知事記者会見の概要(平成18年10月26日(木))
平成18年10月26日(木)
10:30~11:25
県庁 特別会議室
【知事】 おはようございます。10月の記者会見に当たりまして、私からいろんな話題を提供させていただきます。
まず1つ目は、第3回ローカルマニフェスト検証大会についてです。
昨年11月にもありましたが、今年は11月19日の日曜日に、早稲田大学で第3回ローカルマニフェスト検証大会がありまして、これに出席し、マニフェスト「福井元気宣言」の進捗状況などを報告する予定です。私のほか、岩手県、埼玉県、神奈川県、佐賀県が報告し、地方の首長さんや議員さんが参加すると思います。年度途中ですが、これまでの3年半の状況、雇用問題、少子化対策、治安回復などの成果状況についてご報告することになると思います。
4年近くの中で、「マニフェスト」は政治・行政の手段あるいは用語として非常に定着してきており、全国の自治体の政治をやっておられる方には、年々関心が深くなっていると思いますので、十分福井県のいろんな事例を活用してもらいたいという考えでお話しする予定です。
2点目ですが、中山恭子内閣総理大臣補佐官の来県についてです。
11月25日土曜日に、若狭町において特定失踪者の真相究明を願う集会が開催される予定ですが、それに中山補佐官が出席し、講演も行う日程を調整しており、私としてもこの機会をとらえ、別途、中山補佐官との面談の場を設けたいと思っています。
また、その際に可能であれば地村さん夫妻にも同席してもらうことが考えられます。中山補佐官は、内閣官房参与をしておられた際に、地村さん夫妻が帰国される際に北朝鮮まで迎えに行ってもらい、その後も拉致被害者・家族のために多大な尽力をいただいている方ですので、近況報告を地村さんからしてもらうのもいいのかなと思います。
私からもこれまでの支援に対し、感謝の意を伝え、引き続き協力を要請するとともに、特定失踪者を含む拉致問題の全容解明に向けて一層の尽力を要請するつもりです。
安倍内閣は、今年9月に拉致問題対策本部を設置し、首相自身が本部長として指揮する体制をとるなど強い決意を示しており、本県としても期待しています。
3点目は、エネルギー研究開発拠点化推進会議の開催についてです。
11月12日の日曜日に、第2回エネルギー研究開発拠点化推進会議を敦賀市の若狭湾エネルギー研究センターにおいて開催する予定です。国からは、エネルギー庁長官・望月さん、地域経済産業審議官の福水さん、文部科学省の研究開発局長・森口さんなどが出席される予定です。
推進会議の内容はこれから詰める部分もありますが、本年度の対応状況、来年度、19年度の推進方針における新たな取組み、期待される成果などについての議論がなされると思います。
高速増殖炉のいろんな技術開発、大学等における人材育成、学校教育など、新しい項目についてもその場でご議論がいただけるものと思います。
また、中期的な問題としては、本年8月に国が策定した「原子力立国計画」に示された将来の高速増殖炉実証炉の開発、それを支える人材の育成の分野で拠点化計画がどう関わっていくのかという問題もテーマになり得ると思います。
11月12日13時半から2時間程度の会議になると思います。
4点目ですが、地方分権改革推進法に関する緊急の提言についてです。
昨日25日、国際交流会館において、参議院自民党幹事長である片山虎之助氏をお迎えして、福井県自治体代表者会議主催の講演会を開催しました。平成5年来の地方分権の改革はまだ十分な改革とはなっておらず、さらなる分権の必要性をこれまで主張してきたわけですが、昨日の片山さんのお話を伺い、それを再認識したところです。
明日27日に地方分権改革推進法が閣議決定の予定であり、福井県自治体代表者会議として緊急提言を取りまとめることにし、この提言は関係省庁に提出し、実現を強く求めていく考えです。
