知事記者会見の概要(平成16年3月15日(月))
平成16年3月15日(月)
10:30~11:15
県庁 特別会議室
【司会】
おはようございます。時間になりましたので、知事記者会見を始めさせていただきます。
初めに、知事のほうから説明がございますので、お願いします。
【知事】
おはようございます。
きょうは、原子力関係のプルサーマル計画、それから、敦賀3・4号機の増設計画、「もんじゅ」改造工事の3つの課題について、重要な課題でございますし、県民の安全や、また、国のこれからの将来に大きくかかわることでございますので、特別時間をいただきまして、発表させていただきたいと思います。
まず、これらのことにつきましては、これまで、国や事業者の対応や、県議会での議論、また、地元市町の意見等を総合的に検討いたしまして、3原則を基本に、県民の立場に立って対処する、また、今後、各課題ごとに手順を踏まえまして、それぞれの事柄について、内容を的確に詰めた上で判断していくという考え方を申し上げてきました。
県といたしましては、14年6月の敦賀3・4号機増設計画の知事意見書や、昨年11月の「もんじゅ」の安全確保等の要請において、国に対して強く実現を求めてきた安全確保対策や地域振興策について、国の対応を確認することが必要であるということでございました。それで、さきの2月29日には、文部科学省の坂田研究開発局長より、主に研究開発拠点化計画を中心に説明を受けました。
また、3月に入りまして、3月4日には、経産省、原子力安全・保安院の佐々木院長より、主に安全確保対策を中心に、その確保対策の強化について説明を受けました。
また、3月10日には、経済産業省資源エネルギー庁の日下長官より、主にエネルギー政策や地域振興について説明、国の対応の状況をお聞きしたところでございます。
説明を受けた内容について整理を行うとともに、本議会での議論を踏まえまして、各課題について総合的に検討した結果、次のとおり対処したいと考えております。
まず、プルサーマル計画でございますが、関西電力の海外MOX燃料の調達業務の品質保証活動の改善状況につきましては、去る2月5日に国の原子力安全・保安院は必要な品質保証体制を構築しているものと認められるとの評価結果をまとめております。
また、この原子力安全・保安院の評価結果について、3月11日に、原子力安全委員会は、評価結果が妥当であるということを評価といいましょうか、決められたところでございます。
また、先週中までに実施した県独自の調査においても、改善状況は適切に進められ、必要な再発防止は、社内の規定どおりに反映されているということを確認しているところでございます。
一方、県民の信頼確保に向けまして、国や関西電力においては必要な取り組みが行われてきたと評価できる状況でございます。
また、今議会での議論においても、県として判断すべき時期であるとの意見でほぼ一致している状況と理解をしております。
そうしたことから、3月16日、あすになりましょうか、高浜町の今井町長の意見を確認した後、今週中にも関西電力の藤社長に来ていただきまして、MOX燃料確保の手続に入ることについて県の判断を伝えたいと考えます。
なお、その際、関西電力に対しましては、次のようなことを申し述べたいと思います。
概略でございますが、国における改善後の新しい検査制度、また規制制度にのっとり、今後とも品質保証体制の継続的な改善に努めていただきたいということ、それから、県といたしましても、安全確認は国の責任でございますが、県民の健康と安全を守る立場から、具体的にMOX燃料のいろんな装荷手続のそれぞれの段階でチェックするのは当然でございますが、新しいこの検査制度のそれぞれの工程の各段階で、問題の発生等に関係なく、適時報告を求めることがあるなど、県民の立場で厳正にチェックしていくことをお伝えしたいと考えます。
また、関西電力におきましては、これから広く定期検査、あるいは県内企業のいろんな事業への参加、促進等々、こうした問題にも協力を求めたいというふうに考えます。
