知事記者会見の概要(平成29年6月16日(金))

最終更新日 2017年5月27日ページID 036342

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平成29年6月16日(金曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

H29.6.16知事写真
 

    

 

 

 

 

 

 

 

【知事】

 おはようございます。今日は、3つの事柄について報告します。

 最初に、永平寺大野道路の全線開通についてです。

 いわゆる中部縦貫自動車道の勝山、大野までの開通ということです。中部縦貫自動車道の永平寺から上志比間(5.3㎞)がいよいよ7月8日(土)16時に開通します。この開通により、永平寺大野道路は全線開通となり、「若狭さとうみハイウェイ」と合わせて、県内全体が一本の高速道路で結ばれます。観光振興や企業立地、災害発生時の代替路線として、より一層大きな効果が発揮されるものと期待します。

 福井県では、この永平寺大野道路全線開通を記念した行事を計画しましたので、発表します。

〔資料:永平寺大野道路全線開通記念イベント

 7月8日(土)午前10時から、今回の開通区間を歩く、ハイウェイウォークを実施します。上志比インターチェンジからスタートし、永平寺インターチェンジで折り返す、往復8㎞のコースとなっており、ご自身の健脚の調子に合わせて自由に戻っていただいても構わないものとしています。

 当日は、カフェ自転車などのおもしろ自転車や、オランダから寄贈された自転車が先導します。特に天気がよろしいといいと思いますが、奥越地域の山並みなどの風景を楽しみながら、高架橋の上やトンネル内を歩くといった、開通前の今しかできない貴重な体験をしていただきたいと思います。

 6月19日(月)午前9時から募集を開始し、参加者は2,000名を予定しています。どなたでも参加できますので、多くの方にご参加を願いたいと思います。

 また当日は、午前11時から永平寺町浅見地区の浅見トンネル付近で開通式典が開かれ、テープカット、くす玉割り、通り初めが行われます。

 式典終了後、16時に、一般車両の通行が開始されます。なお、この道路は有料道路ではありませんので、無料で通行できます。

 関連イベントとして、県と大野市、勝山市、永平寺町の沿線市町の協力のもとで、この地域の特産品がゲットできる「大野・勝山・永平寺周遊トクとくスタンプラリー」の開催や、泰澄大師の足跡を辿りながら県内のゆかりの地を楽しむことができる「泰澄大師ゆかりの地を巡るスタンプラリー」を実施していますので、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

 一方、恐竜博物館では、7月14日(金)から10月15日(日)までの間、特別展「恐竜の卵~恐竜誕生に秘められた謎~」を開催します。恐竜がどうやって子孫を増やし、1億年以上もの間、繁栄を築いたかを解き明かす内容です。恐竜の卵や巣をテーマにした大規模な企画展は国内で初めてということになります。

 今回、日本初公開の13点を含む約100点もの貴重な標本を展示します。その中でも、卵がふ化する前の世界唯一の化石で、日本初公開の大型恐竜の卵の化石「ベイビー・ルイ」、学名はベイベイロン・シネンシスと言い、中国の赤ちゃん恐竜というような意味だそうですが、これが注目です。

 県としましては、このようなイベントを通じ、県内外からの誘客に努めるとともに、高速交通の開通効果をさらに高めるためにも、北陸新幹線敦賀開業に合わせた大野油坂道路の全線開通が実現できるように取り組んでいきたいと思います。

 

 次に、「国際ビジネス人材育成支援事業」であります。

 このたび、県内企業の若手社員を、アメリカ・フィンドレー大学へ派遣する事業を初めて実施します。

〔資料:国際ビジネス人材育成支援事業

 フィンドレー大学には、フリード前学長のご厚意により、平成17年に福井県の学生を対象とした奨学生制度を設けていただいていますが、これまでに11名の学生を派遣し、奨学生の多くが本県の学校や企業に勤めています。昨年は、フィンドレー市が10月に開かれた「北陸技術交流テクノフェア」に参加したほか、福井県立大学との学術交流協定を昨年10月23日に結ぶなど、学生の交流が始まっています。

