知事記者会見の概要(平成17年2月21日(月))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002793

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平成17年2月21日(月)
10:30~11:50
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【司会】

 おはようございます。それでは、ただいまから知事の定例記者会見を始めさせていただきます。

 初めに、きょうは、福井治安回復プログラム関係の発表をさせていただきまして、これに対する質疑を受けて、その後、引き続き知事のほうからまた発表を続けさせていただきます。そういうことで進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、知事、お願いします。

【知事】

 おはようございます。きょうは、最初に、治安回復プログラムの結果及び新しい2005年のプログラムの考え方、それから、それを終了いたしますと、拉致被害者に対する支援の問題、3番目に当初予算案のご説明と考え方について申し上げたいと思います。

 きょうは、まず最初に、治安回復プログラムということで、本部長もお見えでございますので、御一緒に最初にお話を申し上げたいと思います。

 福井治安回復プログラムの取組結果、また、2005年の方針ということでありますが、福井県では平成15年の夏、8月に、全国で初めての方法として、県の公安委員会、県警本部、そして県ということで、3者共同で優先的に治安対策に取り組もうということで、治安回復プログラムを策定いたしました。

 本県の治安情勢は、平成14年まで8年連続で刑法犯認知件数が増加をしておりました。また、さらに最近の3年間は戦後最多を記録するということで、極めて深刻な状況にございました。こうした状況を踏まえ、このプログラムに基づくいろんな治安対策を実施した結果、刑法犯認知件数は、平成15年、16年、2年連続減少し、プログラムで掲げました目標でございます17年3月をめどに歯止めをかけるという目標を達成したものでございます。特に、直近の平成16年は、刑法犯の認知件数の減少率が前年度比19.5%、2割近い減少ということで、全国第一位の成果が上がったところであります。

 とはいうものの、16年の刑法犯認知件数は10,060件ということで、過去に比べますと件数自体は1.8倍あるわけでございまして、依然として厳しいわけでございます。このため、今般、治安回復プログラム2005を策定して、それに基づいて、身近な知能犯罪抑制とか、全国初めての取り組みとして防犯ドクター、防犯設備士、家のいろんな防犯体制を整えるといいますか、そういう警察官との共同による防犯施設診断を行う、犯罪に強いまちづくり事業、さらには、全国でも例がない規模での、子供の見守りといいますか、「子ども安心3万人作戦」などを17年度予算に計上いたしております。

 こうした施策をしっかりと実施することで、治安の道筋をさらに軌道に乗せまして、名実ともに一番安心な地域が福井県だと、こんなふうに目指したいと思いますので、皆さんの御理解と御協力をお願いしたいと思います。

 まず、冒頭、私から御説明申し上げました。

【警察本部長】

 ただいま知事からコメントがございましたけれども、このたび、新たな治安情勢に対応するという、そのための施策・事業、これらを盛り込みました福井治安回復プログラム2005を県と共同で策定いたしました。

 現行のプログラムの成果につきましては知事から御紹介いただいたところでございますけれども、治安回復に向けた取り組みはようやく緒についたばかりでございます。県警察では、今後とも、県民の皆様をはじめ、県や市町村などの御協力を賜りつつ、組織の総力を挙げて、新しいプログラムに掲げました事件・事故の抑止、検挙や、犯罪に強いまちづくりに向けた各種施策を着実に推進しまして、治安の回復傾向を定着させてまいりたいと、このように考えております。

 また、こうした警察活動を支える基盤の強化を図るために、交番の再編整備、あるいは福井警察署の機能強化、県警察の組織及び人員配置の見直しなどにも積極的に取り組んでいくことにいたしております。

 なお、交番機能の強化計画につきましては、本日午後、新しいプログラムの内容とあわせまして、警察本部において詳細な御説明をさせていただく予定にしております。

 いずれにいたしましても、安全で安心できる社会の早期実現を図るために、引き続き、県民の皆様をはじめ、関係各位の御理解と御協力を切にお願いしている次第でございます。

 どうかよろしくお願い申し上げます。

【知事】

 関係の予算のほうは後ほど御説明いたしますが、この点については特によろしゅうございましょうか。

【司会】

 何かご質問があれば、お願いいたします。ありませんか。

【知事】

 それでは警察本部と全力で取り組みたいと思いますので、よろしくお願いします。

【司会】

 では、続いてお願いいたします。

【知事】

 次に、2点目でありますが、拉致被害者・家族への支援の最近の状況であります。

 地村さんの子供たちでありますが、それぞれのいろんな将来への希望をお持ちになりながら、学習あるいは職業訓練を進めているところでございますが、きょう、地村さん夫妻から現在の状況についてコメントを出されたと聞いております。

 地村さんの長女の恵未さんは地元の金融機関への就職が内定されたと伺っておりますし、長男の保彦君は、本日、福井大学から工学部機械工学科の編入試験に合格、2年生に編入する旨の連絡があったということであります。また、次男の清志君については、若狭高校でこれまで生活体験をしてもらっておりますが、十分に御本人の意向も固めてもらった後、4月には正式に生徒として編入する予定であるということであります。就職、進学、それぞれ努力された結果、目標実現のめどが立ったことは、日本語の学習、生活支援に取り組んできた福井県としても大変喜ばしく、現段階での安心を抱いているところでございます。このほか、まだこれからもいろんなことがあると思いますけれども、これまでの地元関係者、また大学、学校等の温かい御配慮、御協力に対して深く感謝と敬意をあらわすものでございます。

 実際の新しい生活のスタートは、春、4月からになると思いますが、今後とも、御本人、両親の意向を踏まえて、できる限り支援をしてまいりたいと、このように考えているものであります。