また、新幹線や高規格道路、エネルギー・原子力関連の研究開発拠点化計画など、本県の重要プロジェクト推進に今後とも引き続き全面的に協力を要請したい、このように考えているところでございます。
次に、敦賀3・4号機の増設計画でございます。
日本原子力発電株式会社による電力自由化などに対応いたしました計画見直しが、2月に入りましてほぼ終了したことを確認いたしました。増設計画を着実に進めることについて、国として全面的にバックアップすることは、エネルギー庁からのいろいろ聞き取りによっても確認できているところでございます。強化された国の安全規制体制のもとで、これはダブルチェックなどいろんな方法が講じられているわけでありますが、厳正な安全審査が実施されることが確認できていること、また、電源三法交付金の拡充、使途の弾力化など、地域振興の充実に着実に取り組んでいることが確認できたこと、また、本議会でも、また経済界あるいは地元の皆さん、いろいろご意見ございますが、県として判断すべき時期であろうという意見でほぼ一致していることなど、県として、この敦賀3・4号機の増設問題について責任ある立場から、また、国のエネルギー政策に協力するという観点から、近く、日程を今調整中でありますが、敦賀市の河瀬市長の意見を確認した後、日本原子力発電の鷲見社長をお呼びして、国への原子炉設置許可変更申請や、準備工事に係る県への許認可申請の手続を進めることについて、県の判断を伝えたいと考えております。
その際、日本原電株式会社に対しては、次のようなことを概略申し伝えたいなと思っておりますが、見直し後の建設計画、また電力需給の状況も大きく変わってきているところでございますので、途中でおかしくならないように、また、きちっと計画どおり、安全で正確に進められるよう説明を求めますとともに、建設計画に基づいたスケジュールどおり着実に推進することを確認したいと思いますし、安全確保対策の一層の強化や、原子力発電に対する県民への継続的な理解の活動を行っていただきたいということ、また、これから、増設工事、また検査などいろんな仕事があるわけでございますが、仕事の面での地元への、福井県への協力をこれまで以上にやってほしいということを申し述べておきたいと思います。
また、今ほど申し上げましたように、北陸新幹線や高規格道路、あるいはエネルギー開発拠点化計画など、重要プロジェクト推進に今後とも全面的に協力を要請したいと考えているものであります。
次に、「もんじゅ」であります。
「もんじゅ」の改造工事計画でありますが、「もんじゅ」の安全性については、県の「もんじゅ」安全性検討専門委員会があったのでありますが、その報告を踏まえて、国や事業者に種々要請をしているところでございます。
国からの説明としては、以下のようなことがあったと思います。
1つは、改造工事に係る詳細な設計や工事の方法など、いろいろ確認すべきことについては確認が終了しているという説明がありました。これは、1月末、30日でありましたか、設工認というのが終わっているわけですが、そうしたことにしていると思います。それから、これからの話としても、国としては、改造工事の過程で確認する事項についても、厳正にチェックしていくというお話もございました。また、核燃料サイクル開発機構自体が県の要請を踏まえた改善を着実に実行するよう指導すると、こういう説明も受けているところでございます。
しかしながら、「もんじゅ」自体は10年近く運転停止している状況にあることは事実でございますし、単にプラントが安全であるということだけで、改造工事や運転再開の問題を判断することは困難だと思います。我が国のエネルギー・原子力政策の中で「もんじゅ」の位置付け、また、福井県民にとって、それから福井県の発展にとって、どのような意味付けといいましょうか、県民益があるのかということが明瞭になることがぜひ必要ではないかと考えております。
つまり、「もんじゅ」の位置付けについては、昨年来、いろいろ見直しました福井県経済社会活性化戦略会議の提言などでもございますが、研究施設としての大きな位置付けといいますか、新しい役割、そうした観点が重要かと思います。それから、人材育成、また、地元産業の振興に結びつく技術的な拠点という位置付けも重要だと思いますし、関連する大学や研究機関と一体となった機能を有する施設ということも重要でありまして、こうした機能を持ったものに生まれ変わるといいますか、こういうことを我々は期待し、希望もいたしているものであります。
