知事記者会見の概要(平成19年6月20日(金))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002684

印刷
平成19年6月20日(金)
10:30~11:40
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【知事】  本日は、19年度6月議会に提案する補正予算についてご説明します。


〔参考資料〕資料No.1 予算案の概要

 資料No.2 主要事業

 資料No.3 行財政改革実行プランの推進状況


 6月補正予算は、2期目のスタートに当たり編成した予算です。

これまでの4年間については、皆さんのご支援とご協力のおかげで雇用や福祉、治安など多くの分野で、全国に誇れるデータなども成果が上げられたんじゃないかと思っております。今回の予算案は、これまでの4年間の成果をより確かなものにしながら、県民の生活の質を高めるために「福井新元気宣言」に掲げた「元気な社会」、教育や福祉の問題ですね、「産業」、「県土づくり」、そして「県の行政の進め方」、その4つのビジョンの実現を目指しています。

 選挙を通じて、県民の皆さんといろいろな場でお会いしまして、マニフェストの内容を具体的に説明し、また、読んでもいただいたと思います。市内、町中、農村、漁村に至るまで、できる限り多くの地域を回り、そうした意見を踏まえて具体化をしたものです。

 特に今回は、産業の活性化や新幹線などの交通対策、あるいは環境対策などの重要課題をはじめ、教育力の向上、福祉、保健、安全の確保などに重点を置いております。

 予算編成上の工夫としては、行政が地域住民、ボランティアなど県民とともに活動する「共動」、共に動くという新しい行政運営スタイルをできるだけ取り入れるように努力しました。また、市や町との連携を一層密にしなければならないと考えております。

 さらに、職員の工夫により、特別の予算措置は伴わないけれども事業を行う、「ゼロ予算」、あるいは、「予算外予算」と言ったほうがいいのかもしれませんが、そうした課題にも取り組んでいますし、行革などにより、4年間で150億円の一般財源を確保することとしています。

 今回の予算では、事務事業の見直しなども行い、4年間で確保する一般財源の150億円のうち16億円を確保しました。この財源をもとに政策推進枠として189事業、予算額で77億円を計上しております。

 今回の6月補正予算の規模ですが、一般財源の歳入状況を踏まえるとともに、行財政改革実行プランに掲げた基本目標達成のため、マイナスシーリングを設定しておりまして、一般会計の予算規模は前年度比でマイナス3.2%となります。地方財政計画における伸び率は前年度比0.0%ですが、災害、激甚災などの激特事業などが数年間累積しておりますので、実質は地財計画の前年度0%ぐらいの実力かなと思っております。

 資料NO.1の表に補正予算の規模を示しており、一般会計で310億円余り、特別会計、企業会計の合計で364億円余りということです。

 県税収入は、18年度までの三位一体の改革による税源移譲が112億円あり、また企業の業績の回復等により82億円の回復部分がありますので、18年度の当初予算に対しまして、20%プラスで194億円増収になると思います。ですから、県税収入は1,000億円台を超え、1,164億円になると思っております。なお、その分、譲与税や交付税は若干減額という勘定です。

 先ほど申し上げましたように、災害関係の経費が徐々に減っており、投資的経費は177億円の減額でして、一般会計の伸び率としてはマイナス3.2%ですが、豪雨災害対策を除くと伸び率はマイナス1%ぐらいかなと思います。

 その他に、18年度は、県立病院の近くの子ども療育センターや看護専門学校など県立病院関連施設の整備、それから、アオッサの負担などの特殊事情が対前年度比で入っておりますから、伸び率はあまり伸びていないと思っています。

 それから、資料3にありますが、貯金の状況ですけれども、今回の予算で、財政調整基金等の取り崩しを85億円に抑えており、この結果、本年度末の基金残高は行財政改革実行プランで掲げた計画額165億円より83億円多い248億円の貯金は確保できるということです。

 そのほか、自主財源比率は40%以上を確保していますし、起債依存度については10%以内です。また、別の指標の起債制限比率については15%以内に抑えております。また、県債発行額と元利償還金額との比較、つまり借りるよりも返すほうが多いというのがプライマリーバランスで黒字になるということですが、12年度以降黒字を維持しており、本年度も黒字になるという財政バランスです。


 次に、資料2に基づいて、具体的な事業についてご説明します。

 1ページの「未来を託す教育」ということで、そのうち「ていねいな教育」と「きたえる教育」についてです。

 教育については、小人数学級の推進という観点から、本年度の当初予算段階で、中学1年で32人学級編制から30人学級編成となるなど、4年前の「福井元気宣言」に基づく「元気福井っ子笑顔プラン」は完成したことになりますので、今回はそれについては手を加えておりません。来年度以降、またどのようにするかというのをこれから議論することになります。