 学生の交流が進む中、企業に勤める社会人にもグローバルマインドを身につけていただく観点から、フィンドレー大学へ県内企業の若手社員を派遣し、国際ビジネス人材を育成するための研修を実施することとしました。

 本日から7月21日(金)まで、募集を行います。募集人員は、おおむね30歳代で10名程度になります。研修先はアメリカ・オハイオ州のフィンドレー大学等です。研修期間は11月6日(月)から17日(金)までの約10日間です。研修内容は、英語によるビジネスコミュニケーション、プレゼンテーション技術の習得、ビジネス動向の把握などを行うものです。多くの企業の方からご応募いただき、海外展開や海外市場の拡大につながる人材の育成に役立ててほしいと思います。

 

 次に、「福地鶏(ふくじどり)」の卵の販売開始です。

〔資料:「福地鶏たまご」の販売開始

 卵も肉もおいしい卵肉兼用種の「福地鶏」については、今月24日(土)から県内の直売所、生活協同組合のお店で「福地鶏たまご」を販売することになったのでお知らせします。

 6月24日には、きららの丘、いねす、県民せいきょうハーツ志比口店の3つの店舗で販売します。県民せいきょうハーツ志比口店では、10時から福地鶏推進協議会による初売り会を行います。なお、8月ごろまでに販売を予定している店舗は、直売所で4店舗、さらにスーパーで10店舗、合計14店舗です。

 この卵は黄身が大きく、白身に弾力があるのが特長で、いわゆる赤玉の大変おいしい卵でありますので、ぜひご賞味願いたいと思います。これからはこの卵を用いたケーキ、プリンなども開発し、地産地消のご当地ブランドとして県民に愛されるようPRに努めていきたいと考えています。

 

~質疑~

 

【記者】

 今、「福地鶏」の卵を食べられた知事の感想を聞かせて下さい。

 

【知事】

 味が非常に濃厚で、白身がふんわりしていて、目玉焼きが割とあっさりしておいしいと思います。卵焼きは味がつき、作る人の好みが出るので、そのままのほうが本来の味がわかるかもしれません。

 

【記者】

 卵1個の値段はどれぐらいになりそうでしょうか。

 

【知事】

 これは微妙ですね。18万個で売り上げ700万円って、幾らになるのだろう。30何円ぐらいかな。

 

【職員】

 そのまま割り算すると、卸値で40円弱です。

 

【知事】

 そうやね、割り算しますと。

 

【職員】

 店舗に並べますと50円ぐらいになります。

 

【知事】

 普通の卵、幾らぐらい。

 

【職員】

 10個で200円ぐらいです。

 

【知事】

 1個で10円高いと毎日食べられないかもしれませんが、うまい物は毎日食べたほうがいいと思います。

 

【記者】

 永平寺大野道路について、いよいよ7月8日に開通し、先ほど知事がおっしゃったようにこれで高浜町から大野市まで一本の高速道路で結ばれることになります。夏休みになると多くの家族連れや観光客が福井県に海水浴や山遊びで訪れるわけですが、一つにつながった高速道路のネットワークを県内全体の観光振興にどのようにつなげていきたいとお考えでしょうか。

 

【知事】

 特に奥越地域についてはこれで完全に結ばれ、嶺北の中での特に県都福井市への距離感というのは格段に短縮しますので、観光面で非常に大きな効果が上がると思います。また、嶺南、嶺北、小浜市から大野市まで高速道路でずっと結ばれますので、これを機に大人も子どもも大野市や勝山市へ行ったり、また、敦賀市や小浜市、あるいは嶺南のそれぞれの町へ互いに行き来していただきたいですし、いろいろなプロジェクトについても応援をしていきたいと思います。

 さらに油坂まで延ばしていくことがあと五、六年の課題です。事業費としては毎年200億円ぐらい必要ですから、これをしっかり増やしていく努力をしたいと思っています。

 

