知事記者会見の概要(平成19年5月11日(金))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002687

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平成19年5月11日(金)
10:30~11:35
県庁 特別会議室

記者会見

 

 〔参考資料〕知事談話


 

【知事】  今日は、今回の人事異動等、機構改革についてご報告したいと思いますので、よろしくお願いします。


 お手元に談話という形でお配りしていますけれども、新しいマニフェスト「福井新元気宣言」に基づきまして、1期目の「福井元気宣言」を引き継ぎながら、これをもとに、4つの元気、元気な社会・産業・県土・県政という政策を基本にしながら、福祉・教育・文化・環境を充実し、県民の暮らしを高めていこうということです。このため、これまでの組織体制についても基本的には継承しながら、新しいマニフェストの実現に向けて、新しい課題に対応するための組織の再編、機構改革、人事異動を行うものです。

 また、県の仕事の進め方をレベルアップさせるために、政策効果重視の政策推進マネジメントシステムをさらに発展させるとともに、行財政改革を一層推進してスリムな県庁を目指したいと考えます。

 以上のような考え方に基づき、19年度の機構改革及び定期的な人事異動を以下のように実行します。


 まず、機構改革についてです。

 1つは、教育力の向上、文化創造ということで、これはマニフェストにも書いてありますが、「教育・文化ふくい創造会議」の開催をこれからいたします。このため、教育庁に「教育政策課」、これは教育政策全体と同時にこの創造会議などの事務局的な部分も担うことになると思います。そして、教育や文化全般にわたる政策の企画立案・実行力を強化したいと思います。

 「教育・文化ふくい創造会議」については、教育委員会が中心にやっていただくことになると思いますけれども、新しい教育長、教育委員会のもとで会議をつくって、ざっくばらんに自由な感じで議論していただくのがいいと思います。そして、福井県の教育の改善をするところを長期・短期に分けて、論じるところはしっかり論じ、そして、直ちに改革をして実行すべきところは、子供たちの学校の生活状況にうまく合致するような形で、タイミングを見て実行することが重要だと思います。今、国では教育再生のための会議を設けておりますけれども、これを福井でどのように応用するのか、また、何か福井として課題があれば異議も申し上げなくてはなりませんし、そういう役割も担っていくことが重要かなと思っております。

 次に、放課後子どもクラブです。

 これは、放課後の子供の問題というのが全国的にも問題でありますし、私も1期目の座ぶとん集会や選挙なども通じて、学校のこともあるけれども、放課後の子供の居場所がどうなっているんだとか、何となく時間の過ごし方が不十分だとか、あるいは安全の問題とか、いろいろ気になることが多いという保護者やおじいちゃんやおばあちゃんの声を聞いているわけです。

こういう問題についてどのように対応するかということですが、現在は、2つの省庁に分かれています。文部科学省の教育的な部分と、福祉的な部分で保育所の延長のような格好の厚生労働省の2つの系統に分かれておりまして、指導者の体制とか、あるいは子供たちがいる場合におやつをいただけるかどうかとか、どこの場所でやるとか、いろんなことがあります。  

そういうものを総合的に地域の実態に応じてやるべきだろうということで、福井県独自に「放課後子どもクラブ」ということで一本化し、教育庁の義務教育課に所管を一元化して、全体を子供中心ということでやってもらうということでして、全小学校区での設置を目指して、義務教育課に職員を増員して積極的に進めるということです。

 3つ目は、女性活躍社会の関係です。

 あらゆる分野で女性の進出・活躍を支援するため、総務部の男女参画・県民活動課に女性活躍支援センター担当の参事を置き、準備を進めます。今年の夏ごろ「女性活躍支援センター」、これは生活学習館が適当かと思いますけれども、創設し、対応したいと思います。また、女性活躍会議も、名前は変わりますけど、引き続き中身を変えて開催したいと思います。

 また、県庁自身も先進的に女性の活用・登用を拡大し、その場を広げたいと思います。後ほど人事異動、8ページのところでご説明します。

 それから、2ページの子供の安全・安心ですが、今、教育庁に、青少年健全育成といいますか、有害図書の問題とか教育の分野からの青少年育成課と、安全環境部に、子供全体の安全を守ろうという課があるわけですが、これを統合して、安全環境部に県民安全課を設置したいと思います。

これによって、「子ども安心3万人作戦」と、地域防犯活動を一元化して、子供たちの安全・安心をやりたいと思います。もちろん、青少年の健全育成というのはモラルや道徳などいろんなことがありますが、これは教育全体で進めなければならないというのは、当然だと思っております。