 これから次のステップに向けて、教員の子供への教え方、わかりやすい理数教育などの課題についても取り組みたいと思っておりまして、そのため、「教育・文化ふくい創造会議」を、県議会が終わったころから実務的に開催するような感じになるかと思います。この会議は、県内外の専門家、有識者を交えながら、テーマごとに2、3か月以内で結論を出すぐらいのスピードでやりたいと思います。

 それから、この会議の議論を待たず、既に問題点が明らかになって手をつけなければならないものがあります。それを今回の予算でやりました。これが幾つかあり、一つは「授業名人」、これは県内で15人程度の先生かと思いますが、こういう先生の授業を公開、活用できるようにしていきたいと思います。

 また、小学校13校における週1回の外国人講師による英語活動、それから、サイエンス教育については、観察、実験を補助する教員OBや大学生による「理科支援員」を小学校約50校に配置したいと思います。それ以外の新しい方策、追加的に行う政策については創造会議で議論し、実行していくというシステムをとりたいと思います。

 それから、文化の関係で、「いつでも身近に福井の文化」ということです。

子供たちが福井の歴史、偉人などを学んでほしいということで、「福井子ども歴史文化館(仮称)」、これは旧県立図書館、福井の東側の高志高校に近い方向にあり、現在、一部、子供用の図書館などにも使われておりますけれど、そこに歴史文化館を開館する検討を開始します。9月ごろまでにはこの施設の運営の基本的な観点、つまりコンセプト、施設の概要等、基本的な内容を決めたいと思います。

 なお、先ほどの、「教育・文化ふくい創造会議」においては、福井文化の振興もテーマにしておりますので、並行的に、この歴史文化館についてもご意見をいただけるものと思います。

 それから、福井県出身の文化勲章受章者で、昨年10月に亡くなられました白川静先生の文学研究の業績を顕彰し、今年は一周忌に当たるわけですので、フォーラム等の記念事業を開催したいと思います。また、学校教育の中にも「白川文字学」を漢字学習教材に取り入れていきたいと思っております。

 小学校の漢字教育というのは、毎週、国語の教科書出てくる漢字を、それぞれその日に覚えるということで、それはそれでいいんですけれども、あまり体系的じゃないんです。一、二、三と覚えたと思ったら、九が次のシーンで出てきたりするということで、その間の六、七、八はどうなるのと、ざっくばらんに言うとそんな話です。

小学校6年間で大体1,000ぐらいの漢字があると思います。それを、白川文字学の考え方を使って、大体こういうふうに覚えるのであってそんなに心配しなくて覚えられるからという、わかりやすい教育ができないかというのを今、教育委員会で考えております。一番子供たちにとって負担にならず、かつ、一方で大事な漢字学習がうまくいく新しい福井方式を導入できないかと考えております。

 それから、県立大学を中心とした大学連携についてですが、大学全入時代を迎えており、いろいろ特徴を出す必要があります。

福井大学の運営支援費がなかなか増えないどころか、逆に、相当減る可能性があります。これは、地域の大学にとって大変重要な課題ですから、明日は東京へ参りまして、そういう要請もやりたいと思っていますが、一方で、福井県内の大学全体の懇話会を設けて、十分な意見交換もやりたいと思います。そして、大学連携でいかに独自色を出すか、産業人材の育成とか共同研究ということを積極的に進めるシステムをつくっていきたいと思います。

 それから、スポーツについては、現在、スポーツ基金の性格や規模や運用活用について、庁内の課題解決プロジェクトチームで実務的に検討を開始しておりまして、一定の段階で県庁外の方の意見も踏まえながら基金をつくっていく必要があるだろうということです。この基金は、スポーツを楽しめる生涯スポーツ、競技力の向上の2つの課題に対応するものでなければならないだろうと思います。

 そして、5ページにありますが、8月25日から9月2日まで、大阪の長居陸上競技場で世界陸上選手権があり、各国から選手がお見えになります。その中で、ギリシャの代表チームが、8月16日のお盆のころから10日間ぐらい福井県でキャンプを張ることになりましたので、そのバックアップをし、県内のスポーツに関係する人たちとの交流や、技術指導までできるかどうかはありますが、いろんな意味で刺激をもらうといいますか、そういう努力をしてまいりたいと思います。

 いずれにしても、これから世界レベルのスポーツチームなどにこういうキャンプの誘致とか、地元との交流をもっと盛んにしなければならないと思います。ギリシャには、オリンピック400メートルハードルとか競歩など、いろいろな有望な選手もおられるように聞いております。


 次は、女性活躍社会についてで6ページです。

 女性活躍につきましては、これから、具体的なプロジェクトを進めなければならないと思います。福井県は就業率全国第1位ですし、共働きの盛んな県ですが、一方で、女性の管理職の割合が少ないなど課題も多いので、「女性活躍支援センター」を生活学習館に8月ごろに設置できないかということで準備をしたいと思います。

