知事記者会見の概要(平成30年4月26日(木))

最終更新日 2018年4月27日ページID 038745

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平成30年4月26日(木曜日)
10:30~12:00
県庁 特別会議室

H30.4.26知事写真
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【知事】  

今日は、発表事項として、「安全・安心ふくい」確実プランについて、政策合意について、国体・障スポの開催準備状況について、平成30年の豪雪被害に対する追加支援の4点について申し上げます。

 

 まず、「安全・安心ふくい」確実プランについてであります。

〔資料:「安全・安心ふくい」確実プラン~平成29年度の取組結果と平成30年度の重点推進事項~

 昨年4月につくりました「安全・安心ふくい」確実プランの平成29年度の推進結果と30年度の重点推進事項について、滝澤警察本部長とともに発表いたします。

 この確実プランにつきましては、平成15年に全国初めての試みとして県の公安委員会、県警察、県が合同でつくり、県民の安全・安心のため計画の実行に努めているところであります。

 その結果、29年の刑法犯認知件数は3,231件でありまして、15年連続で減少しております。また、重要犯罪の検挙率は一昨年に引き続き100%ということで、治安向上が見られるところであります。一方、子どもに対する声かけ、ストーカー・DV等、子どもや女性が被害者となる犯罪が高い水準で発生をしております。また、高齢者等を狙った特殊詐欺は76件ということであり、前年に比べると23件の増加となっております。一方、交通事故については死者が46人であり、前年に比べて5人減少しておりますけれども、さらなる減少に取り組んでいく必要があります。特に今年は9月末から国体・障スポがありますので、より一層、犯罪・交通事故防止、テロ未然防止など、大会の安全を確保するという上でもこれまで以上の治安向上を進めていく必要がございます。

 これらの課題を踏まえまして、実施期間の後半に当たる30年度は次の事項について重点的に進めてまいりたいと考えます。

 まず、私から3点申し上げます。

 1点目は、「子ども、女性、高齢者を犯罪から守る」という大きなテーマであります。

 子どもへの声かけ事案、スマホを使った迷惑行為などが多く発生する時間帯に行っております、夕方の見守り運動の重点地域の拡大。また、郵便事業者や宅配関係者に協力をいただき、声かけ事案発生場所を巡回していただくなど、地域における見守り活動を強化してまいりたいと思います。さらに女性犯罪の防止のため、女子大学生に対して防犯ブザーの配付、あるいは護身術の研修などを行うこととしております。次に、高齢者につきましては、特殊詐欺に関する研修をケアマネジャーに加えまして民生委員にも行い、高齢者への注意喚起、早期の相談を促していきます。

 それから2点目は、「犯罪の起きにくい社会」であります。

 特に国体・障スポにおきまして、繁華街の安全・安心の確保、また、地域安全情報の発信、防犯指導等の犯罪抑止対策を進めてまいります。

 3点目は「交通事故の問題」であります。特に高齢者が犠牲となる交通事故が多いわけでありますので、公民館の窓口に反射材などを置きまして、必要な方が手軽にこれを手に入れて着用できるようにしたいと思っておりまして、反射材の効果的な体験会、また直接貼付活動などを行い、反射材着用を推進いたします。

 また、シートベルト着用を徹底するため、特にガソリンスタンド、販売店などにおける啓発を行います。

 それから、交通マナーの関係でありますけれども、県外から多くの皆さんがお見えになりますので、特に交通ルールの遵守、マナーアップに取り組んでまいりたいと考えております。

 これらの課題に応じた対策を、県民、県公安委員会、県警察と県がともに力を合わせまして行うことにより、日本一安全で安心な福井を目指したいと考えておりますので、皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 それでは、続いて、滝澤本部長から申し上げます。

 

【県警本部長】  

警察本部長の滝澤でございます。よろしくお願いいたします。

 「安全・安心ふくい」確実プランの1年目につきましては、県民の皆様の安全・安心の向上に一定の成果を上げることができたものと考えております。県市町をはじめ、県民の皆様、関係団体の皆様のご協力にお礼を申し上げたいと思います。

 このたび、確実プランに基づく今後1年間の重点推進事項と昨年度の取り組み結果を冊子にまとめさせていただきました。詳細につきましては後ほど担当者からご説明する機会を設けておりますので、私からは、今後、特に重点的に進めていく事項について簡潔にポイントを説明させていただきます。

 まず、先ほど知事からも説明がありましたが、県警察の事項につきまして順に申し上げていきたいと思います。

 冒頭に掲げましたとおり、目前に迫りました国体・障スポが大きな課題でございますので、県警察の総合力を発揮して、引き続き犯罪や交通事故の抑止対策、繁華街の安全・安心の確保、テロの未然防止対策など、県内の治安維持と大会の安全確保の両立に万全を期してまいりたいと思っております。

 まず、第1の「子ども、女性、高齢者を犯罪から守る」では、やはり子どもや女性を狙った犯罪を未然に防止することが必要だと思っております。深刻な事態に発展する前の、早い段階における検挙、指導警告を徹底してまいります。さらに特殊詐欺被害の撲滅に向けましては、昨年発足させました特殊詐欺緊急プロジェクトチームが中心となりまして、捜査と抑止という対策の両輪で連携して取り組んでまいります。

 第3の「犯罪の取締りを強化する」では、初動捜査の強化等のほか、特に暴力団が対立抗争状態にある中、より一層の取り締まりと社会一体となった暴力団排除活動により、県民の皆様の安全確保と暴力団の弱体化、壊滅に取り組んでいくことが重要であると考えております。

 第4の、「交通事故から県民を守る」では、交通事故で亡くなられる方を一人でも減らすため、引き続き、悪質危険な違反の取り締まりのほか、夜間早めに歩行者を発見するためのハイビーム実践運動やシートベルト全席着用の定着化に取り組んでまいります。

 県警察では、各種治安対策を着実に推進し、安全・安心な暮らしを願う県民の皆様の期待と信頼に応えてまいります。

 

~質疑~

 

