知事記者会見の概要(平成28年10月24日(月))
平成28年10月24日(月曜日)
13:00~14:00
県庁 特別会議室
【知事】
10月の定例会見の発表事項は4点ございます。
1つ目は「ふるさと県民プロジェクト」の推進、2つ目は「越前がに」のPR、3つ目はアジア市場への食の輸出拡大、4つ目は「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」の福井での開催であります。
まず、「ふるさと県民プロジェクト」の推進ですが、福井県では人口減少・地方創生対策の一環として、県外に住んでいる本県出身者や福井に赴任したことのある人たちなど、福井にゆかりのある方々を「ふるさと県民」として捉えて、こうした人たちに福井の情報やサービスを提供しながら交流人口を拡大する、そして、本県への移住にもつなげていくという「ふるさと県民プロジェクト」を進めています。
今回、「第1回ふるさと県民大会」を来月12日(土)、東京のホテル椿山荘で行うことを決定しました。首都圏等にお住まいの本県にゆかりのある方約700名に集まっていただく予定です。
〔資料:第1回ふるさと県民大会開催〕
この大会に併せて、日本総合研究所の寺島実郎会長に、「幸福度日本一福井」について講演を願うことになっております。7月末に発表された「幸福度ランキング」において本県が2回連続総合1位となった背景などもお話しいただきます。
参加者約700名には、越前がにやおろしそば、ソースカツ丼などの福井名物に加え、福井の食材を使った料理なども用意し、五木ひろしさんのステージなどを見ていただき、福井を思い出していただく楽しい交流にしようということです。
来場者の皆さんに福井とのつながり、愛着を一層強めてもらうとともに友人等への伝達により「ふるさと県民」の拡大に結びつけてまいりたいと思います。福井県民のみならず、広く東京などを中心に福井の県民だと思っている皆さんを増やして、幅広くこうした事業を進めてまいりたいと思います。
次に、「越前がに」のPRについて申し上げます。
冬の味覚の王様、「越前がに」漁がいよいよ、11月6日(日)に解禁されます。昨年度、漁獲金額が2割増加して過去最高の21億円になったわけですが、これは極上品質の「越前がに 極」のブランド効果があったためだと思います。
〔資料:「越前がに」のPRについて〕
今回、その効果をさらに高めるために、「越前がに漁」の様子をドローンなどにより撮影したPR動画を制作します。11月6日からインターネット配信しますが、6日までは今年の越前がに漁の様子を撮影できないために、これまで撮っていた船の様子や、船団の出漁の様子をドローンで撮影した動画を6日からしばらくの間配信します。追って新しい映像を加えながらみんなに見ていただくということになります。
今回、越前がにの黄色いタグにQRコードをつけました。ここにかざしていただくと、スマートフォンなどで、カニの漁を見ながらにして召し上がれるようになり、そこで話題を弾ませてもらいたいと思っております。誰もあまりカニ漁のことは思わずにおいしいものに集中するわけですが、日本海でいろいろな人たちが頑張ってこういうものを獲っているのだということを知ってほしいのです。
動画は30秒と3分の2種類です。30秒の映像を都内の大型ビジョンにおいて解禁日から1週間放映することにより、「越前がに」の認知度をさらに向上させたいと思っております。放映場所は渋谷「Q’s eye」、有楽町マリオン、JR東京駅です。
また、5日(土)に、これからの大漁と安全操業を祈願する「出漁式」を越前漁港において開きます。メディアの皆様方にはぜひご覧をいただくと同時に、全国にもPRをしていただければありがたく思います。
(カニPR動画上映)
次に、アジア市場への食の輸出拡大であります。
〔資料:アジア市場への食の輸出拡大について〕
11月14日(月)、15日(火)に香港とシンガポールにおいて、県内の農漁業団体、経済団体、観光団体、また県議会の観光振興議員連盟の皆様とともに、私も出席し、福井の食文化提案会を開きます。この提案会では、現地のレストランやホテル、メディア、旅行社などの関係者約80名に、福井の食材を使った料理や日本酒などを味わっていただきながら越前漆器の食器など伝統工芸品の売り込み、食文化を活用した本県への観光誘客を図ってまいります。様々なプレゼンテーションを行い、福井の魅力を強くアピールします。
