知事記者会見の概要(令和2年4月9日(木))

最終更新日 2020年6月17日ページID 044418

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令和2年4月9日(木曜日)
13:30~14:30
県庁 大会議室

知事200213

 

 

 

 

【知事】  

 今、新型コロナウイルス感染症の対策として、県民の皆様には不要不急の外出を控えていただいています。そういう状況の中で、県文書館では所管している古文書などについて、インターネット上で見られるように「デジタルアーカイブ福井」を公開しています。今回、3つの新たな資料を4月10日から公開していきたいと考えています。

〔資料:インターネット上における文書館での新たな資料の公開 〕

 1つ目は、明治15年から10年間の福井新聞についてです。今の福井新聞は、明治32年以降に創刊された第4期の福井新聞が続いていると伺っています。それ以前の明治15年から24年の1,800日分、7,200件について公開をさせていただきます。文化庁の裁定制度を活用し、著作権者が不明のものについても公開をさせていただくということです。

 2つ目は、越前松平家資料群を集約しての公開です。これは、県文書館が保管する「松平文庫」のほかに、福井市立郷土歴史博物館保管の「越葵文庫」、福井市立図書館所蔵の「越国文庫」を集約し、目録数約8,000件、画像17万の越前松平家関連資料を一括して公開させていただきます。複数の地方自治体が分散して収蔵する旧大名家の資料群を集約して公開するということは、全国で初めてとなります。

 3つ目は、「福井藩士菅沼家文書」の公開です。菅沼家は、福井の上級藩士をつとめ、幕末の知行は一千石だったと聞いており、武田信玄の家臣、山本勘助の子孫という言い伝えを持ちます。先頃、菅沼家に伝来した約120点、例えば山本勘助の肖像画や、結城秀康発給文書、それから福井城本丸絵図など、全てが未公開の資料を今回、初めて公開します。

 全国からも注目される資料がございますので、なかなか外に出られない環境ですが、十分ご活用いただければと考えているところです。

 

~質疑~

 

【記者】  

 現在、新型コロナウイルスの影響もあって、なかなか外出できなかったり、文化に触れる機会が減る中で、そういう意味でも役立てていきたいというところはあるのでしょうか。

 

【知事】  

 そうです。この時期に発表する内容については、選びながらということになりますが、皆さんにぜひ知っていただければということで今回選ばせていただきました。

 

【記者】  

 明治期の新聞画像については、中高生でも読解可能とありますが、これはお子さんたちの郷土愛といったものを深めるという部分もあるのでしょうか。

 

【知事】  

 そうです。先日の議会の中でも、NIEというものは非常に重要なことだと言われていました。新聞の古い縮刷版を見ていると、政治ネタだけではなくて、世相、生活や文化など、そういうことを知ることができておもしろいと思います。

 私が最近おもしろいと思ったのは、今年の正月に田舎であった同窓会の時に、ちょうど私たちが生まれた時の新聞がありました。その新聞に書いてあったのは、土木や建築業で働く工事関係者の皆さんは、毎週日曜日を休もうというような記事でした。57年前は、土木、建築の皆さんは日曜も休まず働いていたという記事です。多分、雨の日に休んでいたのだと思いますが、相当前とはいえ、昭和の時代ですら今とそんなに風習が違っていたということを知る非常にいい機会になると思いますので、ぜひ読んでいただくと興味が湧くかなと思います。

 

【記者】  

 アーカイブの充実化を図ることで、今後どのように研究、学習が進展していくことを期待しているのでしょうか。

 

【知事】 

 今回のアーカイブの件もそうですし、また、コロナウイルス対策を始めてから、就職の説明会、企業説明会、その他にも新しい投資家を集めるようなベンチャーピッチなど、ネットでやると臨場ではなくなりますが、一方で、どこにいる人でもそれにアクセスができますので、思わぬ効果が生まれてくるというような反響もいただいています。

