知事記者会見の概要(平成17年6月14日(火))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002784

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平成17年6月14日(火)
10:35~11:35
県庁 特別会議室

記者会見

 


【司会】

 おはようございます。

 それでは、時間になりましたので、ただいまから6月の知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 まず、知事のほうから発表事項がございますので、よろしくお願いします。

【知事】

 今月の記者会見は少し早くて、前回からあまり期間もたっておりませんので、そんなに話題もありませんが、数点だけ申し上げたいと思います。

 まず、北陸新幹線の県内着工につきましては、既に、6月4日に北陸3県で同時といいますか、同時刻だったのかもしれませんが、着工ができたということ、また、その後、県内でも多くの皆さんに参加をしていただいて、県民大会を行うことができたということでございまして、また皆様のいろんなご支援に対しましても、心から厚くお礼申し上げます。

 この福井駅部のスタートを契機といたしまして、平成20年完成を目指して、さらに全力で取り組んでまいりたいと思いますし、敦賀までの認可申請などについても、協議を進め、方向ができるだけ早くできるようにいたしたいと思います。

 なお、6月4日の起工式で、国交省からも、この問題については、「所要の手続を経て、直ちに認可申請を行う」というようなあいさつも、岩村事務次官でございましたが、あったように思いますので、そういう方向で今対応をしているということでございます。

 それから、2点目でありますが、国民保護計画であります。これについては、今、国に対して協議をいたしておりまして、最終的な調整、あるいは国のいろんな判断がつけば、国民保護計画として決定を見るというふうに思っておりますけれども、この計画につきましては、もちろん計画だけではいけないわけでありまして、いろいろな訓練というのが必要であります。

 国においては、本年度、地方公共団体と共同で、図上訓練、図面上の訓練ですね、それから実動訓練、実際に現場で訓練をするという、この2つがあるんですが、きょう、この訓練実施概要について国から発表があるんやろうかね。これからですか。

【飯島副知事】

 もう終わっております。

【知事】

 そうですか。

 ほぼ同時刻ぐらいにあったというふうに申し上げたほうがよろしいのかもしれませんが、この実動的な訓練ですが、いわゆる普通の訓練です。世の中で見られるような防災訓練なんかがああいうタイプの訓練ですが、これを実動訓練といいます。実際に動く訓練ということなんですが、今年の11月末ごろを目途に、国の内閣官房、福井県、関係市町村が主催をいたしまして、関西電力の美浜発電所、そこの現場を想定して、全国で初めてとなる実動訓練を実施する予定にいたしております。

 本県では、これまで国に対して図上訓練を共同で実施するということを要望してきましたけれども、今回、より実践的な実動訓練が実施されることになりますので、この訓練を通じまして、この国民保護計画の実効性をいろいろ検証し、他のいろんな地域へも役立てるといいますか、そういうことにいたしたいと思います。他の地域は、まだ計画をこれから着手しようとする県が多いと思いますけれども、それとあわせて計画づくり、それから実際の訓練といいますか、そういうものに役立てるようなことになるかと思います。

 今後は、関係の市町村、また地域住民の皆さん、それから事業者としては関西電力、その他関係機関の理解と協力を得ながら、訓練の準備を進めてまいりたいと思います。

 それから、これに関連しまして、国の消防庁ですね、消防関係ですが、昨年8月から、地方団体の国民保護計画の作成をバックアップするために、「地方公共団体の国民保護に関する懇談会」を開催いたしているのでありますが、今回、国民保護に関する福井県のこうした先行的な取組みを聞きまして、いろいろ事例の報告をしてほしいということで、今月6月28日の懇談会で私のほうから事例報告をこの場で行いたいと思っております。その日当日は、国民保護計画作成の過程で出たいろんな課題への対応とか、関係機関との調整、あるいは県民へのいろんな普及・PR、それから市町村への指導、こういうものについて意見を述べたいと思っております。

 それから、3点目でありますが、出水期、水が出るという意味で、梅雨に入りますので、災害予防対策であります。きょうは14日ですから、実務的にはあすから4か月間を出水期というふうに普通は言うんですけど、別に日によって出水期が実際的に変わるというわけではなくて、一応そういう想定をしていろいろ仕事をしておりますので、きょうはその前日になりますけれども、出水期を前にした災害予防対策ということでございます。

 ちょうど7月18日が福井豪雨でありましたので、間もなく1年を迎えます。全国のボランティアの方からいろいろ応援もいただきましたことから、先週6月9日、10日に「全国フォーラム‘05inふくい」というのを開催いたしまして、700名を超える参加を得たところでありますけれども、今ほど申し上げましたように、ちょうど1年目ということになりますので、7月18日には被災地において、いろんな災害から得た教訓をもとに、人と自然との関わり、川との関係などを中心とした会議などを開催したいというふうに思っております。詳細については今検討をしておりまして、内容が固まり次第公表させていただきたいと思います。