来場者に味わってもらう食材は、カニ、甘えび、お米、そば、日本酒など、本県の特色ある農林水産物が中心です。また、提案会に合わせて、高級日本料理店などとの取引につながるよう、県内の食品事業者や漆器などの工芸品事業者約20社による商談会も開きます。
さらに、現地レストランに出向いてのセールスや、貿易振興を所管している香港貿易発展局との面談などを予定しています。
これらの活動を通して、本県から現地のレストランなどへの輸出ルートをつくり、香港、シンガポールなどアジアへの食品輸出額を、現在の4億円から、数年後にはまず倍の8億円に増やしていく予定です。全国の都道府県も様々なことをやっておりますが、負けないように頑張りたいと思います。
次に、「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」であります。
〔資料:第33回伝統的工芸品月間国民会議全国大会福井大会の開催について〕
この全国大会は、全国の一流の伝統工芸職人や、彼らがつくった作品が一堂に会する唯一の大会であり、福井県では平成7年以来21年ぶりの開催となります。11月24日(木)に鯖江市文化センターで記念式典とシンポジウムを行い、翌25日(金)から27日(日)にかけて、サンドーム福井において関連イベントが開催されます。
全国から集まる伝統工芸品の展示・販売のほか、親子で親しめる工芸品の製作体験などを予定しています。さらに、伝統工芸の器でお菓子を味わえる「ふくい菓子博2016」や、サンドーム福井を拠点に産地を散策できる工房ガイドツアーなども行う予定です。
こうしたイベントを通して、伝統的工芸品や郷土工芸品等に対する県民の理解と関心を高めるとともに、県、関係市町、産地組合、経済団体等が共働で技術・技能の承継、後継者育成を行い、観光も含めた地域の産地の発展につなげてまいろうという目論見です。
なお、今回、サンドーム福井の「管理会議棟」を、ものづくりの振興や人材育成の拠点、デザインの拠点として整備し、全国大会にあわせて、11月25日(金)にリニューアルオープンいたします。
具体的には、それぞれの企業の商品開発やデザイン支援を行う「デザインセンター」を福井市にある工業技術センターから移転するとともに、高い精度で製品造形ができる3Dプリンタや、紙・プラスチック等の材料を複雑な形状に加工できるレーザーカッター等を導入し、県内企業の製品開発がしやすい環境を整えます。また、1階フロアを「多目的ホール」としてつくり直し、通常は県産品の展示を行い、コンサート等イベント開催のときには県外の来客に福井の食べ物やお土産を提供することにより、ものづくりだけでなく、県産品の販売・PRに利用できるようにします。そのほか、このホールに隣接してカフェを設置し、気軽に県内のスイーツを伝統工芸の器で楽しむことができるようにしていきたいと思います。
以上、私からの説明です。
~質疑~
【記者】
第1回ふるさと県民大会について、ふるさとの県民を増やす政策ということで、移住を進めていくということだと思います。移住については他県では県人会のネットワークなどを活用するような動きも出てきているかと思いますが、そういった考えは。
【知事】
もちろん今回、参加者700人の半分以上が東京県人会や、各市町県人会などの会員の方であります。そのほか、ブランド大使や東京に住んでいる学生、ふくいゆかりの店の関係者に1回まず集まって会っていただいて、面識を持ちながら輪を広げていくということになるのではないかと思います。
【記者】
その場には知事も行かれますか。
【知事】
私も参加させていただき、福井の様子を改めて申し上げたいと思います。
【記者】
ふるさと県民大会について、そもそも、「愛着県民」というネーミングだったと思うのですが、これを「ふるさと県民」に変えた理由は。
【知事】
これは特段何かこうだからというわけではなく、「ふるさと県民」のほうが聞いたときに優しくてわかりやすいということです。
【記者】
越前がにに関して、昨年度、漁獲高が「極」の効果もあってよかったということですが、既に福井といえば越前がにというぐらいにはなっているかと思います。改めて、今年さらにこの勢いを伸ばしていく思いを。
【知事】
