知事記者会見の概要(令和2年1月7日(火))

最終更新日 2020年2月18日ページID 043201

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令和2年1月7日(火曜日)
10:30~11:15
県庁 特別会議室

知事200107

 

  

【知事】  

 皆さん、新年明けましておめでとうございます。

 旧年中は大変お世話になりまして、ありがとうございました。また本年もよろしくお願いいたします。

 最初に、年末年始のことで申し上げますと、去年は年末に大雪が降るという天気予報など出ておりましたので心配しておりましたが、結果的には大きなことにはならなかったかなと思っています。

 そういう状況でもありましたので、私は元旦に新年祝賀の儀、両陛下と、それから皇族の皆様方が集まられる席にお招きいただきましたので、参列をさせていただいたところです。東京も大変いいお天気でして、穏やかな新年を迎えられたと思っています。

 また、私事ですが、3日と4日には中学校と高校の同窓会がありました。昔話などで大変盛り上がったので、声もかれてしまいまして、あまり喉の調子はよくありませんが、そういう意味で、4日まではゆっくりと過ごさせていただいたところです。

 5日に越前古窯博物館で初釜がありましたので、そちらに出させていただきました。非常に華やかな、しかも、寒さがありますので凛とした感じになって、とても気持ちが引き締まる、そういう思いをしました。

 またその後、ツイッターにも書かせていただきましたが、オードリー・ヘプバーンの写真展に行ってまいりました。映画をいくつも見ましたが、とてもその頃を思い出して、すばらしいなと思ったところです。

 それから、今年はどのような年にしようかといろいろ考えておりました。1つには、去年は知事に就任をさせていただき、いのしし年ということもありましたので、生活のパターンや仕事の仕方を猪突猛進でやらせていただいたと思っています。そう思いながら行っていたわけでもありませんが、お正月休みのときもいろんな方に「体に気をつけたほうがいいよ」ということを言われました。そういうこともあるからというわけでもありませんが、去年はいのしし年で猪突猛進でしたので、今年はねずみ年ということで、中ぐらいの力かげんでいきたいと思います。決して手を抜くということではなくて、やはり少し心に余裕を持って仕事をしたほうが周りもよく見えますし、これから予算の査定が始まりますし、新しいことも考えていかないといけない時期でもあるので、そういう意味で、少しペースを落としつつ、よく物を考えて、周りを見ながら仕事を進められるような、そういうような1年の大きな方針で行こうかと思っています。

 もう1つ、今年の漢字を一字にするということで、年末には昨年の一字は「新」という字を申し上げましたが、今年は「拡大」の「拡」、この字を今年1年、この方向で仕事を進めさせていただこうというところでございます。

 「広」という字は形容詞ですが、「拡」は手偏をつけて動詞化して、「ひろがる」、「ひろげる」というような意味があるかと思います。北陸新幹線の福井、敦賀への延伸も交通網を拡げていくという意味にもちろんなりますが、それに合わせて、新幹線の駅が県内にできます。そういった周辺の整備や、福井駅前への民間の投資なども拡げていくことが必要な大切な時期だと思っています。

 また、職員の皆さんにも、視野を拡げていただく、人間関係を拡げていただく、ネットワークを拡げていただくといったことも必要だということを申し上げました。

 あとは、できるだけ高みに立つ。高みに立つと裾野が拡がるということがあるわけでして、高いほうを目指すということも拡がるという方向につながるのではないかと思っています。

 また、この「拡」という字は充たすという意味もあるようですので、そういう意味では、外に向かっては拡げて、内に向かっては満たす、子育て支援なども既に議会で答弁もさせていただいていますが、充実をさせていただこうと思いますし、福祉の分野もできるだけ皆さんに満足していただけるような、そうした充実した形にしていきたいと思っているところです。

 そういうことで、今年1年をこの「拡」、新春対談でお会いしたプレゼンテーションクリエイターで書家でもいらっしゃる前田鎌利さんに書いていただきましたけれども、この文字で行きたいと思っているところです。

 

 それでは、資料に従いまして、ご説明をさせていただきます。

 まず、第31回の全国「みどりの愛護」のつどいの開催日についてです。

資料:第31回全国「みどりの愛護」のつどいの開催日の決定について

 

 これは今日、国土交通省でも発表されると思いますが、5月16日に福井市の運動公園で開催をしたいということでございます。約1,000名から1,500名の方が来られまして、これまでであれば、皇太子同妃両殿下、令和になってからは、秋篠宮皇嗣同妃両殿下においでいただいたということでございますので、しっかりと準備をしてまいりたいと思っているところです。