その特色としては、子育て、再就職、起業、キャリアアップなどの相談の対応、また、女性リーダーの養成などの研修を行い、多くの分野で女性の活躍ができるようなプログラムを用意して、全国のモデルになるように努力したいと思います。

 それから、8ページ、子育て応援についてです。

 国は、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議を設置し、本年末を目途に具体方策についての検討を進めております。現段階で中間的な報告書を出しておりまして、私もこのメンバーになっていますけれども、できるだけ福井県のプロジェクトを紹介しながら、福井県のやり方が全国のモデルになればいいのかなと思いますし、また、追加的なアイデアも出さなければならないだろうと思います。

 今回、福井県としては、「ママ・ファースト運動」、それから「キッズデザイン」、子供のまちづくりといいますか、これはマニフェストに書いてありますが、それを始めたいと思います。子育てを応援する福井県を全国にもモデルとして知っていただくということです。

この「ママ・ファースト」については、小さいお子さんを連れたお母さんたちが、鉄道、バス、あるいは病院などを利用するときに大変不便な思いをしている姿が見られますので、こういう方を優先する運動、これは企業の応援なども必要な、県民運動です。

例えば、公共交通機関・飲食店での妊婦・子供連れの優先席をつくったり、公共施設・商業施設での優先駐車場、赤ちゃんのミルク用のお湯の提供、優先レジ、あるいは病院・銀行・交通機関での優先順番など、いろいろ協力を得なければならないものもありますけれども、そういう運動をやろうということです。また、あわせて料金の軽減、子供連れの人には安くするといったことも加えるとどうかと思っております。いわゆる優先、優待ですね。

 商工会議所の青年部とか民間が主体となってやっていただける動きもありますので、県としては立ち上がりを応援し、また、できるだけ民間の補助を得てやる、いわゆる共動の観念です。県がいつまでもそういうことをやるのではなくて、あとは民間でできればやっていただくようなやり方ができればと思います。

 それから、「キッズデザイン」ですが、これは「子どものまち」ということかもしれません。

私は選挙中にあちこち回りましたが、ちょうど春休みで、我々も経験していますが、春休みはあまり宿題もないし、雪も溶けて天気もいいということで、子供たちがたくさん、上級生や小さい子が一緒になって町や村の中で、神社で遊んでいたり、いろんな姿が見えるのですが、ああいう姿が毎日あるようにするというのは大変ですが、時々はないといけないだろうと。もっと子供が公園に出たり、町に出られるようなまちづくりを進めなければならないだろうということです。

福井県下全体に一斉にはできないでしょうから、特定のやりやすい地域でモデル的に、子供たちが本当に安心して遊べ、また、いろんなことをするというまちづくりに着手してはどうかと。県内2カ所くらいのモデルをつくり、できれば楽しい県を、また、全国的にも輪が広がるといいだろうと。これは交通安全の問題などにも関連するかもしれません。


 次に、健康長寿の関係で、9ページ以降です。

 「がん医療推進センター(仮称)」などの事業が予算としてありますが、先日、厚生労働省が発表した18年の人口動態統計において、合計特殊出生率も公表されましたが、死亡率、死亡数とその原因が明らかになっており、やはり死亡原因で最も多いのは「がん」で29%あります。

この「がん」による死亡率を引き下げなければならないと思うわけです。福井県はがんの登録の精度、正確度が非常に高いわけで、治療面で高い評価を受けている病院とか陽子線がん治療の実績もありますので、がん予防治療で日本有数の県になる必要があると思います。こうした潜在力を生かすために、「がん医療推進センター」を20年度中に県立病院に完成する。これは予定に従った行動です。また、この推進センターには県外からがん専門医を招聘したり、あるいはがん医療チームの編成などを行って、全体として高いレベルの、最高レベルのがん治療県にしたいと思います。

 また、がんについては、検診による早期発見が大事です。国立がんセンターの試算によると、がんの検診率が全体で5割になると死亡率は約4%下がるという調査もありますので、これを本県で換算しますと、年間約300人の命が救えるという計算になります。

 現在、県のがん検診の受診率は20%から30%ぐらいですので、これを何としても6割ぐらいに乗せないといけないという感じを持っています。特に働き盛りの年代に多い「がん」については、40代の乳がん、50代の大腸がんを中心に重点的に実施する必要があると思います。また、肺がんも最近増えておりますので、これはたばこの問題もありますが、何とかさまざまな工夫をして、がん対策に挑戦していきたいと思っております。

 それから、高齢者の健康長寿についてですが、これについては11ページ以降に書いていますけれども、特に今回は高齢者の「元気生活率」という指標を用いて、そのアップに取り組みたいと思います。

