知事記者会見の概要(平成19年9月7日(金))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002666

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平成19年9月7日(金)
11:00~12:00
県庁 特別会議室

知事会見写真

 


 

【知事】  今日は9月補正予算案の概要を中心に発表します。


〔参考資料〕資料No.1 予算案の概要

       資料No.2 主要事業


 新しい「元気宣言」に基づく政策ですぐに実行する事業のほとんどは、3か月近く前の6月補正予算で盛り込んでおりますので、今回の9月補正予算は、項目的にも金額的にも全体の量としては少ないものになります。

6月補正後、具体的な議論を詰めて今回提案したものとしては、「福井子ども歴史文化館の整備」事業や「ふるさと貢献」の寄附促進事業などがあります。

それから、観光誘致や交通対策など、タイミングを逃さず対応が必要な事項についても今回計上しており、その中には「ビジットふくい」観光客誘致拡大事業、小松空港のアクセス改善の事業などを入れています。

 今回の補正予算ですが、後ほど説明しますが5億5,500万円減額の事業が1つありますので、実質的には5億7,400万円の増額になるのですが、その減額を差し引きますと、今回の補正予算においては、一般会計では1,800万円、特別会計では10億4,100万円、企業会計では6億円ということで、17億円余の補正を行うことになります。

 その結果、9月現計予算(9月補正予算を加えたその年の全体の予算額)で一般会計は4,749億2,900万円となり、去年の9月現計と対比すると95.7%、マイナス4.3%になります。

 なお、6月補正でも310億円の補正をしましたが、そのときも同じような割合で、前年同期比95.7%ですので、昨年度とほぼ並行して動いていると思っていただきたいと思います。

 この4,700億円オーダーの予算規模というのは、平成4、5年頃の予算と同じくらいになると思います。

 なお、「福井新元気宣言」で政策推進枠を設けています。今回の9月補正では7つの事業で2,900万円、一般財源ベースで2,400万円を計上しています。6月補正と合わせると195事業、予算額で77億5,000万、一般財源では16億2,400万を使っています。

 「福井新元気宣言」では4年間で150億円の政策推進枠予算を確保することとしていますが、そのうち、今回までにそれだけ使っていることになります。

 陽子線がん治療施設の工事スケジュールが数か月遅れることとなり、予算の年次配分を変え、今年度分について9月補正で5億5,500万円の減額をすることになりますので、全体の見かけの9月補正額は小さくなっていると思っていただければと思います。

 なお、今年は6月補正予算が本格的な予算でしたので、国庫内示額に伴う公共事業などについては6月補正でほとんどの予算措置が行われており、今回はそういうものがないと思っていただければと思います。


 それでは、主な事業を申し上げます。資料のNo.2です

 まず、「元気な社会」、教育関係で旧県立図書館の活用事業です。これは、現在、埋蔵文化財の調査センターの分室として使っており、一部、子供用の図書館として本の読み聞かせの場にも使われているわけですが、この施設を活用し、2年後の平成21年度の早い時期、夏休みごろまでに「福井子ども歴史文化館」として開館できるように準備を進めたいと思います。

 今年度は歴史上の人物の多数の資料を収集するほか、歴史研究を専門にする方と一緒に館の展示内容の検討を行いたいと考えています。そして、20年度には実質的な設計を行い、21年度から開館ということになると思います。この中身については庁内のプロジェクトチームで検討したものです。

 具体的な中身はこれからさらに検討しないといけませんが、福井県を代表する偉人、先人たちの紹介、その人たちの特に子供のころの様子がわかるようにしたいということ、またエピソード、印象的な場面、臨場感のある手法など、これからいろいろ研究してやりたいと思います。由利公正、橋本左内、岡倉天心をはじめ多くの方々の展示が行われると思います。

それから、白川静先生の文字学の室(へや)は新しい県立図書館にありますが、それをこちらに移して様々な漢字学習をこの場でできるようにしたいと考えています。

 なお、こうした子供を対象とした歴史文化施設というのはあまり全国にも例がないと思いますので、従来の建物を活用する方法ではありますが、できるだけ役に立って先進的なものになるように努めたいと思います。

 次に2ページの「健康長寿」について、がん医療推進センターの関係です。

 陽子線がん治療施設は、今年度上期から工事を開始する予定でしたが、建築工事の施工者が決定しなかった関係で、スケジュールを少しずらさなければなりません。建築工事開始を当初19年7月に予定していましたが、来年1月と半年遅れることになりますが、そのように対応したいと思っています。

