知事記者会見の概要(平成17年11月8日(火))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002773

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平成17年11月8日(火)
14:00~14:40
県庁 特別会議室

記者会見
 

 

 

【司会】

 

 

 

 

 

 時間になりましたので、それではただいまから、福井県、そして美浜町、若狭町の共同記者会見を始めさせていただきます。

 まず、知事のほうから発表をしていただきまして、その後、両町長さんのほうから発表をお願いいたします。その後、質疑をお願いしたいと思います。

 では、知事のほうから発表をお願いします。

【知事】

 きょうは、美浜町長、若狭町長がお見えでございますが、便宜、私のほうから。

 ラムサール条約締約国会議というのが、本日、アフリカのウガンダ共和国で開催をされているわけですが、きょう、三方五湖がラムサール条約湿地に登録をされたということであります。

 三方五湖のラムサール条約湿地登録につきましては、国に対し、地元両町はもとよりでございますが、私も国などに要望を直接行いまして、ご一緒に働きかけをしてまいりました。こうした取り組みによりまして、今回、福井県を代表する湖沼であります三方五湖がラムサール条約湿地に登録されたということで、国際的ないろんな条件にかなっているということで、重要な湿地であるということであります。

 評価を受けたということでありまして、もとより評価を受けたということは、これからその評価にふさわしいことを行う必要があるだろうということでありますので、きょうはご一緒にこうして発表をさせていただいております。

 今年度より、県として新たに「三方五湖やすらぎ共生プロジェクト」を地域ブランド創造活動推進事業に指定いたしまして、地元の観光関係事業者が中心となって取り組むエコツーリズムなどの活動を支援し、全国に向かって、強くこれまで以上にアピールをするということが1つございます。

 それからまた、従来から三方五湖の自然環境保全のために、湖沼のしゅんせつ、また水質浄化研究などに取り組んでおり、また関係両町もそういうことで頑張っていただいておるわけでありますが、特に福井県として、新しく三方五湖の「美しい三方五湖再生事業」として、県の衛生環境研究センターあるいはまた若狭湾エネルギー研究センターで水質浄化のための研究に取り組むとともに、地元の環境保全団体などによる委員会を設置して、三方五湖の再生活用に努めることにいたしております。

 その委員会の構成につきましては、これからいろいろ議論をしていく必要があるところでございますが、関係の地元の団体等々、学識経験者などいろんな方に集まってもらって、これから行うことが必要だと思っております。

 この委員会でありますが、今月中を目途に設置いたしまして、具体的な環境保全のプログラム、プランの策定などを行い、地元地域による環境保全活動の推進を検討、協議してもらいたいと思います。

 今後とも、本日ご出席の地元美浜町、若狭両町とも共同いたしまして、国際的な役割を果たしているこの三方五湖を全国にアピールするとともに、賢明な、ワイズユースといいますか、賢明な使い方、利活用、こうしたことをご一緒に行いたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

 まず、冒頭、私のほうから。

【司会】

 それでは、続きまして、美浜町長さんのほうからお願いします。

【美浜町長】

 美浜町長でございます。

 今回、三方五湖がラムサール条約に指定していただけたということで、非常に感激をいたしておりますし、ありがたいなというふうに思っております。

 今、知事さん、お話しいただきましたけれども、この指定に当たっては、県ご当局のご指導をいただきましたので、厚くお礼を申し上げたいというふうに思っております。

 今、三方五湖は、正式に言いますと、美浜町の地域といいますのは、2つの湖に満たない、日向湖は全部美浜地籍でございますが、久々子湖は二、三割が三方地籍になっていますから、2つの湖に満たないわけでございますけれども、主に両町で、観光面で使わしていただいておるのかなというふうに思っております。そういう面では、大きな知名度アップということで、我々大きな期待をいたしております。

 歴史を調べてみますと、日向湖は江戸時代まで全部淡水湖であったんですけども、漁港の整備に、漁港の船だまりに使われたということで、日本海と運河ができまして、今、海水湖ということで、主にとれた魚の蓄養、生かしておくという場所に使っております。

 久々子湖は、以前、非常に奥深くまで湖が入っておりまして、10世紀ごろ気山津という港であったということが、町史編さんをしておる資料からうかがえるんですが、今、ボートのコースなんかも県営でやっていただいて、非常に多目的に使わせていただいておるということで、珍しい魚種というのはないわけでございますが、久々子湖は汽水湖、それから日向湖は海水湖ということで、久々子湖は特に海水と淡水の両方の魚が生息しておるというところが非常に珍しいのかなというふうに思っておりまして、今後、ご指導いただきながら、一層、町も環境に努めてまいりたいと思っております。