 そういう意味では、こういう機会ですので、積極的にこういうものも発表させていただいて、例えば「菅沼家文書」は、初公開ということにもなります。こういうようなことを通じて、新しい研究者、そして子供たちにも新聞を読んでいただくなど、いろんな機会にもなっていくと思います。新しい違う観点でこういったことをこれからも進めていきたいと考えています。

 

【記者】 

 新型コロナウイルスについて、愛知県が緊急事態宣言の地域に含まれなかったことに対し、知事自らが国に緊急事態宣言の地域に含めるよう要求を行いました。福井県も感染者がかなり増加している印象がありますが、緊急事態宣言について現在どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】  

 愛知県の状況も以前からかなり多いということは拝見しておりましたので、状況的にも大変厳しいだろうなとは感じました。

 そういうことから、制度にはない県独自での緊急事態宣言というようなお話もされていると思います。そういうようなやり方もあると思いますし、また、国に対してそういう要請をするということもあるだろうと思います。

 当然、県民の皆さんに訴えるという方法としてそういうことはあると思いますので、どんどんやっていただければいいと思います。福井県は、「緊急事態宣言直前」ということで、現状を踏まえて、県民の皆さんにお願いすべきことを十分ご理解をいただいて進めさせていただいていると思っていますので、福井県としては今そういう状況にはないと思います。一方で、福井県としても、今本当にぎりぎりな状況ですので、これからさらにこの状況が悪化するようなことがあれば、私どもから国に対してぜひ緊急事態宣言の地域に入れてほしいというような要請をするということも十分あり得ると思っています。

 まずはそうならないように、この2週間、自粛の期間をぜひとも県民の皆さんにご理解いただいて、少しでも効果を発揮できるようにしていきたいと思っています。

 

【記者】  

 県民性なのか、福井の方はかなり協力的という印象もあって、緊急事態宣言が福井で出ることになっても、既に自粛されている方も多いので、大きく人の動きが変わるかどうかということもあると思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

 

【知事】  

 私も今のお話は共感するところがありまして、福井の方は本当に、法律に基づかない自粛の要請という形ですが、一人ひとりの方が理解をいただいて、行動も非常に理性的に行っていただいていると思います。実際に週末もそうでしたが、平日を見ても、人通りも少なく、夜も飲み屋の周りに人が集まっているというようなこともないかなと思っています。そういう意味では、県民性というのかどうか分かりませんが、これからもそういうことをぜひ続けていただければと思います。

 しかし、やはり緊急事態宣言が出てきますと、例えば施設の利用について、今の段階で自粛を要請してもうまくいかないことがあれば、政令等に基づいて、施設を運営する側にも要請をしていくこともできるようになります。必要に応じては、ありとあらゆる手段を講じていく必要があると思いますので、もう一段緊張度を高めていくということは十分にあり得ることだと思っています。

 

【記者】 

 昨日、病院で院内感染が発生してしまったことの受け止めをお聞かせください。

 

【知事】  

 よく全国的に広がり得るのが、病院や福祉施設でのクラスター化と言われていますので、心配しておりました。

 これにつきましては、現在、医師の関係、患者さんの関係も十分に検査も含めて調べさせていただいて、これ以上広がらないような体制を組んで進めているところです。

 今回のことを受けて、もう既に医師会等を通じて全ての病院等に対し、感染を拡大しない、院内感染を起こさないということについて通知等もさせていただいていますし、対応もしていただいていると認識していますが、今回は患者同士の距離が狭かったことや、透析するのに着替える場所が少し3密の状況になっていたのではないかなどの気づきの点もあります。こういった点を含めまして、改めて通知もさせていただいていますし、それ以外の福祉施設などにも、改めて留意すべき点について、再度のお願いをしています。