 それから、陽子線がん治療施設での治療開始に先行して、来年度には「がん医療推進センター」を県立病院に開設する予定です。先月28日には、国内のがん対策の第一人者の方々に委員としてご出席いただいて構想策定委員会を開催したわけですが、全国から注目される先端的ながんセンターのあり方についてご意見をいただくことになっています。

 このセンターでは、内科、外科、放射線など複数の医師と、看護師、薬剤師など医療スタッフが連携してチームによる医療を行うシステムをつくりたいと思いますし、肺がん、肝臓がんなど難しいがんについては、専門医を県外から招聘して高度な診断・治療を行うシステムをつくりたいと思います。

 委員会は今年10月と12月にあと2回開催し、年内にセンターの構想をまとめ、陽子線がん治療施設も活用しながら全体としてがん対策において先進的な県にしたいと思います。

 次に、同じく2ページの安全・安心、治安向上のための「ポリス・スタンバイ作戦」についてです。

目に見える警察官活動を強化したいと考えます。具体的には、県内に交番が39ありますが、近くの交番への距離や方向を示す「位置表示シート」をコンビニエンスストアや公共施設などに掲げて、全体としてゾーンディフェンスの方向を強めたいということです。

また、コンビニや公共施設の駐車場を拠点としてパトカーを駐車し、広い範囲にわたり警察官の徒歩によるパトロールを実施したいと思います。これまではパトカーが主でしたが、最近は自転車、さらには歩くということを加えて、パトカーにもパトロール中であるという「表示シート」を掲げて、活動をそこでやっているというのがわかるようにしたいと思います。

 次に、産業問題ですが、観光客入込数1,000万人達成の実現のためのもので、3ページの「「ビジットふくい」観光客誘致拡大事業」です。

 本県を訪れる観光客は、昨年は985万人とその前年に比べて6%増加しており、目標の1,000万人も間もなく達成すると思います。本年度上期、1月から6月までの主要観光地の入込数も、昨年の487万人から今年は508万人と21万人増加している現状にあります。

 県外からの誘客を進めるため、これまでも旅行業者と連携した誘客を行っており、一定程度の誘客ができた場合の支援制度を設けているわけで、春夏秋冬、切れ目のない送客に努めています。

この事業により、昨年度は約3万人の送客が行われ、また、多くのPRもなされているところでして、これによって福井への旅行商品企画のきっかけになると思っています。

 県の予算年度は4月から翌年の3月までですが、特に春の旅行については新しい年度に入って準備したのでは間に合いません。このため、債務負担行為ということで、今準備しておいて、これを来年の春の商品に使うということです。この債務負担行為を今年度も計上したいと考えています。

 また、今年度から、観光施策を県全体で総合的に行うために、県、市町、観光協会、観光事業者などが一緒になった推進会議を設けています。そして、統計の動き、各観光地のお土産や食べ物、交通アクセスなどについて絶えず一定期間ごとにチェックして改善し、また新しいルートもつくったりするというやり方を強めています。

それぞれの関係者がばらばらにやらないということで、今後、観光地をめぐる周遊バスなど、互いに協力できるものから順次取り組みますし、インターネットを活用した誘客などについても検討していきたいと考えています。

 この推進会議は、既に4月27日と8月9日に行っていますが、またこの秋にも開催し、観光の振興を図っていきたいと思います。

 次は、4ページの、県土づくりに関して、空港連絡バスなどの改善についてです。

小松空港は、国内線が1日36便、国際線が2便往復し、年間の利用者数は約250万人と聞いています。そのうち福井県民が18万人、それから、県外から本県を訪れる人が約20万人利用しておりますので、合わせて38万人が福井県関係で利用していることになると思います。

 現在、福井市から小松空港へのアクセスは空港連絡バスで約70分近くかかりますので、これを55分ぐらいにまず縮める。一般車両の50分に比べて少し時間がかかり過ぎているわけですので、改善するということです。

どうするかといいますと、まず、福井県も前から強く要請していましたが、来年の2月に、北陸自動車道の安宅PA(パーキングエリア)にスマートIC(インターチェンジ)が、国と石川県により整備されることになりました。このスマートICを利用して空港バスが一般道を走る距離を短くすることで、全体の時間が短くなると思います。現在は、空港バスは高速道路への乗り降りを片山津ICでしていますが、このスマートICに変えることになります。

