知事記者会見の概要(平成18年5月25日(木))
平成18年5月25日(木)
10:30~11:15
県庁 特別会議室
【知事】 今日は5、6点ございますが、まず、美浜発電所3号機事故についての事柄であります。
今月10日に関西電力株式会社から申し入れがありました、美浜発電所3号機の運転再開の協議につきましては、関西電力の森社長に明日お越しいただいて、県の判断を伝えることにしたいと思っております。
【記者】 県の判断の内容を教えていただきたいのですが。
【知事】 これまでも関西電力からいろいろな説明を受けたり、福井県としての安全専門委員会の議論なども踏まえ、また、数日前には事業本部長から副知事に対して、対応の説明などもありました。明日、また森社長がいろいろ基本的な事柄をおっしゃられるはずですので、それを受けて、我々として発電所の再開についてどう考えるか、判断を伝えるということになります。
【記者】 その時点で判断をすぐされるということですか。
【知事】 常識的にはそうなると思いますが、どういうことをおっしゃるかがわかりませんので、今のところ。明日、判断をお伝えしたいという段階だと思います。
【記者】 再開を了承しないこともあり得るのですか。
【知事】 それは関西電力のご説明によりますけど、いろいろな経過からいうと、普通は想定されませんが、まだわかりません。明日、あくまでも判断を伝えるということです。
【記者】 明日は、時間は決まっているのですか。
【知事】 これから調整をします。県としては再発防止対策の取組みの評価がほぼまとまりつつありますし、昨日までに美浜町の意向も確認がされたと理解しておりますので、日程調整を行うように申して、現在、明日ということになっている。時間は調整中ですので、確定次第、お知らせができると思います。
今日、午後の早い時期にお知らせしたいと思います。
【記者】 美浜町の意向はどういう内容だったのでしょうか。
【知事】 美浜町につきましては、これまで地域のいろいろな集会などもたくさん重ねておられるようですし、また、関西電力のいろいろな意見なども聞いておられて、再発防止対策の基本的な取組みについての評価もしておられるようですので、そうしたことを受けて、我々としては、県のいろいろなご判断をしていただきたいというご意向を受けております。
【記者】 それは、美浜町が再開に同意しているということになるんでしょうか。
【知事】 町長からは、これまでの町民との対話とか町議会での様子を言われまして、安全確保などいろいろ意見があったけれども、運転再開に反対はなく、町として了承したいという意向でした。私からは、まず町としての美浜町のご意向も踏まえ、県の評価なども加えて、総合的な観点に立って判断をしたいとお伝えしました。
【記者】 協議の申し入れがあってから、放射能を含んだ水が漏れるという事態があったわけですが、そういうことは、知事の判断に影響はないのですか?
【知事】 いろいろなレベルの事柄はあると思いますけれども、基本的に明日お話をお伺いするということでありますので、そういうことはしっかりこれからも対応していただかなければいけませんけれども、今回の運転再開に向けての判断について関西電力からお話をお伺いする手続に影響するという事柄ではないかなと思います。なお、県のいろいろな評価結果の詳しいことは、今、事務的に取りまとめをしておりますので、最終的には明日お話を聞いた上でご説明をさせていただこうと思っております。その辺の詳しい事柄ですね、私が関西電力からお話を聞いて判断した後ですね、お話を申し上げるときに、事務的にも並行してどういう評価をこれまで加えてきたかという説明も行わせていただきたいと思います。その場では基本は申し上げますが、十分皆さんに申し上げられないかもしれませんから。
【記者】 ご遺族の方から知事あてにメールが来ていると思うのですが、ご遺族の方のお気持ちをどうとらえられていますか。
【知事】 ご遺族や被災者の方への対応については、皆様も聞いていただいていると思いますが、これまでも、ご意見やご要望をよく聞いて事業者として誠心誠意対応するよう関西電力にも繰り返し申し上げているところですし、ご遺族からもいろいろな場で、あるいは直接ではなくともいろいろなことでお伺いしておりますので、しっかり今後とも対応するように関西電力にさらに申し上げなければいけませんし、また、プラントの安全確保の面では、国に対しても申し上げなければいけませんので、ご遺族のお気持ちに十分沿うように、今後とも県としては、努力もし、必要なことを申し上げなければならないと思っております。
【記者】 ご遺族の方は、県のほうからは遺族に会いに来たことはないというふうにおっしゃっている発言も漏れ伝わるんですが、県は遺族の方とは接触なり、例えば知事もお会いになったことはないんでしょうか。
【知事】 代表の方にお会いするとか、そういうことはございません。
【記者】 個別ではお会いになったことは?
