知事記者会見の概要(令和2年1月22日(水))

最終更新日 2020年3月4日ページID 043318

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令和2年1月22日(水曜日)
10:30~11:20
県庁 特別会議室

知事200122

 

【知事】  

 おはようございます。私から3つの発表をさせていただきます。

 まず、ふくいスマート農業推進大会の開催についてでございます。

資料:ふくいスマート農業推進大会の開催について

 今年度から県内3か所でスマート農業の実証実験を行っており、現在までの成果の発表と、スマート農業をこれから広げていく上での様々なPR、最新のICT器機の展示などを行う、ふくいスマート農業推進大会を3月18日に開催させていただきます。

 ふくいスマート農業推進大会でも発表があると思いますが、例えば2台のトラクターを1人で運転する、ドローンを飛ばして田んぼの稲の生育状況を診断し、追肥をすることにより、収量が1割近く上がったということも起きております。また、自動給水栓により、大半の水管理の時間を省略できたというようなことも言われています。

 今年度はお米を中心に実証試験をやっておりましたが、来年度は、お米、大麦、大豆という、2年3作体系全体で労働時間の3割削減を図ろうということでやっていきますので、その成果について発表をさせていただくということでございます。

 

 次に、原子力災害制圧道路の整備についてでございます。

資料:原子力災害制圧道路の整備箇所

 3月20日に竹波立石縄間線、佐田竹波敦賀線、3月26日に赤礁崎公園線、あわせて3路線が開通することとなりました。

 竹波立石縄間線については、交通不能区間であった敦賀市白木から浦底間を、佐田竹波敦賀線については、美浜町菅浜と竹波間を真っすぐな道路にするということで安全性の確保を図っていくものです。

 さらに、赤礁崎公園線についても、おおい町犬見から大島間を、真っすぐな道路にすることでスムーズに、また、雨が降ったときにも、トンネルにより土砂崩れの心配なく通行できるようになります。今回、この3路線について開通の式典をさせていただく予定です。

 

 次に、恐竜博物館による「ドラえもん」とのタイアップ企画についてでございます。

資料:恐竜博物館による「ドラえもん」とのタイアップ企画について

 このタイアップ企画については、昨年10月にイラストコンテストの発表や、恐竜博物館内で過去の「ドラえもん」の映画の上映、また、新しい映画が3月6日から全国で公開される前に、特別試写会を3月1日に恐竜博物館で開催するということで現在募集をしています。

 さらに、今回はタイアップ企画第4弾ということで、2点ご紹介させていただきます。

 1点目は、テレビアニメで毎週放映されている「ドラえもん」の最後に「映画ドラえもん」のコーナーを1分間設けPRを行います。恐竜博物館の薗田哲平研究員というイケメンの彼が出てきて恐竜の面白いトピックを紹介するという中身になっております。県内での放送は、福井放送では2月5日からになりますが、北陸朝日放送では1月18日から放送されていますので、既にご覧になられた方もいるかと思いますが、これからシリーズで行っていくということです。

 また、「映画ドラえもん のび太の新恐竜」をさらに楽しんでいただくために、小学館が発刊する児童向けの学習ムック「映画ドラえもん のび太の新恐竜発掘ブック」が本日から全国の書店で発売されます。私も読みましたが、恐竜のことについて学べる内容になっています。なおかつ、分け隔てなくいろんな恐竜が載っている中で、福井の恐竜もたくさん載せていただいておりまして、とてもいい内容になっています。

 特にこのムック本の漫画のところは、恐竜博物館オンリーと言っていいぐらいの中身になっています。漫画には恐竜博物館の柴田正輝主任研究員が出てきて、私も聞いたことあるような内容になっていまして、とてもうれしく思っています。

 薗田研究員も、柴田主任研究員もイケメンですので、両方ともビジュアル的にも楽しめると思っています。

 私からの発表は以上でございます。

 

~質疑~

 

【記者】  

 恐竜博物館と「映画ドラえもん」とのタイアップ企画第4弾ということで、恐竜博物館の今後の集客に、どのように期待されていますか。

 

