申し上げたいと、私自身の考えはですね。
【司会】
以上で質疑を終わらせていただきたいと思います。
【政策幹】
座ぶとん集会と女性会議につきましては、年度内にきちっとまとめましてまたお知らせしたいと思います。
【司会】
以上で平成16年度の当初予算の記者会見を終わらせていただきます。ありがとうございました。
── 了 ──
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