これまでのところ、先般、文科省からは、運転再開後の10年間は、所期の目的である発電プラントとしての性能を確認すると。その後は、高速増殖炉の国際的な研究施設として活用していく方針であるとの説明があったものでありますが、これまでのところ、おおよそ今私が申し上げました幾つかの役割といいましょうか、位置付け、そういう方向に沿って計画を変えようとしているということはうかがえるところでございます。そうしたことで、先般、文科省から説明といいましょうか、提案を受けたところでございますが、我々としては、福井県の立場でこれをたたき台といいますか、ベースにいたしまして、内容を検討する必要があるというふうに思っております。今回、2,000万円の構想の計画予算も委員会でご審議を願っているところでございますが、さらにこうした中身、方向付け、構想をどう進めるかという対応が必要だと思っておるものであります。
「もんじゅ」につきましては、最近のエネルギーの事情がいろいろ変わっている中で、こうした新しい役割、またプルサーマル、また産業の動きなど、こうした問題は、我が日本の原子力あるいはエネルギー政策に大きな方向を与えるものでございまして、「もんじゅ」を中心にしたこうした問題について、将来に向けた重要な課題だと我々は思っております。常に国との連携の中で議論も必要でございますので、我々としては、国、文科省あるいは経済産業省と直結した議論ができるような場が必要ではないかなと思っておりまして、そうした相談も進めてまいりたいと考えております。
このようなことから、現時点では、「もんじゅ」については判断できる状況にはないと考えており、今後さらに国やサイクル機構の対応などを十分確認してまいりたいと考えているところでございます。
原子力行政を進めるに当たりまして、今後とも、安全の確保、住民の理解と同意、地域の恒久的な福祉の実現、そうした3原則を基本に、県民の安全・安心を第一に、県民の立場に立って厳正に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【司会】
以上で発表を終わります。
質疑の時間をとっておりますので、ご質問がありましたら、よろしくお願いします。
【記者】
まず、数点お伺いします。
きょうの発表で、いわゆる原子力課題3点セットと俗に言われるものについての方針だと思うんですが、今のお話を整理しますと、プルサーマルについては16日に今井町長とお話をされて、今週中に藤社長とお会いになって県の判断を伝えると、これは基本的にもう話の流れからいって了承されるという方向でよろしいんですね。
【知事】
はい、そのような理解です。
【記者】
それから、敦賀3・4号機についても、河瀬市長と近くお会いになって判断する…。
【知事】
日程を今、調整中でございますので、調整ができれば。
【記者】
日程としては月内ぐらいのイメージを持ってよろしいんですか。
【知事】
そのような状況でしょうね、常識的には。特段の事情がなければ。そのように思います。
【記者】
これも基本的に了承するという方向の理解でよろしかったですね。
【知事】
はい、判断をお伝えしたいと思います。
【記者】
「もんじゅ」については、現時点では判断する状況にはまだないということで、経済産業省、文部科学省と議論する場も必要であるとの判断で相談された…。
【知事】
かつ、さっき申し上げました、いろんな、「もんじゅ」の位置づけといいましょうか、役割ということを我々は期待もしておりますので、そうした検討を進める必要があると思います。
【記者】
現時点では判断を保留されるということですね。
【知事】
そうですね。
【記者】
もう一つ、「もんじゅ」については、さきの2件と違ってですね、今のお話ですと、今月中の了承あるいは合意といった、事前了解はないと見てよろしいでしょうか。
【知事】
はい。
【記者】
今月はない?
