知事記者会見の概要(平成18年8月28日(月))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002717

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平成18年8月28日(月)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【知事】  最初に、環境省の方がお見えですので、「チーム・マイナス6%」の恐竜キャラクター登録についてお話しします。

 6月27日に小池環境大臣にお会いして、福井県の恐竜など地域資源を活用した地球温暖化対策の実施を要望した際に、大臣のほうから、環境省で行っている「チーム・マイナス6%」のキャラクターチーム員として福井の恐竜をぜひ登録してほしいという提案があり、本日、登録することになりました。

 「チーム・マイナス6%」というのは、気候変動、地球温暖化の京都議定書を平成17年2月に発効しておりますが、政府、環境省が平成17年4月から温室効果ガス排出量の6%削減を目指すために推進している国民運動の愛称で、チームのリーダーは小泉総理大臣になります。取組み例としては、冷房の28度設定とか、クールビズ、エコ製品購入、アイドリングストップ、過剰包装をなくそう、コンセントをこまめに抜こうということです。

環境省としてはチーム・マイナス6%運動に協力してくれるキャラクターをチーム員として募集しており、そこで、環境省と協議の上、勝山市で発掘され、福井の名が学名に付けられた「フクイラプトル」と、恐竜博物館のキャラクターである「恐竜博士」、「フクイサウルス発掘隊」、この3件について、キャラクターチーム員として登録することにしました。

 「チーム・マイナス6%」には多くの個人や団体が登録しており、各県のキャラクターもありますが、非常にわかりやすいキャラクターとしては、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンメビウス、ピーターラビットなどが有名です。あとは、それぞれの自治体にある、普通はあまり知られていないキャラクターが多いようです。

 小池大臣からは、チーム登録についての謝意とともに、「1億6,000万年も繁栄した恐竜たちは化石という姿で、現代に生きる私たちに対し地球の大切さを訴えている。今後も恐竜ブランドを活用して、地球温暖化防止推進に協力してほしい。」とのメッセージがありました。

大臣のこうした熱意も踏まえて、さらに踏み込んで、環境省と共同で恐竜化石をデザインに用いたロゴマークを作成し、温暖化防止のための様々な活動を展開していきます。環境省と自治体が連携して、ロゴマークに県のブランドを取り入れたのは全国で初めての事例となります。

 県は、6月から独自の取組みとして、節電、節水、省エネ機器の導入、自転車導入など、「LOVE・アース・ふくい」運動を展開しているところですが、チームマイナス6%と連携しながらロゴマークを用い、啓発運動を展開するとともに、恐竜博物館内のミュージアムショップで販売している恐竜フィギュア「フクイラプトル」の箱にロゴマークを添付して販売する予定です。

恐竜というブランドが、こうした運動を通じて、地球や生命の歴史、環境の大切さに関する手がかりとして積極的に活用されていくことを期待しています。せっかくですから、環境省のほうからも一言どうぞ。

【環境省】  チームマイナス6%の運営をしております環境省国民生活対策室です。キャラクターチーム員は何種類かありますが、恐竜というキャラクターは福井県が初めてで、私たちにとってもすごく新鮮でした。コラボレーション・ロゴもつくらせていただいたんですが、私どもとしてもすごく新鮮で楽しい機会でしたので、今後とも福井県の皆様のいろんな取組みにすごく期待しておりますし、私たちとも一緒にいろいろ新しいことができていければと思っています。

【記者】  コラボレーション・ロゴというのは、このようにキャラクターと提携すれば、毎回つくるものなのでしょうか。

【環境省】  いろいろな企業のロゴですと、ロゴの規約とか規制とかがあって自由に使えませんが、私たちは国民啓発キャンペーンなので、ロゴをより汎用性を持ったものとして広めていこう、ロゴをファッショナブルな感じで使うことで運動を広げていこうとしていますので、ロゴに厳密な規約とかをあまり設けずに使っています。

