知事記者会見の概要(平成17年9月12日(月))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002779

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平成17年9月12日(月)
13:00~14:05
県庁 特別会議室

記者会見
 

 

  

【司会】

 それでは、時間になりましたので、ただいまから9月の知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 まず初めに、知事のほうからお願いいたします。

【知事】

 きょうは9月議会の補正予算案の考え方についてご説明をいたしたいと思います。お配りをいたしております資料の中から、まず、「記者会見の発表の要旨」という資料があると思いますが、それをもとにしていただいて、あと、資料の3、「9月補正予算案の主要事業」というのがありますので、そういうものもご覧いただきながらお聞きを願いたいと思います。

 今回の9月補正予算の重点課題でありますが、9月の補正予算は、当初予算を執行していく中で、新たに災害防止など県民生活の安全・安心を守るために緊急な対策が必要なもの、それから、北陸新幹線などのように、事業の方針がこの春決定をされまして、これに基づいて具体的な引き続きの対策が必要なもの、それから、観光誘客、ブランドなど、これは長い課題では一方であるんですが、その折々、春夏秋冬、一定のタイミングで次から次へと施策を進めていく必要がある、つまり補正措置のほうが望ましいといいますか、来年の春まで、新年度まで待っているよりも進めたほうがいいという性格のもの、こうしたことについて、補正予算を議会でご審議願うことにいたしております。重点課題を分野別に整理しますと、そこにご覧いただくような項目になるかというように考えます。

 それでは、ちょっと技術的な話になりますが、予算編成の工夫としては、部局横断型といいますか、関係部局が連携して進めていく事業、これが今回、アスベスト対策とか、まちの安全・安心ライトアップ作戦などがそういう傾向のものでありますし、それから、職員提案型の予算を使わない事業といいますか、これはちょっと異質なものになりますけども、有料道路の利用促進などがそういうたぐいになります。それから、リフォームの被害防止、庁内の情報システムの見直しといいますか、そういうことが項目になると思います。それから、予算編成過程での県民の皆さんの参加ということでいろいろ見直したものとして、コウノトリの事業、それから、福井城址の整備事業などがこの中に入っていると思います。また後ほどご覧いただきたいと思います。

 それじゃ、中身に入らせてもらいたいと思います。

 先ほど資料ナンバー3と申し上げましたのは、事業の中身でございますが、いろんな計数関係は資料ナンバー1というところに予算の総計、あるいは伸び率、各費目ごとの、また収入区分ごとの一種統計処理をしたものが入ってございますので、これもご覧いただきたいと思いますが、今回、一般会計で52億円余り、特別会計で10億7,000万余、企業会計9,300万ということで63億7,500万円余りの補正を講じておりまして、累計についてはご覧のとおり、一般会計で5,400億等、以下書いてあるとおりになります。昨年度は9月、福井豪雨の災害措置がありましたので、それに比較しますと、去年よりも11%余り減となっております。

 以下、重点課題ごとに個別事業について説明いたしますので、資料3、これを見ていただいたほうがよろしいかと思います。

 まず、県民生活の安全・安心に関わる項目でありまして、アスベストの対策でありますけれども、今年は6月終わりぐらいからいろんな議論が出ておるのでありますけれども、アスベストによる全国的な健康被害というのが日本全国でいろんな話題になっておるわけでありまして、国の対応も、基本的な対策、また各省庁それぞれ、いわば省庁ごとの縦割的な対応になっておりまして、いろんな対応が遅れることが懸念されますので、県としては、県民生活の安全・安心を確保する観点から緊急の課題として認識し、国の対応を待つことなく県として独自の対応を急がなくてはならないと考えました。このため、7月末に、アスベスト対策の連絡会議を設置いたしまして、検討を進めてまいりました。

 現在、国においては、そこに書いてございますような、大気汚染防止法、労働安全衛生法、建築基準法など、国の体系が必ずしも総合的な対策に、アスベストの観点から見ますとそうなっておりませんし、また規制も一定面積要件以上のものということが多いわけでありますので、こうしたことを、県として同時に県民の安全を守る立場からは見直す必要があるだろうということで、本県独自の条例を制定することにいたしたものであります。

 1つは、法律で規制対象外になっているものですね。大気汚染防止法の規制対象外、規模の小さいアスベスト製品の製造施設について規制すること。そこに要点が書いてあります。