漁獲高がものすごく増えるというわけではなくて、一定のお値段で評価していただけるということで水揚げ額が伸びているということですが、やはり越前がにはトップブランドですので、ほかの全国のカニと同じようなことをしてもいけません。みんなで頑張ってカニをいい環境の中で獲って、これを市場や食卓、あるいはレストランに示すという、非常に珍しい取組みです。水産物というと、何を召し上がっていてもどこのものかわからないことがありますから、かにの漁はこのような様子だということを知っていただきたいのです。
【記者】
午前中に文部科学副大臣と面会されましたが、知事と面会された後に副大臣から、高速炉開発会議の結論は先延ばしになるのではないかというような趣旨のご発言がありました。これについての受け止めをまずお伺いします。
【知事】
高速炉開発会議の結論が12月中に出るとしているけれども不透明という話ですが、これは大きな課題ですし、長い年数をかけてのプロジェクトであり、日本の将来にとっても重要です。だから、慎重にやるべしというお話を申し上げましたが、また、簡単に決められないようなところもあると思います。ですので、あまりはっきり確信を持たないままに何かを決めるということは国としても大変なことでありますので、ぜひ主体性を持ってしっかりした結論を出していただきたいということで、そんなに、「よし、ともかくここまでには何としても中身を決めなければいけない」というようなことを思っていただかないほうがよいのではないかということを私は言っているわけです。
フランスのASTRIDとか、いろいろな議論がありますが、なかなかそれほどはっきりしたようなお話のようにも見えませんし、もちろんお金の問題もありますけれども、お金は二の次の問題であり、本体のこの核燃料サイクル、原子力・エネルギー政策をどうするかということを十分慎重に構えて判断されるのが国として大事ですし、また、我々地元としてもそれを期待しているということですので、今日のお話をまた副大臣にお持ち帰り願って、ご議論願うのが大事かなと思っています。
【記者】
結論がしっかりしたものであれば、時期については特段…。
【知事】
はい、十分に慎重に議論していただくのが、一番大事なことだと思います。国民もいついつまでに決めてしまうのだということをそんなに期待しているようにも見受けられませんので、中身が大事だと思います。漫然と延ばす必要はもちろんありませんが。
【記者】
新潟県で原子力発電所の再稼働に慎重な知事が当選されましたが、その受け止めについてお伺いできますか。
【知事】
新潟県自体が東京電力あるいは経済産業省とよく協議をしていただいて、こういう問題の方向を見守りたいと思います。特に東京電力の管内であり、3.11の事故、その後の収束の状況も考えますと、また、新潟県あるいは東京電力独自の課題もあると思いますので、そのこと自体がすぐに福井県あるいは関西電力などに影響があるものとも思いませんけれども、ともかく新しい知事もどのようなお考えかを十分承っておりませんが、信念をしっかりお持ちだと思いますから、十分ご議論願うというのが我々の期待です。
【記者】
最近の全国の動きでいうと、この夏、脱原発を主張する知事が鹿児島県でも誕生し、国のエネルギー政策に与える影響があるという見方も出てきているかと思いますが、そのことについてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
これはそれぞれの地域事情などがあるのだと思いますし、もちろん原子力発電だけが課題での結論ではないかと思いますけれども、やはりかねてから申し上げておりますように、原子力・エネルギー政策について政府あるいは国が、責任を持っていろいろな閣議決定をし、計画もあるわけですから、これをしっかり国民にお話をされて、自分たちはこういう考えでこの問題に取り組んでいるのだということをおっしゃることが、何よりも国民の信頼につながると思います。大もとをはっきり押さえていろいろおっしゃることが、各県でどんなことが起こるにしても、またこれからそういうことをどうフォローされるかということにもつながるわけであり、このことは関係大臣あるいは官房長官などへも絶えず申し上げているところであります。
【記者】
北陸新幹線について、明日、県選出国会議員と会い、いろいろと対策を練られると思いますが、ほかの米原ルート、小浜舞鶴京都ルートでもいろいろな動きが出ています。福井県は年内の決定を目指していますが、解散、総選挙絡みもあり、年内は難しいという見方もあります。知事としては今のところどのような戦略でお臨みになりますか。