他の自治体とも一部進めているものがありますが、各都道府県のゆかりのものとのコラボレーションのロゴについては、これからも一つひとつやっていこうと思っています。

【総務部長】  チームマイナス6%の関係で、こういう形のロゴをつくるというのは全国で数はあるんですか。

【環境省】  数はありますが、福井県はすごく早い段階のもので、すごく新鮮で珍しいものです。

【記者】  都道府県では初めてですか。

【環境省】  初めてではないです。

【環境政策課長】  他県では県の地図マークみたいなものが入っているでしょう。地域ブランドを使ったのは初めてだと思います。

【環境省】  初めてです。

【知事】  地域ブランドのロゴは初めてで、このロゴマークを使ってPRするということです。

【山本副知事】  これは、今日から使っていいんですか。

【環境省】  はい。今日、ホームページにアップさせていただいております。

【記者】  何が初めてなのかを、もう一度。

【知事】  地域のブランドを、環境省の「みんなで止めよう温暖化」とセットにしてこういう形で行うのは都道府県としては初めてということです。

【記者】  都道府県だけではなく、自治体という枠組みでコラボレーションというのは何件ぐらいあるんでしょうか。

【環境省】  件数はいろいろあり、各自治体が独自にチームマイナス6%のロゴを使って、新たなロゴをつくっているケースもありますが、私たちと一緒にやっているというケースはおそらく10ケースはないと思います。

【知事】  今回は、環境省と県とが共同で行ったということです。

 

【知事】  先日、入札関係の情報漏れがあり処分も行いましたが、大変残念に思っておりまして、今後とも、職員に対し、また、組織的にも細かく指示をするようにし、しっかり引き締めて行政を行っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

 次に、憲法の自民党意見交換会についてです。

 8月25日に、東京の都道府県会館において、日本国憲法改正について、全国知事会と自民党との意見交換を行いました。

党からは、憲法調査会会長の船田元議員、新憲法起草委員会委員の大島理森衆議院議員、知事会からは麻生会長、私、委員の福田富一・栃木県知事、山田啓二・京都府知事が出席し、我々の憲法問題報告書について説明し、自民党の船田先生からは新憲法草案のことについて話がありました。

憲法改正については、憲法9条や新しい人権などの問題についてはいろいろ議論がありますが、これと並んで地方自治も1つの大きな柱になると思っています。

 憲法前文に地方自治の保障を明記すること、また、地方自治の本旨に基づいて地方行政を行うという憲法の趣旨ですが、住民自治とか団体自治ということが明瞭になっていない。さらに、行政レベルではなくて、立法レベルの条例制定権のような問題についても現在憲法では明記されていませんので、そうしたことを船田会長をはじめ皆様方に説明したところです。

船田会長からは、「知事会の意見を参考にして、自民党の草案(昨年11月発表の自民党「新憲法草案」)のさらにバージョンアップを考えなければならないだろう。前回の草案は、秋の結党記念大会といった期限もあったが、これからは時間もあるだろうし、総裁選挙などいろいろなところで話題となっていることもあり、草案のバージョンアップをしたい。」ということでした。

 今後は、各政党との意見交換を行うとともに、市長会、町村会をはじめとする地方団体とも協議しながら、地方分権と憲法の関係について国民的な運動にまで高めていきたいと思います。

 

 3つ目は、岡倉天心の「茶の本」出版100周年記念事業についてです。既にご案内のとおり、「茶の本」が出版されて100周年に当たりますので、県内外に向けて、天心と福井県の深いつながりを紹介する事業を展開することとしております。

 9月5日から30日まで、県立美術館において、「茶の本」の初版本のほか、天心ゆかりの資料、天心に師事した作家たちの作品などを紹介する特別展示会を行う予定です。

展示物として、日本美術院や茨城大学が所蔵している天心ゆかりの品物や、県所蔵の「茶の本」の初版本、また、個人所蔵の外国語で書いてある版本なども展示します。そのほか、美術品、これはほとんど県立美術館に所蔵しているものですが、展示をさせていただきたいと思っております。

 また、展示期間の最終日、9月30日に「日本画と茶の美学」と題した記念講演会を予定しております。日本美術院の画家であると同時に東京芸大の教授でもあり、福井県にゆかりのある手塚雄二さんの講演を予定しております。

 さらに、10月9日に、永平寺において、禅を切り口に日本精神文化をテーマにして、天心のひ孫に当たります岡倉登志(おかくらたかし)さん、永平寺の後堂である天野鐵心さんなどと、私も入って座談会を行いたいと思います。

 また、座談会と併せて記念茶会を10月9日に永平寺で開催し、裏千家淡交会福井支部、皇風煎茶禮式福井県清風連合会、志野流松隠会福井県支部が参加します。また、関連事業として「茶道ふれあいフェスティバル」を10月7日、8日に一乗谷朝倉氏遺跡で開催し、表千家同門会福井吉祥会、文房宏流天佑会、茶道遠州流福井支部、表千家同門会福井長生会、茶道千流福井千流会に参加いただく予定です。