【知事】  

 今回のタイアップも大事ですが、実感として、恐竜博物館の認知度も段々広がって期待度が高まっているというふうに感じます。

 今年度も非常にお客様の入りは好調で、昨年度を上回るのではないかというような期待感もあります。これは、客足が冬になっても、もちろん夏に比べると落ちますが、以前に比べると良くなっているということで、それだけ認知されて、しかも、皆に、いいところだ、行ってみたいところだというふうに思われるようになっているということがあるのだと思います。

 そういうこともあって、こういったいろんな企画が相手の方にも乗っていただける。もちろん、ほんとうに今一生懸命、恐竜博物館は営業をかけたりしていますので、そういうことが相乗効果として、今までの努力も実ってきていると思いますし、これから北陸新幹線の開通に向けてさらに営業を強化していきます。そういう意味では、これから体制も整えて、増築もしながら、さらに多くのお客さんに楽しんでいただけるような恐竜博物館にしていきたいと思います。

 

【記者】  

 原子力災害制圧道路についてお聞きします。今回の3路線の開通により、未開通は舞鶴野原港高浜線だけになりますが、整備が進んできたことに対する受けとめ、残りの路線の整備に向けた意気込みをお聞かせください。

 

【知事】  

 9年前の東日本大震災時の福島の事故を教訓に、原子力発電所で万が一事故が起きたときの制圧に向けて道路を整備するとともに、住民の方の避難ルートとしても活用していくということで整備を進めてきました。東日本大震災から10年が近づいてくる中で、こうして順次整備ができていくということは、当初の目的に沿って非常にいいことだと思っております。原子力災害制圧道路の整備も進めるとともに、引き続き原子力に対し、事故を制圧する必要がないように安全な運転をしっかりと我々は監視をしていく立場にあると思っています。

 また、残る舞鶴野原港高浜線についても、若干用地の関係で時間がかかっていますが、できるだけ早く開通に向けて努力をしていきたいと思っています。

 

【記者】  

 スマート農業について、今までの成果、技術振興の発展を「ふくいスマート農業推進大会」で披露するということだと思いますが、スマート農業の課題として、ある程度の規模がないと十分な効果が得られないのではないかという指摘もあります。

 農業の法人化などの手だてが必要なのではないかと思いますが、スマート農業の効果を上げるために県として取り組みたい点があれば教えてください。

 

【知事】  

 おっしゃるとおりで、スマート農業を全面的に展開するには、集約された農地をできるだけ大区画で、大きく事業として行っていくというところが一番効果的に進められると思っています。

 そういう意味で、農地の集約、法人経営の大規模化は引き続き進めていこうと思っています。現実に、実証試験を行っている田中農園(株)、(株)若狭の恵、(農)エコファーム舟枝もそうですけれども、県内ではいずれも大きな規模をできるだけ確保しながらやっていますので、こういったことを応援していきます。

 また、農業は特徴、特性を活かしていくということも大事なところです。やはりお米は、山間地の冷たいお水を使って、寒暖の差が大きいところでつくるとおいしくなって、非常に高く売れる。そういうようなことを活かしていく上でも、やはりできる限り省力化する。例えば、中山間地であればよく言われることが、畦畔の草刈りの省力化はとても大きな効果がありますので、スマート農業をどのように取り入れるか、どのような機械を使うかということもあると思います。

 さらに、ドローンを使って生育状況を見ながら施肥をすることにより、同じ面積でより多くの収量を上げることが、今回実証されつつあります。また、品質のいいものを作っていくことも可能になりますので、もちろん省力化ということもありますが、スマート農業には収量を上げていく、よりおいしい農産物を作るという意味でも活用の道があると思いますので、そういったことを含めて、この実証試験の成果を、県内に広げていきたいと思っています。

 

【記者】  

 経済同友会の政策提言についてお聞きします。

 経済同友会は、2031年を目途に、県庁と福井市役所を福井市東公園に移転して、県庁跡周辺は文化ゾーンとして整備するという政策を提言されましたが、知事の受けとめをお聞かせください。