 それから、人権施策の推進ですが、今は、健康福祉部の地域福祉課に同和対策室がありますが、これを人権室とします。中身としては、同和問題はもちろんありますが、啓発相談、拉致被害者の支援、子供の虐待、高齢者・障害者の人権問題など、広く県民が、人として一生を送られる場合の基本的な尊厳といいますか、人権の問題について、こちらで総合的に取り扱って対応したいと思っております。


 次に、産業についてです。

 政策会議の実施ということで、これもマニフェストで明記をしておりますが、県政に関する各政策分野、これは多方面にわたると思います。したがって、我々、福井の県庁自体としても全力でこの問題に取り組む必要がありますし、勉強も必要ですが、なかなかそれだけでは十二分とは言えませんので、有識者、第一人者からのいろいろなご意見、これは東京などでもお伺いすることがあり得ると思います。

 例えば、南青山の291なども活用してお聞きするとか、いろいろなことが考えられますけれども、私自身や関係部局長など、直接、提言や助言を受ける政策会議を時宜に応じて実行しますし、また、こうした方々にも福井のことを知ってもらおうということを目指したいと考えます。

 この会議においては、経済新戦略の総合的な問題解決、さまざまな分野での先進的な施策例の実際について論議をしていただきたいと思っております。

 なお、これまでの経済社会活性化戦略会議、これは吉野浩行・ホンダ前会長とか、新町光示さんとか、あるいは堀田健介さんとか、また地元の皆さんがメンバーになっておりますけれども、これは少しメンバーの交代もあるかと思いますが、継続して進める形になると思います。

 次に、全国植樹祭の準備関係です。

 2年後に全国植樹祭があるわけですが、農林水産部に準備室を増員、5名を12名体制にして推進します。また、植樹祭を担当する技幹を置きます。これは植樹祭だけではなくて、森林政策全体を植樹祭を機にやらなければなりませんので、双方を兼ねた技幹を配置し、県民運動も広げていきたいと思います。

 それから、同じく3ページの一番下ですが、県庁と出先機関の政策連携についてで、これからはやはり、県庁の建物の中はもとより、出先機関との密接な情報交換あるいは連携、共同の政策論議が必要ですので、そういうことを目指したいと思います。なお、その中で特に水産関係については、出先機関が県内各地に分散しておりますので、水産振興を担当する技幹は水産試験場長を兼務します。これは新しいことですが、連携をし、福井の水産業とか食の問題とかを総合的に連携して進めようということも考えております。こうした本庁と出先機関の有効的な連携を全般的に進めるというテーマかと思っております。


 次に、4ページ、元気な県土づくりです。

 総合政策部に電源立地地域振興課とまちづくり支援課がありますが、「地域づくり支援課」に統合します。これにより、電源三法交付金などを活用しながら、総合的な魅力ある地域づくりを応援します。

一方で、まちづくりについては、福井市の西口中央地区開発などをより具体化し、新幹線の整備とも関係するわけですが、これの所管を土木部に移して、具体的な連携を福井市などと一緒に進めようということです。状況が変わってきましたので、それに応じて体制を変化させていくことになると思います。

 次の、敦賀港・福井港の利用促進と企業誘致ですが、企業誘致課に「敦賀港・福井港利活用チーム」を設置します。敦賀港については、鞠山南多目的国際ターミナルが14m岸壁で今年度中の完成を目指しているわけですが、その供用開始に向けて産業労働部と土木部が連携してポートセールスを行う、また、これはハードとソフトといいますか、利用促進を連携する事業です。それから、福井港についても、幸いにして関税法上の指定を受け、入港が進んでおりますので、テクノポート地区のさらなる活用ということで、企業誘致、ポートセールスを強化したいと思います。


 それから、元気な県政では、環境問題です。

 マニフェストにおいて、自然環境あるいは生活環境の日本一を目指そうという計画をつくろうということですが、安全環境部に有識者による「環境ふくい創造会議」、これは、仮の名前と思っていただいてもいいかと思います。環境福井政策会議になるかもしれませんし、福井環境会議になるかもしれませんが、大体こういうことを目指した会議を開催するとして、環境問題全般について日本一を目指した計画をつくろうではないかということです。

 それから、次に、「課題解決プロジェクトチーム」についてです。

 部局が連携して早期に解決する必要がある課題について、全部局横断のプロジェクトチームを編成し、方針を出し、終わったら解散し、また新しい課題に取り組むというシステムを入れたいと思います。例として、女性活躍センターをどうするかとか、連続テレビ小説と連携した情報発信とかがあり、右側にその中心となる部が書いてありますけれども、その部のほかに全体と連携して随時会議を設け、方針を出していく、実行するということです。

 なお、ここには書いてありませんが、3年ほど前に「ふくい2030年の姿」というのを県庁の若手職員が自分たちでつくりましたが、そうした作業についてもさらに新しいものをつくっていくことも大事だと思います。