また、今日から、天心についての紹介サイトを県のホームページに開設します。

 なお、6年後の平成24年は天心の生誕150周年、平成25年は没後100周年ということで、いろいろ周年、アニバーサリーが重なりますので、それに向けて継続的に仕事を進めていきたいと考えています。

 そのほかにも、子供向けに「茶の本」を紹介した解説本を今作成中であり、子供たちにも天心の業績、また考え方について理解を深め、教育にも役立ててもらうようにしたいと思います。

 また、県内の高校生にも日本文化の素晴らしさについて再認識してもらうため、ALT(外国語指導助手)と高校生がともに学び合う「茶の本」講座を10月、11月に予定しており、双方向型の授業を行うことを考えています。

 

 4点目ですが、平成8年10月に開館した福井県国際交流会館は、年間およそ20万人に利用されていますが、来月に10周年を迎えることから、「10年の歩み展」を開催したいと思っております。

10月15日に記念式典と記念フォーラムを行うことにしており、ケンブリッジ大学東アジア研究所のジョン・スエンソン=ライトさんの報告を交え、外交ジャーナリストの手嶋龍一さん、外務事務次官の谷内正太郎さんに「新しい東アジア外交を目指して~真の国際人とは~」と題して対談を行っていただく予定にしております。

 また、中国の魯迅と師の藤野厳九郎先生が惜別して100年となることを踏まえ、資料展を国際交流会館と若狭図書学習センターで行う予定です。展示としては、中国の一級文物で中国政府から複製許可を得た「魯迅の医学授業ノート」などの展示をしたいと思います。

また、10月22日に特別講演を開催し、魯迅と藤野厳九郎の関係の問題についていろいろ研究をしておられる日本総合研究所会長の寺島実郎さんを講師に迎えて、「魯迅と藤野厳九郎 そして日中関係を考える」というテーマで講演を行っていただく予定です。

 

 5点目は、日本の北陸と韓国の経済交流会議です。第7回の北陸・韓国経済交流会議を10月18日から21日まで福井市において開催します。

この会議は、韓国との経済交流の一層の促進を図るため、日本側は中部経済産業局、韓国側は産業資源部という国の官庁の主動のもとで、関係地域である福井、石川、富山の自治体、経済団体、企業が参加して、北陸と韓国で交互に年1回開催しており、本県で開催されるのは今回が初めてです。

昨年度は慶尚北道(キョンサンプクド)の慶州市(キョンジュ市)で開催しております。この会議では、韓国との様々なパートナーシップの構築、産業技術の協力などについて意見交換する官民合同会議のほか、商談会、講演会、県内産業視察、また観光のツアーなどのプログラムを用意しています。

 また、今回、初めての試みとして、北陸技術交流テクノフェアと同時開催することにしており、本県企業の技術水準等について、実際のものを見てもらいながら、商談の機会につなげていきたいと思っています。

 

 6点目ですが、発達障害児(者)支援センターの開設についてです。発達障害者支援法に基づく「福井県発達障害児(者)支援センター」を10月に開設する予定です。

これまで、自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害といった発達障害の児童・生徒は特殊教育の対象とはなっておらず、主に普通学級で授業を受けていたのですが、こうした発達障害が、授業への影響だけでなく、社会へ出てからもいろんな行動の原因になることが明らかになってきました。

そこで、本人やその家族に対して、関係機関と連携しながら、相談支援、発達支援、就労支援を行うセンターを設置し、発達障害に対する理解向上のための広報活動も行いながら、関係者が円滑な社会生活を送ることができるよう支援します。

 同センターの運営は民間委託することとしており、先に公募のあったいろいろな団体から提案を受け、審査を経て、このたび、敦賀市の「社会福祉法人ウェルビーイングつるが」が受託することになりました。委託期間は3年間です。

 

 7点目ですが、福井県総合防災訓練についてです。防災週間が8月30日から9月5日までありますが、その期間中の9月3日の日曜日、小浜市川崎地区の小浜漁港を主会場として、嶺南2市4町において県総合防災訓練を実施する予定です。

 訓練では、防災関係機関の迅速・的確な応急対策、実践的な防災訓練を実施すると同時に、住民の皆さんの意識高揚を図ります。

 今年度の訓練は、地震災害を想定した訓練とし、県としては初めて海岸の津波を想定した訓練も実施します。

取組みの内容としては、津波予報の住民への情報伝達と避難訓練、自衛隊、海上保安庁、福井県防災航空隊の連携による漂流者救出・救助訓練、地震により道路が寸断された地区への海路からの物資供給訓練、自衛隊、消防の連携による倒壊家屋からの救出訓練、車両衝突事故による化学物質漏えい対応訓練、さらには災害情報インターネットシステムを活用した情報集約訓練などを行う予定です。

