知事記者会見の概要(平成19年7月24日(火))
平成19年7月24日(火)
10:30~11:30
県庁 特別会議室
【知事】
まずはじめに、福井豪雨からの復興作業が、ちょうど3年を経過し、越美北線が6月末に運行を再開するなど順調に復旧が進んでいるわけですが、足羽川の激甚災害対策特別事業は5年間の事業ですので、来年度までかかる予定をしています。
河川の浚渫、橋梁の架替え、幸橋が本年度中に完成しますし、木田橋や泉橋は、今、架替えをやっておりますので、こうした来年度までの作業について、今の段階でチェックをして、進行管理をやるべきだろうと思っています。
それから、新潟県の中越沖地震ですが、多くの死傷者、また家屋、インフラ等の被害が出ておりまして、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
県としては地震発生後、直ちに連絡会議を招集すると同時に、私も新潟の知事と直接連絡をして状況をお聞きしました。
どの災害もそうですが、そういうことをお聞きする段階ではまだ災害の全貌がつかめません。だんだん被害の範囲も、また深刻さも大きくなっていくというのはいつも私が申し上げる点ですが、新潟県も一生懸命頑張っていただいて、プロアクティブというのをできるだけ大きく今やっていただいていると思います。
災害が大きいですから大変かと思いますが、全力で頑張っていただきたいと思いますし、我々も昨日の夕方、連絡会議をしたところですが、各市の応援も継続的に行うと。また、併せて、福井県で万一災害が起きたときに、どういうことがなされなければならないのかという勉強もさせていただくことが重要かと思っております。
特に今回の災害は、地震災害と原子力発電所の火災災害などが同時に生じており、地元消防との関係、あるいは原子力プラントの本体ではなくて付帯・附属施設の安全性、余裕度の問題などが課題となっているように認識しています。
このため7月18日、地震の翌々日に、私自身が甘利経済産業大臣に対し、原子力発電本体の耐震安全性、これは活断層などの調査を含めた地質の問題、またこれを受けての事実上の安全面での耐震対策、これも本体と附属施設がありますが、あるいは消防活動体制など7項目について直接要請をしているところです。
さらに、緊急に指示をして、21日に県の原子力安全専門委員会を開催しました。地震を専門としている京大の竹村先生を臨時に委員としてお招きし、質疑等をしたところです。
また、特別に原子力安全対策課の職員を柏崎刈羽原子力発電所に調べに行かせて直接確認し、また、新潟県の原子力安全対策課から地震発生時以降の対応状況について説明を聞き取っているところです。こういうものを踏まえて、さらに今申し上げましたいろいろな課題について、場合によっては再度、原子力安全専門委員会などを開いて、その段階での状況を踏まえて、国に第2次的な要請をする必要があるのではないかと思います。状況を把握した上で考えます。
それから、今月26日、明後日になりますが、福井県原子力環境安全管理協議会、安管協と言っておりますが、敦賀で開く予定です。海水や空中の放射線などの状況を定期的にやると同時に、地震についての対応状況、聞き取った状況、あるいはこれから福井県として国に何を申し上げるべきかなどについてお話をしなければならないと思います。
福井県は、15基の原子力発電所が立地していますので、今後とも、今回の柏崎刈羽の発電プラントのさまざまなトラブルなど、また、東京電力や国の調査状況について情報を収集し、課題を明らかにしながら、これを福井県としても、また、日本の原子力の安全の問題にも生かしていかなければならないだろうと思っております。
次に、話題が変わりますが、献血運動推進全国大会がありまして、皇太子殿下には、7月3日から2日間、本県を訪問していただいたところです。大会には、県内外から2,400名の方が参加し、献血の重要性や貴重な体験談などについてお話を願い、全国にお知らせをすることができたところです。
皇太子殿下には、県内のご視察では子供たちと一緒に福井食材の給食を楽しまれたり、北前船の海運の状況などもご視察いただくなど、本県の歴史、あるいは食、健康長寿などについてご認識をいただけたのではないかと思います。
これから本年は、継体天皇即位1500周年記念事業、また、10月からは、NHK連続テレビ小説の放送、また、健康日本21全国大会などの機会をとらえて、福井県のいろいろな魅力などもアピールしていきたいと思います。