【記者】

 滝澤本部長にお伺いしますが、平成29年度の刑法犯の認知件数が前年度と比べて414件下がっています。一方で、特殊詐欺の被害件数が23件増加しています。このことについて、要因があればお伺いします。

 

【県警本部長】  

刑法認知件数が減少したことにつきましては、当然、警察の検挙活動があることはもちろんですが、やはり地域住民の方々や関係団体の皆様方による犯罪抑止に対する各種取り組みが功を奏しているのではないかと考えております。

 一方で、特殊詐欺につきましては、これは全国的な傾向で、昨年は少し増えているところもあり、その影響がやはり福井にも及んでいるのではないかと考えております。特殊詐欺は、様々な手口ややり方で県民の財産を狙ってきますので、そういった手口をいろいろご紹介することによって抑止に取り組んでまいりたいと考えております。
 

 

【記者】  

30年の重点目標の中で、国体・障スポに向けて、テロ防止、安全・安心と書かれていますが、どういう体制で警備を進めていくかというようなお考えがあれば教えてください。

 

【県警本部長】  

国体の警備そのものには、相当の警備体制が必要だと考えています。通例であれば、様々な皇族の方が来られますし、奉迎の方もたくさんいらっしゃるのでそういった方をテロから守るということも非常に重要だと思っております。県警察だけの体制ではなかなか難しいということで、警察庁などとも協議をしながら、他県から応援をいただいて、相当の体制で臨んでいきたいと考えています。

 他方で、警備の問題ばかりではないというのが難しいところでありまして、当然、一般治安の確保というものもしていかなくてはいけません。やはり本番に至るまで様々な形で犯罪を抑えていくことが重要だと考えておりまして、繁華街対策や暴力団対策など、今の段階からしっかり、テロ対策や交通マナーも含めて取り組んでいきたいと考えております。

 

【知事】  

一緒に頑張りましょう。

 

【県警本部長】  

はい、頑張りましょう。

 

【知事】  

それでは、2つ目の政策合意について申し上げます。

平成29年度「福井ふるさと元気宣言」推進に係る政策合意の実施結果

「福井ふるさと元気宣言」推進に係る平成30年度の「政策合意」

 このたび、30年度の政策合意を結びましたので、前年度の結果とともに公表いたします。

 政策合意については、各部局長と私の間で協議をし、1年間実行すべき仕事を、具体的な目標数値や成果を明確にして県民にわかりやすく示したものであり、知事就任以来15年間続けているものであります。

 昨年度合意した183項目のうち目標を達成したものは、「新ふくい人」の増加や、県へのふるさと納税など132項目であります。北陸新幹線の整備促進など年度を超えて引き続き実施する継続事業の31項目を除いた達成率は約87%となっています。これは、28年度の数字と同じ数字であります。

 特に大きな成果を挙げたものとして立地企業数があります。企業立地推進戦略本部を設けた平成23年度以降最高となる36社立地し、投資額で713億、新規雇用916人となっています。

 それから、未達成の項目、または一部達成できなかった項目は20項目であります。理由は色々ございますが、県内大学生の地元就職率については、人手不足という大きな流れの中で大都市企業の採用が強化しているという問題があり、目標を達成できておりません。それから、陽子腺がん治療の利用者数については、全国的に治療施設が増えているという状況で残念ながら達成できませんでしたが、新年度から医療保険の適用なども増えますので挽回をしたいと思っております。それから、職員の超過勤務時間につきましては、この2月の豪雪など外的な要因もありまして、残念ながら十分に削減できなかったというようなこともあります。

 未達成の項目については対策を工夫し、問題解決に当たりたいと思います。例えば県内大学生の地元就職については、定着支援業務を総合政策部に移管し、U・Iターン支援策と一体化したり、支援機能を強化していくほか、保護者へのバスツアーの実施なども実行していきたいと思っています。

 さて、新年度の政策合意につきましては、4期目の最後の年ですので、県民との約束を着実に実行していきたいと思います。30年度につきましては、各部局長と194項目について政策合意を結んだところです。29年度は183項目でしたので、増えております。特に新年度は新幹線敦賀開業が間近でありますし、半世紀ぶりの国体、幕末明治150年の節目でありますので、新たな次の50年に向けまして県民一人ひとりが交流の輪を広げ、チャレンジを行っていく必要がございます。

 こういった考えから、次の3点を重視しております。

 1点目は、県民総参加による国体・障スポの成功です。特に国体の歴史で初めて両大会の融合ということを考えておりますので、ぜひその結果が出るように努めていきます。

 2点目は、交流人口の拡大の観点から、新幹線駅周辺の整備を関係市とともに進めることなど、交通アクションプログラムの各プロジェクトの着実な実行、特に嶺南地域、三方五湖エリアの魅力アップなど、若狭湾エリアの地域構想の各プロジェクトを実行いたします。また、周遊滞在型観光に向けた拠点整備、コンベンションの誘致、台湾に現地営業窓口を設け、インバウンド対策を強化するなど、交流人口の拡大に向けたプロジェクトをより強化していきたいと思います。

 3点目は、チャレンジ人材の創出・育成であります。学生ベンチャー、AI、自動走行自動車、新分野への進出の応援に加えまして、都市部から地域づくりに意欲のある人材を誘致するなど、県内各地で頑張っていただく人材を増やしていきます。また、恐竜、年縞、宇宙などサイエンス教育を充実したり、一流のアスリートや文化に触れる機会を増やすなど、子どもたちの向上心を伸ばしたいと思います。

 以上、国体・障スポの成功、交流人口の拡大、チャレンジ人材の育成、この3点の大きな流れの中で全体の項目を展開したいと思います。多方面にわたりますが、全部局、全職員が総力を挙げてこれらを主要課題として、色々なことを進めたいと思っているところであり各部局の該当する主要施策については、計81の施策を「チャレンジ施策」と明記しております。

 内容が多岐にわたりますので、本日午後、担当の企画幹から改めて詳しく説明をさせていただきます。

 

 次に、3点目でありますが、国体・障スポの開催準備状況であります。

〔資料:国体・障スポの開催準備状況

 