 「元気生活率」というのは、わかりやすくいいますと、元気で活動している方の割合です。いろいろな計算の仕方はありますが、例えば75歳から80歳までの方は「ほぼみんなが元気」、これは大体9割ぐらいですね。それから、80歳から85歳までの方も「ほとんど元気」、これは大体8割前後かなと思います、言葉の意味は。そういうことで、目標を持ってはどうかと。そのためには、介護を必要とする方の状態を改善させるケアプランの作成はもとより、そんなふうにならないように、ラジオ体操とか地域での健康づくりもやりたいと思います。

 それから、それ以外の健康対策としては、メタボリックシンドローム、これは最近、普通用語になりつつありますけれども、この改善、それから、新しい視点では、朗らかとか笑いを取り入れた健康づくりを心身両面から進めたいと思います。あまり笑いというのを予算に入れているのは少ないかと思いますが、そういう時代かなと。まじめにこの問題に取り組んで、笑いとかユーモアとか、機嫌がいいとか朗らかとか、そういう広い意味です。今年は落語家を目指す女性のドラマも始まりますが、できるだけそういう気分で仕事をするということだと思います。

 次に、医療の関係についてで、12ページです。

 今、お医者さんが不足している、あるいは偏在という部分もあるかもしれませんが、全国的に課題となっています。福井県は10万人当たりのお医者さんの数は212人で、全国平均の状態です。しかし、地域によっては地元の病院で出産ができない、あるいは診察が十分でないことがあります。医師確保は息の長い対策が必要ですけれども、今回の補正予算では、新しい対策として、全国各地のお医者さんのところに出向いて、直接本県の病院に勤務するように働きかける医師確保アドバイザーを配置することにしました。これは主にお医者さんのOBの方が中心かと思います。

それから、県立病院の救命救急センターに医師を確保して、十分医療体制が組めないところに「地域医療支援ドクター」、ドクタープールと言われる部分かと思いますけれども、地域医療支援ドクターを確保して応援に行くというのを、20年度からスタートできるように検討を始めたいと思います。


 それから、福祉関係は14ページ以降です。

 福井県は、施設介護は全国的にトップですが、これからは在宅、地域での介護なども重要ですので、介護が必要な高齢者の方の家庭訪問とか見守り活動を地域住民と行政が共動で進めるモデル事業を、19年度、数市町で行いたいと思っております。

福井県には10万人の福祉ボランティアが登録していただいていますが、こういう人たちに積極的に活動していただける場が必要ですので、ボランティア活動をコーディネートするコーディネーターが中心になって、ボランティアカフェをつくって参加しやすいように行いたいと思います。

 それから、17ページ、障害者関係の自立の応援プロジェクトです。先ほど、ママ・ファーストのところでもありましたけれども、車いす駐車区画が必ずしも十分整っていないということですので、県内共通の利用証を発行するなどして、利用にご不便がないように「ハートフルスペース(仮称)」を確保するということを考えております。


 次に、19ページは、安全・安心の問題です。

 既に警察本部とも「治安向上プラン」を結び、今、進めているところですが、それぞれの住宅の街灯や鍵かけの普及をしていきたいと思います。

 それから、交通安全については、18年の交通事故死者数は64人と、前年に比べて11人減少しましたが、まだ課題も多いので、特にスピードの出し過ぎについて工夫をしたいと思います。そのために、パトカーに載せて使う移動式の速度レーダー、ですから、特定が移動しながらなされることになります。それから、危険運転をしている場合の「危険運転ストップダイヤル」、危ないというのが通報できるような体制ということにも努力したいと思います。これは全国的には初めての試みかと思いますけども、ともかくスロードライブ、安全運転を進めたいと思います。


 次に、産業についてですが、景気・雇用情勢は回復基調にあり、全体には活力を取り戻しつつありますけど、なお、一部の業界などでは、企業倒産なども決して減っていない状況にあります。

本県の産業構造は、パフォーマンスはよくなってきましたが、いま一度、次のステップに進むには何を解決し、何を目指したらいいのかということを、専門の方々にも参加していただいて、22ページに書いてありますが、経済戦略関係の政策会議を開催し、随時、提言をいただいて、できるものは直ちに実行したいと思います。

 これまでは、経済社会活性化戦略会議があり、そこでは、データを全分野、網羅して、ご指摘があればそれに答えて、全県で展開するような形でした。今回は、そこまでではなくて、特定の分野について、ざっくばらんにご意見をお伺いしながら、我々が今問題視している何点かの問題点を突破していくという方法をとったほうがいいんじゃないかということで、政策会議(経済戦略)として進めていこうと思います。また、皆様方からも、こうしたほうがいいんじゃないかというご意見がありましたら、いろんな機会にいただければと思っております。