前置きはこのぐらいにしまして、発表項目は、今日は10項目ぐらいあります。ちょうどこれから夏休みになりますが、すぐのお話と当面のお話といろいろありますので、適宜、県民の皆さんにお知らせいただければ幸いかと思っております。
まず、1つは、19年度の政策合意についてです。
〔参考資料〕「福井新元気宣言」推進に関する政策合意(公開終了)
19年度の各部局長との政策合意は、この春の統一選挙を終え、6月補正で肉づけ予算編成、また、7月13日に6月議会も終わりましたので、それを受けて各部局長との協議を行い、このほど合意を結びましたので、本日、お手元の資料のとおり公表するものです。
今回の政策合意は、新しいマニフェスト、「福井新元気宣言」をベースにした最初の政策合意です。これは、マニフェストの毎年度の年次的実行計画に相当するものとして、前の4年間も毎年結んでおります。各部局長がそれぞれの職務にかかわる目標を自ら、そして私とともに設定して、責任を持って達成に向けた取組みを推進するための合意です。
毎年度、事業目標等を職務協定などで結ぶのは他県に例もないわけではありませんが、県民の皆さんにマニフェストを選挙で提示した上で、これを実現するため政策合意を結ぶという手法は、平成15年当時、全国に例のない独自の手法でした。
その後、他県でも、例えば山形県のインナー・マニフェスト、また、神奈川県も今年から部局長マニフェストというのを導入するらしいですが、そういう動きも出ているわけです。
全国のマニフェスト検証の場でも、全国のモデルになるような手法として評価を得ておりますが、これからは、さらに県民益の向上になる、実効性のある政治、県政を行うというのが基本ですので、そういう心持ちで、県民の生活の質の向上を目指したいと思います。
今度の政策合意については、幾つかの工夫といいますか、特徴を取り入れております。
1つは、政策合意の項目数ですが、例えば18年度は383項目ありましたが、今回は絞り込みを行い240項目と、できるだけわかりやすく、重点・総合的になるようにしたつもりです。
2つ目は、ボランティア、民間企業などとの共動システムの積極的な導入、例えばママ・ファースト運動とか、LOVE・アース・ふくい、あるいは、地域の皆さんが河川や道路をボランティア的に清掃したり守っていったり、花を植えたりして美しくするという、そういうものも積極的に入っております。
3つ目は、短期間に施策を立案、実行する横割り的な課題解決プロジェクトチームをつくり、リーダーに企画幹、部長の次のレベルの職員になりますが、指名して、責任を明確化して進めるというものも加えております。
4つ目は、重要なことですが、成果を明確に見据えながら政策の進行管理を行うということです。本年度だけの目標ではなくて、4年間全体の目標数値も併せて掲げることにしており、4年間の県の政策目標を念頭に置いた具体的な指針という性格を明瞭にしたいと思います。これにつきましては、適宜、各部局長から報告をもらい、必要な都度、指示を与えて進行管理を行う予定です。また、達成状況については、これまで同様、毎年度末を目途に県民の皆さんに公表し、検証できるような形にする予定です。
なお、詳しくは、本日午後に総合政策部長から改めて説明しますので、その折にお聞き願いたいと思います。
次に、2点目、皆様からの政策提案、県民からの政策提案の募集についてです。
〔参考資料〕「皆様からの政策提案」の募集(公開終了)
これは、県民の皆さんから直接予算などの中身について意見募集をするわけです。
これまで4年間は予算編成前に意見募集をしており、可能なものは予算に反映するように努めてきました。この制度は、県民の皆さんの県政への関心を高める上で大きな効果があったと思いますが、予算編成の作業上、募集期間が10日程度と短く、対象事業も新規事業などに限られていましたので、もう少し幅広く意見を言いたいという声も多く、今回から改善することにしました。
このたび、県民の皆様からの政策提案の募集ということで、予算はもとより、予算以外の継続を含む政策全体について、十分な期間を設けて意見募集を行って、予算執行、また今後の予算編成に役立てることにしたいと思います。これにつきましても、先ほどの政策合意と同様、担当部長から改めて午後に説明しますので、お聞き願えればと思っております。
本日から9月15日ぐらいの期間で意見募集を行って、9月の補正予算などの議論にもつながるように、期間を長く、ご意見をいただければと思っております。主にインターネットなどで検索していただくと、やりやすいような工夫を加えております。