 

 8点目は、中部縦貫自動車道についてですが、現在、工事が進められており、約4割の進捗です。今年度中に永平寺町諏訪間の供用開始ができます。

上志比・勝山間の供用開始については、これまで平成19年度を目標として、国が提示していましたが、埋蔵文化財あるいは地盤改良などいろいろな条件が判明し、国とも協議をしておりますが、国としては平成20年度中の供用を新しい目標年次としたいという考え方が示されたところです。

県としては、この新しい目標を踏まえながらも、一月でも早く供用されるよう、今後とも国に対して強く働きかけていきたいと思っています。

 

【記者】  北陸新幹線の問題で1点お伺いします。先日の自民党のブロック大会では、ポスト小泉と思われる方々から、ある程度積極的な発言もされたと思うのですが、その前の長瀬副長官の懇談の中では、整備計画の見直し時期は2010年度が適当だ、最適ではないかというお話もされたようです。

そうすると、もう少し早い見直しを期待していた福井県からすると、政府部内では若干後ろ向きという点もあるかと思うんですけれども、改めて早期の計画の見直しに向けた福井県の取組みとか動きを伺いたいのですが。

【知事】  長瀬官房副長官は、八戸市-青森間や博多-新八代間の工事の完成が平成22年度だから、その年度をわかりやすくおっしゃったんだと思いますが、ご本人としては、そういうことはあるけれども早目の議論を進めなければならないということをおっしゃられたように記憶しています。

我々も、そのようなことではいけないわけで、平成20年度に福井駅部が完成するのに引き続き、間を置かないように、現実のいろんな現場で事業が進捗することが必要ですので、計画の見直しを急ぐと同時に、福井駅部は認可しておるわけで、福井までは必ず来るということは政府も各政党も思っておられるわけですので、その間でできるいろんな工夫をする必要があるということです。

例えば九頭竜橋ですとか、いろんなことを併用して行う必要があるということを長瀬副長官にも会議の後にも改めて申し上げまして、そういうことはよく理解をしておられると思います。

また、富山、金沢の工事もできるだけ急ぐ必要がありますが、それだけが前倒しになって福井県が取り残されることになってはいけないわけで、みんなが前倒しにならないといけないということも強く申し上げております。同時期での開業が最優先ですよということも、経済界、県議会、我々も強くご認識を求めたということです。

 

【記者】  8月も大体終わりに近づき、来年の統一地方選までおよそ半年ぐらいになりましたが、現段階で来年の県知事選に向けての知事の意欲というか思いを、半年前というタイミングでお聞かせいただきたいんですが。

【知事】  これから9月議会もありますし、9月補正予算もしっかり進めなければなりません。マニフェストについても4年目に入りますが、その成果なり実行の状況を、全力で今進捗させると同時に、その検証を自分としてもやらなければいけないだろうと思っています。

【記者】  新幹線について、福井までの同時期の開業という言い方でしたが、その同時期という時期のスパンについては、どれぐらいのスパンを考えていらっしゃるんでしょうか。

【知事】  ちょっとまだそういう言葉でしかあらわせないですね。大分先なものですから、同時期という言葉で言っております。10年近くの間がありましょうから、経済情勢もいろいろ変わるでしょうし、政治的な動きもしなければなりませんし、また、公共投資や財源の見通しがどうなるかなどいろんなことがありますから。それはともかく、新幹線は日本の国にとってなくてはならない交通手段だと考えております。

 また、我々、北陸、関西にとっても重要なプロジェクトでありますので、最大の関心を持って、国においても理解をしてもらうと同時に、我々も地域で運動を強めて、3県でよい結果になるように努力をしなければならないという気持ちです。それ以上申し上げられるような状況ではないですが、そういう心構えというか、決意、意欲だということです。

【記者】  中部縦貫自動車道の供用開始の延期について、先ほど、埋文調査とか地盤改良のお話がありましたけども、この辺のところは、これまでもある程度想定されていたと思うのですが、何か想定外のことがあったのですか。

【知事】  最初、国のほうから、できるだけ早くやって早く供用開始する、というご提示をいただいたんですが、事業を進めている中で、埋文調査や地盤調査の話がまた出てきたということです。我々もできるだけ早く供用開始するよう協議していたのですが、国がそういうお考えだということで、物理的な話ですので、今、ご報告させてもらったということです。

