知事記者会見の概要(平成16年6月29日(火))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002809

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平成16年6月29日(火)
10:35~11:25
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【司会】

 おはようございます。それでは、ただいまから6月の知事定例記者会見を初めさせていただきます。まず初めに、知事のほうから発表事項をお願いします。

【知事】

 おはようございます。きょうは、私のほうからは10件ざっと、せっかくでございますから、拉致問題、国民保護計画、敦賀3・4号機、雇用促進、里地里山保全、鳥獣対策、青少年非行防止、福井ブランド大使、新県立病院の状況、県有施設の利活用についてです。

 まず、拉致問題でございますが、5月24日に地村さんのご家族のお子さんたちが福井に帰郷されたわけでございますが、1カ月が過ぎまして、この間、きょうも報道されておりましたが、日々、一日一日なれてきておられるかなと思いますが、福井県としては、全庁的な組織として、6月1日に拉致被害者家族支援会議の開催や、現地での帰国家族自立支援室の設置、これは5月23日でありましたが、そういうことで準備をし対応をしているところでございます。

 こうした中、子供たちが日本での生活に適応し、生活をしていってもらう場合に、日本語のマスターというのは大切でございますので、ご家族の考え方を受けまして嶺南振興局内に生活学習ルームを設け、きのう28日から日本語学習、また、教科の学習を始めております。

 この学習ルームでは、2人の日本語指導者を中心にして県立大学の学生ボランティアの応援も受けながら勉強していくところだと思います。今後は、こうした指導者たちと接しながら交流を深めていく中で、日本での生活の自信といいますか、強い気持ちといいましょうか、意欲といいましょうか、こういうことを持ってもらうことを期待いたしております。地道な一週間であり、一月であるかもしれませんが、どんどん慣れていただいて、なじんでいただくことが大事かなと思っております。

 それから、2点目は国民保護計画であります。

 去る14日に国民保護法を含む関連7法が国会で成立をいたしております。本県には15基の原子力発電所が立地しているということや、今申し上げました拉致問題あるいは不審船問題の発生、また日本海に面しているということもございまして、県としてはより実効性のある国民保護に関する計画を策定したいと考えます。

 計画策定に当たりましては、この国民保護法に基づき、関係機関など代表者で構成する協議会を設置し、計画案の内容を審議していくことになります。法律の具体的な施行、公布がされて、施行が具体的には9月ごろの予定でありますので、まず国の機関、それから陸海空の自衛隊、県内市町村の代表や消防機関、さらには有事の際にいろんな協力をいただく民間企業や団体、こうした人たちで構成する計画策定準備会を来月12日に開催し、協議を進めたいと考えます。

 国では都道府県計画のモデル案を示すことにしておりますが、県では国に先行して計画を策定し、国に対して必要があれば県の考え方を提案していきたいと考えます。

また、有事の際の最小限の被害防止ということでございまして、県民の理解と協力が不可欠でございますので、県民保護フォーラムを7月18日に県の自治会館で、また秋には、嶺南地域で開催し、理解を深めていただきたいと思います。このフォーラムには私自身も参加し、県民の方々に対し県の取組みなどを説明するとともにご意見などをお伺いいたすようにします。

こうしたことを踏まえまして、年内には全国に先駆けまして、国民保護に関する計画を策定していく予定であります。

 次に、敦賀発電所3、4号機増設の問題であります。

 日本原電3、4号機増設計画につきましては、3月30日に国への原子炉設置・変更許可申請及び準備工事に係る県への許認可申請がなされたところでございます。国への原子炉設置許可申請については、現在、国が安全審査を実施しております。

 当面の準備工事に必要な、県、敦賀市、また敦賀海上保安部への許認可件数は17件であります。県が12件、敦賀市が3件、海上保安部が2件ということになっておりますが、県に提出された許認可申請のうち5件については既に手続を終え、許認可証等が交付済みでありますが、残り7件につきましては、このほどすべての審査が終了をいたしまして、本日、県民生活部長等から許可証等を交付する予定であります。午後4時の予定でございます。県民生活部からは6件、嶺南振興局からは1件ということになると思います。また、敦賀市にかかわる許認可3件については既に手続を終えており、敦賀海上保安部の許認可2件についても本日中に手続を終えるというふうに聞いておるものでございます。

これにより、当面の準備工事に必要なすべての許認可手続を終えることになり、日本原子力発電所はこれを受けまして、来月といいますか、もう数日後でありますが、7月2日に公有水面埋め立てに必要な測量などを実施する予定と承知をするものであります。

