知事記者会見の概要(平成19年7月3日(火))
平成19年7月3日(火)
19:10~19:45
敦賀市 敦賀観光ホテル「梅」
【大森行啓主務官】
(皇太子殿下の「行啓についての御感想」披露)
2年ぶりに福井県を訪れることができ、うれしく思います。
今日は、まず、鯖江市鯖江東小学校を訪ね、児童の皆さんと給食を御一緒し、引き続き、食育の授業を見学しました。
私にとって小学校の給食をいただくのは、およそ35年ぶりですが、まず、食材は、児童の皆さんの育てた野菜をはじめ、地元産のものを用い、また、食器も地元産の漆器を用いている点が印象的でした。
また、児童の皆さんが、食事をする際に漆器を傷つけないように大切に扱い、また食器が壊れたときには、修理をして使用するという話に感心しました。
給食は、どの品もとてもおいしくいただきました。あわせて食事中の皆さんとの、学校で楽しいこと、自分たちが好きなこと、あるいは給食をめぐる話など楽しいひと時でした。
食育の授業については、児童の皆さんがすりこぎ、すりばちを使い、和え物を作る実習の様子を楽しく見ました。
このような食育の授業は、子どもたちにとって、とても意義深いものと思います。
なお、子どもたちとの会話の中でおじいさん、おばあさんとの暮らしの話なども出て、3世代同居が多いという福井県の実情を垣間見たように思います。
続いて訪れた北前船主の館・右近家では、右近家の館、展示資料、北前船の研究者などとのお話を通して、江戸・明治にかけての北前船の歴史について、理解を深めることができました。
ことに、廻船業から汽船を導入して、やがて海上保険を手がけるという右近家の各時代への処し方、また、右近家と大陸との結びつき、北前船を通しての様々な文化交流など興味深いものでした。
なお、右近家のある河野や近くの今泉といった地域は、私の専門としている中世の海上交通、あるいはそこと武生との交易にあたった馬借の活動という点でも関心のある地域で、今回訪れることができ、うれしく思いました。
また、今日、最後に知事さんから福井県の県勢の概要を伺い、福井県の行っている様々な取組みについて、興味深く伺いました。
多くの県民の皆さんに温かく迎えていただき、感謝いたします。
【西川知事】
皇太子殿下におかれましては、「第43回献血運動推進全国大会」へのご臨席および県内事情御視察のため、今日明日の2日間にわたり、福井県に行啓いただき、誠に光栄に存じます。
前回平成17年10月の「第20回国民文化祭・2005」以来、2年を待たずしてお迎えできましたことを、県民とともに大変喜んでおります。
また、元気なお姿を拝見して、御回復されましたことにつきまして、県民とともに謹んでお喜び申し上げます。
鯖江東小学校では児童の皆さんとともに給食を召し上がられ、食育の様子を御覧いただいたところですが、できるだけ子どもたちと接していただきたいということで、児童との給食を準備させていただきました。
今伺ったお話では、給食を召し上がるのが35年ぶりということで、召し上がっていただいてよかったと思います。
全部召し上がっていただいた後、食器の後片付けを自ら子供たちとご一緒にされた様子を拝見しておりました。子どもたちとも非常に親しくお話になっていたご様子を拝見して、子どもたちにとっても大変よい経験と思い出になったのではないかと思います。
右近家のご視察につきましては、直接、右近家という建物あるいは資料、たたずまい、また郷土で研究しておられる皆さんのお話をお聞きになられたわけです。殿下のこれからのご研究の発展につながり、また何かの大きなきっかけになっていただければと思います。私どももいろいろな機会にさらなるお話をできればと思いました。
なお、今回は、嶺北、嶺南両方をご視察いただきます。平野と海岸、山と海など特徴的な福井の様子を短い時間の中で御覧いただいたところでございまして、そういう意味でも大変印象深かったのではないかと思います。
さきほど福井県の概要についてもご説明しましたが、今回特に、子どもたちとの交流があったからかもしれませんが、福井県の健康長寿というのはどういうところからそういうことが可能なのかというお話がありました。3世代同居が多いからですかとか、福井県は健康によい食べ物があるからでしょうかとか、そういうお話を資料に基づいて説明を申し上げたところです。
