知事記者会見の概要(平成18年4月26日(水))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002735

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平成18年4月26日(水)
10:30~11:20
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【知事】  おはようございます。

 それでは、きょうは4月の会見ということで、申し上げるお話としては7項目、いろんなタイプのものがありますので、お聞きを願いたいと思います。1つは、平成18年度の政策合意でありますけれども、これは新年度に入りまして今月前半いろんな協議を進めてきて、まとまりました。そういうことなどを中心に、原子力の問題、あるいは地方財政の問題など、その他個別の項目についてお話ししたいと思います。

 桜もほぼ散りまして、若葉の季節になってまいりましたけれども、今回、石垣のライトアップは3月24日から始めましてほぼ桜の開花時期に合わせまして実行いたしました。福井城址周辺の見学をした人や、そこを通りかかった方にいろいろアンケートをいたしましたが、大体ライトの色や明るさについてはこういうぐあいでいいかなという話もございましたが、なお、いろんな改善をいたしたいと思います。

 これから、四季折々、景観も変わりますので、県民の方にも楽しんでいただけるかと思いますし、福井駅の整備も進んでまいりますので、毎朝あるいは毎夕、ちょっと見てもらう、いろんなことも考えたいと思います。

 今週末、来週ぐらいからゴールデンウイークが始まるわけですが、今日、県庁前にこいのぼりが揚がります。少子化と言われますが、子供たちに元気になってもらってたくさん子供の世界をつくらないといけませんので、こいのぼりを揚げようということです。児童科学館とか、あるいはサンドームとか、いろいろな揚げられるところがあると思いますので、できるだけそんなふうにしてみんなで少子化問題にも取り組もうというふうに思っております。

 さて、18年度の政策合意でありますが、4月19日から21日にかけ、部局長との協議を行い、このほど合意を結びましたので、本日お手元の資料のとおり公表したいと思います。

 政策合意はマニフェスト「福井元気宣言」の着実な実現を図るための年次計画に相当するもので、私と各部局長が合意するものであります。本年度は最終年度ということで、何よりもまずしっかり固めていくということですので、画竜点睛といいますか、そういうことでやりたいと思います。

 また一方で、取組み項目につきましては、既に目標を達成したものや、達成の確実なものがございますので、こうしたマニフェスト「福井元気宣言」で掲げたいろんな目標を超えまして、高い目標を掲げたり、あるいは量から質への向上を目指す指標ということで、創意工夫、独自性発揮をするように努めたものであります。

 例えば、「認定農業者を1.5倍」というのは既に達成いたしておりますので、18年度は、今750経営体になっておりますが800経営体ということで、もう超えてはおりますけれども、さらに高い目標を設定するというのが、より高いというごく一例であります。そのほかにも幾つかあると思います。

 それから、もうほとんど達成するものとしては、「1万5,000人の雇用創出」などもございますが、これはこの数字だけではいけないということで、これから非正規社員の増加などの実態などいろんな雇用の質の問題を調査して、さらに取り組むということもこの政策合意に書いてあります。「企業誘致」などについても、予定していた会社数の誘致を行ったところですけれども、さらに、誘致した企業のフォローアップとか、関連企業の誘致といった中身、質をよくしていく、そういうのが一例でありまして、量から質、より高い目標ということを考えたいと思います。

 それから、昨年の中間評価でも指摘がございました事業の実施結果、ある事業を進めたといういわゆるアウトプット指標にとどまらず、県民が得られる最終的な利益、これは、評価は難しいんですが、より最終利益に近い指標、アウトカム指標といいますけれども、そういうものに可能な限り目標を近づける努力をしておるようにいたしました。

 例えば、園芸産出額ですね。スイセンやらっきょう、スイカはどうだという指標を例にとりますと、こういう事業をする、努力しますというのがアウトプット指標ですが、例えば、園芸産出額を何の品目で2億円伸ばすということ、これは売り上げにつながりますのでアウトカム指標になります。できるだけそういう指標を入れていくようにしています。