 

【知事】  

 経済同友会にこうして提言していただいたということは、福井県のまちづくり、特に県都として福井県の顔になる場所のまちづくりという観点で、経済界の皆さんにも大きく注目していただいているということのあらわれだと思いますので、非常に歓迎を申し上げたいと思います。

 私も拝見させていただきましたが、内容は大きく言えば2点あると思います。1点目は、県都の顔になる福井駅周辺の公園的な場所を今後どのように活用していくのかということ。2点目は、それに伴って必然的に出てくる県庁舎の移転先は、どういう場所にしていくのかということです。

 県庁舎の移転では、福井市役所と同じ場所に建てるのはどうかという内容も提言にありますが、いろいろと効率的になりますし、こういう考え方はある意味で歓迎だと思います。もちろん相手のあることですし、タイミングもあると思います。福井市役所も県庁も、時期的には徐々に古くなってくるタイミングですので、考えられないことはないと思います。

 提言の中で移転時期としている2031年は、置県150年を迎える年であり、また、北陸新幹線の大阪開業の目標としている時期でもありますので、1つの考え方として、2031年頃ということはあり得ると思います。

 しかし、県庁舎は建設されてから38年です。耐用年数も十分残っており、今のところ耐震に問題があるわけでもないので、あるものをきっちりと使うということも大切なことだと思っています。

 そういう中で、移転、もしくは建てかえの時期は、これから議論をして決まっていくのだろうと思います。

 県庁移転の前提となるのが福井城址をどう整備していくのかということだと思います。この点については、コンベンションホールのようなものをつくろうという提言をいただいています。一方で、城址に櫓を建てるなど、昔の状態に戻していこうというような意見もあるので、こういうところはこれからよく議論をしていく必要があると思います。

 福井市とも既に部レベルで検討を始めていますが、福井城址に限らず、この周辺地域も含めて、どうしていくのかをしっかりと福井市とも相談していきます。また、経済界の皆さんにも是非これからお願いしたいことは、ここで何をするのか、まちづくりを行うときに、こういうことを自分たちはする、またはこんなことをしたい、こういうふうにしていこうなど、より積極的に一緒になってこのまちづくりを進めていけると良いと思っています。

 

【記者】 

 選挙の際に出された知事の政策集に、「福井市とともに『福井城址整備』を順次具体化。県庁舎の移転を含む将来ビジョンを策定」とありますが、この政策の進捗具合についてお聞かせください。

 

【知事】  

 今まさに申し上げたとおりで、来年度、予算化して検討を進めていきます。

 進捗度合いから言うと、まだ計画も何もできているわけではありませんので、緒についたところです。

 県庁舎の移転ありきではなくて、城址をどうしていくのか、福井のまちなかのまちづくりをどうしていくのかということが前提にあると考えながら政策集を書いています。

 もちろん、建物が古くて、すぐにでも建てかえなければいけないということであれば、建てかえの議論から始まると思いますが、やはり、まちをどのように配置していくのかということは、より大きな課題だと思います。これまでも検討された経過がありますので、これも活かしながらやっていきたいと思っています。

 

【記者】  

 経済同友会は、耐用年数がまだ相当あるということは十分承知の上で、建てかえたほうが効果がある、数字も見込めるとしたら、それを勘案して建てかえるということを我々は提案していると言われていました。もし、そういう数字が見えてくるようであれば、耐用年数にこだわらないというのが知事のお話の趣旨というような理解でもよろしいでしょうか。

 

【知事】  

 県民の理解がどのように進むのかだと思います。こういう庁舎の問題は必ず両論出てきます。新しいまちづくりの効果という部分、そして、庁舎は公共の建物ではなく公用の建物ですので、移転が県民の皆さんにどれだけの効果があるのかという部分。そういったところをよく議論しながら進めていく必要があると思います。もちろん、いろいろな経済効果があり、移転したほうが良いということをより積極的にご説明いただけるのであれば、それは1つの検討材料になると思います。