 次に、6ページです。政策を評価しながら、Plan・Do・See、計画し、実行し、その状況を見て、またというサイクル、この分析を強化したいということで、政策統計室を分離して、「政策統計課」を設置します。

これまで、失業問題とか環境問題などいろんな政策を進め、実行してきましたが、こういう大事な課題について、実は福井県のきちんとした統計がないということ、これは他の県も同じような状況になっていたわけですけれども、そういうことがあっては、政策の実行、よい計画もつくれませんし、その評価もできないということで、政策統計と他のいろいろな事業部門との連携、統計自体をより精度の高いものにして評価しやすいものにするものです。

また、マニフェスト自体もこれからはだんだん、ハード面の統計のみならず、アンケートなどでどう感じたとか、物事が進んでいると思うかとか、県民の安全は実感としてどうだとか、いろんなこういうことが出てくる時代ですので、そういうことなども進めなければならないだろうと。そして、政策を行うということです。APDSサイクルの説明は下のほうに書いてございますので、ご参照ください。

 それから、会計管理者の設置ですが、これは地方自治法の改正により、今回、特別職の出納長を廃止しております。そして、一般職の部長級の会計管理者を設置します。それに伴い、出納事務局が会計局になります。会計管理と会計と少し名前が違うんですけど、同じものだと思ってください。会計管理者というのは法令の言葉ですので、会計管理局と言ってもいいのかもしれませんが、ちょっとわかりにくい感じでしたので、会計局という名前にしてありまして、違うものではございません。

 それから、7ページですが、行財政改革についてです。これまで、人事企画課に行革と地域主権室があったのですが、行革に特化した行政改革室とします。そして、行財政実行プラン、改革実行プランを超えた改革を進める窓口になります。

一方、第2次の地方分権改革については、人事企画課から所管を移して、市町村課の自治振興室に地域主権的なものを移したいと思います。市町村の合併も終了しましたので、これから市・町との連携などが特に重要ですので、市町村課に移しながら全体的に自治振興の立場で分権を進めたいと思います。

 それから、職員数ですが、今、本県の一般行政部門の職員数は全国で最も少ない数になっておりまして、こうした中で今回は既に1年間で69人削減しております。4月現在で3,121名になっています。今後、「福井新元気宣言」実現のために職員のさらなる削減に取り組みます。「『福井新元気宣言』を実現するため職員を減らす。」という表現がどのような結びつきかということですが、少数精鋭で、しかし、ちきんとした処遇をしながら、熱意を持ってみんなで力を合わせて一致団結してやっていこうという意味が活字の裏にあると思っていただければありがたいと思います。


 次に、人事異動についてで、8ページです。

 5月17日付で人事異動者数は998名になると思いますが、前年度が1,047名だったので多少少ないと思いますが、人事異動を機構改革とともに実行します。

 副知事、教育長については既に議会のご同意をいただきましたので、5月17日付で選任することになります。

 次に、先ほど女性活躍社会のお話を申し上げました。女性職員ですが、先ほどの会計管理者が、出納長から部長級の会計管理者になるということですが、女性をそこに充てたいと思っております。一般行政部門では初めてかと思います。

 また、企画参事には、一般行政部門ではこれまで女性はいませんでしたので、初めて女性を充てたいと思います。さらに、9名の女性職員を課長級に登用することにより、課長級以上の女性の数は過去最高の19名、18年度に比べて3名増えるということです。もちろん、女性職員が増えることは重要ですが、女性職員に強い自覚を持っていただいて、頑張ってもらうことが必要ですので、両様相まって、女性活躍ができるようにしたいと思います。

 それから、若手職員を、積極的な視点で登用した結果、最も若い職員の年齢は、昨年度より、結果として、次長級、課長級、参事級への昇任がそれぞれ1歳ずつ引き下がった状況になっていると思います。

 それから、職種の枠を越えた職員配置ということですが、事務職と農業・土木の課長職の職種を越えた配置などを行い、管理職で延べ12名の配置を実施したいと思っております。主な人事異動の中身はそういうことで、具体的な職員の異動については後刻公表したいと思っております。

 なお、9ページ以降に各部の機構図がございますので、ご参照願いたいと思います。


 ここで、今回の議会等の承認も終わりまして、飯島副知事が長い間皆様方に大変ご指導をいただき、またお世話になったところですが、5月16日付で退任することになりましたので、せっかくですから、一言、皆様にごあいさつしていただきましょうか。


