知事記者会見の概要(平成17年5月26日(木))
平成17年5月26日(木)
10:30~11:20
県庁 特別会議室
【司会】
おはようございます。
それでは、ただいまから、5月の定例知事記者会見を始めさせていただきます。
まず、知事のほうから発表事項がございますので、よろしくお願いします。
【知事】
では、最初に私のほうから、今回はそんなに、ゴールデンウイーク前ほどありませんので、数点申し上げたいと。
1つは、北陸新幹線の県内着工でありますけれども、4月27日に認可を受けまして、その後、鉄道・運輸整備機構などと事業の進め方について協議を進めているのでありますが、6月4日が着工式ということで、私自身も、きょう26日でありますが、鉄道・運輸整備機構から、午後に工事の概要、今後のスケジュールなどについて説明を受ける予定にいたしております。
また、来月6月4日でありますが、先に発表しておりますけれども、起工式、それから3県合同の建設促進大会、それから福井県内の着工記念県民大会といいますか、こういうことを予定いたしております。
今後は、福井県の早期完成を図るとともに、昨年12月に政府・与党の申合せがございまして、必要に応じて随時見直すんだということになっておりますので、一日も早い福井での開業、また敦賀までの整備促進が図られますように、さらに関係者の皆さん、県議会、市町村、関係団体と一体となって、国や関係機関に強く働きかけてまいりたいと考えます。
それから、同じく新幹線に関係いたしますが、これも既に概要は申し上げているかと思いますが、福井新幹線、北陸新幹線の県内着工に関連いたしまして、福井駅部の建設費に充てるため、福井県として初めて住民参加型の県債を発行することを既に申し上げております。名前は「ふくい新幹線債」という、「ふくい」は平仮名でありますが、発行額は3億円、5万円単位で1人当たり100万円までということで、あす27日から購入申し込みを受けまして、抽せんをし、6月30日に発行したいというふうに思っております。応募方法は往復はがきでの申し込みでありますが、6月4日に開催する、先ほどの県民大会の場でも受付コーナーを設ける予定でございますので、ご応募をできるだけ多くいただきたいと、このように思っております。
現物の大きさやろうか、これは。もっと小さいんですか。
【総務部長】
はい、現物です。
【知事】
これの大きさですね。
【総務部長】
それはそんなに大きくはないです。皆さんにお配りしているのはこれでして。
【知事】
これは大き目ですから。お手元にございましたら、それで。
【記者】
ちょっと手に持っていただけますか。
【知事】
これ? どんなふうに持ったらよろしいんですか。こう? 何か宝くじのような感じになって……。これは逆にお借りする話ですので。
よろしゅうございますか。
それから、3点目はちょっと話題が変わりますが、全国知事会における憲法問題特別委員会の問題であります。
憲法問題については、現在、国会をはじめ各政党が見直し論を活発に行っているところでございますが、こうした動きに的確に対応するため、全国知事会としても、地方自治に関する憲法見直しの基本的な考え方を検討、整理しておく必要があるだろうということでありまして、特別委員会の1つとして憲法問題特別委員会が設置されまして、5月24日、一昨日でありますが、都道府県会館で、これは全国知事会のある建物でありますけれども、第1回目の会合が開催されました。この特別委員会には、21名の知事が参加しておりますが、委員の互選によりまして私が委員長に就任することになっております。
先日の第1回会合では、初会合ということで、どういう範囲で議論したらいいのかとか、またその手順、それから地方分権あるいは地方自治の考え方、精神といいますか、そういうものをより具体的、自主的に、どのような格好で憲法上保障がされ得るのかというような、いろんなそういう議論をまず冒頭にしたところでございますけれども、憲法自体にもいろんな議論もありますし、地方自治についても多くの論点がございますので、今後、各委員の――委員といいましても知事の委員でありますが、協力をいただきながら、実のある議論を重ねまして、基本的な考え方を整理し、来年2月には報告書を取りまとめたいと思っております。これは国会なり各政党のこれからの動きもございますので、そういうものを踏まえながら、作業は少し弾力的にやらなければならないと思っております。
それから、少子化対策でありますが、この3月に、「福井県 元気な子ども・子育て応援計画」、平成17年度から21年度までの5か年計画を策定しておりますけれども、これまでの少子化の流れを変えまして、元気な子供をできるだけたくさん育てるということが必要であります。