 いずれにしても、県庁舎の移転は、まちづくりの一環であり、移転すればそれですぐ物ができ上がるということではありません。そういう意味では、絵も描きながら、いろんな場所を皆さんと一緒になって直していく、もしくは新しいものをつくっていく、こういうことが大事だと思います。

 

【記者】  

 その観点で、新しい議論の場を加え、メンバーを増やしていくという考えもあるのでしょうか。

 

【知事】  

 まちづくりをする上では、常にいろいろなプレーヤーの方に入っていただきながら進めていくことが必要となります。そういう意味では、具体的に来年度どうするかは未定ですが、県と市の検討の場に経済界の皆さんにもお入りいただいてやっていくということは当然あると思っています。

 

【記者】  

 今年の3月14日で敦賀原発1号機が国内初の営業運転を始めて50年が経ちます。東日本大震災や、直近では金品授与の問題など、原発を取り巻く環境は50年前と比べると大分変わったと思いますが、福井の原発が半世紀を迎えるに当たって、立地自治体の知事としての所感をお願いします。

 

【知事】 

 原子力の課題というものは、本当にその時々に、常にいろんな形で課題が出てきていると感じています。

 私はいつもお話をするときには、もともと原子力というものは、立地地域が非常に志を持って、誘致、それから建設後の運転についても、非常に厳しい監視の目を向けながら、その運営に地域として協力をしてきた、安全運転に協力をしてきた、その歴史がこの50年だと思います。

 直近では関西電力のいろんな課題、もちろん県庁にもそういった問題が起きておりますので、これもしっかりと正しながら、その都度、我々としては最善を尽くして、これからも原子力発電の安全運転、それがひいては全国の電力需要、安定供給、こういうものに力を発揮していく、果たしていく役割が大きいわけですから、こういったことをこれからも心がけていかなければいけないと思います。

 あわせて、やはり原子力の課題というものは、国、事業者を含めて、さらに前に進めていかなくてはいけないと思っています。やはり、一番大きいのは、今のところまだ核燃料サイクルが確立されている状況にあるわけではありませんので、この核燃料サイクルを少しでも前に、早く安全に進めていく、もしくは原子力発電、軽水炉を含めて安全対策をさらに進めていく、こういうようなことはもう全く待ったなしですし、不断の努力、決して途絶えることのない努力が必要だと思います。そういう意味では、この50年は1つの経過ではありましたが、これからも人類の英知を傾けて、新しい人材にもたくさん入っていただけるような体制にしながら、日本の原子力発電の技術、そういった安全性を高めていく必要もあると思っています。

 

【記者】  

 伊方原発が今回、広島高裁の仮処分決定で停止することが決まりました。

 以前から言われていますが、原子力規制委員会の審査があって、その了承を得た上で運転している原発が司法判断で止まるような事態になっていることも問題点の1つとして指摘されていると思います。

 知事が先ほどおっしゃったとおり、国の電力供給という面で、原発はまだ必要な面があると思いますが、そういったものが司法判断で左右される状況について、原発立地県の知事として所感があればお願いします。

 

【知事】 

 伊方の裁判の結果そのものについては、司法の個別の判断ですし、また立地の状況も違いますので、私から直接のコメントは差し控えさせていただこうと思います。

 いずれにしても、福井県としては、これまで通り、国や事業者がやっている安全対策などについて十分に監視を行い、これからも安全確保を最優先にしながら慎重に対応していきたい、それがまず基本的な我々のスタンスです。

 あと、司法判断で原子力発電所の運転が止まったりということは県内にもありましたが、こういったことについては、1つには時代が大きく変わろうとしている中で、いろんな司法の判断の部分がだんだんと決まっていく過程なのだろうと思います。そういう意味では、安全の確認の仕方ということを、もちろん規制委員会もあったり、学術的な部分もあるだろうし、司法の部分でも、再度、東日本大震災以来、大きな揺り戻しのところを確認しつつ進んでいる。そういう過程の中でこういうことが起きているのだろうと思います。