 同時に、被災した越美北線のレールとか、あるいはそういう写真とか、被災を記憶できるいろんな展示物を7月中旬から県立歴史博物館で展示をすると。また、県民ホールでも写真のパネル展なども予定をしたいと思います。歴史博物館は、1階のエントランスロビーで7月16日から1年程度行いたいというふうに思っております。「水害の記録」という、そういう表題にするということですね。それから、県庁の1階のホールは、7月11日から15日まで写真展などを行うということであります。

 それから、出水期に当たりまして、これまでのいろんな対応を含めまして、県の災害予防対策についてお話をいたします。

 1つは、地域防災計画の修正でありますけれども、2月16日に地域防災計画の修正を行いまして、インターネットを活用した避難情報の伝達でありますとか、要援護者への避難支援計画策定支援などの修正を行っているところであります。また、国が3月末に策定いたしました災害時要援護者の避難支援ガイドラインや福井県の水防計画の改正を受けて、今回、水防警報河川の対象河川の箇所の拡大、それから避難準備情報の具体的発令基準を盛り込むなどの福井県地域防災計画の追加修正を行いまして、国との協議を進めているものであります。

 その中の水防計画──水防計画から災害対策本部に移行するシステムになっておりますけれども、7月1日に水防法、国の法律が改正されますので、こういうことも受けながら改正を6月15日に続けて行うというものであります。

 再度申し上げますが、主な改正点としては、昨年の水害では中小河川での被害も多かったということで、水防警報を出す河川、コントロールする河川は、今まで5つの河川であったのを19の河川に拡大する。それから、中小河川にも特別警戒水位、避難の目安となる水位を設定し、公表をする。それから、そういういろんなコントロールする市町村も限られておったんですが、美山町、今立町、池田町を追加する。それから、水防警報の発令権限を土木事務所長に、現場に委譲すると。いろんなこういう改正を今行っているということであります。

 なお、いろいろとこれから申し上げることは、本日午後、河川課長がより詳しくご説明をもう一回やりますので、そのつもりでお聞き願いたいと思います。私は概略だけ申し上げます。

 それから、緊急時参集訓練、これは訓練のほうのお話になりますが、今回初めて水防本部というのをどうやってスタンバイさせるか、立ち上げをするか、災害対策本部にどう移行するかという想定訓練を6月2日に1回行っております。

 それから、招集して30分以内の集合、緊急時特別初動班を招集したところ、103名ですが、大体82%ぐらいの人間が30分以内には集まれたという状況が確認できております。

 さらに、昨年の福井豪雨を想定して、発生から24時間経過までの事態の展開を基にした図上訓練を実施いたしまして、職員の意識向上、初動対応の習熟を図ったところであります。今後は、さらに関係機関による訓練を実施するなどして、災害時に備え、円滑な防災訓練を行いたいと思っておるものであります。

 それから、足羽川の激特事業でありますけれども、昨年10月に事業採択がされて以来、本年の出水期までの完成を目指して、破堤部、堤防の破れた部分の復旧、あるいは水が越えていった、越水区間の堤防強化などの工事に取り組んでまいりましたが、これらの工事についてはおおむね完成をいたしました。引き続き河床の掘削、掘削土砂の搬出に着手するために、河川内の仮設道路がおおむね完成いたしましたので、きょう14日午後から、桜橋下流区間から締切矢板の打設を開始いたします。川の一部を区切って土砂を出す矢板をきょう午後からやるということになります。

 今後、環境や景観にも配慮しながら、河川掘削、また、泉橋、木田橋の橋梁架け替えなどを順次、これから数年間かけて取り組むということになると思っております。

 工事の様子などについては、できるだけ住民の皆さん、県民の皆さんにわかるように、今何をやっているか、何のためのものであるか、いつまでに終わるんだということがわかるようにできるだけするように努めたいと思います。

 また、出水期に向けた災害防止対策として、各土木事務所において、道路・河川等についてはパトロールを強化いたします。また、河川工事については、出水期間中は堤防の開削等の工事を極力避けまして、砂防関係についても雨が降っているときには掘削工事を控え、渓流やがけ地を監視するなど、監視体制の強化を図ってまいりたいと思います。

 そのほか、施工業者に対しては、工事用機械とか材料の流失・損壊が生じないよう、これからの管理に十分留意するように周知徹底を図りたいと思っているものであります。

 いずれにしても、災害は、いろいろ準備いたしましても何が起こるかわからないというのが災害でありますので、いざというときには臨機応変に、また、スピードを上げてやらなければならないというのが基本でありますので、そういう心構えで対応したいと思っております。