現在進めている主な取り組みとしては、レポートにも書いてありますけど、主なものを申し上げますと、子育てマイスター事業の募集というのが1つあります。これは、保育や医療、看護、保健など、いろんな資格を持っている方を200人以上募集いたしまして、いろいろ地域で助言や相談をするということです。それから、24時間365日体制の児童相談を実施する。それから、3点目でございますが、結婚対策事業の充実ということで、200名の結婚相談員が、県内を12地区に分けまして、結婚相談を実施するなどのことがあるわけでございます。
また、これから父親の育児・家事への参画というのが重要でございますので、父親の子育てを応援する企業の表彰制度とか、あるいは企業支援を、6月から企業を個別に訪問いたしまして、企業において自主的な行動計画の策定、実践を働きかけてまいりたいと考えております。また、これからは、子育てにかかわるいろんな企業や労働関係、教育関係、行政関係など、各界の代表で構成する推進会議を設けまして、運営をしていってまいりたいと思います。
それから、地球博のエコフェスティバルの出席、また、夏のエコスタイルの関係であります。これは資料があるので。
このたび国からの要請によりまして、6月5日、愛・地球博の会場で開催されます環境の日エコフェスティバルに、福井県知事、それから兵庫県、沖縄県の知事とともに出席をしまして、本県における夏のエコスタイル、ノー上着、ノーネクタイの取り組みなどを紹介したいと考えております。なお、民間の企業の方は、ああいう服装でお出になる人もあわせて、セットになるフェスティバルだと思いますが、官民挙げてのいろんなPRをするということで、福井県は全国に先駆けて実施率も非常に高い県だということで、出席をしてくれということであります。
そこで、今年度から、従来からの取り組み期間でございます夏至、6月21日から秋分の日ということで、地球の暦といいますか、そういうことであったんですけれども、今回は人間的な暦といいますか、衣替えの時期に合わせまして、さらに、夏至ではなくて6月1日の水曜日から9月30日まで、いわゆる衣替え的に4か月取り組むと、こういうことに期間を延長いたしました。今年は暑い夏なのかどうかちょっとわからんのですが、一応そういうことで考えております。
県議会ともいろいろ相談をしまして、県議会でも今年度からこの期間中の本会議、それから各委員会はすべてノー上着、ノーネクタイのエコスタイルということになります。従来は、本会議はこういう服装でしたし、委員会は、上着は脱いでおるけどネクタイはつけておったということですが、より徹底をするということで、議会も行政も同じタイプになるということであります。そして、期間も長くなるということです。
このエコスタイルについては、関西広域連携協議会でもいろいろ議論をしているんですが、本県は平成11年度から全国に先駆けて、先ほど申し上げましたように、取り組みを実施して開始しているものであります。それから、本県としては全国のトップを切りまして、平成13年度から全市町村においても冷房温度を28度、また、エコスタイルの徹底ということで、全国的に先進的な県であるということであります。
また、平成14年度の中部圏知事会議でも私のほうから呼びかけまして、中部圏ではすべて既に実施をされているということであります。
こうしたことで、今後とも市町村、産業界などとも強く連携いたしまして、エコスタイルを進めたいと思いますので、また報道の皆さんにつきましても、いろいろご都合があるかもしれませんが、涼しい服装でご一緒にお願いしたいと、このように思っております。
それから、今度は公共事業の関係でありますが、明治橋という橋が県道本郷福井線に架かっておりますが、その架け替えが完了いたしまして、日野川に架かっておるのでございますが、今月31日から通行可能になります。パンフレットがお手元にあるかと思います。
今回新たに通行可能となりますのは、平成12年度から県が整備しております明治橋、国交省の河川改修と一体的に整備をしてきたわけでございますが、利用が可能となるものであります。
既にございました明治橋は昭和32年にできたものでありまして、50年近く経過しておるということで、非常に狭い、あるいは老朽化が進んでおったということでありますので直すことになりました。
もう一つ、橋の話になりますが、今度は橋がなくなるほうの話でありまして、城の橋線、旧豊島跨線橋の関係でありますが、昨年9月に着手しました豊島跨線橋、鉄道の高架に伴いまして撤去工事を行っておりましたが、撤去工事がほぼ完了し、6月6日、月曜日になりますが、正午から、足羽川河川敷道路を廃止いたしまして、豊島跨線橋跡に、車道部2車線、片側1車線でまず供用開始いたしまして、引き続き道路整備を行いまして、7月下旬に車道部4車線の供用全面開始をする予定でありまして、これでもって、当面、東西の交通、すべきものについては大体完了するということであります。