【知事】
はい、そのとおりです。
【記者】
「もんじゅ」についてなんですけども、位置付けを期待するということなんですが、これは例えば協定の中でとか、具体的なものというのは何かありますか。
【知事】
すぐにできることとできないことがあると思いますが、基本的には、今回、国から、「もんじゅ」の役割、研究開発機能といいますか、そういうことのご提示がありましたが、我々もほぼ類似のことを考えておりますので、それをいただいたものをベースに、例の拠点化構想の委員会、その体制を早急につくって、それを議論して方向づけを与えたいと考えています。
【記者】
敦賀3・4号なんですけれども、聞いていると、プルサーマルと若干、半月ほどのタイムラグがあるようにも感じるんですけど、さっき事業者のほうに、途中で計画がおかしくならないように求めたいというようなニュアンスの発言がありましたけれども、これは何か電力事業者のほうに、電力需給計画なんかも睨んで、何か担保をおとりになるとか、そういったようなことを念頭におやりになるんでしょうか。
【知事】
順次、事柄に従って判断しておりますので、今申し上げましたような事柄についても、やりとりをして日程を調整しているということなんです。特別何か、格別の判断を加えているというわけではありません。
【記者】
増設のほうも、日程の調整がつけば今週中ということもあるんでしょうか。
【知事】
それはないですね。
【記者】
今週は調整がつかないという意味ですか。
【知事】
そうですね。本日の段階で、あらかじめ見通しを申し上げたということです。
【記者】
「もんじゅ」について少しお聞きしたいんですが、今回の、今の段階では評価できないという、結論を出せないということのお話の中で、最高裁の裁判の関係について触れられている部分が、たしか、あまりないような気がするんですが、その点に関してはいかがでしょうか。
【知事】
最高裁の審査というのは、前から申し上げておりますように、「もんじゅ」の問題についての1つの判断のファクターといいますか、要素ではあると考えています。ただ、きょう申し上げました基本的な問題は、「もんじゅ」の位置付け、「もんじゅ」は我が日本にとってどういう意味があるか、福井県の発展にとってどういう位置付けが必要かということを明瞭にする必要があるだろうということが重要だというふうに思っています。国もそのように考えて提案を、概略はいただいておりますが、なおその話を詰めなあかんと、そういうことです。
【記者】
その関連なんですが、前回、国の方が見えたときには、裁判は裁判、行政は行政で粛々と進めるというような趣旨の話があったように思うんですが。
【知事】
どなたがですか。
【記者】
来られた方ですけど。今のお話ですと、1つの判断の要素ではあるというお考えは変えておられないですね。
【知事】
はい。
【記者】
最高裁の何らかの受理なり何らかのアクションがないと、判断するには一つ欠けているという認識をお持ちなんですか。
【知事】
いや、そこまでを申し上げてはおりませんが、判断の要素であるということの、前から申し上げている考えは変わっていないと申し上げたいと思います。
【記者】
最後のほうで、この3つの問題について、国と協議する場を設けるような方向でのというお話をされたと思うんですけど、例えばそれをもう少し具体的にもし教えいただければ。
【知事】
いや、国とご相談をしなくてはいけないですから。もう少し相談をしていきたいということですね。
【記者】
例えば…。
【知事】
その観点はですね、こうした長期的な課題でございますから、絶えず現状でも予測できないこともございましょうし、ある程度直結したいろんな議論の場がないと、やっぱり県民の立場から、「もんじゅ」などを中心とした、安全がどうだとか、これからの地域振興がどうなんだということをフォローできないと思います。そういう思いでそういう相談をしたいということなんです。
【記者】
定期的にお話ができる場と考えてよろしいでしょうか。
【知事】
いや、これは相談事なものですから。
【記者】
プルサーマルに関してですが、直接、契約内容、あるいは今後の手続要件として、各段階で報告を求めることがあるというふうにおっしゃられたんですけれども、それ以外に、例えば今回、BNFLがこういうデータ捏造問題もあったんですけど、BNFLを排除すべきかとか、そういう条件はおつけになるんですか。
【知事】