【飯島副知事】  それでは、お許しを得ましたので、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。

 私、5月16日付で福井県庁を退任いたします。平成12年4月に、福井県に商工労働部次長として着任して以来、7年余りとなりますが、皆様方には大変お世話になりまして、この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 この7年間でありますが、特に、西川県政1期目の前半の2年間は政策幹として、後半の2年間は副知事として、身に余る重責を担わせていただきました。西川知事のリーダーシップのもと、県職員の皆さんと力を合わせて、県政の発展のためにいささかなりとも尽力できましたことをうれしく思っております。幸い、西川県政、県民の皆様に評価をいただいておりますことが、何よりも私の誇りとするところでございます。

 これからは、5月17日付で総務省の行政管理局の管理官として、国の各省庁の全体の行政改革に取り組むこととなります。福井県で得ました貴重な体験を糧といたしまして、新しい職務に力いっぱい取り組んでまいりたいと考えます。また、このすばらしい福井県のために、異なる立場からではございますが、微力ながら力を尽くしたいと考えます。

 結びに、福井県のますますの発展と、お世話になりました皆様方のご健勝、ご多幸を心からご祈念申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。


【記者】  機構改革の冒頭の、元気な社会の「教育・文化ふくい創造会議」は、例えば年何回開催なのか、どんなメンバーなのか、具体的にお願いしたいのですが。

【知事】  教育委員会が中心になってこれからお決めになると思いますので、一般的な物の言い方として申し上げることになると思います。具体的には新しい教育長のもとで早々につくって実行することになると思います。

そういう前提で申し上げますが、まず、教育でもいろいろテーマがありますよね。例えば、文化というとかなり広いですから、1年なら1年間、長期的に間を置いて会議の中でやるようなことになって、例えば1年後に結論を出すというイメージに恐らくなると思います。もう1つは、先生の教育力、裏を返せば研修のようなタイプのこと。それから、教室の中の教授法という分野が1つあると思いますね。また、もう1つのタイプとしては、30人学級とか、学校のシステムといったものをどうやって見直すかということが系統としてあると思うんですが、そういうものを並行的に走らせることになると思います。

 そして、特に、個別の文化以外のテーマについては、ある程度一定の短い期間で方針が出れば、あるいは、意見をもとに教育委員会を中心にこういうことを実行していこうと、こんな格好で、例えば9月から実行できるものは実行するとか、財源のあるものはやるとか、そんなやり方になると想像されます。

 それから、メンバーは、県の教育や文化の代表の方とか、あるいは、県外で全体的に日本の教育なんかについてお考えを持っている方も多少は参加されるようなこともあると思います。また、一般のご父兄の方もいらっしゃるかもしれません。そんな感じになるのではないかなと想像します。

 いずれにしても、教育委員会の新しい体制のもとでお考えいただいて、精力的に進めていただくということかと思います。

【記者】  人事異動で、部長級や企画参事に女性職員が初めて出てこられた、これまでいなかった理由というのは何でしょうか。

【知事】  なかなかそういう方が育ってこなかった部分もあるでしょうし、日本全体の社会環境があったかと思います。ただし、行政としては、流れに先立って女性の方に頑張っていただくということはチャレンジしなければなりませんので、それによっていろいろな問題も解決していくと。また、課題も上ってくるかもしれません。それはそれとして、頑張ってもらわなければなりません。

【記者】  政策会議というのは、メンバーを固定してということではないということですか。

【知事】  固定しないんでしょうね。

【記者】  例えば、年にどれぐらい、テーマを決めて、何回開くか、その辺の目途というのはどういう感じになりますか。

【知事】  普通の審議会みたいなことではなくて、比喩的に言いますと、勉強会的になると思いますし、かなり臨機応変にやらせていただきたいと思います。そういうやり方でやるということを皆さんに知っていただきたいということで、今日、申し上げているわけです。

【記者】  例えば、想定されるのはどういう方ですか。

【知事】  今、東京などで福井県出身で活躍されている方が非常に増えていますよね、企業のトップとかリーダーの方で。そういう方には、特に福井県のためにご意見を聞きたいと思います。そして、福井県のことも十分ご理解願えていないこともあるかと思いますので、わかってほしいなと思うんです。できるだけ簡素にやらせてもらいます。

【記者】  例えばテーマは、ある程度想定されているものはあるんですか。

【知事】  テーマは、ここに書いてありますようにいろいろありまして、特に経済の新しい戦略とか、観光にしてもブランドにしても、最近いろんな話がありますが、福井の人にいかに戻ってもらえるかとか、あるいは、税財政制度がどうだとか、そんなこともいろいろあるかもしれませんね。もっと国際的な話も出てくるかもしれません。

【記者】  機構改革の中で、一元化とか統合とか連携強化という言葉がいっぱいあるんですけれども、政策の質の向上というのが1つのキーワードかなと思うんですが、改めて、知事が苦心された点についてお聞かせいただけないでしょうか。

