知事記者会見の概要(平成16年12月27日(月))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002796

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平成16年12月27日(月)
10:35~11:30
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【司会】

 それでは、ただいまから12月の知事定例記者会見を始めさせていただきます。 まず、発表事項がございますので、よろしくお願いいたします。

【知事】

 おはようございます。本年12月の年末の記者会見ということで、この1年、いろいろ振り返りましてお話を申し上げ、また、いろいろ御意見もいただきたいと思います。

 きのうはインドネシアで大きい津波ということで、今年は、国内はもとよりでございますけれども、国際的にも災害、いろんな事故、また、平和や戦争の問題とかいろんなことがあったわけでございますが、平成16年度は、国内では多くの地域が豪雨、地震、台風などの災害に見舞われました。また、国際的には、イラクへの自衛隊派遣、拉致問題をめぐる、いろんな交渉の問題など、本県にも直接かかわる大きな動きがございました。

 私にとりまして、昨年は、マニフェストでございます「福井県元気宣言」を掲げましてちょうど1年目ということでいろんな方向付けをしたところでございますが、それをもとに今年は、知事就任2年目ということでありましたので、昨年のベースをもとに各プランの成果を具体的に示さなければならないということで、成果を上げる年ということで臨んできてまいったところでございます。

 そうした状況が一方である中で、本県は、7月に福井豪雨災害、8月には美浜原発3号機の蒸気発生事故など、短期間に突発的な災害事故に立て続けに見舞われたところでございます。マニフェストは、こうした突発的なことまで書いてあるわけではありませんので、そうしたことも行政の一番大事な仕事でありまして、並行して、それぞれお約束した事業、そして、県民の生命・安全を守る立場としての危機対策、こうしたことの重要性とその実行が大事だということを実感した1年だったように思います。

 今回の豪雨災害、台風災害の復旧に当たりましては、自衛隊、また、県市町村の職員はもとより、高校生やいろんな各界の方を含めて、県内外から6万人を超えるボランティアが大きな役割を果たしていただいたところでございまして、改めて協力いただいた方にお礼を申し上げたいと思います。

 さて、この1年を振り返りますと、いろんな政策推進マネジメントシステム、あるいは仕事の進め方の改革を行ってきたところでございます。2年目ということで、だんだん仕事の進め方についても共通の意識を持ってきたように思います。また、豪雨災害などの対応など、大変多忙であったかと思いますが、それぞれ厳しい環境の中で職員の皆さんも頑張ってきてくれたかなと思っているものでございます。

 そうした中、今年は、何といっても北陸新幹線で大きな前進があったところでございまして、この点につきましても、報道の皆様にもいろいろ情報などもいただき、また、いろんな面で御指導もいただいたところでございまして、改めて厚くお礼を申し上げたいと思います。厳しい状況の中で、県民の長年の悲願でございます県内着工が実現し、新幹線工事の槌音が響くようになったことは、30年にわたる県内一丸となったこれまでの運動の成果であります。これまで御尽力いただいた政府・与党の関係者をはじめ、関係当局に感謝申し上げますとともに、県選出国会議員、県議会議員、沿線市町村及び経済界など、県内各界各層のこれまでの精力的な活動と御支援、御協力に改めて厚くお礼を申し上げたいと思っております。

 また、この新幹線につきましては、新幹線予算、そして、その認可を受けての事業でございますので、福井駅部については10億円の事業費が配分されております。これから、予定としては、来年度から4年間を目指して、17、18、19、20年度ということで事業が進められると思っております。そのほか、南越・芦原温泉駅についても、高度化事業ということでいろんな調査なども進めていくということになると思います。今後は、県内区間における一日も早い開業、さらに延伸努力するということが必要でございますので、引き続き皆様方の御支援と御協力をお願いしたいと思います。

 原子力行政につきましては、美浜原発事故により失われた県民の信頼や安心の回復を図ることが最優先でございます。既に、これまでいろいろな局面でお話も申し上げ、一つ一つその対策を講じているところでございますが、一昨日は、中川経済産業大臣が来県をされまして、今回の美浜原発事故に対する10月22日の本県の要請に対する国の対応について、高経年化対策、また、福井県内の国の規制体制の強化、さらには、今進めておりますエネルギー研究開発拠点化計画について、経済産業省として、また政府として最大限の協力をするというお話もいただいたところでございまして、こうした中川大臣の御説明につきましては、真摯にしっかり取り組んでいただいたものと評価をしております。