新しい推進法案ですが、旧推進法にあった地方分権推進委員会勧告に対する総理大臣の尊重義務や地方税財源の充実・確保が規定されておらず、十分とは言えないと考えています。法案にある地方分権推進委員会の委員の選任に当たっては、地方の代表者を委員に含めるということが重要だと思います。利害関係に当たるような問題というのではなく、まさに自分たちの課題ですので、ぜひ委員として入るべきだと思います。また、地方分権改革推進計画についても、これから3年ぐらいにわたって、いろいろ検討をするわけなので、検討結果で出たものについて意見を言うのではなく、その検討の段階から参画することが重要だと我々としては思っており、そういう緊急提言をしたいと思います。
また、財政面では、国と地方の税制の基本的な見直しを行いまして、地方税財源の充実、地方団体間の税源の格差是正、また、地方交付税が地方固有の財源だということを明示するための地方共有税制度に改めていくことを訴えていきたいと思います。これからも引き続き地方分権の確立を目指して、全国の自治体とも力を合わせて努力していきたいと思います。
5点目は、間もなく冬になりますので、風向きも大分変わってきたと思いますが、雪の問題についてです。今年は11月7日、これは暦で立冬に当たりますが、この日に除雪対策本部をつくる考えです。
今回の除雪計画の策定に当たっては、昨年度の豪雪における課題を踏まえ、道路管理者である国・県、中日本高速道路株式会社、警察本部による冬期道路情報連絡検討会において対策を協議し、計画に反映させましたし、また、迅速な対応を行いたいと考えています。
主に道路の問題についてですが、特徴の第1点としては、昨年度、北陸自動車道や国道8号線等で、敦賀から越前市間で通行止めや渋滞が発生しましたので、今回は敦賀市の曙交差点から今庄インターチェンジに至る国道476号線と365号線の、高速道路などと平行して走っている27kmの部分について、今まで10cm以上で除雪していたのを、積雪5cm以上で除雪をする最重点除雪路線に格上げ措置をとりたい。ちょっと降った段階で除雪してしまうことにし、除雪体制を強化するというのが1つです。また、大雪警報発令時には、河野海岸有料道路を無料化して、迂回路として活用願うようになります。
また、北陸自動車道や8号線沿いで大雪警報が発令された場合の対応として、県が各道路管理者や県警の皆さんを招集して、福井河川国道事務所に連絡室を設置して情報共有を図り、定期的な情報提供や迅速な除雪対応を行いたいと思います。この連絡室には、担当、実務の責任者が集まるわけですが、急がないといけないようなことをお互い情報交換して、一刻も早くいろんな対応をするようにしたいと思います。
2点目は、街の中の話として、市街地の交差点内の除排雪を重点的に行う交差点、昨年度は60カ所ほどありましたが、4倍に増やし、230カ所に増やしたいと思っています。
大名町とか毛矢町の交差点は継続しますが、新しい箇所として、豊島交差点、幾久交差点、坂井市役所の春江総合支所の交差点などを追加します。
3点目は、歩道の除雪についてです。小学校周辺500m以内の通学路、主要駅周辺の歩道を含め、274kmの歩道除雪を実施しますが、このうち、車道に消雪装置のある21カ所、約23kmについて早朝除雪を実施し、より一層、通勤や通学の安全を確保したいと思います。
特に、歩道除雪については、技術的な問題になりますが、車道の除雪の際に注意をしながら、歩道の除雪にあまり影響がないような工夫もこれからやらなければならないと思います。
4点目は、消雪装置の整備についてで、新たに16カ所、5kmを整備しました。それにより全体で約274km、404カ所に消雪装置ができることになります。具体的に増えたところは、さくら通りの日之出小学校前付近、福井四ヶ浦線の競輪場横の明里交番付近などです。
また、「みどりのスコップひとかき運動」としてスコップを交差点やバス停のところに置くわけですが、昨年は32カ所であったのを3倍に増やして、今年は100カ所で行うこととし、県民の皆さんのご協力もお願いしたいと思います。新しい場所としては、福井駅東口交差点、裁判所前、敦賀市の粟野交差点、木田四ツ辻、湊小学校前、鯖江市役所などです。