【記者】

 永平寺大野道路について、大野市までつながった一方で、さらに油坂までつながると、岐阜県へ行くことが便利になるとともに、高速道路で移動できることで県内にとどまらず、県内での滞在期間、時間が短くなってしまう懸念もあると思います。これに対して県はどのような働きかけを行えると思いますか。

 

【知事】

 今、奥越全体では恐竜を中心に恐竜渓谷プロジェクトや、恐竜博物館の活用策の検討を進めていますし、永平寺については門前の整備と同時に新しい宿泊所をつくるといった事業があり、いろいろな観光資源を味わっていただきながら泊まってもいただくことになると思います。福井市への距離が短くなりますから、福井市内のいろいろなホテルや市街地開発の加速化を図らなければならないだろうと思っています。

 

【記者】

 永平寺大野道路について、県としては北陸新幹線の県内開業までにこの中部縦貫自動車道の全線開通を求めていますが、国からはなかなか開通時期を示してもらえない状況です。その国に対して、どのような思いですか。

 

【知事】

 そうですね。見通しを早く出していただければいいというお願いをしているところです。事業費は1,100億円ぐらいで、あと6年ぐらいというターゲットがあります。国会議員の皆さんも、奥越の方が二人おられますし、いろいろな場でそのような決意を述べておられ、国の事業でありますので、我々はこれをしっかり後押しして実現させようという心構えです。

 

【記者】

 新幹線についてお尋ねします。フリーゲージトレインについて、JR九州が導入見送りを検討しているとの報道がありました。九州の動向は北陸新幹線に影響を与える可能性がありますが、知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

 報道によりますと、九州新幹線長崎ルートのフリーゲージトレインは困難ではないかということで、これには関心を持って、様々な確認をしていますが、JR九州が正式発表をしたわけではないという状況です。我々としては、この夏に開かれる予定の国のフリーゲージトレインの技術評価委員会において北陸新幹線とフリーゲージトレインの導入の採否をぜひ早く明らかにしていただくことが次の課題に取り組むステップになりますので、そのようにしてほしいと思っています。特に、北陸にフリーゲージトレインを導入するかはJR西日本が判断されることになりますので、JR西日本もどのように考えられるかを早く明らかにしていただくことが大事だと思います。いずれにしても特急をこれからどう運行するかという問題とも関係しますので、県民の利益や特急運行継続の影響なども考えながら総合的に判断したいと思います。国やJR西日本に早く結論を出していただいて、次の戦略に臨むというのが我々の期待です。

 

【記者】

 フリーゲージトレインの技術開発が難航していて、今後も導入が遅れる可能性がありますが、遅れれば遅れるほど、車両の使用期間が短くなりますね。

 

【知事】

 そうですね。北陸新幹線をできるだけ、一年でも早く、北海道新幹線の札幌開業よりも早くということでこちらへ前倒ししてほしいと我々は考えています。フリーゲージトレイン導入時期が延びると、利用期間が短くなりますから、列車を購入したけれどもほとんど収支が合わないということになりますから、JR西日本としても早く方針を出すというインセンティブが働くと思いますし、我々もその期待をしているということです。

 

【記者】

 技術開発が難航しているので、フル規格の早期整備の一本に絞ったほうがより国民の理解が得られるというか、早く大阪までつなげたほうが投資効果に見合うと思うのですが。

 

【知事】

 仮定の話ですが、できるだけ早くフル規格でできるのが本筋だと思います。特に北陸新幹線は雪も降りますし、交通量も多い基幹路線ですから九州に比べるとさらに課題が多いのではないかと推測しています。

 

【記者】

 フリーゲージトレインがもしだめになったとすれば、300億円かかると言われた費用が別の用途に回せるという可能性が出てきます。これから敦賀駅の上下乗りかえの話もありますし、ほかの用途に使ってほしいなという思いはありますか。

 

【知事】

 交通の利便性を高めるためにフリーゲージだとかいろいろ言っているわけですから、仮定の話ですが、それがもしうまくいかないということであれば、そのような財源をより利便性を高める方向へ使うというのは大事なことだと思います。

 