 その上で、県としても、県民行動指針というものを出させていただきましたが、県民の皆さんが具体的にどうしたらいいのか分かりにくいかということも考えまして、簡単なチェックリストをつくりました。毎朝これを見てチェックをしてもらい、今日は外出を控えるかどうか判断ができるようなものを策定しています。こういったものの周知をさらにさせていただきながら、個人個人が、漏れなくしっかりと対応ができるようにしていきたいと思っています。

 

【記者】  

 知事は当選からちょうど1年近くが経ちましたが、この1年を通じてのお考えをお聞かせください。また、初めての極めて大きい困難に直面していると思いますが、そのお考えについてもお聞かせください。

 

【知事】  

 選挙は昨年の4月7日で、4月23日から知事として活動をさせていただいているということですので、概ね1年経ったかなと思っています。

 正直、感慨というものが湧くような状況にはないと思っています。大変重要な局面でして、新型コロナウイルスのことで頭がいっぱいという毎日を過ごしています。また、振り返っても、豚熱の問題が当初ありましたし、関西電力関係の金品の授受のこともありました。次から次へといろんなことが起きてくる中で、その時々、最善を尽くしてきたなと思っています。

 しかし、私、副知事も総務部長もさせていただきましたが、行政の運営というものは、いつも危機管理というか、待ったなしでやっています。これは1つの事象だということで、非常に大きな困難ですけれども、何とかこういった危機を乗り越えていけるように、今、県庁の職員も一生懸命やってくれていますので、バックアップ体制も含めてやっていかないといけないということが、今の時点での思いです。

 また、1年を振り返って言えば、「徹底現場主義」、「チームふくい」ということで、「県民主役」でやっていくと申し上げてまいりました。これについては、ずっとそれを貫いてきた1年だったと思います。「クレド」の策定や、「トライアル枠予算」もさせていただいて、指示待ちしない職員をつくってきました。4月の就任の際にも、職員に指示待ちしないでやってほしいということも申し上げましたが、職員の意識を変えていくことで、県民主役の県政に変えていくということは引き続きしていきたいと思っています。予算についても、職員の皆さんが知恵を絞って、例年の倍程度になる140もの新規事業を考えるなど、マインドも変わってきていると思います。2年目に向けても、こうした厳しい状況ですが、職員の自主性をできるだけ活かしながらやっていきたいと思います。

 2年目の最初の課題は何といっても長期ビジョンを県議会で議決していただいて、県民の皆さんと将来の福井像を共有しながら進めていく県政をぜひとも今後は描いていきたいと考えています。

 

【記者】  

 先ほど愛知県での緊急事態宣言の独自の取り組みなどを受けて、福井県はまだそういう状況にはないが、何かぎりぎりの状況が続いていると説明されました。例えば県独自の緊急事態宣言を出すことや、国に緊急事態宣言を出してほしいと要請するなど、そこまでの状況にはまだ至っていないというご理解でよろしいでしょうか。

 

【知事】  

 現状においてはそのような認識です。しかし、感染者の数が増えているということ、病床等、医療が逼迫してきているということについては、大変厳しい状態にあるとは思っています。

 一方で、今回明らかになってきた新しい患者さんも、つながりが見えている中で起きています。大都市部は何が発端なのかが分からないというところが次々と現れてきています。福井県も数は多くはなっていますが、直線的に多くなっている。二次曲線的に大きくなっているという状況にはないということは、国との確認の上でも言われていますので、今は直線的に多くなっている部分をいかに下げていくかに力を尽くすことで、今の大都市部で起きている状態にはならないようにできるのではないかという趣旨で、大きな違いはあると思っています。

 しかし、感染者は毎日増え続けていますので、ここのところは決して予断を持たないで、しっかりと我々として対策を講じながらやっていきたい。その先には、必要性があれば緊急事態宣言ということもあるでしょうし、また実際に国から指定を受けるということもあると思っています。

 

【記者】  

 福井県の場合は、感染者の数が増えてきているという部分はありますが、感染拡大地域には当たらないという理解でよろしいでしょうか。

 