 なお、中川大臣のご説明に対しては、具体的に一昨日それぞれお答えをいたしておりますので、本日は省略をいたしたいと思います。その際、大臣から、福井県というのは、日本の経済、エネルギー問題で大きな重要性を持っているという言及がございました。今後とも福井県が安全確保を第一とした原子力行政を進めていく上で全面的な協力を大臣にもお願いしたところでございますし、原子力と地域との共生を目指すエネルギー研究開発拠点化計画の策定については、今回の事故を契機に、高度医療の研究や高経年化研究など、安全・安心の確保、こうした視点も新しく加えて、いろいろ事件や事故がございましたけれども、11月にワーキンググループの会議を再開しております。そして、本日、第3回目のワーキンググループ会議を開催することになっておりまして、さらに具体的な検討を進めたいと思うものでございます。年明け後、できるだけ早い時期に計画の概要を明らかにできるように取り組んでまいたいと考えます。

 そのほか、「福井元気宣言」に掲げた政策について、一つ一つ、簡単ではございますが、感じるところを申し上げます。

 まず、「元気な産業」につきましては、開業支援、あるいは高校生、大学生、新卒者、フリーター等に対するジョブカフェの設置など、いわゆる「挑戦(チャレンジ)福井」に基づくいろんな施策を実行しております。

また、10月19日には伊藤忠商事との間で先端技術分野での戦略協定を締結したところでございます。それも具体化しなければなりません。

 また、産学官共同研究につきましては、既に本年度の目標、大体34社というのを掲げておりましたが、これを上回る42社が新しく共同研究に参画するなど、盛り上がりが出てきているという状況でございます。

その結果、本県の経済につきましては、製造業、また機械業を中心に回復の動きがあるわけでございます。雇用情勢につきましても、有効求人倍率が1年半にわたり前年同期を上回り、7年ぶりに1.2倍を超すということで改善の動きが続いておりますし、また、11月末に取りまとめた本県独自の失業などの実態がわかる労働状況調査では、本年8月から10月の完全失業率は3.0%まで改善ということで、全国の4.7%に比べて1.7ポイント低くなっているような状況にあります。

 また、農林水産業についても、認定農業者が50余り増えまして619経営体になっているということで、本年度の目標、629経営体をほぼ達成できるのではないかというふうに思っておりますし、また、女性や熟年農業者による生産販売グループも新しく9グループ誕生するなど、実績を上げているところでございます。

 次に、「元気な社会」でありますが、今、少子化対策の第3次のプランを練っているところでございます。年度内に新しい計画を策定いたしたいと思いますが、特に働くお母さんたちの支援、父親のいろんな参画、企業との関係など、新しい観点も入れながらつくりたいと思っております。

 このほか、今年度既に進めておりますキッズルームの設置につきましても、本年までに40カ所設置しておりまして、目標が100カ所でありますけれども、一つ一つ進めている状況でございます。また、急病になったお子さんたちのデイケア施設についても、新しく3つの市で設置をいたしているところでございます。

 次に、「元気な県土」といいますか、福井県の基盤整備、高速交通体系の整備でありますが、冒頭、新幹線のお話を申し上げたところでございますが、舞鶴若狭自動車道につきましては、全線の早期完成に向けましていろいろ活動しているところでございますが、この12月4日から敦賀からも工事が着工されまして、東西、小浜、敦賀、両側から工事が進むことになりました。これまで以上に用地買収などを進め、1年でも早くこの区間、50キロの整備ができるように努力したいと思います。

 また、中部縦貫自動車道については、これまで県として大野から岐阜県境油坂峠間のルート決定を強く要望してきたところでございますが、いろんな猛禽類の調査など、何年かの経過の後に、今月の17日に国土交通省より、ルート帯、一定の、1.5キロでしたか、帯によって大体この辺をルートとして採用してはどうかという基本的な考えが示されましたので、今後、県民へのアンケート調査、また環境影響調査をそのルートによって実施する見込みであります。県としては、今後とも一日も早いこのいろんな手続が進むように努力したいと思いますし、また、より福井に近い勝山から福井間については、再来年度までに一部開通をするよう努力をしてまいりたいと思っております。

