知事記者会見の概要(平成16年8月13日(金))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002803

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平成16年8月13日(金)
11:05~11:20
県庁6階 県政記者会見室

記者会見

 

 

【司会】

    それでは知事の会見を始めさせていただきます。知事お願いします。

【知事】  

昨日、関西電力の藤社長に、県内の全ての原子力発電所を止めてでも点検をしっかり行い、原因究明を行うとともに、関西電力の電力事業者としての、企業としての基本的な考え方、責任体制、組織全体についての再検討を求め、1日も早い県民の信頼回復、また国民の原子力に対する不信に対する対応を全力で進めるよう要請したところでございます。

  また、昨日の県が設置しております専門の先生方の委員会であります原子力安全専門委員会において、今回、関西電力から2次系配管の肉厚測定実績の点検について報告がなされたところでございますが、委員の皆さんからは、現在行っている書類だけの審査、チェックですね、この確認方法では果たして十分であるかどうか疑問であるということ、またそれだけで安全性に対する県民の納得が得られるのかどうかということ、それから書類のチェック方法がそもそも十分であるのかどうか、また点検に時間がかかっている、終了時期やその手順が不明であるなどの意見が出されました。そして、関西電力の現在の確認方法全体に対しても厳しい見解が示されたところでございます。また本日の事故対策本部でも中川先生からほぼ同趣旨のご報告があったところでございます。

県としては、県民や国民の原子力に対する不信や不安を一刻も早く回復しなければならないと考えております。また、原子力発電所で働く人々の安全確保も緊急の課題であります。

このため、県としては、県民の安全と安心を守る立場から、書類上の点検に加え、直接、2次系配管そのものを実地点検、測定等を含めて、こういうことが必要であると判断し、関西電力に対し、全ての原子力発電所の運転を計画的に順次停止しながら、速やかに直接の点検を行い、健全性を確認することを今、本部会議で要請をいたしたところでございます。

  関西電力ではこの要請を真摯に受け止め、速やかに国とか関係機関等との協議の上、原子力発電所を停止して点検を開始されるものと認識をいたしているものでございます。以上であります。

【司会】

発表事項は以上です。質問があればお受けします。

【記者】

関西電力への要請というのは、今日の先ほどの会議の中で正式に行ったということでよろしいわけですね。

【知事】

はい、そうですね。そのように。

【記者】

この理由というのが、直接の実地点検が、安全・安心を守る立場からは必要であるということですけれども、もうちょっとその、なぜここまで必要だというふうに判断されたかという知事の考えをもう少しきちんと聞かせていただけたらと思うんですけれども。

【知事】

まず、これまでもずっと言っておるんですけれども、今回の原因究明の手順、全体のスケジュール、概要などについて、速やかにそれぞれの時点で国民、県民にわかるようにお示しを願いたいということを言っておりましたが、それに対する現在のいろいろな調査状況を見ますと、一生懸命やっておられるのかもしれないが、残念ながら全体のスケジュールも不明でありますし、かつ書類上の点検となりますと、果たして書類上の点検そのものが十分なのか、また十分だといわれても、それが実際の現場と合っているのかということになりますと、それは直接的な調査方法によって確認されなければ、住民の皆さんの安心にはつながらないというふうに考えます。そうなりますと、直接調査ということになりますと、運転のままでは困難でありますので、原子力施設を停止しながら、計画性をもって、実地調査を行うということが当然に必要になるだろうということで、この段階で要請をするということです。そして、関西電力、企業の立場としては、国の保安院がそうした基本の責任を持っている官庁でございますので、そこと相談をされて具体的にこれから、いつからいつまで、どんな方法で行うかというのをお決めになって、それを実行するというようなことになるかと思います。それを、実行の様子を全て知らしめるということかと思いますが。

【記者】

具体的な、いつまでにといったスケジュールの面であるとか、具体的な方法の面という点で、今回の点検の内容に関して県から要請したことはあるんでしょうか。

【知事】

これまでは項目として要請をしました。現状の方法では不十分ではないかとか、止めて実施しなければならないのではというお話を申し上げましたが、さらに具体的に今回、このような方法で調査をすべきであるという要請を具体的にしたということです。

【記者】

方法は超音波探傷でやられるんですかね。

【知事】

これは、県が直接やるものではありませんが、常識的にはそういう方法で、今回事故を起こした箇所と類似する箇所等について、そういう物理的といいますか、エコーといいますか、そういう方法で健全性を確認することになると理解しております。