 準備工事の内容としては、いろんな切取り工事とか埋立造成、護岸工事、ケーソン・ブロックの製作、トンネル工事などが要素としてあるというふうに理解をいたします。

 4点目は、雇用促進の取り組みであります。

 本県の雇用・失業状況は依然として厳しい状況にございますが、今年の1月に有効求人倍率がようやく1倍を回復しているものでございますが、このような中、雇用・失業に関する近年の新しい課題として、若年者の失業率の高さ、また、中卒、高卒、大卒、それぞれ七・五・三問題と言われる、数年間たちますと離職率の割合がそういう割合で増えるというような離職率の問題、また、フリーターの増加を挙げることができると思います。

 こうしたことから、福井労働局と連携し、若者のための就職の情報提供、あっせんということで、5月10日にはジョブカフェを福井商工会議所内に開設いたしておりますが、これも来週初めになりますが、7月5日、月曜日でございますが、福井職業安定所の学生相談室、ヤングハローワークというものを併設し、ジョブカフェの場所でワンストップ、1カ所でいろんなことができる、こういうことになると思います。

 加えまして、今週末になりますが、7月3日土曜日から11日、次の週の日曜日にかけまして、来春の新規学卒予定者を対象に、県内求人企業との就職面接や相談ができるサマー求人企業説明会を県内6カ所で開催する予定であります。さらに、年末年始には、就職後の離職を抑制するために、就職内定者に対する支援セミナーを開催する予定にしております。

 このほか、いろんな取組みがございますが、本年2月に策定いたしました福井県雇用創出プランに掲げました失業率2%台、1万5千人の雇用創出を継続して達成するように努力いたします。

 5点目のテーマでございますが、里地里山の保全活用であります。

 国の環境省は、平成16年度から新しく、希少な ─まれなという意味でございますが ─ 野生生物が多く生息し、特色ある里地里山を対象に、住民、行政、NPO、専門家等の連携による里地里山保全再生モデル事業を実施するということになっております。 このモデル事業地域に我が福井県福井地区、京都北部地区が選定をされておりまして、全国4カ所の予定になっております。神奈川県、それから兵庫県、熊本県にそれぞれエリアがあると理解をしておりますが、福井県のほうは武生市白山地区、スイカがとれるところでありますが、白山を中心とする武生西部地域にはこういう里地里山が残っておりますので、県としては、国のモデル事業に先駆けまして里地づくりのビジョンを策定しているのですが、こうした事業実施が評価されたものと思っております。

 今後は、モデル事業の地域に選定されたことによりまして、関係省庁と連携しながら、休耕田の活用によるビオトープの整備、あるいはモデル事業に取組みたいと、このように思っておりまして、先進的な事例として全国にも紹介ができるものと思っております。

 なお、この件については、きょうの午後2時に環境省から正式に発表される予定でございますので、全体の取り扱いはその時間でお願いしたいということを聞いておりますので、よろしくお願いします。

 それから、鳥獣被害でありますが、鳥獣による被害、特にイノシシの被害が嶺南から嶺北へと広まっておりまして、13年度には4,600万円、14年度には5,900万円、15年度には1億円に上るなど、だんだん広がっておるところでございます。このため、県では今年から、鳥獣害防止対策の大幅な強化ということで、野生鳥獣害被害防除推進員でありますとか、あるいは駆除隊員の養成、また、有害鳥獣分布情報の収集・分析ということで、広域一斉防除・駆除、また、ハードな対策として、電気柵を従来14kmぐらいありましたのを30kmと2倍に延長、また、捕獲のゲージといいましょうか、檻については、新たに105基を設置するなど、効果的な駆除を実施することといたしております。 特に来月、間もなくでありますが、7月から9月を一斉防除月間として、住民と行政、猟友会が連携してこの問題に取組みたいと、このように考えているものであります。

 次は7点目でありますが、青少年非行防止一斉キャンペーンであります。

 青少年の健全育成、非行防止については、この2月に青少年育成アクションプランを策定し、平成18年度をめどに、深刻な少年非行情勢の回復といいましょうか、それを目指しております。青少年に、いろんな決められたことを守るとか、社会規範を履行すると、こういう規範的な意識を高めるために、7月1日から7月31日まで一斉にキャンペーンをする予定にしております。