 以上、地村さんの御家族の最近の状況の御報告をいたしました。

 次に、新年度、平成17年度当初予算案の概要について御説明をいたしたいと思います。

 資料につきましては、お手元に、要旨と、発表資料、資料ナンバー1からナンバー7までのこういう資料が配ってあると思いますので、あわせて見ていただきたいと思いますが、基本的には私のほうから口頭で概略を申し上げたいと、このように思います。

 まず、当初予算の重点的な課題、つまり基本的な考え方について申し上げます。

 新年度の予算については、ちょうど私の知事の任期の折り返しの時期に当たりますので、これまで2年間、スピードあるいは決断ということで全力で県政に取り組んできたところでございます。その結果、新幹線の問題、あるいは高速道路、空港など、また景気・雇用対策、さらには福祉・教育の充実など、県政の重要課題につきましては、今後の具体化を図る上での道筋とか方向性、先の見通しを幸いにしてつけることができたと思っておりますので、これからはいかにこれを具体化するかということではないかと思います。新年度は、これまでの成果をより大きく結実させるように、実行、行動しなければならない年度であります。県民の皆さんが具体的な成果を直接実感していただけるような考え方に基づいて実効ある施策を推進するということを基本に予算の編成を進めたところであります。

 なお、新年度の予算では、国の三位一体の改革がなされまして、本県では約61億円の国庫補助負担金の廃止が行われるものでございますが、これに伴いまして約62億円の税源移譲がなされることになる予定であります。ただ、内容が、義務教育の一部、また国民健康保健といった、ある意味で制約的なものが大部分でございまして、県の裁量が十分発揮できるような税源移譲にはなっていないことは大変残念なことでありまして、今後とも、地方分権の理念を踏まえまして、こうした地方への権限の移譲、税源の移譲の拡大につながるよう、今般、全国の知事会の新会長も選任をされましたので、新会長を中心に最大限努力をしてまいりたいと、このように思っております。特に、3兆円の税源移譲の残りの2割の国庫補助負担金の内容がまだ特定されておりませんので、新年中に結論が出されることになると思います。

 さて、平成17年度の本県の財政は依然として厳しい状況にあるわけでございますが、昨年2月に、行財政構造改革プログラム、いわゆる行革プログラムでありますが、そこで、外郭団体を統合したり、事務事業、補助金の見直し、また、それに伴って財源を確保しながらマニフェストに掲げましたいろんなプランを実行できるように、今、努力中であります。

 このうち、景気対策については、「挑戦(チャレンジ)福井」ということで、昨年度、精力的にいろんな施策を取りまとめまして、昨年から既に実行しております。その結果、国の施策とも相まって、全体として経済は回復基調にございます。雇用情勢も有効求人倍率が1.2倍を超すなどの状況にございますので、こうした施策を着実に進める必要がございます。

 一方、産業の中で農業についてはいろんな課題がございまして、対策が急務でございます。今日、農業は、若者あるいは高齢者の雇用の受け皿にもなります。また、生きがい、また健康の問題、長寿の問題、いろんな機能を持っておるわけでございますので、「挑戦(チャレンジ)福井」でも農業の問題をいろいろ議論しましたが、今回は特に、製造業などを中心にした産業については回復傾向が見られ、また施策も具体化がなされ始めましたので、農業を含めた問題、全体を含めた産業対策を進めなければならないという実感を持っておるものでございまして、今回の予算編成に当たっては、産業については特に農業の振興に力を入れていくことを新たに加えたものであります。もともと農業を振興しているわけですが、特に力を加えようというものであります。

 また、少子化対策、子供の安全・安心、さらには高速交通体系の促進など、次の6つの項目を重点課題にいたしておるものでありまして、御覧のとおりであります。

 2番目でありますが、予算編成における技術的な工夫について数点申し上げます。

 1つは、政策論議を冒頭行いまして、ボトムアップといいますか、そういうことも大事なんですが、大体の道筋を先に決めた後、いろんな予算編成をしたものであります。特にその実施に当たりましては、現場の状況をよく把握しているか、それから、ある施策について全国の状況はどうなっているか、その福井県の進みぐあいがどうかということ、それから関係施策の情報を十分把握して考えているかなどをベースに作業を進めまして、全国レベルの政策競争を進める中で、そういうものに決して劣らないような仕事の進め方ということで予算編成に努めたものであります。

 なお、公共事業につきましても、昨年から県の単独事業で一件審査、個別審査をチェックしていますが、今回はこれに国庫補助事業なども加えまして、十分現場主義の徹底を加えたものであります。下に本県独自の施策の例として幾つか載っておりますけれども、「子育てマイスター」ということで、お母さんや、お父さんの場合もあると思いますが、それぞれ児童館、公民館でいろいろ相談したり、遊ぶといいますか、そういう場をよりきめ細やかにつくるとか、「子ども安心3万人作戦」、今ほど安全・安心の話を申し上げましたが、小学生は約5万人、福井県にいますけれども、それを、3万人の県民による見守りといいますか、そういうことをする。あるいは、小中学校の耐震の促進、これは市町村の事業が中心でありますが、これに県が支援するということで、こういうものは、例の大規模地震で問題となっております特例法の対象であります静岡県以外では初めての施策であります。

 そのほか、犯罪に強いまちづくり、あるいは伝統民家普及事業、食の問題等が独自の施策の一例としてあると思います。

 もう一つは、部局を超えた仕事の推進ということで、縦割りを廃止した仕事をするように指示しております。行政の縦割りというのは責任が明瞭になりますので、それはいい部分もあるんですが、一方で仕事が消極的といいますか、そういうことになりまして十分な成果が上がらないという問題があるわけでございまして、そういう意味での壁や階段といいますか、縦割り廃止の仕事というのをかねがね申し上げているところでございますが、こうした部局の横断的な事業をすると同時に、機構改革もそのようにしたいと思います。部局横断施策の例としては、企業の父親子育て奨励事業、あるいは食育推進事業、それからマイタウンパトロール隊育成事業については、それぞれ関係部局が幾つかにまたがった事業になっておるというふうに思っております。