それはこれから、それぞれどんなご提示があるかによりましょうから、予見を持って何か私どもが言う話ではないと思います。相談事といいましょうか、それぞれの段階でどういうお考えが先方にまずあるか、お伺いしないといけませんから。
【記者】
「もんじゅ」の位置付けで、おそらく研究開発拠点化構想というのがかなりウエートを占めるかと思うんですが、今後、国との相談の中で、協議の中で、どのぐらいまで煮詰まるとか、ある程度輪郭というかアウトラインが見えてくるとか、どのぐらいまで煮詰まれば判断する時期かなというふうに思いますか。今、項目として挙がっているだけですよね。
【知事】
そうですね。国との対応状況もありますし、国がどの程度この仕事を迅速に進めていかれるかということも関係していますので、国やサイクル機構などの対応を十分確認したいと、最後、結論を申し上げました。
【記者】
どの程度のところ、イメージ的になるとどうと思ってらっしゃるのか。
【知事】
そんなにおくれないようにはしたいと思います。我々としては事柄を遅滞なく迅速にものごとを進めるというのが行政の基本ですので。
【記者】
協議の中身について、どのぐらいまで見えてくれば判断するというか…。
【知事】
基本的な方向が見えないといけないですね。ちょっとまだ具体化していませんので、もう少し方向が見えるように、ああ、こういうことだなという。その程度はまたデータ段階で見ないといけないです。それをやりたいと思います。
【記者】
敦賀3、4号機について、もう少し質問させていただきたいんですが、市長と話し合いをされた上で、見通しとしては、今年度中には事業者のほうへ何らかの表明をされる可能性はあるとみてよろしいんでしょうか。
【知事】
先ほどちょっとお話がありましたが、日程は調整中です。常識的に、今月中に日程が整えば進むのではないかと思いますが。
これは、きょうはまとめてお話し申し上げたほうがいいだろうと思ってそういう見通しを申し上げたんです。また別にというわけにもいかないでしょうから、それはそれで。大体今の段階で3つのことをこういう判断をしているということを申し上げました。
【記者】
県議会の原発の議論とかの中で、地域振興の一環として新幹線の絡みとかというのもあったかと思うんですけれども、県議会のほうも対応が変わったりしたと思うんですが、今回のこの判断、プルサーマルなり3、4号なりはですね、前向きな姿勢を知事が示すに当たって、そういったことについてはどのようにお考えなんでしょうか。
【知事】
要するに、ああした問題とこの原子力との関係については、前々から何度も委員会あるいは県議会の本会議、委員会でも申し上げていますように、福井県が原子力あるいはエネルギー政策に長年にわたって県民のいろんな努力の中で貢献をしてきていると。ということは、絶えず日本といいましょうか国がしっかり理解をし、また、わかってもらうといいましょうか、それに応じた国としての努力もしてほしいということはずっと言ってきたわけです。もちろん新幹線はそういうものと一つ一つ、カードとか取引材料とか、そんなことはもともと考えておりません。
今回、こうした意味での国のエネルギー政策に協力するという観点については、当然のごとく国においてしかるべく理解をしてもらいたいという思いはありますし、そういう考えでこれからも臨んでいきたいと思います。絶えず、我々の原子力に対するこれまでの努力というのは、これまでもずっと国においてそういう対応を、希望もし、期待もしてきた、そうあるべきだと思います。
【記者】
逆に言うと、新幹線問題はかなり大詰めを迎えている時期だと思うんですけれども、エネルギー政策に協力しているということを向こう側に重く受けとめてもらっているというふうにとらえたからこそこういう判断をしたということでしょうか。
【知事】
事柄は、原子力の問題と新幹線の問題と、それぞれ独自の原理で動くわけですので違うと思いますが、しかし、さっき申し上げましたように、基本的な期待というか、あるいは希望といいますか、そうあるべきだということは、私ども、思っておりますので、そうした中で判断を今回すると。そのことについては、国において、今回申し上げたような協力については、しかるべき、当然理解していただく必要がありますし、今後ともそのような考えだということでございます。
【記者】
それでは、国から3回に分けて聞きましたよね。あれを総括すると、ある程度はこちらが判断できるような内容だったというふうにとらえたからこういう形になったということですね。
【知事】
