知事記者会見の概要(平成30年3月23日(金))
平成30年3月23日(金曜日)
14:45~15:30
県庁 特別会議室
【知事】
それでは、年度末最後の会見となります。よろしくお願いいたします。
〔資料:平成30年度組織改正・人事異動〕
まず、今回の発表事項ですけれども、新年度の組織改正、人事異動であります。
新年度は50年ぶりの二巡目の国体・障害者スポーツ大会の年になります。また、マニフェスト、ふるさと元気宣言の最終年度でもありますし、北陸新幹線の敦賀開業や中部縦貫自動車道の完成に向けて進展する時期でありますので、大きな節目の年になるかと思います。
これまで進めてきた政策の成果が着実に見えるように業務を継続し、組織の見直し、人事異動は最小限の形にいたしました。その上で、さまざまな個別の課題も残っておりますので、地域鉄道や防災、共生社会の推進等々の事業を行うための組織改正を行います。
まず、地域交通の関係ですが、総合政策部に地域鉄道課を新たに設けます。現在、交通まちづくり課がありますけれども、地域鉄道支援グループ6人、並行在来線対策室3人の業務をここに移管し、5人増員して14人体制にいたします。専任の課長のもと、いよいよ並行在来線の新会社設立のため、32年度までに経営計画の策定や、地域鉄道である福井鉄道やえちぜん鉄道の経営強化策を検討します。それから、新幹線関係については、用地買収も順調に推移したことから、4つの新幹線用地事務所(坂井、福井、丹南、敦賀)を廃止して職員8名を本庁に集約し、残る用地取得に対応することになります。
防災対策については、土木部の技幹に安全環境部の技幹(防災)を兼務させ、また、危機対策・防災課に土木職の参事(防災対策)を配置することで、土木部と安全環境部をクロスさせて、大雪、地震などにより密接に対応できるようにしたいと思います。もちろん防災は全体としてやる必要があります。
「障害のある人もない人も幸せに暮らせる福井県共生社会条例」、「福井県手話言語条例」が平成30年度から施行されます。障害福祉課に共生社会推進担当の参事を配置し、社会参加グループを共生社会推進グループに改め、グループの職員を7人から9人へ増員し、仕事を進めることになります。今回の福井しあわせ元気「国体・障スポ」はそのスタートになるわけでありますので、いろんな意味で障害の有無にかかわらない、県民皆さんの社会参加を推進したいと思います。
今、人材確保が重要でありますが、産業労働部の労働政策課に配置する人材確保担当の参事が中心となりまして、女性や高齢者などの活躍できる職場づくりをしていきたいと思っております。それから、学生の就職支援の窓口については、これまで県外の学生と県内の学生は担当課が分かれておりましたけれども、学生の就職支援業務を総合政策部ふるさと県民局若者・定住支援課に集約します。
次に、福井の自然遺産の活用であります。
いよいよ9月には福井県年縞博物館がオープンする予定です。コンテンツについても最終的に姿、形を整える必要があると思います。この4月に学芸員2人を年縞博物館の現地に配置し、開館する9月にはさらに事務職員4人を配置して、6人体制で行うことになります。
年縞博物館では、年縞からわかる人類の歴史、気候変動などの事柄をわかりやすく皆さんに知っていただくと同時に、シンポジウムなどの開催、また、立命館大学との連携なども進める必要があります。開館に合わせまして、新たに立命館大学の研究員1人が常駐し、年縞から花粉の抽出や分析を通して、さらに研究を深めるようなことも進めてまいりたいと思います。
交流人口の拡大についてはこれまでも進めてきましたが、観光営業部に配置する営業担当の女性企画幹が、全体の調整をすることになります。大型イベントにあわせた観光ツアー、セミナーの開催など、他の部局と連携しながら、にぎわいを創出することになります。
福井しあわせ元気「国体・障スポ」の成功に向け29年度に体制を整備した国体推進局には76人の職員を配置しておりますけれども、このほかに国体・障スポ実施本部を設置し、兼務となる2,000人の職員が一丸となって国体・障スポの成功に向けて事業を進めてまいります。さらに、国体・障スポには、天皇皇后両陛下をはじめ、多くの皇室の方がご来県になられると思いますので、人事企画課内に行幸啓室、職員17人を配置し、全庁体制で400人の行幸啓本部を設置し対応してまいりたいと思っているところであります。
以上が組織関係であります。
今回、4月1日付で824人の職員の人事異動を実施します。前年が、897人でありましたので、データが残っている昭和48年以降、最も少ない異動者数ということであります。