 それから3つ目は、きょうは予算の話をしておりますけれども、職員提案型の、予算外といいますか、予算に直接強くかかわらない、あるいは予算を使わなくてもいいような事業についてもあわせていろいろ提案をし、実施したいと思います。例としては、ユニバーサルデザインのまちづくり、第二のふるさと定住促進事業、それから、記念といいますか周年、アニバーサリーを活用した情報発信事業、健康・長寿のバイスクールというのは自転車活用の事業ですね。それから、図書館サービス向上。図書館はいろんな方、万人向きの窓口となっておりますが、産業支援でありますとか、あるいは職員・司書等による学校の授業や行事での活用など、図書館利用の拡充をより高度化するというふうな内容について予算外事業としていろいろ進めたいと思います。そのほかいろいろあると思いますが、一例であります。

 4つ目は県民との連携でありまして、下にいろいろ書いてはございますけれども、ボランティアですね。例えば、すみずみ子育てサポート事業については、保育士さんとか保健婦さんが個人で場所を提供して、いろんなサポートをすることがこの中にあるものでございます。

 また、一番下に書いてございますように、北陸新幹線がこれから、福井駅部を数年間で整備しますが、その財源として県民参加のミニ市場公募債を募集し、県民の方々から資金を提供していただいて事業を進めることも考えておるものであります。もちろん後でお返しするということになります。借入金でありますので、お返しすることになると思います。

 それから、5つ目でございますが、政策形成過程からの県民参加ということで、私自身が参加しておるいろんな会議や集会、また意見公募などによって、一例でございますが、そこに書いてございますような事業について具体化をしたものでございます。

 以上のような考え方でございますが、以下、具体的に資料の1をまず見ていただきたいと思うのでありますが、これから予算の御説明をいたします。

 1ページは、当初予算のスケール、規模を示したものでございます。一般会計、特別会計、企業会計、合わせて5,479億円余りであります。このうち、通常の一般会計については4,946億円ということで、マイナス1.2%(98.8%)であります。これは、地方財政計画、全国の来年度の予算の見積もり、それと大体同じぐらいになっておるものでございます。

 今回の予算につきましては、これまで人員削減、また大型施設の整備抑制に努めると同時に、少子化あるいは食育といった、よりきめ細やかな事業をしっかり進めると。また、福井豪雨災害などの公共投資についてはできるだけ早期に事業を実施するということで、いわば必要なものは進める、不要なものは抑えるということの意味でのメリハリをつけた積極的な予算というふうに考えておるものでございます。

 予算については、いろんな経費を性質別に分けるということが通常あるわけでございまして、4ページに目的別ではなくて歳出の性質別の分類が書いてございますが、義務的経費ですね、人件費など、あるいは公債費、これは3.3%の減であります。特に公債費、借金の返済ですけれども、15年ぶりに減少を見ておるものであります。ずっと公債費が増えておりましたけれども、ようやく今回減少の傾向に達したと。投資的経費は、今回、災害などがございまして7.1%の増でございます。福井豪雨災害では202億円の予算を計上いたしておりますけれども、これは国庫補助金が半分、また交付税などが充当される地方債がさらに65億円ございますので、直接本年度必要な税金等は10億円にとどまるということになるものであります。

 行革プログラムの関係で見ますと、17年度当初予算においては予想しなかった豪雨対策が計上されましたので、いろいろ問題はあったのでございますが、いわゆる貯金、財政調整基金の取り崩しは95億円に抑えられたということで、目標が96億円になっておりましたので、その範囲内になりました。これはお手元にお配りしております説明資料の11ページの右上にいろんな関係資料が入っております。

 なお、基金全体、他の貯金もあるんですが、これについては、16年度においてはいろんな合理化などによって、もともと積んでおりましたのをまた積まなくてもいいようになったということで、減少などがございますので、目標額が199億円でありましたのが71億円多い270億円を年度末として残しておくことができたという意味であります。

 それから、借金の依存度については9.4%、10%以内になっております。

 また、経常収支比率、これは独特の概念でありますけれども、税金など経常的に入る財源を分母にし、人件費など絶えず義務的に支出しなければならない経費を分子に置くわけでございますが、目標の95%以下ですね。これは小さいほど弾力性があるということになりますが、そういうことになっております。かなり硬直化していることは事実でございます。その中でもまあまあ抑えられています。

 起債制限比率、借金の借入割合でありますが、15%以下に一応とどまりました。

 また、プライマリーバランスでありますが、これは、県全体としては借金をして、目的は違うんですが、収支としてはこれを各年度毎年返すことがあるわけですが、借りる以上に返すといいますか、そういう状態になりますとプライマリーバランスが赤字になりますが、国の場合にはそういう状況がずっと最近まで続いてきていますけれども、福井県としては12年度以降は黒字になっており、17年度も黒字であるということであります。

 お手元の資料の6、1枚紙でありますが、行財政構造改革の実施によりまして、今まで申し上げましたようにいろんな改革をし、66億円の財源を確保しておりますので、これを、マニフェストで掲げました特別の事業を政策推進枠に充当して、財政の健全構造を維持しながら事業を進めたということになっております。

 以下、資料3、主要事業をもとに主な事業内容について概略説明をいたします。

 まず、先ほどの主な柱に沿って6項目にわたって申し上げたいと思いますが、産業の活性化については、昨年、「挑戦(チャレンジ)福井」に掲げました施策をまず着実に本年度も進めるということになるわけでございます。それについては資料4に詳しく書いてございますので、御覧いただきたいと思います。