 それから、面積の小さなアスベスト吹付け材の建築物の解体補修について規制を設けること。例えば延べ面積500㎡未満のようなものですね。

 それから、本県独自の措置として、アスベスト使用の建築物の所有者等に対して、除去等の措置を講じるように努めるという適正維持管理、こうしたことについて条例化をし、今回、9月議会に提案をいたします。

 また、当面、アスベスト材を使用している学校等については、子供たちの健康が大事でありますので、今回、独自の対策を9月補正に盛り込んでおります。具体的には、特に市町村の小・中学校、幼稚園、保育所について、アスベスト飛散防止対策、県が助成をするということであります。私立についても同様であります。

 また、県立の高校、養護学校など、すぐに対応が必要な6施設については、県の施設として防止対策をするというものでありまして、これは、先ほどの資料3でいいますと、8ページにその内容が書いてございます。

 また、冒頭申し上げましたように、国において速やかな総合施策が必要でございますので、数日前になりますけれども、9月9日に関係省庁に対して、総合的な法整備、また財政負担制度の整備について要請をいたしております。

 なお、きょう、今1時過ぎですが、2時半からアスベスト対策連絡会議第3回を、これは飯島副知事が議長になっておりますが、取り組み状況、また今後の対応について協議を行いますので、また会議の内容についてご承知おきを願いたいと考えます。

 それから、災害防止対策、これは2点目でありますが、9ページに書いてございます。防災体制ということでありますが、昨年は豪雨災害がございましたし、今年も全国的にまた台風14号等の被害が出ておるところでありますが、特に道路の安全・安心という観点から、落石等の危険箇所の調査を緊急的に行いたいということであります。落石事故なども出ておるところでありますので、県が管理している道路の落石等のおそれのある約3,500箇所について、道路の防災点検を速やかに実施するということでありまして、17年度、18年度両年にかけて行います。これが、9ページの一番上に書いてございます。

 それから、浸水想定区域調査等の推進、つまりハザードマップの作成でありまして、水害によってどれくらいの地域が浸水を被るか、それに対してどういうマップをつくって、避難所はどうするか、これは逆に市町村の仕事になりますが、連携して事業を進めようということでありまして、県の管理している17の河川について調査をし、市町村のハザードマップ作成の助成をしたいと考えております。これも17年、18年、両年度かかるかと思います。

 それから、防災情報ネットワークの再整備であります。

 これはちょっと技術的になりますが、現在、防災情報については、県と出先機関、市町村あるいは国等々、いろんな方法で、場合によっては、複数のルートによって情報が連携できるようにしておりますけれども、最近、市町村がそれぞれの家庭に放送などをするときに、電波の強いといいますか、そういうものを使わないとなかなか伝わらないわけでありますので、電波を市町村のそういう方面に使ってもらうということになりますと、その電波を使っていた県の情報を、また別のものに変えないかんという変換の問題、また、これを機に、これまで1本しかルートがなかったものを2本にするとかいうやり方で緊急に工事などを行うものでありまして、9ページに防災情報ネットワーク再整備事業を書いてあります。

 なお、ちょっと技術的なことがございますので、もし必要がございますれば、どういう改善になるかという表といいますか、図柄のものがありますので、必要があればご提供したいと思っております。

 これはもう説明しているのかな。

【総務部長】

 概要はしております。

【知事】

 いろいろ詳しいアウトラインを書いたものがありますので、お使いいただきたいと思います。

 それから、治安回復という問題でありますけれども、これについては、自主防犯活動の支援ということであります。

 おかげをもちまして、刑法犯認知件数自体は減少しておりますが、夜間の犯罪は必ずしも減っていないと。また、子供に対する声かけ事案も増加傾向にあります。大きな事件には幸いなっておりませんが、したがって、この機に、さらに治安回復に一定の力を加えていく必要があるだろうということでありまして、ここに書いてございますような、各家庭で街灯をよくつけておくとか、あるいは防犯活動時の車に設置する回転灯についても支援をし、それぞれの団体が活動しやすいようないろんな装備の整備なども行うということであります。

 それから、10ページに行きますけれども、これは緊急配備支援システムということでありますが、本県内の高速道路あるいは通常の道路等について、犯罪に関わると見られる車両捜査のために、車両ナンバーを自動的に読み取る緊急配備支援システムでございますが、これをさらに充実するということでありまして、資料3の9ページの下から2番目のところにあります。国が2分の1の支援をする制度でありまして、4箇所追加をいたします。いわゆるNACということでありますが、ナンバー・オート・チェックという制度であります。問題のある車両の番号をそこで自動的にチェックできるという仕組みになっております。