それから、部長級職員については、重要なポストでありますので、原則、留任または部内昇任ということになります。なお、政策幹は引き続き、再任用職員として配置したいと思います。中村さんは、農林水産部長を長くやっていましたので、「いちほまれ」の本格販売への対応、あるいは今回の豪雪の全体の検証の対応をしておりますので、継続してやってもらいます。
異動サイクルの長期化ですが、異動サイクルは平成28年度から、原則5年程度にしておりますけども、事務・技術職全体における在課5年以上の職員数は703名ということで、過去最多となりました。全職員の平均在課年数も、3年9カ月となり、去年に比べ、1カ月延びます。
今回新たに11人の女性職員を管理職に登用し、女性の管理職は、過去最多の58人となりました。また、本庁の次長級職員に新たに3人の女性を登用しまして、全体で7名、12%ということになります。
~質疑~
【記者】
まず、地域鉄道課の新設ですが、並行在来線の新会社が設立される32年度の2年前というタイミングは、先に新会社を設立している県も同じでしょうか。
【知事】
1年ぐらい早くなっているかと思います。福井には福井鉄道、えちぜん鉄道があり県と市町で支援をしていますし、JRと並行して走っています。石川県や富山県に比べ、それらの課題がありますので、早目に対応するということが重要であると思っています。それから、北陸新幹線についても、大阪まですぐ開通するわけではなくて、敦賀がしばらくはターミナル機能を持つので、いろいろ調整や戦略課題が出てきますので、そういうことをやっていくということになると思います。
【記者】
国体・障スポの行幸啓室ですが、17人という規模は、他の県に比べてどうでしょうか。また、今上陛下にとって最後の国体の行幸啓になりますが、このことに対応した内容は何か考えられていますでしょうか。
【知事】
これから宮内庁をはじめ、いろいろご相談しないといけないですが、何かあれば、対応したいと思います。行幸啓室については、先行県などのいろいろな例を見ますと、こういう体制でできるのではないかと思います。
【記者】
行幸啓本部の約400人という規模も他の県と同じでしょうか。
【知事】
これも大体同じです。
【記者】
地域鉄道課ですが、先進県を見ると、JRから出向者を派遣してもらうというのがありますが、この14人体制の中にそういった方は含まれていないと考えればいいのでしょうか。
【知事】
14名は県庁職員です。JRとは、これから協議をしていきます。
【記者】
JRからの出向者を配置する考えはあるということでしょうか。
【知事】
当然必要だと思います。
【記者】
先ほど知事は、福井鉄道やえちぜん鉄道のことで、連携の話をされましたが、福井鉄道、えちぜん鉄道の一体的な経営という意味でも、地域鉄道課でいろいろ検討していくという意味で受けとめればいいでしょうか。
【知事】
同一会社になるかどうかは分かりませんが、どの方法が最も効率的で、地域の足を守れるかということが大きな課題であると思います。少子高齢化の中で課題が多く、かなり難問だと思いますが、余裕を持っていろいろな検討をしたいということであります。
【記者】
国体・障スポの開催準備ですが、国体推進局の76人という人数は、29年度と変わらないということですか。
【知事】
体制は変わりません。
【記者】
運営体制など、今年の秋の開催を迎える中で新たな人員を強化するということはないのでしょうか。
【知事】
29年度で体制を整えておりますので、今のところはないです。
【記者】
観光営業部のあり方ですが、昨年の9月議会の質問で、観光部門は産業労働部の一部でもいいのではないかという議会からの提案もありましたが、その指摘がこの組織改正に反映されていることはあるのでしょうか。また、10年目を迎える観光営業部を、どう総括するのか、どういう組織のあり方が正しいのかということを模索する時期であると思いますが、今回の人事で、どういうお考えで組織を考えていったかという過程も教えてください。
【知事】
観光営業部についてはちょうど10年ですが、いろんな課題もありますし、また本年中にやりとげる事業もありますので、そういうものを見て考えております。観光営業というとかなり幅が広いのですが、ブランド対策やいろんなPRや宣伝、誘客というプロジェクト分野の根っこには全部の産業や教育、文化というものがありますので、そういうものをより考えて、対応する幹部職員が必要だろうということで営業推進の企画幹を配置しております。
【記者】
そうなると、次の10年に向けて課題を整理して、次へのステップを考える1年にもなるということになりますね。
【知事】
そういうことです。
【記者】
農業試験場ですが、ポストコシヒカリ開発部というのは、福井米研究部と名前を変えるのでしょうか。
【総務部長】