それから、昨年は雪による倒木の問題が発生しましたので、県民と一丸となった除雪対策が必要です。特に独居老人宅の除雪が大変ですので、地域に開かれた大学づくりを進める県立大学では、学生を中心とした除雪ボランティア体制を整備し、降雪が特に多く、大学に近い大野、勝山などの間で、この冬から、豪雪時における老人宅の除雪活動に協力するための協議を進めています。近く、協定を結んで、実際のときに応援していただけるようにするので、安心してもらいたいと思います。
また、昨年は雪おろしなどで人身事故が幾つか発生しましたので、土木事務所にいろんな注意などを行う相談窓口を設けるとともに、(屋根雪下ろしの)講習会を行います。また、9月11日には各市町村に文書で要請して、それぞれの町ごとに要援護者に対してどう対応するかという指示をしておりますので、またその結果を聞きながら、地域で皆さんを守っていくということを継続的に強化したいと思います。
6点目は、トヨタ自動車グループへの展示商談会についてです。この春にもお話しましたが、概要が固まったのでお知らせします。
この商談会は11月9日、10日の2日間、愛知県豊田市において開催し、県内企業51社、福井大学、工業技術センターなど4つの機関が参加する予定です。展示商談会のほか、大学、企業、工業技術センターが開発した技術も紹介し、技術プレゼンテーションも行う予定です。
私も展示商談会に出席し、トヨタ自動車の渡辺社長にお会いし、直接、本県の産業をPRしたいと思います。この展示会は、福井県の自動車関連産業という新しい市場分野に進出する1つのチャンスなので、出展企業には成約に向け、積極的に売り込んでほしいと思っています。現在、福井県内の企業の自動車関連の売上高は約2,000億円でありますが、今後3,000億円あるいは4,000億円となることを期待しております。
なお、山本副知事は関係が深いので、また一緒に行って頑張ってもらおうと思っています。
7点目は、チーム・マイナス6%のロゴの活用についてです。
これについても、既に1回ご報告をしていますが、今回、環境対策に熱心な県内企業との間で環境協定を結びまして、締結企業には、例えば花の植栽等の環境に配慮した地域活動の展開、ロゴマークを使用した商品の収益を一部環境教育に充ててもらうなど、環境活動に積極的に取り組んでもらおうと考えています。また、11月中旬からは、このロゴマークを活用した商品を福井県立恐竜博物館のミュージアムショップで販売する予定です。商品としてはマウスパット、文鎮、マグネット・ステッカーなどがあります。さらに、12月が地球温暖化防止月間ですので、12月1日から、このロゴマーク入りのポスターを(公共交通機関の駅舎や車両内に)貼りだすよう協力をお願いしています。
なお、このロゴマークを活用した本県企業のキャンペーン活動が新たに国の環境省のチーム・マイナス6%の事業の一部として実施されることになりまして、12月からテレビ、ラジオのCM等で「LOVE・アース・ふくい」の活動、広報を行っていただく予定です。
また、これも既に一部お話ししておりますが、恐竜を素材として民間企業に活用してほしいと働きかけてきましたが、セガ株式会社の恐竜キングカードへのデザイン採用に続き、株式会社学習研究社が恐竜を取り入れた科学実験ショーを11月19日、日曜日に恐竜博物館で開催する予定で、また子どもたちにご参加をお願いしたいと思っています。
この学研と協力して行う科学実験ショーは、福井県だけでなく、学研が全国9カ所で行い、約4,800人の子供たちなどが参加する予定ですが、科学実験ショーの中で恐竜が出場、登場するということを考えておりまして、企業との連携を進めて、日本の子供たちの夢をはぐくむ福井の恐竜のブランド化に努めていきたいと思います。
次に、全国学校給食研究協議大会を11月21、22日に実施します。全国からの参加者800名を含め、約1,300名が参加する協議大会であり、57回目となりますが、本県での開催は初めてとなります。そこで、健康長寿、福井県の食育、食べ物のよさなどを積極的に理解していただく、また、栄養教諭さんが頑張っていますので、そういうことを紹介していきたいと考えております。