なお、もうちょっと南のほうですが、セーレンという会社がありますが、その前をちょっと下がっていく道は7月下旬に供用が可能になるということであります。足羽川のさらに下流というか、左岸の、もうちょっと南のところにありますが。ですから、メーンの豊島跨線橋は6月6日からということになります。
それから、児童科学館の名誉館長は宇宙飛行士の毛利さんにこれまで委嘱しておりまして、5月末に委嘱期間が終了いたしますが、引き続き毛利さんに名誉館長委嘱をお願いしたいと思いまして、6月1日に東京で直接毛利さんにお渡しして、ご委嘱を申し上げたいと、このように思っております。
昨年6月には会館の5周年、また宇宙少年団の結団式などにご出席いただいておりますが、引き続きのご助言をお願いしたいと思っております。
それから、最後でありますが、今度は航空といいますか、空のお話ですが、本県では、本県の空の玄関口でございます小松空港の利活用ということでいろんな対応をしておりますが、時刻表がありますけれども、JALあるいはANAがありますが、JALの時刻表には「小松」というところに「金沢・福井」というふうに括弧書きで全部書いてあるわけですが、ANAにつきましても、まだそうなっておりましたので、今回、6月版から、「小松(金沢・福井)」という表示が出るようにいたします。
それから、時刻表にも2種類ありまして、時刻表の目次と中があるんですが、6月に中、それから、目次は7月から直ることになりました――ANAのですね。JALは既に終わっておるということです。
それから、福井県の観光コーナーが、小松空港の出発口の階段を上る右側にあるのでありますが、石川県と福井県が並んでおりますが、毎月1,000部程度のパンフレットを誰かに持って帰っていただいておると、そんな状況であります。
なお、機内誌を見ますと地図が載っておりますけれども、ANAは既に小松のところに、先ほどの、「金沢・福井」と書いてあるんですが、今度は逆にJALのほうがまだそうなっておりませんので、引き続きJALにご要請をして、地図も直したいなと思っております。
表示の話ではありますけれども、できるだけわかりやすく、こんなふうに一つ一つ取り組んでまいりたいと思います。
私のほうから申し上げる点は以上でございます。
【司会】
以上で発表事項は終わります。
それでは、質疑に移りたいと思います。
まず初めに、幹事社のほうから質問していただきまして、その後、各社からお願いしたいと思います。それでは、幹事社のほうからお願いします。
【記者】
それでは、まず先ほどの憲法の委員会の話なんですけれども、前回の委員会では、憲法の前文に地方自治という言葉を入れるべきだという意見も出たようですけれども、知事としては、今回の憲法の見直しというものについて、地方自治というものに対してどこをどう見直していくべきというか、課題とお考えになっているかというあたりを、具体的にお伺いできればと思います。
【知事】
憲法については、全国の47の知事さんがおられて、いろんなお考えの方がいらっしゃると思われます。憲法の改正についてもありましょうし、また憲法と地方自治の関係もいろいろあると思いますし、地方自治といっても、どこの部分を地方自治というのかということもあると思いますので、私としては、できるだけ全国の知事の共通の認識を集約して、そして憲法のそういう議論が行われる、具体化するということになれば、そこで地方自治が少しでも進むような、そういうことを全国知事会として申し上げる、その取りまとめをしなければならないと、そういう考えでまず今のところはおります。
ですから、まだ始まったばかりですし、個人的な、ここの条文がどうだとか、そういうことは申し上げるのも適切でもありませんし、今そういう立場にもございませんが、基本的な考え方はそのように思っております。
第1回の議論では、憲法の前文がありますね。恒久的とか、いろんなことが書いてある。あそこには地方自治という考えが、ずっと読みましても、直接は書いていないですね。それから、憲法の第92条以下に4条項、地方自治のことが書いてありますが、大体は法律に任せているとか、あるいは地方自治の本来の趣旨、本旨という抽象的な言葉ですので、これをもっと、どんなふうに議論したらいいのか、具体的にどうしたらいいのかとか、そういう議論が第1回の会合では既にあったところでございまして、議論の範囲をどのように集約して、どういうところで地方の立場から物を申すかということがポイントになるかと思います。あまり憲法の学問的といいますか、学者的な議論というのはまたご専門の方がおられますから、そういう成果を十分踏まえながら、我々は行政と政治の接点におりますから、そういうことで、できるだけ、地方自治、地方分権というのが10年来動いておりますので、具体化するという動きを強めるのがいいのかなと。いずれにしても、全国の知事とよくご相談して物事を進め、少しでも前に地方自治が進むといいますか、そういうことが大事かなと思っております。