 具体的には、7月1日午後4時から福井駅前など県内11カ所で、関係機関と連携し啓発活動、期間中ポスターの掲示、新聞広告等を行うことにより、規範意識の向上に訴えてまいりたいと思います。

 従来は割合単発的に街頭啓発などを実施していましたが、今回はまとめた格好でやると、こういうことになると思います。これは継続的な取組みが必要な事柄であるなと、このように思います。

 それから、8点目は福井ブランド大使の問題であります。

 県民一人一人が県外において福井の魅力を全国にアピールしていただくということでありまして、福井ブランド大使については、この5月から今月末までを第1次の募集期間として参加を募っているところでございまして、また、皆さん方にもエントリーをしていただければ大変ありがたいのでありますが、昨日現在で916名の方から申し込みをいただいております。目標は700名でありますので上回っておりまして、ご関心を持ち、また、福井を応援しよう、福井を売り込もうというたくさんの人がいらっしゃると理解をしております。応募していただいた方に感謝申し上げるとともに、今後は、名刺型のリーフレット、PRテキストなどを活用し、特に県外において本県のいろんな魅力とかブランドとか認知度を高めていただくということで積極的なお取組みを願いたいと思っております。大きな期待を寄せているものであります。

 9点目は、新県立病院であります。

 5月6日の開院以来約2カ月が経過いたしましたが、利用状況は、一般の外来患者は延べ2万7,148名ということで、1日当たりの利用者は前年同月よりも3.9%増の1,508人ということになっております。これは6月中の数字というふうにご理解願いたいと思います。

 それから、入院につきましては延べ2万730人ということで、病床利用率は今月が84%、前月が73%ということでございますので、11ポイント増加ということで、少しずつ増加をしているように思います。電子カルテなど、情報システムの運用面で初めはふなれな点もあったようでございますが、現在のところ、全体にはスムーズに移行しつつあると、こういう状況でございます。自動再来機とか自動支払い機など、いろんなシステムはあるのでありますが、大体使いやすくなったというご意見が多いように伺います。

 現在は、第2期工事、精神病棟の整備も、平成18年度に向けての着手について、今、準備をしているところでございまして、周辺の住民の皆様をはじめ関係者のいろんなご支援もいただきたいと思います。

 特に、今年は財団法人日本医療機能評価機構による病院のいろんな機能の評価審査を受けることで、さらにサービスの一層の向上を図ってまいりたいと、このように思っております。

 10点目は、県有施設の利活用でありますが、行財政構造改革プログラムに基づく県有施設の有効活用の一環として、5月14日から県庁の1階県民ホールの無料の利活用を始めました。第1回目としては、本県の農林水産物などの即売会に利用したところ、多くの人から利用していただいているようでございます。そのほか、書道展、絵画展等の作品発表の場としてもお願いをいたしております。今後とも県民の皆さんにご利用願うということで、ミニ演奏会やさまざまな利用に使っていただくということになると思います。

 さらに、合同庁舎をはじめとした県有施設においても、展示、朝市等の物販、会議など、幅広い利活用を検討しており、今後は、最寄りの県有施設を身近な施設として利活用していただけるように進めたいと考えております。

 県有施設につきましては、本来の目的にかかわらず県民の暮らしを豊かにするという観点から利用できますように、今後とも幅広く運営方法を見直してまいりたいと、このように思います。

 以上、項目は多うございましたが、10点申し上げました。

【司会】

 以上で報告事項を終わりたいと思います。では、質問がございましたら、お願いいたします。

【記者】

 3、4号機の準備工事終了は、ほぼスケジュールどおりなんですか。

【知事】

 特にスケジュールというものがあるというわけではございませんが、準備を遅滞なく進めて、審査を手続に従って的確に進めた結果、こういう形になったということです。ですから、7月2日には必要な測量に現場で入れるということなので、数日後になると思います。そういうふうに伺っておりますが、これを受けますと。

【記者】

 国民保護計画の関係なんですけれども、7月12日に計画策定準備会を県のほうでするということなんですが、この中ではどういったことを検討していく形になるんですか。

【知事】

 既に法律がありますので、その中身を十分皆さんにわかっていただくと同時に、計画としての項目の洗い出し、その具体化の最初の段階といいますか、それをやることになると思います。

 大体、メンバーの方は、かなり、県の防災会議があるんですけれども、ほぼそれに匹敵する、あるいは重なる、ほとんど重なると思いますので、それぞれの団体のいろんな事柄をそこで議論するようになると思います。