 それから、4点目は雇用の問題でありますが、15,000人の雇用というのを「福井元気宣言」で掲げておりますけれども、このたび16年度分の集計がまとまりまして、その結果、平成15年4月から17年3月まで、2年間の雇用創出数は1万623人という計算になっておりまして、数が厳密に何人というのは一定の計算の仕方でありますが、1万人台になったということでありまして、進捗率は70%ということになります。

 こうした雇用創出は、コールセンター等の誘致、また経営革新対策によるものでありますが、本県の平成16年度完全失業率が3.0%と、全国で最も低い数値になっておりますほか、この春の高卒就職率が97.7%と、文部省の調査によりますと全国一高いということで、県内の雇用改善に貢献しているように思っているものであります。

 17年度に入りまして、企業誘致としてはアドバンスクリエイト、第一稀元素化学工業というのが今の段階で誘致を決定しているということでありまして、今後とも努力してまいりたいと思います。

 また、ジョブカフェにつきましても、商工会議所に昨年ジョブカフェを設けておりますけれども、さらにその中身を充実したいということで、企業情報の収集、採用に当たっての企業への提案を行うマッチングプランナーの設置でありますとか、研修などの体制を強化したいと思っておりますほか、県内9か所、福井以外に武生、鯖江、大野、勝山、あわら、丸岡、敦賀、小浜にジョブカフェをさらにつくりまして、出前カウンセリングとか、若年のニートあるいはフリーターなどに対する就職支援を行ってまいりたいと思っております。

 それから、「子ども安心3万人作戦」につきましては、既に県内293校の小中学校のうち120校で登下校の見守り活動が開始をされております。

 それから、事業所においても、営業車に見守り活動のステッカーを張っていただくなどの拡大を見せているところでございますが、現在、県では、活動参加者に活動していただくいろんなマニュアルとか、あるいは表示、こういうものを作成いたしまして、7月、8月までには完成いたしまして、県下全域で見守り活動を総合的に進めてまいりたいと考えております。

 あと、いろいろございますけれども、夏のエコスタイルにつきましては、6月5日に「愛・地球博」で「クールビズ・コレクション」がありまして、私は、兵庫県、沖縄県の知事とともに出席しまして、福井県は全国的にエコスタイルが進んでおりますので、そういう紹介などもいたしたところでございます。

 現在、すべての市町村で6月1日からエコスタイルが実施されており、市町村の議会においても、県議会はもちろんそうですが、12の市町村において、県議会と同様、本会議、各委員会ですべてエコスタイルで開会をするという状況になっております。また、関係の経済団体についても、直接そういう要請をいたしております。

 それから、今、「愛・地球博」のお話を申し上げましたが、7月25日に「福井県の日」というのが開催されますので、当日は、「健康長寿な福井です」をテーマに、美山町高齢者劇団「ババーズ」などの出演が行われる予定であります。当日、県民の皆さんにペア150組300人のご招待ということでありますので、後ほど観光振興課から資料提供をいたしたいと思っております。

 それから、7月1日に生活学習館開館10周年ということで記念講演を行う予定にいたしております。

 それから、恐竜博物館、この7月に開館5周年を迎えるということであります。平成12年7月から17年3月までの期間、約170万の方に利用をこれまでいただいております。初年度、恐竜エキスポがありましたので、170万のうち12年度は70万237人という数字でございますので、170万のうち70万は初年度でありましたが、あとは、毎年、二十四、五万の入場者が13年度以降継続しているという状況でございます。今年は、恐竜の中で中国産の始祖鳥、鳥というか恐竜というか、恐竜と言ったほうが正確ですね、始祖鳥、そういう展示をいたすということでございます。

 以上、概略、私のほうからは終わります。

【司会】

 以上で発表事項は終わります。

 質疑に移りたいと思います。まず、幹事社のほうから初めにご質問をいただき、あと、適宜、各社お願いいたします。

 それでは、幹事社のほうから初めにお願いいたします。

【記者】

 まず、国民保護計画の訓練なんですけれども、知事は昨年から、15基の原発がありまして、あるいは拉致問題もあってということで、有事の対応を非常に重視されてきたと思うんですけれども、そういう意味では、全国に先駆けて制定というか、早い時期に県内でこういうふうな訓練が行えるということに関しては、どう評価をされているか、どう思っておられるのかというあたりを改めてお聞きしたいと。

【知事】

 そうですね、おっしゃられたように、全体としては本県が、原子力発電所、拉致問題、あと、いろんな立地条件からいって、また、計画を先行してつくっておりますので、福井県で訓練をするというのは意味もございますし、国もそのように思っていると思いますので、できるだけ、本県にとっても大事でありますし、他の県の今後に役立つようにいたしたいと思います。

