知事記者会見の概要(平成29年4月26日(水))

最終更新日 2017年4月27日ページID 035995

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平成29年4月26日(水曜日)
10:30~12:00
県庁 特別会議室

H29.4.26知事写真
 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【知事】

 おはようございます。今日は「安全・安心ふくい」確実プランの策定、政策合意、新しい地鶏の名前、「国体・障スポ」の開催準備状況について申し上げます。

 第1番目の「安全・安心ふくい」確実プランの策定については、警察本部、公安委員会と共同で行っていますので、その部分だけ警察本部長と一緒に発表します。よろしくお願いします。

〔資料:「安全・安心ふくい」確実プラン

 この治安に関するプランは、平成15年に全国初の試みとして、県公安委員会、県警察と共同で策定し、以降2年ごとに実績とその後の状況を組み入れて改定を重ね、これまで県民の方とともに確実に治安対策を推進してきました。

 この結果、平成28年の刑法犯認知件数は3,645件であり、平成15年以降、14年連続して減少するとともに、車上狙い、空き巣など、県民が身近に不安を感じる犯罪も減少するなどの成果を上げています。

 一方、子ども・女性の安全を脅かす事案や高齢者を狙った特殊詐欺の被害が依然として発生しているほか、昨年は交通事故死者数が前年より増加しています。

 また来年は国体・障スポが開かれることに伴い、多くの人が本県を訪れ、我々県民もいろいろな所へ出かける中で、治安上新たな課題も出てきます。今回、こうしたことを踏まえ、福井県の安全・安心をより確実にしようということで、「安全・安心ふくい」確実プランを策定しました。これまで実現、実感、充実、万全と来て確実ということであり、それぞれの状況の中で言葉を選んでいるということです。

 以下、プランの重点項目として、私から3点コメントします。

 1点目は、「子ども、女性、高齢者を犯罪から守る」ということです。

 昨年は、子どもへの声かけ事案が242件発生し、前年同数でしたが、女性が被害に遭う犯罪は154件と4件増加しました。登下校の見守り活動に加え、声かけ事案が多く発生する夕方に、夫婦や友人で散歩することを心がけていただき、夕方に子どもたちが一人にならないような状況を作っていきたいと考えており、これを「夕方見守り運動」県民運動として展開していきます。

 また、女性を犯罪から守る対策としては、高校生自らが企画・出演する防犯啓発CMの作成など、高校生・大学生等の自主的な防犯知識の習得を促進します。

 「高齢者の安全安心」については、振り込め詐欺等の特殊詐欺の認知件数が53件と、ここ3年は50件を超えて推移しています。そこで、従来から実施している、ケアマネジャーなどが高齢者に対し特殊詐欺の手口を伝え、注意を呼びかけるといった対策に加え、日常的に利用する病院、図書館等において注意喚起を行うなど、官民一体となって、特殊詐欺撲滅に向けた県民運動を広げていきます。

 2点目は、「犯罪の起きにくい社会をつくる」ということです。高速交通網の発達やインターネット社会の進展などにより、犯罪の広域化・凶悪化が懸念されており、こうした犯罪の未然防止を図る必要があります。そのためには、制服警察官の活動が県民の目にできるだけ見えることが極めて大事であり、このことが犯罪の抑制に大きく寄与します。そこで、県警察において、「犯罪情勢に即した『見える・見せる活動』プロジェクト」を進めていきます。

 3点目は、「交通事故から県民を守る」ということです。

 昨年の交通事故死者数は51名で、前年の47名から4名増加しました。特に高齢者の事故死者数が7割を占めています。

 そこで、高齢運転者による事故を防ぐ対策として、「高齢免許返納者サポート制度」を実施しています。従来は返納者本人のみが協力店舗で商品割引などを受けられるものでしたが、今後は協力店舗に働きかけ、この割引を返納者本人だけでなく家族にも広げることにより、家族からも免許返納を勧めてもらうようにしていきます。

 また、自動ブレーキなどが搭載された先進安全自動車の普及を図るため、イベント会場等における体験会や啓発活動を実施します。

 マナーアップについては、来年、「国体・障スポ」では県外から多くの選手や観光客が訪れるわけですが、県外から、福井県における運転マナーが必ずしも守られていないという声をよく聞くということもあり、県民のマナーアップの向上を図るため、集中的な広報活動を行います。

 こうしたことを主な内容とするプランを、県民、県公安委員会、県警察、我々福井県がともに力を合わせて展開することにより、安全で安心な福井県を目指したいと考えていますので、これから2年間についてもご協力をお願いしたいと思います。

 続きまして、猪原県警察本部長から説明します。

 

【県警本部長】

 警察本部長の猪原です。

 私から、「安全・安心ふくい」確実プランにおける県警察の取組について説明します。

 平成27年4月から「安全・安心ふくい」万全プランに基づく施策に取り組んだ結果、平成28年の刑法犯認知件数は戦後最少を更新するなど、本県の犯罪情勢には一定の改善が見られ、万全プランに基づく施策が効果的であったと認識しています。

 一方、昨年は、一昨年と比べると、子ども、女性の安全を脅かす事案や特殊詐欺被害、交通死亡事故等が依然として高い水準で発生しており、加えて、暴力団情勢や国際テロ情勢が厳しさを増している中、それらに対する県民の不安をいかにして取り除いていくかが治安上の課題になっています。

 そこで、治安の更なる向上に対する県民の期待と信頼に応えるため、これまでの「万全プラン」を継承しつつ、施策を充実させ、「治安をより確実なものとする」との趣旨のもと、「安全・安心ふくい」確実プランを策定しました。「確実プラン」の6本柱は、「万全プラン」による一定の成果が認められたため、新たな変更は加えていませんが、昨今の治安情勢の変化による新たな課題を克服するため、それぞれの柱の施策について、県民の視点に立ち、必要な部分については見直しを図っています。

 まず、第1の柱である「子ども、女性、高齢者を犯罪から守る」については、通学路の警戒活動や不審者情報の発信などの安全対策を推進するほか、女性の防犯力向上のための防犯講座の充実や、県民が特に不安に感じている特殊詐欺の被害を防止するための施策を金融機関やコンビニなどと連携して強力に推進していきます。

 第2の柱である「犯罪の起きにくい社会をつくる」については、効果的な犯罪情報の提供により、地域の防犯力を向上させるほか、犯罪多発地域での制服警察官によるパトロール活動を強化するなど「見える・見せる活動」を展開していきます。

