知事記者会見の概要(令和2年5月26日(火))

最終更新日 2020年8月24日ページID 044925

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令和2年5月26日(火曜日)
14:40~15:50
県庁 大会議室

知事200213

【知事】 

 それでは、私から発表事項のご説明をさせていただきます。

 

〔資料:令和2年度5月専決予算 予算の概要特別職の給料月額の減額について

 1点目は、5月の専決予算についてです。

 本日、この5月の専決予算について決裁をいたしました。

 今回も、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための緊急的な予算について計上しています。今回の専決予算の規模は24億円でして、本年3月からの補正予算などを含めた累計額は357億円、令和2年度の一般会計の予算規模は5,228億円になっています。

 内容については、1つ目が福井県雇用維持事業主応援金です。雇用調整助成金は、雇用されている方に休業手当を払った場合に助成金が出ますが、雇用主に対しても固定費等がありますので、そういったものについて応援するという趣旨になります。考え方としましては、事業主の方1人につき1万円、事業主・役員が2人以上いる場合は2万円と、支給上限額を1企業50万円とし、交付します。

 2つ目が福井県雇用維持緊急助成金です。国の雇用維持緊急助成金は、10分の9を上限にして支払うということでしたので、これに対して県で差額分を埋めるというように申し上げました。最終的に、国が1万5,000円まで引き上げたことにより、ほぼ乖離がなくなりましたので、そのわずかな乖離のところを当初の予定どおり埋めさせていただくということで1億5,000万円を計上しています。

 3つ目が小規模事業者等再起応援金です。先ほど申し上げた雇用維持事業主応援金などは、労災の適用事業所に対して行っていましたが、労災の適用がないような事業主に対しても、ある月の売上が20%以上落ちている場合について、一律10万円の応援金を支払わせていただくことを考えています。できるだけ満遍なく、事業をされている規模を見ながら応援をさせていただくために、予算の計上をさせていただきました。

 次は、ギフトシーズン等を活用した県産品販売促進緊急支援事業です。在庫を抱える中小企業者を支援するため、ギフトシーズンを中心に、福井県産品を扱うオンラインストアを開設し、販売促進を図ります。

 次は、宿泊事業者における「新しい生活様式」準備推進事業です。宿泊事業者に対しては、これから国の第2次補正予算において、本格的な観光再開に向けたキャンペーンが盛り込まれると伺っています。しかし、国の補正予算が国会を通って、県の6月補正予算が通るのは、県議会最終日、7月に入ってからとなることから、今回、事前に措置をさせていただきました。

 次は、安心できる県民の暮らしを確保です。これについては、先月末から県民の皆さんにマスクの購入券を配布させていただきました。当初の見込みより少し残余の部分が出ましたので、その部分を活用して、県内の福祉施設や避難所、学校などで必要なところに配布させていただいて、今後の対策にも活かしていくために、措置をしています。

 次は、学校の臨時休校が5月末まで延びましたので、それに必要な経費を放課後児童クラブ等に充てさせていただきます。

 

 あわせまして、今回の補正予算で、財政調整基金等の取崩しを予定しています。そういう中で、特別職の給料月額を減額します。県民の皆さんも今回、長期にわたって売上げや収入が減っているというような状況を踏まえ、県民の皆さんと痛みを分かち合う、気持ちを1つにするという観点、さらには財政的にも厳しい状況が今後見込まれるということを踏まえ、給料月額を、私が100分の20、その他の特別職については100分の10の減額を行いたいと考えています。議会でスムーズに承認が得られましたら、7月1日から来年3月まで9か月間行わせていただこうと思っています。減額総額の見込みは約550万円となります。

 

〔資料:水害リスク図の公表県管理ダムにおける事前放流の運用開始

 2点目が河川の関係です。

まず、水害リスク図の公表についてです。おおむね千年に1回程度の大きな水害が起きた時の水害リスク図を県で作成したので公表いたします。市町では、ハザードマップを作成していますが、その前提となる水害リスク図を今回60河川について作成しました。

 既に洪水予報河川や水位周知河川といった大きな20河川については洪水浸水想定区域図を、その他河川の中でも4河川については、水害リスク図を公表しています。残り167河川のうち、出水期を前に準備が整った60河川を公表します。残り107河川についても、8月頃には発表させていただきます。

 