【記者】
委員長というお立場での今の時点で、地方自治と憲法については言いづらい部分もあるかと思うんですが、一方では、どうでしょうか、改憲論議といいますか、憲法の見直し論議自体についての知事のお考えというのは。
【知事】
頭をもう少し整理せんといかんですね、いろんなことで。ですから、憲法改正とは委員会に書いていない。憲法の論議になっておりまして、いろんな考え方がいらっしゃると思いますので、そういうものをまとめながら。しかし、物事は黙っておると進むかもしれませんから、ちゃんとしたときにちゃんと物を言わないと、地方自治のためにはならんだろうと、こんなことですね。
【記者】
新幹線のことなんですけれども、現時点で工事のスケジュールとかで聞いていらっしゃることとかというのはありますか。
【知事】
特にきょうまたお伺いしたいと思っていますので。あれは公になる場があるんですか、きょうは。鉄道機構からは。そこでまた十分承りたいと思っているんですが。
【記者】
きょうは……。
【知事】
はい。今のところ、まだ特に変わったお話はありません。従来の方針で進めるということになっております。
【記者】
県債について、知事から一言……。
【知事】
何?
【記者】
新幹線債について、ある程度知事のほうから県民の方にこういうお呼びかけみたいな一言を……。
【知事】
新幹線にご関心を持っていただき、そして、少しでも、一日でも早く新幹線の整備が進むように、積極的にご購入をお願いしたいと思います。
【記者】
こういう県民債という形にしたのというのは、関心を高めるとか……。
【知事】
関心を持っていただくのは大事ですし、大勢の人に参加していただいて、また財源的にも確保すると、こういうことです。福井県の皆さんは貯蓄率も全国的に高いですので、そういうお考えをお持ちの方も多いんじゃないかなと思っていますけど。金額的には額が大きいわけじゃありませんので、お金をお持ちの方も、また、そんなにお持ちでない方もいらっしゃるかもしれませんが、いろんな人に幅広くお願いしたいと思います。
【記者】
今聞きますと、6月4日に起工式があると。
【知事】
はい。
【記者】
いま一度、新幹線の問題について、いくつかまとめてお聞きしたいんですけれども、繰り返しになることもあると思いますが、またご了承願います。
北陸、ほぼ同時期に開業するということで、その見通しと、そのための課題を、いま1度知事のご所感を聞かせていただきたいんですけど。
【知事】
今回、いろんな手続き、あるいは具体的な着工なども同時期ということですから、北陸3県は当然ですが、国においても何か物事を一緒に考えるんだという、そういう基盤はできたと思いますね。ですから、これをスタートにして、ここ3年やら4年の中での福井駅の整備、そして、一日でも早い見直しですね。財源の見通しを立てて、金沢・松任から福井のルートという線による整備の方向づけが出るように、これからさらに粘り強く、また果敢に挑戦をしていかなあかんだろうと思っております。
【記者】
そういう中で、去年も政府・与党から随時見直しと……。
【知事】
必要に応じ、随時ですね。
【記者】
やっぱり、僕ら素人からすると随時ということは、逆に、戦略的にやりやすくなるのかなと。
【知事】
そのように思います。今回、着工式、また県民大会などもありますが、いろいろこれまで新幹線で努力していただいている国の皆さんにも今後福井にいろいろ来ていただいて、福井の駅の様子とか、福井県民の雰囲気とか、そういうものを東京だけやなくて、あるいは大阪とかそういうところじゃなくて、いろいろ知っていただくという努力が非常に大事だと思いますね。これからだんだんそういう雰囲気が出てきましたので、関係するポイントになっておられるキーの政治家なり、皆さんも、福井にお見えになりやすくなったというとあれですけども、そういうふうなことで我々はできるだけ努力を、来ていただきやすいような形で、よくわかってもらうということが大事だと思います。
我々も、ほかの地域の新幹線というと地名は聞くんですが、意外と現状とか、どんな雰囲気だとか、そういうものの全国の比較なり優劣、あるいは必要性について、言葉でしかわからないということが多いですから、そんな努力をしたいと思います。
【記者】
それと、去年の政府・与党申合せの中で、敦賀までの認可申請を行うということがあったと思うんですけども、まだ認可申請については……。