【記者】

 特急乗り入れの話もこれで本格化していく流れになると思いますが、例えばJRと特急乗り入れについて協議するなど、これからの戦略として何か今考えていることはありますか。

 

【知事】

 いろいろ議論していかないといけないとは思っていますが、フリーゲージの節目がないと議論しにくい事柄です。前提がぐらぐらしていると。こっちがこうだからまだわからないという議論になりますので、早く方針を出してほしいです。

 

【記者】

 それからということですね。

 

【知事】

 はい。できるだけ早く出してほしい。極力早く出してほしいです。

 

【記者】

 6月2日の中部圏知事会議で、知事から北陸・中京新幹線の提案がありましたが、前回の記者会見で国土計画として妥当なのかといった議論が必要ではないかとおっしゃっていたので、私個人としては結構先の話なのかなと受け止めていました。その中で、提案された意図はどういったところにあるのか、改めて説明いただきたいです。

 

【知事】

 まず、北陸新幹線については、敦賀から先の小浜、京都、そして南周りの大阪までが決定しましたので、我々としては全力を挙げて北陸新幹線小浜経由の事業を一年でも、一日でも早く財源を確保して開通させるということが最大の課題です。

 一方で、名古屋との利便性を考えますと、まず敦賀開業の際に新幹線が東京から回ってきて、金沢、敦賀に来る、福井市に回ってくるわけですが、そこでしばらくの間、大阪、それから名古屋への特急「しらさぎ」や「サンダーバード」がそのまま便数を減らさずそこに来ていて、すぐ乗れることが大事です。いわゆる特急の運行本数の維持拡大が極めて重要だということを強調したいと思います。名古屋の話をしますと、「特急しらさぎ」は、かなり遅いです。東海道新幹線が走っていて、敦賀まで北陸新幹線が来るわけだから、そこをできるだけ高速化することが大事かと思います。その点について、滋賀県がほとんどの区間を占めますから、滋賀県や滋賀県知事にもっと関心を持っていただいて議論しないといけないだろうということでご提案をしたのが主な目的です。実務的な議論もしていくことになると思います。滋賀県は日本全体の大事な結節機能を持っていますから、湖北地方のこれからの開発や、それぞれの町の振興、どのように北陸新幹線と東海道新幹線を結んでいくかということに関心を高めてほしいという狙いがあります。将来のこととして、山陰や四国などいろいろな新幹線の話が出て、期成同盟会のような動きもあると思いますので、広くそういったものも片隅に置きながら、当面の大事な話を、県民益を最大限に活かすためにやる必要があるだろうということです。そのためには福井県だけではできませんので、滋賀県や岐阜県や愛知県も関心を持っていただくことが大事です。

 

【記者】

 山陰より、中京新幹線が大事という考えで、ほかの基本計画路線に比べると重要性が高いと思いますか。

 

【知事】

 それはもちろん重要性が高いと思います。ただ、仕事の順番がいろいろありますので、今のフリーゲージがどうなるかなど、いろいろなことを一つ一つ順番に議論する必要があります。当面は高速化や運行本数を確保する議論をしていかないと、福井県民にとっても不便になるということです。

 

【記者】

 昨日の国会で、いわゆるテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法が成立し、政府はテロの未然防止に取り組む考えを示しています。福井県内でも例えば原子力発電所などテロの標的になり得る施設がありますが、法律への懸念や課題も含めていろいろと関心の高い話題だと思います。県民の安全安心を守る立場から、この法律の制定についてどのように受け止めていますか。

 

【知事】

 おそらくあの法律はテロだけの議論ではないのだと思います。国際的ないろいろな犯罪の問題の議論だとは思いますけれども、立場上いきさつなり中身を全て詳しく把握していませんので十分な答えができないと思います。報道によると課題も多いようですから、法律は成立しましたが、法律をつくる以上は国民の全体の利益がきちんと確保できるようなものでないと意味がありませんので、いろいろな不安があるのであればその不安を解消しないといけませんし、構成要件がどうだといったいろいろなことがあるのでしょうから十分に説明することを期待します。

 