【知事】 いろいろな場でご親戚にお会いしたり、一定の期間がありましたので、お会いする場というのはいろいろなところでありますけれども、基本的には関西電力において責任を持って果たすべき事柄だと思いますので、我々は、それを行政の立場で必要なことを申し上げ、実効ある対応をするというのが基本だと思います。
【記者】 直接的な対応はしていないということですか。
【知事】 はい。
【記者】 これまで関西電力には知事もいろいろ聞いていらっしゃると思うんですが、あした社長にお会いして、知事は何をお聞きになるということなんでしょうか。改めて聞くということなんでしょうか。
【知事】 一番責任ある社長からお伺いをするということです。最終的なものをまだ聞いておりませんから。
【記者】 県としては聞いているけれども、知事としては聞いていないという意味ですか。
【知事】 はい。社長もおっしゃっていないと思います。
【記者】 知事の意識としては、森社長がどういったことを言ったら、もう再開してもいいという、ゴーサインを出す基準があるんでしょうか。
【知事】 安全第一、再発防止に全力、言葉だけではなくて、実行面において全力を挙げるとか、いろいろなことがあると思います。
【記者】 地域振興策としては、エネルギー拠点化計画への協力、そこがポイントだったと思うんですけど、それについては?
【知事】 今申し上げた事柄が第一のことだと私は思いますけど。
【記者】 国に対して、改めて安全性の問題で何かおっしゃることは考えていらっしゃるんですか。
【知事】 当然、判断をするということになりますと、(国に)できるだけ早く県としての考えを伝えまして、今後の検査、指導、監督に万全を期す必要があると思っております。
ですから、そういうことになれば日程を早々に調整して、必要なことを国に対して申し上げる機会をつくりたいと思います。
【記者】 国の保安院の人に来てもらうということですか。
【知事】 常識的にはそういうレベルになると思いますが、これから具体的にやられる事柄だと思いますし、県、それから美浜町、それぞれどんなふうに行っていただくかということを国に申し上げなければいけないと思いますが。
【記者】 特に知事自らという想定ではないんですか。
【知事】 私が申し上げなければいけないですね。
【記者】 今のところ、国に対してどういったことを要望されるかというのは大体決まっているんでしょうか。
【知事】 まだです。あした(関西電力から)お伺いした上で。
【記者】 判断に当たって、県民の原子力への信頼の回復というのを1つの重要な項目に挙げていたと思うんですが、関西電力の再発防止策の取組みによって、県民の信頼回復というのは図れたとお考えでしょうか。
【知事】 基本的にいろいろ努力しておられますけれども、継続というのが大事ですし、絶えずこれからもやっていただかなければなりませんよね。そのためには、そういう努力と同時にいろいろなシステム、プラントの高経年化対策とか、そういうことを国としてもやってもらわなければなりませんし、事業者も進める必要がある。
また、そういうハード面のみならず、具体的な社員といいますか、仕事をしておられる方の安全を第一にしながら、かつ原子力にかかわるあらゆる仕事がしっかり進められなければ話になりませんので、そこを、いろいろな仕事があり、毎日のことなんですけれども、絶えず正確かつ安全にやり続けることが一番大事だと私は思っております。
【記者】 それによって県民の信頼回復が図られると。
【知事】 そうです。それはこれからも絶えずやる必要があるということでしょうね。
【記者】 これまでの県のいろいろな手法なんかを勘案しますと、美浜3号機の場合は、まだ警察の捜査も続いていますし、実際、配管の破断という直接的な原因があることを考えると、いろいろな検査について検査入りを認めるけれども、運転再開の最終的な判断についてはもう少しこれから先、という2段階でやる手法もあるのでは?