 第3の柱である「犯罪の取締りを強化する」については、県内でも、暴力団等の組織犯罪対策やサイバー犯罪対策が新たな課題となっていることから、暴力団事務所周辺の警戒を強化するほか、サイバー犯罪捜査に関して専門的な知識・技能を有する捜査員を育成し、事案発生時の対処能力の向上を図っていきます。

 第4の柱である「交通事故から県民を守る」については、高齢者が関係する事故が依然として多いことから、高齢運転者個別の安全運転指導や運転免許証の自主返納をしやすい環境整備を推進するほか、出前型交通安全教育により、安全運転意識を高める取組を強化していきます。

 第5の柱である「テロ、大規模災害から県民を守る」については、国際テロ情勢や北朝鮮情勢が緊迫する中、原子力関連施設等の警戒警備の強化や不特定多数の人が集まるソフトターゲット等に対する警戒警備を徹底するとともに、平成30年の「国体・障スポ」を見据えた官民一体のテロ未然防止対策を推進していきます。

 最後の第6の柱である「治安基盤を強化する」については、訪日外国人等に対応するための施策や、交通安全施設の維持管理のための取組を推進し、県民の安全・安心を守るための治安基盤を一層強化していきます。

 県警察では、今後とも、県をはじめ関係機関・団体、県民の皆様と力を合わせて、安全で安心して暮らせる福井県を実現するため全力を尽くしてまいりたいと考えています。

 

~質疑~

 

なし

 

【知事】

 一緒に頑張りましょう。

 

【県警本部長】

 頑張りましょう。

 

【知事】

 よろしくお願いします。

 

(県警本部長退室)

 

【知事】

 2つ目の発表事項の政策合意についてです。

 今回、29年度の「政策合意」を結びましたので、28年度の実施結果とともに公表します。

平成28年度「福井ふるさと元気宣言」推進に係る政策合意の達成状況

「福井ふるさと元気宣言」推進に係る平成29年度の「政策合意」

 「政策合意」は、知事と各部局長との間で協議し、1年間実行すべき仕事、具体的な目標数値や成果を明確にして、県民にわかりやすく示すものです。

 昨年度は189項目について合意しましたが、目標を達成したものは、例えば「企業誘致数」や「成婚数」など136項目あります。また、「北陸新幹線の整備促進」など、年度を超えて引き続き実施する33項目を除きますと、達成率は87%となります。前年度が92%で、年々で多少違うこともありますが、毎年、80%台から90%台で推移をしています。

 特に目標を2割以上上回って達成した項目は9つです。例えば「福井フューチャーマイスター認定者数」。これは高等学校、主に職業系の生徒がいろいろな資格を取って将来の就職や社会活動に備えるという制度で、関係者の数が増えています。また、「空き家情報バンクへの登録戸数」なども挙げられます。

 目標を達成できなかった、または一部達成できなかった項目は20です。前年度は13項目でした。理由は様々ですが、例えば恐竜博物館入館者数、あるいは100万人観光地の数、あるいは県内大学生の地元就職率など、北陸新幹線金沢開業の効果の落ち着きや、大都市の雇用情勢との競合など、外的要因が大きく影響する指標なども20項目の中にあります。

 達成できなかった項目については対策を工夫し、課題解決に努力していきます。例えば恐竜博物館については、大型肉食恐竜の実物全身骨格を組み立て作業から公開する、首都圏でのプロモーションイベントを開くなど、誘客対策を強化します。また、県内大学生の地元就職については、大学連携センター「Fスクエア」へジョブカフェの就職相談窓口を移して、企業情報の提供を強化するほか、県立大学の地元枠を拡大し、学生の定着を図ります。

 次に、29年度の政策合意についてです。

 今年度の政策合意は、マニフェスト「福井ふるさと元気宣言」の3年目ですので、スピードを持って着実に実効性が上げられるようにしたいと思います。

 29年度は、各部局長と合計で183項目の合意を結んでいます。一つ一つの説明は、午後、担当企画幹から説明することになりますが、私から主なことを申し上げます。

 本県を取り巻く環境は、北陸新幹線の敦賀開業、さらなる関西への延伸など、大きな方向性が見えています。人・モノ・情報の流れを、今の段階からできるだけ活発化し、また、それに備えたまちづくりや、いろいろな諸準備が要りますので、交流新時代のスタートの年にしたいということを考えながら、次の3点を重視しています。

 1点目は、交流拡大の推進です。高速交通開通アクション・プログラムに盛り込んだ、新幹線沿線のまちづくりなどの各プロジェクトを着実に実行することです。また、隣接府県と連携した広域観光やU・Iターン、二地域居住など、民間、県際交流も拡大し、人の流れをつくってまいりたいと思います。

 2点目は、国体・障スポを契機に地域力を向上させたいということであり、その中には様々な事業があります。ボランティアの確保や、デモンストレーションスポーツイベントの開催など、いろいろなものがこの中に入っています。

 3点目は、情報発信と営業活動の強化です。この春の機構改革において、全体の調整的な役割を果たす職制を幾つか置いており、それぞれの事業がばらばらにならないよう、特に観光や企業に働きかける事業、また、東京などでの事業については相互性が相当必要ですので、そういった体制を強化しています。

 先週発表した「いちほまれ」の販売や「しあわせになるラジオ」による本県の魅力発信、あるいは映画「チア☆ダン」などもその例ですが、映画やドラマの誘致など、首都圏を中心に、各部が力を合わせて営業戦略を強力に展開していく項目が幾つかあります。

 このほかに、教育博物館の活用、幕末明治150年の展開、白山開山1300年記念事業などがあります。

これらについては、全部局・全職員が総力を挙げて対処すべき重要課題として、総合政策部の政策合意冒頭に掲げるとともに、各部局の政策合意にも「交流拡大政策」と明記しています。これが51施策あります。

 政策合意の達成状況は、年度末を目途に公表し、県民に成果を示す予定です。詳細は、本日午後、担当の総合政策部企画幹から改めて説明します。

 

 次に、新しい地鶏の名称です。

〔資料:「新地鶏の特徴」「新地鶏の名称」

 平成26年度から、畜産試験場で開発を進めてきた地鶏ですが、生産者や流通業者、飲食店などからなる「新しい地鶏推進協議会」によって名前が決まりました。名称は「福地鶏」です。

 幸福度日本一の福井の地鶏であり、シンプルで覚えやすいという理由から命名されたということです。この地鶏は、卵も肉もおいしい卵肉兼用種という鶏です。放し飼い、いわゆる平飼いでのびのび飼育されることから、卵も肉も味わい深くなり、レストランや料亭の専門家からも評価されています。