 そういうことでありますが、何といっても大切なことは、数値だけにとらわれず、本来の趣旨に立ち返り、県民の視点に立って、その政策の本来の目標なり、あるいは時代の変化に応じて実行されているかということを念頭に、合意を結びました。結んだ後も、毎日毎日物事が進展するわけですので、さらに臨機応変にやってほしいということで、目指すべき目的を、各部の冒頭に書いております。次に、個々の目標が書いてある。そういう理想的な状態に、中身が仕上がっているかどうかということはあるんですが、思いはそんなことです。

 ある山に登る、頂上を目指すというのは一応目的かもしれませんが、途中で何を、何時間後には3合目まで行くとか、ここではこういうことを見るんだとか、そういう途中のものを、それはうまくいくかどうかはいろいろあると思います。それで、最終的に目標、目的を達成ということになると思います。

 例えば、目指すべき目的の例として、ともかく各部局長が県庁から外に出て、的確な把握、意見、問題意識、質の高い政策立案につなげようということです。県庁の中で、組織的に入ってくる情報を眺めて、いい、悪いとか、高い、低いとか、そんなことばっかりやっておっては政策の質が上がらないだろうと。これは、私自身も含めてでありますけれども、そういう努力をしてまいりたいと思います。

 それから、その他の課題としては、大体、市町村合併が終わりまして選挙もほぼ終了し、三位一体の改革も進んでいるところですので、市町村と県とのいろいろな連携なり役割分担を再検討し、これに基づいた自治体の事業の遂行が重要です。このため、主要なプロジェクトにおいて、市や町との効果的な連携協力を目指す内容をできるだけ盛り込むようにいたしておるものであります。

 特に、「市町との連携強化」では、政策的な懇談会を市町村とやらなければならないとか、主な事業を県と市で連携してやらなければならないとか、そんなことが書いてあります。

 また、福井県の自治体の政府として、国に対して対等な立場でいろいろ働きかけていることはこれまで続けておりますが、一層そういう努力をしてまいりたいと思っております。

 なお、昨年に引き続き、予算を伴わない創意工夫を凝らした取組みについても積極的に進めるようなことがいろいろ書いてあります。

 この結果、18年度の政策合意はこれまで以上に具体的な項目がより多く掲げられたことになりまして、17年度は348項目でありましたが、約1割増えまして383項目になっております。

 なお、具体的な進行管理に当たりましては、各部の次長クラス、企画幹が中心となって実務的なフォローをするように、責任者として改めて指示をいたしておるところであります。また、関係部局が複数にまたがるプロジェクトがございますが、その企画幹が中心に政策的な議論や部長との連携を行う。また県議会での審議においても積極的にみずから役割を果たす、そういうことをするようにしています。進捗状況については、中間報告ももちろんしてもらうことになっておりますが、その都度進めてまいりたいと思っておりまして、県民の負託にしっかりこたえるこの1年にしなければならないと思います。

 以上が政策合意であります。

 次に、2つ目でありますが、美浜発電所3号機事故の問題であります。

 県におきましては、原子力発電所の関西電力再発防止に対しての取組みがどのような成果を上げているかについては、国また関西電力とそれぞれ対応を進めているところですが、現場での実態を把握・確認するため、安全協定に基づく立入調査を実施しておるところですけれども、あす27日に、美浜町にある原子力事業本部に立入りを予定しておりまして、状況を調査したいと思っております。管理部門として、各発電所への支援・バックアップの状況、安全面への資金投資の状況、経営層がそれぞれどんなふうにかかわっているか、などいろんなチェック項目があるわけですが、そういうことを進めてまいりたいと思います。