【記者】

場所としては、第4低圧給水加熱器の近くのオリフィスということか。

【知事】

その他類似する箇所になると思いますが。

【記者】

計画的にというのは、具体的にどういうかたちを考えているのでしょうか。

【知事】

調査主体が県庁でありません。県庁はそれを要請しているわけですね。しかしその基本的な考えとしては、電力供給事業ということですから、安全確認を最優先に、そして計画性を持って調査をされるということが必要であろうということでそういうことを申し上げました。

【記者】

具体的にどこの部分をいつまでにということは、県はどのように考えているんですか。

【知事】

これは今回の調査項目によりますが、事業者と保安院で、具体的にその詰めをして、急ぐべきことがあるかと思います。ここのここがこうだという指示といいますか、これは専門性がありますし、技術性がありますので、それは関西電力と保安院が合理的な判断基準に従ってなされるべきことだと思うんですが。

【記者】

計画的停止というのは、県として関電の11基の原子力発電所を同時に止めなさいということも含んでいらっしゃるんですか。

【知事】

順次止めるというのが計画性だと思います。

【記者】

同時に11基全部を止めなさいという意味ではないですね。

【知事】

ないです。

【記者】

これは関電の原発だけか。原電は含まれるのか。

【知事】

当面、原電については、2次系配管の点検の確認を保安院において報告の徴収命令といいますか、そういうものをかけておられるようですから、そういう状況を国においてその結果を判断し、対応がなされると思います。現在まさに事故の起きた、そして、いろいろな体制などについて問題とされている、そのまさに関西電力のそのような状況を鑑みて、それに対する直接的な調査というのが、県民にとって、皆さんにとって、最も信頼性につながる事柄であろうということで、これを急ぐということですね。そして早く結論を出すということかと思います。

【記者】

要請というのは法律的には根拠はあるんでしょうか。

【知事】

法律上の、何々法、何条によるという根拠はないと思いますが、責任ある地域の立場として、県民の生命や身体、財産を守る知事としてなすべきことであり、これは重く受け止め、関西電力、また国においても、このことを実行されるべき事柄であり、迅速に実行されると考えます。

【記者】

これまでも当然事故は何回か起ってますけれども、今回こういうかたちで総点検のようなかたちを求めるのは、やはりこれまでの事故とかなり性質が違うとお考えなんでしょうか。

【知事】

そうですね。4名の方が亡くなり、また7名の方が重傷を負い、まさに今、何とかして助かっていただきたいという状況にありますし、現に事故の起きた原因箇所などのいろいろな過去のチェックなり対応について大きな問題があると考えるからです。

【記者】

点検の期間としてはどの程度見込まれていらっしゃいますか。

【知事】

これは関西電力あるいは保安院のお仕事ですから、そちらで正確なものをお聞き願わなければなりませんし、今まさにその計画をつくっていると思います。だから常識的には、どうでしょうか。あまりこちらから言うことではありませんが、1ヶ月とか2ヶ月とかいう単位の議論かなと私は思っておりますけれども。それは調査の状況によって変わるかもしれませんので。私が調べるわけではありません、私は要請したわけです。それは保安院なり、関西電力で、これから状況が出てくると思いますので、迅速に私どもからも皆さんにお知らせしたいと考えますが。

【記者】

原発の運転を止めるというのは当然、電気の面で、電力需要のバランス等もいろいろ出てくると思うんですが、これについて、電気を関西圏に送っているわけですが、これへの影響についてはどのように考えておられますか。

【知事】

これは、事業者として責任を持ち、また安全を最優先にしながら、そうした計画性、また先ほど中川先生もおっしゃっておられた国民生活への影響というものを考えて、配慮して行われていくかと思います。社会性といいましょうか。

【記者】

計画的ということは国民生活への影響というものも含んでいるということでしょうか。

【知事】

そういう意味合いです。しかし安全優先というのが、最も大事な基準だと思っています。なお、これからの状況については、極力いろいろな方法でお示しするように努力します。

【記者】

かたち的には今日、会議の中で常務に話をしましたが、それが正式な要請ということでしょうか。社長に言うとかはないんでしょうか。

【知事】

それは事実関係ですが、先ほど申し上げたのが正式なものです。

【記者】

この要請に対する関西電力の回答というのは、いつまでに行われるんでしょうか。

【知事】

先ほど、そういう方向で進めますということでしたから、直ちに保安院等との協議を開始しておられるというか、されるんじゃないかと思います。もう、しておられるのかもしれませんが。

【司会】

  それでは終わらせていただきます。ありがとうございました。
 

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