 次に、「元気な県政」といいましょうか、いろいろな治安の問題や、さらにはその他イメージアップ等のいろんな関係でございますが、1つは、安全・安心の実現ということでは、特に知事就任前は刑法犯認知件数が8年連続で増加しているとか、大変厳しい状況にありましたが、昨年8月に県警察と共同で治安回復プログラムをつくり、その後、いろんな努力をした結果、昨年は9年ぶりに減少に転じ、今年に入りまして、9月末現在では前年度期比2割減ということで、全国第1位の減少を見ておるところでございます。引き続き、身近な知能犯罪でありますとかいろんな問題にも積極的に取り組む必要があると思います。

 それから、先ほど拉致問題のお話を申し上げましたが、5月22日に地村さん夫妻の3人の子供たちが無事帰国をされました。県民とともにお喜びを申し上げたところでございますが、帰国後は一日も早い自立生活ができるようにということで、専任の職員を配置し、嶺南振興局に生活学習ルームを設けて日本語の指導などを進めているところでございます。現在では、周囲の方々とのコミュニケーションには不足がないほどの上達ができていると聞いております。これからは、それぞれ希望する進路に向けて活動範囲を広げていく段階に至っているということで、県としても支援の方向を、3人の皆さんの就職あるいは進学のいろんな道案内といいますか、こうした方向に軸足を移していく予定になると思います。

 具体的には、新年度からの進路希望を踏まえまして、来年正月から3月ごろまでに次のような準備に取り組む予定であります。長女の恵未さんについては就職を希望しておりますので、1月から3月まで公共職業訓練施設、これは小浜にございますが、パソコン等の実務技能の職業訓練を受けられる予定であります。また、長男の保彦君は勉強を続けたいという希望を持っておりまして、日本語学習を続けながら理科系の学習に新たに取り組んでいただいて、大学への編入学に備えるということであります。本人あるいはご両親としては、機械工学ということで地元の工学部を希望していると伺っております。次男の清志君は高校に進みたいという希望でございまして、清志君につきましても1月中旬から3月までに県立若狭高校に体験入学など、高校生活を体験してもらいたいというふうに思っております。

 いずれにしても新年度から、就職先、大学、高校をどうするかという最終的な決定が必要でございます。本人が希望する目標に向けて努力していくことが重要でございますけれども、県としても本人や両親の意向を踏まえまして、できる限りの支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、いわゆる国民保護法制、武力攻撃や大規模テロなど有事の際に県民の生命・身体を守る県民生活の実現の取り組みであります。国民保護計画、福井県としては県民保護計画ということになりますが、拉致事件の発生、原子力発電所の集中立地、また、日本海に面しておる福井県のいろんな立地状況を踏まえまして、全国に先駆けての策定の取り組みを進めてきているところでございますが、この10月には事務局素案を公表し、その後、準備委員からの意見や県民からの意見、さらには12月議会での議論などを踏まえ、調整を行ってきました。このほど県版の国民保護計画案を実務的に取りまとめましたので、本日午後1時半から県庁内で開催する第3回の計画策定準備会にお諮りをしたいと考えております。

 国のほうでは、今月14日に国の基本指針の要旨が明らかになっておりますので、既にいろいろな議論はしておりますので、大きな調整は必要でないかと思いますが、盛り込める事項については県版計画案に盛り込んでいくことになります。

 なお、国は、現在、要旨という段階でありますが、基本指針の決定までに地方の意見を求めていることから、県版計画案に盛り込んだ内容をもとに国に幾つかの提案をしていきたいと考えております。

 今後、基本指針が正式決定後、できるだけ早期に国との正式協議を行えるようにさらに準備を進めたいと考えております。

 それから、イメージアップでありますが、今年4月にブランド推進室を設けまして、ブランド創造に向けた取り組みを進めてまいりました。特に、福井県は男女とも平均寿命が全国第2位ということでありまして、健康長寿を総合的なブランドイメージを想定しまして、イメージポスター、また1,100名を超える福井ブランド大使の活動など、さまざまな取り組みを展開しています。