【知事】  それぞれの所管で全力を尽くしているところはあるんですが、これからの行政とか政治というのは、横割りといいますか、横断的にやらないと仕事にすき間が出たり、あるいは、1つだけでやっているより、3つと連携してやったほうがすごく効果が何割も上がるというところが非常に多いと思うんです。

これは、県庁の中もそうですが、県庁と出先とか、あるいは事務的な部門と技術的な部門、こんな区分がどれぐらいの意味があるのかわかりませんが、そういう伝統的な区分によって、それぞれの仕事を互いに限定してしまう傾向をなくさなければならないと思います。

 我々県庁の中、あるいは出先で、福井県としてそういうことを進めると同時に、福井県の中で閉じこもっていますと、大都市やグローバルな問題との連携ができなくなりますので、今お尋ねいただいた政策会議とかでオープンな形で進めないといけません。

福井県はそんなに大きい県でもありませんし、その力を発揮するためにはそういうことが特に重要かと思いますので、そういうところに特に関心を持って、機構改革を行うと同時に、あとはスピードを上げるといいますか、急ぎ過ぎる必要はありませんが、のんきにやらないといいますか、急がなければならないところはきちんと急ぐということかと思っております。そういうやり方を皆さんにお願いしたいと思います。

【記者】  それは「縦割りの廃止」という言葉に置きかえても構わないんでしょうか。

【知事】  縦割りというのは責任の系統ですので、なくなるわけではありませんが、そういう縦割りのしっかりした体制の中で、横割りを強く加味するということですね。俗っぽくはそういうおっしゃり方でも間違いではないと私は思いますけど。

【記者】  行財政改革と関連してなんですけれども、人事企画課から市町村課に地域主権関係の所管を移すということなんですけど、これは地域主権に関して、国と地方の役割分担などについて国に対して積極的に提言すると書いてあるんですが、具体的にはどういったことをされるんでしょうか。

【知事】  これから地方分権が進みますと、国もいろいろな新しい制度の企画立案をしますが、国から一方的に地方自治の制度とか財政制度とか税制制度とか、あるいはまた憲法の問題とか道州制などいろいろありますけれども、やはり我々の声が上がらないと、あらゆる問題が中央的になってしまいますので、それを避けなければ日本の仕組みとしてはよくありません。

また我々と市町の関係も同じですよね。市や町からどんどんいろんな意見が出てきて、我々もいろいろ申し上げますが、新聞やテレビなどの紙面で市町がいろいろ頑張っている記事が出ていく時代だと思いますので、そういうことを目指したいと思うんです。

【記者】  より具体的に言うと、あとは各市町などと話し合いながら、こちらの自治振興室のほうから国に対して提言するということですか。

【知事】  そうですね。陳情を受けて何とかというのじゃなくて、重要テーマがあったら、それを一緒に議論していく。自分たちも勉強して、積極的にいろいろアイデアを出していただいて、東京や政府でそのアイデアが国の施策になるぐらいの気概でやらないといけないと思いますね。

【記者】  政策会議についてですけれども、既存の経済社会活性化戦略会議も継続されるとおっしゃいましたが、これを並行するというのは、政策会議の中で経済とかブランドとかおっしゃって、それと大分かぶる部分があると思うんですけれども。

【知事】  多少、片方は個別的で随時になりますから、かぶってくることはあると思います。

【記者】  政策会議のほうは随時ということですか。

【知事】  ええ。ただ、経済社会戦略というのは、景気や雇用がよくなったからといって、そんなに安心してもおれませんし、新しい産業政策課題というのは絶えず総合的に考えなければなりませんから、それはそれとして進めていくということです。

 今、計画推進はベースで幸いにして4年間でできていますから、それを見直しながら新しいものを入れていくということだと思います。ただ、従来のように、この分野のご意見はどうですかとか、そういう方向で4年間はやってきましたけれども、大体そういうやり方が落ちついてきましたので、もう少し弾力的に、ざっくばらんな方法で、いろいろ意見を言い、また、県庁の各担当部長とか関係者も自分の意見を出して、討議していただくというか、ご意見だけを伺うんじゃなくて、そういうやり方がいいんじゃないかと思っています。

【記者】  双方向みたいな感じですか。

【知事】  そうですね。4年間、十分お聞きしましたので、今度はこういうやり方がいいのかなと。そのとおりいくかどうかはわかりませんが。

【記者】  戦略会議のときはオープンでしたけれども、政策会議もオープンですか。

【知事】  原則オープンですね。よほど不都合なことがあれば別ですが、あまりそんなことはないんじゃないかと思います。

【記者】  女性活躍支援センターを創設というのは、生活学習館の中に入れ込むということですか。

【知事】  その一部の機能ですね。

【記者】  政策会議と今度新しく「教育・文化創造会議」と「環境の創造会議」もつくられていますよね。また、女性会議もありますよね。こういったものというのは、同じテーマで政策会議を開くようなこともあるんですか。例えば教育テーマだとか。