 

 次に、今年の主なトピックを掲げさせていただきました。

資料:令和2年の主なトピック

 長期ビジョンについては、3月までに県の案としては取りまとめをしていきたいと考えているところです。議会での議論はその後も続くかもしれませんが、我々としては年度内に案をまとめていきたいと思っています。

 それから、北陸新幹線福井・敦賀開業に向けて、準備をスピードアップします。今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。県にゆかりのある選手の皆さんの出場も、ある報道によれば2桁になるかもしれないというようなことも書いてありました。バドミントンの山口選手や、フェンシングの見延選手、そして競輪の脇本選手など、有望な選手もたくさんいらっしゃると思いますので、ぜひとも活躍いただきたいと願っているところです。さらに県内では、スポーツコミッションの設立など、開業対策の加速化も行っていきます。

 また、無印良品の世界の旗艦店である無印良品銀座店のレストランで福井のメニューを出します。いちほまれや、若狭牛、ふくいサーモン、とみつ金時、上庄の里芋、打豆などを出していただくことを、1月17日から10日間にわたって行い、福井を盛り上げたいと思いますし、こういったことを含めた新幹線開業対策加速化プランを年度内には策定したいと思います。

 また、今年のNHK大河ドラマで放映される「麒麟がくる」について、明智光秀は、55年ぐらいの人生のうち10年ぐらいは福井県で、「雌伏の地」と最近は県庁の正面にも書いてありますが、福井は力を蓄えた場所だということで、いろんな形で年末年始も取り上げていただきました。明日も、「歴史秘話ヒストリア」で一乗谷朝倉氏遺跡資料館の学芸員の方が出演してご説明もさせていただいていますので、期待をしておりますし、皆様方にも発信をいただければと思っております。また、インバウンドにも力を入れていきたいと思います。

 恐竜博物館も今年は20周年を迎えます。7月からは恐竜博物館と横浜で開館20周年を記念した特別展を開催します。また、東京へ行ったときも、至るところに「のび太の新恐竜」というドラえもんのポスターがたくさん張ってありました。恐竜博物館とタイアップ企画を行っていることから、これにも期待をしているところでございます。

 さらに、北陸新幹線も着々と整備が進んでおり、夏には全てのトンネルが貫通するということですし、レールの敷設も始まります。並行在来線会社についても、33名の採用を決めたと聞いております。いろんな研修が4月から始まるということでJRにお願いをしているところでございます。さらに、新幹線以外にも中部縦貫自動車道や、国道8号の石川県境部分、舞鶴若狭自動車道、冠山峠の道路などの整備も積極的に進めていきたいと思います。

 子育てについても、現在の3人目以降のお子さんからの支援を2人目にまで拡大していくことも含めてやらせていただきます。

 また、県立大学の創造農学科の新設について、園芸も含めて農業が盛んな地域に設置されますので、地元農家や加工施設、さらには嶺南の植物工場の方に特別講師になっていただくようなこともしながら実学を学んでいただくということをしていきたい。

 県民衛星の打ち上げについては、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から今年の4月から9月の間に行われるということで、成功できるように期待をしています。

 私からは以上でございます。

 

~質疑~

 

【記者】  

 「みどりの愛護」のつどいについて、参列される皇室の方は、秋篠宮皇嗣殿下の予定ということでよろしいでしょうか。

 

【知事】  

 これはまだ発表になっておりませんので分かりません。過去の例を見ると、皇太子殿下、昨年は皇嗣殿下にお出ましいただいたということになっているようです。

 

【記者】  

 「みどりの愛護」のつどいの行事内容は、式典、表彰、記念植樹とありますが、具体的に教えていただけますでしょうか。

 

【知事】  

 これは、実行委員会の中で詰めていくと思っております。式典等の中身については、開催準備が整ってまいりましたらご説明をさせていただこうと思っています。

 

【記者】  

 記念植樹の場所もまだこれから詰めていくのでしょうか。

 

【知事】  

 そうですね。運動公園の中だと思いますが、具体的な場所については検討中です。

 

【記者】  

 実行委員会は県庁内でつくるということになるのでしょうか。

 

【都市計画課長】

 実行委員会につきましては、国土交通省と福井県、福井市で組織しておりまして、現在まで2回開催しております。

 

【知事】  

 国体と同じように、式典の前にいろんな映像や音楽を流したり、伝統芸能をやったりなど、お客様をもてなす時間もあるようですので、福井県らしさを感じていただける、さらに、食を味わっていただくというようなブースも出るようです。そういったことも含めて、これから協議を進めていくということかと思います。