 次に、3つ目でありますが、地方財政の議論であります。

 地方交付税というのが議論になっております。これまで数年間、「三位一体の改革」は主に、補助金をいかに削減して、また事務も地方に移譲しながら地方税源を充実する、財源を充実するという方向でしたが、さらに事柄は発展いたしまして、先週、財政制度等審議会、財制審の会長、西室さんと谷垣財務大臣が、地方交付税の法定率の引下げについて言及されています。地方交付税というのは、地方の固有の税源ではありますけれども、それぞれの地方団体でとりますと、東京とどこかの県では税収入はおのずと差ができます。そこで、国が、便宜、法律上の委任を受けて徴収し、これを一定の計算によって地方に戻すわけですけれども、その際に法人税とか、所得税とか消費税、たばこ税、それぞれの何%の率を地方の税源とするか、それが法定率で決まっております。

 戦後、シャウプ税制以後、税率が少しずつ、財政の状況によって変わっておりますけれども、その法定率、これを下げようという議論だと普通は思いますが、法定率に踏み込んだ議論をせざるを得ないということですね。法定率が聖域、サンクチュアリという考え方はとるべきでない、そういう議論が今、出始めております。

 現在の法定率は、所得税とお酒の税金の32%が地方の税ということになっております。それから、法人税は35.8%、非常に複雑な率ですが。それから、消費税は29.5%、金額が大きいですから、この率が微妙ですね。それから、たばこ税が25%、4分の1であります。

 その法定率でありますけれども、この問題につきましては、今申し上げましたように、地方の固有の税財源ですので、これは補助金ではありません。ただ、制度的に国が取りまして地方に配分するわけですので、国の一般会計予算の交付税の税収というのは、国の税金として1回入りますので、表面上は歳入になりますし、その一定割合を地方に出すときには歳出項目に上がります。そうすると、歳出みたいな、経費的な現象が起きます。ほかの何かいろいろなむだなものがあるとか、それと現象的には1つのグループに入れて議論をしやすいんですが、物の性質は似て非なるもので全然違うんです。そういう議論が行われているということでありまして、我々としてはそういうものを安易に削減するということはできないということで、全国知事会などでも議論をしているところでありまして、国、地方を通じた行政のサービスの水準がどうあるべきか、どう仕事を分担するかというのが議論でありまして、ともかく歳出を削減するんだという議論では意味がないと思っております。

 こういうことはいろんな仕事の面でも、例えば二重行政の見直しとか、作物統計とか職業紹介とか、国と地方で一緒にやったり地方でやったほうがいいものはたくさんあると思いますし、また、国の直轄事業なんかがありますけれども、こういうものもほんとうに地方の負担が要るのかどうかとか、いろんなことがございます。そういうことを踏まえて、これからも国と地方で議論を深め、そしてそういうものが削減されないようにする必要がありますので、そうした考え方は地方団体として容認できるものではないということで、引き続き強く全国知事会の中で取組みを進めてまいりたいと思っています。

 なお、これから5月、6月ごろにかけていろんな議論が強まっていくと思いますので、全国の知事会などの会議もおそらく行われると思っております。

 次に、4点目でありますが、福井県の企業がトヨタグループへの展示商談会を開催しようという話であります。県内企業の新規取引先の開拓あるいは受注機会の増大を図るために、これは大分先になりますけれども、今年の11月15、16日の2日間を予定しております。福井の技術をトヨタ自動車グループへ提案する展示商談会を個別の話としてやりたいと思います。県内では、一昨年、16年に福井県の自動車部品製造協会を設立するなど、自動車関連産業への参入意欲が増大しているわけですが、この機運を盛り上げ、支援するためにも本県の技術・製品をPRすることで、新取引先の開拓、受注機会の増大を図りたいと思っております。

 既にカーシートでありますとか、いろんな部門で、福井県の企業が自動車産業に深くかかわっているわけでありますが、そういうことでやらせていただきたいというふうに思います。

 なお、きょうから1カ月間、5月26日が締め切りでありますが、参加出展者の公募をいたしたいと思っています。

 売り込み先は、トヨタ自動車及びグループ関連企業、約650社を相手にするということで、場所はトヨタ自動車サプライヤーズセンター、これは、愛知県豊田市トヨタ町にあります。トヨタ町1番地というところにあります。