 私が、できるだけ期限を明示して、早くなる、遅くなる、どういう事情でどうなったということを各高速道路について説明するよう求めておりますので、そういう中で現在の状況をおっしゃられたんだと思います。

 なお、今年の永平寺町の諏訪間については予定どおり供用開始していくということです。他の区間についても努力することと思います。

【記者】  岐阜県庁で組織的な裏金をつくっていたと、かなり大きく報道されていますが、隣の県の福井の知事として、どのような感想をお持ちでしょうか。

【知事】  他の県のことですからここで申し上げられませんが、十分実態を把握されて、しっかりした解決をされるのが道かなと思います。

 福井県も過去に類似の問題がありましたが、すべて全体を明らかにして対応を進めたと思っております。

【記者】  生活学習館のジェンダー関連図書の一時撤去の話でお伺いします。結果的に一時撤去という形になって、一部の著者とか県民の方から申し入れもあって、その後、本を戻し、非公開としていた図書リストも結果的に公開して、訴訟にまでは発展しなかったんですけれども、図書を一時的にでも撤去したということと今回の一連の経緯について知事の率直なご感想を伺いたいのですが。

【知事】  生活学習館は、女性の活躍、あるいは男女共同参画というか共同で世の中をよくしていこう、助け合っていこうということでつくられたものです。開館から10年たち、全国的にも先進的な活動をしているわけです。

こういう問題にはいろんなお考えの人がいらっしゃいますし、世界的な思想の流れとか、日本全体としてもありますから、こういう仕事をしている担当者というのは十分事柄を注意して、よく配慮して仕事をしなければなりません。

また、行政についてあることをした場合に、これはどういう意味であるかということを自覚すると同時に、よく説明できなければなりません。いろんな誤解が生ずるということではいけませんので、十分配慮して仕事をしていかなければならないということです。

かつ、職員のそういう配慮、また、学習館全体として、これからも積極的にこうした問題について、受け身ではなく取り組んでいくことが何よりも我々の課題であり、そうしたことで仕事を進めるように言っているところです。

【記者】  一時的な撤去については、あまり好ましいことではないと。

【知事】  好ましいというか、わかりにくい、誤解を与えるようなことをしてはいけないと思います。

【記者】  抗議した皆さんは、さらに、知事あてに苦情申し出を行いたいという考えを表明されていますが、これは、条例に基づいた苦情申し出ということになると思うのですが、申し出が行われた場合、知事はどういうふうに対応されますか。

【知事】  まだ、いただいていませんが、常識の線に沿って我々の考えを申し述べると思います。

【総務部長】  適切に対応いたします。

【知事】  いろんな方にいろんなことをよくわかってもらわないといけないですね。わかりにくいというのはよくないことです。ちゃんと自分の考えを堂々と説明できないといけないと思います。

【記者】  この前の抗議集会の中でもお話があったんですが、このリストに挙がった図書の中には、シングルマザーを支援する本とか家族問題を含めた、危険と言われるようなものではない図書も幾つか含まれているとのことでした。

福井県は、今、三世代同居とか三世代近居というものを1つのテーマとして研究しようとしていますが、その一方で、三世代同居とか家族問題が、別居問題であるとか嫁姑の問題とか、結果的に住民とか県民にとって悪い結果を招いているケースもいろいろあるということを聞いています。

そういう中で、西川知事は、今回の一連の問題を通して、家族のあり方とか男女共同参画のあり方ということについて、改めてどのようなお考えを持っているか、基本的なお考えを伺いたいのですが。

【知事】  いろいろな考え方があると思います。戦後60年を経過して、いろんなコミュニティーとか家族関係というのが希薄になっている。個人というものが前面に出てきているわけですけど、まだ完全に自立した、責任を持った個人ということについて十分な成熟度というのが出てきていない段階だと思います。

個々の個人、我々一人ひとりの男性・女性としての自覚、また、責任を持った行動というのが重要ですが、それだけでは物事の解決ができないわけで、昔の村落共同体のような議論は薄れていますから、家族なり、あるいは新しいコミュニティや地域というものを一方でつくっていかないといけないわけですね。