3点目ですが、これは民間との協力の問題ですが、コンビニエンスストアの(株)ローソンへの、1つの店で1つの協力、「一店一協運動」の認定書の贈呈についてです。
ローソンと県は、去る3月7日に、新浪剛史社長と私自身で包括的な連携協定を結んでおりますが、今回の一店一協運動は、この協定に基づく具体的な取組みになります。
福井県はローソンと、ローソンの県内全ての店が何かを協力するという特殊なやり方をしております。ローソン各店が学校やPTA活動に協力したり、福祉あるいは地域貢献など、いろいろな事柄について既に進めつつあるわけです。
今、県内に86の店があり、全ての店舗でやっていただくわけですが、この一店一協運動が県民からも歓迎され、長続きする運動となり、全国のモデルケースになるような展開になることが重要です。今日の午後、担当部長とローソンの名古屋支社長さんで認定書の贈呈式を行いますので、本日午後、取材をしていただければありがたいと思います。
4つ目は、女性活躍支援についてです。
新しいマニフェストでは、女性の元気によって女性活躍社会を実現しようということを掲げております。
先週7月20日に、第1回目の女性活躍会議を開催しました。最近、お医者さんの確保、女性医師の勤務環境や子育ての問題などが話題になっておりましたので、最初の女性活躍会議を女性の医師の皆さんと行い、意見交換も行ったところですが、随時そうした会議を開いていきます。
また、8月2日木曜日に、女性の活躍を総合的に支援する「女性活躍支援センター」を生活学習館の2階にオープンする予定です。このセンターでキャリアアップ、再就職、起業を目指す女性からの相談に応じるとともに、リーダー養成など具体的なバックアップをしなければならないと考えております。
次に、5つ目の項目ですが、県内の大学等の学長、理事長との懇談会についてです。
マニフェストでは、県立大学について、公立学校法人化を機会に地域に開かれた大学に発展させる必要から、県立大学を中心とした大学連携の連盟といいますか、リーグの実現を考えています。これは県立大学をはじめとする県内の8つの、大学、工業専門学校、短期大学とのネットワークを進め、全体的に研究・技術レベルを向上し、また、地域にも役立つ人材を育成するというねらいです。
その端緒として、明日、7月25日10時から、県庁の2階中会議室で、県内の理事長、学長と懇談し、これからの連携を進めていきたいと思います。
そもそも、県内の各大学が一緒に意見交換する機会がほとんどないようですので、それ自身も非常に大事ですし、大学自体も環境的に大変厳しい中で、大学それぞれの特性を発揮しながら、協力するところは協力する。あるいは連携研究を行う。こういうものを県などが地域的に応援する。
また、小中学校、高校などと連携して、大学の先生方がサイエンス教育とかいろいろなことをもっともっとやっていただくと、大学にとっても有益であると同時に、子供たちにとっても大変励みになるわけで、そういうことを含めて幅広く論議をしたいと思います。
6点目ですが、第60回の全国植樹祭実行委員会の設立についてです。
2年後の平成21年の春に植樹祭が行われるわけですが、今月末、7月31日に植樹祭の実行委員会を設立したいと考えております。
この実行委員会では、昨年末、12月に策定した基本構想を踏まえながら、記念式典、会場整備などの基本計画をつくるとともに、植樹祭をきっかけにした県民運動を強化するための具体的なプロジェクトを企画していくことになると思います。
7点目ですが、恐竜博物館のナイトミュージアム、納涼の夕べと言ったほうがいいかもしれませんが、についてです。
先般、7月4日に、第3次恐竜化石発掘調査の現場で、国内で最大級となる竜脚類と思われる上腕骨化石が発見されておりますけれども、第3次発掘の冒頭に当たるわけで、何か期待ができるのではないかと思います。そういうこともあって、来月1日から31日までこの化石を展示します。夏休み期間中でもあることから、県内外の多くの方々にごらんいただきたいと考えております。
また、今回初めての試みとして、旧盆の8月14日と15日の両日の夜、午後6時から9時までナイトミュージアムを開催し、その間は常設展の料金が無料ということですので、帰省中の方など多くの方に見ていただきたいと思っております。
なお、勝山の夏まつりも14日にあるようですので、またお楽しみをいただきたい。
8点目ですが、9月になりますが、9月11日に、「一日中小企業庁inふくい」を商工会議所ビルで開催します。この事業は、昭和39年から開催されているようですが、本県では39年前の昭和43年以来、2回目となります。