 

【記者】  

 国体に続いて全国から人が集まるイベントになるかと思いますが、福井県のどういうところをアピールしていきたいのでしょうか。

 

【知事】  

 やはり幸福度日本一ですし、自然も豊かですし、みどりの愛護という趣旨には、とても似つかわしいところではないかと思います。

 県立大学の進士学長のお話の中で、これはまだ学長になられる前でしたが、福井のような里地里山里海湖といった自然が、人としては一番親しみやすいので、例えば、知床や西表などの手つかずの大自然に比べて、人の手がしっかりと加わって人と一緒に共生している里地里山里海湖の美しさ、福井のこの美しさは、すばらしいとおっしゃっていました。やはり、SDGsの世界というものはまさにこのことだと思います。

 こういった緑を含めて、生物が多様性の中で暮らしていくことが我々にとっても生きやすい、そういう社会になると思いますので、そういうことにはうってつけの場所だと思います。そういった緑を大切にする里地里山里海湖を発信していきたいと思っています。

 

【記者】  

 今、お話になられたトピックについては、特に重点的に取り組みたい、知事として、とんがらせたいというものがありましたら一言いただけますでしょうか。

 

【知事】  

 まずは長期ビジョン。これはこれからの県政、特に私が知事としてどういう方向に進んでいくのか。県民の皆さんともいろいろ既にご相談もさせていただいてきておりますので、これに大きな方針を明示できるようにしていきたい。この中でSDGsのこともしっかりと位置づけて、これからも持続可能な福井県ということを明確に打ち出していくということが大事ですし、また、県内でのSDGsの取り組みが必ずしも進んでいるとは思いませんので、市や町、企業の皆さんとともにそういった社会をつくっていくということも明らかにしていきたいと思っております。

 また、恐竜博物館は今年20周年、節目の年になりますので、重点的にやっていきたいと思います。さらに、何といっても新幹線の整備に向けた準備、ソフト面の開業対策加速化も含めてやっていきたいと思います。また、県民の皆さんの生活という面では子育ての応援を充実させていきたいと思っています。

 

【記者】  

 知事に就任されてから2年目に入って、ようやく長期ビジョンや4月に掲げたことがいろいろ形になってくると思います。特に長期ビジョンについては、今までの策定の状況などを見られていますが、どのように評価されているのでしょうか。

 

【知事】  

 これはなかなか難しいのは、一生懸命、県議会との間でコミュニケーションをとりながらやっていますが、県民の皆さんのお話を伺っていると、いろんな地域、いろんな分野で課題が出てきています。大きな方針を示すという意味では、できるだけ皆さんに目配せ、気配りしながらやっていく必要があると思っていくと総花的だという話になりますし、やはり長期的な財政状況というのは必ずしも見えない中で、あまり具体的に何々をつくります、何々をやりますと言ったところで、財政的に難しいところもあるわけです。そういう意味では、方向性は示せても具体に全て書き切れないところもあるので、具体性がないという話にもなりますし、難しいところではあります。それでも、一つ一つの具体的な内容は、5か年計画も含めて書かせていただきますし、そういった中で財政的なことも10年スパンの長期収支も見ていただきながら進めていきます。そういう意味では、バランスはしっかりとりながら、一つ一つの具体的な、どういうことが起きるのかということは皆さんに少しでも想像していただけるような内容にしたいと思います。

 

【記者】  

 北陸新幹線については、福井・敦賀開業まで3年余りとなり、4月からは本格的にレールの敷設も始まるということですが、一方で、土木工事の進捗率は県内だけで見るとまだ50%台にとどまっています。このことについて福井県としてはどのように受けとめているのでしょうか。

 

【知事】  

 もともと工期を3年短縮してやっておりますので、そういう意味では、ずっとぎりぎりの状況で来ているのだと思います。

 一方で、これまで新幹線の土木工事などを制約していたのがオリンピックのための整備ということも1つ言われており、人手や資材の不足というようなことがありましたが、そちらのほうは一服感が出ていると思います。

 また、コンクリートが足りないなどといったことはありましたが、こういったものにも一つ一つ丁寧に県としては具体的に対応させていただきましたので、今、工期がおくれるというお話は伺ってはいません。そういう意味では、ぎりぎりの中ですが、順調に進んでいると思っています。しかし、トンネルもまだ工事中ですし、これからも何が起きるか分かりませんので、突発事態にもしっかりと対応しながら、まずは少なくとも、3年2か月後の福井・敦賀開業を確実にできるように進めていきたいと思っています。

