知事記者会見の概要(平成16年10月27日(水))
平成16年10月27日(水)
10:30~11:40
県庁 特別会議室
【司会】
おはようございます。それでは、10月の知事定例記者会見を始めさせていただきます。まず初めに、発表事項がございますので、知事のほうからお願いいたします。
【知事】
それじゃ、発表事項といいますか、幾つかありますが、できるだけ簡便にお話をしたいと思います。
台風あるいは地震ということでいろんな災害が続いておりますけれども、台風23号の災害対応につきましては、今回の台風また7月の豪雨ということで、被害を受けまた重ねて受けられた方もいらっしゃるわけでございまして、お見舞いを申し上げたいと思います。
当初、本格復旧も途中の段階でございましたので、この23号台風による被害を大変心配し、早い時期から災害対策本部などを、各市町村また私どももつくりましていろんな対応をしたところでございまして、厳しい中ではありますけれども、最小限の被害に止めることができたように思っております。
被害の状況は、既に災害対策本部等でも十分お聞きとめをいただいたところでございますけれども、人的被害としては軽傷の方が1名、物的被害としては住宅の全壊、半壊、一部破損、これが187世帯、床上・床下浸水が372世帯、通行止めが58カ所、護岸越水、内水浸水といいますが、これが44河川など、いろいろあったところでございまして、16の市町村で災対本部が設置されたところでございます。小浜市だけが、まだ一部土砂崩れで直接の道路の車両による通行ができない地域などがありますので、残っていると、こういうことであります。
なお、今後さらにそうした問題の取り組み、復旧に努めてまいりたいと思います。
それから次は、新潟の地震、あるいは兵庫、京都などの水害の問題でありますけれども、昨日に、新潟県中越地震等ですから京都、兵庫なども入りますけれども、支援の連絡会議を設けまして、それぞれの応援が合理的にできるようなやり方を整えました。
また、会議終了後に各部局が新潟県の担当部局と協議した結果、本日あるいは明日中に、今申し上げますような職員を派遣することを決定しているところでございます。
なお、23日の夕刻の地震でありましたので、次の日の3時ごろに、朝、県庁職員またボランティアのリーダーの方に新潟に行ってもらいまして、県庁の中に入りまして、いろんな状況、また現場の様子も聞いた上で、こうした対応をしているということであります。
それで、医療救護班を1グループ、これは27日あるいは28日になるかもしれませんが、予定をしております。県立病院のお医者さん、技師、薬剤師、また事務職、4人で行くような感じになると思います。
それから、心のケア活動班が1グループ、これも県立病院の医者が1人、看護婦さんが2人、そして事務職と、そういうグループ。
それから、健康相談班、これは小千谷市にもう具体的に決まっておりますけれども、健康福祉センターの職員、保健婦が2名、行く予定にしております。これは福祉環境部、つまり医療、ケアの関係ですね。
それから土木部が、これは本日ですね。
ごめんなさい。健康相談活動班というのも、既に派遣をして、午前中に行ってもらっています。
それから、土木関係では建築班ですね。これが1班。これは県庁職員3名で行くということにしておりまして、これは本日午後に参りまして、まず、これは現地へ直接行くのではなくて、新潟県庁へ行った上で現地へ行くと、これはこういうことになると思います。
それから、教育庁はスクールカウンセラーの派遣予定を今準備しておりますが、派遣の日時については、また先方等のご意見を聞いた上で決めたいと思います。
先ほど、新潟県知事と連絡をとりまして、こういう様子を申し上げましたところでありますけれども、なかなか、本部、それぞれ市町村、十分な体制などがまだ整っていない部分も若干あろうかと思うのでありますけれども、そうしたことで、県としては全体にあまり無駄がないように効率的に運営をしたいと、このように思っています。
それから、京都、兵庫につきましては、本日、明日、明後日とボランティアを中心に支援をすると、こういうことでやっておりまして、きょうはもう朝の4時半に既に出ておると、これは兵庫に出発をしていると、こういうことでございます。
なお、この支援連絡会議はきょうの午後、再度2回目を開きまして、いろいろ対応したいと、このように思っているものでございます。
現地の様子についていろいろ、県庁職員あるいはボランティアのリーダーの方のお話を聞きますと、なかなか元気を出すまでに大変だということで、厳しい中で、いろんなスーパーなども被災していて、炊き出しなどの配給・給付などに頼っていて、しっかり食事が十分できていないような部分もあると。あるいは、余震による被害を恐れて避難所に入っている人が多いとか、さらには、行政もなかなか力を出してまだ仕事が、ちょっと茫然としたところがまだ見えるとか、いろんなそういう様子がございますし、行政職員が被災者になっているということもございまして、いずれにしても、ボランティアについては県庁あるいは地元の人たちがきょうにも大体いろいろ来ておるようでございますが、大分地域の事情も違う部分もございまして、いろいろ協議しておるようでありますが、ボランティアとして10月30日ぐらいには立ち上がる、派遣ができるんじゃないかと、このような様子であります。
どちらかといいますと新潟のほうは役所といいますか、官のほうが表に出ているようなそういう動きがあるようでございますから、ボランティアをいかにうまく動かしていくかというのがこれからの課題でありまして、福井県のいろんなノウハウをお示しして、できるだけ合理的に県全体でやれるようにしたいと思っております。
それから、こうした相次ぐ台風による全国各地での被害の現況を踏まえまして、昨日福井県災害ボランティア活動基金条例を専決により改正をいたしました。これまでは、福井県内でのボランティア活動に対するいろんな応援に対する基金でありましたけれども、福井県民が県外でボランティア活動をする際にもこうした資金を利用できるということで、これは全国で初めてのやり方といいますか、条例であるというふうに思いますから、新潟あるいは京都、兵庫などでこれを使っていただくと、こういうことになると思います。