 いよいよ開催まで5カ月となったところであります。「福井しあわせ元気」国体・障スポの開催準備の状況でございますが、昨日は園遊会もございまして、天皇皇后両陛下、皇太子殿下、また関係者の皆様にこの秋の国体・障スポの開催のご案内を申し上げたところであります。

 今回、開・閉会式の出演者が決定しましたので、発表したいと思います。

 9月29日の土曜日に国体の総合開会式がございます。式典が終わった後に歓迎コンサートがあるわけですが、これに五木ひろしさんが来ていただくことになります。それから式典が始まる直前については、歓迎県民イベントに、ゲスト司会者として大河ドラマの「松平春嶽」役で出演しておられる福井県出身の津田寛治さん、同じく福井県出身の西村まどかさんの出演が決定しております。

 それから、10月9日の火曜日が国体の閉会式になりますが、同じくゲスト司会者として津田寛治さんに出演をしていただくことになります。

 次に、障害者スポーツ大会については、10月13日の土曜日が開会式でありますが、ゲスト司会者として福井出身のモデル鹿沼憂妃さん、それから、式典終了後の歓迎コンサートには手話ダンスグループのハンドサインに出演していただくことになります。

 また、10月15日の月曜日の閉会式についても同様に、県民参加イベントのゲスト司会者として鹿沼憂妃さん、ハンドサイン、それから、国体・障スポの最後を締めくくるファイナルコンサートにはモーニング娘。OGに出演いただくことになります。

 なお、国体の総合開会式では、ブルーインパルスによります展示飛行が行われることが決定しましたので、あわせて発表いたします。

 式典には、著名人の出演に加え、多くの県民の皆さんにも参加していただくことになります。福井のしあわせと元気を発信し、全国から集まる選手や関係者の皆さんにエールを送る大会にしてまいります。

 また、明日27日の金曜日から、開会式、閉会式の観覧者の募集を開始いたします。国体・障スポの開会式、閉会式、いずれも5,500人を一般観覧者として募集いたします。なお、国体の開会式だけは有料になります。全体の募集期間は明日4月27日から6月11日の月曜日までであります。申し込み多数の場合には6月下旬に抽選を行い、当選の有無を7月上旬に通知する予定であります。応募の方法は、国体・障スポのホームページ、各市町の住民窓口、それから、より多くの申し込みをしていただくように公民館にも用意しておきたいと思います。そのほか、県庁や県の合同庁舎、さらには地域の郵便局にも応募用紙を備えます。

 特に障スポの開・閉会式については、抽選で「いちほまれ」や高価特産品が当たるほか、この日の限定グッズも用意しています。全国から来られる選手団のおもてなし、盛り上げには県民の皆さんを中心にした観覧者のご協力が欠かせないわけでありますので、ぜひ多くの皆さんにご応募いただき、また、当日も応援をお願いしたいと思います。

 それから、国体と障スポが融合するという意味も含めましてデモンストレーションスポーツ、いわゆるデモスポを行うことになっております。一部の競技の参加申し込みを5月1日火曜日から始めますので、お知らせします。

 5月1日から始まる競技としては、シルバーソフトバレーボール、ペタンク、ゲートボール、グラウンドゴルフがございます。申し込み期間、参加資格についてはそれぞれ種目ごとに違いますので、ホームページ、また、デモスポ参加申し込みガイドを確認していただければと思います。

 このデモスポについては、36競技のうち29競技において障害の有無に関わらず多くの県民の皆さんにもご参加をいただけるよう、体験会や教室等を設けております。また、点字によるガイドも、福井県視聴覚障害者福祉協会情報提供センターに設置いたします。さらに、デモスポの参加者には大会参加記念章をお渡しする予定ですので、ぜひご参加をお願いしたいと思います。

 

 次に、4点目でありますが、平成30年豪雪被害に対する予算の追加支援であります。

〔資料:平成30年度4月専決予算

 本日、平成30年豪雪被害に対する追加補正予算6億円を専決処分いたします。

 豪雪による直接被害、また売り上げ減少など、影響を受けている中小企業は多いわけでありますが、3月の追加補正により、融資を受けるときには保証料の全額と5年間の利子補給を受けられるという中小企業緊急資金利子補給事業をつくっております。

 この事業で29年度、30年度を合わせて20億円の融資の枠をすでに設けておりますが、時間の経過とともに被害の実態、また企業のいろんな考え方も明らかになり、547社から融資枠を大幅に超える106億円の申し込みが出ているところであります。申し込みをいただいた企業では4月中の資金需要について、これが既に約85億円出ており、当面の資金繰りに支障が出ないよう、融資枠を106億円に拡大し、これに必要な保証料補給2.5億円余、将来の利子補給と損失補償の債務負担行為7.2億円余について、私が専決処分をします。

次は、農業者の応援であります。

 大雪によって1,000棟を超える農業用ハウスが被害に遭ったわけですが、再建に向けた道筋を示すため、既に3月の追加補正で、国の支援制度の創設を待たず、県として必要な支援制度を創設しています。今回、国に要請しておりました支援制度が3月16日に設けられました。園芸ハウスの再整備、立て直しに国が10分の3、撤去についても国が10分の3を補助することとなります。また、今回は今あるハウスよりも規模の大きいハウスを整備してさらに農業を頑張るという方に応援できるという制度になりましたので、この国庫補助金を活用して農家負担を軽減し、被災したハウスの撤去、再整備を早急に進めることになります。

 これは主に園芸向けでありますが、水稲育苗ハウスについても、国の制度を活用して県の支援制度を新たに設け、被災したハウスの撤去、再整備を進めます。これらの農業用ハウスの支援を実施するため、合わせて3.4億円余を専決処分するものであります。

 今回の専決処分については、次の県議会に報告し、承認を得ることになります。

 

~質疑~

 

【記者】  

「国体・障スポ」の開・閉会式の出演者が決まり、五木ひろしさんが開会式に来られるということで、知事としては、どんな開会式になるといいなと思いますでしょうか。

 