 5点目でありますが、そこに展示しておりますが、藤野厳九郎家文書特別展「藤野先生の手紙」を開催するということです。今年の3月にあわら市から寄託をされました藤野厳九郎先生に関する文書については、ゴールデンウイークの期間中、4月29日から5月7日まで、図書館と併設している県文書館で特別展、藤野厳九郎先生の手紙の公開をいたします。

 特別展では、先生直筆の手紙など8点の原本を展示するほか、寄託を受けた103点すべてについて手にとって閲覧できるよう、複製も展示し、藤野先生、また、藤野先生と魯迅にかかわるパネルなども紹介をしたいと思います。

 また、藤野先生が直接魯迅のノートに添削をされましたが、このノートは、今年の2月に北京魯迅博物館から複製本の寄贈を受けており、これも展示をし、いろんなことを見ていただきたいと思っております。

 藤野先生は、明治7年(1874年)に旧芦原町に生まれ、1945年(昭和20年)に亡くなっておられます。

 次に、6点目でありますが、県立大学の公開講座でありまして、県立大学は、地域社会と連携して開かれた大学を基本理念に掲げてございまして、その一環として公開講座を開講しております。これまで、原則として福井と小浜の両キャンパス内で開講したわけでございますが、今年度は、福井駅前の「響のホール」において、まちなか県立大学講座といいましょうか、地域に出ていって大学講座をやるということであります。

 5月27日土曜日に、4つのテーマで公開講座を開講するということであります。テーマとしては、子供の食育と健康、サバの発酵食品のおいしさと健康機能性、それから、大人が読む童話、小川未明『赤いろうそくと人魚』を読み直すという、こういう童話のお話であります。4つ目は、証券市場は会社をどう変えるのかという、また全然別のテーマでありますが、それぞれ県立大学の看護福祉学、生物資源学、教養センター、経済学の先生方がお話をいたしますので、お聞き願うと同時に、またお広めもいただければ幸いであります。

 あと、最後でありますが、匿名による寄附であります。

 県立高志高校へ匿名の方からご寄附をいただきました。平成18年4月14日に女性の方が来校されまして、中身はおっしゃらずに置いていかれたものでありまして、200万円、今年入学された車いすの生徒さんがおられるということで、使っていただきたいということでありました。昇降機とかスロープとかトイレ改修、バリアフリーですね、こういうものに使わせていただくということにいたしておりまして、深く感謝を申し上げたいと思います。

 発表事項は以上でございます。

 なお、このゴールデンウイーク中、4月29日の土曜日に恐竜博物館で結婚式を挙げられる方がいらっしゃいます。ボランティアとして恐竜エキスポで活躍されたカップルだそうでありまして、結婚式ですね。ということで、これからまた幸せになっていただきたいと思いますし、いいご家庭をつくっていただきたいと思います。

 いろんなお話を入りまぜて申し上げて恐縮でございましたが、私からの発表は以上でございます。

【司会】  それでは、質疑に移りたいと思います。

【記者】  先ほど、地方交付税の話をされていたんですけれども、これに関しては、いわゆる全国知事会と統一行動という形で何らかの国に対しての働きかけを行っていくのか、実際、地方交付税をどうしたらいいのかといった提言をしていくのか、その辺どうですか。

【知事】  これはおっしゃるように、全国知事会など6団体で共同の行動をとる必要があると思います。それから、知事会など6団体が新地方分権構想検討委員会で検討を進めており、地方共有税などの構想もその中に入っておりまして、交付税を減らすのに反対するのであれば地方としてどういう対案があるとか、いろんなことがあると思いますが、これは、共同の税をつくってうまく技術的に配分すれば、そういう交付税制度でなくても地方の財源確保ができる。私は前から、あの税金は住民税を地方教育税という形で配分したらいいと主張してましたが、この議論と共通する部分がかなりあります。そういう提案も出ておりますので、地方交付税を地方共有税に変更して、さっき言った、国の一般会計を通さずに。一般会計を通しますと国民に何か経費みたいな誤解を与えたり、国が恩恵的に地方のために配ってあげているという誤解を生みますね。そういうことをやめるために、特別会計に直接繰り入れて、そういう問題も解消できるんじゃないかと。こういう方向をベースにこれから議論するということになると思います。