 次は、大きな2番目でありますが、北陸新幹線に関わる事業であります。

 おかげをもちまして、この6月着工ということになったわけでございますが、新しい事態になりましたので、当初予算では対応ができなかった福井駅部のいろいろな関係事業について予算措置をするものでございます。

 まず、9月補正では、いわゆる鉄道整備支援機構から受託をしました埋蔵文化財の発掘経費について所要の予算措置を講ずるものでございまして、資料の5ページ、ちょっと戻りますけど、そちらに新幹線関係の事業が書いております。

 埋蔵文化財は、今年、来年度に行いまして、今年から用地取得も並行して行って、20年度には新幹線の駅舎整備の完成を見るということであります。

 なお、福井市からの負担金についても、地元負担の10分の1を求めるというルールで行いたいと思います。

 それから、大きな3つ目でありますが、ブランドとか農林水産業の振興などに関わる問題について申し上げたいと思います。

 これは、資料でいいますと、1ページに戻っていただきたいと思います。産業関係のところに書いてあると思いますが、1つは魚のことでありますけれども、若狭で獲れますアカアマダイ、これを地元では「若狭グジ」という名前で呼んでおりますけれども、越前ガニは当然ブランドでありますが、それに続くブランドとして、既に有名なところもあるんですが、さらにこれをブランドアップするといいますか、そういうことでありまして、漁業団体あるいは地元の組合等ではこうした動きをしておるところでございますので、このお魚の漁獲、あるいは、マーケットに出す場合のいろんな鮮度管理について、一定のモデルをつくりまして、魚にちゃんとした表示をするとか、そういうことにして、新鮮でおいしい、したがって、一定の値段が確保できる、そういう事業をしてまいりたいと思います。

 それから、同じく水産業でありますが、大型クラゲであります。

 今年は大型クラゲの漂着状況が割合はっきりしてきたということで、これは資料の1ページから2ページにかけて書いてございますけれども、新しい網ですね、魚は入るけれどもクラゲは抜けると、こういうタイプの網を発明といいますか工夫しましたので、こういうものを使っていこうと。また、被害があった場合の融資制度について、今回、予算措置をしております。

 なお、既に水産庁とも、また、沿岸の府県とも連携をし、いろいろ研究をいたしているところでありますけれども、これも9月9日に国に対するいろんな要望、漂着予測システムとか国の補助制度、そうしたことは並行して要請をしております。特に今のところ、水産庁では、福井よりももっと西のほうの海域で、小さい段階でのクラゲをカットしてしまうといいますか、カットというのは物理的にカットするという意味でありますが、そういう方法で除去できないかという研究を一方でやっておりますが、福井はもう少し東のほうになりますので、そこを抜けてきた場合の網を改善して、うまくお魚だけが獲れるような、そういう研究をしておりますが、なお、国、関係府県で連携して、いろんな工夫が要りますので、そういうことを引き続きやってまいりたいと考えます。

 同じくブランドの関係で、恐竜の問題でありますが、これは6ページの中ほどに書いてございますが、恐竜博物館は今年の7月に開館5年を経過するところでありまして、新たな5か年に向けまして、いろいろな戦略を早急に構築する必要があるだろうと思います。このため、恐竜博物館の今後の長期展望、この具体的方策ですね。この中には、これからの発掘調査のあり方、それから研究の方法、展示の工夫、知名度の向上、来客をいかに増やすか、また、いかに運営としてコストを少なくして収入が上がるかと、いろんな課題が多方面にあります。こうしたことをこの機に十分検討して、機を移すことなく、恐竜博物館の貴重な財産でありますので、いろんな意味でブランド等として役立てることが急務でありますので、今回の9月補正でこういう事業を行うものであります。

 次に、健康といいますか、長寿などに関係するお話を申し上げます。

 これは、資料で申し上げますと、3ページになると思います。陽子線技術を活用したがん治療の問題であります。この3月に策定をいたしましたエネルギー研究開発拠点化計画では、若狭湾エネ研における陽子線がん治療研究の成果、また、福井県が全国的にがん診断治療技術の大きな蓄積といいますか、こういうのがございますので、この報告書の中では、陽子線がん治療施設を整備すべきではないかということが書かれていたわけでございますので、3月に出たものですから、当初予算では措置ができませんでしたので、今回9月予算で引き続き機をおくことなく、先般、陽子線がん治療等整備検討委員会を設置し、今月8日に提言を受けたところでありますけれども、これは、高精度の陽子線照射システムの導入ということであります。県としては、この委員会での検討結果を踏まえまして、本年度は施設の基本設計等を実施し、21年度の治療開始を予定して事業を進めるということで議会にお諮りをしたいと思います。