【知事】  

今回初めて、国体と障害者スポーツ大会が融合するということですので、そういう考え方ができるだけにじみ出るようにということもありますし、かつ幕末明治150年の記念の年でもありますし、福井を自慢するとかご紹介するということも大事ですが、できるだけアスリートをおもてなしするという考え方がクリアに出るような色々な工夫が要ると思っています。

 

【記者】  

大雪の被害に対する支援の関係ですが、農業用ハウスがたくさん壊れて離農する人も出てくる心配もありましたが、今回の制度によるハウスの再建について、知事としてどのように期待していますか。

 

【知事】  

そういう話もありましたが、今回の制度で少なくともそういうことはないと思います。今年はいよいよ「いちほまれ」の本格生産が始まりますし、あわせて園芸、果樹などとの連携というのも大事であります。6次産業化なども含めまして農業振興の障害にならないようにしておりますから、皆さん頑張っていただけると期待しています。

 

【記者】  

政策合意の中で、駅前の再整備という部分もしっかりやっていくというお話があったかと思います。新幹線開業を見据えた駅前整備を進めると。経済界からは、統合リゾート施設の誘致、県庁の移転等、提案が既に知事のお耳にも入っているかと思いますが、それらの提案に対してどのようにお考えなのかお教えいただけますか。

  

【知事】  

将来構想というのはいろんなレベルがありまして、夢とか希望とかロマンとか非常に幅広いものと、より現実的で、さらにそれをどう発展させるかといろいろレベルがありますけども、今回の色々な構想というのはかなりスケールの大きいお話ですから、それぞれの自治体としてはそういう構想の考え方を受けながら、地に足のついた、やり方で先を見ながら進めていくかということではないかと思います。

 

【記者】  

どういった開発をやっていくのかという具体的なものをそろそろ決めていかないと、間に合わないのではないかという懸念もありますが。

 

【知事】  

それは既に色々な構想もつくっていますから、そういうものを受けながら、また具体的にどう活かしていくかということではないかと思います。

 

【記者】  

国体の開・閉会式ですが、知事が感じる五木ひろしさんの魅力や、その五木ひろしさんの歌を聞いて、選手や来ていただく県外の人にどういうふうに大会に臨んでほしいと思っていますでしょうか。

 

【知事】  

五木ひろしさんにつきましては、ずっと「ふるさと」を愛しておられて、いろんな努力を地道に積み重ねておられるし、国民的な大歌手でもありますので、我々福井県民としてはぜひ五木さんにこうした大事な大会に大きな役割を発揮してほしいという強い思いがあります。個人的にはちょうど私の青春時代とほぼ重なりますので、何となく五木ひろしさんが歌っておられる歌がいろいろな時に浮かんでくるという、そういう気持ちでしょうか。

 

【記者】  

総合政策部の政策合意について、「並行在来線開業に向けた準備の具体化と加速化」という項目で、「石川県との並行在来線連絡調整会議を通し、相互乗り入れ、乗継割引など県境を跨ぐことによる課題への対応策について、具体的に検討します」と記載されています。そうなりますと、当然ですが石川県の会社と福井県の会社というのが別に立ち上がるという形になると思います。福井県としては単独会社にするのか、石川県と一体会社にするのかという方針というのはまだ出ていないと思いますが、こういう文言が入っているということは福井県としても単独で立ち上げるという意思表示にも見えます。その点はいかがでしょうか。

 

【知事】  

これはこれから検討していく話じゃないかと思います。

福井県だけで新会社を設立するという発想でもないし、石川県民にとっても福井県民にとっても便利で安い並行在来線でないといけませんから、オープンでやろうということになります。

 

【記者】 

 政策合意に、「並行在来線と地域鉄道との関係について、一体化も含め経営強化の方策を検討します」とあります。要するに並行在来線と福井鉄道やえちぜん鉄道とのことになると思いますが、この一体化というのは具体的にどのような方向を目指しておられるのか、知事のお考えをお聞かせください。

 

【知事】  

福井県には、地域鉄道が2つありますけれども、それぞれ県や市町の支援をベースにしてできている会社ですから、並行在来線になりますとほぼ同様の経営スタイルになります。そして、まさに県、市町で収支を相償うような方向が必要ですから、より一層、一体的にやらないといけないということを念頭に置いて議論していくということです。

 

【記者】  

一体化というのは会社を1つにするということではなくて、経営の効率化を目指すということでしょうか。

 

【知事】  

どの方法が一番いいか、これもやってみないと分からないし、これからのやりようだと思います。それぞれの会社に伝統と歴史があるのは事実ですが、県、市町がほとんど支援しているというのも事実ですから。完全なる私鉄ではありませんから。

 

【記者】  

政策合意というシステムについてですが、今まで15年、政策合意という仕組みでマニフェストを着実に実行して、その成果を県民にわかりやすくお伝えするという意味ではすごくいいシステムであり、機能していると思います。しかし、県議会からは、マニフェストの枠を超えるような自由な発想が職員から出にくい側面もあるのではないかという指摘もあります。そういった点について知事のお考えをお聞かせください。

 

【知事】  

職員からの自由な発想というのは幾らでも出てきているとは思います。マニフェストだけで県の行政ができるわけじゃありません。新しいプロジェクトなどマニフェストに書いていないからやらないわけでもありません。経済状況は変わりますし、また、政治環境も変わります。それを全て引き受けながら、マニフェストはマニフェストとしてわかりやすい形で県民に示しております。

 これがないと全然、今言われたようなお話も見えないわけです。並行在来線をどうするのか、書いてないと何も分かりませんから。福井鉄道やえちぜん鉄道はどうなるのかは、政策合意に書いてあるから分かるわけで、分かりやすく、お約束したことは必ず実行しますけれども、それ以外のことも限りなくあるということです。

 

【記者】  

政策合意に関して、29年度の政策合意の実施結果を見ると、観光営業部に関して目標達成したというのが16のうち半分。目標を一部達成できなかったものや目標達成に至らなかったものが4つ、25%あるということですが、新幹線開業を5年後に控える中で達成状況があまり良くないなというのが正直な感想です。福井県の観光行政のどこに問題があって、これから新幹線開業に向けてどのようなことをしていかないといけないのか、知事の認識をお聞かせください。