【知事】  

 数だけを見ればあるのかもしれませんが、思いとしては、どこで感染したのか分からない例というものが、福井県の場合はそれほど多くない状況だと現状でも思っています。

 

【記者】  

 3月にまとめられた嶺南Eコースト計画についてお伺いします。

 福井県には今現在、稼働している原発もあれば、2011年以降、新規制基準の中で廃炉になっていく原発などもあります。

 そうした中で、廃炉に伴う今現在の県内への経済的な影響をどのように見られているのでしょうか。その上で、嶺南Eコースト計画に期待する面などあればお聞かせください。

 

【知事】  

 福井県には15基の原子力発電所が設置されておりまして、今、7基が廃炉になることが決まっていると思います。

 原子力発電所を運営しながら地域の経済も盛り上げていくというところから、廃炉になりますと、これは新しい電気を生まないということになりますので、地域振興の面でも大きな方針の転換が迫られています。

 一方で、嶺南Eコースト計画の中でも触れられておりますが、廃炉は1つのビジネスチャンスでもあります。特に全国で一番の廃炉の集中地域になります。これまでは、廃炉について言えば、そこの一番クリーンなものを片づける、それを処分する部分だけが地元の業者が担える部分でしたが、できるだけ廃炉作業の中でも一番頂点に近いところに少しでも技術力を高めて入り込むことで、福井で得た技術を活用して地元だけではなく、県外の廃炉にも携われるようにする。そういう新しいビジネスモデルというものをつくっていこうということで、先般の会議の中でも、電力会社等々の協力関係を確認しています。そういった意味では、新しいビジネスに変えていくという方向もこれから見いだしていきたい、そういう芽を出していきたいと思っています。

 

【記者】  

 嶺南Eコーストの策定を受けて、何か今後進められていく具体的なビジョンなどはありますか。

 

【知事】  

 今は廃炉のビジネス化にチャレンジしたい企業はないかということを県内で探しています。また、これをコンソーシアム、日本原電や原子力機構といったところとも相談をしながらレベルアップするような枠組みもつくっていきたいと思います。さらに、嶺南Eコースト計画は経済産業省、文部科学省を中心とした国と県、市町、電力事業者が一体になってこの計画を進めていますが、この計画を進める本体の組織に、皆で人を出し合ってつくっていったらどうだろうというようなこともご相談させていただいています。これも早く組織にして、計画だけつくるのではなくて、それぞれがしっかりと役割分担しながら、原子力発電にかかわらず、スマートエリアや、WAKASAリフレッシュエリアなど、嶺南全体の新しい地域像、将来像を描いていけるようなことをやっていきたいと考えています。

 

【記者】  

 この廃炉によって新たなビジネスチャンスも生まれていると、この計画の中で具体化していくということが述べられていますが、今現在、廃炉に伴う経済的なマイナスの影響が大きいとお考えでしょうか。

 

【知事】  

 もちろん一つ一つの原子力発電所で見れば、工事量に違いがありますので、軽々には言えませんが、嶺南地域全体で見ると、廃炉になって今まで動いていた原発の定期検査などがなくなって、それに伴う人員が要らなくなっているというところもあります。一方で、今度は再稼働等に向けて、安全対策工事が進んでいます。そちらの投資効果は大きいので、嶺南地域全体の仕事量が大きく減っている状況にはないと思っています。

 

【記者】  

 新型コロナウイルスについて、知事は先ほど、二次曲線的に大きくなっていくことを防ぐよう力を尽くすと言われていました。昨日の新型コロナウイルスに関する記者会見でも、健康福祉部は、ピークは抑えられたが、一定数が続いている状況にあると言っていました。新たに院内感染など少し感染者の数が大きくなりそうなところも出てきましたが、現状、その曲線的にはどのように受け止めているのでしょうか。また、自粛の効果は、いつごろまでにどのように現れるとお考えでしょうか。

 