【知事】  政策会議のほうはテーマよりも、相手の方に力点があると思います。もちろん、その方が環境の専門家だったら環境の話になりがちですけど、その人というか、そういう感じになります。

【記者】  「教育・文化ふくい創造会議」についてなんですけど、この会議自体の位置づけとしては、提言をいただくような会議になるのか、それとも具体的な施策をつくっていくような会議になるのか、位置づけはどちらでしょうか。

【知事】  政策を具体的につくるのは教育委員会じゃないかと思います。これからやっていかないといけないですから。いろいろご意見をいただいて、それを教育委員会がこなして、みずからのことで学校現場に、あるいは家庭との関係で実行できるかというのが重要ですので、あまり空論、抽象論だけで政策にはなりませんから、そんな感じだと思うんですけどね。

【記者】  いろんなテーマがあるとおっしゃいましたけど、それは例えば下にいろんな作業部会等を設けるのですか。

【知事】  いや、そこまでやっていいのかどうか。ちょっとややこしくなり過ぎるかもしれませんね。マニフェストに大体の関心事は一応私なりに書かせていただいており、これは教育委員会でまた練り合わせが要りますから。

【記者】  女性活躍支援センターをつくることでどういう効果を目標にされているのですか。

【知事】  今、女性活躍と言葉で抽象的に言いましたが、それだけ言ってても、あまり活躍できないんですよね。つまり、どの分野の人は次の段階として何が要るか、それは研修なのか、啓発なのか、企業に対してどんなことをするのかとか、そういう分野ごと、段階ごとにいろいろありますので、それをできるだけ仕分けをしながらいろいろやっていくということが大事かなと思うんですね。ですから、女性活躍支援センターはそうしたことをきめ細かく応援するということを目指すべきと思います。

【総務部長】  アイデアとしては、例えば、今、知事が言われたようにいろんな場面があります。例えば、役所もそうですけど、各企業でもそうです、地域でもトップになるような方が今なかなか育っていないということがありますので、そういう方を育てる部分もあります。

それから、子育てを終えた方が就職したいとき、就職支援についてはマザーズハローワークのような、直接的に仕事につく話は相談に乗ってくれるんですけれども、仕事をしたらいいのか、ボランティアに行こうかとか、女性が子育てからまた社会に出るときに、いろいろな悩みを仕事と必ずしも重ならないでお持ちの方なんかもたくさんいらっしゃると伺っています。そういった相談窓口をつくったり、活躍する女性がネットワーク化するときの橋渡しをさせていただいたり、それから、企業さんの中にそういった女性が活躍できるような場をどうつくっていくかというような、そういう方を何とか配置していただけないかとか、そういうことをこのセンターを中心に検討したり具体化していただくようなことを考えております。

【記者】  女性が活躍するということですが、今までが十分じゃなかったということではないんですね。

【知事】  この場にも女性の方はお二人ですね。それでいいということもあるかもしれませんが、どんどんいろんな方に出ていただいたり、いろんな場でそうじゃないでしょうか。

【記者】  女性の関係は部局横断にもなっていますけれど、センターをつくってすれば、今、部長がおっしゃったような労働関係の問題も絡んでくれば、環境整備など、子育ての関係も結構絡んでくると思うんです。その辺の部局横断で、これまでとどんなふうに進め方が変わってくるのですか。

【知事】  これまで生活学習館というのは生涯学習と女性支援の2つの機能を持っていたんです。もちろん生活学習ということで生涯学習はあるんですが、女性の活躍支援という面では非常に一般的で、具体的でなかったと思います。

これは特定の理念をつくり出すことじゃなくて、今、部長もちょっと具体的なお話をしましたけれども、実際に福井の女性がこれからそれぞれの局面で何かをやろうとするときに、それをうまく応援して次の段階に移れるようにしないと、本当の活躍の社会にもなりませんし、支援という言葉にも当てはまりませんので、それをやるということなんです。ただ、それがそんなに簡単にできれば、女性が活躍する社会はすぐ実行できるんだけど、なかなか難しい。だけれども、それを試行錯誤しながらやっていこうというセンターになると思います。

【記者】  課題解決プロジェクトチームなんですが、これは現在も部局横断的なプロジェクトチームがあると思うんですが、現在の既存のプロジェクトチームとの違いがいま一つよくわからないんですが。