ポストコシヒカリという言葉も一段落つきましたので、福井米研究部というふうに名称を変えるということです。
【記者】
4月に種子法が廃止されます。農業試験場のあり方を見直さなければいけない時期だと考えますが、農業試験場のこれからの役割についてどう思われるか、人事に反映していることがあれば教えていただきたいと思います。
【知事】
農業試験場の役割など何をどうしたらいいかというのは今後課題が出てくると思います。
【記者】
今から考えるということでしょうか。
【知事】
はい。
【記者】
政策幹の人事ですが、定年を迎えられた方を、再任用して引き続き職務に当たるという形なのでしょうか。どういうお考えで、どういったことを期待されているのか教えてください。
【知事】
さきほど申し上げましたように、農業政策全般について彼は長いことやっておりますので、「いちほまれ」の本格的販売等、対外的ないろんな働きかけを行う上で、そういった対応のできる政策幹が大事であると思っております。また、今回の大雪の対策も政策幹に任せていましたので、調査、報告書なども作っていただく必要があります。全般的に、国などでも公務員の定年引き上げの検討なども考えている中で、経験のある職員を1年なら1年、あるいは2年なら2年というようなことで、実績を生かして仕事を継続してくれるほうが結果が出ると思っているところであります。
【記者】
政策幹は、嘱託という形になるのでしょうか。
【知事】
再任用ですから、嘱託ではないです。
【総務部長】
地方公務員法による再任用職員です。
【記者】
新しい農林水産部長ですが、技術の出身だと思います。今の農林水産部長も技術の出身で、それ以前は、しばらく技術の人が部長になっていませんでしたが、2代続けて技術の方を部長にするというのは何かお考えがあってでしょうか。
【知事】
農林水産部長に適材な方が、技術であったということです。
【記者】
先ほど知事も、公務員の定年延長を政府も検討していると言われていました。おそらく国は65歳まで定年を延長することを検討していますが、国を踏襲している地方も定年が65歳に上がると思います。そうなった場合に、県は現状と同じように60歳ぐらいの方を部長にしていくのか、それとも65歳ぐらいの方を部長にしていくのでしょうか。
【知事】
病院の技術の方や、さっきお話した農業の技術関係の方は、技術を継続して発揮してもらいたいということで定年の延長はあるかもしれません。しかし、事務は一般的な職種ですからあまり延長はないと思いますが、政策幹については、今のタイミングでそういう状況にしたいということであります。定年は必ずしも延長しないといけないということではありません。
【記者】
昨年、政策幹が設置されたとき、高速交通体系のアクションプランを策定したので、それに向けていろいろ市町とも調整があるからということだったんですが、大雪についても、福井市や坂井市、あわら市の除雪状況の総括等を含めて、役割をこれからも広げていくお考えでしょうか。
【知事】
これからの地域振興などもやってもらっていますから、その背景の中で、農業政策や、雪害等の対策についてもいろんなことをやってほしいと思っています。
【記者】
平成30年度の政策幹についても、部の筆頭が総務部長で、政策幹は、総務部長と横並びでということでしょうか。
【山田副知事】
横並びという考えではなく部を抱える総務部長と、全体を見る政策幹ということです。
【記者】
防災対策の強化のところで、土木部技幹が安全環境部技幹(防災)を兼務するという話の中で、平成30年大雪を教訓としてと書いてありますが、主にどういうところが土木部の課題だったのでこういう体制をとったということでしょうか。
【知事】
これは、NEXCO中日本株式会社、国土交通省などと、大雪に対して道路をどう管理して守るのかというかなり戦略的なことを協議していく必要があります。やはり我々も戦略を持った対応をしておかないと、相手に対し主張ができなくなると思い配置しております。
【記者】
高速道路をいつ止めるかという問題もあったと思うんですが。
【知事】
高速道路を止めるためにやるわけではなく、全体を見て、対策を行っていくことが大事と思っています。
【記者】
3月27日に知事のパーティーが予定されています。前回の場合ですと、出馬表明をされた後、年明けにパーティーをされていましたが、今回の場合、来年の選挙に向けての立候補の決意を固められたということでしょうか。
【知事】
いや、それは直接、関係ないです。パーティーは支援団体がやられるものですから、選挙が終わってやっていただくこともあるし、そうでないときもあります。支援者のお考えということです。特別な意味はないと思います。
【記者】