【知事】 

 自粛の効果について、この新型コロナウイルスは、概ね2週間程度潜伏期間があると言われています。特に5日から7日ぐらいのところで発症する場合が多いというようなことです。先週の土曜日からおおむね皆様方には外出の自粛をしていただいていますので、1週間後、この週末ぐらいから効果が出てくれればありがたいと思っています。

 しかし、会社内や、病院内、施設内などでの感染といった例が出てきています。そうすると、新しい火種にそこがなっていくということがありますので、全体として抑えていく傾向でも、その飛び火した1つがまた大きなことになれば数は増えていくということにもなるわけです。こうした施設内の感染、社内の感染というものを早く抑えていかなければいけない。

 先ほども申し上げましたが、企業や、病院などが、それぞれに特有のチェックリストを作っていただく。

 例えば企業であれば、出勤する前に家で必ず熱を測って、それを報告するということにすれば、それだけで相当な抑止効果があります。また、病院の場合、私も先日ある病院へ行った際も、入る時には熱を測られましたが、私の熱を見て入れるべきかどうかを判断することもできるわけです。各事業者、もしくは人を集める立場にある方が一つ一つ地道な確認行為をしていただければ、さらに効果が上がってくると思います。今はまだ感染者の数が増えている段階ですので、これをとどめてまず減らしていく。新しく起きるものを少なくしていくということを目指して、打てる手をさらに追加しながらでもやっていきたいと思っています。

 

【記者】  

 昨日発表された県民行動指針でも、「症状の出ない方や症状の軽い方が無意識のうちにウイルスを拡散されることが懸念されています」と明記されましたし、濃厚接触者の方の一時生活施設への収容も想定されるとありました。

 初期段階は、濃厚接触者の方の中で、何らかの症状が出た方を検査対象にするという形だったと思いますが、その対応や考え方の変更はあったのでしょうか。

 

【知事】  

 ここは柔軟に対応しています。例えば濃厚接触者の中で、1つの集団が明らかになっていて、早急にそれを調べるべきだというような時には、積極的にその方々にお声がけをして、濃厚接触者で発症していなくても調べさせていただくということをさせていただいているという状況かと思います。

 本質的な考え方の変更はありませんが、もともと福井県の場合は、保健所と相談の上、診察された医師がPCRの検査をすべきだという判断をした場合、保健所が止めるということは実質的にほとんどしていませんので、検査は幅広にやっておりました。PCR検査を積極的に行っていくということは以前と変わっておりませんが、早くこの症例の全体像をつかむべきだということについては、さらに柔軟にやっているというところだと思います。

 

【記者】  

 例えば濃厚接触者の方には、今募集されているホテルに症状が出る出ないにかかわらず入っていただいて、自ら隔離を徹底するといった対応は何かお考えでしょうか。

 

【知事】  

 新たに濃厚接触者の方に入っていただく一時生活施設を募集しています。専門家の方とも相談していますが、濃厚接触者の方は、陽性に変わられる方と陰性のまま終わられる方がいらっしゃいますので、生活をしっかりと分けていれば、感染のリスクはほぼないというような状況です。そういった意味では、濃厚接触者の方がご自宅にいらっしゃるよりは、そちらの施設に移っていただいて、自己管理していただくような形にすることが効果的だろうということで、今新しく募集をさせていただいているところです。

 

【記者】  

 基本的に濃厚接触者の方には一時生活施設に入っていただく形になるのでしょうか。

 

【知事】  

 これは濃厚接触者の方の生活の場がどうなっているかということもあります。しかし、こちらとしては、積極的にお声がけはさせていただきたいと思っています。

 

【記者】  

 先週末に、県民の一般的な活動、外出自粛も呼びかけられまして、間もなく1週間が経過されると思いますが、この期間の自粛の呼びかけの効果をどのように受け止めているのでしょうか。

 