 今回の編成では、今まで申し上げましたように、これに加えて農業問題に力を入れることにいたしましたので、ここで申し上げたいと思うのであります。農業につきましては、昨年4月に活性化推進本部を設けまして、県大の学長さんなどの御助言もいただいていろいろ進めておりますが、1つは自立する農業ということで、米以外の園芸品目の農業所得を増加させる戦略が重要かと思います。そうなりますと、特に、13ページにございますが、モデル的に坂井北部丘陵の畑作といいますか、この地域で園芸の4分の1を占めておりますので、ここで具体的な仕事を進めるということが、県下全体への影響が非常に大きいと思います。そういう手法を使って、自立農業また園芸農業に着手したいと、このように考えます。また、新規園芸就業者など認定農業者の支援を行ってまいりますし、新しいイチゴやトマトの開発、ナシの開発なども進めたいと思っております。一方で、企業型農業を進めなきゃなりませんけれども、他のいろんな農業の目的もあるわけでありまして、本県農業人口の9割を占めます兼業農家の支援もまた一方で進めなければなりません。

 14ページにございますけれども、農業改良普及事業に、10年以上従事したOBの皆さんとか、こういう経験のある人たちを支援員として委嘱して、いろんな指導をするという、こういう方法をとりたいと思いますし、女性や熟年農業者のバックアップも、今、生産額が非常に上がっておりますので応援をしたいと思います。

 それから、林業につきましては、間伐を重視する、それから木を切って使う、こうしたプロジェクトを強化したいということで、プロジェクトが書いてございます。

 15ページは、福井米、福井野菜、健康・長寿をブランドにしたアピールが大事だろうということで、インターネットによるいろんな物産展の開催、「イクヒカリ」のブランド化のバックアップがあります。

 16ページは食育ということで、これは農業以外のいろんなセクションにもまたがるわけでございますが、伝承料理の学校給食の活用、栄養教諭の配置、食育モデル推進などを部局横断でやりたいと思います。

 2つ目は観光でありまして、観光地の活性化であります。これまで観光宣伝を主にやっておりましたけれども、それも大事でありますけれども、観光地を重視したいということであります。行政だけでやりますとなかなか効率的にもなりませんので、観光協会がこれまでの中核的な役割を担っておりますけれども、さらに、観光協会を中心に民間手法で弾力的にできるように、職員の派遣とか観光プロデューサーの配置等々を進めたいと思っております。

 それから、17ページに書いてございますような、温泉への支援、国際観光などのボランティアの人づくり、ここには書いてございませんが、語り部などの応援も要ると思います。

 18ページは、ターゲットを絞ったアプローチということで、児童・生徒に対する誘客、台湾・韓国・中国などの誘客活動を進めたいと思います。

 それから、18ページの下のほうはエネルギー対策でございます。これは既に拠点化計画でも御説明をしておりますので詳しくは申し上げませんが、国においても20億円近くの予算を計上しておりますけれども、県としても、エネ研、若狭湾エネルギー研究センターを中心に関係機関、市の連合体をつくって、こうした事業を進めたい、このように思っております。

 20ページは子供の問題でありまして、少子化対策であります。3月までに最終的な第3次の、これは「ふくいっ子エンゼルプラン」に相当するものでございますが、少子化対策計画を策定する必要がありまして、今、最終的な調整をしておりますが、特にこの中で、従来の施策は進める必要がございますけれども、女性にかかっている大きな負担を軽減するためのいろんな応援、それから、一時的に預かる場合に、施設のみならず個人の身近なところでも資格を持った人のところで気楽にできるといいますか、身近にできる、そういう施策を進めたいと思います。

 それから、21ページに書いてございますように、今回は、父親の意識改革、それからお父さんやお母さんがお勤めになっておる企業を通じての子育て対策に、対策を広げてまいりたいというふうに思うのであります。そのほか、結婚の問題についても応援をしたいと思います。

 22ページでありますが、子供の安全・安心でありまして、「子ども安心3万人作戦」、児童虐待対策、24時間体制の相談窓口の設置。それから、22ページの下にございますが、これは若い方で突然死ということがあり得るのでございまして、実際そういう例もあるんですが、そうしたいろんな方のご意見もお伺いして、除細動器の設置を必要な施設に行いたいと思います。

 それから、23ページは、嶺南地域の、また小児療育を現段階でまだ十分サービスが受けにくい地域について、いろんなバックアップ等、連携を進めるという事柄が書いてございます。

 23ページの下から24ページについては、先ほど申し上げました耐震構造の問題であります。

 25ページは高速交通体系でございまして、新幹線、それから、4月18日にJR在来線の高架切りかえがございますが、関係する見学会等を3月20日に行う予定にしておるものでございます。高速道路については、これからもさらに舞鶴若狭自動車道あるいは中部縦貫道について次の段階を目指して進めたいと思います。それから、地域交通ネットワークについては、道路、鉄道、いろいろございますが、小松空港から福井県内へのアクセス観光道路についての可能性調査、また福鉄の低床車両化、えち鉄との相互乗り入れ、さらには敦賀までの直流化、来年秋でありますが、それに対する受け入れ準備等々の予算が書いてございます。

 また、26ページからは港のプロジェクトがここに載っているものでございます。

 28ページは危機管理対策でございます。いろんな災害の教訓を踏まえまして、17年度の早い時期に県の防災計画を見直しまして、情報の伝達、それから初動体制の強化を図ってまいると同時に、災害ボランティア活動の推進を重視したいと思います。条例を今議会に提案いたしまして、全国的な、先進的なボランティア地域として内容を充実してまいりたいと思っております。

 29ページは、引き続き、豪雨災害の生活再建支援の継続、災害復旧の促進等々、既に復興会議などで御説明しましたようなそれぞれの地域の激甚・激特事業等々、いろんな事業を、目標を持って進めると、こういうことが書いてございますので、御覧おきを願いたいと思います。