 明日、畜産試験場で「福地鶏」のひなが初めて農家へ譲渡されることになります。平成29年度は、明日の3戸の農家を含め、全体で8戸の農家に、合計2,400羽が譲渡される予定です。6月下旬には卵が販売され、肉は来年5月に出荷される予定ですので、ぜひ、皆様方にもご愛用をお願いしたいと思います。

 

次に、国体・障スポ開催準備状況についてです。

〔資料:国体・障スポの準備状況

 開会式の式典の前にオープニングプログラムというものがあり、運動公園の陸上競技場で行いますが、このオープニングプログラムに出演していただける団体について、5月1日(月)から8月31日(木)までの間募集します。地元のいろいろな民謡であるとか、様々な競技、演舞などが対象になると思います。福井の歴史や文化、健康長寿など、福井の魅力を再発見できる場として披露してほしいと思います。ぜひ多くの方にご応募を願えればと思います。

 また、国体・障スポの各会場において、聴覚障がいのある方に、手話や要約筆記等で情報提供や案内などを行う情報支援ボランティアは、昨年9月から募集を行っています。600名の募集に対し、これまでに500名を超える応募・登録があります。今後もサークル訪問などを行い、より多くの方にボランティア登録をお願いしていきます。既に登録された500名の皆さんには、国体・障スポへの参加意欲を高めてもらうため、5月13日(土)に、ユー・アイふくいにおいて事前説明会を開き、先催県であります岩手県から講師を招き、大会の概要や情報支援ボランティアの役割などを説明します。また、今年6月から来年1月にかけては、各競技会場での活動に必要な競技用語や、おもてなしなどの研修会を、県内5会場で計25回開き、情報ボランティアとして活躍いただけるよう養成を進めていきます。

 プレ大会ですが、国体前年度の今年度は、県外開催も含めて、37種目の大会を開きますが、今回、4月、5月の大会内容が決まったのでお知らせします。

 今年度最初のプレ大会は、4月30日(日)に大野市の九頭竜川特設カヌー会場で、北信越国民体育大会カヌー競技を開きます。また、5月27日(土)には、鯖江市の体育館において第58回都道府県対抗なぎなた大会を開く予定です。プレ大会の会場となる大野市では、まいたけの天ぷらや、スイートコーンなどの地元特産を使ったコロッケの振る舞い。鯖江市では、さばえ菜花米を限定で配布したり、授産施設販売コーナーを設けたいと思っています。

 県民の皆さんの応援は選手たちの励みになります。競技力の向上にもつながりますので、ぜひ会場に足を運び、声援を送っていただければと思います。

 施設整備については、国体・障スポのメイン会場となる「福井運動公園」の競技会場である、県営体育館と県営テニス場が3月に完成したことにより、全ての整備を終えたところです。本年度中は市町も含め、改修等が必要な43施設のうち39施設、約9割が完成をすることになります。また、既設施設ではなく特設となる会場については、4月30日からプレ大会が開催される大野市のカヌー特設会場をはじめ、6会場を今年度中に整備します。

 以上が私からの説明です。

 

~質疑~

 

【記者】

 政策合意についてお尋ねします。

 今回の特色として、交流拡大施策の項目が51とかなり多く掲載されていますが、その狙いは何ですか。新幹線開業を見据えたことだと思うのですが。

 

【知事】

 交流に直接関係するものもありますが、いろいろな事業を関連させて、政策合意の事項を展開することによって全体の交流につながるということもございますので、数がやや多くなっています。あらゆることを、そういう目で見ながらやりたいということです。

 例えば、新幹線のまちづくり、これは交流そのものでありますが、福井駅西口エリアの整備や二次交通なども、それだけだと二次交通だけですが、全体として、いかに多くの人に来ていただいて、利用できるかということを考えて事業を進めていくということです。

 

【記者】

 知事は4月で、4期目の折り返しを迎えましたが、4期目の後半に向けて、この政策合意の中で特に力を入れていきたい部分を改めて教えてください。

 

【知事】

 やはり、いろいろな事業にパワーを加えて、目標を高くしてチャレンジをしていこうということであり、かつ、行政だけでできないことがすごく増え始めています。交流ということからもわかるように、自分たちでやって交流ができるわけではありませんが、それをぜひ、目標に近づくようにしていきたいと思っています。

 

【記者】

 1点気になるのが、年次ごとの項目数の推移を見ていくと、24年度が222で、今年が183と、何か漸減しているようですが、この理由は何かありますか。

 

【知事】

 そんなに意識はしていませんが、マニフェストに書いてあるものをずっとやっていきますと、達成していくものが増えていきます。さらに、力を込めてまた達成をするのが困難な事項をやろうということになりますと、やや重点的に、さらにきつくやっていこうという感じになっているのかなという印象を受けます。特に意識しているわけではありません。

 

【記者】

 つまり収れんされてきているということですか。

 

【知事】

 そうですね。何か減らしたという意味はありません。

 

【記者】

 恐竜博物館の入館者数で、100万人を目指していて、今年の政策合意は、2年かけて100万人という形で、ちょっとだけ後退しているように思いますが。

 

【知事】

 特に後退しているということは、意識していません。

 

【記者】

 先日、恐竜博物館長が100万人へ向けた施策を発表されたところであり、やや意外な数値目標のような気がします。知事の中で、今年も100万人でいこうという思いはなかったのですか。

 

【知事】

 100万人に何とかいきたいとは思っていますが、いろいろな条件を加えないと、100万人というのは相当高いハードルの1つだという意識はしています。

 

【記者】

 今後、議会との関係の中で第2恐竜博物館の議論に微妙にかかわってくる気もするのですがいかがですか。

 

【知事】

 それは特にないと思いますが、いずれにしても恐竜博物館が手狭になっているというのは事実ですから、そういうものも影響しているのかもしれないと思います。

 

【記者】

 地鶏の名前が「福地鶏」に決まりましたが、県としては「若狭ポーク」とか「若狭牛」とかいろいろある中、それに続くブランド化を目指すということで「福地鶏」に対する期待感をお聞きしたいです。

 

【知事】

 福井県は魚系統は得意で圧倒的なパワーを持っているが、畜産系統がわりあいウイークポイントのところがあります。牛肉や豚肉はもちろんありますが、鶏がありません。レストランの方から、料理のバリエーションを考えたときに、地元の鶏がないというのはちょっと苦しいという話を聞きますから、今回しっかり品ぞろえをしたということですので、大いに使っていただきたいと思います。

 

【記者】

 3月に「福地鶏」の推進協議会を設立されていて、その中で、なかなか厳しい意見もあったという印象ですが、知事はどのように考えていますか。

 

【知事】

 どんな意見ですか。

 