 いずれにしても、国の財政再建のために地方交付税を削減するということがあってはならないわけでありますので、全国知事会などと力を合わせて努力したいと思います。

 総務部長から、補足説明はありますか。

【総務部長】  プライマリーバランスのことを、国の財政再建のことで言われるんですが、2002年から2006年の4年間で、プライマリーバランスが13兆円改善したと宣伝をされているんですけども。

【知事】  プライマリーバランスとは何か説明しないと。

【総務部長】  プライマリーバランスというのは、定義的に言うと、国も地方もそうですけども、借金以外のお金で、借金返し以外の事業を賄えているかどうかを黒字、赤字で判断するんです。簡単に言うと、今年した借金と今年返した借金、それが黒字になっているか赤字になっているか、こういうことを考えます。これがずっと赤字になっているので、国と地方の借金の残高が増えていると。こういうことを、国が2011年をめどに黒字化しようということをしているわけです。

 この4年間で13兆円改善したんですが、実際何をしたかというと、国が6兆円、地方が7兆円改善させた。国の分は、実際には5兆円、歳入、税が増えたからプライマリーバランスはよくなったが、歳出は1兆円しか削減していない。それに対して、地方は、2兆円の歳入増と歳出の5兆円カット。トータル13兆円、プライマリーバランスが改善したわけです。

 それに対して、国は、交付税を4兆円削って、それで国は5兆円の歳出削減をした説明している。こういうことでプライマリーバランスを改善して、トータルでは国が10兆円、地方が3兆円のプライマリーバランスを改善して、トータル13兆円、こう言っているわけです。

 国と地方を合わせたとき、国民の目線で見たときに、交付税を減らしたというのは、単なる国と地方の、政府の間のお金のやりとりであって、一番プライマリーバランスをよくするのに重要なのは、最終支出である歳出の削減をどうするかと、こういう議論になるので、国が言っているように交付税を増やすとか減らすというのは、国民的に見ると意味がない。やはり実際にどう歳出を削減するかということをよく議論して、国のほうは、もっと歳出削減を、1兆円しかこの4年間でやっていないわけですので、そういうことをもっと努力していただく必要があるということです。

【知事】  そういう実態というか実質であって、さっき言った交付税を減らすと、国の歳出は減りますが、地方の交付税も減ってしまう。途中の経過だけのお話になりまして、意味のないことであるということです。

【記者】  トヨタグループの展示商談会ですけど、これは県が主催で実施するということですか。

【山本副知事】  県がリーダーシップをとって、県の産業支援センター、それから産業支援センターが皆さんに働きかけて、こういうものをやろうということでやっている。という意味では、リーダーシップは県がとっていると言えるかな。

【知事】  主催者は県でいいんじゃないですか。県が主催し、産業支援センターと協力してやるということでしょう。

【山本副知事】  もちろん、自動車部品製造協会があるものですから、そこにも協力を得なきゃいけませんので、県の自動車部品製造協会というものに協力をお願いして、皆さんから、各会社に出ていただくということになるわけですね。

【記者】  県が主催でこういうことをやるというのは珍しいんですか。特にトヨタを中心という話ですが。

【山本副知事】  そうですね、珍しいと言えば珍しいんですけど、今までもやっぱり県がそういうことに、トヨタ自動車に売り込んで、県の産業を育成するということはやっておりまして、現在、今まででも8県ぐらいもう既にやっておりますので。

【記者】  去年はどういう県で?