 それから、同じく健康などに関係する問題ですが、これは4ページに説明があると思いますけれども、福井県は男女とも平均寿命第2位ということで、その長寿の要因については3月に報告書をまとめたわけでありますが、これをもとに、すぐ4月から「健康長寿ふくい推進会議」を設置していろんな研究をいたしておりますけれども、なお全国に通じる健康長寿という福井県としてのアピールを強めるために特別なアドバイザーを委嘱したいと思っておるものであります。そのための予算が1つであります。

 もう1つは、厚生労働省の調査によりますと、本県男性でたばこを飲む方が多い、それから肥満も、30代で特にそういう状況があるということで、こうした状況を、お一人お一人の問題ではございますけれども、それぞれの企業なりいろんな団体の衛生管理ということから、いろんな学習や研修も行って、生活といいますか、そういう改善を図っていく事業をここに入れておるものでございます。これは国と県で、金額は非常に少ないんですが、進めてまいりたいと考えております。

 非喫煙率ということでありますので、男性の6割が何らかの意味でたばこを飲まれるという意味になるかと思います。

 それから、6つ目の課題になりましょうか、観光、「ビジットふくい」であります。

 福井県では平成16年度から、福井県へいろいろ観光客を誘致した場合には旅行業者に助成を行うと、こんな事業を進めておりますけれども、資料の6ページの下のほうに書いてございますけれども、今回、こうした事業などを中心に、具体的に春、夏、秋、冬のいろんな商品を見つけて誘致活動をやろうとしますと、特に春、3月、4月、5月などの事業は、予算が通ってからいろんな準備をするということになりますと、春の商品をなかなか準備しにくいということがありますので、よく公共事業の契約を平準化するということで、ゼロ県債というのがあります。来年予算を使用するんだけれども、あらかじめ今年中に契約ができるという、債務負担行為といいますけれども、そういう制度がありますが、今回、こうした公共事業といいますか、ハード事業以外に、観光的な事業、ソフト事業にもこれを応用して、前年度中に契約をして、花見とか、すぐに4月中に起こるような事業について、活動ができるように、これは5,000万円の債務負担行為を行いたいと思っております。

 それから、資料の7ページに書いてございます、右、一番上ですけれども、河野海岸有料道路、これは、去年の10月から12月にかけまして、2か月ですが、料金割引を河野海岸有料道路で行いました。これによって利用台数は3割ほど増えたということであります。もちろん、料金を半分近く下げておりますので、差し引きいろいろな影響は出ておるわけでございますが、今回、冬の観光シーズンを前に、単に下げるということではなくて、そうしたチケットを使うと有料道路も割り引くけれども、観光施設も安くなるといいますか、民泊も安くなるというチケットを提供してセットで有料道路も安く使っていただくと同時に、観光客も増加を目指すというセット事業を進めたいと考えております。これが7ページの上の事業でございまして、この11月から1月まで、主に冬のかになどのシーズンになるかと思います。

 なお、そこに細かく中身が書いてあります。

 それから、歴史文化等の問題でありますが、新しい福井駅がこの春オープンし、また、新幹線の工事が着工されるということで、駅周辺に対する県民の期待、関心も高まっておりますし、古い駅舎も間もなく、今月いっぱいぐらいにはなくなるんだろうと思いますが、広場も広くなると、いろいろなことであります。

 また、本格的な整備も出てくるわけでございますが、こうした機運を活かして駅周辺の魅力アップを図るということで、本年度、福井城址の石垣と桜、それから、西側にございます、固有名詞で言いますと御廊下橋という名前がついておりますが、ライトアップ、また、県庁舎と県警本部のちょうど間くらいになりますか、天守台、昔、天守閣があった地域の整備を行い、県民や観光客が気楽に見ていただく場にしてはいかがかということで行います。この説明は7ページの一番下に書いてあります。これは、県庁舎ではなくて周りのライトアップという意味であります。

 それから、次、20ページにまいりますが、IT化の問題であります。

 まず、ケーブルテレビの整備促進です。

 ケーブルテレビについては、福井県は全国的に進んでいる地域だと思っておりますが、一般の民間放送のいろんな不十分な点をこのケーブルテレビでカバーをしたり、防災情報あるいはブローバンドインターネットサービスのいろんな接続など、有効な手段でありまして、福井県は全国的にも高いのでありますが、しかしながら、まだ未整備の地域が幾つかあるわけでございます。