 また、これから市町村の計画もつくらなければなりませんので、市町村計画をつくる際の参考にもなるように努力したいと思っておりますが、基本的には、いろんな警報の発令・通知、住民への伝達、避難指示、それから、それに基づいて自衛隊や消防機関や海上保安本部がどうやって住民を避難誘導するかというタイプの訓練、それから医療ですね、お医者さんといいますか、病院など医療などの提供、それから、いわゆる実動部隊といいますか、警察、海上保安庁、あるいは原子力発電所の警備、あるいは交通規制、自衛隊によるモニタリング支援とか、いろんなことがあると思いますので、そういうことをこれから充分相談してやりたいと思っております。

【記者】

 豪雨1年ですけど、会議というのはどういう方が参加されるとかいうのはまだ……。

【知事】

 大体は決まっているんだと思いますが、例えば美山町ということになると、美山の地元の方とか、住民の方とか、一部首長さんも入られるかもしれませんし、あと、いろんな河川愛護団体とか、例えば河和田塗りあるいは今立の和紙ということで、実際、水に深くかかわる産業であって被害を受けられた方の代表とか、いろんなことで、単に水害の問題のみならず、水とどうやってこれから、安全の問題、また利用の問題について折り合っていくかといいますか、そういういろんな方に入ってもらうような感じになろうかと思いますので、全体で六、七名ぐらいのものを、一方で災害の問題、一方で共生の問題ということで、1時間ずつぐらいやるような感じになるかもしれないと思います。

【記者】

 美山のこの会議が豪雨1年というものの中心的なもの……。

【知事】

 いや、あまり、その日にやるというのが意味のあることじゃありませんし、先ほど申し上げましたボランティア・フォーラム、それから例の展示、博物館、それから、それぞれ地元でも一部やられると思いますので、全体的にその前後でやる必要があると思います。

 何といっても出水期ですから、1年の議論も大事なんですが、災害に備える体制で絶えずおらなければなりません。何が起こるかわかませんから、そういう気持ちを持ちながらやるということであります。

【記者】

 では、各社、お願いします。

【知事】

 地震とは少し意味が違いますね、こういう水害の問題は。

【記者】

 先日、これまでの2年間の取組みの中間評価が出されましたけれども、この2年間の評価についてはどのように知事はとられていらっしゃいますでしょうか。

【知事】

 ちょうど他のあれが重なりまして、直接その委員会に出れませんでしたので、状況はあれですが、最終的ないろんな結果の途中ですね、これからいろいろ評価をいろんな局面からやってもらうということだと思っております。今おっしゃっているのは……。

【記者】

 県民アンケートの結果というのは、知事自身はまだ……。

【知事】

 数字ですか。

【記者】

 ええ。

【知事】

 あまり数字自身にどうだということが本来の目的ではありませんので、これからどんな仕事をすべきかとか、どういうところを直すとか、どこを伸ばすかということだと思っておりますが。

 数字自体は、大体、基本的にはそういう方向で、さらに頑張れという意味かなというふうには理解をしておりますが、それを、さらに後半2年間でどう具体化し、またスピードを上げてやっていくか、仕事のバランスをどうやってとっていくかということかなと私は思っております。

 これは、他の自治体の評価のモデル的なものにして、全国のいろんな自治体の行政が、いわゆる評価主義ということで進めていくというのに役立つというのは、かなり大きな役割を持っておると思います。2つあると思います。私自身のこれからの仕事のやり方の指針といいますか、そういうものにもなりますし、他県のいろんな、これからのマニフェストといいますか、政策公約の進め方の評価のモデルといいますか、あれはつくるだけでは意味がありませんので、選挙のときに、実際にそれをどうやって実行し、どうチェックするか、チェックの仕方もいろいろ段階がありますので、そんなふうに思っております。

 全国のいろんなそういう大会に出ますと、首長さんといいますか、議員さんも含めて、いろいろマニフェストなどについての受けとめとか、あるいは意識の差がありますので、その水準を一定の高さにする必要がありますね。こんなふうに思っています。

【記者】

 電力会社からの匿名、自治体への匿名寄附の問題で、今月の敦賀市の記者会見で、市長が、不透明な金の流れは好ましくないから、今後はオープンにするというふうにおっしゃっているらしいんですけども、県のほうでは5億という、匿名で受けていると思うんですけども、見直す方針はありますか。

【知事】

 敦賀のほうでどんなふうにおっしゃったか直接聞いてはおりませんけれども、寄附というといろんなものがありますから、災害時のああいう寄附もあったりしますし、基本的には、いろんなものはオープンにしておりますし、これまでも、今後ともそのように思っておりますが、どうしても寄附された方がオープンは困るとか、こういう理由でこうだということについては、我々としてはいただいた立場ですから、避けなければなりませんが、基本的には、せっかくの厚意については明らかにするというのがこれまでも私自身の基本方針であります。いろいろ、時と場合によると思います。