それから、県内では丸岡ICで高速道路へ乗り降りしていましたが、これを福井北ICに変更する。これで15分短縮し、55分にしたいということです。

そのため、福井北ICに駐車場確保のための経費など、バス会社へ2年間、運行が安定するまでの応援をする予算を組んでいます。なお、丸岡のバスターミナルからの乗り降りはやめますが、丸岡ICで1回すっと降りて、またぱっと上がるようなやり方で、できるだけ時間が短縮するようになります。

 なお、安宅スマートICについては実験期間が半年間となっておりますが、本格導入に向けてPRをしたいと思っておりまして、石川県と連携した予算を組ませていただいています。

 次に、同じく公共交通機関の問題ですが、電車・バスの利用ということで、高校生のバス通学の利便向上事業についてです。

高校生活は3年間であり、1か月でも早く着手しなければなりませんので、降雪前の11月からスタートさせるため、今回補正予算を計上しました。

 現在、高校生は県内に約2万5千人おり、うち約5千人が地元の市町を越えた別の市町に通学しています。そのうち約1,500人の生徒は公共交通による通学手段がバスだけです。この1,500人のうち約300人、2割程度が実際にバスで通学しているということで、残りの生徒はお母さんたちによる送迎や貸切スクールバスの利用などが行われていますが、これをできるだけやめることをねらっていきたいと思います。

 特にどういうエリアが課題かといいますと、福井市西部地区、鷹巣とかの海岸部分、川西地区から福井市内へ来るのが大変です。それから、越前町、池田町では路線バスが唯一の公共交通機関となっています。

 そこで、今回、この3つのコースについて改善を図りたいと思います。具体的には、福井市西部からの通学バスについては、朝夕、中心部まで停車せず、すっと藤島高校や北陸高校、仁愛高校へ出るような便を朝夕1便増便したいと思います。

これにより、子供たちの通学時間が約20分短くなります。また、朝の出発が25分遅く出ればよくなる。毎日のことですから、負担が軽くなるように。それから、バス停から高校までの距離が近くなるといった3つの便宜を図ります。

 それから、池田から武生高校などについては、通学時間が15分短くなりますし、バス停から高校までの距離が近くなると思います。越前町から鯖江・越前市内への通学については、通学時間が10分短縮、鉄道への乗換えなども要らなくなるし、定期代が安くなる。このようにルートの変更や、朝の便を増便することによって通学の利便を向上します。これは11月から実行したいと思います。

 次に、6ページですが、これは予算を使わないゼロ予算になりますが、「ふるさと貢献」寄附促進事業です。

現在、国においては有識者による「ふるさと納税研究会」を開催し、ふるさとに対する納税者の貢献が可能となる税制上の方策について検討しています。一昨日も研究会があり、もう1回今月末に行われて、最終のレポートが行われることになると思います。

主に寄附制度という仕組みを利用して、納税者の負担が増えないようにしながら、ふるさとに貢献できるようなシステムができると思いますから、それを今度は政治的、具体的に議論していただくことになると思われます。

 こうしたふるさとへの貢献活動を広めるために、庁内プロジェクトチームでいろいろ検討しているわけですが、今回、特別な予算を用いることなく、ふるさと貢献メニューをまとめた募集サイト、「ふるさと福井応援サイト」を今月中に県のホームページに開設し、寄附の申し込みがインターネット上でできるようにしたいと思います。

現在、寄附をいただく場合には、県庁まで申請に行く手間がかかり不便ですが、このサイトを利用していただければ、県庁までお越しいただくことなく、専用の納付書あるいは口座振替による寄附が可能となります。

 また、12月には全国で初めて、インターネット上からクレジットカードによる寄附ができるよう準備をしていきたいと思います。

 また、国の債券、国債よりも低利に設定した住民参加型の県債である「ふくいふるさと債」を10月末に発行し、金利分の差を利用して子育て応援システムを実現するよう、現在、その準備を進めているところです。

 この住民参加型の県債については、これまでは県内在住の方に限っていたのですが、ふるさとである福井の応援を求めるという観点から、今度は県内外の個人・法人を問わず募集しますので、また応援をお願いできればと思っています。いずれにしましても、福井の魅力を十分示しながら、共動事業への参加など貢献をしていただきますように寄附をお願いしてまいります。以上が予算の関係です。