 

【知事】  

観光営業部については政策におけるストレスをかなりかけていることから、厳しい目標になっているのも事実ですが、今ちょうど新幹線が5年後開業、そして、石川県は既に開業しているという状況の中で、今年の「国体・障スポ」や2年後の東京オリンピックがあります。こういう中で、今は、非常に大事な過渡期だと考えていますので、これをいかに次の波に乗せていくかということが大事だと思います。

 もちろん、福井県は大きい県でもないし、空港がありませんし、新幹線も建設中という状況ですから、観光面から見てもインフラが万全というわけではありませんが、そういう中で5年後の新幹線敦賀開業や中部縦貫自動車道などを見越していく必要があります。それから、福井は主にものづくりの県としてこれまで発展してきましたので、観光マインドというものについては、それがメインの他県などとはやはり状況は違いますが、観光という問題は大事ですから、そういうことをだんだん強化し再スタートする時期に来ているというふうに思います。

 

【記者】  

インフラとか観光マインドとか色々列挙されていましたが、どれが一番これから必要とお考えでしょうか。

 

【知事】  

まず、交通条件がそろわないと厳しいでしょうね。揃いつつあるから関心も高まっていると。福井県にいいものはあると私は思っています。それをいかに宣伝し、分かっていただくかということだと思います。

 

【記者】  

大雪に関して、先日、国土交通省の有識者の検討会で立ち往生の対策が中間発表という形でまとめられました。予防的通行止めというか、事前に早い段階で通行止めにして、早期に開通させるという考え方と、大型車はスタッドレスだけではなくて、チェーンも装着するように徹底するという2つが大きな点かなと思っております。知事として、どういうふうにこの中間発表を受けとめられていますでしょうか。

 

【知事】  

委員会の第2回の会議には私も出まして、幹線高速道路は基本的に止まってはいけない道路であり、そこは最重点でやってほしいと申し上げました。また、他の交通体系に影響が出ないようにということを申し上げたわけです。

 いろいろな除雪の効果を高めるにはどうしたらいいかということを国土交通省も考えているのだと思いますが、通行止めをまず真っ先に考えるという発想ではなくて、除雪をしっかりやらないといけないでしょうから、そうした上で、どんな方法で最も早く交通量を確保できるかという観点でやってほしいと思っております。止まったというのと止めたというのが同じ状態では困ります。2,000台止まったというのと止めているというのは、同じ状態だったら意味がないわけです。それが50台止まっているのがすぐ除去できたというなら意味があると思いますから、そこが大事だと思います。

 

【記者】  

滞留が予見される段階での通行止めについては。

 

【知事】  

それは、除雪体制を強化しないといけません。除雪体制を全然強化しないで危ないなんて言っているだけでは、改善はないですから。そこを十分議論した上での話になると思います。例えば、今の15梯団が20梯団要るのかとか、あるいは片道除雪をするのかとか、広域交通管制をするのかとか、あるいはタイヤチェーンとか、いろんなチェックをした上でどうか、こういった対策を行った上でどうかということが大事で、初めから止めるという議論ではないはずです。最善をどう尽くして、どういうことができるかというときの話だと私は思います。おそらく国土交通省もそういう意味で言っていると思います。あまり言葉だけでやっては意味がないと思います。

 

【記者】  

大雪関連でまた加えてお聞きします。知事もヒアリングに臨まれていると思いますが、予防的通行止め自体は知事としていいと思われていますか。

 

【知事】

 その中身によると思います。全く通行止めを絶対してはいけないと、そんなこともあり得ないでしょうし、いろんな条件があるのだろうから、最大限度を尽くして、その上で天気予報の精度を高めてどうするのかということから始まるのだろうということです。国土交通省も同じ考えだと思います。言葉だけで何かまず止めると、そんな話ではないと思います。

 

【記者】  

ほかのことをしっかりした上での最終的な手段ということでしょうか。

 

【知事】  

そうです。ただ、万が一止まったような時に、わけではないということを言いたいのかなと私は思います。ちゃんと準備をして、利用者に予告した上で、そして短期間で通したいと、そういう意味で言っていると私は思います。何かあったら2日前から止めるといった話ではないと思います。よほど天気予報の精度を高めないといけないし、機動力を持っていないと、今のままで何もしないで同じ状態で止めるというのはあまり名誉なことじゃありませんから。

 

【記者】  

これまでの県の姿勢としても、その他自治体も、河川国道事務所での会議も、極力止めない、通行止めにするにしても慎重に判断してほしいと声を上げていたと思います。しかし、この大雪の検討委員会の中間とりまとめでは、どちらかというと方針を転換し、先に止めたほうが全体的に見れば解消も早いという意見となっています。

 

【知事】 

 要するにストップ・アンド・ゴーというようなやり方はいろいろありまして、止めるってどういう意味かによりますよね。部分的にやって少しずつ動かしていくのかとか。一般的に言葉をあまり詮索しないほうがいいと思います。

全力を尽くすけれども、万が一そういうことになったときには事前に予告して、その時は「ごめんなさい」という意味であると私は理解しています。その考え方が別におかしいわけではないと思いますが、ただ、やみくもに何もしないで止めるなんていう話では、これは奮闘努力の話にはつながらないと思います。

 

【記者】  

あと、広域迂回のことを出されていたと思います。広域もすごく広域で、高速道路でも信州側であるとか、関東、関西とか、その辺も含めた形の広域迂回というところの体制強化とか、情報連絡・共有とか、その辺の話も出されていたと思います。また今回、幹線道路が詰まっていたために国道364号に入って1人亡くなった事象もありますし、そういう福井県内での迂回路についての言及が少なかったように思いますが、その辺はいかがですか。

 

【知事】  

今回の雪を見ますと、小矢部と米原あたりでの交通管制が必要だと思います。それも非常に勇気の要ることです。いつの時点でそんなことをするのか。これは予防的通行止めという言葉はともかく、広域管制をいかに誰がセットするかというのはもっと厳しい判断になると思います。それは全てセットになっています。そういうことができないで、部分的に止めて、あとは地域に任せろというような話ではないということです。