【記者】

 例えば、卵もおいしい、肉もおいしいという両立が…。

 

【知事】

 一石二鳥はないという話ですか。

 

【記者】

 そういう話です。

 

【知事】

 これからですね、やってみないとわからない。そういう品物だと我々や関係者は自信を持っています。

 

【記者】

 自信はあると。

 

【知事】

 はい。飼い方によって卵を目的に飼う飼い方等いろいろあると思いますので。これを見ながらまた新商品の開発もさらにあるかなと思います。

 

【記者】

 平成28年度の政策合意の実施結果のうち、課題については人口減などがあるという話でしたが、その前の平成27年度についても少し人口減が課題だという話もあったと思います。改めて今回、平成28年度の政策合意の達成状況を踏まえ、どのような点が主な課題で、27年度よりどう変えて人口減や観光といったことに取り組まれていくのかお願いできますか。

 

【知事】

 これからブランド、観光、外国人誘客など非常に不確定な要因といいますか、県と市、町、あるいは企業関係者の総合力を発揮してやらなければならない課題をどんどん入れており、達成目標がかなり厳しいような設定をしています。それぞれの部で行って達成できるものもありますが、全体を調整しながらやることによって初めて可能なものもありますので、そのような人事、あるいは県庁の体制をとりながら、関係者とできるだけ力を合わせてやっていきたいという考え方です。

 かつ、まちづくりなどもこれからやらなければなりません。まちづくりは、それぞれの市や町の考えや将来の方向性などにより利害が対立するなどいろいろなことがあり時間が遅れることがありますので、目標を設定しながら物事を進めていこうということかと思います。それを覚悟の上でやろうということです。

 

【記者】

 それこそ関係部局をより広げていくようなイメージでしょうか。

 

【知事】

 はい、そうです。そのようなものが増えていくわけです。そのような状況、情勢であるということです。

 

【記者】

 政策合意の中に、えちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れの部分がありまして、28年度の実績として8万3,000人の増ということですが、相互乗り入れの運行開始から1年がたち、高校生やお年寄りからは大変好評を得ていると思います。1年目の実績をもし教えていただけるのであれば、よろしくお願いいたします。

 

【知事】

 これは、もっと強調して説明しないといけなかったのですが、私が最初のマニフェストに書いてようやく10年をもって実現したものです。多くの関係者がおり、利害も対立しながら紆余曲折を経てようやく実行したわけですが、利用者数は、ちょうどこの1年間で見込みに対して2.7倍となりました。これは非常に成果が上がっていると思います。特に啓新高校や福井商業高校の生徒が、かなりお使いになっているし、赤十字病院の利用者なども含めて、相当の伸びを示しているように思っています。

 鉄道自体の関心が高まっていますので、この3月にはダイヤ改正を行いまして、越前武生駅の始発時刻を繰り上げたり、あるいは田原町行きの列車の一部を福井駅経由で福井駅の利便性を向上するなど、ダイヤの編成を改善しています。

 また、4月からは越前武生駅から「ツリーピクニックアドベンチャーいけだ」へ向けたバスが運行されるなど、いろいろな動きもあり、北陸新幹線県内開業に向けて、将来のICカードの導入や、並行在来線の課題もありますので、一体的に組み合わせた鉄道利用をもっともっと高めていきたいと思っています。

 

【記者】

 国体と障スポの件でお伺いします。オープニングプログラムの出演者募集について、応募資格や募集数を見ると、かなり限られた団体を対象にしているような印象があります。1県民1参加というフレーズを掲げているところで、かなり小規模で独自な活動をしているような団体というのはなかなか参加しにくいのかなという感じもするのですが、この辺の狙いを教えていただけますか。

 

【知事】

 小さい団体がまた幾つか集まってやるというやり方もありましょうから、とにかく具体的に応募の状況を見ながら、みんなができるだけ参加できるようなやり方を考えたいと今思っています。具体的にいただいた上で見ないとわからないところがあるかなと思います。あまりばらばらで何かいろいろなことをやるわけにもいかないのだろうと思います。

 全国的に見ましても、まとまってやるようなタイプのほうが多いのです。ですから、本当は大勢の皆さんでやっていただくほうがいいと思いますが、どうやってまとめていくかというのはバランスがあると思いますので、募集時に今おっしゃられたことに注意して、どんな結果を打つかを考えたいと思います。

 

【記者】

 ふるさと納税のことでお尋ねします。

 総務省が返戻品の調達額や対象品目について、4月1日付で通知を出し、3割以下の根拠が曖昧であったり、全廃が求められている家具や家電品は、地域を代表する特産品であったりするケースもあって、自治体では戸惑いもあるようですが、知事の考えを聞かせてください。

 

【知事】

 ふるさと納税ができてから今年でちょうど10年目になります。9年経過したわけで、認知度が高まり過ぎていると言ったほうがいいのかもしれません。相当認知度が高まっているわけですが、実際、使っている人は納税者の数パーセントなのです。裾野がまだ狭いのです。裾野をもっともっと広げる段階だと私は思っています。極端なところに、「そのようなことは控えるべきだ」と言うのはいいのですが、あまり何割だとか具体的な上限を示すような事柄でもないと私はかねがね思っています。

 ですから、いろいろな機会に総務省にも申し上げたり、あるいはこの前は文藝春秋でも書いたのですが、この制度は、納税者が自分で考えて、自分の出身地や関係のところを選んでやるということですから、自治体もそのようなつもりでやらなければならない。

 大都市は毎年、多くの地方から住民を受け入れているわけですから、寛容の精神で対応する必要のある制度なのです。国民の納税とか、主権とか、あるいは寄附とかの熟度がもっともっと高まらないといけない段階なのです。あと10年ぐらいかかるかもしれません。

 

【記者】

 日本国憲法のことですが、5月3日に施行70年を迎えます。現行憲法に対する知事の評価を聞かせてください。

 

【知事】

 憲法を評価するというのは、もっと具体な話にしてもらわないと難し過ぎてちょっと答えられないですね。

 

【記者】

 具体的に言いますと、一票の格差なのですが…。

 

【知事】

 それだったら答えられます。

 

【記者】

 一票の格差是正と合区の解消というのが大きなテーマになっていますが、知事の考えを聞かせてください。

 