 

【記者】  

 新幹線の福井・敦賀開業に関連して、広域的な観光旅行の確立や、2次交通の充実というのも常々課題として挙げられていますが、具体的なスケジュールや方針は、この北陸新幹線開業対策加速化プランなどの中で示されていくのでしょうか。

 

【知事】 

 今、「新たな観光戦略」や、「北陸新幹線開業加速化プラン」を策定しています。これはいずれも5か年計画になりまして、新幹線福井・敦賀開業の時期も入っていますので、それぞれの場所で何をやっていくのかということを書いていくのだと思います。

 その他に、例えば東尋坊や、恐竜博物館、さらに、これからは丹南地域も産業観光という形で、伝統的な産業、工芸を位置づけていくというようなことも一つ一つ計画を持ちながらやっていく必要はあると思っています。まずは、北陸新幹線開業対策加速化プランの中で絵を描いて、その上で個別にどう対応していくのかということを具体的にしていくという方法で考えていきたいと思います。

 2次交通についても、「新たな観光戦略」や「新幹線開業対策加速化プラン」の中で具体化していきたいと思います。

 

【記者】  

 新年度予算について、今月内にも編成作業が本格化すると思います。今年の漢字は「拡」というお話もありましたが、今回の新年度予算編成に当たって、力を入れていきたいことはありますか。

 

【知事】  

 1つは、市や町との連携ということを十分に活かしながらやらせていただきたいと思っています。子育て支援については、県は医療費の無償化を小学校3年までしかやっていないというような指摘を受けていますし、幼児教育・保育の無償化の国の制度が始まりましたが、まだ0歳から2歳のところは足りていないと思います。こういうところを市や町と一緒に拡充をしていきたい。

 先日、市や町から出た意見は、急に無償化を拡げると、受け皿の準備が間に合わない。保育士の数もしっかりと整えながら進めてほしいというお話もありましたので、無償化を拡大していくという方向とともに、そういうことが実現できるような状況をつくって、充実させながらやっていく。それは市や町と連携して進めていこうと思っています。

 さらにもう少し具体的に言うと、災害対策。今年度の6月補正予算で計上し、現在、新しい防災システムを県で整備していますが、市や町で十分活用いただいて、外国人の方の避難にも活かしていただきたいと思いますし、予算の随所で、人事の面でも、市や町の協力をいただきながら、一緒に住民の皆さんの安全・安心を守る、福祉を充実させるという方向でやっていきたいと思っています。

 

【記者】 

 防災システムについて、もう少し詳しくお聞かせください。

 

【知事】  

 例えば、どこで災害が起きていて、通行止めがどこで発生しているのか、どこで避難勧告が出ているのか、避難所がどこにあるのかというようなことをインターネットで県民の皆さんにも見ていただけますし、市や町も自分たちでそこに書き込みや確認することもできます。また、市や町は避難勧告を出す際、今までですと、例えば防災行政無線のスピーカーでの発信、文字情報をテレビに出してもらう、紙媒体での関係機関への通知、県への連絡など、いろんなことを同時に行わなければならなかったことが、県のシステムに入力すれば、同時に必要なところへ同じ情報を流すことができます。また可能であれば、避難勧告や避難指示といったものを出すもとになるデータも分かりやすい形で市や町に連絡ができるようなものにしていくなど、いろんなことを今検討しながら進めさせていただいているところです。市や町にも、県民の皆さんにも使い勝手がいい、外国人の方にも少しでも使っていただけるようにしていきたいと思っております。

 

【記者】  

 その防災システムを新年度に導入されるということでしょうか。

 

【知事】 

 最終的には来年度末になると思いますが、一部でも今年の出水期、6月ぐらいまでに間に合わせて稼働していきたいと今一生懸命やっています。最終的には来年度中に完成させたいと思っております。

 

【記者】 

 防災のシステムを充実させることで、県民生活に役立てていきたいということはありますか。

 