 30ページは有事への対応ということでございまして、昨年末に国民保護計画を取りまとめたものでございますけれども、現在、国でチェックをされておるように伺っておりますけれども、今回の予算では、国民保護のための訓練、そうした予算が書いてございます。それから治安回復、先ほど申し上げた内容でございまして、いろんなプロジェクトもしっかり進めてまいります。

 また、31ページの下には、交通事故ですね。特に、スピードを下げる、車のスピードダウン、スローダウン、それから、交差点などのシグナルの遵守、反射材などによる高齢者の事故防止、こうしたことを重点に進めてまいりたい、このように思っておるものであります。

 今の災害のところで、29ページの生活再建等と書いてございます真ん中あたり、「なお」と書いてありますが、住宅の補修、家財購入に係る申請期限がこの3月でございましたが、申請がおくれる被災者の方に配慮して、6月まで期限延長ということも加えておりますので、説明をいたしませんでしたので、追加をいたします。

 それから、32ページは、健康・長寿、ブランドなどの問題でございます。特に健康・長寿福井推進機構といいますか、県立大学を中心に、病院、試験所、食品加工研究所等々、関係機関が推進機構を、一種の連合体といいますか、フェデレーションといいますか、そういうことをつくって、全般的に健康・長寿の事業を推進したいと、このように思っておるものでございまして、具体的にそこに新規事業、あるいは拡大事業などが載っておるものであります。

 33ページは全国に向けた情報発信の強化ということで、当初、700名を予定しておりましたが、1,100名を超えるブランド大使が応募していただきましたので、より積極的な活動をしていただけるような情報提供、連携などについて、さらに努力をしてまいらなければなりませんし、県の東京や大阪の事務所についても専任職員を配置するなど、体制を強化したいとこのように思っております。

 また、団塊の世代の退職ということがこれから起こるわけでございますので、福井への定住ということについても、働きかけをいたします。

 それから、33ページの下のほうでございますが、周年あるいは記念事業活用ということでありまして、今年は眼鏡産地100年であります。そのための支援。それから、来年は福井県出身の岡倉天心先生の『茶の本』ができて100周年でありますし、再来年は継体天皇即位1,500年など、佐久間艇長さんという方も100年、これはちょっと先でありますけど、いろいろあります。こうした企画も進めてまいりたいと思っています。

 最後が文化振興であります。本年10月は国民文化祭でありまして、文化の発信の絶好の機会でもございます。これも成功に向けて努力をいたしたいと思いますし、年頭の記者会見でも申し上げましたが、文字文化、これについて、白川静先生、昨年、文化勲章を受章されましたが、福井が文字文化、漢字、書道、こうした文化の中心的な地域であるということを広く普及するよう、努力をしてまいりたいと、このように思っております。また、福井の伝統的民家、景観などについても守っていく、これを広めていく、こういう努力をしなければなりません。

 36ページでありますけれども、先ほど冒頭の予算の手法のところで申し上げましたが、4年間で200億円の財源を行革等で生み出して予算をつくるということでございましたが、本年度は66億円を生み出しておるわけでありまして、258の事業を進めました。これで累計が、本年度で150億円になりまして、200億円のうち、それだけを活用させていただいたということになるものであります。

 なお、この「元気宣言」の実施状況については、年度明けまして、行政評価等の専門家によるいろんな評価と合わせまして、県民の皆さんへの何らかの方法によるアンケートの実施などによって、中間的なチェックをいたしたいと思っているものであります。

 最後に資料7を御覧いただきたいのでございますが、北陸新幹線については、駅部の認可着工、またエネルギー拠点化計画をほぼ策定、あるいは国民保護計画も内容が固まり、いろんな大きな事業が進んでおります。折り返し点を過ぎるということでございますので、さらに推進体制を強化する必要がございますので、2月議会に、4月1日からの機構改革に係る部制条例の改正案を提案したいと思っております。

 まず、県政の総合的な企画やエネルギー対策、まちづくり、総合交通などを横断する政策課題に対して、県民の視点に立って立案をする、政策をするということで、総務部あるいは県民生活部を再編して、企画部的な機能になりますが、新しく総合政策部を設置させていただきたいと思います。

 また、危機対策、原子力安全対策、県民の安全・安心、それから環境保全、こうした項目を重点的に取り組むための安全環境部。

 それから、福祉関係については、健康・長寿の福井、あるいは子育て等々のための部を、福祉環境部から健康福祉部ということで、より独立化といいますか、専門的にここで行うと思っております。

 なお、今回の機構改革にあわせまして、産業労働部長が企業局を兼務し、企業誘致、工業用水道、あるいは公営企業などについても経営をするということで、部局長の人数をあまり増やさないという方針で基本的に臨んでまいりたいと思っているものでございます。

 また、青少年育成業務については、従来、我々のほうでメーンにやっておりましたが、学校教育と一体的に実施するということで、教育庁であわせて所管をしてもらったほうが有効じゃないかと、このように考えているものでございます。

 なお、こうしたことで、昨年は、水害、台風、あるいは原子力の事故など、いろんな危機対策課題が多うございました。昨年はそういうことでございましたが、これは、いつ何どき、これから可能性として我々が想像できないようなこともあり得る時代でございますので、そうしたことにさらに一層備える必要が一方であると同時に、今ほど申し上げましたように、新幹線あるいは高速体系が具体化しましたので、これを着実に、おくれることなく、そして、こうした事業が、まちづくりをはじめ、他のいろんな県民の幸せにつながるような施策の具体化、産業面、観光面などにもつなげるということで、相当さらにエネルギーを使っていく必要があると思います。