急ぐ必要がございますので、議会の格別の理解を得まして、専決処分で条例あるいは予算の執行を行うと、こういうことになるのではないかと。条例はもう既に決定をいたしております。
それから、兵庫につきましては、先ほど申し上げましたように、27日と28日に豊岡、それから29日には出石町に行く予定でありますし、京都については30日に宮津、31日には舞鶴、こういうことで、今、予定をしておるものでございます。
それから、来月11月11日に災害ボランティアの全国フォーラムを開催予定しておったのでございますが、ボランティアの皆さんが、文字どおり現場へ行っていろいろ活動していらっしゃるということで、こうした状況でありますので、当分の間、ちょっと延期をしたほうがいいんじゃないかということで、まずは、これ自体は残念なことでありますが、また別途、日を改めて行うと、こういうふうに思っております。
それから、2つ目といいますか、新幹線の問題でございますが、これは、これまでの経緯については皆さんもご存じでございますが、先般、24日の日曜日に、県選出国会議員、県議会、経済界、沿線の市町村長、沿線の市と言ったほうがよろしいですか、特に敦賀、それから鯖江の市長も今回参加をするということで、意思統一をし、年末に向けまして全力で取り組むと、こういうことにいたしたところでございます。
県としては、北陸新幹線あるいは福井駅部の、ある意味で区間的な整備になりますが、投資の効率性、北陸新幹線自身については地元の合意、あるいは経済効率性等々について、他のルートと何ら遜色がなく、すぐれたルートであるということでありますので、こういう事業が予定どおり、与党でお決めになったことでありますから、これが、結果が出るように与党・政府で十分なご議論をお願いしたいと。特に国会の各先生には、こうしたことをさらに強く推し進めていただきたいということで、24日にも申し上げたところでございまして、そういう方向で努力したいと思います。
それから、原子力長期計画策定会議の参加につきまして、若干、参加の報告という格好になりますが、改めて申し上げたいというふうに思います。
去る22日に開催されました原子力委員会の新計画策定会議に出席し、次のような点について意見を述べたところでございます。
1つは、核燃料サイクルでありますが、これについては、原子力が基幹電源であると。エネルギー政策として堅持することが必要である。それから、核燃料サイクルについては、日本の国としての存立、また、エネルギー政策の根幹にかかわる重要な課題である。そして、エネルギーの安定供給、また、地球温暖化抑制等、環境への適合の点、こうした多方面から的確に評価をし、また一方で、ウラン資源の確保、あるいは中間貯蔵施設や直接処分の立地の困難性などを考え、現実的な視点からも、総合的に評価することが重要と申し上げました。こうしたことを踏まえまして、核燃料サイクルにつきましては、日本の基本政策として確固たる方針を確立し、国民への説明と理解を得るために、さらなる努力を国としてもっとやるべきであると。そして、こうした点を踏まえまして、国のエネルギー政策に協力してきました我々福井県、地元の方向が見失われないように、国として努力することが何よりも重要と申し上げたところであります。
2点目につきましては、特に高経年化対策でございますが、これを強調いたしました。
日本の原子力発電所は、いわゆる高経年化時代、原子力プラントが年数を経て古くなりつつあるということであります。年を経てきているということでありまして、今回の美浜3号機の事故なども、また、最近の一連の関連したいろんなトラブルなどを見ましても、高経年化に起因しているのではないかと思われます。こうしたトラブルが頻発するおそれもあるわけでありまして、このことを踏まえまして、原子力施設については、国の責任ある指導のもとで、新しい原子力施設とは違った安全確保の仕組みを別途つくる必要があるのではないかと、特に長期的な観点から申し上げたところでございます。これから、新しい原子力発電所をつくることは大変なことでございまして、いわば、現在既に立地している発電所をいかに安全に、適切に運営するかというのが、日本にとってかなり大きなエネルギー政策としての役割を持っているんじゃないかということを申し上げました。
3点目は、立地地域との関係であります。原子力発電所は、単なる発電を行う工場とかそういうふうな位置づけではなく、また、補助金とか交付金などを、そこで立地を中心に応用するとか、こういうことがずっとこれまで行われてきましたけれども、地域産業の活性化につなげる、また、原子力に対するほんとうの意味での地元の信頼を得ると、こういう意味から、地域と共生する振興策が今まさにこれから必要ではないかということで、現在、福井県としては、エネルギー研究開発拠点化計画をそのモデルとして検討中であり、国として、また事業者として、こうした点を認識し、また、長期計画の中でもそうした観点を入れて考えるべきだと、このように申し上げました。また、原子力施設が立地している拠点の地域に国や事業者がしっかりしたウエイト、軸足を置いて、これからの仕事を進めてほしいと申し上げたところでございます。
安全の確保については当然のことでございまして、真っ先に言わなければならないことでございますけれども、より規制責任を明確にする、また、事故が起きた場合の調査などの権限を強化すると、こんなことを申し上げました。
5点目については、エネルギー、原子力の教育であります。国がエネルギーや原子力について終始一貫した教育を実施していないということが原子力に対する長期的な課題として問題であるというふうに思っておりまして、国の教育体系の1つとして、子供や将来の国民がエネルギーや原子力の問題を総合的に判断できるような、こういう姿勢を持つことが必要でありまして、これこそ重要な検討課題ではないかと、このように申し上げました。