【知事】

 日本の憲法というのは、わりあい緩やかに書いてある憲法です。よその国のように、細かく手続とか、このときにはこうするということは書いていない、幸い緩やかな憲法なのです、その面で見ますとね。ですから、いろいろなことは応用で、法律の段階で可能なのです。一票の格差についても地域の代表を選ぶ制度にしたらいいのではないか、あるいは合区といった議論もございますけれども、もっともっと合理的ないろいろな、全国区と地方区のやり方を変えるとか、これもこの前の文藝春秋の一部に書いてありますけど、そのようなやり方がとれますから、憲法議論にいかないで、法律段階で変えられることはたくさんあると思います。外国の立法例を見ても、北欧は面積を考慮したり、フランスやドイツでは地方代表を選んだり、いろいろなやり方がありますから、そのようなものをもっとうまく導入できるのではないかと思います。

 さらには、地方出身の人たちは、大都市で今、投票していますけれど、私がもし大都市にいるとしたら、やっぱり福井に一部投票したいなという気持ちが心の中にあるわけです。東京の目黒区で投票するのではなくて、福井県で投票するような制度もあるのかなというようなやり方を考えるのがおもしろいと、これからはそういう時代ではないでしょうか。

 さっきのふるさと納税も同じで、我々も各関係自治体、有志の人たちとふるさと納税を盛り上げるにはどうしたらいいかという国民運動をやっていますので、単に裁判所で1対2だとか、1対3だとか、そんな算術をやるのではなくて、もっと地域を盛り上げるような選挙制度にしていくということでしょうか、そのように思います。あまりにも目の前で裁判が出て、どうしたらいいのだと、あと、1年後に考えないといけないとか、今年だとか、そのような切羽詰まった議論をいつも繰り返しているのはまずいと思います。

 

【記者】

 「もんじゅ」について、国は原子力機構の基本的な廃炉計画を4月末を目途に示すという話だったのですが、4月末まで1週間を切っています。まだ具体的な体制に関しての政府からの返答待ちのような状況であると思いますが、知事はなかなか進まない状況をどのように思っていますか。

 

【知事】

 「もんじゅ」について、先般3月23日に文部科学省からお話をいただいたのですが、そのときにはこのような話では具体性に欠けると、しっかりした体制はどうなるのかという話を申し上げて、いわば返事待ちの状態にあるわけです。一方で今おっしゃったように、4月を目途にそのような方向を出したいという国の考えですから、早々にお見えになるのが普通だと思います。ただその際、お見えになるかどうかの話とは裏腹の関係にありますけれども、今回の「もんじゅ」の将来に対してどのような体制、人員をどうするのか、あるいはそれ以前の話として責任体制はどうなのか、あるいは命令指揮系統はどうなるのかというようなこととか、敦賀を中心とした嶺南をどのような研究人材育成の拠点にしていくのか、「もんじゅ」の知見をどう活かすのかという答えを持ってきていただく必要があるという心境です。

 

【記者】

 具体的な返答がないにしても、一部の報道では、何か体制が大分固まっていて、政府は検討しているような話もありますが、なぜ持ってこられないのかを、みんな不思議に思っていると思います。なぜだとお考えですか。

 

【知事】

 軽々に中途半端なものは持ってこられないということでしょう。

 

【記者】

 「もんじゅ」について、今月中には持ってこない、返答を来月にしてほしいというような国の話はないのでしょうか。

 

【知事】

 5月以降という話はありません。

 

【記者】

 そうですか。

 

【知事】

 まだ4月に来ようと思って一生懸命やっておられることかと想像します。

 

【記者】

 3月31日に県庁前の交差点で活動されている方々に対し、財産活用推進課長名で、市民活動は控えるようお願いしますという文書が出されていますが、文書を受け取った方々は、活動を制限するものではないかということで、県に公開質問状を出されています。それに対して、知事はどのようにお考えですか。

 

【総務部長】

 私からでよろしいですか。

 

【記者】

 あとで知事の考えも伺いたいです。

 

【総務部長】

  このタイミングということですが、福井駅ができて、石道もきれいになって、県庁線が間もなく完成するということで全体がきれいになりますし、ちょうどその時期に桜が満開になって、いろいろなお客さんが来られるということで、幾つかその辺の活動について苦情も寄せられていたものですから、そのタイミングでそこの景観、環境を少しでもよくしたいということでお願いの文書を出させていただいたと聞いています。

 もちろん、そのような活動については法律上も憲法上も認められているわけですけれども、一方で通行人の方の環境へのお願いみたいなものがありますので、その辺のバランスをとっていただくように、もちろん強制的にできるタイプのものではございませんので、お願いという形をとらせていただいたという経過でございます。

 

【記者】

 通行を妨害しているという事実か何かを確認されたのですか。苦情はあったようですけれど。

 

【総務部長】

 通行の妨害があれば当然、道路法や道路交通法の問題になると思うのですが、そのようなことではなくて、音とか横断幕についての苦情はございました。

 

【記者】

 もし、そのような事実があって、苦情があるのなら担当するのは警察であったり、公安委員会であると思うのですが。

 

【総務部長】

 今回の事案に関連する法令としては、屋外広告物条例、公安委員会の条例、道路交通法、また、歩道にあります柵などの管理は道路法があります。今回、財産活用推進課は庁舎管理を分掌事務として持っていますので、庁舎を管理する、その延長線上でその付近での活動についてお願いをさせていただいたということです。いわゆる強制力を伴うような行政処分といったものではなくてお願いという形でさせていただいたと聞いています。

 

【記者】

 知事の考えも伺いたいと思います。

 

【知事】

 いろいろな権利や周辺のいろいろな影響のバランスを考えていろいろなことを行うということが普通の考えかなと思います。

 

【記者】

 福井県として文書を出されたことは問題がなかったとお考えですか。

 

【総務部長】

 お願いの文書を出すことについては特に問題はないと思います。

 

【記者】

 お願い文書を受けた方のご意見で出たのですが、県庁は苦情が寄せられたからお願いという形で市民活動をされている方たちに文書を出したと。では、県庁に苦情を出せば、我々の話も県は取り次いで関係先にお願いしてくれるのかという話がありますけれど。

 

【総務部長】

 それはケース・バイ・ケースだと思います。今回は御本城橋の一番向こう側まで県の財産活用推進課で管理する敷地でございますので、その周辺で行われたことについて、財産活用推進課に苦情が寄せられたと。それをお伝えしながら、少し控えていただけないかとお願いをさせていただいたということです。

 

【記者】

 厳密に言ったら庁舎外ですよね。

 

【総務部長】

 橋の向こうは庁舎外です。ただ、いろいろな音という話もございますので、それは庁舎の敷地の中まで及んでいる部分はあるかと思います。

 

【記者】

 わかりました。ありがとうございます。

 