11月21日に、フェニックスプラザで開催される全体会では、食育に積極的に取り組んでいる小中学校、例えば越廼小中学校、小浜市の今富小学校のいろんな実践活動などを紹介する予定ですし、22日の9会場で行う分科会では、福井県の栄養教諭が中心となって研究発表を行う予定です。
さらに、その際、特別の講演がありまして、お父さんが福井県の出身だそうですが、田村暉昭(てるあき)さん、料亭の社長さんですが、和の食文化の講演を行うことを予定しています。
今回の大会では、このように健康長寿のPR、また、朝ご飯を食べないとか、肥満の問題などいろいろありますが、本県の先進的な食育の施策を全国の模範となるように紹介していきたいと思っています。
【記者】 県立高校と私立高校における世界史などの未履修の問題についてお伺いします。全国的にも未履修の問題が次々と明らかになっているわけですけれども、県内でも5校で未履修の問題が明らかになったということで、県としてもしっかりした調査と早急な対策が求められると思うんですが、その点についていかがお考えでしょうか。
【知事】 まず教育委員会で実態をよく調べて、今後の対応をしっかり進める必要があると思います。
それから、進学の問題とか、いろんなことがあるように報道されておりますが、そういう問題と、しかるべき学科を履修するということは、また別の事柄ですので、こうした問題、今、3年生の対応もありましょうし、これから1年生、2年生のいろんな課題もありましょうから、そうしたことを問題のないように、教育委員会でやっていただかないといけないと思っています。
子供たちにも迷惑のかからないようにしなければなりませんので、そういう考えで、教育委員会にもお話をしようという状況です。
【記者】 今後は、卒業生に関しても、履修していたのかどうか調査するのですか。
【知事】 そうですね。十分調査をし、また国の指導要領をつくっている文部科学省などとも相談しないといけないこともあると思いますので、教育委員会を中心にこの問題に対応するようにしなければならないと思います。
また、いろんな、進学とかの問題もやっていただかなければいけませんから、ここはよく調べていただいて問題のないように、私からも教育委員会に指示をしたいと思います。
【記者】 大学の一般教養のように、幅広く学んで知識を深めようということがだんだん少なくなってきて、受験勉強に必要な知識だけを詰め込んでいこうという昨今の風潮が招いてしまったような感じがするんですけれども。
【知事】 いろんな社会環境があると思います。今になるとたくさんのことをやっておったほうが役に立っているとは思います。いろんなタイプの学校がありますし、みんな一生懸命大学を目指すということも事実だと思いますが、それとは別に、必要なことは日本の教育としてやらないといけないわけですので、そこを十分調べてもらって、子供たちにも問題のないようにしなければなりませんし、福井県の教育として信頼のある教育を進めなければならないと考えています。
【記者】 九頭竜川パイプラインについてですが、9月定例県議会の前に北陸農政局が農林水産部長に説明に行きましたが、9月定例県議会の議論を踏まえて、北陸農政局が正式に知事にあいさつに行きたいという意向を持っているんですが、このパイプライン事業について、現段階で農政局とお会いになる時期はいつごろだと考えているのかお聞かせいただけますか。
【知事】 必要な事業ではあるけれども、県議会でも答弁したように、県民の大事な税金を投入して行う事業ですので、その実行に当たっては、効率的に、また県民や具体的に受益を受ける農業者の皆さんの理解もしっかり得なければなりません。
それから、コスト縮減の可能性とか、その他の事業費の増加がないのか、いろんな路線は見直しができるのか、新しい技術は得られないのか、契約方法をどのようにやっていくのかとか、実務的にいろんなことを確認して、そうした上でこの仕事を進めていくということだと思います。そういうものが、ある程度確定できるかなというところでやるということになると思います。急いで国がやられるし、我々もその話を聞くということですね。