今、福井県はいろいろな課題がありますが、本県の経済の発展のために頑張っておられる中小企業の次世代技術の育成とか、「実は福井」の技といったことを大いにお互いに情報交換をして、本県の企業活動に有益になるような「一日中小企業庁」になるようにしたいと思います。
なお、同時に、健康長寿ビジネスのフォーラムも開催する予定です。
9点目ですが、福井県文化振興事業団の会長であると同時に、これまでハーモニーホールの館長も20年余りにわたって務めていただいた小野光太郎氏ですが、今後もさらに別のお立場で文化関係のバックアップをしていただきたいということで、特別文化顧問になっていただき、引き続き指導、助言をいただきたいと考えておりますので、あわせてご紹介をさせていただきます。
子供をはじめとする一流の芸術に触れる機会の確保とか、文化芸術活動への機会づくり、あるいは一流アーティストの育成環境など、さまざまな課題について応援をいただければと思っております。
10点目ですが、安宅PA(パーキングエリア)のスマートIC(インターチェンジ)社会実験の実施についてです。
かねてより福井県と石川県が共同で国に要望してきた安宅PAのスマートICについて、今月20日に社会実験の実施が決定されたところです。これによって5分程度だと思いますが、福井から小松空港へのアクセスが早くなると思います。
社会実験の具体的な開始は来年2月ごろになると思いますが、来月中に、石川県、福井県、小松市、国交省、中日本高速道路株式会社などで協議会を設立して、実験の効果の把握などを協議したいと思っております。こういうことがうまくいきますと、さらに次の段階に行くのではないかと思っております。
発表は以上ですが、山本副知事が今月末をもって退任することになりました。4年前の経済・雇用情勢の大変厳しい中での民間出身の副知事としての就任でしたが、4年間、私の最優先課題であった産業政策分野を中心に、本県活性化に大いに実績を上げていただき、感謝しております。
今回、残念ながら本人のご意向もありまして、退任されることになりましたが、ここで一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。
【山本副知事】 皆さん、4年間でしたけれども、長い間おつき合いいただきましてありがとうございました。
福井のものがおいしいとか、いいものがあるというようなことはビジターとしても大変感激したんですけれども、4年間、福井に住みまして、レジデントとしての感もいろいろとございます。
記者の皆さん方の前ですので、この4年間というものにつきましての感想と、また皆さん方に対する期待というものをちょっと述べさせていただきたいと思います。
この記者会見につきましては、いろいろな印象を持っております。まず1つは、大変優しい記者会見だと。それから、お互いに信頼した記者会見。また、いろんなことが素直に議論されている記者会見だと。それから、丁寧な説明が大変多いなと思っておりますし、最後に、県と皆様メディアの方々の、県をよくしようとする一体感というものを感じるような気がしております。
そんな感想ですけれども、きょうご出席の記者の皆さん方にも3つぐらい、最後のお願いをしたいと思っております。
1つは、皆さん方は各社の代表でもあると同時に、県民の代表でもあるということを意識していただきたいなと思います。知事、県のトップと面と向かっていろいろな質問をする機会は大変少なく、この記者会見というのはそういう大変重要な機会であるということをぜひ認識していただきまして、県民、市民が持っている問題意識というのは今何なのかということを、この場で質問していただくと、もっともっと先ほど言いましたような一体感が醸成されるんじゃないかと思っております。
ご自分自身がいろいろな仮説を立てて、こういうチャンスに何を聞けばいいのかということをもう少し深く突っ込んでいただければ、ありがたいなと思っております。
2つ目は、記者の方々はいろいろなデータを出されますけれども、データというものの意味をもう少し県民の方々に丁寧に教えていただきたいなと思っております。データを単に画面や紙面に載せるだけではなくて、それがどういう意味があるということを少しご解説いただければありがたいと思っております。
最近、1つの例ですけども、有効求人倍率が1.4というのが出まして、去年よりも下がっておるとか、コンマ1%上がっていると。これは事実ですけれども、それがどういう意味を持っておるのかという解説がもう少しあれば、そういうデータがもっともっと生きてくるのではないかと思っております。