【知事】  もう少しテーマをはっきりして、期限をつけてよく見えるようにやりたいという気持ちがあります。みんなで相談して何とかやったんだというような理論的な話じゃなくて、目に見えるように、今、何をやっている、こうだどうだといって、それを関係部長に話してどうですかというような進め方、言葉ではあまりはっきりしない言い方になりますが、目に見えてアクティブな期限をつけた方針を出していこうということですね。1年間、プロジェクトチームをやってどうなったんだといわれて、あそこの予算にはそんなふうになっているでしょうと、そんな話にはならないようにしたいと。

【総務部長】  知事がおっしゃったとおりで、わかりやすく言えば、今までのチームというのは名簿にも載っていて、どちらかというと組織的なイメージのものでしたけれども、5ページのような課題、女性活躍支援センターもありますけど、「ちりとてちん」を使った情報発信とかですね。このような課題が出てきたときに、その課題を解決するために集まって、二、三カ月、どっと仕事をして、施策化して解散する。こういうような課題というものを中心にチームを組んでいくという発想で、組織的なものからそういった一つ一つの事象に直接対応していくようなシステムに変えていこうという考え方です。

【記者】  電源立地地域振興課とまちづくり支援課を統合して地域づくり支援課にするということですが、現在の電源立地地域振興課は嶺南を中心とした地域振興の色合いが強いですけど、地域づくり支援課という名前にしたというのは、交付金や助成の使途を全県に広げたいという思いですか。

【知事】  そういう特別の思いはないですね。そういうことをねらっているような意味はありません。

【知事】  こういうお金で福井県全体に利用する部分はもちろん何割かあります。そういう話ではなく、地域づくりやまちづくりの中で、具体化するものは、いわゆる建設的な話になりますから、まず土木に移さないといけないと。それを移して、そして電源とまちづくりの一部について、具体的に地域ごとに、さっき市町の話もありましたが、個別課題を取り上げて、敦賀市なら敦賀市、あるいは一部、越前市なら越前市であるかもしれませんが、そういうことで具体化をしていこうということです。

【記者】  今回、新たな部は新設されていませんが、課は幾つか新しいものが。

【知事】  そうですね。あまり組織は変えておりません。

【記者】  トータルで課の数というのは?

【人事企画課】  知事部局は59で、教育庁等を合わせますと74です。課の数は変わっておりません。

【総務部長】  課の数は59で変わりませんが、室については知事部局で25を21にと4つ減らしております。

【記者】  飯島さんが副知事になられたときに副知事2人制になったわけですけれども、引き続き副知事は2人制を堅持されるということでよろしいのか、そして役割分担も変わらないということでよろしいんでしょうか。

【知事】  今、条例が2人制ですから、現状、2人制で続けていくと。それは、その時々の状況でいろいろ変わることはあり得ると思います。そんな考えです。

 それから、業務については、山本副知事は産業政策などを中心にいろいろやっていただいていますが、筆頭の副知事として全体を統括していただいています。新しい旭さんはずっと県庁におられましたから、実務的な部分がメインであると思います。特に所管がどうだというふうにはいたしません。

【記者】  今、話題になっている「ふるさと納税」のことを2点お尋ねしたいんですけども、知事は、かねてからこの制度の導入について提唱しておられるわけですが、先日、自民党の中川幹事長がある講演で知事の名前や提言を引き合いに出して導入に強い意欲を示されているということで、その点についてどう受けとめておられるのかというのが1点。

あと、制度設計に関しては、これから6月ごろにも議論が始まるということなんですが、知事はふるさとに対する寄附の税額控除を提唱しておられるわけですけれども、そういった形になると、納税者がふるさとに寄附したいと思えるような魅力的な政策を打ち出していくことが大事になってくると思うんですけれども、その点について、今回の異動、機構改革と絡めて知事のお考えを改めてお聞かせいただきたいと思います。

【知事】  今日も新聞などにも載っていますね。今回の「ふるさと納税」ですけれども、制度については、最近、自民党とか政府で議論が始まるような動きがありますけれども、従来から本県独自に個人所得課税の税額控除方式のふるさと寄附金控除という案を提案してきており、そういうことを国でいろいろ考えていただくというのは非常にありがたいことでありまして、大いに検討し期待をしたいという気持ちです。

 〔参考資料〕税源偏在の是正に向けて

 お手元へひとつ参考に配っておりますが、2年前ぐらいから、具体的に皆様に申し上げており、また昨年もいろいろなところで発表していますが、今、福井県をはじめ全国の地方県では18歳ぐらいまでは地元で子供を育てているわけですが、高校卒業とともに東京などの大都市に人が流出してしまい、福井県では毎年2、3千人近い若者が県外に流出しています。