いろんなタイプの人たちが今おられ、いろんな生活のスタイルがあるわけですから、そういうものを広く受け入れながら、このような問題に取り組む必要があるだろうと思います。これはすぐにできることではありませんし、行政だけでも不可能ですし、個人の問題、あるいはNPOやいろんなボランタリーの問題もあるし、いろんなことを日本全体の課題として取り組んでいくといいますか、福祉、教育、環境、あるいは、まちづくり全部にかかわる問題であると思っておりまして、これは大きな課題であり、行政も全力を挙げて取り組む問題だろうと思っています。

【記者】  生活学習館のことですが、これまでの県の説明では、点検のために一時本を移したのであって、間違ったことはしていなかったんだよというコメントをお伺いしていたのですが、先ほどの話ですと、担当者の配慮が欠けていたということですか。

【知事】  誤解を生んでいるんじゃないでしょうか。

【記者】  誤解を生んでいるんですか。

【知事】  説明がわかりにくいんでしょう。だから、そういう質問が来たんじゃないんですか。もっとわかりやすければ、そういう質問は来ないんじゃないんですか。

【総務部長】  わかりやすくやっていたことを、いろいろとこのことについて言ってこられる方がいらっしゃるので、やっぱり中身ぐらいは読んでみようというところの説明がすぐにきちんとできていれば、こういう誤解も招かなかったなということだと思うんです。やっていたことを普通に説明できればよかったということだと思います。

【知事】  いろんなお考えの方があって、いろんなことをおっしゃられるし、また、それについていろんなことがあり得るわけですから、それを、こういう考えであるという説明をして、配慮を持って対応すれば、そういう問題は生じないということだと思います。

【記者】  質問ばかりなので、たまには提言を。

この前、時刻表を見ていたら、関西空港まで通っている関空特急「はるか」は、実は米原まで1日1便か2便ぐらい出ているんです。この前、JRのダイヤの発表がありましたけれども、例えば、米原まで1日1本か2本ぐらい行く、関空発の米原行き「はるか」を、敦賀までせっかく直流化するので乗り入れるようにすると、県民の方が喜び、目玉にもなると思うんですが。

【知事】  貴重なご提言をいただき、十分研究もしたいと思います。あのダイヤはとりあえず決まっておりますが、これから、今言った京都、大阪、あるいは名古屋との関係、それから時間、頻度など大いに改善すべき点が多いと思いますので、我々もよく利用すると同時に、一つひとつを直していくという心構えで臨みたいと思います。

【記者】  地震の耐震指針の見直しで日本がもめているというか、なかなか指針がまとまらない。電力会社は独自に地質の調査をやっているという状況の中で、知事は、耐震指針の見直しというか、地震に対する原発の取組みについてどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか。

【知事】  現在、国が指針を改定中ということですが、地震の学問というのはそんなに長い歴史があるわけではありません。学問としては五、六十年というところですから、最近の知見とか、あるいは国民のいろんな受け止めというのを十分踏まえて、信頼性の高いものにしてほしいと思っております。

 これまで、国や事業者に対しては、これからいろいろつくられるような施設ももちろん、既存の原子力発電所についても、新しい指針で評価することを求めておりますし、今後ともそういう方向で臨んでいきたいと思っています。

【記者】  入札の漏えい問題ですが、件数とか手口はかなりたちが悪いケースですが、漏らした内容は大したことないですね。業者にとっての利益と、漏らした本人にとっての利益は何があったと知事はお考えですか。

【知事】  その辺はなかなか十分でないですが、我々としては、関係者から状況などについて把握できる点については把握し、必要な対応をしたということです。

いずれにしても、その情報自体としてはあまり問題はないという意識かもしれないけれども、実際に情報が漏れると、いろんな予測しない事態というものも発生するわけで、そういった認識が基本的に欠如していたという問題だと思いますので、情報管理というのを十分徹底しなければならないだろうと思っております。

【記者】  セキュリティーシステムのIDとかパスワードを同僚に漏らすというか、教える、のぞかせるというのは、彼個人の問題であったのか、体質的な問題があったのか、その辺も知事は考えて、これから細かい指導をしていきたいとおっしゃったということですね。

【知事】  公務に携わる者として、法令の遵守、あるいはモラルというものが十分でないということがあったと思います。また、いろんな入札情報というのを管理する場合に、内部的な問題じゃなくて、県の公共工事をそれによって管理しているんだという意識が十分でないとこういう問題が起きるわけで、このことをさらに徹底したいと思います。

特に、ITとか情報化の時代になりますと、一層、このことがいろんな問題を起こしますので、研修はもとより、意識改革あるいは服務規律について徹底を図っていかなければならないと思っており、そういう意識で、処分についても厳正に行ったということです。

―― 了 ――


 

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