しかるべき事柄について確認できたことを先ほどずっと申し上げましたが、なおいろいろこれからの課題もありますよね。「もんじゅ」などについては特に多いでしょうし、3、4号機についても厳しいエネルギー状況のもとでちゃんと計画を立て、それを実行するというのが国としての義務だと思いますから、そういうこれからの課題もあるということですね。
【記者】
プルサーマルについてなんですが、そもそも福井県でこういう状況になっているのは捏造問題に端を発しているという形だと思うんですけれども、いわゆるそういったものに対する信頼回復というか県民理解というか、そういったものは知事としては進んだというふうにお考えですか。
【知事】
県民の信頼回復に向けて、国や関西電力が取り組みを行っていることは評価をしたいと思いますが、さらに引き続き努力する必要があると思いますね。これで十分というわけでは決してありませんので、そのように思います。
【記者】
前に進めるレベルにはもう至っているというふうに…。
【知事】
はい。
【記者】
それはどういったところから判断して…。
【知事】
実績、また後ほど必要だったらデータを出しますので。
【記者】
関連で、引き続きどういった面がまだ足りないと見ていらっしゃるんでしょうか。
【知事】
何についてですか。
【記者】
プルサーマルのことで、国や事業者の説明について、まだ必要だということをおっしゃられた中で、例えばこういうところがもう少し足りないんだとか…。
【知事】
技術的にはいろんなことがあると思いますが、概括的に申し上げますと、やはり核燃料サイクル、こういうものをこれから日本としては長期的な計画のもとで進めるということでしょうが、そういうものは「もんじゅ」にしてもプルサーマルにしても深くかかわることでありますし、先ほど申し上げました3、4号機というのは、プラントとしては非常に大きいプラントなんです。そういうものを福井県につくる際に、やはりそれはしっかりした考えのもとで継続的にフォローしていく、問題があったらチェックするということが必要だと思いますので、そういう努力といいますか、そういうことは、福井県と国、文部科学省あるいは経済産業省と議論する場が要るのではないかということで、そういう相談を国としたいといっているんですね。今すべてここで物事が決まるわけではありませんし、ずっとこれからも継続する話ですから、そういうことを申し上げたんです。
【記者】
プルサーマルなんですけれども、ほかでも計画された、福島、新潟については東電のトラブル問題とかあって、事前了解を撤回とか、あるいは凍結状態にあるんですけれども、そういった中で福井県が進めていくということについて、残り2県のことが知事の判断に影響を及ぼされたということはあったんでしょうか。
【知事】
一般的な環境としてはありましょうが、福井県は福井県としてどうあるべきかという考えで、しましたけれども。
【記者】
今回の判断、ある程度示されたと思うんですけれども、いつごろそういうのを決められて、それで今公表されて、今の率直な感想というのは…。
【知事】
これは、国においてもそれぞれ手順を踏んで、事柄をずっと、3つの課題がありますが、進めてきていると思います。我々も我々として議論をしてきたということで、県議会でも遅滞なく、また事の性質に従って判断するということで、そういう段階で今そういう状況に至ったということで、今申し上げているんですが。それから…。
【記者】
今、公に判断を公表されて、ご感想というか。
【知事】
これからいろいろ課題が多うございますから、そういうものを、基本的に、県民の皆さんの安全とか安心とか、また福井県民益といいますか、そういうものを絶えずしっかりつかみながら、これからも慎重に事柄を運んでいくといいましょうか、そういうことが大事だなというふうに思っているんですが。
【記者】
みんなに言われてちょっとほっとしている部分が大きい、そういうこともないですか。
【知事】
全然ないです。
【記者】
確認なんですけれども、「もんじゅ」についての判断をどうするかというのに際しては、先ほど知事がおっしゃられたように、研究開発拠点構想みたいな中で「もんじゅ」をどう位置づけていくかみたいなところで、そういうことが残っているというのか、それともまだほかにもいろいろあるということなんですか。
【知事】
これが基本的な問題だと思っています、基本にかかわる、「もんじゅ」の。単に、プラントが物として技術的に安全だというだけで「もんじゅ」を動かすといいましょうか、そういうことにはならんというふうに考えています。
【記者】
まだそうとう時間がかかるということですか、判断まで。