【司会】

 それでは、引き続きまして、若狭町長さん、よろしくお願いします。

【若狭町長】

 若狭町長の千田でございます。大変うれしいことでございまして、私どもも感激に今浸っているところでございます。

 三方五湖のうちの、今、美浜の町長さんからもお話がございましたが、3.2~3.3個ぐらいが私どもの管轄になるわけでございまして、これからやはりそういう三方五湖をいかに保全をするかということについても、私ども、大きな行政の責任をいただいたなという思いもするわけでございますし、また、鳥浜貝塚という、これは先人が世界に通じる遺産を残してくれたということについても感謝をしなければいけない。今度、また三方五湖がラムサール条約に登録をされまして、これも自然がはぐくんでくれた世界の財産として、それぞれ世界に共通するものの財産を、私ども、お互いに行政として、今後、世界の情報発信に向けて大いに活用させていただきたいなというふうに思うわけでございますし、また、やはり、それぞれ世界にきちっとした皆さん方のご理解をいただけるような、こういう環境づくりというものに一生懸命に取り組みをさせていただかなければいけないなというふうに思うところでございます。

 実は2年ほど前から環境省のほうでいろいろとそういう話を聞いたり、あるいはいろんな今のこの水面下での話もしとったわけでございますが、今回は特に西川知事さんがわざわざ環境省までお出向きをいただきまして、特別にそういう点での要請をしていただいたということについて、これが指定の大きな原動力になったのではないかなというふうに思いまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。

 この責任というものを十分に受けとめながら、今後の環境行政に取り組みをさせていただきたいというふうに思っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

【司会】

 以上で発表事項は終わります。質疑に移りたいと思います。

 適宜、各社のほうから質問をお願いしたいと思います。

【記者】

 ラムサール条約の登録について、県なり両町でも結構なんですけども、具体的に行政として動き出した、地元として動き出したというのはどの時点からになるんでしょうか。

【若狭町長】

 正式に動き出したというのは最近ですが、これは去年ぐらいでしょうかね。2年ほど前から、実は環境省のほうでいろいろとそういうものについてどうだということの問い合わせとか、いろんな形のものを進めておりました。

【記者】

 環境省のほうから問い合わせがあった?

【若狭町長】

 いいえ、こちらから。

【記者】

 それは、今回、新規登録といいますか、拡大されるというお話を聞いて……。

【若狭町長】

 全く知りませんでして、サムサールというのはどういうものだ、それから、うちの三方五湖で通じるものがあるのかどうか、その辺から入りました。そしたら、たしかこれは3年に1回開かれるんですね。ちょうどタイミングが良かったのでないかなという思いも実はいたしております。

【記者】

 これ、取り組みになられたのは旧の何町から?

【若狭町長】

 三方町の時分です。

【知事】

 かつ、地元の皆さんがそれを受け入れるということがないと、なかなかうまくいかないです。それは両町ともそういう方向でやっていこうということです。

【記者】

 地元の民間の方との協力ということも今後さらに検討していかなければならないと思うんですけれども、保存ですとか情報発信に向けて、地元の民間の方とはどのように共同歩調をとられるおつもりでしょうか。

【美浜町長】

 関係する区、そこら辺とは打ち合わせをいたしておりますし、これは規制がかからないかといういろんな心配もあったんですが、そういうものもきちっと説明して、地元の理解は得ております。また、環境に関しては、若狭の旧三方地区は非常に頑張っておられますけれども、美浜のほうは下流になるものですから、しかし、環境団体、NPO、それから子供たちも入れて、水をきれいにしていこう、特に湖底のたまった汚泥をきれいにしていこうという動きもしていますから、そういうものをなお一層進めていきたいという思いでおります。もう既に相当進めておるというつもりでおります。

【若狭町長】

 私どもの場合は三方五湖の一番上流に当たりますので、これはどうしても守らなきゃいかんという町民の意識というのがありますし、三方五湖の湖浄協というものがありまして、これそのものの組織が、毎月、湖岸の空き缶拾いとかいろんな形のに出てくれまして、これは何年か続いています。

 それから、今度のラムサール条約の登録に向けては、ハスプロジェクトというものを実は民間団体が取り上げてくれまして、ハスが今、おるかおらないかわからない、そういう幻の魚になりつつありますので、その辺を何とか自分らで探したいという思いもございまして、そういう思いで既に動いてもろうていますので、そういう民間団体の動きというのは私どもにとっても大変ありがたい話です。