【山本副知事】  去年は岡山がやりましたね。岡山と、それから、その前は富山がやっていますね。私どもも自動車部品製造協会ができたものですから、この際、そういう活動をしていこうということでございます。

【記者】  他県もやられているというお話が先ほどあったんですが、なぜトヨタグループなんですか。山本副知事のご経歴の関係もあるんですか。

【山本副知事】  ほかにも行けばいいんですけど、ここでも一番近いのはやっぱりトヨタグループですよ。大きいですしね。

 それから、やはり、新しい技術というのもいろいろあるんですけども、加工技術にしても、素材にしても、売り込む先として文句のない先じゃないかなと思っております。

【記者】  まずはトヨタということでしょうね。大きいですしね。

【山本副知事】  顔もありますので、その辺はお互いに生かしていったほうがいいんじゃないかなと思っております。

【記者】  展示商談会のイメージがわかりにくいんですけど、これは県内企業がいわゆる技術を紹介するような商談会?

【山本副知事】  そうですね。先ほど知事が申しましたけども、サプライヤーズセンターといって、トヨタは県だけじゃなくていろんなサプライヤーがありますね。どこでもいいんですけども、例えば住友化学といったら、サプライヤーは化学系のものばっかり集めてやるというケースがあるんですよね。そうしたときに立派な会場を持っていまして、そこにいろんな商品を展示されると。そこにトヨタのエンジニア、それからトヨタ関連のデンソーのエンジニアとか、ここに650社なんて書いていますけど、全部が全部行くかわかりませんけども、関係あるエンジニアが行きまして、それを見まして、将来の自動車部品、自動車加工技術なりに転用していくんですね。そういう催しが今までずっとありました。ですから、簡単に言いますと、私ども、50社選ぼうと思っているんですけども、50社の方が展示して、そこにトヨタグループのエンジニアが見に来るということを想定していただきたい。

【記者】  ほかの県で同じように実施されたということですけれども、実際のその取引の実績というのはあったんでしょうか、去年とか。

【山本副知事】  自動車部品というのは持っていって、じゃ、買いましょうというものじゃないんですよね。大体、開発にとる時間、4年ぐらいかけますから、今のところ、じゃ、どれがどういうふうに来たかということは、ちょっと統計的に出てきておりませんけども、そういう意味で種をまくということだと思います。今、納めているものを持っていっても、彼らは別に興味を持たないんです。将来の開発技術。ですから、福井県の場合は新しい素材がありまして、特にチタンとかマグネシウムとか、それから新しい技術、今いろんな技術が開発されているんですけども、それをいかに自動車部品に応用するかということを考えております。

【記者】  50社というのはどういう視点から選ばれるんでしょうか。

【山本副知事】  視点というのは、やはり今、自動車部品製造協会に38社入っておりまして、その人たち皆さん、出したいだろうと思っておりますし、それから工業技術センターとか大学、それぞれ自動車部品に関する技術を今蓄積して開発しておりますので、そういうものを含めてここには50社というふうに書いたんですけども。まあ、50社といってもいろいろ部門があるものですから。

【知事】  基本的には、我々も一緒に売りに行くと。

【山本副知事】知事も乗り気でございますので。

【知事】  そういうことになると思います。さっき、内から外と言いましたが、みんなで外に行かないかん。

【記者】  つじつまが合いますね。

【山本副知事】  そうでしょう。

【記者】  これ、売り込むということも当然ありますけど、トヨタ側としても、当然、新しい技術というのは求め続けているわけですよね。

【山本副知事】  そうなんですよ。それは事実ですね。

【記者】  その辺で、トヨタに行くのが一番いいというとらえ方になっているんですか。

【山本副知事】  そうです。それが目的ですよね。私も、多少、自動車部品をかじっておったものですから、福井県が持っている技術というのは、割方魅力ある技術が出てきておりますので。新聞にもいろいろ出ておりまして、既にご存じだと思いますけども、ナノメッキとか、それから、炭素繊維を開繊する技術がありますよね。ああいうものは、将来、燃料電池、電気自動車等に使えそうですし、それから、電子線で放射していろんな繊維の性質を変えるものとか、超臨界で。ケプラーというのをご存じ? ものすごい強い繊維に銅の性質を付与しましてね、超臨界状態にして。それで、ワイヤーハーネスをつくるとか、プラズマ加工して新しい型をつくるとかね。もっと言いましょうか、レーザー加工してそういう型を早くつくるとか、微細なものをつくるとか、いろいろ福井県の持っている技術がありますので、そういう技術を売り込もうと思っております。