【記者】

 直接知事の口からは言いにくい部分もあるかもしれないんですが、教育の関係なんですけれども、ここ1週間ぐらいで、かなりいろんなところで耳にするのが、教員の不祥事というのが非常に福井県内に相次いでまして、親御さん、保護者さんや生徒さんの間で、非常に不安が広がっている部分とか混乱が広がっている部分があるようなんですけれども、率直に、知事としてどのような感想、認識を持たれていらっしゃいますか。

【知事】

 これはいろんな職場、社会で関係することですが、特に教育の現場でそういうことが起こっているということですから、もちろん直接は教育委員会でそういうことなんですが、要するに、服務の規律といいますか、そういう方面と、ちゃんと綱紀をしっかり正すという方面と、いわゆるセクシュアルハラスメントといいますか、そういう方面と、いろんな側面を持っていると思っておりますので、さらに、こういう問題の問題意識、これを徹底する必要があると思います。徹底させなきゃいけませんね。どういう意味だということをね。そこに何か誤解があったり、認識が浅いと、いろんなことがさらに起こる可能性がありますので、当面はそこをやりたいと思います──やりたいと思いますというか、具体的にやってもらわなあかんですね、教育委員会の立場でですね。

 具体的にいろいろ、抽象的にも言わないけませんし──抽象的にといいますか、こういう理念というか、考え方をしっかり言わなきゃいけませんが、さらに具体的にこういうことなんだということを、釘を押してわかってもらわないと、何か誤解しているといけませんね。だから、そこをしっかりやる必要があるなと私は思いました。

 世の中のいろいろなものが、ドラマを見ても、小説を見ても、そういう話が多いですよね。ですから、現実というものと、日々の我々の真っ当な生活というのと、フィクションといいますか、そういう話が、子供も大人もごちゃごちゃしないように、しっかりわきまえてやるということが、これからものすごく大事だと思いますので。何かちょっと話がややこしくなりましたが、答えにくいんですが、そんなふうに私は思っております。それが当面。

 それから、長期的には、やはりしっかりした人間的な──そんなことを、私は教育の立場じゃありませんから、そういう立場ではありませんけれども、あえて個人的に申し上げますと、そういうしっかりした人間的な教育といいますか、理解というか、そういうものを長期的にはやっていかないと、全体的にはなかなか大変だなと思っておりますが、行政、政治の立場からもしっかり進めてまいりたいと思います。

 話がちょっとわかりにくくなったかもしれませんが、意のあるところを述べました。

【記者】

 知事は近畿知事会の会長になられたというふうに……。

【知事】

 そうですね、昨日。

【記者】

 あれはどういうことでそういうふうになったのか、よくわかりませんが、会長になって、特段に、じゃ、こういうことをやってやろうかという何かお考えはありますか。

【知事】

 そうですね、今、関西は少し元気が出てきましたけど、もっと元気を出さなければなりませんし、それから、どうしても関西は内向きになりがちですよね。外に向かってやる、例の「2030年」にも同じようなことを言っている。内向きになりがちです。外へ向けなきゃあきませんね。

 きのうも新幹線なんかの問題も申し上げましたけれども、北陸新幹線というのがありますが、あれは関西の新幹線だと私は思いますけれども、そういう外に向けての力というのが関西は非常に弱いですから、そういう面の努力をしたいと思いますし、どうしても東京中心のいろんな議論が多いですから、関西といいますか、場合によったら中部ということもあるかもしれませんが、そういう方向からいろんな提言を絶えず、強く、しばしばやらないと、なかなか我々の意識も、また全国的な関心も強くならんと思いますから、こんなふうに思っておりまして、近畿のそれぞれの知事、お考えはいろいろあると思いますが、共通した思いが多いと思いますので、力を合わせてやりたいなと思っております。

【記者】

 今のお話は、福井は近畿圏の中の1県というお考えで言ったのか、あるいは近畿圏の外側にある県の近畿圏と近い立場としておっしゃられたのか、ちょっとよくわからないですが。

【知事】

 インサイド。

【記者】

 え?