 大体、メンバーとしては、今、防災会議が55名ぐらいいらっしゃるんです。その相前後になると思いますし、特に、今申し上げました国民保護法の中身もございますし、国、県、市町村、住民の役割を十分に仕分けして協議をするようなことになるんじゃないかなというふうに思います。法律に列挙されている住民の避難・救援、警戒区域の設定、武力攻撃・災害への対処に対する措置、訓練、資材・物資などの備蓄、あるいは市町村が作成する計画の基準事項、こういうものを盛り込むことが必要かなというふうに思っております。

【記者】

 先日、消防庁が地域防災力を数値化していたんですけど、都道府県への調査に基づいて数値を発表して出していたんですが、福井県はかなり低いところだったんですが、それについてはどういうふうにお考えですか。

【知事】

 中身はチェックを十分しなきゃいけませんので、今、その作業をやっています。いろんな課題があると思いますけれども、特に、幾つかの方向としては、ハザードマップといいますか、いろんな被害が起きたときにどういう事態になるかという想定、そういうタイプの問題でありますとか、通信システム、あるいは住民や事業者へ向けてのいろんな情報共有の取組み、こうしたものを充実する必要があると思いますし、今回、調査自体が、どちらかといいますと、地震災害で、今、東海地域あるいは南海・東南海地域の、ああした地域に対する評価はかなりウエイトがかかっているように思いますので、そうした点も十分また一回チェックをしてみまして、福井県としてどのような対策がさらに必要なのかということをやってみたいなというふうに思います。

 特に、原子力防災などのいろんな問題にあまりウエイトがかかっていないとか、いろんなそういう議論もありますので、そうしたことをさらに公平な目で福井県としてもう一回眺めまして、国に対していろいろ申し上げなあかんことは申し上げたいなと、このように思うものであります。

 あと、飯島さんのほうで特に何かありますか。

【政策幹】

 原子力防災についての本県の取り組みが評価点に加味された場合、本県のポイントはかなり高くなるというふうに考えています。

【記者】

 県民保護計画のことなんですけれども、国のモデル計画が少なくとも年度末ぐらい策定になりそうだという予想がされていると思うんですが、県民保護計画は年内に策定という、その整合性はどうやって持っていかれるんでしょうか。

【知事】

 むしろ、我々のほうでいろんな検討したものを逆に国に申し上げることなどをして、整合性といいましょうか、互いに計画がよくなるように、そういう作業をしたいというのが我々の思いであります。

【記者】

 準備会のメンバーの方が、例えば、法施行が9月頃ということなんですけれども、そのまま協議会にそのメンバーの方が移行される感じですか。

【知事】

 そういうことになると思います。普通はモノをもらってから作業を始めるんですが、福井県はそういう方法をとらないでおこうかと思っております。

【記者】

 同じく県民保護計画のことなんですけれども、より実効性のあるものをつくりたいというふうに知事はおっしゃったんですが、具体的に15基の原発で、もしテロがあった場合に県民をどういうふうに守るかですとか、不審船が来たときに県としてどういうふうに県民を守るかですとか、そういう具体的なことというのは盛り込まれるんですか。どういった形で盛り込まれるんですか。

【知事】

 今、国においても原子力プロパーの問題について、専門家、福井県も入っておりますけれども、技術上のいろんな基準でありますとか取扱いについて検討を進めてもらっていますので、そういうものを生かしながら、福井県独自といいましょうか、福井県に特有な課題については十分そこに明示できるようにしたいと思います。

【記者】

 逆に国で足りなかった場合には福井県特有で基準をつくるということもあり得るんですか。

【知事】

 そういうことも考え方としては大いにあるというふうに思いますけれども。

【記者】

 国民保護計画の策定のスケジュールの確認をさせていただきたいんですけれども、来月の12日には準備会を設置して、そこで何回かその会議を開いて検討するということになりますか。

【知事】

 国民保護法の準備会のメンバーを決め、具体的に作業をし、そんなに何回も直接メンバーにお集まりいただくのは大変かなと思いますので、個別のいろんな作業を並行してやっていくという格好になるというふうに思います。

 それから、事柄によっては9月議会にいろいろ協議をしなければならないようなことも出てくると思いますので、そういうものも整理して作業をしなければならないかなと、そういうふうに考えますが。