 その他数点、お話しします。

 1つは、「平成19年度福井県経済戦略政策会議」についてです。

 景気・雇用情勢が回復基調にありますが、一方で、格差の問題とか新しい経済の見通しなど転換の時期であり、福井県の産業を次のステップへ導く必要があります。

そこで、本年度新たに「福井県経済戦略政策会議」をつくり、第1回目の会議を9月10日、来週月曜日の10時から開催します。年内に3回程度の開催を予定しており、各回ごとに議題を設定し、テーマに知見を有する専門家からキーノートスピーチをいただいて、それを踏まえて委員による議論を行うというやり方にします。

 委員ですが、これまでお願いしておりました堀田委員、新町委員ら4名の方に加えて、福井にゆかりのある方ですが、日立製作所顧問で元副社長の熊谷一雄さんにお願いをしています。もう1人は三神万里子さんという、経済ジャーナリストでキャスターとしても活躍している方にお願いしたいと思っています。

 第1回は「人の誘致」、経済学的にいうと地域構造政策をテーマにして、労働力人口の減少が現実的な中で、本県の活力のもとである「産業人材の確保」や福井県へ移住する「新ふくい人」の招致などの議論を進めたいと思います。大所高所からのご意見をいただき、我々は実務的にまとめていくということになります。

 2回目は県内中小企業の特性を活かす新経営戦略。これは中小企業政策ということです。

 3回目は、11月ごろになるかもしれませんが、福井県の経済指標の評価・分析。データ分析を踏まえながら、産業構造政策について議論をしたいと思っています。


 次に、全国のローソン各店において恐竜博物館のチケット販売を実行したいと考えています。ローソンのお店は全国に約8,600カ所あるそうで、ここでチケット販売を行います。

これは常設展と特別展のチケットで、特別展は開催日の1カ月程度前から期間中販売ということになります。全国で約150万部発行されている月間情報誌「ローソンチケットENTA版」にこの情報が載りますので、全国的にも子供や大人たちに恐竜のブランドを知っていただくという役割もあるかなと思います。


 次に、アジア市場の販路開拓についてですが、今回新しく香港事務所に2名のビジネスコーディネーターを配置します。

 また、香港、上海と2つの事務所がありますが、会議用スペースを現地における商談の場やオフィスの場として無料貸与する予定です。これらの支援業務については、9月10日、月曜日から業務開始しますので、県の海外事務所を企業の皆さんにご活用願えればと思います。

 なお、上海の弁護士事務所に相談業務を委託して、法律専門の無料相談もできるようにしたいと考えています。


 最後に、六本木ヒルズの屋上庭園で、昨年、コシヒカリの田植えから取り入れ、餅つきまでやりましたが、今年はここにそばを植え、そば打ち体験が行われるようにしたいと思います。これはお米に続いて2回目になります。

 そばについては、県外においしい福井県そばの認証店を3店認証し、県産そばのPRをしていますが、今回は六本木ヒルズでやりたいということです。

9月30日に冬野菜の種をまいて、10月28日に大根の成長観察会、12月2日にそばの収穫、そして、年明けて1月20日に、みんなで食べていただくという格好になると思います。

 なお、参加者は小学館の雑誌「edu」で募集をします。


【記者】 陽子線がん治療施設の整備はエネルギー研究開発拠点化計画の中にも位置づけられ、時限を切って取り組むべき事業だったと思います。しかし、施工業者が決まらないという現場、手続の問題により、半年間、県民に対する治療が遅れることに対しての知事の認識はいかがですか。

【知事】  予定どおりにいくと良いのですが、やはり通常の機械とか建造物ではなく、人の健康にかかわる施設ですし、かつ陽子線を活用するわけですので、いろいろな影響も考えなければなりませんから、慎重に。工事が数か月遅れ予定より利用していただくのが遅れるかもしれませんが、できるだけ迅速にやって、後の結果がいいように努力したいという気持ちです。

予定が少し遅れているのは残念ですが、それは対外環境によるもので、やむを得ないことかなと思います。数か月急いで、できたものが立派なものでなくなると困りますから、ここは慎重にやったほうがよいでしょうということで、県議会でもご理解を願いたいと思っています。もちろん、県民の皆さんにもご理解をしていただければと思います。