【記者】

 理解を進めるという意味でもう少し国から説明があってもよかったと思いますが、いかがですか。

 

【知事】

 一つ一つの自治体がああだこうだというような話ではないかもしれません。全体に国がしないといけないでしょうね。国のいろいろな政策の信頼にもかかわることになりましょうから。

 

【記者】

 第2恐竜博物館について、大野市の岡田市長が議会で誘致に名乗りを挙げるような発言もあったのですが、この問題は6月議会でも大きな論点になるかと思います。改めて知事の考えを聞かせてください。

 

【知事】

 今、恐竜博物館については手狭になっていますし、来た人たちのさらなる期待に十分応えられているかどうかということがあります。おかげでたくさんの方がお見えになっていますけれども、次の飛躍というのが大事だと思いますので、そういった意味で今年度は調査を通して、立地場所を決めるということと同時に施設の配置や規模、事業費、民間との協働、どんな順番で仕事をしていくかというようなことをよく議論するとともに、議会にも説明し、理解を求めたいと思っています。

 

【記者】

 今、予算執行が凍結になっている状況ですが、6月議会で議会側の理解を得て執行が解けるような形になればという思いですか。

 

【知事】

 執行が解けるというか、相談をして、よく議論をすることによって仕事が進むということになるのではないかと思います。

 

【記者】

 兵庫県知事選が告示されました。現職の井戸知事は、関西広域連合の会長をされており、福井と関西のつながりも深めていかないといけない中だと思いますが、兵庫県知事選をどのように見ているか、所感がございましたら教えていただきたいです。

 

【知事】

 選挙が今始まったところだから話しにくいです。私は友人ではございますが。

 

【記者】

 今回兵庫県知事選の争点が井戸知事の5選というところにあるようです。全国の知事の中には6選、6期目をやられているところもありますが、5選についてはどのようにお考えですか。

 

【知事】

 それはそれぞれの方の、またこれまでの実績などで論じるものではないでしょうか。一般論で論じてもそんなに意味があることとは思えません。

 

【記者】

 西川知事ご自身としては、5期という数字が長いとお感じになるか短いとお感じになるか。いかがですか。

 

【知事】

 井戸さんの選挙ですし、その話は論じにくいです。

 

【記者】

 西川知事の前回の選挙のときに井戸さんが応援に駆けつけて、新幹線のルート問題にまで言及されるなど、かなり仲がよろしいのだろうということがよくわかったのですが、今回の選挙に、お友達ということで応援には行かれるのですか。

 

【知事】

 まだ、声がかかっていないです。何回か行かせてもらったことがあり、先方からも来てくれました。

 

【記者】

 「もんじゅ」について、知事は先ごろ廃炉を容認されたが、今後のスケジュールを見ますと、前例に倣えば廃炉協定を結んで、原子力規制委員会に申請して認可を受けることになると思います。そもそも「もんじゅ」でも廃炉協定を県として結ぶつもりなのかということが1点、廃炉協定を結ぶのであればどのようなことを求めたいかの2点について聞かせください。

 

【知事】

 廃炉協定というのは非常に技術的なことだと思いますけれども、もちろん結ぶことになると思います。その前提として、もんじゅ関連協議会でありましたような廃炉に向けた体制が、具体的にどういうスケジュールで、いつまでに実行でき、また当面どうなるかとか、それから拠点化構想のさらなる充実、地域的な振興、それが来年度の予算の中でどれぐらい反映されるかということが前提となりますので、これから、いろいろな調整、協議もした上での話ということになります。

 

【記者】

 一義的には県や敦賀市と原子力機構が結ぶということになりますが、地域振興や拠点化など、どこまで踏み込めるのか少し疑問です。その辺はいかがですか。

 

【知事】

 その協定自身にそのようなことを全て書くようなことではなくて、周辺条件としてそのようなことがなされると、協定も結べるだろうということだと思います。

 

【記者】

 地域振興の話で、長期的なものと短期的なものがあり、知事はこの前、短期的なものは概算要求までにということもおっしゃいましたが、具体的にどのようなものが必要でしょうか。