【記者】

 先ほども出た話で、繰り返して恐縮なんですけれども、7月に準備会というのを設置して、9月にはそれが協議会にそのまま移行して検討を進めていくという解釈でよろしいですか。

【知事】

 そのように思っております。

【記者】

 年内に策定をすると、年度内ではなくて。

【知事】

 年内に策定をしたいと考えます。

【記者】

 新幹線のことなんですけれども、県議会の答弁の中で、「遠い存在が近くなった」というような表現をなさっておりますので、それ以前にも、「一定の評価」という表現である程度の評価をなさっているようなそういったニュアンスにこちらからは見えますけれども、「もんじゅ」の判断材料として見た場合に、どの程度まで評価できるものなのか、お考えをお尋ねしたいんですが。

【知事】

 今の議会、予算委員会でもご答弁いたしましたように、新幹線につきましては、これまでかなりいろんな議論をし、県民の皆さんの応援をいただいて、ようやくここまで来たかなという感じをいたしておりまして、これまで福井県では全く新幹線の槌音も聞こえなかったわけですが、駅務を中心にそうした槌音がこの原案のとおり進めば具体的に行われ、何年かそういう工事ができるということですから、その工事を次に繋げていくという見通しが立つであろうということで一定の評価ができるということでございます。

 もちろん「もんじゅ」がどうだということとは直接これはかかわらないことでありまして、全体の国家的プロジェクトについて、絶えず国として福井県についてしかるべき配慮なり福井県の立場というのを理解したいろんな支援をしてほしいというのが私たちの思いといいましょうか、ということなんです。

【記者】

 ある程度は理解してもらっているという評価でよろしいでしょうか。

【知事】

 それは、そういうことは十分理解はしていただいていると思いますが、なおなお、そうした福井県としてのいろんなエネルギーに対する貢献を、理解を深めていただきたいと思いますが。

【記者】

 新幹線で、年末のスキーム見直しに向けての今後の県としての運動というか活動の方針というのはどういう感じのものですか。

【知事】

 まず、今決まっている事柄が後退しないように、そして、できるだけいろんな決められたことが明瞭になるようにやることが基本だと思いますが。

【記者】

 具体的にはどういう形で運動をしていくとか、そういうものはあるんでしょうか。

【知事】

 これはまたいろんな期成同盟会もございますし、また、石川県との連携もこれから起こってまいりましょうし、さらにいろんな作業を進める必要があると思います。継続的な要請事業でありますので、これからがまた始まりと思いますけど。

【記者】

 石川県の協力ということでは、上海便の問題も、先日、石川県のほうに中国東方航空の方が来られて、何とか定期便を開設したいという意向を示したということなんですけれども、知事としては、このことについて、どのように今後は取組まれていくのか、県としてどういうふうにサポートしていくという、何かそういったお考えはあるんでしょうか。

【知事】

 小松空港の件ですか。

【記者】

 ええ、小松、上海便の件です。

【知事】

 それは、これから、両県といいますか、北陸全体の話になりましょうけれども、さらに利用がしやすいようにしなければなりませんし、特に中国などを中心に観光客の誘致などにしっかり北陸地域全体として取組むことが重要ですよね。プロジェクトを具体化して、そして、北陸、福井に来客を求めるといいましょうか、そのための観光対策を福井県としてもやらなければいけませんし、ある程度対外的な問題ですとか、一定のエリアというのが必要でございますから、石川などを中心に協力してそういう具体化を図ると。また、福井県のいろんな物産、土産物の空港での販売とか、いろんなことですね。この前は、道路の標識とかいろんなことを直しましたが、そのほか、空港の名称も引き続き相談をしていく必要がありましょうし、いろんなこと、道路の整備などの問題もあるということだと思いますけど。

【記者】

 また先ほどの話に戻ってしまって恐縮なんですけれども、国民保護計画のお話で、先ほどもちょっと伺いたかったんですが、全国に先駆けて年内に策定するということなんですけれども、このスケジュールは、なぜ年内に策定する必要があるというふうにお考えなんでしょうか。つまり、なぜ策定を急ぐ必要があるのかという形で、なぜこういうふうに早く策定をしなければいけないというふうにお考えなんでしょうか。

【知事】

 1つは、福井県のいろんな事情なり検討の過程の中身を国にあらかじめ申し上げたいという点があります。検討している中で、地方の議論としてこういう意見があるよとか、こういうことは直すべきだとか、こういうことは具体化すべき、そういうことが生ずると思いますので、そういうことを言いたいということなんです。これは、これまでもこの法案自体についても、そのようなことを福井県として、しておりますので、その継続的な作業ということになります。