【知事】
いや、今申し上げましたような、いろんなこうした検討を進めたいということです。
【記者】
そうすると、「もんじゅ」については、時期的な見通しというのはいつごろと、今の段階では思われますか。
【知事】
現段階では申し上げられようがないというか、そういうことです。何とも言えないと言ったほうがいいのかもしれませんが。
【記者】
この「もんじゅ」の関係で、安全性についてはもう安全だというふうなお考えを持っていらっしゃるのかどうか。
【知事】
いや、先ほどご説明しました、国から、確認したということについては説明を受けたという、そういう状況です。
【記者】
まだその安全性については疑問の余地があると。
【知事】
なおいろいろ時間もありますから、検討は要ると思いますが、そういう受けとめは基本的にはしておりますが、さらにいろいろ課題があるかもしれません。それは今ここで判断する状況にありませんので。
【記者】
これも出た質問かどうか、申しわけないんですが、新幹線の絡みの話をかなりされていたと思うんですけれども、新幹線の現状、こういう中で、3、4号なり、プルサーマルについて判断されるということに関して、もう新幹線に関してはある程度見込みをたてられたということになるわけですか。
【知事】
いや、新幹線はさらに一層、いろいろ動きはありますが、努力していく必要があると思います。正念場だと思っています。
【記者】
これからが正念場という…。
【知事】
これからというか、大事な時期だと思います。
【記者】
そこで、大事な時期に、3、4号、プルサーマルの判断をされることに関しては、どのように思われますでしょうか。
【知事】
さっき申し上げたような話に戻りますね。
【記者】
ちょっと抽象的な話になるかもしれないんですけれども、この3点セットということ、セットではないというご認識だとは思うんですが、常に、プルサーマルについても、3、4号機の話にしても、県議会議員がおっしゃるように、議論は尽くされたということで、ほんとうに何年もかかって議論を積み上げても、国のエネルギーの政策の問題ですとか、いろんな不正事件とか、国のほうの大きな流れの中で、逆に言えば、福井県が推進にある程度ゴーサインを示した段階でいろいろな原子力の情勢が変わって、逆に福井県の決定とかが翻弄されてきたような、そういう流れを感じるときがあるんですけれども、そういう国のエネルギー政策に対して、福井県が何か担保というか、意見というか、そういうものをどういうふうに主張していくか、今後の国のエネルギー政策と福井県の関係についてどのようにお感じなんでしょうか。
【知事】
原子力政策は国の基本的な責任ですので、日本にとって重要な課題であることをよく認識しながら、しっかりした位置付けをし、責任を持った対応をしてほしいというのは、福井県として、また全国で原子力が立地されている県の基本的な考え方です。特に福井は15基ございますし、当たり前のことですが、「もんじゅ」あり、「ふげん」あり、今度の3、4号機という議論がありますから、そうしたことは非常に強く感じておりますし、先ほど申し上げましたような国とのいろんな関係、そういうことをつくっておく必要があるんじゃないかということで、国へそういう議論を相談したいと思います。
【記者】
確認なんですが、プルサーマルに関して、捏造問題を二度と起こさないために、県として、これからもチェックしていく報告を受けるという言い方されていたんですが、どの時点でどのような報告を受けるのか…。
【知事】
チェックをすることがあり得る場面としては、例えば加工契約時とか、あるいは、輸入燃料体の検査申請時といいましょうか、それぞれあり得ると思います。
【記者】
これは県としても独自にやるんですか。
【知事】
独自というか、国においてもそういうチェックは新たにすると思いますから、そういうタイミングをとらえて報告を求めるとか、いろんな方法があり得ると思います。単に、何かトラブルが起こったのでどうだという、そういうことのみならず、もちろん、これから、手続きに従って進んだとき、装荷をする際のいろんなチェック点もあり得ると思いますから、そういう努力が要るのではないかなと思っているんですが。
【司会】
ほかにございませんか。
ないようでしたら、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
── 了 ──
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