 今後、福井県が健康長寿県として全国に定着するよう努力してまいります。特に、ブランド大使の皆さんには、いろんな情報を提供し、また御意見をいただいて、ほんとうの意味で活発に御支援をしていただけることが重要でございますので、そういう地道な努力を進めてまいりたいと考えています。

 それから、経済社会活性化プラン、いわゆる「挑戦(チャレンジ)福井」の具体化でありますが、特に観光施策、これについて基本的な見直しが必要だと考えまして、有識者による懇話会の意見を踏まえ、新しく「観光地の活性化」、「宿泊施設の魅力づくり」、「観光の人づくり」、「対象を絞った観光客へのアプローチ」の4つの戦略を柱とする「ビッジット“ふくい”推進計画」を策定いたしました。今後、この計画を実行することにより、本県観光の活性化を実現していきたいと考えております。

 なお、計画の詳しい内容は、本日午後、産業労働部長から発表してもらう予定でありますので、よろしくお願いします。年末にいろいろ重なってありますけれども、節目でありますので、できるだけ必要なものは日を詰めて、物事がスピードを上げてできるように努力しておりますので、よろしく御理解をお願いしたいと思います。また、いろいろお書きになるときには適宜御判断をしていただければ幸いであります。

 さて、今、地方と国との関係が大きく変わろうとしており、三位一体の改革を軸に自治体のあり方を抜本から変える議論が進んでおりますし、市町村合併も、いろいろ厳しい環境の中ではありますが、進んでいるところでございますが、今回の三位一体の改革の全体像につきましては、いろんな点で先送りされた事項も多く、なおなお過渡期といいますか、これからさらに進めなければならないなと思っております。今後とも、福井県の立場で、全国の都道府県と協力しながら、大所高所に立って、地方の自立といいますか、独自性、ほんとうの意味の住民に役に立つ自治体といいますか、そういうことを目指したいと思っております。

 今後とも、マニフェストに基づき、スピードと決断、また県民の皆さんが福井に自信と誇りを持てる福井県ということを目指して、職員一同、全力で取り組む考えでありますので、引き続きの御支援をお願いしたいと思っておるものでございます。

 以上、まだ本年は数日ございまして、今年は何が起こるかわからない年でありますが、現段階での感想といいますか、考え方を申し述べまして私の会見といたしたいと思います。よろしくお願いします。

【司会】

 以上で発表を終わらせていただきます。質問に移りたいと思います。各社、お願いいたします。

【記者】

 今年1年を知事ご本人が振りかえられて、一番印象深かったこと、一番学んだなということを教えていただきたいんですが。

【知事】

 なかなか難しい御質問ですね。一番の印象と学んだ点ですか。印象はやっぱり災害ですね。これまで長い間、地震などはよく意識をしておりましたが、水害は、県民の皆さんもこういう問題についてびっくりされたと思いますし、我々もそうした気持ちを持ちながら全力で取り組んだということで、やっぱり水害などの災害が一番印象かなと思います。

 それから、学んだ点は、特に災害などでもそうですけれども、あることが起こって、それに対する対応、これをできるだけ早く行うといいますか、このことが政治や行政のわかりやすさでありますし、できるだけ筋道を報道の皆さんにも十分お知らせしてわかっていただいて、どんなふうに行政なり福井県の県政が進んでいるんだということをわかってもらうという努力をしました。なかなか十分に至らん点もあったと思いますが、そんなような気持ちでおるところでございますが、しかし、そうした中で、それぞれ被災をされた方、また、被災はされないけれども、そういう方を応援するといいますか、そういう人たちは県内、県外、多くの方がいらっしゃいましたし、また、宝くじなど、2億円の応援もいただくということで、みんなが一生懸命いろんなことをやるという、皆さん方がそれぞれ頑張っていただいて助け合って地域がよくなるんだなという、そういうことを学んだというように思っております。今、感じた限りで申し上げますと、そういうことであります。

【記者】

 合併協議のことなんですけれども、春江町長が協議会において離脱の表明をして混とんとしているんですが、順調に進んでいるところとそうでないところがあるかもしれないんですが、今までの合併協議をごらんになって、来年の取り組みも含めて、お聞かせください。