【知事】
まだですが、ほんとう、これもできるだけ急ぎたいと思いまして、今、実務的にいろんな詰めや協議を加えたいと思っております。
【記者】
僕らはよくわかんないですけど、申請に至らない何かハードルとか……。
【知事】
いや、特にないと思います。障害はないと思います。
【記者】
じゃ、時期というのはわからないんですか。
【知事】
まだわからない。できるだけ急ぎたいと思います。
【記者】
並行在来線の三セクの問題について、2月議会でも一部議員の方が質問していたと思うんですが、いま一度、今後どういうふうに、近い将来必ず起こり得るであろう三セク問題をどういうふうに知事は……。
【知事】
三セクについては、既に今回の北陸新幹線の基本的な方向づけの前提として、何年だったかはまた後であれしますが、北陸3県で意思を統一して、第三セクターで在来線は運行をするということになっておりますので、それは基本的に変わらないと。それについて異論が出ているわけでは今全然ありませんので、そういう方向で進めたいと思います。
【記者】
今後の動きとして、例えば研究会とか……。
【知事】
すぐには何か出てこないかもしらんですね。まだこれからいろいろ工事も進めなきゃいけませんし、まだ実際の事柄は少し先になりますので、当面の問題に取り組む必要があるんじゃないかと思います。
【記者】
最後に、新幹線が実際、近い将来来たとすると、やっぱり新幹線の効果を最大限に生かすためのまちづくりが必要だと。そのストロー現象を心配する声もあるんですが、知事として、新幹線をまちづくりにどういうふうに生かしていこうと考えていらっしゃいますか。
【知事】
今回の在来線の高架事業でも、相当中心部に、いろんな人たち、顧客が集まり始めたという傾向もあるようですし、何としても手寄地区、東側の開発なんかもしっかり進めなければなりませんし、例えば西口、これは商店街などの問題もございます。また、だるまや西武さんなんかも中心的に引き続き活動してもらわなきゃなりませんでしょうし、地元商店街もこの機を逃すとチャンスはないわけですので。もちろん、それぞれの商店街の個々の企業としての利益、これを追求していただくことは重要ですが、その中で全体の公の利益というものも引き出していただく、そういう活動をしなければ、福井の東西、また中心市街地の発展というのはないと思いますので。そういうことで、我々も行政の立場で、福井市と、また民間の皆さんと、非常に重大なる課題だと思っておりますので、努力したいと思っています。
【記者】
最後に、そこの「福井市と」というところなんですけれども、福井市との連携がうまいこととれていないんじゃないか、中の話し合いのテーブルがなかなか持てないという声が、福井市役所のほうからも、県の人とうまくやっていきたいという声が上がっているんですが、福井市との連携については、知事はどういうふうにお考えでしょうか。
【知事】
十分連携しなければなりませんが、それぞれ別の団体ですから、政治的な進みぐあいとか都合などもありましょうし、あと、全体の進みぐあいもありますから、もっともっと十分な議論をして、何が不都合であり、どこを直したらいいのかというのを、特に具体化をしなければならない、単に議論をしている時代じゃありませんので。一つ一つ進めていく、事実をつくっていくということが重要かなと、このように思います。
【記者】
来週月曜日に、「もんじゅ」をめぐる最高裁の判決が出される予定ですけれども、もちろん、まだ判決が出ていない段階ですので詳しい内容についてはあれですけれども、「もんじゅ」の判決が知事の原子力行政に対して何らかの影響を与えるというふうにお考えになっているでしょうか。
【知事】
それはいろんな関係は出てくると思いますが、今の段階で、あらかじめの予測をしてああだこうだというような状況ではありませんし、30日の段階で、申し上げるべきことがございますれば申し上げたいと思っておりますけれども。
【記者】
今、判決に対しては、知事としてはどのようなお気持ちで臨まれていますか。
【知事】
それは、司法として信頼のおける公正な判断をしていただくというのが我々行政の立場ですので、そんな気持ちでおりますけど。
【記者】
「もんじゅ」のことで関連でお伺いしたいんですけれども、知事のお立場からしたら、二審判決で設置許可は無効という判決が下りましたけれども、その二審判決が県政あるいは県民の原子力の信頼とかというものに与えた影響というのは、今振り返って、どういう効果をもたらしているか、お感じになっていることがあるでしょうか。
【知事】