 それから、地元の漁協がまず合意をしてくれんとあきませんので、その辺のことも漁業組合に話をさせていただいて、漁業組合も一つ返事で、大いにやろうということでございまして、そういう点では、それぞれ、三方五湖の昔のことを思えば汚くなっているなという認識は当然持っていましたので、これを機会にもとの湖に戻さなければいけない意識は十分にできています。

【知事】

 これからだんだん盛り上げていくということが大事ですし、先ほど委員会のお話を申し上げましたが、委員の構成については、美浜・若狭両町、地元の団体、住民の方、県内の大学等で水質の問題とか動植物あるいは環境教育、そうしたいろんな専門家の方に入ってもらって、17年度──もうそんなに17年度は期間が長くありませんが、18年度なども含めて、そういう活動の予算も県としては組んでおりますので、そうした動きの中で、具体的にこれまでも両町でいろいろ粘り強く仕事を進めてもらっていますけれども、具体化をするということかと思います。

 例えば、平成10年度から17年度まで、これは下水道などのいろんな事業がありますが、三方五湖の水質汚濁の削減とか、あるいはいろんな関係する環境、多少、土木工事的なものもありますが、いろんな計算としては大体80億円程度の投資をしております。今年も今のいろんな委員会の経費なども含めて2億5,000万余りの予算を投入しているわけでありまして、こういう予算のこれからの使い方とか、どういったところに重点的にやっていくかと、いろんなことがあると思いますし、せっかく今回こういう登録を受けたわけでありますので。あと、今月のいろんな行事としては、11月18日に登録認定証を環境省から県のほうに受けますのと、後ほどお話があるかもしれませんが、11月20日には地元両町で記念のいろんな式典といいますか、イベントも行われるんじゃないかと思います。そして、今月の下旬には、先ほど申し上げました委員会なども両町と相談してつくって、1回目の委員会を行うと、こういうようなスケジュールでこれから進めていこうかなと、こんなふうに思っております。

【記者】

 それに関連しまして、先ほど千田町長もおっしゃいましたけど、ハスプロジェクトの方々ですね。やはり五湖だけじゃなくて、登録されたのは五湖なんでしょうけど、やはり周辺環境も大切だということで取り組んでおられると。そうした周辺環境も含めた自然再生というので民間の方も取り組んでおられるようですけど、例えば釧路湿原などは自然再生という方向で頑張っておられると思うんですが、そうした視点で、何か今後の展開としてお考えになっていることは。

【知事】

 両町、いろんなお考えがあると思いますが、そうしたいろんなこれまでの一定の方向がありますが、これからそういう方向で引き続きいくのか、多少こういうところは新しいものを加えるとか、そういうようなことはこの委員会などを中心に議論していくという、そういう場ですね。いろんな衆知を集めてといいますか、コンセンサスを得ていくといいますか、もちろん両町の町長さん、いろんな政治的なご判断もあると思いますが、そんなことになると思います。

【美浜町長】

 今、知事さん、おっしゃっていただいたんですけど、改めて18年度に向けて、県を中心としていろんな調査をしていただいております。そういうのを、まだまとまっておりませんので、町も一緒に入らせていただきながら、今後の整備についてはご指導いただきながら、町としても進めていきたいなというふうには思っております。

 今日まで、知事さん、ちょっと下水のことも言われましたけども、美浜町では中心部は下水が久々子湖に従来流れていないんですけども、生活雑排水なんかも久々子湖に流れる箇所から先にやるということで、以前から千田町長さんとはいろいろ連絡をとりながら進めておりましたので、県の指導をいただきながらそういうのを進めてきたというふうに思っていますので、そういうものも美浜町としては今後も一層、我々の知らないこともいろいろあるのかなと思いますけど、ご指導いただきながら進めていきたいなというふうに思っています。

【若狭町長】

 私も、下水道に関しましては、ほとんど100%近くの整備が行き届いていますので、あと、これからどうするかということについては、まず山の再生をやらなければいけないなという思いを実はしています。随分と山が荒れていますので、やはり山をなるべくもとの山に戻しませんといい水が流れるはずがありませんので、まずそういう息の長いところからでも手がけて、少しでもいい水が山から野や里に流れてくるように、そしてまた、これが魚族に与える、やはりミネラル豊富な1つの水が当たるような形のものでの供給源になる。それそのものが湖の再生にもなり、あるいはそれが末端的には日本海の再生にもなるなという思いを実はしておりまして、とにかく山を重点的に何とかしていきたいなというふうに思っております。