 次が、県管理ダムにおける事前放流の運用開始についてです。

 既に国が管理する九頭竜ダムや真名川ダムにおいて、事前放流の運用が始まっていますが、県管理のダムでも事前放流を行っていきます。

 ダムは、洪水調節や利水などのさまざまな目的があります。ダムは使用していると、だんだん砂がたまってきますが、その砂がたまることを前提にしている堆砂容量というものがあります。しかし、ダム完成後あまり経過していませんので、堆砂容量はまだ余裕があります。大雨が降る前に事前放流しますので、堆砂容量の余裕部分と利水の部分で問題ないと思われるところについて、洪水調節容量として加えていくという運用を行うものです。このことによって、県全体でおおむね2割程度の洪水調節容量が拡大されますので、洪水の未然防止に役立つと考えています。

 

〔資料:福井県京都事務所の開所

 3点目は、京都事務所の開所についてです。

 京都事務所については、6月1日に開所したいと考えています。場所は、中京区烏丸にある福井銀行京都支店を間借りする形で設置をさせていただきます。職員については、県職員3名と若狭町から1名、さらにUIターンのアドバイザー1名、計5名で始めさせていただきます。

 基本的な業務は、UIターン相談や、観光誘客、福井の情報発信ということになりますが、今はなかなか活動ができる状況ではありませんので、当面の間は福井から行かれている学生さんの相談業務などを行っていきたいと思います。

 

〔資料:野外コウノトリのヒナ(4羽)への足環装着

 4点目が野外のコウノトリのヒナへの足環装着についてです。

 この4月に県が平成28年に放鳥した「たからくん」というオスと、兵庫県生まれの「みやび」というメスのつがいから4羽のヒナが生まれまして、順調に行けば、来月の中旬には巣立っていく時期を迎えますので、今週29日に足環を装着して、今後の観察を行っていこうということでございます。

私からは以上でございます。

 

~質疑~

【記者】 

 特別職の給料月額の減額について、3月31日までだと思いますが、今後も新型コロナウイルスの影響が続いた場合は、継続する可能性もあるのでしょうか。

 

【知事】 

 そういうことを今考えているわけではありません。来年の3月31日までと考えています。

 

【記者】  

 減額した分については、どこに充当するのでしょうか。

 

【知事】 

 予算の歳出まで細かく今決めているわけではありませんが、新型コロナウイルス対策に使っていきたいと考えています。

 

【記者】  

 京都事務所の開所についてお聞きします。京都市は、外国人も含めていろんな方が来るところだと思いますが、新型コロナウイルスの影響が続く状況がある中で、今までどおり交流人口の拡大や観光案内などは特に変えずに続けていくということでしょうか。

 

【知事】  

 短期的には、今、外国からお客さんが来られる状況にありませんので、インバウンドを拡大するというようなお話を今すぐ始めるということはありません。

 しかし、いずれ、ワクチンが開発されてくれば、次第に国と国の間の行き来も始まると思いますので、こういった目的については変わるものではないと思っています。もう少し落ち着いたら、まずは国内のお客様においでいただけるように準備をしていくということです。

 当面の間は、コロナウイルスのことも含めて、いろんなご相談業務をしながら準備をしていきたいと考えています。

 

【記者】 

 京都事務所には大きな期待が込められているのでしょうか。

 

【知事】  

 もちろんです。福井県内のお子さんが大学に進学される一番の行き先は京都であり、年間で約470名という相当な規模で行っております。

 そういう意味では、京都は、県内のお子さんがまた福井に戻ってくる起点にもなりますし、インバウンドも国内で東京に次ぐ規模で、非常に重要な位置にありますので、大変期待をしています。

 

【記者】  

 水害リスク図の公表についてお聞きします。

 今回の水害リスク図の公表は、特に住民の方の避難など、生活に密接するものだと思っていますが、改めてこれを作成することでどういうことを呼びかけたいのでしょうか。また、水害リスク図を作成する中で見えてきた県内での特徴はあるのでしょうか。

 

【知事】  

 今回は、60河川について準備が整いましたので公表をさせていただくというもので、残りの107河川については8月頃に公表をさせていただきたいと思っています。

 また、冒頭申し上げましたが、千年に一度の大雨を想定したリスク図になりますので、相当大規模な洪水になります。この水害リスク図を参考にして、まずは市町が住民の避難に役立てるためにハザードマップをつくる。その上で、今度は住民の皆さんに個別の計画をつくっていただきながら、避難場所をどうするかというようなことのご相談をいただく。千年に一度の水害にも、緊急の避難でも役立つように事前から公表させていただくというものです。

 