 これは資料の10ページをお開き願いたいと思いますが、特に坂井郡、いろんな区域があるんですが、吉田郡の一部、こうした地域が遅れておりますので、また、事業者が単独でやるにはちょっと採算性が低いということで遅れていることがあります。また、国庫補助の枠も乏しいということで、せっかく整備しながら情報格差が地域によって広がるというのは課題でありますので、これは急いでやる必要があるだろうということでありますので、県単独による独自の補助制度を設けまして、これは安全・安心にもつながる問題でございますので、未整備市町村の早期解消を図りたいということで補正をとるものでございます。

 それから、庁内情報システムの見直しでありますが、福井県には、現在、県庁の行政的ないろんな情報システムが166本あるわけでありますが、それぞれ共通的なものもありますが、独自的なものもあって、この機に1回いろんな見直しをして、全体のコスト削減を行うことが必要であるということを今考えておりまして、その調査をしっかり行った上で、18年度以降、計画的に改善に取り組みたいと考えております。

 それから、最後の項目でありますが、福井豪雨との関係で住宅再建支援であります。

 住宅再建支援については、16年度に住宅再建補助金を創設いたしましたが、今年3月の申請状況、被害戸数約3,700世帯のうち7割が申請をされましたが、いろいろなそれぞれの世帯ごとのご都合で、まだ十分準備していないところがございますので、申請期限を6月までとしているところでございますが、その結果、6月までの申請状況は約8割です。2,900世帯になりまして、ほぼその目的を達したわけですが、今回、その申請件数の増加に伴う補正を行うものでありまして、これは資料の11ページに概要が書いてあるかと思います。

 それから、県議会議事堂の耐震補強であります。

 県議会議事堂は耐震診断でCランクとなっておりまして、現在24年が経過しておりますが、これから、なお20年余は少なくとも利用が必要かなと。今後、いろんなことがあるかもしれませんが。そうなりますと、一定の段階で耐震状況を見ながら整備することが、公共的な施設の整備のいろいろな効率性なり、無駄がないようにということ、また他の施設との耐震性の比較からいっても、この時期に必要かということで、この更新を行うものでありまして、17年度に設計、18年度に工事ということを考えているものであります。

 以上が主な補正の中身でございまして、一番最後の22ページについては、私の「福井元気宣言」マニフェストで4年間に200億円のいろんな財源、行政改革などを行って生み出して、新たな新世紀政策推進枠を設けて仕事をするということでありましたが、既に本年度の当初予算の編成までに359事業、一般財源ベースで150億を予算化いたしたわけでございますが、今回、新たに24事業、一般財源ベースで6億円を予算化するということでございますので、一般財源で200億円のうち約156億円が執行されているということでございます。

 資料の13ページは、先ほど申し上げました、職員からいろんな提案がありました、予算を直接使わない、いろいろな事業についてそこに書いてあるものであります。

 以上、少し長くなりましたが、説明を終わりたいと思います。

【司会】

 以上で発表は終わります。

 続きまして、質疑を行いたいと思います。幹事社のほうからまず質問していただきまして、その後、各社、適宜お願いをいたします。

 では、幹事社のほうからお願いします。

【記者】

 では、幹事から。陽子線がん治療施設の整備でお聞きしたいと思います。

 この間、整備検討委員会が方針を出しましたけれども、場所というのは方針では未定だったんですけど、設置する場所は、知事としてはどこがいいとお考えなのかというのと、総額で大体100億円と検討委員会では出ていましたけれども、財源をどういうふうにするのか、県債を発行したりとか、企業から寄付を求めたりとかいうお考えはあるのかどうか、お願いします。

【知事】

 陽子線がん治療施設については、検討委員会の報告には、1つは治療体制が整っている既存の総合病院に併設する考え、また通院しやすい、それから県内の医療機関が協力して治療や研究に取り組むネットワークのそうした核があるところ、スタッフの問題、そういう条件がいいんじゃないかということを言っておるわけでございますので、県としては、県民が利用できる、全県的な治療施設を整備するという観点から、これから県の考え方を取りまとめたいと考えておりますが、きょうの段階で、今、どこだということは、まだ結論に至っていることではございません。

 それから、陽子線がん治療の整備でありますが、治療施設の機能、また他県のいろいろな事例、これからのいろいろな技術進歩などもあると思いますが、100億円程度の整備が必要かということでありまして、財源については、電源三法交付金という制度がございますが、そうした財源を活用するなど、検討してまいりたいと考えております。