【知事】

 近畿圏の中。圏の内。

【記者】

 新幹線債のことで、完売という人気だったんですけども、それに対する感想と、今後、今回の経験を踏まえて、ミニ市場公募債という資金調達手段をどんなふうに活用していきたいかという考えがございましたらお願いします。

【知事】

 多くの皆さんが新幹線問題に関心もあり、また、それをご自身の出損というのか、そういう経済的な側面と結びつけてもらうようになったのは非常にありがたいことだと思っておりまして、できるだけそういう手法をこれからもよく考えて、県民の皆様のお気持ちに合うような方向で強めたいと思っております。これは、もちろん、ミニ公募債のみならず、ほかのいろんなやり方があり得ると思うんですが、研究して新しいやり方が何かできないかとか、いろんなことを考える時代だと思いますね。これは、そういう投資、寄附、あるいは税制、いろんな事柄をこれからもっといろいろ考え出して応用していく時代かなと思っていますが、これはなかなか難しいんですけれども、こんなふうに思っております。

【記者】

 先ほどの近畿ブロックの会長としての関西の新幹線という考え方という話がありましたけれども、これは具体的に、例えば、今後、関西の一員としてどういうふうに働きかけて、どういうふうに運動していかれるようなお考えでいらっしゃるんでしょうか。

【知事】

 これからですね。

【記者】

 え?

【知事】

 これからですね。

 きのう、文章をいろいろ書いたんです。北陸新幹線ということなんですが、関西の連携のためにもというような趣旨を入れまして、北陸新幹線を推進しなければならないと。皆さん、そういう意識になる。福井までという、さっき外か内かというお話がありましたが、関西圏の一員である福井まで新幹線が必ず来るということですから、これはもう関西に新幹線が入ってきたということですから、関西のほうも非常に関心を持ち始めていると思います。

 そういうことで、政治あるいは経済、一体となって、そういう方向ですね。ただ、どういうタイミングでどんなことをやらなあかんのかというのは、またこれは非常に難しいところですから、そこをうまくみんなと協力して進めるということが議論できるような状況にようやく、おかげでなったということなんです。

【記者】

 どういうタイミングとおっしゃるのは、要はまだ認可申請中のものも福井にありますよね。そういうものがある程度めどがついたらとか、そういう……。

【知事】

 そうですね。敦賀までの方向性とか、敦賀から以西といいますと、どんなふうに考えるか、いろんな考えがあると思いますし、そのタイミングがどうであるかということがあると思います。

【記者】

 敦賀以西のことなんですけれども、敦賀までの認可申請というものが現実のものになってきて、敦賀以西の問題というのが課題になってくるかと思うんですけれども、先日、久間さんとか小里さんが来られたときに、そろそろ地元の方々で真剣に話し合うべきじゃないかという趣旨のご発言なんかもされていたんですけれども、知事としては以西の問題については、現時点ではどういうお考え、認識を持っていらっしゃるかということなんですが。

【知事】

 やはり、福井県内といいますか、そこをしっかり一日でも早く利用できるといいますか、それが第一の県民の願いですから、それとの関係で、全体のさらなるスピードをどうやってつけ加えていくかということですので、よくいろいろ考えて行動せなあかんということを今申し上げたんですけど。大体の構想はあるんですけれども、いつの段階で何をするかとか、どこと相談するか、どういう決断をするか、いろいろあると思います。まだ今の段階はそこまでということです。

【記者】

 具体的にどのルートとか、そこまでは……。

【知事】

 ルートは現在あるんですけれども、そういう問題をどのように進めるとか。

【記者】

 豪雨の話なんですけれども、18日の会議ですとか、それにあわせて地域防災計画ですとか、見直されるということですけど、知事自身は、間もなく豪雨1年を迎えるに当たって、知事自身のお気持ちというのはどうなんでしょうか。

【知事】

 気持ちというのは、去年のことに対してですか。

【記者】

 それも踏まえて、今後どうしていかなければならないかという知事としてのお気持ち。

【知事】

 おかげをもちまして、皆さんが力を合わせて復興というのは割合早目に進んでいるように思います。しかし、災害というのはそのたびごとに様子が違いますので、今回の教訓が必ずしも100%次の災害に、万が一生じた場合、生かせるわけじゃありませんので、絶えずそういう用意をしながら仕事を進める必要があるだろうと思っております。

 そして、何といっても、今回の災害に伴ってやらなければならないことは少しでも早く、いろんな公共工事もありますし、通信、防災のソフト関係の事業、それから、災害を抑える必要、また防御する必要がありますけど、やはりまた一方で水の問題とか、親しむとか、そういうこともいろいろ一方で進めないと、片方だけの話になりますので、そういうことをしっかりやっていくと思っております。

【記者】

 関連しまして、知事自身がこの災害を通して、川と人との関係、この1周年でフォーラムもやりますが、気付いたことというと、どういったことなんでしょうか。

【知事】

 そうですね、川にあまり親しまなくなったというのもありますね。この前、九頭竜川をずっと自転車で走らせてもらいましたけれども、堤防の中は、なかなか、普通、最近は入らないですね。ところが、子供のころは、今ごろ、暖かくなって水がちょっとぬるくなってきますと、アユ釣りをしたり、ものすごく川でよく遊んだものですけど、今は非常に少ないですし、堤防といいますか、あれは専門用語で堤外と言うんですね、土木用語では堤防の中を堤外と言うんですけれども、その堤外というか、そこでもっと親しめるようないろんな工夫が要りましょうし、足羽川でありましたら、足羽川の桜をどうするとか、足羽川でもっと川の水をきれいにするとか、いろんなことがあるように思っております。