それから、最後ですけれども、毎回皆さんとの懇談会でお願いしているんですけども、皆さんの情報の発信が、県内のみならず県外にも発信できるような情報をもっともっと取り上げていただきたいなと思っております。県内に8、県外に2ぐらいのイメージを持ちながら、我々が今報告、説明しておりますような情報が県外にもうまく発信されまして、あっ、福井県というのはいろいろなことをやっているなということが皆さん方の手を通じて知らされたら、ありがたいんじゃないかと思っております。
口はばったいことを申しましたけれども、皆さん方がこれらからもますますご活躍されまして、本当に先ほど申しましたように、何も対立するようなことじゃなくて、お互いに意見を交わして、一体感を醸成しながら福井県がますます発展することを、皆さんの力もお借りしまして、簡単でございますがあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。
【知事】 それから、新しい総務部長の大沢です。
【総務部長】 総務部長の大沢でございます。微力ではございますけれども、福井県政の発展のために全力で取り組みたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
【記者】 まず、政策合意について2点お尋ねします。
まず1点目は、今任期の最初の政策合意となりますけれども、県民の生活の向上に当たって、推進目標の設定で苦心された点がありましたらお聞かせください。
【知事】 1つは、4年分の目標数値を政策合意に入れたということです。これまでは、ベンチマークと言って1つ外側にあったような感じでしたが、ちょっと位置づけがはっきりしなかったところもあります。担当の部長が4年間在籍し続けると決まってはおりませんけれども、そういうことを思いながら、あわせて各年の合意をとるということですね。
それから、できるだけアウトカムといいますか、予算を幾ら使うとか何件何をやったということではなくて、住民の皆さんの生活の場でものがよくなるとか、ものが増えるとか、あるいは感じ方が上がってくるとか、そういうことに努めました。
それから、先ほど申し上げた民間との共動ですね。ママ・ファースト運動とか、LOVE・アースとか、そうした項目などに加えていくのが大切だと思います。
また、これから、マニフェスト本体の問題についての住民の皆さんの受け止めがどうかというアンケートを検討して、仕事に反映できるような方法をとりたいと思います。これは全国的にまだやっていない新しい方法になりますので、しばらく検討して、できるだけ早く明らかにしたいと思っております。
【記者】 今の話の中に、共動の取組みがたくさん盛り込まれているんですけれども、共動で取り組むためには、県民の積極的な県政への参加が欠かせないんですが、世論の盛り上げとかの部分でどのように取り組んでいかれるのですか。
【知事】 今回の県民からの政策提案というのも、項目を増やすと同時に、期間も長くして、執行上のご意見をいろいろいただきたいということです。
また、今ほど言いました、今度は、県民の皆さんがどんな分野に関心があるかとか、どんな分野にお一人一人がどれくらい満足をしているかとか、どの分野を自分が向上したいと思うかとか、こういう調査をこれから加えていこうと思います。
どこもやっていませんので、今いろいろ検討を、最終段階ぐらいに来ているんですが、それを明らかにして、実行したいと思っています。県民の方、何千人とかの方にお聞きするような感じになると思いますけど。
【記者】 アンケートは、大体いつぐらいにやるとかというお考えは。
【知事】 ちょっとまだですが、できるだけ早くに。ぼちぼち夏の期間になりますから、その間にできるだけ終えたいとは思っています。
【記者】 地震を受けた原発への対応について、知事自ら大臣にいろいろ要望されていますが、県として、地元原発へ今後積極的に立入調査して、今の消防体制とか、電力事業者の状況を確認していくのかとか、また、耐震指針を受けて、今、電力会社がいろいろ調査をしている部分について、ある程度期限を設けて早期に状況を確認、報告させるとかのお考えはありませんか。
【知事】 新潟に先遣隊として3人ずつ県の職員が行っておりますが、そのようにして状況を把握している県というのは、全国で福井県だけだと思います。そろそろ(近畿や中部などの)ブロックで何かやったほうがいいんじゃないかという話もありますが、新潟のいろいろな様子を原子力も含めてやっている。