 一方で、我々は実際に立地されていて、運転がされている地域ですので、当然、規制委員会もしくは事業者、そういったところには、こういった司法の判断が揺れ動くようなことがないような、確たる運営をしていただきたいと思うところですので、その辺は、先ほど申し上げた不断の努力ということをさらに積み上げていただきたいと思っています。

 

【記者】

 先立って、関西電力の副社長が副知事のところにお見えになって、中間貯蔵の件で、今年やっていくという所感を述べられましたが、内容については従前と同じ、今年を目標に立地地点をお示しできるようにすべく最善を尽くすというような表現だったかと思います。それを聞かれての知事のご所見、感想等を聞かせてください。

 

【知事】  

 できるだけ早くということがもともとの考え方でしたので、今回、立地地点をお示しいただけなかったということは残念でございます。

 とはいえ、年内には示せるように、スピード感を持って全力で取り組んでいくというお話でしたので、これからしっかりと、もちろん相手のあるお話ですので、ただやみくもに発表すればいいというものではないと思います。

 そういう意味では、きっちりと手順を踏みながら、しかもスピード感を持って全力で取り組んでいただく。ご本人たちがおっしゃっているとおり進めていただきたいと思います。

 

【記者】  

 和歌山県の白浜町が、中間貯蔵施設の立地を含んでのことだと思いますが、使った核燃料等を持ち込まないという条例を制定したように、他の自治体にもいろいろな動きが出てきています。そのことについては、立地県の知事としてどのように思われているのでしょうか。

 

【知事】  

 それは各自治体で、いろいろなご事情があってやられていることだと思います。

 そういう中でも、当然、我々が一番このことで課題に思っていることは、やはり核燃料サイクルというものをきっちりと国も事業者も一緒になって回していく、一歩でも前に進めていただくことが大事だということで我々申し上げております。そういう意味では、個別の自治体で受け入れないというところが出てくるということよりは、核燃料サイクルをどういうふうに回していくのか、前に進めていくのか、こういうところを国も一緒になって、事業者とともにしっかりと前進させていただきたいと思います。

 

【記者】  

 他の自治体でそういった動きが出てくると、他の自治体からしたら、今、福井に立地があるのだから、福井県内で中間貯蔵施設をつくってもらえないだろうかという意見が出てくることも考えられますが、どう思われますか。

 

【知事】  

 それは仮定のお話ですので、直接今私が伺っているわけではありませんが、いずれにしても、福井県としては核燃料の使用済燃料の再処理については県外で行っていただくということで申し上げていますので、これまでどおり進めていこうと考えています。

 

【記者】  

 昨日、県立高校の推薦入試がありまして、今回から初めて外国人など日本語指導が必要な子供向けの特別枠が2校で設けられました。しかし、2校のうち1校は応募がゼロという状況でした。現場では、入学後のサポートが見えていないタイミングで入ることは不安だというような声も多くありました。今後、さらに日本語指導が必要な子どもたちが増えていくと思いますが、どのように現場のサポート、支援を広げていくのかお考えを聞かせてください。

 

【知事】  

 2校とも3名で募集していたところを、5名が1校に集中しているというお話は伺っております。

 その原因のところはいろいろあると思います。要するに課題があったのだと思います。入られるお子さんにしてみれば、日本語がまだ不自由ということは、まだ日本に慣れていない部分、生活習慣そのものにも慣れてないところもあると思います。そういったところも含めて、今回で終わりではありませんので、そういう意味では、できるだけ改善すべきを改善しながら、どの学校でも皆さんが安心して進学できるような体制にする必要があると思います。特に高等学校に入学を希望するお子さんがいる、そういう方々は、基本的にはブラジル国籍の方が多いと思いますが、永住するつもりがあってこちらに来てくださっている方が多いと思います。そういうようなことからしても、やはりこれから福井県の人としてご活躍をいただく、もちろん全国で活躍いただいてもいいのですが、福井県の子として育っていただきたいと思います。そういう意味では、しっかりと我々も、教育の面もそうですし、それを支える環境の面も含めて、よく今回の課題を見直しながら、さらに住みやすい福井県にしていく、勉強しやすい環境にしていくということに努めていきたいと思います。