 それから、原子力拠点化計画についても、これを計画の実効性、しっかりしたエンジンを持って物事を進めないとその成果は上がらないと、このように思っておりますし、そういう実感をこの2年間、特に昨年のいろんな経験を見ますと、そのように思っておりますし、地方分権時代ということで、もっともっと国へのいろんな提案とか、あるいは、しっかりした主張、こうしたこともまだまだやらなければならないというふうに思っておりますので、こうした大きな事業や目標がメジロ押しでございますし、いよいよ3年目、後半でありますので、行動をし、実行をする年になるというふうに位置づけております。

 こうした大きな仕事といいますか、行動を進めなければなりませんので、今、部制のことがございましたが、今、山本副知事が1人で副知事をしておりますけれども、2人体制で臨んでまいりたいというふうに思っておりまして、今議会に、今、各方面等の御理解を得るためにいろいろ調整なども進めておりますけれども、そういうことで進めてまいりたいというふうに思っておりますので、あわせてこの席で御説明、御報告いたしたいと、このように思うものでございます。

 以上でございます。

【司会】

 以上をもちまして、発表を終わりたいと思います。それでは、御質問をお受けします。よろしくお願いします。

【記者】

 予算に関しては、各社個別に質問があると思いますけれども、最後に触れられました副知事の体制ということで検討というか、ほぼお固めになったと思うんですけれども、具体的にそのポストにつかれる方、今のお考え、もう個人名は出ているところもありますけれども、知事の口からお願いいたします。

【知事】

 政策幹を考えて予定をしております。

【記者】

 それはどういった理由で。

【知事】

 今言ったような理由で。

【記者】

 今回、全体規模は7年連続ダウンで、一方では投資的経費はかなり思い切って伸ばすということで、我々、報道では、キャッチコピーのようにして付けたいようなきらいがあるんですけど、知事のお考えで、短い言葉で表現するとすると、今回の予算はどういう予算と言えばよろしいのか、それをまず1点お伺いしたいのと、義務的経費を削るということで、いろいろ公債費が減ってきたという要素もありますけれども、義務的経費をいろいろ切っていく上で、財政部門の工夫というものはかなりのものだったと思うんですけれども、例えば、この辺を成果主義で削ったとか、そういう御苦労みたいなのを知事からお聞きしたいのと、財政構造全般ということで、かなりバブル期にいろいろ事業を膨らませてしまったけれど、そういう改善とかが終わったという認識で、今後どういうふうになっていくのか、その辺の認識をお聞かせいただきたいと思います。

【知事】

 特に3点お尋ねでございましたが、どういう予算かというのは一言でちょっと言いづらいところがありまして、ただいまの説明によっていろいろお考えいただきたいと思いますが、いろんな施策といいますか、政治といいますか、そういうものが皆さんに実感できるような予算というか、より直接性といいますか、そういうことを目指したつもりでありまして、我々としては成果を実感していただきたいという意味でありますが、県民のお立場からすると、いろいろ身近で安全の問題とか、あるいは、子育ての問題とか、あるいは、これからのいろんな公共交通機関の動きなどが日々の生活につながるといいますか、そういう意味での予算のような説明といいますか、あるいは、その仕組みですね。そして、できるだけ、いろんな予算に、単に予算を計上するということでなくて、動力といいますか、エンジンがつくように、推進する仕組みがあるようにといいますか、広くこれは広がっていくようにという、そういう努力に努めたということであります。

 今の予算上のいろんな苦心とか苦労というのは、そういうところにもつながっておりますが、ただ、昨年来、地方交付税の非常な減額などがございまして、その影響が響いておるということ、三位一体の改革が十分進んでいないという過渡的な影響、それから、景気は少しずつ伸びつつあり、税収もプラス面に転じ始めておるということはございますが、いろんな仕組みがございまして、必ずしもそれが本年度予算には十二分には反映していない点ですね。それから、昨年の災害がございましたので、これは4年間とか5年間、短期的にやる必要がございますので、一般財源は毎年あまり要りませんが、しかし、これにもやはり一部借金が入りますので、後年度負担になるという問題もあって、こういうことを懸念しながら、いろんな財政指標を見ながら、その中に抑えて、コントロールしながら予算を組んだと、こういう状況でございます。

【記者】

 今おっしゃられたんですけど、行財政改革プログラムで、かなり、いわゆる起債を10%以下に抑えるとか、さまざまな制約がある中で、今回の予算というのは、そういう制約を達成するためにかなり御苦労をされたというところはございますか。

【知事】

 そうですね、もともと既に行財政改革プログラムで基本的なフレームはつくっておりますので、それを着実に実行すれば、おおむねその目標は達成されるということで、昨年、その仕組みはつくってございますけれども、ただ、去年の災害とか、いろんなことがありましたのと、税収がもう少しリターンしてくるかなというふうに思ったんですが、必ずしもいろんな法人関係の税というのは、全国的な分割基準とか、そういう配分基準がありまして、どこで工場ができたとか、こっちで発電所ができたとか、いろんなことがあって、十分にそれが反映できないうらみといいますか、そういうことがございますけれども、まあまあ、そういう厳しい中であるけれども、ほぼ健全性を維持しつつ予算編成ができたかなと思いますけど。

【記者】

 例えば、基金の取り崩し分の戻しがありますよね。これは、かなり計画は前倒しで進んでいるというふうにとらえていいんですか。

【知事】

 いやいや、ほんとうはもう少し貯金を持っていたいんですけれども、なかなかままならないと。もう少し税収が伸び始めますと、これはおのずと、昔の自然増というような格好で何十億ずつ出てくると非常に身が楽になるんですけれども、まだそこまでは今年はちょっと至っていないという、そういう状況でございます。貯金というのは、昔、どれぐらいあったんだろう、一番多いとき。

【総務部長】

 400億です。

【知事】

 400億?