【知事】  

 これはツールなので、もちろんプッシュ型、皆さんのところへ緊急速報メールなどといったもので連絡もさせていただく、そういう気づきを持っていただいて見に来ていただくようなところまでは、できるだけ行政でもやらせていただこうと思います。あわせて、市や町、それから地域では、そういったことを活かしていくために、まずは訓練をするということもそうですし、ハザードマップも最近注目を集めています。ハザードマップは非常に当たります。市や町がハザードマップを作って住民に配布しても、実際見ていただけないということは、私が消防庁にいたときもつくづく感じました。そういうことではなくて、水がここまで来ますというような基本的なデータは市や町が住民に提示した上で、どこに避難するのか、どういうような形でみんなが役割分担して避難所を運営していくのかといったことを具体的にさらにもう1回地域で考えていただくと、私の経験でも、市や町が置いている避難所は、自分たちの住んでいるところから見ると3kmぐらい先になる。こんなところ、とてもお年寄りは歩いていけないということで、廃校になった場所や、お寺というようなところを地域としての避難所に決めて、2年半前の九州北部豪雨のときには実際にそこに逃げて助かった方がたくさんいらっしゃいました。そういうようなこともぜひともやっていただけるように周知もしていきたいと思っております。

 

【記者】  

 知事の今のそういう問題意識は、昨年の台風19号のような災害を受けてお感じになっているのでしょうか。

 

【知事】 

 台風19号や15号の被害については、そこで新しく得られた知見も当然あったと思います。風があれだけ猛威を振るうということは、最近あまりよく分かっていなかったという部分もありますが、特に風水害の関係については、地震と違って事前にタイムラインなどをつくって準備することができます。私は消防庁時代に、全国で災害がいろんな形で起きましたので、そういう経験も持っていますし、県庁の中でも安全環境部にいる職員、危機管理を長くやっている職員もいまして、大分蓄積ができてきています。そういう意味では、昨年の台風被害で新しい知見もあったと思いますが、多くはこれまで蓄積してきたものを形にしていっているというところかと思っています。

 

【記者】  

 昨日の職員向けの年頭挨拶の中で、SDGsを当初予算に明確に位置づけていきたいとお話しになられて、今日の記者会見でもSDGsに何回か触れられていると思いますが、具体的にどんな形でSDGsを位置づけるのでしょうか。

 

【知事】  

 長期ビジョンは2040年までですので、少し期間が長過ぎるところがありますが、SDGsは2030年を目標にしていますので、長期ビジョンの最初の5年間で実行する「新時代スタートアッププロジェクト」や、予算では予算書の中に個別の事業がどの目標に沿っているのかというようなことも明確にしていきます。また、ソートをかければ、SDGsのこの施策についてはこんな事業をやりますということもすぐ分かるようになります。そういうふうに分かりやすい形で、一つ一つの事業をまずはSDGsの目標と関連づけて、その目標に沿っているかどうかをこちらでもう1回確認をして、さらに足りないところがないかということを確認して事業の充実を図る。そういった作業をしていきたいと思っております。

 

【記者】  

 使用済燃料の中間貯蔵施設について、昨年末の会見では年明けにも関西電力から状況の報告を受けるとおっしゃっていましたが、具体的にいつごろ、どなたからどのような報告を期待しているかお聞かせください。

 

【知事】  

 時期としては、今月中にはと思っております。誰からということについては、先方もありますので、まだ調整中かと思います。内容的には、当然、中間貯蔵施設の具体的な場所を明示するというお約束もありますし、原子力を安全に運転していただく必要がありますので、そういったことの内容、心構えについても伺います。

 今後の原子力の事業全体の運営の方針についても、毎年、新年のご挨拶という形でお話を伺っていましたが、今回はそういう形にはならないと思いますので、年頭にいつも伺っていたようなことも聞かせていただくというふうに思っております。

 

【記者】  

 中間貯蔵施設について、今どんな検討が進んでいるかという中間報告を受けるということでしょうか。

 

【知事】 

 最終結論がいきなり来るという状況にはなかなかないかもしれませんので、年内、かつ、できるだけ早くということですので、進捗状況を伺うということになるかと思います。

 

【記者】  

 先方のレベルに合わせて、知事がお話を聞くのか、副知事が聞くのか、部長が聞くのかということは、これから決めていくのでしょうか。

 

【知事】  

 そうだと思います。

 

【記者】  

 今朝の新聞で高浜町の元助役の音声についての報道がありましたが、知事はその音声をお聞きになられたのでしょうか。

 

【知事】 

 聞きました。

 

【記者】  

 改めて、関西電力への強い影響力を持っていたということが分かったかなと思いますが、聞いてみて率直な感想などあればお聞かせください。

 

【知事】  

 私は、実際にお会いしたのが十数年前だったかと思いますが、そんな方だったなということを思い起こしました。私も以前申し上げたかと思いますけが、私と話をしていたと思ったら、違う場所へ行ったときには、県の職員に非常に厳しく声をかけていました。丁寧なときと相手を叱りつけるような感じでお話をされるということを、何となくイメージとして当時のことを思い出したという印象を受けました。