例えば、プラントは全然違いますけど、「もんじゅ」などではそういう手法で慎重な手順を踏むということもこれまでやってこられたと思うんですけれども、知事は、実際営業をして運転を再開するということと、今回、明日、どういうことを表明されるかわかりませんけども、その判断というのは、例えば2段階で何か慎重に構えるとか、そこら辺の点についてはいかがですか。
【知事】 いろいろ段階はありますけどね。
【記者】 今回、放射能を含んだ水漏れがありましたけれども、またこの間に不具合とか細かい軽微なトラブルがあった場合には、またこのように慎重ないろいろな手順を踏むとか、いろいろなことが想定されると思うんですけれども。
【知事】 いろいろな仮定を申し上げるとキリがない部分もありますけれども、やはりいろいろな事故の程度なりございますから、今回、関西電力がどのようなお話をされるかは別として、基本的には運転再開の申し入れがあるんでしょうから、それを総体的に判断するのかなと、私は、今回の場合は思っております。
【記者】 安全専門委員会のほうで、再発防止の取組みも評価されて、ハード面でもソフト面でも安全と確認した、というご意見をいただいたんですけれども、それに関しては、尊重されるのですか。
【知事】 そうですね。専門家のお立場からやっていただくことをお任せしておりますので、我々はいつも、そういうことを受けて判断をするということだと思います。何かまた特別なことがあれば、そこで検討してもらうということだと思うんです。
【知事】 それでは、次の話題に転じます。
1つは、福井県の医師確保対策について申し上げたいと思います。
地域あるいは診療科目における医師の偏在など、医師不足が全国的な問題になっており、福井県もこういう課題が見られるわけでして、これまで地域医療を担う医師の確保に努めてまいりましたが、医師不足が僻地に限らなくなってきたような状態になっている、また、小児科など特定の診療科における医師不足問題が顕著になってきているということが出てきております。
そこで、本県の現状を分析し、必要な医師の確保などの協議を行うために、6月2日に、福井大学医学部や県の医師会、医療機関の関係者などに集まっていただいて、初めて、福井県医師確保対策協議会を開催したいと思います。これが1つ目のお話であります。
2点目は、これも医療に少し関係しますが、最近、全国的に自殺者というのが増えておりまして、全国的には平成10年から7年連続で年間3万人を超えるということで、大きな社会問題になっております。福井県においても、毎年200人弱の方が亡くなっておりますが、いろいろなことが原因になっていると思います。
県では、これまで精神保健福祉センターあるいは健康福祉センターにおいて、ストレスとか、いろいろな予防・発見に努めておりますけれども、今後、現在相談を受けている各種行政機関はもとより、医療機関、民間の方などの参加も得まして、自殺・ストレス防止対策協議会を設置したいと思っております。
この協議会において、自殺の原因とか動機の調査分析、あるいは各機関が、専門的相談体制、早期発見・精神科医への連絡体制などを講じることによりまして、効果的な、自殺なりストレスの防止の対策を進めてまいりたいと思っております。
3点目でありますが、コシヒカリ育成50周年における福井米のPRということを申し上げます。
ちょうど今から50年前、昭和31年に本県で生まれましたコシヒカリは、全国の作付シェアが38%ですが、その子、孫、ひ孫、曾孫の品種のコシヒカリファミリーを合わせますと、シェアは80%ということであります。50周年の今年はコシヒカリのふるさと福井を全国に向けてPRする絶好の機会ですので、全国や海外に対してもPRなどの施策を展開していく予定であります。
その一貫として、都市圏におけるPRの皮切りとして、来る6月3日、東京六本木ヒルズ屋上庭園において、本県産コシヒカリ原種を用いた田植え体験を実施する予定にしておりまして、あの地域にお住まいの方とか勤める方に田植えをやってもらおうと思っております。また、イベント終了後もいろいろな中継などもしていただいたりしたいと思っております。