難しいお尋ねですね。どういうふうに申し上げたらいいんですかね。司法というのはそれぞれ段階がございますから、最終的には、それぞれある判決が出て、それが次の控訴審、そして上告審というふうにつながるわけですので、全体として最終判断をどのように受けとめ、理解することかなと私は思っております。もちろん、司法のそれぞれの段階での判断というのは司法的には重要なことでございますので、そういうものを踏まえながら、「もんじゅ」などいろんな問題については、福井県として、また国とも協議しながら進めてきた経緯がございますけれども、最終的には、30日を一応予定しておられると聞いておりますけれども、その判断でどのようなことが出るかということだと思っています。
【記者】
事前了解のご判断というのを検討されてきたと思うんですけれども、その中で、知事は以前、昨年の段階では最高裁の訴訟も判断の要素の1つというような答弁をされたと思うんですけれども、そのあたり、あれだけ設置許可無効という衝撃的な判決というのは、そのあたりの判断の中で……。
【知事】
もう既にいろいろ申し上げていますので、重ねて別のことを申し上げるあれは持っておりません。
【記者】
原子力関連ということでもう1点あるんですけれども、高浜町が先月、中間貯蔵施設の誘致というか、事前の調査を関電に依頼されて、結局は土地が狭いということでだめだったらしいですけども、それについて、事前に県のほうに相談があったかどうかだけ、ちょっとお伺いしたいんですけど。
【知事】
それは聞いてはおらない。
【飯島副知事】
関西電力に確認をしたんですけども、あれは、中間貯蔵についての一般的な適地とか、そういう一般的な質問がありましたので、一般的にお答えしただけですのでということでございましたので、県には特段お話はなかったということでございます。
【記者】
その上で、改めて中間貯蔵施設に関しての県の考え方というのをお伺いしたいと思うんですけれども。
【知事】
これも以前から申し上げているところと何ら変わっておりません。
【記者】
いわゆる県外が望ましいということで。
【知事】
以前そのようなことを、前の知事は、栗田知事はお話ししておられますし、特段の状況も何も変わるものでもありませんので、私としても同じです。議会などでもお答えしているものと変わりません。
【記者】
もう1点、よろしいですか。鉄道の安全確保のお話なんですけれども、2点、お聞かせいただきたいんですが、まず、1点目に、福知山線の事故を受けて、国が今、全国の鉄道会社に、カーブに進入する際に速度を制限するためのATSの設置を義務づけて、あるいは、その設置基準を今変更している段階のようなんですけれども、県として、えちぜん鉄道のそういったATS設置に関して、どのような考え方で、どういう姿勢で臨まれるおつもりですかというのが1点目。
もう1点目は、同じような形で、直接民間とになりますけれども、JR北陸線、小浜線、それから越美北線、あと福井鉄道、こういったところの安全確保について、県としてまたどのような取り組みを、どういうことをして臨んでいくか、その2点をお聞かせいただけますでしょうか。
【知事】
基本的には、必要なことはせなあかんと思いますが、これも申し上げたかもしれませんが、単に法令上というか、あるいはシステム上の安全基準などの形式あるいは中身を強化するという方面の努力もありますけれども、鉄道会社に対して、公共輸送機関でありますので、国として応援をするということが相伴わないと、なかなかこれは、国民の安全とか、あるいは輸送の安全確保には十全ではないと思いますので、そういうことを我々も地方の立場から国に対して申し入れをする必要があると思います。もちろん国も考えておられるんだとは思いますが、単に規制だけを強めるといっても、多くの投資がかかりましょうし、大変なことになると思いますので、安全は大事ではありますが、そうした努力を国で、これからますます公共交通機関の国としての支援というのが重要じゃないかなと、このように思います。
というのは、「2030年の姿」でも、福井の立場ですけれども、そういうことが書いてある。若い職員が思っている。私、同感なんですね。
【記者】
それは、今、知事はおっしゃったわけですけど、えちぜん鉄道におそらくATSを設置しなければいけないということになった場合、設備投資ですから、県が負担することになると思うんですけれども、そういった費用についても、例えば、国のほうから何らかの補助をする必要があると、そういった趣旨で……。
【知事】
かつ、いろんな基準については、実態をよく見ていろんな基準をつくってほしいですね。全国、いろんな鉄道があり、いろんな条件のものがあると思いますし、安全面でもいろんな差があると思いますから、それの全体を見て、こういうところはこうだというような、そういうことも大事かなと。私は専門じゃありませんので、これだとは言えませんけど、そんなように思います。JRの基準が普通の私鉄の、地方の私鉄にどのように合うのか、合わないのかとか、そういうこともあると思いますので。周辺の環境も違いますし。