それから、ここ数日間、県の原子力関係の職員が直接プラントに行って、東京電力からのお話を聞いたり、向こうの原子力安全対策課のご意見を聞いたりして、状況を向こうから、最終報告を得る前に、まず今の段階でとっているということですね。
かつ、原子力安全専門委員会を数日前に開きましたが、地震の問題、新潟との地震の関係、あるいは今福井で行っている耐震調査、それから、新潟で起こったいろいろな事象、トラブル、そういうものがこの福井の地でどうなっているかということを、今、事業者にもチェックしてもらっている。それから、火災については、事業者と消防に対して指示をして調査をしている。
そういうものを受けて、できるだけ早く我々の段階でまとめて、国にまず申し上げる。あわせて、並行的に新潟も国と一緒にいろいろなデータなり、調査が深まると思いますので、そういうものを受けて、さらに何かあれば、それに追加して行うという作業です。つまり、新潟がいろいろやるのを待つことなく並行的にやっているということです。
【記者】 今回の柏崎刈羽原発の件は、変圧器の火災であったり、多重防護がとられている原子炉本体のまわりの、付属施設のあたりで事故が起きたもので、美浜原発3号機事故の2次系配管のように、あまり注目されていない部分で起きた事故ということで、重なっている点があるように思うんです。
先ほど知事も、具体的に原発周辺の安全対策から煮詰めるべきではないかと言われましたが、そういった観点が、今後、原発の高経年化に関連して必要になってくるんじゃないかと思うんですけれども、知事のご感想をいただきたいんですが。
【知事】 災害で、大体、本体というのは、いろいろな影響を受けることは少なくて、周りのそれほどでないところが影響を受けて、あるいは本体に影響するというのが多いんです。
例えば水道管が折れて、自家発電装置が動かなくて通信が不可能になった例も阪神・淡路大震災の際に聞いたことがあります。それで、今回、甘利大臣にも、また我々も調査しておりますが、付属、付帯、周辺施設の耐震の余裕度などが今のままで十分なのか、A、B、CとかAsだとか5段階か6段階あるわけですが、それを十分にチェックして、今のままでいいのかというのを直さなければならないと思います。
また、本体も、大丈夫だったかこれからきちんと調査しないといけない。今のところ問題は聞いておりませんが、実際に何か支障が生じていなかったかということは十分調査しないといけない。本体は少し時間がかかると思います。
【記者】 東京電力などの調査結果を受けて、福井県として対応するということですか。
【知事】 今わかっている範囲で、福井県のプラントでここはどういうことが問題かどうか、直すところは何かというのを、具体的に安全の責任を持っている国に直接申し上げたほうが仕事が早いかなと思っております。それぞれ地域ごとにプラントの特性もありますね、沸騰水型と加圧水型とか、いつできたとか、地盤が違うとか、地元の消防との関係も少しずつ違ったりもしますから。そういうことで幅広く前広に情報を上げたほうが国としてもやりやすいかなと思うんです。
【記者】 原発の耐震性について、国に対して要請されているということは、県が独自に15基の原発の付帯設備の耐震性、耐久性を改めてチェックして報告を求めるというような要請は事業者に対してされないということでしょうか。
【知事】 要請を1回やっておりますし、さらにしないといけないと思っています。地震が起きて2日後でしたか、その段階で課題となることをまず国に要請しました。そして、今また県独自にもやっておりますので、その結果も、また要請したいと思います。さらに、それから後でまたわかることも要請しないといけないと思っております。
【記者】 付帯設備の安全性を確認するように、国に要請されているんですか。
【知事】 国には責任がありますから、国にも要請していますが、我々にできることは、並行的にやらなければならないと思っております。それが必ずしも義務かどうかという議論はありますが、やはり災害の問題は、誰がどの範囲ということは別にして、今わかっていることで、自分たちができることを調べて、福井県として具体的な話を国に申し上げたほうが、国としてもしっかりした仕事を進めていただけるのでないかと思うからです。
【記者】 事業者から県のほうに付帯設備の安全性の再チェックの結果を報告するのですか。