 

【記者】  

 昨年、税制改正大綱が決まって、原発立地県としては関心の高い収入金額課税の一部見直しに伴い、全国で40億円から50億円の減収になったと思いますが、改めて福井県への影響と知事の受けとめをお聞かせください。

 

【知事】 

 当初は全体で約1,500億円の減収かというようなことも言われておりました。私はそのとき申し上げましたが、収入金額課税というものは電力の事業に対する外形標準課税として、ある意味正しいと思っておりました。それを通常の企業と同様の外形標準課税に切りかえていくということに非常に危惧を持っておりましたが、結果として、送電部門などの大半の部分を外した形で、一部分についての制度の変更ということになりましたので、ほっとしているところでございます。

 県内の影響額は今精査をしているところですが、10億円までいかない程度になるのかなと思っております。国では、減収補塡の制度も何かいろいろと考えていただいているようですので、かなりリカバリーできるというふうに思っておりますし、その意味で、我々の意見も聞いていただいた結果で、ほっとしているというところです。

 

【記者】  

 原子力について、関西電力高浜発電所3号機で定期検査に入りまして、MOX燃料の取り出しが新たに始まりますが、新たな段階に入ったことに対する受けとめをお聞かせください。

 

【知事】  

 これは、MOX燃料の挿入の段階からもう既に、当然、次にはそういうことが起きてくるということでございますので、安全面については、当然国においても我々でも確認した上でGOを出しているわけですから、これからも安全面に十分配慮して進めていただくということになるのだと思います。

 

【記者】 

 新幹線の開業まで、あと3年余りとなっています。今年は福井・敦賀開業に向けた北陸新幹線開業対策加速化プランや、新たな観光戦略ができて、それを走らせる年になるのかなと思いますが、もう少し言えば、いよいよ準備が始まる年になるということでしょうか。

 

【知事】  

 それぞれにいろいろあるのだと思います。何が言いたいかというと、福井駅前では、今、再開発が進んでいますが、あの手続が今ここで滞ると3年後にはもうでき上がらないということになりますし、恐竜博物館も単体で見たときに設計から施工に向けた仕組みをこの段階でやっておかないと、どんどん遅れが最後に出てきます。そういう意味では、プランで一つ一ついつ何をやるということを決める時期にもありますが、今やることが結果として、その瞬間、時期が決まるということにつながることがたくさん出てくる時期でもあります。単に将来に向かって何かを決める時期ということではなくて、一つ一つ今やっていくべきことを着実にやっていかなくてはいけない時期であると思っております。

 

【記者】  

 福井・敦賀開業時に福井県がどのような姿になっているか、県民も分かっているようで分かっていないと思いますが、プランなどができると、今年はそういうことが言えるようになるのでしょうか。

 

【知事】  

 そういうふうにしたいと思っています。最近の福井県の例で言えば国体・障スポ、オリンピックもそうだと思いますが、やはり近づいてこないと雰囲気も盛り上がらないので、皆さんもイメージする機会はなかったと思います。近づいてくると、パーツもそろってきますし、つなぎ合わせられるようになってくると気分も盛り上がるということで、ある程度は時期が影響しているところもあると思います。ですから、そういった時期に向けて、我々はできるだけパーツを早くそろえて、皆さんにイメージを持ってもらって、受け入れのほうもしっかりとできるような体制にもしていきたいと思っております。

 

【記者】  

 県の考えがしっかりしてくれば、恐竜博物館も含めて、市町と県がやろうとしていることを今年中には、もう少し分かりやすい形でまとめて示していただけるのでしょうか。

 

【知事】  

 そうですね。恐竜博物館や一乗谷朝倉氏遺跡、東尋坊を直すと言っても、それは「直るんだな」と思うだけですが、パーツが出てきて、最近は絵を描いていただけるので、そういうものが出てくると、すごく変わってきたなと思うのが1つあります。また、三方五湖のレインボーラインのところの梅丈ケ岳に登っていただくと、4月にはがらっと変わりますので、そうやって現実に見える場所が1つ、2つと増えてくるとまたこれが盛り上がってくるわけです。

 そういう意味では、絵で見せる、それから具体的にできたものが見えるということが拡がってくると、かなり皆さんにもイメージしていただきやすい。そういったことをできるだけ全体として加速化プランの中でお示しできるようにするということもやっていきたいと思います。

―― 了 ――

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