【知事】  

 行動変容という言葉がありますが、相当県民の皆さんは活動の仕方を変えていただけているのではないかと私も感じています。

 通勤がありますので、平日朝の車の通行が激減しているということはないかもしれませんが、それでも減っているという感じがします。また、平日の日中や週末も、車の量は明らかに減っていると感じています。お店を伺っても、県民の皆さんには非常に冷静に対応していただいて、いつもよりも少ないぐらいのお客さんの数だという認識も持っていますので、3密を避けた、人と人との接触が非常に減ってきている傾向にあるなと思っています。

 

【記者】  

 施設の自粛要請について、なかなか応じてもらえないようなケースで、緊張感を高めていくこともあり得るということですが、何か県としてより強いアクションを起こす考えはありますか。

 

【知事】  

 全国的に言えば、例えば緊急事態宣言が出て、政令に定められたような遊戯施設等について自粛を要請した上でもなかなか応じていただけない、しかもそこから感染が広がっている場合には、法律上も命令や、名前の公表もしていくというようなこともあると思います。しかし、福井県の場合は、お声がけをしながら、まずはこういうような対応を避けてくださいということから始めて、その上で、もしもの時には、強くお願いをしていくということはあり得ると思います。

 

【記者】  

 国の経済対策で治療薬として期待される「アビガン」の増産が対策の中に盛り込まれていますが、福井県として感染者が拡大している中で、こういった既存薬に期待することが知事としてありましたら教えてください。

 

【知事】  

 「アビガン」につきましては、報道等でまず国が年度内には200万人分の備蓄を行うと伺っておりますし、特に早い段階で投与した場合に大きな成果を上げている症例があるとの報道も伺っております。

 今は、まさにこの新型コロナウイルスについては効果的な治療薬がないという状況です。今のところは臨床試験をやっている最中だと思いますが、もし効果があれば、承認の手続の迅速性については急いでやっていただきたいと思っています。

 

【記者】  

 5月16日に「全国『みどりの愛護』のつどい」が予定されていますが、そのスケジュールの影響はどういうものになっているのでしょうか。

 

【知事】  

 「全国『みどりの愛護』のつどい」につきましては、年の初めに、福井市で開催をさせていただき、秋篠宮皇嗣同妃両殿下においでいただくというような形で申し上げているところです。しかし、こういう状況ですので、今、どのような形にしたらいいのかということを国との間で詰めているところでして、その結果を受けてやらせていただきたいと思っています。

 1つの在り方としては、やはり大切な行事だとは思いますので、縮小した形ででも開催ができればそういう方法もあるでしょうし、必要性があれば中止するということもあるとは思っています。

 

【記者】  

 今、調整中ですが、県としては開催する方向で考えているということですか。

 

【知事】  

 もう少し時期が近づいて中止ということもあると思いますが、現在の状況を踏まえた形で開催する方法がないかということを考えています。

 

【記者】  

 5月12日に県議会の臨時会が予定されていますが、来週にも招集の予定を知事に求められるかもしれません。そうした場合に、どのような判断を考えているのでしょうか。

 

【知事】  

 これについては、国会もいろんな防護策を講じながらやられているわけですし、県議会は県民の皆様方のご意見を闘わせる場所、我々との間でいろんなやり取りをする大切な場所だと思っています。そこのところは、全く応用ができなければそれはいろいろ考えるということはあると思いますが、方法を考えながら実施の方向を探っていくのだろうと思っています。

 

【記者】  

 「全国『みどりの愛護』のつどい」についてお聞きします。催しの規模縮小について、例えば参加人数の規模を1,500人から200人規模にすることや、記念植樹の取りやめ、また、秋篠宮皇嗣同妃両殿下のご来県は難しいという話も聞いていますが、もう少し詳しく県の認識をお願いします。

 