 

【記者】  

大きいところから詰めていくということでしょうか。

 

【知事】  

そうだと思います。高速交通というのはそういうためにできているわけで、東京で地震があったとか、すぐ止めるとか、そのような話とはまた違います。

 

【記者】 

 細かいところまでもしっかり見通した上での大きな迂回路のお話ということでしょうか。

 

【知事】 

 迂回路とか、あるいは瞬間的にここは止めないといけないとか、そういう判断がいろいろあります。それはそういうことで分かってくださいという意味であればよろしいかもしれません。しかし、誰がどう判断するのか、アナウンスをどうするのか、いつそれが終わるのかというのを示さないと、何となく止まったというか、手遅れになって止まったという悪い状態になっては困ります。

 

【記者】  

今回の検討委員会の中間とりまとめの全体的な所感をお聞きしたいです。あと、近畿地方整備局が中心となってこれから進める具体的な対策について、国道8号の会議がスタートしていますけども、そこに知事として求めることにはどういうものがありますでしょうか。

 

【知事】 

 その委員会では、地域問題にしないようにということを申し上げました。全国のネットワーク、広域的な問題として、これは雪はどこでも降るわけで、どこで起こるかもしれませんので、それをしっかりした上で地域的な議論をしていただく必要があります。特に近畿地方整備局は、福井県だけが一番北端で雪が降るわけです。だから、大阪で判断するだけでは困るわけで、北陸地方整備局と一緒にならないといけないわけです。地域問題だけにしてしまうとこういった点で困るところが出てきます。

 

【記者】  

旧優生保護法案の関係で不妊手術の問題が出ていると思いますが、昨日厚生労働省から調査の通知も出ていると聞いています。県としては、現存する資料が無いということですが、その中で何か窓口を設けて、実際に被害に遭った方がいらっしゃるのであれば、その方や家族の声をお聞きする等の対応をするということはありますでしょうか。

 

【知事】  

その話はよく聞いていませんので、後ほど何かありましたら、またお答えします。

 

【記者】      

自民党の憲法改正要綱の中に緊急事態条項の新設というのがありまして、その中で災害時、大規模災害時には政府に権限を集中、強化させて、制限もできるという条文になっていいます。実際に災害が起きた場合、知事等の自治体の首長が指揮をとると思いますが、国、政府の権限を強化するということについて、知事はどのようににお考えですか。

 

【知事】  

一般的に申し上げますと、権限を持つということは責任があるということです。権限だけ持たれて、現場で何もしていただけないのが一番困ります。我々は一体何をするのかという話になりますから、そこの形だけを整えられるのが一番困る。さっきの話と同じです。大体、災害の最初の瞬間、経験でいうと半日あるいは1日はなかなか現場でしか対応できないと思います。まず被害を把握するまでの時間がかかってしまい、そこで大半勝負ができてしまって、多くの方はそこで亡くなられるとかいろんな事態が発生します。つまり、初動の瞬間はやはり地方がやらざるを得ないようなことが多いですから、そこをいかにやりやすく、しっかり応援できるかというのが重要で、後から権限を持たれて色々言われることがいいのかは分かりません。

 

【記者】  

待機児童の問題についてすけが、厚生労働省の調査で、去年10月1日現在、福井県には待機児童が29人いるという統計が出ています。これまで待機児童0人が続いてきた福井県にとっては結構、衝撃的な結果だと思いましたが、知事の受けとめを聞かせてください。

 

【知事】  

これはある一定の時点の数字であり、今年の4月時点ではみんな入所しているということです。調査の仕方、この方が待機児童なのかどうかというのはやや微妙なところがあります。問題は4月以降、特に鯖江市や越前市は、企業立地が盛んですから待機児童が集中するということで、いかに解消するかということが課題だと思いますので、鯖江市などに対してどのように対応しているのかというのを直接お話ししているという状況です。

 

【記者】

 基本的には市町が担当して整備してということでしょうか。

 

【知事】

 県も応援していきます。保育士の確保が課題ですし、もう1つは、0歳児は保育士1人で数人しか見られないというようなことがあります。0歳児あるいは1歳児については、できるだけ自宅で見て、そして、企業を応援をして、お母さんたちが家で子供のケアをするという、そういう視点で強化しないとお金はどんどんかかるし、待機児童が生じるというような問題が出てくるだろうということです。

 

【記者】  

現場の話を聞くと、県の3人っ子応援とか、そういう子育て支援の施策が効いていると。効いているからこそ人が増えていると。潜在的に主婦層だった人たちがどんどん働きに出ている。ある意味では政策として効果を現しているのですが。

 

【知事】

 特に0歳児だと思います。他の県でも調査をどの程度やっているのか分からないところがあって、考え方が多少違うかもしれないですね。

 

【記者】  

県として、追加的な保育士確保や待機児童解消の施策というのを今後取り組んでいくお考はありますでしょうか。

 

【知事】  

保育士さんの確保は市町でやっていただく施策を応援します。それから、企業に協力いただいて、ご家庭でお母さんに見ていただくという方向を強めるということです。

 

【記者】  

家でお母さんに見てもらうというのと、女性が活躍できるというのは矛盾すると思うのですが。

 

【知事】  

それは、その間の話だけで、その期間は子供たちにもいいし、お母さんたちも育児休暇を希望しているし、保育所もそう思っているということですから、企業の協力を得てやるという方向は並行的に進めるということです。

育児休暇が取得できない人がいたら、それはまた保育所で見ていただかないといけないということです。

 

【記者】  

そうなると、企業に育児休暇の取得促進をお願いしていくということでしょうか。

 

【知事】  

保育士の確保も育児休暇の促進も両方やっていくということです。

待機児童が集中するところと集中しないところが出るので、広域的にいろいろな施策ができないか考えています。

 