 それから、これは思いの中ですけども、まだまだ私どもの思いですけども、できればやはりこの機会に環境の町の何か宣伝ぐらいをできたらいいなということを実は感じて。まあ、これは議会の皆さん方とご相談をせないけませんので。

 それから、今、美浜町長さんからのお話がありましたが、こういうごみの問題に関しまして、あるいはし尿問題に関しまして、すべて美浜と共同でやらせていただいている三方五湖の流域でございます。これもやはり、今までの農業のやり方では、化学肥料とかいろんな形のもので、これそのものが水質汚染につながっているということが結構取りざたされておりましたので、これをやはり堆肥化に切り替えをしていこうということで、昨年からコンポスト施設、いわゆる堆肥化施設を完成していただいたので、これらをこれから農業、あるいは梅の産地でございますが、そういう肥料にすべて有機農業の使い方をしていこう、それによってなるべく湖を汚染から守る、あるいは防ぐ方法を、既にこれはもう基盤ができ上がっておりますので、これを実用化に向けて、今後、積極的に取り組んでいきたいなというふうに思っています。

【知事】

 さっきのハスプロジェクト推進協議会ですか、一生懸命やっておられますそういう団体があるわけです、ほかにもあると思いますが。そういう団体といろんな連携もしたいですね。何といってもラムサール条約の湿地登録ということは、一種の代表選手なわけですので、県内にほかに湖沼、河川、もう少し規模の小さいいろんな事業も一生懸命、皆さんやっておられますよね。そういうものの、文字どおりリーダーといいますか、先進的な場所、また、プロジェクトになるように、地域としてもちろんやっていただかなきゃいけませんが、我々も一緒に進めていくと、こんなふうに思っています。

【記者】

 あと、ラムサール条約といえば、ワイズユースですかね……。

【知事】

 賢明なる何ていいますかね、使用というか、活用というんですかね。

【記者】

 例えば知名度アップによる観光振興だとか経済効果とか地域の活性化だとか、いろんなご期待もあるかと思うんですけども、期待とか、あるいは具体的にこういう形で地域の活性化に結びつけたいというような部分がございましたらちょっとお聞かせいただきたいと思います。

【知事】

 私から冒頭、概略を申し上げますが、特に地域ブランド、三方五湖を福井県の地域、また観光的なブランドにすべきだということで、今回、「若狭三方五湖やすらぎと共生プロジェクト」ということで手を挙げていただいて指定をしておるわけで、平成17年度から19年度の3か年間で3,400万円の事業を行います。そのうち2分の1が県の補助、あとは地元でご負担をいただくということですが、この11月、今回、ラムサール条約に登録されるということなものですから、三方五湖をはじめ、今、周辺の山や海や里のお話を町長さんがされましたが、滞在型とか体験型のツーリズム、こういうようなものを通じて三方五湖をよく理解し、観光の利用にもしてもらうということで、いろんなトレッキングとかウオーキングとかたたき網漁とか、いろんなものもございますし、また、食もありますし、さらには魚介類を利用した特産物の開発とか販売とか、いろんなことがありまして、このプロジェクトは自然体験のメッカといいますか、そういうことを目指そうという志を持っておられるようですから、そういうことでこうした事業を進めていくと、こんなことが1つ柱になるかなと思います。

【若狭町長】

 多くの国にお認めいただいたこのラムサール条約でございますので、やはりそういう国際化に向けた1つの観光の動きというものをつくっていかなければいけないなというふうに思います。特に、小泉総理が観光立国を目指しておられますので、そういうものの方針にのっとりながら、やはりこのラムサール条約というものを大きな武器といたしまして、それぞれ国際的に情報発信をしたいなというふうに思っておりますし、また縄文のお話になりますが、梅原猛先生も、今のすさんだ世の中の世直しのために縄文の時代というものを見直さなければいけない、それの世界の情報発信の基地としたいというのが、実は、梅原先生が私どもの館長におなりいただいた一番の原点でございますので、そういうものとの絡み合わせをしながら、少しでも国際化の観光に向けた取り組みをさせていただこうと。

 もう一つは、こういう自然というものは、今のこのすさんだ世の中の人間の癒しの場にもなるわけでして、そういうようなものの中で、少しでも、これは日本でだけでなしに、世界の皆さんに来ていただいて、心の癒しの場になっていただければ、これは大変いいことではないかなという思いの中で、そういうようなものも含めた世界に向けての情報発信をさせてもらいたいなというふうに思っています。