【記者】

 「もんじゅ」について、先ほど中途半端なものは持ってこられないということではないかという、知事からの説明もあったのですが、様々な体制強化策以外に、嶺南をどうするか、「もんじゅ」をどう活用するかを一括して示してもらいたいと、示すべきだとの考えなのかどうかを改めて伺います。

 

【知事】

 いろいろな体制をしっかりしたいというのは我々も思っておりますし、文部科学省あるいは国もそう思っています。それをどうするかという答えと同時に、東海、大洗と並んで、人材育成や研究の拠点をしっかり敦賀の地に仕立てたいということを文部科学省、政府が言っておられるわけですから、その答えは当然、政府が持っておりますので、それに答えるということです。

 

【記者】

 体制強化策と一緒にそのようなものをある程度示してもらわないと困ると。

 

【知事】

 いわゆる地域振興みたいな話がまた別途あるのですが、それとはまた別のレベルですね。

 

【記者】

 今、北朝鮮の情勢で緊張が高まっていて、県によってはミサイル発射に対する訓練をやっているところもあるようですが、そのような状況についてどのように考えているのかということと、原子力施設が攻撃対象という話が出てきた場合に、備えることをどのように考えているか教えてください。

 

【知事】

 いわゆる国民保護法制では着上陸というようなタイプが一つあるわけです。そして、テロ、弾道ミサイル、上空からの攻撃というタイプがあって、それに対して国民保護情勢からいろいろな議論をしているということで、今回のいろいろな議論がどのタイプかというと、ミサイルとテロみたいな話のことを今おっしゃっていると思います。4月21日に国からもいろいろな訓練を行うようにという要請があるわけですが、そのことを前提として、政府がもっと、国防、安全保障はこうだということをはっきりお示し願いたい、一自治体がああだこうだとやり切れるわけではありませんから、そのような課題だと我々は思っています。できることはやりたいと思います。いろいろな訓練もしていますけれど。

 

【記者】

 「もんじゅ」について、国は4月を目途に計画や体制を示すという話ですが、県としては、国がそのようにスケジュールを示してきていることについて、例えば、それを守ってほしいとか、構わないとか、そういった姿勢としてはどのように今見ていますか。

 

【知事】

 この日までにやらないといけないということを申し上げているわけではないですが、何でもないのに遅れることはよくないことですので、おっしゃっていることをできるだけ実行してほしいということです。

 

【記者】

 一方で、規制委員会等では、計画を早く示して対応を早期に進めなさいという形で話が進んでいます。監視チームも2回ほど会合を開いていますし、そのあたりの国の進め方についてはどのように見ていますか。

 

【知事】

 ある程度いろいろな準備行為はあるかと思いますが、何といっても、しっかりとした体制でやらなければ安全に影響するわけですから、そのことは、もんじゅ関連協議会でも関係閣僚の方はおっしゃっているわけで、それを具体化するというのが大事だと思います。これから何十年にわたる事業であるということなのです。

 

【記者】

 わかりました。

 

【記者】

 昨日関西電力の岩根社長が県庁に来て、高浜原発3、4号機の運転再開の工程を示され、28日から燃料を入れるというような報道も出ています。

 今後、安全に運転ができるかという点が焦点になってくる、全国的な関心もあるかと思いますが、運転再開が一歩手前に来ているというこの状況について、どのような気持ちですか。

特に4号機は昨年の再稼働のときにトリップをしているので、再度トラブルを起こすと、国民や県民の理解を得られないような形になってくると思いますが…。

 

【知事】

 なるほど。

 

【記者】

 そのあたり、どのようにお考えですか。

 

【知事】

 やはりこれまでの延長で、安全管理や内部規律、あるいは国民への理解を進めてほしくないというか、新しい段階に達していると、いろいろなエネルギー情勢あるいは地元福井県の様々な原子力発電所の状況を見ても。だから、そのような気持ちでやっていただきたいということを昨日申し上げたつもりですし、今日お尋ねになったから、多少、繰り返しの部分はあるかもしれませんが、そのような感じがしています。

 特にその中で、いろいろな人たちの理解をもう少し具体的にしないと、これは日本中の原子力政策の共通課題だと思いますので、今まさに関西電力がそのようなことをするリーダーシップをとる立場かなと思いましたので、昨日申し上げたわけです。特に中間貯蔵の処理についてはお約束いただいているから、これを実行することがまた安全や原子力の理解、信頼に深くつながるということで、加えて申し上げたということです。

 

【記者】

 運転再開については安全最優先でやると同時に、国民の理解や中間貯蔵の話を進めてほしいということですか。

 

【知事】

 そうです。

 

【記者】

 わかりました。

 県としては、県民の安全を守る立場にあると思いますが、昨日、知事からも、現場に足を運んでという話がありました。県として安全に対してどのように向き合っていくのか教えてください。

 

【知事】

 既に再稼働を一部している原子力発電所の体制がどうなのか詳しくは知りませんが、今回の高浜3、4号機については、いわゆる特別の監視体制を組むというやり方をとっているわけです。他の原子力発電所はどうなのかな。とっているのか、どうなのかな。

 

【職員】

 特段はないと思います。

 

【知事】

 よそと比較するのはどうかと思いますが、特別の監視体制を敷いて、やろうと。我々もそれに対応すると。情報あるいは相互の意見交換、あるいは報告、そして関西電力自体の体制強化を今やっていると、備えて行うということです。

 

【記者】

 「もんじゅ」の廃炉の関係で、核燃料サイクルがどうなるかをしっかり示せということを知事はこれまでもおっしゃっていますが、現時点で、プルサーマルを関西電力がやっていくことについてどのようにお考えなのか。

 昨年の再稼働のときは、まだ「もんじゅ」の廃炉という話はなかったわけですから、状況が変わっていると思うので、改めてそこについての考え方を教えてください。

 

【知事】

 高浜3、4号機のプルサーマルについては、既に事前了解を行っているわけですが、一方で、今おっしゃられたように、「もんじゅ」自体の全体の核燃料サイクルに関する方針転換を、今、政府で出しているわけでして、エネルギー基本計画との間に齟齬を来しているような実態であります。我々としては、政府、国が、この考えをどのように整理して現場でどうするのかという方向を出すのを急いでほしいと思います。これは、むしろ政府に我々が強く要請する事柄であります。事業者からも政府に言わないといけない話だと思います。具体的に今どうだこうだという話はないということですので。

 

【記者】

 政府に対しては、何か要望するのですか。

 

【知事】

 これは既に言っていますが、さらに強く申し上げなければなりません。つまり、プルサーマルを含めて核燃料サイクルがどのように成り立つのか成り立たないのか、現場でどう考えるのかということだと思います。

 