【総務部長】

 ええ。

【知事】

 多いときには400億ぐらいあった。今は270億円ですから、半分近い。

【記者】

 すみません。先ほど、産業の活性化重視、特に農業をということだったんですけれども、歳出の面で見ると、農林水産商工費というのは昨年よりパーセンテージも額も下がっていて、土木費は逆に上回っているんですけれども、これは福井豪雨だけが?

【知事】

 主に災害復旧が多いですね。そして、農業は、特にこれからはソフト的な事業を重視しないとなかなか新しい方面に展開できないですよね。ですから、農業の事業には、農業集落排水事業だとか、あるいは林道をつくったり、いろいろありますけれども、そういうもののほかに、米作から園芸とか、あるいは坂井丘陵みたいに新しいところへいろいろ来てもらって、そういう仕組みをつくりながら物を売っていくとかマーケティングをやるとか、そういうソフト的な事業になりますので、少し商工的な要素がここに入ってきますから、予算の伸びとかそういうものに直ちにすっと影響するというものは少ない。よりきめ細やかになるということになると思います。

【記者】

 ただ、先ほど豊かさを県民が実感できるということで、額が減って実感してほしいといってもなかなか理解が得られない…。

【知事】

 それは、そういう計数ではなくて、現場で農業をやっておる人たちが、自分たちが今ファーマーズマーケットをさらにやると。そこにどういう支援が来るかという、そういう意味で申し上げたのであって、単に数字をながめて、いや、増えたなと、従来型のそういうものではないということを申し上げたかったんです。

【記者】

 総合政策部についてちょっとお聞きしたいんですが、総務部と県民生活を再編して新たにつくるというふうに資料にも書かれているんですが、そういう政策をつくる部を部として1つ独立させることについて、今まではこういう部分がなかなかうまくいかなかったから独立したんだという部分がもしあれば教えていただけますか。なぜ政策をつくるだけの部として独立させるのかという部分をもう少しお教えいただけたらと思うんですが。

【知事】

 今までは、新幹線とか、あるいは総合交通なんていうのは県民生活部ですけれども、すると、片方で防災の仕事を部長がしながら、昨年の水害、防災のトップですね、かと思うと、美浜の原発が起きて、その折衝をずっといろいろやっていると。一方で新幹線をやると。それは頑張ってくれましたけれども、それよりも、物事を分けて、安全は安全の問題、あるいはまちづくりとか、交通問題、新幹線などは政策的にやるということがよほど効果があるのかなというふうに、さらに事業が具体化してきましたので、そのように思っているんですが。

【記者】

 あと、機構改革でいえば、副知事を1人から2人に増やされるということなんですけど、もちろん、副知事を2人置いている県とか、あるいは市でも助役2人、3人という自治体がたくさんあるというのは重々わかるんですけれども、ただ、このご時世に、今まで、福井県は置いていなかったのに2人に増やすというのは、いろんな意見が出るかというか、この行革の時代に結構あるんですけれども、そのあたり、改めて知事の口からお考えをお伺いできればと。

【知事】

 福井県というのは行革をしっかり進めておりますし、一般行政に携わっている職員というのは今3,200人ぐらいおると思いますけれども、日本一職員数が少ない県なんです。行革はしっかり進めながら、しかし、施策を強力に、期限を持って、目標を持って進めるということになりますと、今申し上げましたいろんな危機対策あるいは新たな課題を具体的に成果を上げていかないといけないものですから、2人の体制で強力に進めるということが大事かなと、このように思っております。

 全国的には十分承知していませんが、例えば滋賀県などは、あそこは男性と女性の副知事がおられたような気がしますけれども、沖縄なんかもいろんな課題がありますから、2人制でしたか。大きい県は3人おられたり、いろいろしたりしますが、あまりそれ自体に行革がどうだということは直接的な問題はないと思います。より成果を上げると。福井県自体は、しっかりしたそういう人員の管理を進めている県であると、そんなように私は認識してそのようにやらせてもらいたいなと思っております。

【記者】

 お二人の副知事を配置した場合、担当はどういうふうにお考えになっていらっしゃるんですか、現在の組織改革の計画の中では。具体的にお聞かせ願えますか。

【知事】

 担当はこれから具体的に決めないといけませんけれども、山本さんが総括的なお立場でやっていただいて…。

【記者】

 総括的にというのは、何を総括的にですか。全体という意味ですか。

【知事】

 そうですね。そして、新しい副知事はいろんな個別の事業部門を分担といいますか、そんなことで、まだこれから議会にかけなければいけないものですから、そういうことを考えなければ。別にどうしなければならないと決まりがあるわけではありませんが、今日の段階ではそのように考えております。

【記者】

 知事の頭の中では、ウエートは、こういう大きな改正をする場合は、当然…。

【知事】

 そういう個別プロジェクトを…。

【記者】

 そういうプロジェクトをだれがやるんですか。

【知事】

 2番目の副知事が主に担当すると、こんなふうに、今、考えております。

【記者】

 個別の事業でお聞きしたいんですけど、敦賀の処分場の関係なんですが、5億弱の予算が上がっているんですが、当初の予定では本年度中に対策案を絞り込むという予定だったのがおくれるようだということになっているんですが、それと、公開請求に基づいて、県の公文書、不存在だったのが出てきたと、いろいろ伺っているんですが、知事のご所見をお伺いしてよろしいでしょうか。

【知事】

 敦賀の問題については、委員会での結果に基づいて追加的な調査をする必要があるだろうということで、それは、その見解に従って仕事を進めるということで、若干時期的にずれ込むことがあるであろうという予測で、今、行っているものであります。

 それから、もう一つは?