【知事】
これは年内にしっかりとお決め願いたいと思いますし、かねがね申し上げているように、京都、大阪に直結するいわゆる小浜京都ルートが、これまで公に示されたルートであり、JR西日本などにおいてもそのようなお考えと承っております。何といっても、早く、安く、工事費も多くかからないですね。したがって、ルートが合理的ですから、障害なく、早く工事ができると思います。それから、いざ完成したときに、我々、あるいは北陸、東京からもそうでしょうが、早く京都、大阪に着くことができる。そして料金も安いはずであります。そして、国土計画からも大事ですので、何の問題もありません。
我々は、富山県、石川県に比べて小さい県であり、人口も30万人、40万人少ないと思いますが、そのような中で、最も長い距離に対するいろいろな協力をし、また、地元負担をするわけです。関西などにできるだけ早く、ちゃんとしたルートで着くことができるということを念頭に県民のご協力を願っているわけなのです。そういうことですので、小浜経由のこのルートを、しっかりお決め願いたいというのが私たちの考えであります。
【記者】
新潟県知事選に関して、鹿児島県に次いで新潟県でも原発の慎重派の知事が誕生して、どうも立地県の県民世論が、原発に対してちょっと否定的な流れになっているような感じがするのですが、これは、国の政策が揺らいでいるところが原因だと見られていますか。
【知事】
様々な事情があると思いますが、原子力というのは様々な科学技術、そして非常にスケールの大きい、長い期間をかけてのプロジェクトです。そして、電気は皆さんお使いになるけれども、原子力がどうだということはなかなか目に見えにくいところですから、これを、あらゆる機会に説明をし、安全というのはどういう意味であるか、お金の大きさがどうである、これから何を日本として行うべきか、他の中国やロシアやアメリカや、ヨーロッパの国との中で、日本がどう思っているかということをもっともっとおっしゃらないと、国民というのはわかりにくいから、自分の判断のできない状況が意外とあると思うのです。そこをもっともっとやってほしい。それは子どもたちから大人まで。それで、これは違うのだとか、こうだというのは、またそのときの話になります。それが十分できていないというのが問題だと私は思っているのです。
【記者】
柏崎原発は、基数としては結構大きい原発なので、今後、プルサーマル計画や核燃料政策を進める上でも、今回の新潟県知事選はかなり影響が大きいと思います。サイクル政策にとってもかなり厳しい状況になっているのではないかと思いますが。
【知事】
これについては、知事ご本人がどのような考えでこれから臨まれるかというのは、意外と、原子力に反対するようなお話をなさっているように、メディアの報道では感じられませんので、この問題は十分慎重にご論議をされるのかなと思います。ただ、新潟県あるいは東京電力という課題は当然おのずとあるかなとは思っておりますけれども。
【記者】
「もんじゅ」に関して、今、政府の廃炉を含めた見直しの議論に関して、知事は、フランスの「ASTRID」活用という、共同研究に対して疑問を呈されて、高速炉開発については、これまでの敦賀での成果を次に活かしていくべきだとの発言をされています。知事のお考えとして、いわゆる高速炉開発、「もんじゅ」の次の段階、実証炉の開発も含めて、これは国内でやるべきだと考えられているのかどうか。
【知事】
それ以前の問題として、十分議論しないで、外国のあやふやなものにすぐいくというのはいかがなものかということはあります。フランスに「ASTRID」というものがあるわけでもないし、報道では、お金の大きさもかなり大きくなっていたり、フランス自体もフランスだけではできなくて、ロシアと協力しないといけないところがありますよね。そうなりますと、自分たちがどう思っているのかはっきりしないと、よそにお任せでは、お金の問題だけでは済まないと思います。まず、本体を押さえてほしいということです。しっかりしているのであればいいが、あまり議論していないのではないかと思うのです。
【記者】
フランスとの共同開発についても、何か…。
【知事】