 

【知事】

 この前は大学誘致やLNGの問題、電源三法交付金、ハーモニアスポリス構想など幾つか例を挙げましたが、さらに具体化しないといけないですし、単に何がどうだということ以外に、議会あるいは経済界などと一緒に政治的な働きかけも必要です。そのようなことと並行した議論になると思っています。特に3番目の問題は時間差もあります。例のもんじゅ関連協議会の組織をどのように考えるのかとか。それはこの前の会合で、官房長官が冒頭出席されておっしゃっていますが、そのようなものを受けて最大限県益を上げていくことかと思います。

 

【記者】

 そこで知事はエネルギー基本計画の改定の話も言及されましたが、その趣旨は、今、高速炉開発が齟齬を来しているから見直せということかと思います。一方で、敦賀市は市長が敦賀3、4号機の新設の必要性は高いとおっしゃったり、過日、大臣自体は否定されましたが一部報道で新増設の話もエネルギー基本計画の改正では考えるという話も出ています。知事として敦賀3、4号機の必要性をどのように感じていますか。

 

【知事】

 個別にエネルギー基本計画をどうするかなど、いろいろな議論がありますから、これから一つ一つ議論をして、その中でどのようにしていくかだと思います。

 

【記者】

 県として新増設の必要性を働きかけていくということはお考えですか。

 

【知事】

 このような問題は複雑ですから、単純に、すぐこれだというようなことではないです。全体の整合性をどう持っていくかということがあります。

 

【記者】

 「もんじゅ」について、先ほど知事は地域振興、拠点化については短期、長期の問題を並行してという考えを示されました。長期の話については大学の誘致やLNGなどいろいろとこの前挙げられていたのですが、具体的には国との交渉をどのように進めますか。新たな協議の場を設けて進めるという話もしていましたが。

 

【知事】

 それもシステムとしては必要なのです。事務的ないろいろな詰めも必要です。ただ、今、霞が関の皆さんにパワーを発揮していただかなければいけない局面だと思っており、できるだけ我々自治体として政府の関係省庁にパワーを発揮していただいて、いろいろな議論が進むように努力したいと思います。

 もう1つは事柄です。3つありますが、安全については技術的なことが多いですから理詰めでいろいろなことができると思います。2つ目、3つ目になるほど政治的ないろいろな働きかけなども必要です。そのようなことも一方で強めていきながら成果を上げたいという話です。

 

【記者】

 新たな協議の場についてはどのような形になりそうですか。今、例えばこういった話になりそうだとかこうしていきたいというような思いはありますか。

 

【知事】

 今やっているところです。

 

【記者】

 地域振興の話で、これからどのような形になるかわかりませんけど、国と地域の協議の場を作って進めていくという考えのようです。ただ、福井県としてどういったものをまとめて求めていくのかということが、県と敦賀市、議会でいろいろ考え方があると思います。それをどのように整理して県民にわかる形で示していただけるのでしょうか。

 

【知事】

 今、そのようなものを相談しながら、特に敦賀市長にも会議への出席をお願いして、敦賀市としての気持ちも官房長官、関係大臣に伝えてあります。そういったものをまとめながら、県議会のいろいろなご意見もお聞きし、やっていこうということです。まだ、今の段階で何だとは言えません。事柄が様々ありますし、時間がかかるものなど、いろいろありますから。

 

【記者】

 ある時点で、福井県として国に求める地域振興というのが顕在化してくるということですか。

 

【知事】

 イメージとしてはそうでしょうけれども、例えば来年度予算の中でそれがどのような調査費になるのだとか、いろいろなことがあると思います。一挙に何かできるという話ではないと思います。

 

【記者】

 原子力機構の大洗で大きな被ばくの事案がありました。もちろんこれまで「もんじゅ」に関して特別な体制を議論されてきたわけですけれども、同じ機構内でガスがたまっていることが1月にも把握されていたのではないかということもあります。現時点で安全性の確保について、機構そのものがこれから作業を進めていくことに違いはないですが、このことについて改めてどう担保していくか、県としてどのように臨まれるかお考えがあれば聞かせていただけますか。