 数日前、家の中にホタルが1匹入ってきましたけれども、どこから飛んできたのか知りませんが、だんだん環境とかそういう問題に非常に関心が深まっていますから、そういう問題と防災をうまく結びつけるといいますか、こんなふうに思っておりますが。

【記者】

 そういった会議になっていく……。

【知事】

 そういうものと、両面ですね。

【記者】

 市町村合併についてなんですけれども、先月の下旬に総務省が新合併特例法の基本指針というのを示しまして、福井県の場合はその指針の中身に合致する自治体というのはあまり多くはないかと思うんですけれども、今後、県として新合併特例法に基づく新たな構想をつくるお考えがあるのか、あるとすればどのタイミングなのかということを、考えがあればお聞かせください。

【知事】

 今、言われたようなお話については、前からそういう方向性は出ておって、今おっしゃったように、告示をされたということでありますけれども、当面、今の合併をちゃんと来年までやるということで、今の段階でまた次というのはあまり今の段階では考えていませんけれども。必要性は低いかもしらんですね。

 市町村も落ちついてちゃんと、せっかくですから合併した後、仕事を進めて、体制を整えないとなかなか、次から次へといろんな議論をしておったら、本来の地方の行政なり政治がなかなか大変だと思いますけれども。

【記者】

 この基本指針ですと、この間までの特例法内で合併しなかったところを対象にという考え方になっているんですけれども。

【知事】

 やっぱり、それぞれの地域からそういう機運が出てくるかどうかでしょうね。あまりこちらからこうだ、ああだというのは、もういいのかもしれませんね。

【記者】

 先日、敦賀、日本原電の2号機で、1次冷却水の漏れがあった件について、通報が県に対してかなり遅れたというケースがあったと思うんですが、原電さんのほうは安全協定には抵触しないというような話をしているんですが、知事として、安全協定を見直したばかりの時期にそういうケースがあったことについてはどういうふうにとらえていらっしゃいますでしょうか。

【知事】

 いろんな事故や事象について、その時点でしっかり報告するというのが安全協定の精神だと思いますので、そのように取り組んでほしいと思います。既にそのように伝えておると思いますが。

【記者】

 県都の活性化のことでお聞きしたいんですけれども、生活倉庫跡地の西口中央地区のことなんですけれども、県と福井市で昨年末に広場の拡大案と再開発を進めるということで合意して、今現在は福井市が計画を策定中だということなんですけれども、現在の計画の策定がどのような形になっているのかという部分と、地権者の合意形成がどのような形になっているのかということをお聞きしたいのがまず1点目なんですけれども。

 あと、もう一つは、再開発の協議の中にまだJRが入っていないということも聞いているんですが、あそこのブロックにはJRの用地があって、JRさんが入っていないと構想をつくっても動き出しにくいんじゃないかという意見があるんですけれども、今後の議論にJRが入ってくる予定はあるのかということをお聞きしたいんですけど。

【知事】

 実際の様子をまずちょっと言って……。

【飯島副知事】

 入ってくるかどうかは別にしまして、福井市としましては、地権者やJRなどの関係者と協議を進めまして、鋭意、開発の早期具体化に向けて取り組んでおられると聞いておりまして、そういう中で、現在、基本計画については、調整、策定の準備を進めていると聞いております。私どもとしましては、策定に積極的に支援をしていきたいと考えております。

【知事】

 いずれにしても、東口は終わりましたし、大体方針はその方向で進みます。新幹線についても、駅部については具体的に工事が始まることになります。そうすると、やはり西口の駅部のいろんな考え方をもう一回見直してどうするか、整理するということと、再開発の問題が当面の課題ですから、全力で取り組まなければならない残った課題だと思います。

 それで、福井市とも関係しますので、福井市も体制を整えてもらわないといけませんし、そうした上で進めるということです。機運はもう盛り上がっておりますし、もう抽象的な議論ではないです。そこだけがどんどん残っていくことですから、皆さんの気持ちもそういうことになっているから、物事は進むであろうし、進めなければならないというのが現状かと思います。

【司会】

 あと、ございませんか。

【記者】

 関西電力の原子力事業本部の移転の件なんですけれども、先日、美浜町にと関西電力のほうは意向を示したわけですが、その時期的なものについて、一部では秋までにはというお話もありまして、今年度の早い時期というのはちょっとどうなるのかはっきりわからないという状況で、県としてはどういうふうに今とらえていらっしゃるのかなと思いまして。