【知事】

 全国的に合併の動きを見ますと、割合、合併が進んでいる都道府県とあまり進んでいない都道府県があるように思いますね。進んでいる、進んでいないというのは、数の面で、地域の事情は私は十分知りませんが、見ますと、福井県は比較的進んでいる状況にあるかなと、このようには思っております。もともと市町村の数が、前回の昭和の合併で富山県と福井県が最も市町村の数が少ない県になっていますね。そうした中でさらに進めておりますので、順調にいきますと、さらに平成の合併でも非常に市町村の合併が進んでいる県になるかなと思っておるんですが、ただ、今おっしゃられますように、坂井郡のいろんな合併など、いろいろ難航している部分もあると思いますが、まず市町村の合併というのはいろいろ事情がありますけれども、ともかく市町村、そして市町村長、議会、こうした皆さんが、いろいろ難しい点もあり、またご苦労もあると思いますが、ともあれ、民主主義といいますか、デモクラシーの中で、いろいろ試行錯誤、あるいはいろんな悩みを抱えながら、最大限、最後までいろんな議論を進めていただくということが大事でございますので、まずその状況を十分見守りながら、また、必要ないろんな県としての指導も今並行して行っておりますので、そうした状況を十分踏まえて対応したいなと現段階で思っておる状況であります。

【記者】

 大きな成果で今挙げられました新幹線なんですけれども、一応の形にはなりましたが、年明け以降、具体的に、これまでは駅の整備ということで取り組んできたんですけれども、今後の運動はどういう形で、具体的にどういうことになさっていくお考えでしょうか。

【知事】

 まず、当面は福井駅部のいろんな工事の仕方、スケジュールなど、関係者が多いですから、そして国とのいろんな調整もすぐしなければなりませんので、それを最大限に急いでもらいたいと、このように思います。

 それから、福井駅部については、来年度初めに着工し、4年後の20年度末の完成を目指すということでありますから、それはそれとしておくれないように進めなければならないというふうに思います。

 並行して、基本的な新幹線の方向が出ましたので、これに伴ういろんな産業政策、観光政策、福井駅前のまちづくり、あるいは、えちぜん鉄道、福井鉄道などいろんな公共交通機関の整備についても具体的に進める状況になりましたので、その対応を急ぎたい、このように思います。

 それから、これからさらにその後のいろんな対応、これは今すぐどうだということを申し上げる段階ではありませんが、いろんな準備を怠ることなくしなければ、富山、金沢、福井というほぼ同時期の利用といいますか、そういうことがおぼつかないですから、そのための努力をしてまいりたい、とこのように思っております。

【記事】

 今のお答えと重なる部分があるかと思うんですけれども、今年1年を振り返って、知事として今年一番の成果と、今年一番課題に残った、課題としてこれが一番課題だったなということ、それぞれ挙げていただきたいのですが。

【知事】

 成果としては、やはり、長年懸案でございました新幹線ですね。それから中部縦貫道なども一つ動き始めましたので、そういう基本的な公共交通機関ですね。福井県へ公共交通機関の突破口がそれぞれできたといいますか、新幹線、それから中部縦貫道、さらには舞鶴若狭自動車道も両方からするんだと。福井県にはありませんが、小松空港についても国際的な空港として、福井県が非常に石川県以上に利用している小松空港の上海便などができたということで、いろんな意味での交通基盤の突破口といいますか、そういうものが動き始め、また現実化したということが大きいかなと、このように思っております。

 あと、何でしたか。

【記者】

 課題というか、今年一番の反省点ですね。

【知事】

 反省点、どうかな。ちょっと考えさせて。すぐに出てこない。今ちょっといろいろ考えさせていただきます。

 その間に、何かほかに。

【記者】

 今、新幹線なんですけれども、来年度着工ということでめどが立ったのですが、構造についてこれからの議論になるんですけれども、改めて今のお気持ちというか、どういうふうに進めたいかと、中央のほうで2階部分にというお話もあるんですけれども、その案についてどうお考えなのかお聞かせいただけますか。