ですから、地域全体としてどういう安全がよろしいのかというのは、できるだけきめ細やかに、いろいろ対策を講ずる必要があるし、それに対してまた支援も要るだろうと。それも基本的に国がやってもらわなければならないものだと私は思っております。もっともっとそういうところに投資をする必要があるんじゃないかなと思いますね。
【記者】
支援というのは、金銭的な、費用的な面をおっしゃっているんでしょうか。
【知事】
安全面のいろんな対策が弱いんじゃないかと思うんですけどね。これはしっかりした制度をつくらなあかんですね、国が。道路にしても河川にしてもいろんな制度がありますよね。鉄道は、その辺は伝統的に民間に任せているのが少しあるんじゃないかと。そんなふうに思います。
【記者】
先ほどの新幹線に戻るんですけども、今後、随時見直しに向けて、県として福井まで延伸する場合に、現実的に福井までという形を重点に置いてやっていくのか、あくまで敦賀でやっていくのか、その辺のしっかりした県の意思統一といいますか、そういうのが必要になると思うんですけども、知事としてはどういうお考えで今後はやっていくのでしょうか。
【知事】
敦賀までについてしっかりやらなきゃならないというのは、これまでの、私のみならず県の関係者の皆さんの考えですから、それを進めていくということです。
【記者】
でも、現実的には、先ほども言ったように福井までの開業と敦賀までの整備というような言い方ですね。現実に北陸3県で間に合わそう、同時期開業を目指そうと思うと、ある程度、とりあえず開業ということが念頭にあるのか、その辺はどうなんですか。
【知事】
今のところ、片方は着工、片方はこれから認可申請と差はありますけども、それをどういうタイミングでどの程度の速度で整備されるかというのはありますけれども、基本的には敦賀までという方向でまず努力するということなんです。期間は長いですから、その中でどんなことが起こるかというのはこれからになります。
【記者】
それともう一つ、敦賀より先の話、いわゆるルートの話ですね。今のところルートの動きというのはやっていないですけど。
【知事】
いろんな議論をしなければならない時期は来るかもしれませんが、これは皆さんといろんな議論をし、これからの中でしていく必要もありますし、今、当面は敦賀ということです。
【記者】
それは、やはりルートの話はある程度福井までがきちっとした形がとられるまで……。
【知事】
あまり決めつけの議論はできませんが、今はそんな段階です。まず当面――当面といっても随分期間が長いですけど、やることをまずしっかりやらないと話にならないです。
【記者】
引き続き新幹線のことですけども、早ければ8年後には金沢が開業するとも言われていますし、時間が大分あって、具体的に県としての今後の戦略、先ほど市町村と一体となってというふうにお考えを示されたんですけど、何か具体的な戦略みたいなものはお持ちじゃないですか。例えば何かをつくるとか。
【知事】
いろいろやっていく中でいろんなことが出てくると思うんですが、今すぐにこれだということは申し上げられません。
【司会】
ほか、ございませんか。
【記者】
また別件なんですけども、あと1か月余りで福井豪雨から1年ということになるんですけども、福井豪雨から1年に際して、今、県として取り組んでいらっしゃること、あるいは7月18日当日に1年を記念――1周年という言い方はおかしいんですけども、考えられているようなことはございますか。
【知事】
今、いろんなボランティアの問題、皆さんの問題とかそういうものはありますが、なお、今どういうことをしなければならないのか、特にそういうこともありますが、当面、洪水時期になりますので、その対応、体制をできるだけ整えておくのが基本なんです。そうした上で、それに関連して7月18日前後にどんなことをやるかということですので。なおちょっと、いろいろ検討しておりますが、私自身の考え方はそういうことです。
【記者】
洪水時期の体制整備ということで、具体的には?
【知事】
いろんな応急とか情報関連です。それぞれの市町村では特に住民の皆さんとの連携なり情報の伝達が非常に重要です。そういう問題です。それから、いろんな工事などをやっておりますから、そういう問題について支障のないようにするというのが大事なことだと思います。
【司会】
あと、ございませんか。もしございませんでしたら、これで終了させていただきたいと思います。
― 了 ―
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