最後に、国の基本的な姿勢として、原子力などというのは重要な国家政策でありますので、いろんな説明責任とかそういうことが必要でありますけれども、それ以上に、重要な国家プロジェクトでは、民間に任せないで国が関与する、いわば重要な問題に対する関与的な責任を持つべきであると、このようなことを申し上げたところであります。
以上、6点にわたりまして、福井県としての考えをお示ししたところでございますが、現実を直視しながら熟度の高い議論を期待するとともに、長期的に安全の確保を最優先にしながら、ブレのない計画をつくるべきだということでお話を進めたところであります。
それから、話がまた変わりますが、小松・上海定期航路開設でありますけれども、今回、いろいろ取組みを、石川県などをはじめ経済界とも連携をしながら行っておりましたが、11月25日から週2往復の定期便を就航するための路線開設申請を行っておりましたが、昨日、申請どおり国の認可があったということでありまして、今回のこうした就航を機に、広域的に中国浙江省あるいは上海などとの交流を深めてまいりたいと、このように思っております。
また、来月11月20日ごろに、小松空港内に、今、石川県が全部持っております観光案内コーナーをほぼ半分ずつにいたしまして、福井県の観光案内コーナーも設置すると、このように考えております。
また、来月5日には、浙江省経済交流促進機構と福井県の10周年記念訪中団が中国へ行きますので、副知事あるいは産業労働部長が参りまして、観光などについていろんなセールスを行う、また、観光連盟からも訪中をするということで、観光などを中心にこうした取り組みを進めてまいりたいと、このように思います。
それから、6点目になりますが、今度は冬の雪の話でありまして、11月8日に除雪対策本部をつくる予定であります。昨年、特に、除雪を強化した結果でもあるんですが、今年から車道の除雪を行うことで発生します、交差点ですね、そこで雪がたくさん積もっていろいろ障害が起きているということが出てまいりましたので、市街地交差点60カ所において重点的に除雪をする、排雪をする、このように考えております。また、小学校周辺500メートル以内の通学路の歩道についても、いろんな基準を緩和いたしまして、昨年よりも11キロ延長し、約78キロ、約2割増しの歩道除雪を強化したいと、このように思っております。これは学校通学路であります。
3点目は、消雪施設を延長すると。これは今、工事をこれまで進めてきたところであります。
それから、監視カメラを47カ所、これは7カ所増設をするということであります。それから、もう一つはメーンの高速交通道路でございます北陸自動車道の除雪でありまして、これは極力、安全が第一でございますけれども、車が通れない時間を短くする必要がございますが、関係者と協議しながら冬期間の除雪あるいは情報提供、そしてその閉鎖期間が短縮できるようにさらに努力をしてまいりたいと思います。
なお、当然のことでありますが、雪をよけるというのは地域住民の皆さんの協力がまず大事でありますので、周りの除雪など、さらにコミュニティーとしての運動といいますか、こういうことも進めてもらいたいということで、そういうご要請もお願いしたいと思っております。
それから、7点目でありますけれども、鳥のインフルエンザが昨年いろいろございましたが、この県内発生に備えて防疫の演習・訓練を11月24日に予定したいと思っております。現在でも東南アジアでは発生を見ておりまして、国内の侵入というのがあってもおかしくない状況と言われておりますので、こうしたことで具体的な訓練をしたいと、このように思います。
8点目でありますが、健康長寿フォーラムin福井です。福井県は健康・長寿、平均寿命が男女とも全国第2位だということで、全国を代表する元気・長生き県でありますけれども、こうしたことを改めて考え、その背景なり、福井としてこれをどのように県民の生活に生かしていくか、またブランドとしてもアピールしていくかということで、11月20日に国際交流会館で開催をすることにいたしております。
この中では、食べ物とか人間の寿命の研究で第一人者と言われております家森幸男さんという方に来ていただいて、講演などもしていただく。また、本県の健康・長寿のいろんな背景、原因については、現在、調査検討委員会を設置し、本日も委員会を開催して中間的ないろんな整理をしたい、このように思っております。
最後でありますが、今回、10月2日から5日まで、4日間行われましたスポレク2004の開催結果でございまして、皆様方のいろんなご支援もいただきまして無事終了をすることができました。開催初日も雨が降ったと思いましたが、うまく、あまり日も射さず、まあまあの天気でありまして、よかったなと思っているところでございます。
もちろん、25種の競技も行われたところでございますけれども、特別行事としては、10月2日、3日、2日間については、運動公園でいろんな福井県の食べ物あるいは物産など、43の店舗を出店しまして、またいろんな芸能なども披露するということで、従来にないこういうやり方を加えたということであります。また、各競技場でもそれぞれの地域でいろんな地場の産品の提供をしたと、こういうことでございます。
それで、開催期間は4日間でありましたが、目標10万人のところが13万人を超える参加者を得たということでありまして、うち県外からは約1万2,000人の参加を得たものでございます。観光では、永平寺に1,800人、朝倉遺跡に1,700人、越前竹人形の里1,600人、恐竜博物館600人、丸岡城400人など、この関係でお見えになった方が大体把握できていると、こういうことであります。
また、宿泊関係では、福井市及びその周辺で延べ1万人、芦原市など坂井地区で延べ6,000人、延べ2万6,000人に宿泊をしていただいたということであります。来年2月に報告書を作成し、まとめたいと思いますが、さらに生涯スポーツの振興あるいは健康・長寿をお願いしたいと、このように思っております。
以上、簡単でございますが、私からの発表事項です。
【司会】
発表事項は以上で終わります。
それでは、質問をお受けしたいと思います。