 なお、これからいろんな設計等を行うわけでございますので、そういう作業を通じて結論を出してまいりたいと、このように思います。

【記者】

 各社、どうぞ。

【記者】

 陽子線の立地地域はまだ未定ということなんですけども、そういうがん治療で拠点的な病院に併設とか連携とかいうことになると、自ずと物理的に福井市周辺というか嶺北ということになる、まあ、嶺南にそういう施設ですね、拠点化治療施設というのは確かなかったと思うんですけれども、物理的にはそう思うんですけども……。

【知事】

 そういう報告書をいただいておりますので、それをもとに、我々として、これからいろんな設計を行ったりしますので、そういう中で結論を出したいというのが今の段階です。

【記者】

 検討作業は、庁内的な検討委員会を……。

【知事】

 これは実体的な結論の出し方に、何か組織をつくるということではなくて、もちろん県議会の議論などもあると思いますし。

【記者】

 いつごろを目途にとか、そういうのは……。

【知事】

 今、基本的な設計なども行いますので、それと並行した議論になるのかなと、今思っていますけれども。

【記者】

 補正予算の件からは離れるんですけれども、きのうの衆議院選挙から一夜明けて、知事としては、今回、福井県内の結果を含めて、選挙に関してどのようなご感想をお持ちでしょうか。

【知事】

 そうですね、我々としては、選挙を通じて各候補者の方々、いろんな訴えがあるかと思いますけれども、やはりこれからいよいよ、地方分権といいますか、そうした課題にしっかり、国政、地方を通ずる重要な課題ですので、これを具体化を進めてもらう必要があると思いますし、我々も知事会などを通じてそうした努力をしなければならないと思います。

 もう1つは、これは福井県の場合、新幹線の問題、あるいは高速道路の問題、農業の問題、また全国共通の子育ての問題とか、あるいはまちづくり、いろんなのがありますけど、こうした課題に県民が期待しているほど成果が、これは我々も努力せんといかんと思いますが、国政の場に携わる政治、こうした政治の立場でしっかり進めていただくというのが我々の願いでもありますし、県民の期待だと思いますので、そうしたことをぜひやってほしいし、我々も絶えずそういう要請をしてご一緒に進めなければならないと、こんなふうに思いますが。

【記者】

 今回、自民党が大幅に議席を伸ばして、県内にも小選挙区では3議席独占したわけですけども、自民党が伸ばしたということについては、何かご感想は。

【知事】

 これは、なかなか一概に解説とか評論のしにくい課題でありまして、私自身ももう少しいろんなことを、私も政治に携わっておりますので、政治、あるいは国民、有権者のお気持ち、そんなものを1回頭を整理する必要があるなというふうに今思っておるんですが。もちろん、皆さん方も報道の立場でいろんなお考えを持っておられると思いますけれども、今そんな段階です。

【記者】

 飯島副知事にお願いしたいんですけども、アスベストのところなんですが、法律で規制対象外になっている規模の小さな形状の施設とか、面積の小さな建築物というのは、具体的にはどれぐらいの大きさのものを想定しているのか教えてください。

【副知事】

 2時半からアスベストの会議がございますので、その際にお答えさせていただきたいと思います。

【知事】

 事柄がちょっと技術的ですので、図解をしてお示しできるようにできるだけしたいと思いますが、基本的には、石綿といいますか、アスベストを用いたいろんな製品がありますので、そのどこを法律上、法がとらえておって、条例がどうするかということですが、例えばアスベストの発生装置については、エンジンの大きさが5馬力、6馬力かな、それ以下のものは対象にしていませんので対象にするとか、それから、アスベストを排出する作業についても法の規制があるわけですけれども、それ以下の面積については、例えば500㎡未満とか、それは対象になっておりませんので対象にするとか、それから全然法律で議論していないアスベスト吹付け材の使用建築物、これについては、この条例でそういうものがいろんな作業などを通じて外に出ないように努力義務、必要な勧告とか立入検査をやるとか、こういうことを主に柱は3つあるかと思います。そういうことで行う考えであります。

【記者】

 罰則は設けるということですか。

【知事】

 どちらの……。初めの2本は罰則を設けます。これは、3か月以下の懲役とか、20万円以下の罰金とか、こういうことになるというふうに思いますし、ものによって多少違いますが。3番目の項目は努力義務ということですね。