【知事】  

 決まっているわけでありませんが、今おっしゃられていることを考えています。全国から人に来ていただいて、みどりの愛護についての表彰式が大きなイベントとしてあるわけですが、人の移動を伴うようなものはやめていく。また、2メートル以上の間隔を空けないといけないということや、空気をできるだけ循環できるようにするという話もありますので、その範囲内で会場の中に入れる人数はどれぐらいかを考えなければいけない。また、秋篠宮皇嗣同妃両殿下のお出ましは、おいでいただくと沿道に人がたくさんお集まりになられることもございますので、そういったことはやはり避けるべきということもあります。そういったことから、おいでいただかなくても、お言葉だけ賜ってこちらで代読するような形がないのかという別の方法を一つ一つ丁寧に今検討しているところでございます。こういう状況ですが、「全国『みどりの愛護』のつどい」を開いても感染拡大にはつながりにくい方法を今検討している。それを国と相談しているところです。

 

【記者】  

 今のお話を聞くと、秋篠宮皇嗣同妃両殿下のご来県は難しいと思います。ご来県を楽しみにしている県民に対して、知事はどのように感じているのでしょうか。

 

【知事】  

 結果としてそういうことになれば大変残念だと思います。一方で、いろんな方々の感染リスクを高めることにもなりますので、両殿下にとってもリスクが高まる可能性もあります。特に、県民の皆さんがたくさん出てくることは、避けなければいけないと思います。

 「全国『みどりの愛護』のつどい」は来年の開催地も決まっていますし、みどりの愛護というものは、これからも継続することですので、新しいやり方を考えているところです。

 

【記者】  

 延期の可能性はないということでしょうか。

 

【知事】  

 いつの時期にするのかという話もあります。できることなら何らかの形で、後にバトンを引き継げないかなと思っています。

 

【記者】  

 最終判断はいつごろでしょうか。

 

【知事】 

 国と最後の詰めをしていますので、もう間もなくだと思います。しかし、さらに環境が悪くなれば、柔軟に中止もあると思っています。

 

【記者】  

 今週から厚生労働省の専門家2人が県庁にリエゾン、災害対策現地情報連絡員として入っていると思います。県としてはどのような効果を期待しているのでしょうか。

 

【知事】  

 今日も医師会を含めて議論させていただこうと思っています。

 今は、福井県内の医療逼迫をいかにして解決していくかをやっていただいています。爆発的に増える状況の中でも医療をどう守るかを念頭に置きながら、どんな体制が組めるか、形にしていくかということをいろいろとご指導いただきながら検討しています。もちろん、現状における医療逼迫について、医師や看護師のお手伝いをいただけないかということも含めて相談していますが、足元のところからもう少し先の段階の医療を守ることまでご相談しながら進めさせていただいています。

 

【記者】  

 新型コロナウイルスへの対応で、知事はいろんな発信をされています。各方面から、対応が少し後手に回っていて、リーダとしてのメッセージの発信が少し弱いのではないかという指摘もあります。まだ現在進行形の状況ですが、これまでの県や知事の対応を振り返られて、どのように考えているのでしょうか。

 

【知事】  

 いろんなご意見があることは十分認識しています。自分でもツイッターで発信させていただいていて、その反応も見させていただいています。報道されていることも含めて、今、世の中でどういうことが起きて、どんなお考えの方がいらっしゃるかということも、把握をしながらやらせていただいています。

 常に先手先手でものを行うということはありますが、新型コロナウイルス感染症の問題で非常に難しいのは、社会経済の問題と医療や疫学的な問題のバランスを取らなければいけないことだと思います。

 結果において、私が見ていても、福井県が今大きく後手に回っているとはあまり認識していません。1日、2日のところの判断をもう1日早くできたかどうかということは自分で思わないところもなくはないですが、基本的には職員も非常によくやっていただいておりますし、いろんな形でメッセージも出させていただいています。結果として、今県内の皆さんも静かに自粛に従っていただいているという状況もあります。これからも後手に回ることがないように、十分に気を引き締めてやらせていただきたいと思っています。

 