【記者】
昨日ですね、関西電力は例の火力の問題で、また新たに問題が出ているということで、基準を勝手に現場で書きかえたりするなど、14件が、コンプライアンスの問題としてお聞きしているんですけれども、現在、美浜3号の事故のことがあって、1・2号が停止状態となっている中で、藤社長は、美浜3号事故とは今回の火力の問題は関係ないということを言っているように聞いておりますが、知事として改めて関西電力に対して、コンプライアンスの問題なり、そういったことを要請したり、あるいはある種の条件をつけるなり、そういったことはされないんですか。
【知事】
これまで2回にわたりまして、いわゆる関西国際空港エネルギーセンターの調査結果、また火力、他の発電所における調査結果について報告を受けました。昨日は3回目ということで、全体の調査結果が出されたということで、14件にわたって計測値などの書きかえといいますか、そういうことがあったということでありまして、関電としては品質システムの再構築とか、意識改善などいろんなことを考えているようでございますが、県としては、特に美浜3号機の事故により、企業としての基本的な考え方あるいは責任体制などが大きく問われておりまして、同じ社内の発電所で起きた問題でありまして、国民の信頼を失いかねない重大なことと受けとめております。
それで、次のようなことを要請しております。1つは、再発防止対策については、継続的なシステム改善、それから厳正な運用に努めること、それから今年3月に要請しております、燃料調達に係るいろんな品質保証の改善を原子力事業本部全体で実施することの再徹底です。それから、美浜3号機事故を踏まえまして、国を中心として行われている2次系配管の管理基準の見直しに対して、関西電力としての火力発電所のいろんな知識やデータを公にするなど、原子力発電所の管理指針が現実に沿ったものになるように努力することを実務的に申し上げたところでございます。
もとより、今、美浜3号機にかかわるいろんな点検あるいは調査なども行われておりますし、現に美浜1・2号機については停止中でありまして、こうした問題も含めて、関西電力全体としての対応、こういうものを求めているという状況であります。そういったこと全体を踏まえて、今後対応しなければならないなと、このように思います。
【記者】
豪雨関連で、きのうから足羽川の激特事業が始まっていますけれども、それとの絡みで、越美北線の現況と今後の見通しについて、どのような考えをお持ちですか。
【知事】
越美北線については、昨日も協議を行いまして、JR西日本の施設部長などが県庁にお見えになって、県民生活部長、土木部長と第3回目の協議をいたしたところでございます。それで、JR西日本は、被害に遭った橋梁、これは直接は5橋が落橋しておりますが、残りの他の2橋、これについても安全上問題ないかを並行して今調べております。 そうした上で、これから、ここの河川の部分の河川災害復旧助成事業、これは国の査定を今、11月上旬に向けて最終的にやっているところでございまして、これを受けて、公共的な部分でどれくらいやれるのか、あるいはその部分はどうだということで、議論を今詰めているところでございまして、こうしたものを詰めた上で全線復旧に向けて努力をしていると、こういう状況であります。
【記者】
先ほど、関電の件で要請しているという話がありましたが、きのう、藤社長のほうは、知事がこれまで県議会のほうで経営に軸足を移すようにという話をしていますけれども、もう既に移しているという発言もあったようなんですけれども、その辺のところをどういうふうにとらえていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
きょう、報道に載っておりましたね。具体的にどんなことをおっしゃられたのか、ちょっと私、直接は聞いておらんのですけれども、軸足を置いておられるという意識はあるのかもしれませんが、軸足の中心を福井にもっと移していただこうということでありますので、いろいろお考えをいただいている中のお話だったのかなと、私はけさ新聞を読ませていただいて思ったんですが。先ほどもお話がありましたが、それこそ全体のことを含めて、関西電力でどのようなことをお考えかというご返事をもらわないといけないと、このように今思っておりますけれども。
【記者】
それは、イコール、高経年化が進んでいる原発の運転を再開するかどうかの、判断する材料になるということですか。
【知事】
いや、それは1つの要素でしかなくて、やはり安全面をどうするとか、あるいは、関西電力としてこれからの地域とのいろんなかかわりをどうするとかと、幅広い中の1つだというふうに思いますけど。
【記者】
その軸足の話なんですが、要は、気持ちの問題じゃなくて、目に見える形できちっと軸足を置いているということを示してほしいという、そういうことでよろしいでしょうか。
【知事】
長期計画のところでも、東京でも申し上げたんですが、東京はビッグサイトで原子力安全委員会がいろいろ議論しているけれども、そこの意識と、福井で実際いろいろ議論していただくものは基本的に違いますし、いわんや、いろんな原子力の行政あるいは経営を進める場合に、ほんとうの意味で、電力会社の基本にかかわるこういう経営なり判断を、具体的に原子力発電所がある場所で基本的に考えられるかどうか、進めるかどうかというのが、大いに物事の判断に影響すると思いますよね。そのことを国あるいは関西電力にも申し上げているんです。それで、その原子力委員会も福井でおやりになったらどうですかということを申し上げたんです。遠く離れていたところで物を考えましても、やはりいろいろ限界があるだろうと。十分なそういう問題意識が伝わるんじゃないかということを申し上げております。
【記者】
今の原発の話で、また知事のお答えが繰り返しになってしまう部分もあるかと思うんですけれども、美浜原発1号機と2号機の運転の再開に絞ってちょっとお伺いしたいんですけれども、美浜原発1号機と2号機の運転再開には、関電は高経年化対策をきちんとすることといったような条件を知事は出されていると思うんですが、現状、どのように今なっていて、その判断というのは、いつごろ、どういう形だったらできそうというふうにお考えになられていますか。