 同じく22ページですが、次世代産業の育成については、引き続き、これからの福井の産業をリードできるマテリアル創成・加工技術やレーザー技術などについて成果が出るように、粘り強く行っていきたいと思います。

 それから、24ページは、地域雇用とコミュニティを支える地場産業についてです。これは地域貢献産業ということでマニフェストに書いておりますが、今回、補正予算で新たに50億円のファンドを創設したいと思います。これは、50億円全部を使うのではなくて、運用しますので、毎年度8千万円から9千万円ぐらいの運用益が出ると思います。 既存の補助制度の見直し、再編を行い、この運用益を主に使って、単に地場産業の技術だけを個別に扱うのではなくて、農林水産業との連携や観光資源などを生かして商品づくり、販路開拓を行うということです。

 これは、国の資金支援もありますので、全国的によく似たタイプのものが展開されると思います。今のところ、富山県は20億円ぐらいを予定されてますし、石川県はこれからということで、他の地域でもいろんなことを考えるという動きです。これによって、我々としては4年間で100件の新しい事業を創設できないかと思っております。

 それから、雇用の質の向上については、例えば26ページの産業を支える人材育成、あるいは、45ページの「リターン福井」により、県外へ出ている方に戻ってもらおうという、いろんな方法をとりたいと思います。失業率は2%台で、雇用情勢はいいわけですけれども、本県産業の活力に資するためには、現在の労働力人口44万人をいかに維持するかが重要かと思います。ということになりますと、むしろ質の高い労働力を確保するということが重要です。

 昨日も、成長力底上げのための円卓会議が福井県で行われ、厚生労働省関係や、いろいろな皆様がお見えになりましたが、様々な制度も活用しながら進めていきたいと思います。県としても、都市圏での就職説明会、あるいは県内企業でのインターンシップ、リターンしやすい環境づくりも進めたいと思いますし、何と言っても職業訓練を全体として見直す必要があるだろうと思っております。

 それから、非正規社員の実態を把握するために調査も実施したいと思い、雇用環境を質の部分でいかに把握するかというインデックスといいますか、指標を年度内に設定したいと思っております。

 また、商店街の再生については28ページにありますが、引き続き、一店一品運動や空き店舗対策、コミュニティービジネス支援も重要です。今回、農林水産物など多様な物産を集めたテント市を商店街や公共施設で継続的に開催して、何としても、町のにぎわい、人が集まるようなにぎわいをつくっていく必要があるだろうと思います。

 それから、観光関係は29ページ以降にありますが、18年度の観光客は前年よりも5.9%、55万人増加して985万人になりましたので、今後は観光客1千万人、また、さらにその上を目指そうということです。こうした観光施策を県全体で総合的に行うために、本年4月には、観光協会、市町、県などが一体となった推進会議を設置しているところです。これから、テレビ番組や、あるいは継体天皇などのテーマなども活用しながら進めてまいりたいと思います。

 それから、エネルギー研究開発拠点化計画ですが、19年度は既に方針が出ておりますので、それに基づいてやりたいと思います。特に今年度は、国においては原子力分野の人材育成の支援制度を創設しておりますので、福井大学でこの制度を活用しながらセミナーなどを行いたいと思います。また、電力事業者が奨学金制度を医師確保としてスタートしております。

 また、今回の補正予算では、県として嶺南地域にエネルギー関係をはじめとする多様な研究開発が促進されるように、企業立地助成制度を充実しております。研究に特化した支援です。また、アジア地域の研究者が集まる拠点となるような施策も進めていきたいと思います。


 次に、農業についてです。

 32ページですが、今年度から品目横断対策が進められるわけですが、現在、対象となる水田面積は4割、40%、14,500ヘクタールです。これを4年後には60%以上に拡大していくことを目標にしておりまして、組織化、お米の単価を高めるために福井のお米の米粒をもう少し大粒化する耕作法などで高品質化の差別化を図りたいと思います。

 それから34ページですが、集落農業や認定農業以外に、農地の集積が困難などでそうしたことができない人たちが3割、4割近くできるわけですので、こうした皆さんのサポート体制を新たに福井県としてやりたいと思います。市町やJAと連携した農作業受託、農機のレンタル等のサポートでして、これは全国的に例のないやり方かと思っておりまして、国にもこうした制度の創設を働きかけていきたいと思います。19年度は実態を調査し、20年度から県全体で実行することになると思います。

 次に、「元気な森づくり」です。

 21年春に全国植樹祭が本県で開催されますので、これに向けて会場周辺の整備などはもとより、福井県全体の間伐あるいは景観の保全、広葉樹林の植栽など、美しい森林景観づくりを行いたいと思っております。こうした森づくりに関する事業は、核燃料税の税率引き上げを平成18年に行っており、このうち2億円余りを森林整備にも充当したいと思います。