 先ほどちょっと言いましたけども、関連しまして、大体38社が今、部品製造協会のメンバーなんですが、一昨年、皆さんに報告しましたけど、この人たちの部品の売り上げというのは大体1,800億だったんですけども、去年、大体平均的に14%ぐらい増えてないかなと。まだ最終的なまとめをしておりませんけども、今までの段階では14%ぐらい増えていますので、自動車部品関係で多分2,000億は突破しただろうというふうに思っております。

【記者】  美浜3号機の立ち入りの件なんですが、これは直接本部長からの、いわゆる聞き取りみたいなことをやるんですか。どういう形で考えていますか。

【知事】  それは含まれますね。

【記者】  この前、関西電力の美浜3号機に関する検証委員会が開かれて、おおむね改善対策が適正に行われているというふうに総括するような結論が出たわけですが、検証委員会の結果は、知事は報告を受けられていらっしゃいますでしょうか。

【知事】  検証委員会のいろんな状況については聞いておりますけれども、この評価の結果については、さらに報告を受けて、また、今回、立入調査の状況もどういう結果になるか、そういうものを含めて、さらには、原子力安全専門委員会の審議ももちろんございますので、そういういろんなことをしながら判断をするということになると思いますね。

【記者】  敦賀のごみ処分場問題なんですが、先週、措置命令違反容疑で県警が現場検証をしたという1つの局面を迎えました。結局、これから最大30年で141億円という永久的な対策をするお金を、いわば行政の不作為と業者のやり逃げという感じで、それを多額の税金で対応しないといけないというか、業者からお金をとることがなかなか難しい現状のようなんですが、知事としては、そのことに対してどういう見解を持っていらっしゃいますか。

【知事】  これから具体的な国の、環境省の特措法の認定といいますか、そして事業を進める補助金、現にそういう問題があるわけですので、やるということで、その間、委員会を2つつくりまして、どういう方法で、最も効果的で、実証も結果を見なければなりませんが、やれるかということと、あと、それまでに至るいろんな手続なり、いろんな検証を終わったわけです。一方で、既にそれぞれの段階で、違法状態に対する告発であるとか、措置命令違反に対する対応などを進めておりますが、今回、基本的に抜本的な対応をするわけでありますので、さらにそれに対して、基本的な措置命令違反に対する対応というのもこれまた必要です、事業を始める前に。そういうことをしたいというふうに思います。そして、我々が予定している、環境省の補助を受けた事業を進めるということになると思います。

【記者】  今回、永久的な対策、行政代執行を行う前に、措置命令をかけるということでしょうけど、その措置命令に対して業者が執行しなければ、行政代執行という段階に行くと思うんですが、そのときに業者がしなければ、県としては刑事告発を視野に入れているのかということですか。

【知事】  それは当然、事柄について、その対応が要りますので、そういうことも考えなければならないと思います。

【記者】  あと1点ですが、行政代執行というのは、原則的にはそのお金を一旦税金で投入するんだけれども、最終的には業者から徴収するという精神だと思うんですが、今のキンキクリーンという会社からは徴収はなかなか難しい。特に141億円なんていうお金は現実に不可能なんですが、その辺はやはり仕方ないという感じなんですか。

【知事】  措置命令違反というのは、その事柄に応じてしばらく時間がかかりますので、措置命令を実行できるかどうかということですね。法的にはですよ。それを受けて、告発とかそういう議論は起こらないと思いますけれども、そういう手続ももちろん必要でしょうし、事業は事業として進めざるを得ないだろうと思います。そういう方針で臨んできましたし、国もそのような考えであるということですね。特措法というのは、そういうための法律であると。そういう案件というか事件の、国としての対応、措置なんですね。全国にいろんなものがあります。福井県はいろんなことを環境省とやってきましたので、その対応の対象になると。他の県ではなかなかそこまで行っていなかったので、その対象にもならないという、そういう状況に今あるということですね。

―― 了 ――

 

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