【知事】
ちゃんとお答えがいただければできるんじゃないかと思いますけれども、そういう判断は。まだ出ていないですからね。
【記者】
お答えというのは、今おっしゃったように……。
【知事】
我々が、既に関西電力にも、あるいは国にも申し上げていることについて、いろんな考えをいただければというふうに思っていますけれども。特に関西電力については、要するに企業としての基本的な考え方もございますけれども、協力会社とのいろんな、下請関係の改善もありますし、職場での安全、あるいは地元の情報伝達、また組織全体について、これは経営の軸足でこういう議論も含まれますけれども、こうした問題についてしっかりしたお答えをいただくと、こういうことを我々としては申し上げておりますし、また国に対しては、先般、中川大臣にも、抜本的な安全管理システムの構築ということで高経年化対策の強化、それから原子力保安検査官、あるいは広報課を統括する拠点立地地域での事務所の設置、それから高経年化研究を、先ほどの関係がございますが、県内でいろんな議論をしてほしい、あるいは県内で整備をしてほしいと、そういうことを申し上げておりますし、それからエネルギー研究開発拠点化計画の具体的な協力、この話を10月22日に申し上げたところでありますので、そうした問題についてのいろんな考え方を示していただいて今後の対応をすると、このように思います。
【記者】
関電にせよ、国にせよ、それぞれの対応は、まだどちらも県としては、待っているという言い方はあれかもしれませんが、どちらもまだ答えをもらっていない状態だということで……。
【知事】
それ相応のものがいただけるものと期待をしているんですが。
【記者】
関連で、先ほどもご質問があったんですが、軸足問題なんですけど、軸足というのはどういうことを、その原子力本部を、例えば関西電力の原子力本部をいわゆる地元に、福井県内に移動してこようということなのか、それとも、拠点化計画に関してより力を入れようということなのか、その辺のところをもうちょっと、わかりにくいので教えていただきたいんですが。
【知事】
両方が含まれると思います。
【記者】
例えば国に対しての軸足というと、どういうことになりますでしょうか。例えば保安員の、原子力安全基盤機構の機能を、本部機能をこちらに持ってくるとか。
【知事】
特に、国の場合にはいろんな法令の規制とか、あるいは政治的な関係がございますからなかなか弾力的にはいかないかと思いますし、既存のいろんな流れがあると思いますが、そういう中で、先ほど申し上げました原子力保安関係の事務所などの福井県内での設置とか、あるいは高経年化研究など、そういうのが一例としてあるというふうに思いますけれども。もちろん、安全管理のいろんな、基本的な国の責任を明瞭にしていただくのは当然のことでありますけれども。
【記者】
先ほど原子力委員会の新しい策定会議のほうで、一番最後に、国家プロジェクトなんだから民間に任せないで、国が関与するべきであるというふうなこともおっしゃられていたと思うんですけれども、国の関与の度合いというんですか、それは、例えば原子力のバックエンド問題というのを国が一部税金でやれということなのかどうかということなんですが。
【知事】
これは、要するに、こういう責任というか責務、どうしても民間に任せて何かあったときには、ここはだめだとか、ここがどうだったんじゃないかという、そういうことではなくて、今まさに非常に大事な課題でありますから、それは、外交や国防や、あるいはこういうエネルギーの安全、国家存立の基盤にかかわることですから、今どこにもそういう国の責務とか責任というのがあるようでうかがえない部分なんです。ここを考え直すといいましょうか、従来の通念というか、それを変えていくということがこれからは全般的に重要であるというように思っております。
例えば説明責任なんていうのは、五、六年前まではそういう言葉はなかったんですが、今はこれが通用し、どなたでもおっしゃり、ああ、こういうことだなというふうに大体おっしゃると思うんですが、こういうような重要な問題に対する国の関与というのが、いろいろ責任をしっかりやっているんだということが言われるわりには実際そんなものがあるかというとなかなか見えないと。そういう通念といいましょうか、こういうものを転換していく時代ではないかということで申し上げたんです。いろんなことがこれからその問題に波及して、国のいろんな関与なり、国会での議論なり、あるいは法律なり、あるいは基準なり、こういうものがおのずと出てきてほしいなという思いを持って申し上げました。まさに長期的な課題だという。
要するに、原子力委員会でいろんなものを議論しておりますが、それはどういう責任で、何をもってそんなことを言っておられるのかという、そこがあいまいにあるということなんですね。いろんな基準をつくったり、計画はこうだとおっしゃられるのはいいんだけれども、それで一体国はそれについてどう責任を持って、何を目指し、どこまで何をする気だという、そこがはっきりしていないという点があるんじゃないでしょうか。そういう点が弱いと思いますけれども。
【記者】
長期計画がやっぱり弱いということでも……。
【知事】
長期計画もありますが、長期計画をつくる心構えというか、どういう立場でどういう気概というと大げさかもしれませんが、そういうことでやっておられるのかなということじゃないかと思います。民間がおやりになる何かガイドラインをつくっているというぐらいの気持ちだとおかしいですわね。
【記者】
特に高速増殖炉の問題は前回の長計でかなり後退しましたよね。
【知事】
それもはっきり後退させたというふうに思っておられるのかどうか、それもはっきり意識していないのかもしれないし、物事を国として責任を持ってお考えになると、おのずからそれは方向が出てくると思うんですが、それが弱いと文章だけがあって、その意味なり、その実行なり、長期性なりが確保できないんじゃないかと、私は、福井県、地元の立場で県民の皆さんに責任を持ち、またほんとうに信頼を得るために必要だと思いますので申し上げたんですけれども。