 地形を見ると、福井県は平地があり、ぱっと山が立ち上がるという地理的構造になっていますが、特に山際、平地から山に移る部分について重点的に間伐を優先する、松くい虫対策を行う、あるいは鳥獣被害対策をそこに重点化するんですね。電気柵をやるとか、果木を植えるとか、住宅に最も近くてよく目に入って、あるいは森林施業の効果が高い、そういうところを優先的にやってはどうかと思っています。山際作戦ですね。

 それから、水産業につきましては、特に民宿についてで、37ページです。本県の宿泊施設のうち4分の3は民宿で、宿泊施設1,245軒のうち944軒が民宿です。かつ、そのうち漁業をやっている方が370軒あるという特色があり、許可民宿を中心に、料理の開発とか、体験型事業を組み合わせたり、民宿の快適化を進めたいと思っております。


 次に、「元気な県土づくり」については、北陸新幹線の整備について、今年は大事な時期ですので、何としても成果をかち取らなければなりません。いよいよ具体化してきましたので、県内延伸に向けた準備を着実に進めるため、新幹線整備に伴う需要予測、経済波及効果などについて広く調査分析を最近のデータで行って、県民や地元関係機関がこれを受け入れるメリットなども明らかにし、次の対策につなげていく必要があると思っております。

 また、北陸本線の運行や旅客運送などの利用実態についても基礎調査を進めたいと思っておりまして、こういうことを進めながら、受け入れ体制、また県民の理解を求めたいと思います。

 それから、交通手段の最適利用ということで、車を使い過ぎないといいますか、「カーセーブ戦略」と言っておりますが、41ページに書いてあります。ドライブセーブと言ったほうがいいかもしれませんが、わかりやすいようにカーセーブと書いております。

 通勤等で自動車を利用する人の割合は、福井県民は約77%で、これは全国で最も高い数値です。だから、全国で最も車に頼った生活をしているのではないかと推測されますので、この点の改善がこれから必要だろうと思います。

まず、その第1弾として、私鉄沿線の方々に日常の交通利用に関するアンケートを実施し、このアンケートを通じて実態を把握する。また、お一人一人が自分はどういう通勤の方法があり得るんだろうかということをあまり平生考えておられない部分もあると思いますので、一人一人に合った通勤・通学プランを提案するということで、こうであればそんなに無理なく勤務地に行けますよということをおわかりいただく。こういうコミュニケーションアンケートという手法を導入したいと思っておりまして、県としては今回初めて行うものです。


 次に、最後の「元気な県政」についてで、全国から理想県と思われる福井を目指したいということです。具体的には、本県の素材を生かした商品開発などを行う必要があるわけですが、先ほど申し上げた継体天皇や連続テレビ小説「ちりとてちん」など絶好の機会ですので、これと一緒に大いに盛り上げて、自治体や民間機関と連携して行いたいと思います。

 今の問題は43ページに書いてありますが、次の44ページには、福井の魅力を語り伝える考福学について、考福学検定とか、福井のことをぱっと言える口上をみんなで考えて、暗記できるようにしてぱっと言えたらとか、いろんな細々したお話になりますが、そういうことです。

 それから、福井へ戻ってほしい「ふくい帰住」政策として、「ふるさと貢献」促進事業というのが44ページに書いてあります。福井県が全国で最初に提唱した「ふるさと納税」、ふるさと税制の制度が国会をはじめ全国で論議を巻き起こしているわけですが、県民や県出身者がふるさとに関心を持っていただくことは大変大事で、ふるさと貢献活動を全国に向けて発信しなければならないと思います。

 また、この一環として、国債よりも金利をちょっと低くした「ふくいふるさと債(仮称)」を公募して、その金利差分を例えば子育て福祉などに充てることも考えられるんじゃないかと思っております。

 それから、45ページに環境問題について書いてあります。国が「21世紀環境立国戦略」を策定し、地球規模での環境問題の解決に乗り出しているわけです。県では既に「LOVE・アース・ふくい」運動によって進めていますけれども、より福井県らしい環境問題への取組みを進める時期になったんじゃないかと思います。その例として自然環境、生活環境、これを柱に新しい環境計画を平成20年度の半ばぐらいには策定しなければならないと思っておりまして、その作業を開始したいと思っています。

 また、48ページに書いてありますが、最近、山の切り崩しとか農地転用など、無秩序に行われることが福井県の景色を損なうという問題が生じていますので、県民全体で美しい自然景観を大切にしなければならないだろうと。また、人工的な公共公告、看板などの問題についても、どうやってコントロールするかが重要ですので、課題解決プロジェクトチームで検討し、支援をしていきたいと思っております。そのほか、夜景づくりなどにも取り組みたいと思います。