【知事】

 これまでずっと3階案ということで実務的には検討してきた経緯がありますので、それをもし違う案として見直すことになりますと、いろんな議論が出てくると思いますね。その際は、やはり、まず安全面が1つありますね。安全面ですね。それから利便性ですね。ご利用になっている、これはJRの在来線、それからえちぜん鉄道、そういう利便性ですね。それから、福井県といいますか、地元にこれまで考えている案以上の余分な負担がかからないといいますか、こういうふうなことを十分考えながら折衝し、また、よい案をわかりやすい形で、県民の皆さんにオープンな形でわかってもらうという、そして結論を出すと。これは国会議員の先生方にまた入っていただかないと、先頭に立っていただかないとなりませんけれども、そういうふうなことで努力したい、このように思っております。

【記者】

 今の言葉を聞きますと、何かある程度妥協点を見出す努力はされるというふうに受け取れるんですけれども。

【知事】

 まだ議論が始まっておりませんので、何かそういう案が一部出ているということに対しては、そういうことを十分に考える必要があると。もちろん、現在、我々は3階ということで話をしておりますので、それを基本に、それを変えるような大きな理由があるというのであれば、そういうことが必要であるということで申し上げたところであります。

【記者】

 今の関連になりますけれども、要はえちぜん鉄道の乗り入れ方をどうしようかということに絡んでくるんだろうと思いますけれども、存続を考える中で、いろんな、田原町経由でという意見が出ていた時期もあって、それをオーソライズさせて結局3階という今の案になったんですけれど、もうちょっと議論する過程で、もとに返って田原町経由案とか、もっと違う乗り入れ方法もあわせて考えるということはあり得るんですか。

【知事】

 そこまでは議論は拡散しないと思いますけどね。基本的に今までずっと工事をする人たちとも2階、3階の議論として、また地元としてもそうしてきましたから、それが何か大きな不都合があるとか、あるいはコスト的にどうなのかという議論がどれくらい可能なのかということだと思います。現状は、まだ具体的な案を聞いておりませんし、そういう状況であります。

【記者】

 済みません。全然違うんですけれども、豪雨の県が独自に設けた住宅再建支援補助金のことなんですが、利用率が33%とありましたけど、これは県議会なんかでも大工さんが少ないからだとかというような説明が課長の方からもあったんですけれども、それではちょっと利用率の低さというのが説明がつかないような部分もあると思うんですけれども、それが例えば県民の皆さんに周知されていないですとか、使い勝手についてちょっと異論があるとか、そのあたり、知事はどう考えておられますか。

【知事】

 県議会でいろいろお答えをしておりますが、さらに、年明けに、市町村ともう一度いろんな数値などの精査をする必要があるというふうに……。大もとの市町村からの申請が実態にどれくらい……。若干誤差があるような議論もありますので、そうしたこと、それから、いろんな工事をする大工さんとかそういう人たちの問題、さらには、今おっしゃるように、十分な手続なりの理解を最終的にしっかりした上で利用できる人は必ず使っていただけるような努力をしたいと、このように思います。

【記者】

 市町村の応募数に誤差があるんですか。

【知事】

 多少、制度をつくったときに、市町村からあなたの町はこういう方は何世帯ありますかという数字なども少し大き目に出ているところもあると思います。逆もあるかもしれませんが。大き目に出ているところは普通、いろんなごみの処理などもみんなそうなんですが、少し大き目に一回出て、そしてまた少し小さくなるというのが実態だと思います。そういう点もちょっとあったりするのではないかと思います。もう一度、特に福井市などを中心に、よく精査をし、そして、ほんとうに必要な、利用してほしい方には必ず利用できるように努力をしたいと思います。もともとあれはいつまでだった、年度末か。

【政策幹】

 はい、そうです。いろいろ段階に応じてあるんですが、床上は年度末ということです。

【知事】

 なかなか、工事もそんなに、我々が頭で思うほど、我々の家庭とか家事を考えてもそうですが、進みませんので、そういうところも少しあるのではないかとは思いますが、しかし、利用できる方には必ず利用していただくというふうに考えています。