【記者】  「がん医療推進センター」の構想策定委員会で、国立がんセンター名誉総長の垣添さんが「陽子線がん治療施設を2つも建てるのは設備投資としていかがなものか。若狭湾エネルギー研究センターにもあるのに、なぜ県立病院にももう1つ要るのか。」と、ちょっと否定的なことを言われていました。

「陽子線がん治療施設をつくるのであれば、その設備投資分を例えば放射線治療に充てるとか、人員の充実に充てたほうがセンターとしては役立つのではないか。」と言われていたのですが、推進センターの構想の中に、当然、陽子線がん治療施設というのは核として入ってくるべきものですけれども、そうした方が構想策定委員会のメンバーにいらっしゃって、これからどのように意見を集約されるおつもりですか。

【知事】  若狭湾エネルギー研究センターではこれまで年間10人とかのオーダーで治療をしています。それも本格的な治療ではなくて、今後の年何百人とかの利用に備えての準備的な意味もありましたから、レベルも全然違いますし、医療施設との連携が必ずしもできておりません。

 今度の「がん医療推進センター」は、福井県のみならず、かなり広域的に。そして、がん治療には、陽子線治療の方法のほかに化学療法、あるいは外科療法のものもありますから、そういう全体性を持って、県立病院のほうでやるということですから、レベルが全然違います。

若狭湾エネルギー研究センターのものは、むしろサイエンスといいますか、バイオとか、あるいは金属の表面処理といった方面に使うことになりますから問題はないと思います。

 直接その会議の様子は聞いていませんが、具体的にご説明して理解をしていただいていると思います。

【記者】  こちらの取材に対してもわりと否定的なことをおっしゃっておられたので、意見の集約を今後どうするのかと思うのですが。

【知事】  十分ご説明をしたほうがいいと思いますし、いろんなご意見を持ちながら結論に至っていただければいいと思います。

【記者】  恐竜博物館のチケットについてですが、今は恐竜博物館で直接買っているわけですが、全国の方が全国のローソンで買う際に、割引とかのメリットはあるのでしょうか。

【知事】  値段は同額ですが、全国にPRするという非常に大きいメリットがあると思います。

勝山まで来ていただいてチケットを買うのと何が違うのかということもありますが、やっぱり全国に知っていただいて、ローソンのカタログの中に載っているというところが全然、PRの媒体の数が違うと思います。

本人のご負担は変わらないということで、前売りで安く買えるという意味ではありません。

【記者】  券が大量に売れるというよりも宣伝、特に常設展の場合は、一定期間ある程度はずっと宣伝してもらえるということですか。

【知事】  そうですね、今申し上げましたように宣伝もしていきますし、ローソン情報誌に掲載、また、ポスターとかも掲示できますから。

【記者】  チケット関係は次々と変わっていくものだと思いますが、全国のローソンに特別扱いで、ある程度目立つようなところにずっと貼っていただけるものなのですか。

【知事】  それはこれからいろいろチェックもしないといけないでしょうし、効果を見てやりたいと思います。

【記者】  今朝の新聞で、福井鉄道の自主再建が困難で、近く県に抜本的な支援を要請するとありました。要請されたら、県としてはどういう対応を考えているのか、もし引き受ける場合、いろいろインフラ上の問題もあると思いますが、今後、再建に当たっての経営スタイルなどにどのように注文をつけるかについてご意見を伺えればと思います。

【知事】  福井鉄道については、これまでも沿線の市と応援をしてきたわけですけれども、安定経営のために、これからの改善見通しとか、株主や金融機関などとの経営改善あるいは再建という言い方になるのかもしれませんが、環境を整えるように求めてきており、まず会社としてどういう判断で行うのかというのをお聞きしないといけないと思いますね。

それをお聞きしないでどうだ、という話にはならないと思います。実際お聞きした上でこれからのことは考えなければならないだろうと思います。名鉄という大株主もいるわけですし、金融機関もあるわけですから、全体として、そういう議論をしていく必要があると思います。

【記者】  今、えちぜん鉄道は第三セクターで運行しているし、越美北線の全線開通にもお金をたくさん負担している状況で、今後、さらに公共交通機関への行政の負担というのが増える可能性が高くなると思いますが、そのことに対してはどのように考えていますか。