【記者】

 高浜3、4号の中間貯蔵について、新しい段階という言葉を昨日も使われていたと思います。この中間貯蔵の問題を進めること、議論を進めることが国民理解を進めるということにもつながると思いますが、中間貯蔵の計画について、県として関与を強める考えはありますか。関西電力が来てもいつも具体的な進展が見えないという答えですが、そこに対しての県の考えを教えてください。

 

【知事】

 これは、経済産業省を中心とした政府、それから関西電力が、それをやるという約束をし、組織をつくり、具体的なスケジュールを持っているわけですから、それを実行していただくことが基本です。

 

【記者】

 実行させるために、県として何か力を加えるということはありませんか。

 

【知事】

 何かいい方法がありますか。

 しっかり主張して、約束を守らないとお互いいろいろ影響を受けますよね、世の中。まさに政府の約束ですから。つまり、政府のエネルギー政策に影響が出てくるということになると思いますから、守っていただかないと。

 これは、全国でいろいろな考えがどの程度あるのかということがありますので、できれば全国のいろいろな原子力立地地域とこういうことをやりたいとは思っているのですが、それがどの程度なのか、立地条件がいろいろ違ったり考えが違いますと、全員ではできないこともありましょうし、福井県だけ、あるいは関係者ということになると思います。

 

【記者】

 そうすると、福井県だけで対応するのではなくて、ほかの立地県などとも対応しながら…。

 

【知事】

 そういうことはありますが、その地域がどう考えているかということがありますので。まずは、自分たちは自分たちでやろうと思うけれども、同じ考えを持っている人がいるのであれば、一緒にやろうと思っています。

 

【記者】

 今度、文部科学省が持ってくるであろう回答の中に、大洗とか東海に並べてどう位置づけるのかという話も含まれてくるだろうという認識だったのですが、今、文部科学省の作業部会で、国全体としてどうするかということを半年ないし1年を目途に結論づけるという、まさに検討の最中で、この段階で持ってこれることはそんなにないような気もしますが、いかがですか。

 

【知事】

 何をどう考えたらいいのかということをそこでやるわけではないと思うのです。何をやったらいいのか、あるいは、これをどうしたらいいのかを考える作業部会ではないだろうと思います。普通は、何でも考えるときには、こういうような大体の構想を持ってやろうということではないかと、何をしたらいいのでしょうかという話ではないと思うから、その「何をしたら」というところが要るのではないかと思います。

 

【記者】

 むしろ敦賀でやるためにはどうしたらいいのかという議論をしてほしいということですか。

 

【知事】

 それは相手がお持ちなのではないかと。

 

【記者】

 ありがとうございます。

 

【記者】

 新幹線のことで2つです。

 1つが、鯖江市での意見交換会で、豊北総合政策部長が特急乗り入れについてJRと協議をしていく考えを示されました。貨物調整金で、特急を乗り入れた場合に並行在来線の運営にしわ寄せというものも考えられる中で、この問題にどう対処していかれる考えですか。

この前は県民益を最大限にという話でしたが、何かその局面とまた変わってきているのかなと思うのですが。

 

【知事】

 これはいろいろ難しい課題があります。そのこと自体が新幹線にいろいろ影響する、将来の整備財源あるいは計画に影響することはある一方で、フリーゲージトレインの方向がまずはっきり出ると、我々としては活動がしやすいということがあるわけです。つまり、我々が、敦賀までで新幹線を一旦とめてそこで整備をすると言ったのは、フリーゲージトレインが前提でしたので、それを早く出してほしいという考えを国に対して言っていますので、それがまず大前提かなと思います。

 いずれにしても、福井県あるいは鯖江市あるいは越前市で、便利ではないかということは同じ気持ちですので、我々も。そこをどうやっていくかということです。

 

【記者】

 夏以降のフリーゲージの出方次第でまた考えていくということですか。

 

【知事】

 そうです。

 

【記者】

 わかりました。

 2点目ですが、白山車両基地の視察に訪れた茂木与党PT会長が、車両基地を活用して産業観光振興のPTを別に設けるという意向を示されました。白山市だけではなく、敦賀市にも車両基地を設けられますし、敦賀市の周辺には鉄道遺産というものも多く残っています。県としても、新しいPTに何か訴えていったり産業観光に車両基地を役立てるという考えは持たれていますか。

 

【知事】

 それは、一般論として何にでも役立てたいと思いますが、どうやって役立てるのかですね。

 

【記者】

 何か見学会とか…。

 

【知事】

 今、その前段階を一生懸命やっていますので、用地買収をして早く仕事をしないといけないですから、その中で考えることかと思います。

 

【石塚副知事】

 新幹線車両基地、鉄道関係は、いろいろなコアのファンの方もおられますし、京都にも博物館があるので、観光施設になり得るというのは1つあると思います。ただ、それをどうやるかというのは、なかなか難しい問題がございまして、例えば大井の東海道新幹線の車両基地に観光の部分があるかというと、ないわけでして、実際にどうするかというのは非常に難しい問題があります。

 うちの県としては、今からつくる話でございますので、まずつくることが最大の課題でございますので、その辺の観光等は、またでき上がってからか、できるその前ぐらいから考えていく課題かなと思います。

 

【知事】

 景色のいい場所ではありますね、あそこは。

 

【記者】

 そうですね。

 

【知事】

 衣掛大橋が真っ正面に見えますね、敦賀車両基地から山に向かうと。景色はいいですね。

 

【記者】

 知事は、今、いろいろな産地で新しいブランド米が出てこようとしている中で、越前がにの例えを出して、全国各地、日本海側でいろいろカニはとれるけれども、越前がにが「極」というのが1つのブランドであるのと同様に、「いちほまれ」もそうしたいということですが、ブランド化戦略会議の中でも、何で福井なのか、なぜ福井が出していくのかという部分をもっとPRしていかないといけないという声がありました。

 知事として、「いちほまれ」が「ポストこしひかり」として日本のお米になっていく可能性や勝算は、どのような部分にあると考えますか。

 

【知事】

 まず、いろいろな客観的データといいますか、素質からいうと極めて断トツです。それをいかにうまく活かしていくか。そのためには、生産する現場である各農家で、いろいろなタイプのものをつくる必要があります。しっかりしたランクを設定して、いいものから、ここはこういう条件だと、そういうことを管理するやり方、つまり生産管理ですね。それから販売。これはブランド政策ですが、実力が伴っていても宣伝をうまくしないと実力が評価されないという世界だと思います。ですから、「いちほまれ」の素質がすぐれているということをいろいろな方法で訴えていくというのが、これからの広報・ブランド化の戦術になると思います。