さらに、都市圏の幼稚園、小学校を対象にコシヒカリの栽培体験を実施しているわけですが、県の職員が出向きまして、米づくり、食や農に対する講座を実施したり、記念米の発売、インターネットギャラリーの開設など、一連のことを進めてまいりたいと思います。
なお、六本木ヒルズ屋上の田んぼにつきましては、秋には刈り入れということになるんですが、その時々、毎週、毎月、どんどん稲が大きくなっていきますし、あるいは、カエルがいたり、いろいろなことがあり得るわけですが、そういうことを継続的に続けていくというプログラムをこの秋に向けて日々行うということを考えております。
次は、福井城址の散策路の整備であります。
築城400年ということで、福井城址が県民に親しまれることが必要であります。昨年度は石垣・桜のライトアップ、天守台の整備、お堀における木船の清掃用の巡回などいろいろなことをやっておりますが、今年度は県庁正面の東側を中心に石垣を散策路として整備して、上に上れるようにしたいと思います。9月末の完成を予定いたしております。
もう1つ申し上げます。先般、ブックオフコーポレーションの社長に本県出身の橋本真由美さんがなられたということでありまして、パートの勤務から東証一部上場の社長にまでなられるということで、福井県の女性の元気といいますか、働き者といいますか、そういう方の代表の方であるというふうに思いまして、全国の働く女性にとっても大きな励みであり、すばらしいことだと思っております。
私からもお祝いの言葉を贈ったところでありますが、今日、東京事務所長が本社に赴きましてお祝いを伝えると同時に、ふくいブランド大使の就任もお願いをできればと思っておりまして、さらなるご活躍を県民の皆さんとともに期待したいと思っております。
【記者】 自殺者は、福井県は200人ぐらいなんですか。
【知事】 これは本県に住所のある人で、県外の方は含まない。県外の方で、福井で自殺される方もいますが、その方は除いていますという統計ですね。
【記者】 予防のためにそういう相談窓口を設けるのですか。
【知事】 福井県は自殺者が多い県じゃありません。少ない方の県だと思います。しかし自殺、あるいはストレスですね、自殺という事実のみならず、ストレスレスというか、そういうものを少なくする必要があります。福井県は確か日本一ストレスを感ずる人の少ない県という統計も一時出ていたようですが、ストレスとなりますと、できるだけレスというか、少なくすることが大事かなと。単なる自殺という現象だけをとらえないで、ストレスも含めて全体でですね。
【記者】 県職員に対しても、そういう窓口があるんですか。
【総務部長】 はい。診療所もあります。
【記者】 窓口は充実しているわけですか。
【知事】 人事管理的なものがあります。
【記者】 自殺の関係で、福井県は自殺者は少ないかもしれないですけど、県外から来る自殺者が多いんじゃないかと。今回のその協議会に関しては、県外からの自殺者という問題も取り上げる予定ですか。
【知事】 どういうのがあり得ますかね。何かいい方法があればやっていいと思いますけど。自殺問題は、どこの方と区別するようなものじゃありませんし、日本全体の問題ですので、何かいい方法があれば、おっしゃっていただきたい。
【記者】 NPOで自殺問題に取り組んでいる……。
【知事】 三国にいらっしゃいますよね。ですから、そういうこともあわせてやったほうがいいのかもしれませんね。
【記者】 ええ、あわせてやったほうがいいのかなと。
【知事】 ありがとうございます。
【記者】 核燃料税についてですが、11月で改定を迎えますね。たしか2月議会では6月議会に上程したいという話をされたと思うんですが、6月議会で上程するとなると、かなり煮詰まっている段階だと思うんですけど、どういう状況ですか。
【知事】 今、最終的な煮詰めの段階じゃないかと思いますが。
【総務部長】 6月議会に向けて、まだ協議中ですが、大詰めの段階です。
【記者】 協議中というのは、電力事業者3社という意味ですか。
【総務部長】 そうです。
【記者】 例えば、福井県は税率が10%ですよね。他県では12%、福島なんか実質的に13.5%ですけども、そこら辺の数字について協議しているんですか。