【記者】

 「もんじゅ」の件なんですけれども、知事は県会の終盤のところで、年明けにも判断ということで、環境が整うだろうというふうな見通しを示されたわけなんですけれども、知事はかねがね、運転再開というものと改造工事入りというのはどちらかというと一体のものであって、それを引き離して考えるのはなかなか県民にも説明がつきにくいという考えで、敦賀市長なんかは別々にハードルを設定するような考えで、またちょっと違った考えを示されてきたんだと思うんですけれども、判断されるときには、別々にお考えになるのか、それとも、改造工事をすれば当然運転再開へつながるであろうという、そういう一体のものとしてとらえて判断されるのか、そのあたりの整理というのはついていらっしゃるのでしょうか。

【知事】

 「もんじゅ」については、いずれにしても、年明けに、サイクル機構など、「もんじゅ」を直接管理し、責任を持っている団体、組織の「もんじゅ」に対する位置づけを明瞭にしていただくというのが一つありますし、それから、エネルギー研究拠点化計画の見通しによって判断が行われると思います。

 それから、「もんじゅ」の改造工事、それから実際動かすということですか。

【記者】

 ええ。普通の人間から考えれば、動かすために改造するんだろうと。それを認めれば当然再開についても一定の判断を下したということになるというのが常識的な考え方だと思うんですが。

【知事】

 それは、特段の理由のない限り、通常はつながるというふうに私は思っています。

【記者】

 確認なんですけれども、知事としては、改造工事のOKと運転再開のOKは別に設けないで、運転再開は、改造工事に入った時点で、それはそのまま続いていくというか、そのまま認めたということでよろしいんですか。

【知事】

 そうではありません。一般的な事柄として、そういうことを考える場合には、特段の理由がない限りはそういうことに普通はなるだろうということを今申し上げました。しかし、いろんなファクターといいますか、条件なり要素が入りますと、またそれはいろいろな判断があり得るというふうに現段階では思っております。

【記者】

 つまり、運転再開は別判断を、また、すると。

【知事】

 いやいや、今、そこまで行っている状況ではありませんので、まず、「もんじゅ」をどうするかという一番最初の入り口のことを考えるべきであって、その先を議論していません。ただ、一般的な事柄として申し上げればそういうことでしょうと。何か事柄を区分して物事をその点について今申し上げなければならない条件にはないだろうということを申し上げました。

【記者】

 突っ込んで聞くようで申しわけないんですが、新たなさまざまなファクターがまた発生すればという、そういう新たなファクターが発生する余地というのはあるんでしょうか。

【知事】

 今、いろいろわからないんです。そういう状況にないですから具体的に想定できないということです。まず、「もんじゅ」の改造工事をどういう条件のもとにどうするかというのに大きな判断を費やす必要があるという、こういう状況であると。そして、一般的に物事を進める場合に、あるものとあるものとを区別するときにはしかるべきファクターが入るだろうと。何もなければ通常はつながるだろうということを申し上げました。

【記者】

 原子力問題に入ったついでにお伺いしたいんですけれども、先日、一市町村長が関電の本社に伺って、原子力事業本部を通常なら若狭支社に持ってくるだろうというのを関電さんが表明されていらっしゃるらしいんですけれども、県としてはどう考えられますでしょうか、原子力事業本部の立地場所について。

【知事】

 原子力本部については、中枢的な機能を福井県ということですので、どの地域だということが必ずしもつながるものではないと思います。福井県内でいろんな判断をしていただき、事業者としてどの地域でやるのが最も有効かということを関西電力として判断していただきたいということであります。

【記者】

 ということは、若狭支社でもOKということですかね。

【知事】

 まだ具体的にいろんなアイデアをいただいておりませんので、どういう人員の配置がよろしいのかという、あまり我々として、こっちや、あっちやということを申し上げる基本的な立場ではありませんが、ただ、中枢管理機能を福井県に置いていただく場合に、どういうのが最も合理的かということだと思います。

【記者】

 やっぱり県都に近いほうがよろしいんですかね。

【知事】

 これはいろいろ、どういう機能部分がこちら、例えば福井とか、これはこちらというふうに考える必要があるでしょうね。

【政策幹】

 なお、先般の報道につきまして関西電力に直接確認いたしましたが、具体的な場所の言及はなかったと明言しておられました。

【記者】

 原子力関係につきましてもう1点お伺いしたいんですけれども、プルサーマルについて、かねてから知事は、今回の事故で、県民の信頼が失われて、それが回復できないと進めるわけにはいかないとおっしゃっていましたけれども、3月にもう了解自体は出したわけですけど、その後、お考えに変化があれば。きょう、もう一度お考えをお聞かせください。