【記者】  今回の予算の中に、「共動」というのがかなり入っています。これはマニフェストでもあげられていたわけですが、共動システムというのが今回の予算編成の1つの特徴だと。これを取り入れる意義というか、考え、お金の面もあるかとは思うんですが、その辺の考えを改めて伺います。

【知事】  財政上の制約というのももちろんあると思いますが、選挙などを通じて皆さんとお話をしますと、住民の皆さんが「自分たちもそういうことをやる用意がある。」とおっしゃることが多い。そこで、まずそうした皆さんの意欲も県政に生かしていく必要があると思います。

 それから、かねがね思っているんですが、行政だけでやらないといけない部分があるんです。例えば新幹線などは、住民の方の応援は要りますけども、政治的責任を持って進める必要があるんですが、教育とか福祉とか環境とかいろいろな問題を考えますと、民間の、あるいは住民の、あるいは専門家の、それぞれ得意な分野を持っておられますから、そうした方の意見や行動力をいただくことによって、政策全体がより効果が上がる、実効性が上がるというのが最近の実際だと思うんです。

 ですから、これから共動というのは非常に重要だろうと思っておりまして、その成果をぜひ上げていきたいと。少し時間はかかりますので、すぐ1年ですべての成果が上がるわけではないと思いますが。

【記者】  今回、特に「元気な社会」がマニフェストの1番になってきている。新規事業なんかでも、教育、「元気な社会」に関するものが一番多いのかなと思うんですが、そういった政策の局面というものも関連してきているということですか。

【知事】  そうですね。学校も昔は先生と生徒だけの世界でしたが、だんだんPTAの皆さんが参加し始め、そして、地域。さらに、地域のみならず、専門家が学校で教えたり、また学校が外へ出てくる、そういうことをやらないと効果的な教育が上げられないようになりましたから、そういう意味で、幅広くオープンにやっていくということかと思うんです。

【記者】 「新元気宣言」による初めての予算ですが、まだ、改善の余地であるとか、不足していると思われることはありますか。

【知事】 特に教育については、教育・文化創造会議で具体化して実行しなければなりませんから、そこは補うというよりも具体化する部分が大きく残っていると思います。

 2つ目は、産業面では成果が上がっていますけれども、次のレベルの見通しを何とかつけなければならないかなと。現状で満足するわけにはいかないと思います。

 3つ目は、我々だけではできませんが、新幹線や高速道路など、福井県の10年、あるいはもうちょっと長いスパンになると思いますが、将来の発展に不可欠な事業を何としても実行しなければなりません。これは予算だけで実行できるものじゃありません。それが政治の課題だと思います。

 そして、もう1つは、先ほどふるさと税制などを申し上げましたが、全国に問題を解決するきっかけになるような提案とかプロジェクトを、できたら福井県から一つでも数多く提案できるといいかなと。

【記者】  今回、「ふくいふるさと債」をつくられたのも、今おっしゃった福井から全国に提案する一例として示されたということですか。

【知事】  ふるさと債がそれほど、ふるさと税制ほどパワーがあるかどうかはわかりませんが、1つの例だと思います。どれくらいご理解願えるかということはありますが。

【記事】  関連して、今回、「ふるさと貢献促進事業」を提案していますが、県自体が全国の県出身者、住民に対して寄附を求める試みというのは非常におもしろいと思いました。

【知事】  応援していただけるときに、応援していただいたものはこういうプロジェクトとして使わせていただきますとか、窓口、心構えというものを設定しておくのがいいのかなと思います。

ふるさと納税も、「あなた、寄附してくださいよ」というだけの話ではなく、福井県の政策とか、もしそういうご寄附を願ったときにはこういうことに使わせていただきますというコミュニケーションができる場をつくるという趣旨で設けております。これは新しいやり方だと思います。

 福井豪雨のときに2億円の宝くじの当たり券をいただいたり、あるいは福井版ノーベル賞とかがありましたが、絶えず政策をレベルアップして、そして窓口をセットしておくといいますか、そういう時代かなと思います。日本はまだまだそういう寄付文化が弱いです。マニフェストにも書いてありますが、これは決して個別に「ああだ、こうだ」という強制をすることに決してなってはいけませんから。そういう考えです。

【記者】  それは、知事が知事会などで発言されている税額控除方式によるふるさと納税というものと一部重なって見えるんですけれども。

【知事】  一部重なると思います。

【記者】  先行的に取り組み、つなげていきたいと。

【知事】  はい。ふるさと納税制度だけを提案しても、次の受け皿といいますか、フォローがなければいけないと思います。福井県の政策なり政治をわかってもらわないと、逆に福井県に寄附をしていただく関心も呼ばないと思いますので。