今の話の続きになりますが、パーティーをやるということは資金を集めるということですけども、後援会なり支援者から集めたお金を何に使うのか、そういうお話というのは何か聞いていたりするのでしょうか。
【知事】
特に聞いていません。
【記者】
この前、石川県の谷本知事が当選され7期目となりましたが、当選したことに対する所感をお願いします。
【知事】
谷本知事はよくやっておられると思っております。
【記者】
どういうところでこれから連携を強めていきたいというのはありますか。
【知事】
まずは新幹線、それから道路です。定期的に年1回は少なくとも会談をしていますけれども、国道8号線については、4車線化の約束はいただいていますから、それを進めていきます。あとは、観光などの連携がまだまだこれからの課題だと思います。北陸は、共通性がありますし、大都市と地方とか地方創生といったことも全国知事会をはじめいろんな場で意識が共通ですから、谷本知事が再び石川県の政治を預かるということですので、経験も豊富ですし、頑張ってほしいし、一緒になって頑張りたいと思います。
【記者】
京都府の知事選に山田知事が出られないということで、知事会の会長の選挙、会長が次、誰になるかというのは注目されていると思います。西川知事が全国知事会の会長に名乗りを上げるおつもりはあるのかをお聞かせてください。
【知事】
ないです。
【記者】
わかりました。そうなると、どなたかを推薦されるか、どなたかに思いを託すということになるのでしょうか。
【知事】
これからいろんな動きがあると思います。
【記者】
どういう人が理想でどういう人に会長になってもらいたいですか。
【知事】
地方のことをよく知っていて、地方の問題に積極的に取り組んでいただく人がいいと思います。
【記者】
国土交通省で、福井県の大雪の道路除雪費の支援額が10億円と出ていますが、額としては要請した分はつけてもらえたと考えておられるのでしょうか。
【総務部長】
福井県の今回の除排雪経費が2月補正追加後で41億円という規模で、国庫については既に当初内示で5億円ついておりましたので、今回の10億円で15億になります。それから、特別交付税でも、措置されておりますので、今回の豪雪に関して、国土交通省あるいは総務省に対して財政支援を求めてきた結果、ある程度、配慮がなされたというふうに考えております。
【記者】
今日の午前中に、福井経済同友会が北陸新幹線の南越駅について、統合型のリゾート施設というのを誘致してはどうか、または県立大の新しい学部を作って、それを誘致したらどうかというような提言をされました。県議会でも、いろいろ提言があったと思いますが、知事ご自身のお考えとして、新幹線の新設駅近くに誘客施設を作るということに関してどう思われるかということをお聞かせ願います。
【山田副知事】
本日の福井経済同友会の提言については、中身を見てないので、見た上でお答えしたいと思います。
【記者】
選挙に関連して一部に多選批判というものがありますが、知事のお考えをお聞かせ願います。
【知事】
それはあらゆる選挙の一つ一つの事柄ですので、個別に判断していただくということかと思います。
【記者】
昔は、知事の当選回数に限度を求めるような議論も何回もありました。今年は石川県の谷本知事が、多選批判がありながらも当選されていますが、改めてこのタイミングで、知事の当選回数に制限をつけるような議論というのは必要だとお考えでしょうか。
【知事】
特定の選挙にそのようなものが要るようには思いません。
【記者】
特に1人の方が長く続けることについて、行政が硬直するなどの弊害はないとお考えでしょうか。
【知事】
それはやりようでしょう。
【記者】
つまり知事は、そういうふうにならないように何か工夫されていることがあるのでしょうか。
【知事】
日々、工夫をして、日々、注意しています。
【記者】
さきほどの質問で、谷本知事と一緒に仕事をしたいと言われました。谷本知事は、また4年間知事をやるということですが、西川知事も同じでしょうか。
【知事】
そんな話は分からない。
【記者】
森友学園関係で、財務省が決裁文書を書きかえたと、報道各社は改ざんしたと表現していますが、そのことについて同じ行政の立場にいる知事として、ご見解があったらお願いします。
【知事】
決裁され、決まったものをまた直すということは、普通ないと思います。直したいのなら、また直す手続をしたらいいと思います。
【記者】
国の中でも予算をつかさどる、かつては省庁の中の省庁みたいなことを言われていた財務省がこういうことをやったことについては何かありますか。
【知事】
あまり臆測や何かで物を申しあげられませんが、一般論として、今、申し上げました。
【記者】