【記者】

 「健康長寿ふくい」のことでぜひお聞きしたいんですが、陽子線がん治療施設の技術水準というか、全国的に見て、若狭湾エネルギー研究センターのこの研究成果が全国的に見てどのくらいの水準なのかということと、これは県民が広く利用できるがん治療施設と書いてあるんですけれども、この全国的というか、特にがん治療、地方のがん患者さんが東京のあたりによく行ったりしているというのをよく聞くんですが、その辺、技術水準と、その技術の使い方、県民だけじゃなくて、全国に広げたり、どういうビジョンなのかということを……。

【知事】

 今、陽子線治療というのは、千葉県の放医研、筑波、静岡県、それから兵庫県の西播といいますか、SPring-8と直接は関係ない、その同じサイトにある、そして福井県のエネ研ということです。福井県の場合には研究も兼ねておったということで、大体そうした地域になるかなと思います。これから普及はすると思いますが、なかなかコストもかかりますし、すべての県ができるわけではないと思いますので、福井県としてはもちろん福井県民のことを考えなければなりませんが、我々としては周辺の府県、また、そうした装置というのはいろんな使い方がありますので、連携をして、場合によっては、この利用者はこっちへ行ってもらうとか、そういうことを考えなければならないと思います。

 併せて、がん治療の場合には、要するに外科的な対応、こうした陽子線等の治療、それから、抗がん剤等の薬による治療といいますか、最近は前立腺などの場合には、ブラキセラピーといいまして、特定の部位にそういうものを埋め込んだりする治療とかいろんなものがございますので、そういうものを組み合わせながら総合的な治療を行うということでありますので、そういう中で福井県が一定の役割を果たすと。現にそういう治療の実績もありますので。

 それから、通常のがん治療の、各患者さんごとの統計が非常に整っているといいますか、そういうアメリカ並みの県であるということでありますので、そういうものを活かして進める必要があると、このように考えます。

【記者】

 この若狭湾エネルギー研究センターの研究成果というのは、実際にいろんな医療機関へ活かせる、その技術の確立はもうされていると。

【知事】

 はい。数は少ないんですが、そういう技術はエネ研で実行済みといいますか、先生方もそこで経験をしているということでありますので、そういう先生方を中心に、実際のこうしたスケールでさらに行うということになると思います。

【記者】

 選挙のお話をお伺いしたいんですけれども、自民党が圧勝という状況で、与党だけで議席の3分の2を占めたという状況なんですけれども、これに関して、何かご感想といいますか、ご意見を伺えたらと思うんですが。

【知事】

 どうなんですかね、いろいろな選挙の争点の出し方とか、こういうことに対して有権者がどのように応えるかということが、最近の選挙の場合には、非常に反応がそこに出てきますよね。そういう中で、今回は、自民党のああした問題提起というのが有権者の支持を得られたのかなと、そういう感じはいたしますが。ただ、他の民主党等の政党がどういう問題提起をすべきだったのか、その辺はなかなか難しいところですけど。

【記者】

 どうでしょうか、知事のお立場として、今回、一方では投票率がすごく伸びたりとか、あるいは、例えば1区の稲田さんなんかは、2週間ぐらいで議席をとってという、そういう有権者の高まりがあったと思うんですけども、一方で、地域の課題、北陸新幹線とか、あるいは原子力、エネルギー研究開発拠点化とか、そのあたりは全然争点にならなかった一面というのが極めて濃いのかなと考えるんですけど、そのあたりについては、知事としてはどのように……。

【知事】

 私自身も、地方分権とか、それから地域の課題について、十分、選挙を通じて、テーマとしてやってもらうということですし、それぞれの皆さんの公約を見るとそういうことが書いてありますし、いろいろおっしゃっていただいているとは思うんですが、これからそれをいかに継続的に実行してもらえるかなということかなと思いますけど。いずれにしても、これまで衆議院、参議院、いろんな選挙が日本でも行われておりますし、外国でもいろんな選挙というのがありますけども、それぞれ独特な展開を見るというのが選挙ですし、それ以前の選挙とこの選挙を比較してなかなか論じがたいというのが政治の世界かなというふうに、私、自分もそういう選挙を経験していまして、思いますので、政治というのはなかなか、わかる点もあるんだけれども、わからない点もあると、我々人間が行うことでありますので、非常に理解し、あるいは理解しがたいいろいろな力が働くという感じがいたします。