核燃料サイクルというのは全地球、世界の問題ですから、国際的に、IAEAをはじめ、あらゆる人たちと協力するというのがいいと思うのですが、ともかく、十分議論をし尽くさないまま外国だというのはいかがかと思っております。
【記者】
しっかりした議論を尽くした上で、フランスとの共同研究というのであればよいのですか。
【知事】
それはまた、そうなるのかどうかを我々がチェックしないといけないと思います。そうでないと30年間やってきた意味がどうなのだということが、その前提としてあるわけですから。そちらもあやふやで、あちらもあやふやであったり、当面こちらだというような話になっていると、日本のエネルギー政策はどこにあるのだということになると思うのです。
【記者】
高速炉開発会議で、実証炉の開発年次も、出してくるような議論もあるのですが、仮に政府が、実証炉の立地について、敦賀で建設をしたいと求めてきた場合に、知事としてどのように対応されますか。
【知事】
そのような話が起こり得るかどうかもわからない。いずれにしても、大前提は、30年間、我々が様々苦労しながら協力してきた、その結果をどう評価して、どうするのだということがないといけないと思うのです。それが、今のところは全く見えない。十分な相談もなかったところですから、それをしないといけないでしょう。
【記者】
「もんじゅ」に関して、今日三者協議を文部科学副大臣にも知事は求めましたが、この日程について、県としてはどのように受け止めていますか。何か情報はありますか。
【知事】
第2回目の高速炉開発会議がありますから、それを受けて課題をどう整理するかなど、いろいろなことがありますので、その後に日程などが決まるかなと思います。どのような状況で、どれくらい開くのかとか。
【記者】
知事はその中でどのようなことを話して、どういったことを求めていく考えですか。
【知事】
実務的に、いろいろ打ち合わせも要るのです。今回は複雑ですから、文部科学省だけではなくて、経済産業省が引き受けられるような様子も見えますし、内閣官房も関係するのかもしれませんので、そこを詰めながらやりたいと思っています。
【記者】
先日、関西電力の社員が過労が原因で自殺されたという報道がありましたが、知事の受け止めと、原因の1つとして、原子力規制委員会の審査がかなり厳しく、多忙であったことが挙がっています。東京で原子力政策がどんどん進んでいくという面も絡めて、知事は規制のあり方について、改めて思うことがあればお願いします。
【知事】
過労の方については残念なことですが、規制のお話のご質問でございますので、申し上げますが、立地の現場でもっといろいろな議論をしていただかないと、どうしても中身が空論に走り、観念的になりまして、よくない状況だと思います。規制委員会は、これまでよりも人数は少なくなっておりますし、もっとしっかり現場の感覚をもって、規制の重要度とか、優劣をやるべきだし、特に「もんじゅ」についても、何が重要で、これは後にやるべきだとか、そのようなことがはっきりしなくて、あれがいけない、これがいけないというような話では現場も混乱すると思います。そのようなことをなくしてほしいのです。
【記者】
今日も、文部科学副大臣が来られた際に、地元の要望をよく聞きながらというお話もあり、知事からも、ぜひ地元のほうをよく見てくださいというお話もありました。「もんじゅ」の存廃についてこれから議論されていく中で、地元の要望や地域の声を具体的にどのような形で議論していこうというイメージや戦略はございますか。
【知事】
我々としては、敦賀市とよく考えを調整して進める必要がありますし、県議会と気持ちを一緒にしてこの問題に取り組む必要があると思います。
今回、文部科学省からは積極的に現場に来ていただいたわけですので、副大臣も、地方のことをよく知っておられる方だと思いますから、「もんじゅ」のプラントはもとより、敦賀の町の様子がどうであるといったこともよくわきまえていただいて、我々と十分意思疎通を図った上で、いい結論が出るようにしてほしいと思います。
【記者】
副大臣も、その後の報道陣の取材に対して、例えば雇用というお話もありましたが、何かそのようなイメージだったのでしょうか。
【知事】
もちろん雇用など、地域のいろいろな課題、地域振興的なこともございますが、その前提としては、「もんじゅ」に30年余、地元として対応してきた、そのつながり、継続がこれからどうあるのかということが大事なので、その中で何をなすべきか。そして、地域振興的なものが出てくると思います。初めからそれがあるわけではない。