【記者】 知事は、九頭竜川パイプラインの議論は、9月定例県議会で議会としては終わったとお考えになっているのか、まだ、次回、12月県議会でさらなる議論が必要だと思っているのかはどうですか。
【知事】 それは県議会で聞いてほしいですね。
【記者】 年内にも(農政局と)お会いになってもいいということですか。
【知事】 議論をある程度確定しないといけないですね。これからでも、こういうふうにやろうという約束をしておかないといけないですね。足羽川ダムでも同じですが。
【記者】 今は、ボールは県にあると考えていいんですか。
【知事】 ボールは国にありますね。ただ、ボールがどっちにあっても、みんなで支えないといけないと思います。
【記者】 農政局として、いずれ、知事には正式に説明に上がるという意向はあるようですが。
【知事】 当然、協議しなければなりませんから、そういうことになります。
【記者】 確認事項というのは、県と農政局と両者で行うと考えればいいですか。
【知事】 国からのお話があるから、そういう意味で先方に会うということです。しかし、協力して一緒にやらないといけないということですね。そういう事業ですから。あくまでも国営の事業で、我々は負担をしていき、地域に受益が及ぶ。その受益が及ぶけれども、税金を使うわけだから、効率的にしなければならないという構造です。
【記者】 足羽川ダムのときと同じように、国とも、何か協定のようなものの必要性は感じられていますか。
【知事】 国も同じようにお考えだと思いますが、何らかの格好でそういう性質のものを必要とすると思います。
【記者】 それは文書でということですか。
【知事】 常識的にそうですね。
【記者】 土曜日に新快速が敦賀に乗り入れましたが、知事はいろんなあいさつで、ダイヤを便利にしないといけないということを何度も強調されていたと思うんです。現時点での知事のダイヤに関する問題意識とダイヤ以外のいろんな活性化策などのお考えをお聞かせいただければと思います。
【知事】 JRは1カ月ぐらいすると利用状況を調査されるようですから、そういうものを見なければなりませんが、今は、我々としては、できるだけ利活用をして、ダイヤを改善していくのが基本だと思います。これは鶏と卵どちらが先というのではなく、両方だと思います。活用するとダイヤがよくなる、ダイヤがよくなればまた利用するということだと思います。それは、関西方面もそうですし、中京方面の議論もこれからしていかなければならないと考えています。
【記者】 具体的には、現時点でどこが問題だと考えてらっしゃるのか。
【知事】 回数と時間帯がさらに便利になるといいと思います。特に、午前中に空白時間帯があると思います。ちょうど大阪に対して、敦賀は播州赤穂と対照的な位置にあるんです。ちょっと敦賀のほうが遠いかもしれませんが。両方のダイヤを見ると、まだ敦賀のほうの本数が少ないとか、時間帯もちょっと播州赤穂のほうが乗りやすいとか、いろんなことがあります。
もう1点は、米原・大垣方面ですね。あそこで接続が切れているという問題があります。始まったばかりですから、すぐにダイヤを変えるという話ではありませんが、ダイヤを見直すたびに少しでも利用しやすいようにするのが我々の勤めですので、そのように申したわけです。ダイヤは半年ごとに変えるのだと思いますので、そのタイミング、タイミングで申し入れをして、少しでもよくしていくことが大事だと思います。
【記者】 原発関連で2点お聞きします。1点目は、美浜3号機についてですが、今月中にも本格運転の予定だったんですが、ご遺族の意向もあって、関電は、1月中旬に本格運転を始める意向ということですが、それについて改めて感想をお聞きしたい。第2点は、国が原発の耐震安全性について新しい指針を策定して、現在、電力会社が調査計画を策定して、国に報告して、それから調査が始まるわけなんですが、それに関連して、原電の敦賀3・4号の着工時期が遅れる可能性が出ているんですが、この点についてどのようなご感想をお持ちであるか、この2点をお聞きしたいと思います。