【知事】

 今回の美浜の事故、あれは、関西電力のいろんな品質管理なり、あるいは安全性をめぐるいろんな基本的な姿勢、それにかかわることですから、その全体の方針といいますか、事故の原因や再発防止策、またそれに基づく全般的な県民の理解、信頼といいますか、これを回復しないと前に進めないということを前から申し上げているところであります。ですから、今はその段階ですね。

【記者】

 来年の3月には、国の事故調と関電のほうからも最終的な報告が出てくると思うんですけれども、それが関電の品質管理や安全性をめぐる姿勢を判断されるときの材料になるんでしょうか。

【知事】

 それはもちろん、1つのファクターだと思いますが。

【記者】

 それは大きなファクターですか。

【知事】

 ほかにも、例の火力発電所の最終的な事柄なり、いろんなことがありますので、全体的に考える必要があると思っております。それから、原子力全体の本県への拠点化計画─拠点化といいますか、原子力本部を移すというのはどういう姿勢で移されるのかということとか、いろんなことを見る必要があると思います。

 先ほどの反省点としては、こういう原子力についていろいろお尋ねをいただくんですが、なかなか先の話がいろいろ多いものですから、もう少しわかりやすくご説明なりお話を申し上げたいんですが、なかなか十分にできていないという点が反省点だと今感じました。

【記者】

 これは、この話は来年に聞けと言われるかもしれませんが、今のお話を聞いていますと、今年1年の成果ということで、整備新幹線であったり、中部縦貫自動車道であったり、インフラの整備がある程度めどがついたということを成果として挙げられたんですけれども、県民から見ると、やっぱり目に見えるものができるということが1つの成果ととらえがちだと思うんです。例えばハコモノでいえば、こども家族館であるとか、丹南の総合公園であるとか、まだ大きなハコモノの事業も今後続くと思うんですけれども、ハードではなくてソフトの面で県民にアピールしていくこと、まあ、任期も残り2年になると思うんですけれども。たとえば、それはマニフェストの成果だったりもすると思うんですが、今後の県政運営で、ソフト路線というのはもう一度どういうふうに県民に示していくのかというお考えがあれば教えてください。

【知事】

 国に依存するところが多いんですね、国の判断なり。しかし、特にマニフェストについては、そういうものではなくて、今おっしゃられたようなソフト、教育や福祉、あるいは環境等々、そういうものが具体的に書いてある部分が多いわけです。ですから、マニフェストを着実に実行するということがそうした事柄につながると私は思っておりまして、特にこれからの教育、それから、今、少子化対策を進めておりますね。それから、来年は国民文化祭、文化振興にどうつなげていくか。

 それからもう一つ、大きな課題としては環境の問題です。これも十分に目に見えるような形で進んでいないという点がありますので、これも1つの反省点かもしれません。そうした点を具体化すると。

 何といっても、そうしたことを基本的に進める基盤として、やっぱりまだ福井県は全国的に、これまで、立地条件としてはそんなに悪くありませんけれども、さらにそれを、他の地域がよりここ二、三十年の間に進んでおりますので、おくれをとらないという意味で、インフラといいますか、そういうものが基盤として必要であろうということを申し上げたところでありまして、来年、マニフェストについても、またいろんな形でチェックしていただく必要があるなと思っております。2年目でありますので、ちょうど折り返しのところでありますので、そんなふうに思っています。

 あわせて、マニフェストというのは4年間のものでありますから、長期的な考え方、20年、あるいは25年、それを今、内部で作業を、若い人を中心にやっておりまして、それを受けて、福井県のさらに長期の夢とか希望をどんなふうにしていくかを今考えている、そういうところであります。おっしゃるとおりの考えを私は持っております。

【記者】

 2030年のあり方とか、これはいつぐらいをめどにまとめられるんですか。

【知事】

 本年度にまとめようと。なかなか難しい課題だと思っております。

【司会】

 ほか、ございませんか。

 ないようでしたら、これできょうの記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

── 了 ──


 

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