【記者】
今後のつながり、継続というものは、具体的には知事が前々からおっしゃっているエネルギー拠点化計画を今後も継続して、主導的に入ってというようなこと…。
【知事】
あれはもう非常に典型的な例であり、もちろん国際的ないろいろな人材育成とか、地元企業への技術移転などもありますが、これからどう展開するか、新しいいろいろな発展分野があるのかというようなことを、協議会などの場ではっきりさせるということになると思います。
11月ごろには、エネルギー研究開発拠点化推進会議も毎年開いていますので、そのころには何か方向ができれば出たほうがいいということになります。
【記者】
地元の要望をよく聞いてほしいということですが、とりあえず「もんじゅ」の関連協議会でも話をされるということですか。
【知事】
そうですね。その話題も含まれると思います。
【記者】
ガスパイプラインの話ですが、福井県は敦賀から多賀を主張されていますけれども、先日、日本海沿岸地域経済同友会代表幹事サミットの中で舞鶴から三田までというルートも提示されて、放っておくと新幹線と同じようにルート問題につながりかねないと思うのですが、敦賀から滋賀へつなぐことのメリットを改めて説明していただければと思います。
【石塚副知事】
LNGのパイプラインの話だと思うのですが、太平洋側に今、インフラが通っています。日本海側から太平洋側へ何かあったときにも供給するということで、今、抜けているところをやるというような話で進んできたかと思います。
これは、やはり一番の根っこは民間事業者の採算性にございまして、引き続き、この民間事業者の採算性などについて今後とも協議をしていくということになろうかと思います。
【記者】
採算性の話になりますと、経済産業省が試算を出して、舞鶴-三田にしても、敦賀-多賀にしても収支としてはかなり厳しいという結果が出たかと思います。それに対応する措置としてガス会社でも全国の連携を考えるような機関を新しくつくろうという話になったかと思います。国に国策として期待することは何かございますか。
【石塚副知事】
これは私どもが、かねがね申し上げているように、国土強靱化ということで、日本海側から太平洋側にも、いろいろな物資を供給するような基地も必要だということで考えております。採算がとれるのであれば特段要望しなくてもできるわけで、採算が難しいところを何とか検討して、日本全体のためにできないかということでやっておりますので、引き続き国のほうにもまたお話をさせていただきたいと思います。
【記者】
北陸新幹線について、敦賀以西の調査結果が間もなく出ますが、沿線自治体でいろいろ綱引きが激しくなっており、小浜舞鶴京都、米原ルートとも他県との連携を強化しながら運動を展開しています。その点についての知事のお考えをお聞かせいただきたい。
【知事】
明日は県議会とともに県選出国会議員と早朝に意見交換を行った上で、石井国土交通大臣、鉄道局長、事務次官、また、与党の皆さんにも要請をしたいと思っております。特に国土交通省については、3ルートの議論がありますが、どのルートがどういう意味があるかという我々の意見をもう一回念押しをさせていただきたいと思います。福井県が主張しているルート、この意味の念押しをさせていただいた上で、いろいろな働きかけを、北陸の他の知事、また、関西、いろいろなレベルがありますが、やりたいと思っております。年末までにできるだけ早く働きかけをします。
【記者】
石川県、富山県とも連携しながらやっていくと。
【知事】
要請をしたいと思います。公式、非公式いろいろありますけれども。
【記者】
仮に年内決定が先送りになった場合、政治の信頼に関わる問題でもあると思うのですが、いかがですか。
【知事】
前回のプロジェクトチームでも、できるだけ年内にやろうという決意を持って臨んでおられるようですから、年内決定を強くまた要請しないといけないと思います。早く決めれば早く仕事ができるわけですから。遅くなるとほかのこともまた遅くなるおそれがありますので。
【記者】
1票の格差について、参院選の北陸3県の選挙区は違憲状態との判決が出たことに対する知事の受け止め方をお聞かせいただきたい。また、自民党が憲法改正で合区を解消して、都道府県代表に位置付けるという方針を固めたようですが、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