 

【記者】  

 福井駅西口の三角地帯について、A街区が進んできている中で、B街区については、県ではどのように把握されているのでしょうか。また、新幹線の開業に間に合うのかということについて知事の認識を伺います。

 

【知事】  

 B街区については、準備組合はできていますが、事業計画が出てきていない段階ですので、事業計画が出され事業が進んできているA街区との比較で言えば、遅れているように見えるということだと思います。

 私も現状をいつも把握しながらやっていますが、A街区とB街区では規模が大きく違います。敷地面積は約6分の1ですし、建物の高さもA街区に比べたら低いので、今すぐ事業が新幹線の開業に間に合わないという状況ではないように思います。

 いずれにいたしましても、福井県内でも一丁目一番地の一等地の場所の使い方のことですので、ぜひ事業を計画されている方には前向きに、できれば新幹線の時期に間に合わせて進めていただけるような進捗でやっていただければと思っています。

 我々は事業のチェックそのものはしっかりとさせていただきますが、できるだけ前向きに進むことを願っています。

 

【記者】  

 先ほど、恐竜の営業を強めていくという話もありましたが、福井駅西口の広場には、恐竜のモニュメントがあると思います。福井駅舎にも恐竜の絵がラッピングされている状況で、福井市との話し合いが必要ですが、県として恐竜の雰囲気をもっと高めていくという考えはあるのでしょうか。

 

【知事】  

 いつまでにという思いは、今はありませんが、常にそういうことはあると思います。もちろん、物も古くなっていきますので、壊れることもありますし、まちを一新するとなったときにどうするのかという議論もあると思います。そういうことは継続しながら、より福井県の玄関口としてふさわしい環境にしていくということは、恐竜に限らず今後とも考えていきたいと思います。

 

【記者】  

 福井駅西口再開発ビルへのマリオット・インターナショナルの進出など、いろいろ動きが出ていますが、新幹線が停まる4駅それぞれのまちづくりの進捗状況等を見られて、今後、後押しに向けて、知事のお考えを一言お聞かせください。

 

【知事】  

 今月になって、芦原温泉駅と敦賀駅の駅舎の契約ができ、なおかつ、今回は初回で落札したということですので、そういう意味では安心しているところです。

 私も先日、鉄道・運輸機構に伺いまして、北村理事長とお話をさせていただきました。理事長も日程はタイトですが、今年は雪もあまり降らないという状況の中で、何とかぎりぎり頑張っていますというふうにも言っていただきました。これからもいろんな課題はまだ起きてくると思いますので、我々もできるだけ協力をしていきたいと思います。

 福井駅も、本来の広さに少し足して、県と市で一緒になって整備をしていこうということもしております。また、芦原温泉駅や、南越駅でもいろいろ課題はありますので、まちづくりの観点も含めて、市長や地元の方からお話を伺いながら進めていきたいと思います。

 福井県内により多くのお客様が来ていただけるように、また福井に来られたお客様が満足していただけるように、ハード面以外についても、しっかりと県も先頭に立ってやっていきたいと思っています。

 

【記者】  

 今年は記録的な暖冬となっています。地球規模の温暖化の話ですが、県として抑制に向けて何か行動できることはないのか、知事のお考えをお聞かせください。

 

【知事】  

 先日、東京管区気象台長の真鍋さんにお越しいただいて、意見交換をさせていただきましたが、やはり温暖化が進むことで、いろんな気象現象が極端になる、豪雨になることも増えるが、一方で、雨が降らない日も増えているそうでして、そういう意味では、気候が温暖化すると、今までに経験しなかったいろんなことが起きてくるとおっしゃっていました。