【知事】  一般的に、行政の負担が増えるとか増えないという議論の前に、福井鉄道が鉄道の事業者として、どのように自らの会社を思っているのかというのが先にあると思います。鉄道会社としての改善なり再建なり、そこをはっきりさせてのお話が必要だと思います。

【記者】  支援に当たっては、厳しい目で見ていくということですか。

【知事】  厳しいというより、当然のこととしてやっていただかないといけないということで、すぐに支援という話ではないということです。

【記者】  旧県立図書館整備事業については、県立歴史博物館の内容とかなりダブるのがあるような気がしますが、それを調整するようなことは考えていますか。

【知事】  今回の施設は、博物館というより子供の教育とか文化に関わる施設になると思います。もちろん、一部重複的なところがあるかもしれません。

今の歴史博物館では、偉人の方の業績や子供のころの様子というものは展示されておりませんし、今回の施設は子供の教育が中心になると思っていただきたいと思います。特に白川先生も漢字学ですので、子供の教育に深く関わると思います。

展示は人物中心といいますか、歴史で言うと編年体ではなくて紀伝体のほうです。ちょっと伝記的な感じになります。ただ、子供だけということではなく、大人にもという水準にしないといけないと思います。その上で、子供によくわかってほしいということです。

【記者】  原発関連で1点質問します。先日、文部科学省の方が本県に来られ、その中で、概算要求で新たな交付金を創設するというお話がありました。その内容は、エネルギー研究開発拠点化計画の内容に沿った中身かなと受け取ったんですけれども、聞いている段階での受け止め方、また、それが拠点化計画の進行につながるかとかについてお聞きしたいのですが。

【旭副知事】  人材養成や交流とか、いろいろなことに使えるというお話がありましたが、まだあまり具体化はされていません。文部科学省としては、拠点化計画の一翼を担うという役割を持っていますので、そういうことに十分使っていただけるようなことを考えて制度化したいということで概算要求したと聞いています。

まだ概算要求ですから必ずできるかどうかわかりませんが、そういう趣旨で制度化できるのなら、拠点化計画の中でいろいろな施策を打ち出しますけれども。ちょっとまだ今はそういう段階ではない。

【知事】  より本質的な、いろいろな研究につながるような方向でないといけないと思います。

【記者】  ふるさと納税のことで2点お尋ねします。知事がかねてから提案していた形で来年度から導入される方向になりつつありますが、その点についての知事の感想をお聞きしたい。また、導入されれば、いよいよ地方も政策を競い合う時代に入っていくことになるわけですが、その辺についての知事の考え方をお聞きします。

【知事】  今月末までに、大体、「ふるさと納税研究会」の報告書ができると思いますので、それを十分に国民の皆さんにわかっていただくとともに、政治的に税法の法律改正が要りますので、そこで実行するということになると思います。

 大体、我々が思っていたような制度になっていると思います。寄附したものを100%税額で控除する。例えば、もしAさんが東京に住んでおられ、その税金が住民税30万円として、その1割の3万円を福井に寄附されるときには、その3万円全額を東京の都民税あるいは所得税から引く。これはこれからの政策課題になりますが、我々は、どちらかを引くべきだと言っていますが、引くということですから、ご本人の負担の増減はないままでふるさとに貢献ができるということです。

 一時、役所のほうで、あなたの5万円をどちらに配分するんだということをしようという案もありましたが、それは制度としてなかなか難しい、よくないだろうということで。全額控除方式ですからいいかと思います。

 問題は、「ふるさと」がどういう範囲かということですが、過去に住んだことがあってお世話になったところといいますか、教育を受けたところとかいろいろありますが、範囲を限定しにくいので、一部、よく行く町といったところも対象にすることもあり得るのではないかということです。ふるさとの範囲は少し広くなるかもしれませんが、それはやむを得ないかなと思います。

 もう1つは、どこに寄附をするかというと「ふるさと」ということですが、多少、自分たちの町が一生懸命やっているから応援してほしいということがあるかもしれませんが、研究会の中では、そういうものがあまり過度に応援してくれということにならないように、おのずと自治体が総合的に自分たちの町をよくするために努力していると、そういう総合評価ですね。パフォーマンスとか、あるいは一時の宣伝といったことにならないような工夫が必要ではないかということをまたレポートにも書くことになると思います。

―― 了 ――
 

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