 それから、国民保護計画、県民保護計画というのは危機対策の事柄でありますので、できるだけ遅滞なく遅れないように進めていくということが重要でありますし、事情が変われば、これは直ちにモノを直していくという、そういう性格のものだと思いますので、一応目標を持っていないと作業が十分進まないと思いますので、そのように思っているんです。

【記者】

 関電の火力発電所のデータの改ざんの問題なんですが、一応、本県としては3月にプルサーマルを了承したばかりで、今後その計画を見守るに当たって、説明を再度きちんとさせるというような、そういう形のものはお持ちではないですか。

【知事】

 お尋ねは、例の国際空港エネルギーセンターなどを含めた議論だというふうに思いますが、先般6月2日に原子力また火力の事業本部長に来てもらいまして、説明を受けておるわけでございますが、その際、今おっしゃられたように、プルサーマルを含めた原子力事業全体の品質保証活動の推進の再徹底ということも申し上げたところでございますし、昨日、6月27日ですが、他の火力発電所を含む調査結果も発表されました。そして、国に対しても報告をしているということでありますので、我々としては再度、福井県としてもう一度関西電力からその状況を聞くということで、再発防止の社内の徹底とか、実施状況の報告、あるいはいろんな検討状況、これを県として確認し、こうした問題が県民のいろんな原子力全体に対する信頼に影響してはいけませんから、そうした問題を十分確認し、中身を聞き取ってまいりたいと思いますが。

【記者】

 原子力の関係で、先だっての県議会で知事は「もんじゅ」の改造工事について、そんなに時間をかけるつもりはないという発言があったと思うんです。具体的に、現時点では、何か、どれぐらいの時期にというのはまだお持ちではないんですか。どういったことが明らかになったらこうだというものを整理していくということはないのでしょうか。

【知事】

 特にエネルギー研究開発拠点化計画ができるだけ早く方向付けができるように努力する必要があるだろうなと思っておりますし、もちろん、今、国のいろんなエネルギー・核燃料サイクルの長期的な方向についても議論が進んでいるところでございますが、そういうこと等々いろいろございまして、そういうことを総合的に判断したいということであります。もちろん、そんなに時間をかけるつもりはないということを申し上げておりますけれども、基本的には、今、大事な時期でございますから、拠点化計画などを中心に一定の方向が出ることが大事かなと思いますけど。

【記者】

 そうしますと、時期としてはやはり骨子がまとまるその前後という形になるのでしょうか。

【知事】

 何を骨子というかによりますけれども、県民の皆さんにいろいろわかってもらうことが大事、そういう状況ですね。

【記者】

 7月2日付の総務部長の人事の件で、政策幹、それから総務部長、2人、ポストを置かれるということで、総務省との交流人事では少し他県から見ても異例な気もするんですが、これは知事の意向としてそういう判断をされたのでしょうか。

【知事】

 特に政策幹は全般的な政策と総務部長を兼任しておりましたので、今回、総務部長の部分といいましょうか、それは今度来る杉本新総務部長にそれをしてもらうと。政策幹には、私が直接いろいろ指示しまして、県政の重要課題の解決に専念をしてもらうと、そういう仕分けをしたいと思っております。

【記者】

 その点について、これまで1人でやられていたものを、今回、この時期にお二人で分けて担当するという背景はどういうことですか。

【知事】

 私自身の政策公約等々に基づく、昨年1年間、一定の方向づけができましたけれども、さらに、今、一番重要な時期でありますので、それを軌道にしっかり乗せる必要がございますし、また、いろんな産業政策、改革などについて、副知事は副知事の立場でやっていただくということがございますので、今、大事な時期かなと私は思っておりますので、このような方法をとらせていただいています。

【記者】

 余計なことかもしれませんけど、途中でまた変わって、またダブルで担当するということはあり得る…。

【知事】

 どういう……。

【記者】

 今、7月2日に就任されますけれども、2人体制になりますけど、また1人体制になるという可能性はなきにしもあらずやということを聞いているわけなんですけれども。

【知事】

 これは人事の話でありますので…。

【記者】

 あくまでも2人体制でこれからいくという意識ですか。

【知事】

 ある程度の継続性は必要だと思っております。

【司会】

 あと、何かございませんか。

 ないようでしたら、これで終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


 

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