【知事】 それも言ってあります。我々は、直接自分たちだけではできませんから、事業者もやってもらわないといけない。つまり、今回の中越沖地震を受けて、直ちに、県内の電力事業者に対し、発電所の安全管理の徹底、耐震安全性評価の厳正かつ早期の実施、消防活動ができるような体制の整備について要請をしておりますので、その結果もお聞きしなければなりません。そして、再度行われる場合には、安全専門委員会などに報告も願わなければならないと思っております。
【記者】 美浜3号機の事故の際には、県内の他の原発も同様な危険性がないかということで、順次運転を停止するように求められたと思うんですが、今回の耐震安全性に関して、きちんと担保ができるまで、順次、定期検査のときに耐震安全性のチェックを求めるとか、つまり、一定期間止めて安全性を確認するお考えはないでしょうか。
【知事】 まず、調査をきちんとやってみないと。今の段階では、そんな議論まではできないと思います。今の範囲で可能なことを1回調べてみないといけないですね。それは、全国の原発共通のことですから。全国の55基の原発は、すべて条件やスタイルも違うし、新しい古いもありますが、共通の課題ですから、きちんと調べて、何が問題かを明らかにして議論するものだと思います。
【記者】 明日で、関西電力の原子力事業本部がこちらに来て2年目を迎えますが、これは、知事が地元に軸足を置くということで、かなり強く要請されて実現したわけです。関西電力が昨日も報告していましたが、広報・広聴の充実とか、エネルギー研究開発拠点化計画への支援・協力という面で取り組んできたわけです。知事自身が強く要請したこともありますけれども、2年たって、どのように今評価されていますか。こちらに軸足を置いたということに対して、知事の思うような成果が上がっているとお考えでしょうか。
【知事】 勝手に憶測してもいけませんので、成果が上がっているかを今聞き取りしているところです。
【記者】 これまでもいろいろな活動をして、実際、発表していますから、それに対しては既に把握されていると思うんですが、現時点でどのように受け止められていますか。
【知事】 全体的にちゃんと聞いた上で、何が問題かを明らかにして、要請すべきことは要請し、改善すべきことは改善する。一生懸命やっていただいているとは思うけれども、一生懸命どの程度やっていただいているかというその成果、心構えを全般的にお聞きして、そしてこうである、ということを今やる時期だと思いますので、今聞き取りをしているところです。
【記者】 知事自身が関電から直接お聞きすることもあるわけですか。
【知事】 必要があったら聞きますけれども、現時点で必要があるとは思っていない。
【記者】 一生懸命やっているということは評価するんですか。
【知事】 一生懸命やっておられると思うけれども、成果とか客観的にその中身はどうかということです。それぞれの分野についてどういう目標を持って、それがどうなっているかというのは、一種の成果ですから。
【記者】 それを精査する必要があるということですか。
【知事】 そうです。ですからこちらから要請をし、聞き取っているという段階です。厳正に行います。
【記者】 山本副知事が、今回、惜しまれながら副知事をおやめになります。副知事2人制をとっているわけですが、後任といいますか、次に、どなたか充てるとか、人物は特定していなくても、どういう分野の、例えば民間なり外郭なりの副知事をその席に充てるというお考えはあるんでしょうか。
【知事】 もともと2人の体制になっておりますから、そういう状況と、お方があって、必要があればお願いするという環境かと思います。
【記者】 当面は考えてはいらっしゃらないということですか?
【知事】 それは、状況としかるべき人がいらっしゃらないといけませんから。人事のことですので。
【記者】 必要な人材を探していると状況だと思えばよいのですか。
【知事】 人の話ですから、ちょっと申し上げにくいです。
【記者】 政策合意の中の安全環境部の3頁に、原子力の安全・安心と信頼の確保という項目があり、その一番最後に、「高浜3、4号機のプルサーマル計画については、関西電力の対応と、これに対する国の指導・監督状況等を見極め、………」という文言がありますが、これまでは、美浜3号機の事故に対する関西電力の対応という文言が入っていたと思うんですが、それが抜けているということは、美浜3号機の事故に対する関電の対応というのは、終了したと考えられているのですか。
【知事】 そうではありません。(事故への対応を)含めてです。
―― 了 ―
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