【記者】
また話は変わるんですが、新潟県の地震の話で、今、県の職員の派遣を、いくつかのグループを派遣するというお話だったんですけれども、派遣に当たって、県としてどのような姿勢で新潟県の支援に当たるのかということをもう一度改めてお願いします。
【知事】
姿勢といいますと、特にどういう……。
【記者】
新潟県に派遣することによって、福井県としてどういうことが新潟県のためにできるかということで、どんな支援をしたいという思いが県にあるのかという……。
【知事】
国なり、新潟県ですべて解決できますと応援はそんなには要らないかと思いますが、いろいろ現場へ参って、県庁職員の皆さん、あるいは直接いろいろお伺いをしたんですが、その結果、足らざるものがあるということですから、それは自治体同士で助け合うと。我々もいろいろ助けていただいておりますので、そういう自治体間相互共助といいますか、そういうことが必要です。
特に、いろいろお伺いすると、いろんなモノも大事なんですが、こういう医療とか心のケアとか建築のいろんな建物、人的な、技術的な、こういう支援というのが少ない、不十分であり、応援をしてほしいという問題を、これは必ずしも十分でないかもしれませんが、把握したものですから、それはまさに応援をしたほうがいいだろうという意識です。
もちろん富山県も近いですし、石川県も近くにありまして、それぞれ応援をされると思いますが、それぞれ前後関係はあると思いますが、それはそれとしてやろうと。もちろん京都あるいは兵庫、何といっても福井県のことをちゃんとやらないといけませんけれども、それはそれをしっかりやりながらということです。
【記者】
越美北線なんですが、これから雪も降りますし、沿線の住民、特に利用者の乗客の方は一日も早く全線復旧を、まあ、途中代行バスまで出られるのも面倒ですので、思ってらっしゃるかと思うんですが、全線復旧のめどとしてはどのぐらいというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。たしか河川改修ですと3年から4年という数字が出ていたかと思うんですが、非常に難しいとは思うんですけれども、全線復旧のめどとしてはどのぐらいと。
【知事】
ここで申し上げると……。もう少し詰めなあかんですね。どうかな……。まだ具体的な事業量とか、あるいは負担関係が決まっていませんので、今の状況ではいつだとは申し上げにくいですね。大糸線とかはどれぐらいかかったのかな、2年……。できるだけ、今この場では申し上げられませんが、さらに見通しができるだけ立つように、ご報告やらはさせてもらいたいとは思います。
【記者】
気持ちとしては一日も早く……。
【知事】
そうですね。一月でも早いと言ったほうがいいかね。一日もというとなかなかあれですけれども、1年後ではないですが、一月でも早くという、単位としてはそういう感じですかね。
【記者】
三位一体の改革の件なんですけれども、きのうもまた3度目の地方側と国との協議があったんですけれども、どうも10月28日の締め切りまでに国は地方が提案したものに対して代案を出すような素振りもなさそうなんですけれども、補助金削減について、国の姿勢なんかについて知事の現時点でのお考えがあれば、ひとつお伺いしたいんですけれども。
2点目は、地方交付税をめぐる問題なんですけれども、経済財政諮問会議の数字の中で、財務省側はどうも地方交付税を2年間で7兆円ないし8兆円削っていきたいとか、あるいは今の地財計画というのは非常に過大な見積もりで、いい加減というような指摘もあるわけなんですけれども、こういった点は地方の側としてはどういうふうにごらんになっているか。
あと、もう一つ、この間、知事、財源調整の研究会というのに出られて、本間先生なんかとも協議されたわけなんですけれども、民間委員らが言うのは、財源保障機能というのは地方の自立を妨げているから、財源調整だけに交付税は特化すべきだと、そういうふうなことも言っておられるようなんですけれども、こういう点についても知事としてどういうふうにお考えなのか。3点、お願いします。
【知事】
手続的には、今回、来月12日に全国知事会が、これは政府主催の、ありますので、そこがまた1つの節目になるかなと。おそらく、その前日ぐらいに全国の知事の協議ということがあり得ると思います。まだ確定はいたしておりません。
そういう中でのお話を今申し上げたいと思いますが、要するに、国から、まあ、総理大臣からと申し上げたほうがよろしいのかもしれませんが、補助金3兆円あるいは4兆円、いろんな議論がありますが、提案をしてくれということですから、我々は、いろいろ議論はありましたが、多数決も含めて提案をしたわけです。本来なら、これは国が考える話だとは思いましたが、あえてそういうことでありましたので、自治体として、知事として47都道府県の考えをまとめたということなんですが、残念ながら、その答えに対して各省庁が中央集権的に議論をされるといいんですけれども、中央分権的に議論されておるものだから、ばらばらにいろいろお話をされて話がまとまらない。あるいは個別に議論している。これは間違いでありまして、国として、特に政府が、官邸といいましょうか、官房というのかな、議論を集約してそれを整理する責任がこれこそあると思いますので、援助を申し上げたわけですから、そういうことをぜひやってほしいというふうに思います。総理大臣も国会の答弁ではそのような答弁をしておられるというふうに思いますので、そういうことを期待したいと、このように思います。
ただ、補助金の問題というのは、明治以来ずっといろいろ議論した長年の話でありまして、各省庁のいろんな考え方を、通念を変えてもらわないとこの問題はなかなか解決できないと思います。通念をかなり変えておられる省庁もありますが、なかなか変えておられない省庁もありますし、もう一つの誤解は、補助金が地方の税に振りかわる部分でありまして、その事業がなくなるわけじゃないですね。補助金を地方に分けると事業がなくなるというふうな誤解が1つあるのと、地方はしっかりその仕事をするのかなというふうな、そういう不信のようなことも中に感じられますので、それはそういうことじゃないということをしっかりわかっていただく必要があるというふうに思っております。