【記者】  

新幹線の話ですが、3月に、九州新幹線、いわゆる長崎ルートの与党検討会合がありまして、その時にフリーゲージトレインではなくてフル規格かミニ新幹線を整備したほうがいいのではないかというような話になったそうです。実際その時に国土交通省から示された資料に、フル規格化の話だけ言うと、想定工期というのは12年で、開業の見込みが平成46年度と示されています。それは、敦賀開業後の平成35年の着工というのを想定した資料です。北陸新幹線の敦賀以西というのが2031年の春以降の札幌開業後に着工と言われている中で、これを追い抜いた格好での想定工期が示されているというのは疑問に思っています。また、国はこれまでは財源が無いということが示されている中でそういった想定がされているというのは疑問に思うところがありますが、知事としては、そういった長崎ルートの資料が出てきたということについてはどうお考えでしょうか。

 

【知事】  

どういう事情でどのような資料の扱いになっているのか分かりませんが、受けとめとしては同じ気持ちです。北陸新幹線というのは他の地域と比べて全然交通量も違うし、東海道新幹線の代替機能を持ち、一大幹線ですから、何はともあれ真っ先に整備を急ぐ幹線です。ですから、他の地域に遅れるようなことがあってはいけないと思います。いろんな確認もしないといけませんし、いろんな事情があるのかもしれませんが、そういう考えがどういう意味かだと思います。

 

【記者】  

財源が確保された時には九州長崎ルートじゃなくて、先に決まっている敦賀以西の着工に使うべきとお考えでしょうか。

 

【知事】  

当然のことですね。

 

【記者】  

それで、敦賀以西が決まってから、九州新幹線の長崎ルートはそういった議論が始まっているのに、福井の議論というのは全く進んでいない状況が続いていると思います。それについてはいかがお考えですか。

 

【知事】 

 それは九州でのフリーゲージの話がどうにもならなくなって、その話が出ているということで、そんなに九州も進んでいる状況はないと思います。それはともかく、福井県は国会議員がたくさんいらっしゃいますし、いろいろな議論をいつもお願いしているわけですから、さらに馬力を出して方向を目指すように我々も働きかけたいと思います。また、間もなくいろんな決起大会が行われますし、福井県としても北陸ブロックでも5月あるいは6月に準備がされると思います。

 

【記者】  

フリーゲージのことですが、九州新幹線での導入というのがさらに先行きが怪しくなってくる中で、北陸もさらに厳しい状況になっています。フリーゲージというものについて導入ができない場合どうするのかということが出てくると思いますが、県議会や鯖江市は特急の存続というのを言われています。実際、そろそろ代替策を具体的に考えないといけないと思いますが、知事としてはどうお考えですか。

 

【知事】

 フリーゲージについては、我々も敦賀開業の時にはその先はフリーゲージとセットでしたから、早く国土交通省、またJR西日本が方針を出して、次の対策を講ずる必要があると思います。これは、どんな作戦でいくかというのは難しい。どうやるか、最善の方法を講じるということでしょう。

 

【記者】  

新幹線の話ですが、敦賀以西の整備、今後関西との連携が重要になってくるという認識を示されていると思いますが、京都府の知事が新しく交代されました。京都との連携をどう臨みたいかというお考えをお聞かせください。

 

【知事】  

京都との連携は重要でして、就任されて間もなく、この前、知事会議でお会いしましたけども十分時間がとれませんでしたので、またいろんな機会をとって、考え方を共有する部分と、あるいは協力したり、また連携する部分をはっきりさせていきたいと思います。

 

【記者】  

具体的な方針とかそういう話はまだされていないということでしょうか。

 

【知事】  

一度意見交換をしないといけないと思います。

 

【記者】  

茨城県の東海第二原発で、再稼働とか運転延長とかに関して、東海村以外のUPZの5市から事前同意を得るという話が出ていました。福井県では大飯原発周辺、京都府の一部自治体が絡んでくる話ですが、この件に関して何か受け止めやお考えがあればお願いしたいと思います。

 

【知事】 

 いろんな地域によるということかもしれません。他県の様子がどういうことかよく分かりませんけれども、福井県としては立地自治体というのを基本として様々な安全対策を40年あるいは50年にわたって続けてきましたから、そういう考えで臨むということかと思います。いずれにしても、国が原子力エネルギー政策をどうするかということがはっきりしないと、いろんなことが起こってきますから。そこは引き続き国に原子力の再稼働、あるいは40年超等々、いろんな対応や明瞭な方針が出るように要請をしたいというのが私の立場かと思います。

 

【記者】  

政策合意の中にも原子力防災対策の強化を充実するとあります。連休明けには4号機の再稼働をする予定の中で、避難訓練もまだ行われていませんし、事前に配布する安定ヨウ素剤も6割にとどまっている。この辺で、重大事故に備えての防災対策がちょっと遅れている感じがしますが、もし広域避難訓練などのスケジュール感があれば教えていただきたいのと、原子力防災についての知事の考え方を改めて教えていただけますか。

 

【知事】  

避難訓練については、今、国といろんな議論をしておりまして、国が主体で大飯、高浜に関連した訓練をしようではないかということで調整をしているということであります。また、それぞれの原子力発電所については、着実に訓練を重ねていますので、そういうものを積み上げながら対応したいと思います。

 原子力の防災訓練というのは、一番外側にあるというのでしょうか、防災のガードとしてはですね。まず、原子力プラントの安全、ヒューマンエラーなどを含めた安全管理をしっかり進め、ここに万全を期する。2番目として、いざ何かあったときにプラントあるいはそのエリアの制圧をいかにしっかり行うか。そうした上で訓練というのがあるだろうと思います。ただ、訓練はさまざまな要因が働きますし、地域、天候、いろんな機動力、キリがないようなところもありますから、できるだけいろんな想定をしながらこれを充実させるということかと思います。訓練だけを充実させても本体がおろそかでは話にならないわけです。本体がしっかりしていれば訓練は単に訓練をしたということで終わるわけですから、それは実際に起こっては困るわけですので、色々なレベルはありますが、3層にわたった対応を強化するというのが福井県の立場だと思います。