【記者】  6月12日にふるさと納税の導入に反対した石原知事ら4都府県の知事が共通のアピールをまとめ、ふるさと納税に反対されていますけど、こういった一連の動きに対する感想を伺えれば。

【知事】  おおらかに対応していただければいいなと思っているのですけれども。

 問題は、こういう税制に対して納税者がどのようにこの制度を受けとめるかということにかかっています。我々政治家がこれがいいと言っても、有権者、納税者が違うというんでは話にならないので。

その逆も真なりで、住民の方が、大都市におられる人でも地方の人でも、前からこういうことを何となく思っていて、こういうニーズは自分も持っていたしぜひやりたい、という方がほとんどというか大勢おられれば、それは実行していいことだし、実行しなければならないというと大げさかもしれませんが、そういうものかなと思います。

あまり、我々がこうだとか、反対だとか言うような議論ではないかなと私は思っています。いろいろな問題点を整理して、政策として納税者に訴えて、できるものはできるということかなと思います。

【記者】  東京や大阪にも本県出身者がいますし、その可能性を望んでいるかもしれないとお考えですか。

【知事】  望んでおられるんじゃないかな。だからこそ、こういうものが話題になるのではないかと思います。単に観念的にいいとか悪いという話でもありません。

また、この話の後に、より本格的な国と地方の税源配分はぜひ必要です。そして、かつ、税収偏在を直すシステムをつくらなければならないわけですので、その邪魔になるんじゃなくて、そのきっかけになると、私は逆に思っております。

これで、すべての問題を解決するわけではありません。もっと大きな何兆円もの話を解決しないといけないわけですね。その制度をつくったときに、大都市にあまり税金が偏在しないで、できるだけ満遍なく各自治体に配れるような制度というのを編み出さないと、税収の移譲はできませんので、その最初の事柄といいますか、納税者が自分で、一部ですけれども、あそこに納めたいと。今いるところに、本当は10納めるところを8、9なら9で、そういうサービスで私は選択していいと、そういうことかと思うんです。

【記者】  先ほどの共動のお話ですけど、これまでも、県民参加の県政ですとか、NPOとの協働、この「共動」とちょっと字が違いますが、こういうものをやってきましたね。それで、今回、「共動」を新しい行政スタイルとおっしゃいましたが、この県民参画とNPOとの協働との違いというのはどういうところですか。

【知事】  単に意見を言う、あるいは負担をするということではなくて、活動を一緒に入れていくことが新しいと思います。また、特定の人、頑張っておられる方がもちろんおられますが、どういう方でも幅広く。というのは、少子高齢化になり、皆さんが、自分は時間に余裕があるからやりたいという時代になってきていますので、幅広さといいます。

【記者】  要は、NPOみたいにそういう特定をするんじゃなくてという意味ですか。

【知事】  そうですね。

【記者】  最近、一連のコムスンの報道があり、今、ニチイ学館とかワタミとかが引き継ぎで動いていると思うんです。差し当たり、新しく許認可の申請が来ると思うんですが、新しい認可に対する知事の態度といいますか、どういうふうにして臨もうと考えていますか。

【知事】  こういう事件がありましたから、そういう事業者の資格なり実態を十分把握して、そういうことをやっていただけるものかどうかというのをこれまで以上に十分厳密にやる必要があると思います。可能であれば、やっていただくということです。

【記者】  今までに比べて特別に新しくハードルを高くとか、そういうことは。

【知事】  そういうことではないですが、実質的に、我々のできる審査なり、現場でのチェックというものを強めたらいいんじゃないかと思います。この問題をきっかけにそういうことを改善できる機会かと思います。

【記者】  新幹線への対応で伺います。新規事業で、開業による整備効果の調査に県として初めて取り組むということですけれども、敦賀まで来るまでに調査に取り組むということだと思うんですが、その点について、知事のお考えを。

【知事】  いろいろ調べておりますけど、やはり新しいデータ、東北新幹線、九州新幹線など新しいデータもありますし、また、並行している在来線の高架などの現状もありましょうし、今回は敦賀というターゲットがありますから、より具体的に、ある程度、スキームの見直しのタイムになってきましたので、やるタイミングかなと思って開始をしたということです。

【記者】  スキーム見直しのタイミングと同時にやるものなのか、それとも、スキーム見直し前にこういう材料があるとしてやるものなのでしょうか。

【知事】  並行してやらなければならないものと、もし認可いただけた後に使える部分と、2つあると思います。あまり厳密ではありませんけれども、前か後かというより、この時期だというふうに思います。まさに今年からかなと。全く見通しもないのにそんなものをやっても、次の調査をやらないといけないということになりますので。

―― 了 ――


 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

知事公室広報広聴課

電話番号:0776-20-0220 ファックス:0776-20-0621メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)