【知事】

 時期はどうでしたか。

【飯島副知事】

 時期は、今、関電が詰めています。

【知事】

 そうですか。そんなに遅くなる必要もないですけどね、もう準備ができておればやってもらうということです。これから、まだ協議が残っているのかな。

【飯島副知事】

 そんなことないですが、関電が、できるだけ早い……。

【知事】

 できるだけ早く、もうその時期なんだと思います。

 関西電力のお仕事ですから、そんなに遅れることはないと思いますが。

【記者】

 大体どれくらいだろうというのは……。

【知事】

 夏頃までには予定しているんでしょう?

【飯島副知事】

 知事が申し上げましたように、できるだけ早い時期ということで、関西電力が自ら今考えておられると思いますので、もうそろそろ関西電力のほうもそういう考えですね。

【知事】

 きょう、申し上げられると良かったんですが、きょうの段階では申し上げられなかったということです。

【記者】

 1点だけよろしいでしょうか。すみません、質問のタイミングを逸してしまいまして。

 もう一度、教員の不祥事の件で、ちょっと申しわけないんですけれども、もう少しお聞きしたいんですけれども。

【知事】

 もう少し?

【記者】

 はい。昨日、校長会のほうから不祥事根絶に向けて緊急アピールが出されたのはご存じ……。

【知事】

 新聞に載っていましたね。

【記者】

 それで、その前文の中に、非常におかしいというか、例えばこういうことが書いてあるんですね。「職務遂行はもとより、私生活においても性犯罪をはじめとする不祥事の根絶、人権意識の向上に努めてまいります」という文言があるんですけれども、これ、性犯罪は犯罪ですから、教員じゃなくても、一般の者であればだれしもがこれは根絶しなければいけないもので、こういうことが前文に入ってくるというアピールを出すということ自体も、何かちょっと、一般の常識というか、認識からかけ離れているんじゃないかなと私は思うんですが。もちろん、教育界のことですので、あまり発言も難しい面もあるかもしれませんけれども、マニフェストや政策合意で教育長も取り組んでおられますので、ぜひ知事のほうから、この一連の不祥事に関してもう少し何か発言があればと思うんですが。

【知事】

 おっしゃっているのは、この言葉遣いとか……。

【記者】

 そうですね、この言葉遣いが悪いというわけではないんですが……。

【知事】

 どういうふうにおかしいですかね。おっしゃっているご趣旨は?

【記者】

 「職務遂行はもとより、私生活においても自己を厳しく律し、性犯罪をはじめとする不祥事の根絶と人権意識の向上に努めてまいります」とあるんですが、これはアピールに盛り込まなければいけないという文言……。

【知事】

 何か、犯罪だけを言っているのはおかしいということですか。

【記者】

 いや、犯罪だけを言っているのではなくて、犯罪はしてはいけないものなんですね。

【知事】

 当たり前のことを……。

【記者】

 当たり前のことなので、それをここに盛り込まざるを得ないような今の教育界というか、福井県の教育界に私は若干の危惧を覚えたんですけれども、一連の不祥事に関して、知事としては、例えば憤りを覚えたとか……。

【知事】

 とんでもないことだと思っています。はっきり申し上げます。

【記者】

 例えば教育長の……。

【知事】

 ただ、そのことをいかに、これからそういうことがないようにするとか、あるいは皆さんの教育の心構えとか心、これをどうするかというのは、非常に短期的にもいろんなことをやらなきゃいけませんし、長期的にもやらなあかんだろうということで、教育委員会に対してもいろんなことを申し上げなあかんだろうと思います。

【記者】

 教育行政ということもあると思うんですが、政治的に……。

【知事】

 要するに、子供たちの安全・安心のことを言っているでしょう、一方で。そして、そういう事件があるということになりますと、教育に対するいろんな不信というのがありますから、全体的な政治や、あるいは一般の行政の立場からもこういう問題にどういう対応をするかというのはあると思っていますので、さっき申し上げたんです。

【記者】

 県行政の立場としての何らかの対応というか、そういうのはお考えなんでしょうか。

【知事】

 ただ、どんなふうにするかというのは、これはなかなかありますよね。単におかしいとか言うだけでは物事は解決しませんので、根本的にも、またいろいろ意識の改革も進めていく必要があるだろうと思っておりまして、これはしっかり我々のほうから、教育は教育として独立しておりますけれども、政治やあるいは県民のいろんな皆さんの不安なり不信というものを払拭する必要がありますので、それは私の全体の仕事にも深く関わることですから、それはやりたいと思います。

【司会】

 時間も参りましたので、これで終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

── 了 ──

 

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