【知事】 美浜3号機の問題について、ご遺族に対するいろんな対応については、美浜3号機の事故以来、我々が関西電力に対して、お会いするたびに、最も大事な課題だということをいつも申し上げているのはご理解していただいていると思います。したがって、今、大体の見通しを出されたわけですので、誠意を持って、責任を持って、ちゃんとやってほしいというのが私の考えです。電力会社自体が責任を持ってその問題を解決される話です。
敦賀3・4号機関係については、日本原電としては国の耐震指針の改定に伴い、敦賀3・4号機の建設工程への影響を検討して、1カ月後を目途に報告するということになっていまして、具体的な建設工程への影響については、現時点では我々は聞いておりません。耐震問題は、安全にかかわる話ですので、国において厳正な安全審査を行うということが基本ですから、必要な調査であると考えています。
なお、この原電3・4号機の建設工程の再検討に当たっては、現在進められている準備工事の計画も含めて十分に調整をして、安全を優先しながら、一方で、電力の供給という課題があるわけですので、着実に実施されるように検討していただきたいと思います。我々もそうした対応をしなければならないだろうという状況です。
【記者】 エネルギー開発拠点化計画についてですが、先ほどおっしゃったようなFBRの開発、新たな課題について、今度、12日に開かれて、いろんな話をしていきたいということですけど、最近、滋賀県の余呉町で高レベルの放射性廃棄物最終処分場の誘致の話が出ています。いわゆる廃棄物の問題について、これまで中間貯蔵施設を含めて県外が望ましいというお話をされているんですが、FBRという話で、サイクル全体の話になると廃棄物の話というのは避けて通れないと思うんですね。福井県の場合、原発を誘致した立場で、大量に廃棄物を出すわけですけれども、そういう面で、この拠点化の会議の中に廃棄物問題を取り上げる考えはないのかということが1点です。
また、改めてお聞きしたいのは、中間貯蔵の話は、前からおっしゃっている、県外ということでよろしいですか。
【知事】 後段はそのとおりです。
【記者】 前段はどうですか。
【知事】 廃棄物というのは今のところテーマには直接なっていないように思います。
【記者】 例えば廃棄物を考えて、その研究拠点というのはどうですか。
【知事】 協議会でいろいろ議論しているわけですが、そのテーマは直接上がっていないように思います。
【記者】 知事自身も考えていないんですか。
【知事】 考えていないですね。
【記者】 駅西なんですが、地権者合意のリミットが決まっていると思いますが、知事として、何かお考えがありますでしょうか。
【知事】 福井市では19年度から駅前の広場の整備に着手する予定で、18年度末に都市計画決定を行うこととしています。我々としては、市ができるだけ早い時期に基本計画を取りまとめたいということですので、それを応援するという状況だということです。
今、市長さんが病気療養中ですので、いろんな課題があると思いますけど、それはそれとして、市を中心にスケジュールどおりやっていただきたいと思っています。
【記者】 連続立体交差事業についてですが、えちぜん鉄道の乗り入れ工事がスケジュール的に若干遅れているようですけども、今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
【知事】 えちぜん鉄道の高架化の切り替えは21年度ですか。今、国、鉄道運輸局といろいろ協議をやっている状況で、その中で工期の短縮に努めて、一日も早く完成できるようにやりたいというのが今の基本的な考えです。
【記者】 遅れているというのは、かなり問題というか課題を持っているということなんですか。
【知事】 途中で、平面でやれないかとか、以前決まっている事柄について福井市などからご意見がありまして、そういう話を1回我々は確認する必要がありましたので、お聞きする作業があったということです。現在のところ、大体の考えはまとめられたので、現状どおりいこうという状況です。
── 了 ──
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