 かつ、カニもそうですけれども、「極」というカニがあっても、越前がにが全部「極」ではないわけです。トップから裾野があるので、頂上を高くして、あまり下に広がらないようにしないといけませんが、お米というのは平生使うものですから、大衆的にも使われる必要があります。そういうお米もどうやってうまくつくっていくかという、ほかのお米との組み合わせ、総合戦略かと思います。

 要は、カニとよく似ていますね、越前がにというか。

 

【記者】

 圧倒的に強い「極」というのがあって…。

 

【知事】

 また、セイコガニもあるわけです。それから、ミズガニとかズボガニもある。他の地域によってはもっと違うカニもあるわけでしょう。それぞれ、皆、名前をつけているではないですか。

 

【記者】

 松葉ガニとか間人ガニとか。

 

【知事】

 ええ。しかし、味は随分差があるわけで、素質をしっかり活かしていくことが大事だと思います。

 

【記者】

 そのポテンシャルがあるお米であると。

 

【知事】

 私はそう思います。

 

【記者】

 ありがとうございます。

 

【記者】

 来月の17日で国体・障スポの500日前を迎えますが、準備状況や県民の盛り上がりについて、知事の認識を教えていただけますか。

 

【知事】

 県民の盛り上がりについては、もっともっといろいろ工夫しないといけない、まだまだ宣伝が足りない、一般の理解をいろいろな活動を通じて進めていく必要があると思います。新年度に入りましたので、今、国体推進局にもそのように伝えていますし、いろいろな活動をしっかり進めていくことが大事だと思います。500日がどうだということではありませんけれども、今年が大事だと思います。

 

【記者】

 今、融合を掲げられている中で、情報支援ボランティアの研修が本格的に始まります。この情報支援ボランティアは特に県民の方の協力が不可欠だと思いますが、ボランティアの方に対する知事の認識、所見をお伺いします。

 

【知事】

 国体については、皆がスポーツをし、参加をし、そして、みんなでまちづくりをしていくということでありますので、その三本柱の1つですよね、参加するということが。

 したがって、競技力向上、それから、大会全体の成功がありますから、その間に立っているのが、ボランティア、今おっしゃったような大事なつなぎのところですので、そこがないがしろにならないように努力したいと思っています。地道な仕事でありますし、目に見えないところも多いと思いますけれども、そうしないと国体・障スポがうまく機能しないと思いますので、進めたいと思います。

 

【記者】

 まちづくりについて尋ねます。

 3月末に福井商工会議所の川田会頭が会見を開き、その中で県庁移転の話が少し話題になっていました。知事は県庁が変わる意向を持っていると思うので、あとはタイミングの問題だろう、私たちも検討は進めていきたいというような言い方をされていました。

 タイミングとして、知事は県庁移転をどういうときに具体化させたい、視野に入れたいと思っていますか。

 

【知事】

 大きな方向の話と具体的な話と2つあると思いますが、今、県内の市町で、庁舎を建て直すとか移転するという話があちこちにありますよね。大体、建物の年齢があるわけで、県庁は今、38かな、昭和56年だからね。こういった客観的な状況がある中で、今回、福の井を整備したり山里口御門を整備するといういろいろな動きをしているということです。

 

【記者】

 10年ほど耐用年数が残っているとは思いますが、一方で、北陸新幹線の敦賀開業も6年後、2022年度になるわけで、1つのタイミングもそこで見えるのかなと思います。耐用年数にこだわらずに前倒しするという考えは今のところないですか。

 

【知事】

 耐用年数にこだわらないでやるという考えが世の中に通用するのだったら、それでよいかもしれませんが、みなさんが40歳でもいいのだというのであれば、またそのような考え方もあるかもしれません。

 

【記者】

 わかりました。

 

【記者】

 ふるさと納税について、総務省が3割の上限を示す方針が報道等で出た時点から、西川知事は、地方自治法に基づいた個別的な指導で十分なのではないかという趣旨の発言を何度もされています。他の自治体、他の首長さんの反応を見ていますと、石川県の谷本知事は「ラインを引かないと、ふるさと納税の趣旨が没却しかねないからやむを得ない」、島根県の知事は「常識的な考えを示した」、井戸兵庫県知事は「まだ甘い。法律上の制度で規制すべきだ」というような意見もあります。これは、地方の若者が都会に流出して地方が苦しんでいるという状況はどこの自治体も同じ状態だと思うのですけれども、それがどうして、ふるさと納税になると、西川知事の考えが、ほかの自治体に受け入れられない、広がらないと分析されていますか。

 

【知事】

 もともとそのような考えを持っていてみんながやったわけではなくて、福井県がそのような考えを持って提案したわけですから、多少、認識のギャップというのはあるでしょう。それから、立地条件によっても違うでしょうし。非常に微妙な制度なのです。

 我々としては、そのようなことはいろいろあるだろうけれども、ともかく、国民精神というものをうまく持っていかないとですね。ふるさとを大事にする、自分で税金の使い方を見極めることにつながりますので、時間がかかるわけです。そのような国民運動を広げて、よい方向につなげていくと。提唱県としては、そのような意識をあえて言っているということです。

 

【記者】

 これからふるさと納税の自治体連合も、正式に設立されると思います。その連合でどのように呼びかけていきたいですか。

 

【知事】

 これは3月に準備会を開いていますから、来月中に設立総会を開いてみんなでやっていくことになっています。

 そのような輪を広げて、自治体がまずしっかりした考えを持っていないと、返礼品の問題が起こりますしね。返礼品を除いたとしても、首都圏、大都市の自治体が、自分たちが地方からいろいろな国民を自然に受け入れているという、受益を受けているという、そこを認識してもらわないといけないのです。それが当たり前だと思うと、お金が行っているとかいう話になりますので、非常に難しいのです。

 

【記者】

 今月10日に、国立社会保障・人口問題研究所が2065年までの日本の将来推計人口を示しました。53年には1億人を割る見通しで、65年には8,800万人に減ってしまいます。そのときの65歳以上の高齢者の占める割合が38.4%に上昇するということですが、この数字について知事の受け止めをお願いします。

 

【知事】

 福井県は10年以上前から人口が減っていっていると、既に県民の将来ビジョンで書いていますから、問題とは思っていますけれども、それをできるだけそうでないようにするというのが我々の政策です。子育て、今のふるさと納税もそうですし、1票の格差はみんなそうで、みんなでできるだけ人口の問題に関心を持ってこの問題に取り組むと同時に、大きな障害になっている地方と大都市の人口移動を何とか改善しようという決意でいろいろな政策を入れているということです。

―― 了 ――

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