【記者】  

 先ほど知事は、徹底現場主義や県民主役を貫いた1年だったと振り返られましたが、ご自身で点数をつけるとすると何点になるのでしょうか。

 

【知事】  

 今は点数というタイミングでもない気がします。これだけ新型コロナウイルス対策をやっている最中ですので、あまり1年ということについて振り返るタイミングでもないと自分では思っています。

 

【記者】  

 その中で1年を通して、特に、これができた、これはできなかったというものがありましたら伺えますか。

 

【知事】  

 仕事は一年一年の区切りはありますが、継続してやっていることですので、1年でできることはたかだか知れているのかもしれません。しかし、今年度の予算では、新しく、例えば0歳から2歳までの幼児教育無償化の幅を広げていくことや、私立高校の授業料の実質無償化をさらに拡大するなどしている。これらは子ども・子育て、人口減少対策の中で、安心して子育てができるということを日本一に引き上げるという考え方に基づいてやらせていただいています。

 積極的に、大きな方向性を持ちながら、それに沿った施策を進めさせていただいています。また、「トライアル枠予算」や「クレド」に代表するように、職員自ら責任を持って、指示待ちしないで行動できるようにしていく。職場環境も気持ちも明るく、風通しを良くしながら進めることができていると思っています。

 私が評価することでもないですが、職員の顔つきはまるっきり明るくなっていますので、それだけ前向きに仕事ができるようになっていると思っています。

 

【記者】  

 北陸新幹線について、今週火曜日には延伸区間で初めてレールの敷設が始まり、着々と進んでいる印象もあります。鉄道・運輸機構は工期に新型コロナウイルスの影響はあまりないとしていますが、知事として3年後の開業への懸念も含め、開業に向けた思いを改めてお聞かせください。

 

【知事】  

 私も常に確認しながらやらせていただいていますが、2年11か月後に福井・敦賀までの新幹線開業はできないということはない、できるということでやらせていただいているところです。工期が遅れているところはありますが、夜間を含めて、工事を集中してやっていきます。また、部品や材料が足りないこともありません。

 一方で、年度末に「FIRST291~北陸新幹線開業プラン~」や「ふくい観光ビジョン」を策定しました。これもまさに新幹線が来ることを前提として、いかにそれをブームにしてムーブメントにして文化にしていこうかという考え方に基づいていますので、DMOやいろんな仕掛けもあります。新型コロナウイルス感染拡大の中ですが、これらは着々と進めていけるようにしていきたいと思います。

 例えば並行在来線の第3セクターについても、新しい社員の募集を始めて、計画を持ちながら進めていける体制になってきています。スローガンだけではなくて、作業も着々と進めさせていただいていますので、ぜひとも2年11か月後、すばらしい開業ができるように努力していきます。

 

【記者】  

 関西電力の金品受領問題についてお聞きします。第三者委員会の報告書の中で、福井県との関わりが書いてあったことについて、前回の知事会見では、第三者委員会に事実関係を問い合わせているとのご発言がありました。その後の進捗はどうなっているのでしょうか。

 

【知事】  

 第三者委員会に問合せをいたしました。特に、報告書の中で取り上げられていましたフナクイムシ対策に係る土地の取引や原子力発電所の見学を目的とする職員の参加、旅行に参加したことについてご質問を第三者委員会にさせていただきました。

 それに対して、4月2日付で、第三者委員会の但木委員長から、「調査報告書に記載した事実は確認しているが、守秘義務等の観点で、より具体的な情報及び根拠資料等を委員会から県に対し開示することはいたしかねる」という回答をいただいているところです。

 これを受けて、県として次どうするかということを今考えているところです。

 

【記者】 

 県として調査をするかどうか、当時の職員にヒアリングなどはできると思いますが、何か検討中なのでしょうか。

 

【知事】 

 そのことも否定はしませんが、第三者委員会からこういった回答がある中で、まさに次、何をするかを考えているところです。

―― 了 ――

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