【知事】
1票の格差については、いろいろ申し上げてはおりますが、現象的に埼玉と福井が何対何だとかということを議論している部分があります。ほかの選挙区もそうだと思います。国民が真剣になって、そのようなことが問題だと思っておられるのかということですね、民意といいますか。意外とそうではなくて、やはりそれぞれの地域代表がいて、日本全体がいい形になろうということをおそらく大都市圏の人も思っているし、もちろん、福井県の人たちも思っているはずですから、全体の中でこの問題を考える必要があると思います。
裁判の話ですが、もちろん合区ということは県の独立性や自主性がなくなる大きな原因ですから避けなければなりませんし、全国知事会でも、去年から申し上げておりますし、大体そのようなコンセンサスになっておりますが、憲法改正ということもあると思うけれども、現在の公職選挙法の改正によってもかなりのことができる。例えば、比例区から選挙区に定数を回すことも一つの方法だと思います。今、意外と東京出身の方が比例区には多いのです。それは、東京の地方区にしたらいいわけで、それをしないで比例区に回っているから、東京あるいは埼玉と福井がどうだとか、鳥取がどうだという議論になるわけです。
それから、地域代表として2人なら2人ということも憲法に書かなければならないというわけでもないように私は、以前、論文でも書きましたが、日本の憲法というのは制度論、システムについては、記述している密度が非常に緩く、おおらかなのです。ですから、戦後ずっと、よその国だったら憲法を直して何かをやっていたのだけれど、意外と日本は法律でやることができるわけですから、そのようなことをやったらいいので、初めから憲法改正というと時間はかかるし、他の問題も出てくるから、必ずしも必要ではないと思います。
国民がそれほど関心を持っていない方向で議論をしているのはおかしいと思います。ぜひ、メディアの皆さんも、地方の政治家が少なくなるという問題に憂いていただきたいと思います。戦後、衆議院を例にすると、地方の議員は55人減り、都市の議員は63人増えているため、差し引きで120人前後のアンバランスが生じているわけですから、いろいろな原子力でもそうでしょうし、あらゆる問題について地方の声がどうしても反映しにくい、無意識的にそうなってしまう、これは避けなければならないと思います。
【記者】
ポストこしひかりで、ネーミングのお話があり、来年度からテスト販売し、その後本格販売となっていくと思います。改めて知事としてどういったお米にしていきたいかお伺いします。
【知事】
特に今回の新しいお米については、他の府県でもいろいろな新しい2世代目の品種を売り出していますけれども、「コシヒカリ」を60年前に生んだ福井県としては、それを凌駕する自信を持っていろいろなキャンペーンやブランド政策をやりたいと。そして、全国的にナンバーワンのお米にしてまいりたいと思います。つまり、おいしくて、ランクが高い、しかし、親しみのあるみんなに召し上がっていただけるような、2つの要請に応えたいと思います。
【記者】
外の人間からすると、「コシヒカリ」を生み出したのが福井県であるという認識は、ちょっと薄いのかなという部分もありますが、そのあたりどのように全国的に……。
【知事】
宣伝がうまくなかったかもしれませんから、ぜひ今回は、キャンペーンに合わせてやりたいと思います。
【記者】
先日、岩手国体が終わり、天皇杯順位は18位でした。2年後の福井国体では天皇杯優勝を目指しているとお聞きしていますが、強化は予定どおり進んでいますか。
【知事】
さらにきめ細やかに強化しないといけないと思います。大体そのような動きにありますが、スポーツの点数というのは、その瞬間瞬間、種目ごとに、期待以上に点数をとっていただける場合もある、逆のこともありますので、かなりいろいろなことを考えながらやりたいと思っております。
【記者】
天皇杯優勝というのはぶれずに…。
【知事】
現状ではそのように思っております。また、障害者スポーツ大会もほぼ終わりました。今、各種目ごとに分析をしております。それを受けてどうするかということを決めたいと思います。
―― 了 ――
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