 昨年もでしたが、今年も県内には雪がほとんどないような状況です。そういう意味では、県内の事業者にも、良い面と悪い面の両方出ているような状況だと思います。

 これに対して、福井県としては、1つには、環境基本計画をつくらせていただいています。全国的にも行われていると思いますが、温暖化を止めるためには、太陽光や風力、小水力などの再生可能エネルギーを進めていくということもあります。また、電気自動車は、非常に効果が大きい。今は、千葉県で発生したような大規模な停電が起きるとなかなか解消できないような状況になっていますが、電気自動車が十分に普及して、再生可能エネルギーが点在をするような状況の中で蓄電池の設備がしっかりとされてくるようなことになってくると、停電が発生した際には、局所的にいろいろ対応の仕方が出てくる。そういう影響を緩和する方法もありますので、EVや充放電機器を活用したVPPシステムなどといったことも進めていく必要があると思います。その他にも、福井県としても環境基本計画に沿ってやっていくということは、大切なことだと思っています。

 もう1つ、福井県の環境に対する貢献は、原子力発電所を積極的に運転するという趣旨で言っているのではありませんが、もともと原子力発電の誘致、もしくは志を持って50年間運営してきたことの1つには、やはりCOの少ない社会にしていくということがあるわけです。そういう意味では、ぜひとも国には、国民の皆さんに原子力発電についての理解をさらに深めていただく、事業者には安全性をさらに高めていただくといったことをしていただきながら、福井県にある原子力発電所を安全にしっかりと運転していただく。そうすることが、福井県の1つの大きなCOフリーの社会に向けての貢献だと思っています。そういう意味では、福井県は先ほど申し上げたような立場をしっかりと持ちながら、国、それから事業者とともに原子力の安全な運転に努めていきたいと思っています。

 

【記者】  

 中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎についてお聞きします。

 今週から春節が始まり、中国人の旅行客増加に伴い感染が拡大することも懸念されています。知事として県の関係部局に指示したことや、県民の方への呼びかけもあればお聞かせください。

 

【知事】  

 報道を見ていると、もともと言われていた人から人への感染はないということが、だんだん否定されているというふうに思っています。

 そういう意味では、感染拡大の1つのきっかけとして、春節の時期は可能性が大きいので、しっかりと対策を打つ必要はあると思っています。

 県としても既に、先週金曜日に県立病院や、保健所、衛生環境研究センターというところが集まって、対応について事前に打ち合わせをしています。また、今週に入ってから、県庁の関係部局に集まってもらい周知もしているところです。

 多くの方が亡くなっていますので、十分に備える必要がありますが、インフルエンザのウイルスと同じように、手洗いや、具合が悪いときには体を休める、マスクをする、咳などのエチケットもしっかりとするといったことが一番重要なことですので、そういうことを励行していただくということだと思います。今のところ、非常に、極めて危険で危ないという状況になっているとは認識しておりませんので、まずはそうしたことを県民の皆さんにも行っていただきたいと思いますし、そういったPRをしていきたいと思います。

 

【記者】 

 現時点で、県職員の方が中国の武漢市に行っている、また、今後行く予定があるということはあるのでしょうか。

 

【知事】  

 今のところ、そういった話は聞いてはいないと思いますが、いずれにしても、県民の皆さんも、今言われている武漢市などに、特に必要がなければできるだけ近づかないようにしていただくということも大事だと思います。

 しかし、今、おっしゃるように春節で、感染された方が国内に入ってくる可能性があるかもしれませんので、そういう意味では、ぜひ国には空港などでの水際対策もありますし、中国にも十分な対策をとっていただきたいというふうに思います。

 

【記者】  

 武漢市など、中国に県職員の方が出張する場合もあるかと思いますが、不急の出張は控えるようにするといったことはお考えでしょうか。

 

【知事】  

 普通はあまり行かないほうがいいのではないかと思いますが、必要性との関係もあると思います。そういう状況になれば、専門の職員や、専門家の方とも相談しながらやらせていただきたい。基本的なスタンスは慎重な方向でやるということだと思っています。

                                                            ―― 了 ――

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