すると、毎年、総合すると4、5百億ぐらいはそこで租税が流出するという感じになるかもしれませんが、一方の大都市では、いろいろ努力はしておられると思いますけども、そんなに自己努力で人を集めているようにも感じられませんし、首都ということで企業の本社も集まっているということで給料も上がると、自然に税金が都市集中をするということがあると思うんです。

こういうことを続けますと、人材を輩出する地方がさびれて、中央で活躍する人材も逆に育たなくなるということです。今の日本の人の循環システムがぐるぐる回っているという認識をまず我々は持たないといけないと思うんです。

 そういうことになりますと、今の税金が、今住んでいる、例えばお正月に住んでいる住所地で課税をするという一種のフィクションがあるわけです。ですから、生涯を通して行政サービスと税負担のバランスをさせる税制、ライフサイクルバランス税制といいますか、よく世代間公平のある税制とかいろんなことを言いますが、これはライフサイクル間公平ということになるかもしれません。あるいは地域間公平、そういう税制というのはぜひ必要だということで、前々から私自身、また、福井県としてこういう寄附金控除の導入を申し上げているわけです。

 今日は、東京で税制の会議があるんだね?

【総務部長】  全国知事会です。

【知事】  そこでもう少しお話をすることになると思いますけれども、資料のイラストを見ていただくと、今、東京に真ん中の方がいらっしゃるとすると、まず左側の故郷、これが福井県だと思っていただくと、①ここに5万円寄附をするということですね。すると、②その自治体から「いただきました」という領収書を送らせてもらう。そうすると、その納税者は、③これを右上の税務署の確定申告の段階でその領収書をつけて税金を納めますと、④寄附した5万円のうちの2万5千円を税務署から還付してもらう。そして、税務署の仕様は、右のほうにありますが、福井県なら福井県庁に来ると。そして、福井県庁はそれを計算して、⑤住民税を納税者に、そのときに2分の1の税金がそういうふうに控除された税金になっている。そして、⑥住民の方は、2分の1控除された税金を納める。

つまり、5万円をある地域に寄附して、半分ずつは国と地方でそれが控除され、本人の実質負担は変わらないという一例ですね。これがすべてではありません。こういうやり方もあると。これによって、この寄附金の制度、今は所得控除制度で一部あるんですけども、税金を控除することだけで国から地方へ、あるいは大都市からふるさとへ、ソフトな形で、あまり制度をいじらなくて税源の移譲が緩和できますので、下の表にもちょっと書いてありますが、1割の税収を寄附すれば、税収格差が、現在2.2倍ぐらいあるのが2倍ぐらいに縮小するということで、いいんじゃないかと思うんですね。

 こういうことで、今おっしゃられましたように、国と地方とか、各自治体間でいろんな政策を切磋琢磨するということがあり得ると思うんです。

つまり、納税者は、東京に住んでいるとしますと、そういうサービスを受けているから東京都に税金を全部納めたいと思われる方はそれでいいんですけれども、そうではなくて、自分の生まれた県に1割くらい納めて、私は東京のサービスを受けるし、ふるさともよくなってほしいという、役所が選択するのではなくて、納税者が一定の範囲の中で選択されるということで、納税者全体のライフサイクルの中で、自然に受益と負担のバランスや公平のバランスが図られるんじゃないかということですね。だから、納税者が選択して、税源移譲され、格差も解消できるということで、なかなか新しい、いい制度ではないかと思って提唱をしているということです。

 大都市の場合には非常に民の力が大きいですから、都市の発展というのは、公ではなくて、民間の力でほとんど発展していますよね。そうなりますと、そこに何となく税金だけがたくさん集まっているというのは、そういう制度になっているからであって、そういうことを、こういうやわらかい税制制度で解消できるんじゃないかと思っております。

もちろん、この割合をどうするとか、あるいは国と地方でそういうことをし合うのか、地方だけなのかとか、いろんな選択もあります。できるだけ手数がかからなくて、かつ、公の課税当局が介入しないというのがこれからの税制の仕組みでしょうから、そういうやり方があると思います。ぜひ全国で、また政府でも議論していただくといいなと思います。なお、これから消費税をどうするかとかいう、全体の国と地方の税源配分はまた別途議論しなければならないと思います。

資料の2ページに書いてありますが、これは現在の国と地方の法人課税ですね。地方にある法人課税の一部を国に渡して、それと交換で、国の消費税を地方の消費税に一部ということになりますと、税金の格差が少ないですから、そこでバランスがとれます。そういうように基本にかかわる制度です。もちろん、税源移譲を国から地方にさらにシフトしなければならないという発想になりますと、これはその割合を変えていけばできるということになりますので、そういう二本立ての制度です。

今のふるさと寄附金控除は、現状の中で大都市と地方のアンバランスを割合、障害が少ない方法で解消できるだろうということです。

―― 了 ――
 

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