【美浜町長】

 私のほうも広域観光ということで一緒にやらせていただいていまして、五湖遊覧船の発着場があるものですから、一番活用させていただいているのが美浜町かなというふうに思っております、多目的にですね。当初言いましたように、県営のボートのコースもありますし、そういうもので情報発信させていただいておるんですが、これからは、やはり、冬場に船に乗ってみますと、水鳥が──このラムサールというのは水鳥保護でできたと勉強をしてわかったんですけども──非常に多いと。遊覧船で走りながら行きますと、つい本当に近くにばたばたと発っていくというような状況ですから。私は、両町協力して、ラムサール元年に当たって、現在の状況をきちっと把握するというのでしょうか、どういうものがラムサール元年に生存しておったんだと、鳥も魚も含めてですね。そういうのをきちっとしていく必要があるんじゃないかなというふうに思っています。我々知っておるだけでも、昔こういうものがあったなというものがなくなっておる状況ですから。例えば海草が生えてまして、久々子湖なんかでとってきて、つくだ煮にして食べたというような思いもあるんですが、そういう状況もございました。それから、カキなんかもとれたというようなこともありますし、そういうものをきちっと調査してですね。先ほども言いましたように、町史を見てみますと、日向湖は淡水湖やったと。それから、久々子湖はずっと一番若狭町寄り側の港になっておったという、敦賀と競う、それは10世紀ごろなんですけども、そういうことも書いていますから、相当ものすごく昔からいうと変わってきたと。今後どう変わっていくかわかりませんけども、ラムサール元年の状況はこうやったんだというのは残していく必要があるのかなというふうに感じてます。

【記者】

 それは動植物の調査ですかね、生態調査のようなものをきちんと記録として……。

【美浜町長】

 若狭町長さん、先ほど魚のことを言われましたけど、そういうものを含めて、今、外来種も大分おるようですし、久々子湖なんかですとコイもフナも昔釣れたんですけども、今、久々子湖にはそういうものがおるのかどうか、そういう調査もできていないんですけど、きちんとしておく必要があるのかなというふうに思っています。

【司会】

 ほか、質問ございませんか。

【記者】

 知事にちょっとお伺いしたいんですけど、今回、ラムサール条約のこれまでの登録地以降の登録が20箇所あったんですけど、大分、登録地を増やそうという意向が環境省にあるみたいなんですけれども、今後のことで、県内で、例えばほかの湖なり湿地なりがあると思うんですけれども、今後ラムサール条約の登録を目指したいと思うような候補箇所があるかないかとか、方向性をお伺いできたらと思うんですが。

【知事】

 三方五湖については、固有の魚種とか、こういうものがいるとか、あるいは魚類の重要な産卵場とか生育場である湿地とか、そういうことが条件で登録をしているんですけれども、ほかに、例えば北潟湖とかいろいろありますけれども、例えば水鳥が定期的に、例えば2万羽以上超える湿地じゃないといけないというのが条件なんです。1つの条件、これを満たしてもいいんです。それから、水鳥の種類の個体数の1%以上を定期的に支える湿地とか、そういうのに、例えば北潟湖は残念ながらまだ当たっていないわけでありまして、今のところはちょっと厳しいかなと、こんな感じであります。しかし、世の中いろいろ変わっていくと思いますし、この三方五湖をしっかり進めることによって、いろんな議論はできると思います。

 ただ、今回20箇所の例を見ますと、例えば阿寒湖とか、尾瀬とか、それから宍道湖とか、いろんなところがありますけれども、そういう地域に比べて三方五湖、知名度がどれくらいで、ブランド力はどれくらいかなということになりますと、我々は立派だと思っているけれども、もっともっといろんなことをしてわかってもらわないかんと思うんです。そんなことを並行してやりたいと思います。

【記者】

 基本的には、三方五湖以外で現状では今のところはないと。

【知事】

 今のところの条件では、ちょっと当てはまらないと。例えば北潟湖は、これはまだ十分調査せんといかんのですが、2万羽以上と言っているんですが、年間、けたが1つ違うぐらいかな。飛来するのは二、三千羽ぐらいでしょうかね。それから、水鳥の1%というんだけど、これもちょっとけたが1つか、場合によっては2つ近く違うとか、そういうところなもんですから。もっと環境がよくなっていろいろ変わるとまた状況が変わるかもしれません。そんな状況であります。