特に国については、安全規制、それから原子力政策、訓練等々、省庁が分かれていてばらばらでいろんなことをお考えのところもありますので、我々として統合的にいろんな意見を申し上げて、問題が生じないようにしたいというのが福井県の立場だと思います。

 

【記者】  

大飯、高浜も関連した訓練をしようではないかということで調整していると言われましたが、既に大飯原発、高浜原発とも稼働しているという状況にあると思います。同時発災を考えた訓練をしたいというふうに知事としてもお考えなのか、そういう方向で国との協議が進んでいるのかということについて伺えますか。

 

【知事】  

これは今、相談していますが、同時発災というのはどういう意味か、どういう時にそういうことを考えないといけないのかというようなこと、いろいろあります。単に先ほどの予防的通行止と同じで言葉だけをとらえてもいけませんし、我々は地元で責任を持っています。そこを今いろいろ詰めて、原子力規制庁はどう考えているのか、あるいは発電事業者はどう考えているのか、あるいは防災訓練を行う内閣府はどう考えているのか、それぞればらばらで考えられていると困るということです。

 

【記者】  

一昨年の高浜の広域避難訓練のときに自家用車による避難や住民参加が少なかったという課題があって、当時、今回はあくまで第1回目で、今後いろいろとブラッシュアップしていきたいというようなこともおっしゃっていたかと記憶しています。大飯の広域避難というのは同時発災を想定したものかもしれませんが、知事は、住民参加はされるべきだとお考えでしょうか。

 

【知事】  

基本的には訓練は充実しないといけないと思っています。人数が少ないと充実したことにはならないでしょうし、交通上のコントロールとか、いろんなものを、単に形だけやっていても実際に役に立ちませんから、基本的にいろいろ充実をさせていく。これは積み重ねですから、一挙にはなかなかできないということです。

 

【記者】  

前回よりは充実させたいということでしょうか。

 

【知事】  

はい。

 

【記者】  

エネルギー基本計画ですが、明日の総合資源エネルギー調査会、基本政策分科会で骨子が出てくると思います。一委員として出席しておられて、この間の議論についてどういうふうな見守り方をしてきたのか、今、骨子が出る前の段階で思うところがあればお聞かせください。

 

【知事】  

自然再生エネルギーというのは大事ですし、そして、原子力も重要です。だから、この役割分担をもう少しはっきりしたいと思っています。両方を中途半端に表現しているという感じがありますので、それをクリアにしてほしいと我々は言っております。

 

【記者】  

報道で出ているベースで見ていくと、2030年でも2050年でも一応原子力発電は使うが、減らしていくと、素人が見ていてもどっちか分からないというような表現が多いなと思います。原子力をどうしたいのかというのは特に思うところがあると思いますが、知事はいかがお感じですか。

 

【知事】  

これも本当に同じ考えです。

 

【記者】  

明日の総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会は出席されますか。

 

【知事】  

明日は出席予定です。要するに中途半端に何か曖昧にいろいろなものを書かれると、いろいろな問題がこの先、また起こってくるということであります。 

 

【記者】  

先日、ふるさと納税の寄付金額も公表されましたけれども、制度からちょうど10年が経ちますが、提唱された知事としまして今の現状をどのように見ているか教えていただけますか。

 

【知事】  

我々個人でもそうですし、制度もそうですけども、10年ぐらい経つとものになるかならんかというのが大体あるわけです。ですから、ようやくものになってきたかなというように思います。一時は、いろいろな返礼品などの話がありましたが、そういうものを規制するほどでもないと思いましたけれども、一定の条件のもとで安定をしてきたかなというように思います。

 ふるさと納税を使っている方はまだ納税者の数%ですから、もっと底辺を広げますと今の3,000億円とか4,000億円という数字が1兆円とかそういう数字になり得るわけです。まず底辺を広げ、使い道を明らかにし、さらにふるさと納税というような考え方を、いろんな地域に対する都市と地方の色々な考え方をうまくそういう制度を使ってお互いに協力し合ったり、あるいはふるさと投票などいろんな次の制度に広げていくと、いろいろな選択が広がってくるのかなというふうに思います。

 いずれにしても、大都市は努力しなくても自然に人が来ているわけですので、ふるさと納税ぐらいの金額については、あまりいろいろと言われないほうがいいのかなと思います。緩やかに見ていただいて、地方から来た市民や県民、都民がおられるわけですので、彼らのことを思いながら、我々も、彼らのことを思いながらやるということかなと思います。

 

【記者】  

先日の全国知事会議で埼玉県の上田知事が新しい知事会長になられましたが、知事会長に上田知事がなられたということについて知事の受け止めをお伺いします。

 

【知事】  

今回は特に投票なく選任されましたが、埼玉県というと大都市、東京ではありませんがいろんな問題の縮図のようなところだと思いますから、そういう立場で地方全体を見ていただきながら、全体の都道府県を盛り上げていく、そういう立場で頑張ってほしいなというのが各知事の願いだと思います。国政でもいろいろご経験がありますから、馬力を持っていろんなことに当たってほしいと思っております。

 

【記者】  

知事会の中でも参議院選挙の動向ですとかいろいろ問題というか課題はあると思いますが、上田会長に知事が一番期待されるというところでは何かありますでしょうか。

 

【知事】  

以前、中国に一緒に出張したこともありますけれども、上田知事は非常にエネルギッシュな方ですし、はっきり物をおっしゃるような方だと思いますので、頑張ってほしいと思います。それと、東京にすぐ近いところにおられますから活動はしやすいと思います。

 

【記者】  

上田会長が就任されたときの会見で、地方の財源を充実させることが命題だというようなお話をされています。その後、地方6団体と野田総務大臣がお会いされた時も、一般財源総額の確保についてしっかり守ってほしいというようなことを知事会長としておっしゃっていますが、このことについて何か知事、現状お考えはございますか。

 

【知事】  

権限がどうだとかいろんなことはありますけれども、やはり財源をしっかり確保すること。かつ、それが何か地方に対する啓示というか、そういう発想を国がとらないようにしてほしいと思います。

 

―― 了 ――

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