それから、交付税につきましても、これは国の幾つかの税の何割かが地方交付税ということになっておりますけれども、これはあくまで補助金でもありませんし、交付金でもないんですよね。国、国税当局が、地方の税の部分を便宜徴収しているだけでありますので、地方の税であります。しかし、国が徴収している結果、もちろん税ですから国の歳入に入りますし、地方に移譲するときに歳出という形で出るものですから、何か国の予算経費のような、そういう誤解が見かけ上生じるわけでありまして、財務当局もその見かけの議論をどうしても長年にわたってやってきている。査定をしようとするわけです。地方の税金を査定するなんていうことはあり得ませんし、それは地方の税として、税の議論として多いか少ないかというのをやるべきで、積算の一部の経費のここが何かおかしいというような議論を一部的にやるのは、議論として正しくないと思います。
そういうことで、また、その交付税の中身として財源保障的なものと調整的なものがあるんだというのは、学問的に観念上そんなことはあるかもしれませんが、これはすべて地方の財源でありますし、財源を保障したものでありますし、財源を保障しながら自治体間の財政調整といいますか、それをしているというのが交付税でありますので、本来であれば地方に全体をいただければ地方団体で合理的に考えて配分してもいいわけですよね。外国にはこういうようなよく似た制度もあるわけでありまして、戦後もしばらくそうした議論があったんですが、それ以降はずっと地方交付税、そして交付金という格好で歳出を組んでいるということなんです。ほんとうなら国の歳出に組む必要はないかもしれません。自治体に直接配分してもいいようなものだと思いますけど、そういうことで、残念ながら、行政改革といいましょうか、そういう中と一緒になってこういう議論をしているものですからそういう議論が起こるわけでありまして、これは地方団体としてしっかり事業の中身を説明して、そういう議論が出ないように、また、成果が上がるようにやりたいというふうに思います。
【記者】
追加でお聞きしたいんですけど、先ほど、事業がなくなるんじゃないかという誤解が生じているという、まさに義務教育費の問題なんかがそうだと思うんですけれども、これは逆に地方側として、税源移譲が行われたら自由に使える金ができて、若干額は減るかもしれませんけれども、使い勝手よくいろんな施策ができるんだという、そういうメリットを、予算編成していく過程にあって、やっぱり住民向けにも説明していく必要があるんじゃないかなと思うんですけれども、もう既に予算要求、各部局に届いていますけれども、そういった税源移譲になるかどうか、前年並みで予算編成するんだろうと思いますけど、そういったことを何か具体的な取り組みとしてやっていかれるようなお考えというのは、県としてあるんでしょうか。
【総務部長】
予算編成の編成方針の中でも、今回の三位一体の改革を踏まえて、とりあえずは今の補助制度を前提にした要求をさせていますけれども、11月半ばか12月末までの間の動きを見て、一般財源化されるものが当然出てくると思いますので、それらについては、今ある補助制度の前提としての単価とか、それから箇所付けについてを全面的に見直して、もう一度、三位一体の結果が出た段階で要求を出し直させるなり、査定のときに再度厳しくその必要性を議論するということでその数値の中に入れてありますので、その段階で具体的には検討することになります。
【記者】
施策の中身がもっと形として変わったりとか、そういう……。
【総務部長】
そういうことです。ですから、今は補助金だからこういうものにこれだけ使いなさいとなっているものをゼロから見直して、その事業の必要性はあるんでしょうけれども、当然やりたいという要求があるわけですから。ただ、その積み上げのもとを補助の上に乗らなくてもやれるわけですから見直しましょうと、こういうことで申し上げています。
【知事】
特に国の補助制度が必要なものといいますのは、今回の災害のように、新潟県なら新潟県、福井県なら福井県で対応ができないような、そういう臨時のもの、あるいは何十年に1回のものとか、そういうものこそ、それは治山治水であれ、何の経費であれ、なすべきものだということは私としては言って。知事によっては考え方が違いますが、通常、地方の仕事としてもう十分こなれたもの、そういうものは財源をしかるべく保障して地方税として確保できれば、地方団体が教育の問題についても、それはないがしろにするものじゃありませんから、責任を持ってできるだろうし、問題はないというふうに思うんです。
【記者】
済みません、原発の話なんですが、「もんじゅ」の拠点化の策定会議のほうの再開のめどというのは、知事はどうお考えでしょうか。
【知事】
例の拠点化計画の見通しですか。
【記者】
はい。
【知事】
もともとはこの拠点化計画につきましては、今回いろんなことがございましたので、そういう安全の問題を踏まえなければなりませんけども、エネルギー研究開発拠点化計画については、そうした今回の事故に対する対応を見きわめる必要がございますけれども、15基の原発がございます本県にとっては、拠点化計画策定は極めて、この前、長計の場でも言いましたが、本県の将来にとって、またエネルギーと地域との関係にとって重要な事業だと思いますので、ワーキンググループ会議による実務的な検討を進めたいと思っているんです。
再開の時期については、現時点では未定ではございますが、遅くとも年内には、早ければ11月中にもそうした再開といいますか、そうしたことは考えられると、このように思っております。
【記者】
それはワーキンググループを遅くともということですね。
【知事】
ワーキンググループですね。
【記者】
早ければ11月に。
【知事】
はい。