【記者】

 外来魚の問題なんですが、地元の漁協などに話を聞くと、やっぱりブラックバスがだんだん増えてきていると。今の段階では漁業被害が出ていることはないけど、数年で出てくるのではないかと考えているようです。それと、その次の段階で、随分と地元の漁協の方とかストレスを感じているみたいなんですけども、その辺に関して対策のほうはどのようにお考えですか。

【若狭町長】

 ブラックバスは確かに増えています。やはり、悪い人という言い方は悪いですが、多少そういうような、少しでもブラックバスを放して、自分が釣りを楽しみたいというような人がおられるのかどうかわかりませんが、最近の話では実は堤にブラックバスを放しまして、そこでふ化をしまして小さい魚が、ブラックバスの子供がいっぱいいるという情報が入りまして、その堤の水を実は抜きまして干し上げまして、結果的にすべて一網のうちに除去したというのがあります。それから、3年ほど前にもそういう堤からの情報が入りまして、水を抜いてすべて駆除したと。しかしながら、それまでにある程度そういうようなものが下流のほうに流れたのと違うかな、逃げたのと違うかなというものが、結構湖におるようでございまして、これは毎年、漁師さんが一生懸命にとってくれていますし、これから後、どういう形のものでやろうかなということについても、やはり、ああいう習性というのは、湖の真ん中には寄らないそうなんですね。外周をぐるぐると回る習性があるらしいので、その辺の習性を利用しながらブラックバス退治を、漁師さんの協力をいただきながらやっていかないかんなというふうに思ってます。

 それから、堤というものは、これは農業の時期が済むと不要になりますので、できれば不要の時期になったら水を抜いてもらうということについても、それぞれ堤の管理者の皆さん方にこれからお願いをさせてもらわないかんなというふうに思っています。ただ、防火用水を兼ねておるところがありますので、いろいろ難しい問題はありますが、できるだけそういう方向をとらせてもらいたいなというふうに思っています。

【知事】

 外来魚は、三方五湖のうち、三方湖、それから水月湖、管湖、ここにブラックバスの生息が確認されているようですけれども、いろんなフナなど、ナガブナとか、こういう固有の魚類に影響が懸念されていると。それで、平成16年度から外来魚の分布調査、生態を調査し、検討を進めているのと、地元の漁業組合が行う外来魚の駆除に対しても平成15年度から助成を行っております。

 こうした対策を進めるとともに、例えば琵琶湖など、先進的といいますか、非常にスケールの大きい中で外来魚対策などもやっておりますいろんなそういう勉強などもしながら、地元でも今おっしゃられたいろんなことをしておられますので、対策を進める必要があるかなと、こんなふうに今感じました。

【記者】

 関連することで知事にお伺いしたいんですけれども、今、山口町長が、今現在ある生物の調査をしたいとおっしゃっていたんですが、県としてはどうなのかということをまずお聞きしたいんです。というのは、今回、ハスの取材をしたんですけども、県の方では写真1枚すらないという状態で、かつ、調査自体も昭和40年代半ば以降されていなくて、そのデータを今なお使っている状態があります。ですので、やはり県としての調査の実績として三方五湖の生物というのはまだ足りないというのが個人的な印象なんですが、山口町長さんのお考えに県としてどう対処されるか。

 それともう1点は、三方五湖も含めて二級河川の実質上の管理は県だと思うんです。三方五湖はたしか二級河川扱いだったと思うんですが、そうすると、実際、何か保全をしようとしても、県が動かないことには両町が言ったところでしようがないと思うんです。ですので、そういった今後の実際のハード面をいじる際に、どういった方針、お考えを知事としてお持ちか、教えていただきたいと思います。

【知事】

 実態がわからないと何でも、現場とか実態はわかる必要がありますので、同感です。それで、いろいろな委員会などを通じ、また、ほかに学術的ないろんな調査などが可能かもしれませんが、そういうことを進める必要があると思います。

 それから、河川の管理あるいは水田の問題など、いろいろ所管はありますが、そういうことを、今おっしゃられたようなことを我々がしっかり念頭に入れてやるのが今回のラムサールのまたいいところだと思いますので、そういうふうにやりたいと思います。

【記者】

 両町と協力を県としても進めていくということでよろしいですか。

【知事】

 OK、OKです。

【司会】

 ほか、ございませんか。時間も大分押し迫っておりますので、なければ、ここで終わりたいと思います。ありませんね。

 それでは、これで記者会見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

――了――

 

 

 

 

 

 

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