 

【知事】

 大洗のいろいろな実態については、放射能をどれぐらい、どういう形で浴びたのか、できるだけ早く結果を出して、最初の報道とはやや違うようなその後の報道もありますけれども、いずれにしてもあのようなことをできるだけ避けないといけないわけです。それゆえに「もんじゅ」についても現地の廃止チームや、敦賀でそのようないろいろな判断ができるように、さらにそれを評価する専門家の意見を聞き、文部科学省がそれをどう統率するかという体制をつくりました。大洗にそのようなものがあるかどうか知りませんが、そういったところで担保したいと思っています。システムとヒューマンエラーというか、そういったマネジメントです。それらの体制で一つ一つ決めっ放しにしないでチェックをしていくということが我々の務めだと思います。福井はそのようなやり方をとって安全を確認しています。

 

【記者】

 チェックしていくということですけれども、今回の事案について福井県として機構から聞き取りをするとか、茨城の大洗のほうで確認をされるといった考えというのは今の時点でございますか。

 

【知事】

 まず、茨城県がきちんとおっしゃらないといけないと思いますが、我々もいろいろな機会に実態といいますか、どのような様子だったのかもお伺いして注意も喚起しないといけないと思っています。

 

【記者】

 「もんじゅ」は文部科学省が残そう残そうと頑張っていろいろ考えているときに、いきなり官邸主導で廃炉だと決まってしまった構図があったかと思います。今、国政を見ていても、加計学園の問題にしても官邸主導での話が出てきていると思うのです。「もんじゅ」の話と相通じるようなところもある気もしますが、政府、官邸の物事の決め方や仕事の進め方について、何か思うところはないですか。

 

【知事】

 一般的な評論というわけにいかないので、それを実際のシステム、決め方の中で見せるようにするということを福井県としては努力しているということです。

 

【記者】

 大飯3、4号機のことで、先月、資源エネルギー庁の次長が県庁に見えたときに藤田副知事が応対され、4点のご発言がありました。国民の理解活動の積極的な展開、中間貯蔵施設の県外立地、原子力政策に関する国の方針の明確化、嶺南の地域振興への政府一体となった積極的な関与という指摘をされた上で、県の専門委員会でも審議して安全性を確認していくという話がございました。これら4点は国に対する発言ではありましたけれども、大飯3、4号機の再稼働に同意するかしないかを判断するに当たって、この4点の進展度合いというのは考慮されるのでしょうか。

 

【藤田副知事】

 同意の話は、あの時にも申し上げましたが、そのような時期に当たるとはまだ思っていませんので、あくまで同意は同意として、その段階で総合的に判断するということです。

 

【記者】

 おっしゃった4点の進展にかかわらず、来るべき時が来たら判断するということですか。

 

【藤田副知事】

 基本的には安全性を厳正に確認していくことがまず一番の材料になりますから、その4点との云々ではなくて、同意のときにはまたそのときにしっかり考えるということで、今はそれを論じる時期にないということに尽きると思います。

 

【記者】

 知事も同じですか。

 

【知事】

 工事計画や保安規定認可の審査手続が残っていますので、そういったもの全体を見て判断するということが福井のやり方です。他の県では初めの段階でオーケーを出す県もなきにしもあらずだと思いますが、まだその段階に至っていませんので、こういったことについて規制委員会がどのような審査の予定になっているか、あるいは県原子力安全専門委員会の審議ももちろん専門的な立場からおやりになるでしょうから、そういったものを受けて厳正に確認をして、県議会や地元の考えも承った上で判断をするわけで、まだそういったものが進んでいませんから今の段階ではどうだとは言えないということです。まだもう少し時間がかかります。

 

【記者】

 先月の会見でやや先になるというような話がありましたが、そのご認識は今も変わらないということですか。

 

【知事】

 そうです。これが何か月後になるのか、もう半年かかるのか、いろいろあるという感じかもしれません。

 

―― 了 ――

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