【知事】 いろいろなデータを出したりしておりますが、プラントの種類によって表面税率と実効税率が違ったり、あるいは、原料といいますか、課税対象物件である燃料棒の価格のウランの高騰とかいろいろなことがあって、今、ちょっと複雑な時期なんですね。そういうことを踏まえて慎重にやっているということです。
【記者】 価格ではなくて重量とか新たな仕組みというのは考えていらっしゃるんでしょうか。
【知事】 いろいろな新しいことをやろうとすると大変かもしれないですね。
【記者】 現行の枠組みの中で数字を上げるということですか。
【知事】 基本的には現行の中でやらざるを得ない部分が多いかなとは思っているんですが、現在、協議中なので、しばらくお待ち願いたい。
【記者】 そうすると、まだ事業者のほうはその折り合いがついていないということですね。
【知事】 そうですね、検討中。
【記者】 3社ともですね。
【知事】 はい。いろいろな財政事情もありますから、税率の引き上げということも考えたいんですが、どの程度可能かということだと思います。
【記者】 時期的には、6月議会は14日からでしたね。今日は25日ですから、かなりスケジュールがタイトになってくると思うんですが。
【知事】 そうですね。(議会の)冒頭に出すのが通常だと思います。
【記者】 ずれ込む可能性もあるんですか。
【知事】 できるだけそういうことがないようにしたいと思いますが、交渉事ですから。
【記者】 向こうがやっぱり難色を示しているんですか。
【知事】 税制はいつも難色を示されます。どういう方でも。低いほうがいいと思われますので。
【記者】 そうですね。
【知事】 地域に貢献したいというお気持ちはありますけれども、税金を高くしなければならないとは思いにくいと思います。
【記者】 コシヒカリの件なんですが、50周年ということで3月末にシンポジウムを開催して以来、この間、地元の田植えとかいろいろなイベントを展開されているんですが、周りから見て、福井がどうもブランドなどにイベントが切れ切れで、何か効果的な売り出し方がいまいちじゃないかと思うんです。今の知事の説明を聞いていてもブランドという言葉は一度も登場しませんでしたし、地域ブランドではなくて福井が発するナショナルブランドとか、そういうとらえ方で、何かもっと商品性を持った売り出し方みたいなことは、知事の頭の中ではありませんか。
【知事】 これは当然、ブランドなものですから、当たり前かと思って違う言葉をわざわざ発したんですが、一番、最大のブランドなんです。ですから、ブランドというふうに言いかえます。
【記者】 新潟のほうは品種を新しいものとかえていて、若干産地で混乱が起きているようですし、福井はせっかく原種、ずっと代々受け継いできたのを使っているわけですから、そのあたりでの打ち出しなども必要ではないかと思いますが。
【知事】 そうですね。福井米というか、福井ブランドといいますか、当たり前のことで、ちょっとそういう言葉は発しませんでしたが、福井米のコシヒカリとしてのよさ、これをさらに強調すると同時に、福井のコシヒカリの次を担う研究も10年とか15年かかると思いますが、並行的に継続をしているということで、今のコシヒカリをさらに売り出していくことと、次の時代に備えると、2つ方面が、事柄としては長期・短期あるというふうに思っているんです。
それで、コシヒカリにつきましても、単に農業的に議論をするんじゃなくて、県全体としてこれを、おっしゃったようなブランドとして広めていくということだと思っています。
【記者】 コシヒカリの戦略は、都市住民の方に的を絞っていらっしゃるようですけれども、改めて都会の方に田植えを体験していただくとかというところは、知事として、福井県として、都会の方にどういうことを知っていただいたり、体験していただきたい、掘り起こしていただきたいとお考えですか。
【知事】 特に子供たちに、要するに幼稚園から小学校を対象にコシヒカリの栽培技術から精米まで、お米まで体験してもらうということですね。期間は5月上旬から10月下旬まで、参加校が東京都内には26校、約1,000人、大阪では28校、約1,000人にコシヒカリの栽培、精米、あとは食べていただくといいますか、そういうことをやりたいと思うんです。この六本木ヒルズの話以外には、そんなふうに思っております。
【記者】 特にヒルズでやるというねらいは?