 むしろ皆さんのほうがそういう分析等はご専門でございましょうから。そんなふうに思っております。

【記者】

 先ほどの陽子線がん治療施設に直接はかかわらないかもしれないですけど、今後、事業費の話なんかで、企業からの、電力事業者の方からの寄付について、先日、原電さんが公表したり、敦賀市さんなんかも今後公表することを考えているとおっしゃったと思うんですけれども、初めてああいう動きが出た中で、県としてのお考えについて、知事に改めてお伺いできればなと思いますけども。

【知事】

 他の自治体の話はともかく、福井県としては、例のエネルギー研究開発拠点化計画がございますけれども、原子力施設と地域の恒久的な振興ということは、総合的に、わかりやすく、目に見える形で進める必要があるというのが、拠点化計画のねらいといいますか、思いでありますので、そうした考えで我々は進めたいと思います。あまり個別の1対1のそういう議論ではなくて、全体として、県民が納得していただける、そういう方法、これが大事ではないかと考えます。

【記者】

 わかりやすく目に見える形という意味では、なるだけガラス張りに近いというような……。

【知事】

 それに限らず、総合的に原子力の問題と地域が良くなるといいますか、そういうシステムというのをつくっていくというのが計画の考え方でありますので。

【記者】

 そういう意味では、例えば協力していただいて、財源的にもバックアップいただいた場合には県民にお知らせしたりするとか、そういう方向という理解でよろしいでしょうか。今まではそういう公共的な部分にバックアップいただいても、匿名とか、いろんな部分でわかりにくいとかいう、やっぱり知事もおっしゃって……。

【知事】

 それは先方のお考えもあったんでしょうしね。だんだんそういうものも考え方が変わっていくと思いますから。

【記者】

 今の件に関連してなんですが、福井県はずっと原子力産業の明確な位置付けをこれまで歴代の知事はされてこなかったんですが、原発産業は県の基幹産業だという位置付けは現時点で西川知事はされていないんでしょうか、されているんでしょうか。

【知事】

 あのレポートに書いてある言葉どおりですけどね。どういう表現だったか、あれだけど。あそこの考え方が私の考え。

【記者】

 やっぱり基幹産業と……。

【知事】

 どういう言葉遣いだったかはともかくね。

【記者】

 基幹産業だという言い方はできないんでしょうか。

【知事】

 原子力発電は本県の重要な産業であり、今後は単に電力を供給することにとどまらず、さまざまな原子炉が集積している特徴を最大限に活かして、幅広い技術を移転、転用する研究開発を進め、地域の産業の活性化につなげる位置付けがぜひとも必要と、こういう考えということです。あまり言葉遣いを何か、こちらだあちらだと言ってもどういう意味かになりますし、それは意味のあることじゃない。これがこの基本的な考えで、拠点化計画をつくっているということであります。

【記者】

 アスベストなんですけど、すぐ条例対策というのがありましたけど、大きく条例化による規制、監視強化と助成とのこの2つの柱で、今後、アスベスト対策を進めていくというとらえ方でよろしいんでしょうか。

【知事】

 そうなんですが、県の行政だけで、これ、本当はいかんのですよね。国がいろんな基本的なアスベストに対する法制度をもう1回再編してつくり直さないかんと思います。いろんな調査、あるいはいろんな補償的な部分、そして安全基準、これがはっきりしていないですから。そうした中で、今、県として行う、できることをやるという考えなんです。

【記者】

 当面、国の対策をにらみながら、この2本の柱でというとらえ方ですか。

【知事】

 そうですね。そういうふうに考えていただいたほうがいいかと思います。

 大体、そんなところでいいですかね。もうちょっと何か補足してあったら。

【飯島副知事】

 基本的にはそういう考え方でいいと思います。

【記者】

 それと、助成なんですけど、民間型福祉施設とかありますよね。その中で、そうした学校と幼稚園、保育所に絞られたというのはどうなんですか。

【知事】

 何を意味しているんかな。ああ、民間の施設じゃないかな。民間の工場とか、そういうものはそういうのがあったら言ってくださいと。民間プロパーの話ですか、今。

【記者】

 そうですね。民間プロパー、調査対象にいろいろ含まれているとは思うんですが。

【知事】

 それは自分の責任やね。

【記者】

 当面、助成の対象を……。

【知事】

 それは自己責任の分野ですね、今のは。ですから、努力規定ということに。それでいいんでしょう。

【飯島副知事】

 そうです。

【知事】

 これも国の制度として、どう日本としてつくり直すかというのはありますけども、まだそこまで至っていない。今の中でということですね。

【司会】

 それでは、時間もまいっておりますので、これで記者会見を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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