また関連して、福井県の農業問題についても、どういう政策が進められるのかというお尋ねもあったところです。
前回、2年近く前に本県にご来県いただいたところですが、市町村合併がありまして、町の名前なども変わっております。35の市町村が現在は17市町になっております。かつての町がどのような合併をし、どう変わったのかというお尋ねもございました。
2年後に全国植樹祭を一乗谷朝倉氏遺跡で開催させていただく予定だと申し上げたところ、前回お見えになったご経験もございまして、福井の平成16年の水害の復旧の状況はどうなっているかというお尋ねをいただきました。
その他、原子力政策についても、お尋ねがありました。
いろいろお尋ねいただいたところを説明申し上げたところでございます。
明日は、敦賀市のあいあいプラザで子育て支援事業、献血現場のご視察をお願いするわけでございます。また、サンドーム福井で第43回献血運動推進全国大会に御臨席いただきます。
これを契機に献血運動の輪が福井県から全国に広がっていくことを期待しております。
今日は、幸いそれほど暑くなく、雨もほとんどなく、日和にも恵まれて沿道でたくさんの県民がお迎えし、直接ご歓迎申し上げました。
だいたい6,000名ぐらいの方が直接殿下をお迎えしたのではないかと思います。
とくに右近家の前では、お出迎えの県民の方に親しくお声をかけていただき、ふれあいを深めていただきました。殿下におかれましては、思い出深い行啓となることを祈っております。
【記者】
殿下は、ポリープ切除手術後のはじめての行啓ですが、行啓主務官として気をつけたことや、殿下ご自身が心がけられたことはありますか。
【行啓主務官】
手術後順調に御回復されており、特にありません。食事も普通のものを召し上がっておられます。刺激の強いものを避けておられるぐらいです。
【記者】
県勢概要御聴取では、知事は、健康長寿など具体的にどう説明されましたか。
【知事】
ブランドハンドブックという資料をもとに、なぜ健康長寿なのかということで、食べ物、医療制度や介護制度、ストレスの少ない県であること、3世代同居が多いこと、食べ物の統計として、豆腐や油あげをたくさん食べるということ、お米、芋類の消費が人口当たり一番多い県であることなどをお話ししました。
【記者】
給食の日程は、県がプランを立てられたと思うが、給食を召し上がることについて、殿下はどう受け止められたのでしょうか。宮内庁はどう話を進めたのですか。
【行啓主務官】
福井県は食育に力を入れており、大変よい話だということで、決まりました。
殿下は、給食、食育の授業を楽しみにしている御様子でした。
給食は、先ほど35年ぶりと説明しましたが、学習院初等科の1~6年生以来ということです。
【記者】
給食のメニューを3種類提示し、6月20日になって東宮職から連絡が来たと聞いています。食材の集めるのに時間がかかりますが、6月20日と遅くなった理由はありますか。
【行啓主務官】
理由があったのではなく、決定した時期が、たまたまその時期になっただけです。
【記者】
右近家と殿下の研究されている水運との関係、馬借と廻船業はどんな関係がありますか。
【行啓主務官】
殿下の専門は、海上交通だけでなく、運送全般であるので、海上交通と陸運の馬借の両方について、御関心があられるということです。
【記者】
武生の馬借のことも研究されていたのですか。
【行啓主務官】
河野、今泉と武生の間を陸上で結んでいた馬借にも関心があったということです。
【記者】
河野という地区は、かつて河野水軍の末裔が住んだと聞いています。それとの関係で馬借の話も出てきたのですか。
【行啓主務官】
詳しいことは、伺っていません。
【知事】
補足しますと、武生にお米などを集積して、馬借街道を通じて、河野に運んだということです。今でも街道のあとが残っています。
【記者】
今日、殿下の出発の際、妃殿下のお見送りの場所は、御所の中でしたか、外でしたか。
【行啓主務官】
車寄せのところでお見送りをされていました。
【記者】
食育の授業について、カメラ取材がありませんでした。食育の授業に力を入れているのであれば、狭いのなら、あらかじめ連絡していただき、代表でもよいので入れてほしかったと思います。
県や東宮職には今後に生かしてほしい。非常によい場面であり残念でした。
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