「もんじゅ」の廃止措置計画ですが、早ければ28日にも認可されると言われています。7月から具体的に燃料の取り出しに入りますが、今までの議論の中で、「もんじゅ」の廃止措置の体制も含めて、7月の取り出しまでに、クリアすべきものがあると考えるところがありましたらお聞かせください。
【知事】
「もんじゅ」については、廃止措置推進チームというのが昨年の5月にできています。ここがまず、今回、廃止の動きがあったらどのように考えて動くかということです。本年中に再処理の方法や、ナトリウムをどうするのかということがありますから、その動きをしっかりやっていただくように期待するし、当然やるべきだと思います。それから、現地の対策チームもしっかり機能しないといけませんから、単に廃炉計画を認可したんだとか、そんな話ではなく、これからが始まりだというような認識でやってほしいし、研究炉とかいろんな議論がありますから、それもどんどん動いていただかないといけないと思います。
【記者】
今は、つくったチームがそれぞれちゃんとやるべきことをやるということでしょうか。
【知事】
はい。
【記者】
「もんじゅ」の廃炉によって、それで本当に核燃料サイクルができるのかということを、これまでに知事はご発言されてきましたが、一方で、原子力小委員会とか基本政策分科会は福井県も参加されています。そこでの議論が、核燃料サイクルを本当にやれるのかどうかも含めて、見直すかどうかという部分もあまり議論がされていないように見受けられますが、その辺、どういうふうに考えていますか。
【知事】
原子力小委員会、基本政策分科会の両方とも私は委員になっています。これから年度末にもそういう会合がありますし、5月、6月ごろに向けても何度かそういう議論を積み重ねると思いますので、そういう場で、日ごろ言っていることをできるだけ計画に具体化するように努めたいと思っています。
【記者】
大飯原発で、先日、3号機が再稼働しました。原子力防災で、結局、避難訓練は再稼働までには行われなかったわけですが、なぜそういう検証がなくても動かしていいという考え方になるのかということを改めて教えていただきたいと思います。
【知事】
避難訓練というのは、これをないがしろにしていいということではありません。性質からいって、多方面、多岐にわたりますので、一つ一つを積み重ねながらやる必要があります。高浜が今動いていますが、既に一般的な訓練もやり、広域訓練もやっています。それから、大飯については既に一般的な訓練はやっていますが、さらに今、広域の訓練を政府と議論してどうするかということですから、そういうものをしっかり積み上げながら、安全や制圧関係はしっかり押さえるということであります。もちろん3番目にある訓練、これはないがしろにしないで、最先端のものをできるだけやらないといけないと思います。訓練もいろんなタイプがありますし、情報や意思決定というのは極めて大事ですので、住民の皆さんがどう動くという話と並行して、かなり高度化しないといけないと思います。
【記者】
訓練は、制圧の段階までは必要だろうということでしょうか。
【知事】
訓練は多方面にわたっていろんな分野があるので、それを絶えず積み重ねながら全体として防護層を手厚くやるということだと思います。
【記者】
先日、ちょうど再稼働した日の規制委員長の記者会見で、更田委員長がオフサイトセンターに関して、現在のあり方でいいのか、というご発言がありました。例えば自然災害と同時発生が考えられた場合に、オフサイトセンターだけが離れたところにあるのではなく、県庁と一体になったような形のほうがいいのではないかなど、いろんな考え方があるというお話をされていました。この前の豪雪でも、関係機関が呼ばれて、一緒に対策本部で会議をされていましたが、オフサイトセンターのあり方について、知事としてお考えがあればお聞かせいただけますか。
【知事】
規制委員長がいろいろ言われますが、どの方法が良いのかをいろいろ研究して、我々に提示願う必要もありますし、我々も思っていることをいろいろ申し上げないといけないと思います。絶えずいろいろ決めておきながら、現実にはそのとおりにできなかったり、事象によっては、そうでないほうがいいこともあります。大雪でもそうだと思いますし、レギュラーなこともイレギュラーなこともしないといけないというのが実態です。できるだけ今の段階でわかるようなことは規制委員会として我々にいろいろ提示して、こういうことを県でやってほしい、こういう財源は用意すると、そういう話かと思います。
【記者】
現段階でどういう形が、望ましいと思っておられるのでしょうか。
【知事】
この話はあまり予断を持っては言えないですね。
―― 了 ――
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