【記者】

 情報公開に基づく県の公文書が、いったん不存在だったとされたにも関わらず出てきているんですが、その辺県のお立場というのは…。

【知事】

 あれは、既に見解を述べていると思いますけれども、もちろん、それ自体の文書、その文書は、原本のコピーがあったわけですが、その当時の情報公開条例の取り扱いでは、これは公文書に該当しないということで不存在としたものでありまして、条例どおりの適切な文書管理を行っているものでございます。

 なお、裁判において、いろいろな補足的な資料があったものだから、それをもとに裁判の証拠資料として提出をしたということでありまして、決して、文書を別に管理していたとか、そういうことではないということで、その際も御説明をしたかというふうに思っていますけど。

【記者】

 予算に戻って、三位一体の改革の件なんですけど、県の裁量を十分発揮できるものではないということがここで書かれていますけども、残り2割の国庫負担の内容が確定されれば、知事として満足なものが得られるとお考えなのか、それとも、それでも足りないから、ご自身としては、ほかに何かこういう案があるみたいなものがあれば。

【知事】

 三位一体の改革ですか。

【記者】

 はい。

【知事】

 三位一体の改革は、今、2段階でやろうということをしているんですが、まだまだそれ自体も十分に至っておりませんし、もっと長期的に地方分権の改革は進める必要があるというふうに思っております。特に、これまで補助金の議論が中心でありましたけれども、少し一部、地方交付税の議論がありましたが、これからは、地方税として、具体的にいかに地方に、より権限を持った形の税目を移譲していくかということが非常に大事でございまして、こういう問題が、ほとんどこの2年間は手がつけられていないと思います。ある補助金の一部をなくして、そして、住民税の税率の変更によって応急的に移譲したという感じが非常に強いわけでありまして、抜本的な税制、国の税金、地方税の見直しということには全然至っていないと思いますので、これから、全国知事会の課題はそういうことが非常に大きいです。それから、補助金問題についても、依然として交付金化といいますか、一部、権限が地方に来たような形にはなっておりますが、実態は必ずしもそうじゃありませんから、より実効性の上がる改革というのはまだまだ進める必要があります。大きな課題ですので、かなり長期的になるというふうに思います。継続的にやらなければならない、そのように思っておるんですが。

【記者】

 福井鉄道とえちぜん鉄道の相互乗り入れの予算が800万円ほど計上されていますけど、これは知事として相互乗り入れを判断されたということなんでしょうか。

【知事】

 これは、沿線の市町、それから両方の鉄道会社、そして県、この4者あるいは5者のいろんな考え方を整理して、かつ、当然のことですが住民の皆さん、利用者の意見もあります。そうした上で、どういうやり方が一番、利便性なり、またコスト的にも問題がないかというのを決めたいと。可能であれば、客観的に見て、相互乗り入れというのが望ましいのではないか。これが非常にいろんな、経費面での障害とかそういうことになっては、また将来の負担を非常に残すということでは意味がありませんので、そういうことをよく注意してその方向を出そうというのが今回の予算の意味であります。

【記者】

 また、あと1年かけて…。

【知事】

 できるだけ早く。

【記者】

 是非をやるということですか。

【知事】

 ええ。福井鉄道の低床化の事業も進みますので、早くやりたいと思います。

【記者】

 副知事をお二人置くということと、部制を変えるというのは、それなりにリンクした部分がおありなのかということが1点と。あと、福井県のポストの中の政策幹という独特なポストがあるんですけれどもど、今後それも継続していかれるということなのか、その2点、お聞かせいただきたいんですが。

【知事】

 副知事体制と部制は大いにリンクしております。それから、政策幹は…。

【記者】

 どういうところが一番リンクしている…。

【知事】

 特に政策課題をしっかり進めなければならないところが重要だというふうに思っております。それから、政策幹は廃止というか、さらに別の政策幹を置くということは考えていません。

【記者】

 少子化対策でいろいろ並んでいるんですけども、その中の1つに、父親の役割ということで幾つか新規でラインナップされているということで、自分の経験に引き寄せても、なかなか、事業メニューに上げるのは簡単でも、やるのは非常に難しいんじゃないかなと思うんですけども、そのあたり、知事の認識を含めて、何かありましたら。

【知事】

 父親の子育てについては、今、御自身のお話もおっしゃいましたが、私自身も非常にいろいろ思いがあるところでございまして、家事あるいは育児について、そんなに今までゼロだったのに、50%とか100%に急には行けませんから、少しでも参加の度合いを、参加ということが当たり前のことなんですが、分担ですね、当然の義務を少しでも果たしていくという、そういう気風なり、あるいは支援といいますか、そういうことをぜひ進める、予算だけでは無理かもしれませんが、それの一助になるといいますか、そういうことでいろいろ議論をしたというのがこの予算をつくる際の実態といいますか、そういうことであります。つまり、男性の意識改革ですね、育児、家事の夫責任というか、男性責任といいますか、そういうことをいろんな方法で進めていくといいますか、もう少し我慢の気持ちを持って、粘り強く、そういうふうに思っているんですが、時代も大分変わっておりますけれども。まあ、私のような経験もそうでありますが。

【記者】

 子供の安全・安心の点なんですけども、福井というのは、幸いにも、まだ、悲惨な事件がない中で、知事がこれだけ子供の安全と言っておられる理由といいますか、知事の思いというのはどういう思いか、お願いできますでしょうか。

【知事】

 福井県の将来を担う子供たちが家でも外でも学校でも安心して遊んだり勉強したりするというのは行政の基本ですので、また、これは親御さんたちの思いでもあると思いますから、これにしっかり全力で取り組むということであります。

【記者】

 子供の安全に関わって、全国でモデルになるような県を目指したいとか、そういった理念みたいなものというのは。

【知事】

 モデルということはあるかもしれませんが、それよりも、福井県の少年や少女たちの安全を守る、子供たちの安全を守るというのが何としても大事ですから、それに全力で取り組むというのがこの目標なんです。幾らやっても足りないかもしれませんが、可能な限り、全力で取り組むということです。

【司会】

 以上で、時間も参りましたので、今回の知事記者会見を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


 

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