【知事】 ヒルズは、全国や海外からツアーで訪れますので、そこで見てもらうということですね。ここのポイントは、田植えをして、稲刈りまでの間をあけないということ。稲刈りの間まで何もしないということではなくて、極端に言えば、日々いろいろなことをするということを心がけたい。
【記者】 継続的にイベントとかを?
【知事】 イベントなり、いろいろなことをやるように指示をしております。農業のほうでやりますと、すぐ田植えと稲刈りしか考えないところがありまして、途中は自然に大きくなっていくからという思いが多いものですから、そうではないということで今進めようとしております。
ですから、今回も早乙女の貸し衣装を着ていただいて、50組の人に田植えをしていただくというふうに思っております。
【記者】 公募は行う予定なんでしょうか。
【知事】 向こうの六本木ヒルズのほうで公募をかけていると思います。
特にこれは我々だけでやるとおもしろくありませんので、ヒルズ側といろいろな企画について、民主導といいますか、かなりお任せしたやり方をしております。
(募集チラシを見せながら)こんな感じで、いろいろ募集をやっているんですね。早乙女姿になって田植えに挑戦しようということが書いてありますね。先着20名、衣装の都合により小学生以上とさせていただくということが書いてあります。
【記者】 ヒルズで収穫されたお米はどこで食べていただくんですか。
【知事】 ヒルズで食べていただくようになると思います。
お米は、私も子供に栽培させたことがあるんですが、バケツでつくれるんですよね、ベランダなら、水を張って。
これは面積が130平米というと40坪ぐらいですから、都会というか、東京の家1軒ぐらいの敷地ですね。そういう広さになると思います。
【記者】 美浜3号で1点だけ確認させてほしいんですけども、美浜町長からの意向伝達というのは昨日ですか。
【知事】 昨日の夜です。
【記者】 電話ですか。
【知事】 そうです。
【記者】 「もんじゅ」のときは河瀬市長が見えて面談されましたけども、今回は地元意向というのは特段そういう町長との面談とかは必要なかったんですか。
【知事】 いろいろよくお会いしていますので。
【記者】 通常の場で会っているからということですか。
【知事】 そういうわけでもないんですが、長電話をいたしましたので。
事故以来の、当日、あれは夏でしたが、当時、出納長があそこでどうしたとか、あの当時のいろいろな大変な様子をいろいろ長いお話をしておられました。我々もそれは鮮明に記憶にありますので。
【記者】 町長からは、付帯条項みたいな形で、関電や国に対して、地域振興の話について話が出たんですか。
【知事】 地域振興というお話じゃなくて、やはり安全の問題を全力で取り組まないといけませんし、一旦、事故などが起きますと、ご遺族や被害者の皆さんの問題もあります。また、地域にとって非常に課題が増えて、美浜町にとっても、この1年10カ月ぐらい、2年近くのほとんどが原子力の問題に忙殺をされたという思いがあって、これを、美浜町にとって普通の仕事、通常の町であればなすべき仕事を何としても早く取り返さなければいけないということで、バックアップも頼みたいし、自分たちも全力でそういう仕事に、改めて力を注ぎたいというお話がいろいろありました。
【記者】 知事は、以前から、再発防止対策や地域共生の取組みは目に見える形で示されなくてはいけないとおっしゃっていたと思うんですが、今の段階での判断というのはどういうふうに考えておられるんですか。
【知事】 いろいろ目には見えてきているでしょう。目に見えるにもいろいろな程度がありますからね。どんどん目に見えて効果があらわれないといけません。事業本部のあり方、共生本部も頑張っていただかなければいけませんし、頑張っていただいたその効果が客観的に出てこないと、頑張るだけに終わってしまうということになるといけませんので。
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