【記者】
先ほど長計のお話でも、国として弱いという話があったんですけれども、一部では国の政策を進めるためにも「もんじゅ」を進めなければ、国の計画だってできないじゃないかという意見が長計の中にもあるようなんですけれども、そのあたりは知事としては、国自体が責任を持ってしっかりやって……。
【知事】
そうですね。大きな基本的な流れというのをはっきり国として打ち出さなければ。個々のいろんな事業とかプロジェクトというのは、それにのっとってやっているわけですから、判断がそこで、その先にやるわけにはいかんということになるかと思いますね。
まさにこれは国の仕事ですし、国が責任を持って行うべきことだと思います。その中で、個別に何か問題があれば、それはまた申し上げるということになると思いますけれども。
【記者】
新潟県の地震を受けて、改めて、知事の震災への対策といいますか、そういったもののご認識をお改めになられたかどうかをお伺いしたいんですけど。この前、立命館大の先生かなにかが、新潟県地震が起きる前に、次に起きるとしたら新潟か福井だというふうに意見を、立命館大の先生がおっしゃられてたということがあるらしいんですけど……。
【知事】
それは科学者ですか。
【記者】
ええ、そうですね。水害でもそういう関連性が出ていたり、まあ、そんな非科学的なことを言うつもりはありませんけれども、ただ、近くで起きた地震ということで、阪神大震災から10年たって、新たに今回こういう地震があったということで、震災対策というのを改めて何かご指示されたり、認識を改められたところはないかどうか、お伺いしたいと思います。
【知事】
そうですね、太平洋側プレートといいますか、東海地域の地震というのは、過去の歴史から見ると連動という、そういう実績があるんですね。直下型といいますか、活断層によるそういう地震については、そういうものがあるかどうかは、ちょっと私はあまりそういう勉強はしておりませんけども、いずれにしても大きな災害というのはなかなか、最初動ですね、初動というのが大変難しいわけでありまして、そこにはほとんどすべてがかかるということがあります。これはなかなか人間の力でできない部分がありますので、次の段階からは、もうこれは人間の力でできることですので、いわゆる普通の初動、これは十分にやる必要があるんだなというふうに思いましたね。
それで、どう言いましょうか、情報ですね。それぞれの地域からいただく情報のとり方ですね。それはもっときめ細やかにやらないとできない。というのは、いろんな情報というのは、ちょっとしたことでも停電になると携帯電話が使えないとか、そういう実に些細なことでもだめになるものですから、そういう複数のいろんな情報体系、それが必要だと思いますし、もう一つは、最初動というのは、偵察というのですか、全体客観情報というのですか、今回、防衛庁・自衛隊が航空機を出してやっておりますが、ああいうタイプのもの、また、新潟県としても、その瞬間にできるだけ早く現地の概要をつかむというその動きをもう少し強めるシステムが日本全体として要るように思います。
それから、一日一日、対応はしっかりしてくるとは思っておりますが、初めが一番難しいものですから、失われてはいけない生命を失ってしまうという、そこを最重点でやる必要があるなと改めて感じましたけど。
【記者】
予防という面ではどうですか。起きる前にとるべきことは全部とっているのかどうかという。
【知事】
これは100%あらゆるものができるというわけではありませんので、どうでしょうかね、日ごろそれぞれの地域でどこが弱いかとか、そういうことを絶えず意識しながらやらないとなかなか大変かなというふうに思いますけれども。
大都市での地震、山間地域の地震、いろいろタイプが違いますし、なかなかこれは難しいというのが実感です。
何か、ご趣旨はそんなことでよろしいんですか。何か意味がちょっとよくわからなかった。
【記者】
最近、要は、構造線の位置がずれてきているらしいということなんですけど、阪神・淡路のほうに今は構造線の位置がずれてきて……。という話もあり、まあ、真偽はわからないですけど……。
【知事】
活断層は全国無数にありますし、目に見えない、表面にあらわれない活断層もありますので、ただ、ある地域で起きますと、その地域は1,000年単位では、その部分では起きないと、そういうのは学問的に出ているようですけれども、すぐ横の活断層は全く動かないかというとそうでもありませんので。
【記者】
豪雨災害の義援金の受け付けはいつまでなんですか。豪雨災害義援金の受け付けがいつまでで、一部既に使ってますよね。
【政策幹】
後でまたご連絡しますけれども、振り込みが無料とかという、そういう受け付けは銀行などの協力を得てやっているんですけれども、ただ、受け付けの締め切りというのは、基本的には、いただくものですから……。
【記者】
災害ボランティア基金なんかにつみますよね。いろいろ使いますよね。ボランティア基金、災害ボランティア活動基金とか、それ、今回は条例改正でいろいろ県外でそういう活動に使うという話なので、結構、費用的に出てくるわけで、かなり積み増ししてくるのかなという、その辺はどうなんですか。
【政策幹】
今の条例の改正ですけど、今5,000万円ほどボランティア基金が残っていますので、その基金を使えるように、もちろん予算も必要なんですけども、議会のご理解を得なきゃいかんと思っておりますけど、そういうことなので、今いただいている義援金ですけども、それにつきまして、災害ボランティア先進県と各県への恩返しとかということを含めて、今後は十分検討していくと、そういうことでございます。
【総務部長】
ナホトカのときにも、1年間ぐらい門戸を開いて集めたりしていました。それは、タイミングはまた見て。
【司会】
時間も経過しておりますので、この辺でよろしいでしょうか。それでは、これで終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
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