【記者】  

 特別職の給料月額の減額について、これは6月議会に冒頭で提案されて議会で採決をするということになるのでしょうか。

 

【知事】  

 はい。6月議会に提案させていただきます。県議会でも今、議員報酬についての減額をお考えのようですので、それと軌を一にして、ぜひ可決いただければと思っています。早い段階で可決いただければ、7月から減額ができると思っています。

 

【記者】  

 県議会では、議員報酬の削減は年内までの半年間としていますが、特別職の給料月額の減額については、年度内の3月までにされました。このことについて、何か意味はあるのでしょうか。

 

【知事】  

 特に何か意図があるということではありません。全国的な特別職の減額の状況等も踏まえ、また年度という区切りもありますので、私たちの判断としてこういう減額をさせていただくということです。

 

【記者】 

 減額の対象となるのは、知事と特別職では副知事2人、教育長、常勤監査委員の合計5名でしょうか。

 

【知事】  

 そうです。

 

【記者】  

 特別職の給与減額について、県内市町の首長でも減額される方が多いと思いますが、県民の感覚、感情として、今、陣頭指揮を執られている知事などが減額する必要があるのかという声もあります。そのことについて、知事のご見解や議論はあったのでしょうか。

 

【知事】  

 そのようにおっしゃる方もいると思います。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大防止に当たっては、休業要請のお願い、また、多くの業種でお客様が減っているという状況の中、県民の皆様は、大変な痛みを伴われています。そういうことをおそらく、県内の首長さん方、県議の先生方、市議、町議の先生方もお考えになられて、新型コロナウイルス感染症対策の財源として使っていただければということがあります。県民の皆さんと痛みを分かち合う、気持ちを一つにしてこれからも闘っていく上で、今回考えさせていただきました。

 

【記者】  

 新型コロナウイルス対策の財源確保のため、財政調整基金の大半を取り崩してしまった都道府県もあるというような報道もあります。今回、福井県も財政調整基金を取り崩して充てるということですが、これからの財源確保については、どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】 

 今回の財源として、地方創生臨時交付金1次分46億6,000万を充てています。

 昨日、総理も、1兆円の地方創生臨時交付金を今後さらに2兆円追加するとの発言がありました。全国知事会議で私も3倍以上と申し上げましたが、そういったことを踏まえて総理からの見解が示されていますので、これから相当多額の交付金があると思っています。

 しかし、これから新型コロナウイルス感染症対策は長く続いていきます。さらに、その後、もしくは同時並行で、経済再開に向けての応援、Go Toキャンペーンをはじめとしてやっていく必要があるので、トータル3倍の財源があったとしても、どうなるか分からないということがあります。

 さらに、今年度から来年度にかけての税収は相当厳しくなることが想定されます。基本的には、地方財政対策の中で、地方自治体の財政運営ができるようにと総務省でお考えいただけると思いますが、そういったことにも備えなければいけない。この後、地方創生臨時交付金が入ってきて財政が潤うように見えても、さらにそれを上回るような形で対策を打っていく、さらに税収が減っていけば、かなり厳しい財政状況になってくるということが想定されます。

 まずは第2波を起こさせないことや県内の経済を支えて、反転に持っていくことが大切ですので、必要なことについては躊躇なく行わせていただきたいと思っています。

 

【記者】  

 先ほどの対策本部会議で、新型コロナウイルスに関する今後の対応を発表されましたが、どのようなところを県民にアピールしたいとお考えでしょうか。

 

【知事】 

 今回決定した内容については、昨日、国で決定した新しい対処方針にのっとってやらせていただくということで考えています。

 これまでの自粛という局面から、「新しい生活様式」や「県民行動指針」の考え方にのっとって、個人個人の皆さんに自覚を持って行動していただくことが必要になってくると思っています。

 先ほども申し上げましたが、「第2波防止への挑戦」ということになってくると思います。これからは、行政も必要に応じて、「注意レベル」や「緊急事態レベル」という形で自粛等を要請することになる可能性もありますが、まずは皆様方に自覚を持った生活、例えば人との接し方、会食をどうするのかといったことを考えながら行動していただきたい。そういう時期に入っていくと考えているところです。

 

【記者】  

 今回、緩和したところと緩和を見送ったところがありますが、これは「第2波防止への挑戦」ということの判断からでしょうか。

 

【知事】  

 これは国の考え方そのものですが、順を追って状況を見ながら緩和していく。行き先がいつも見えないということが問題ですので、それをある程度明らかにしながらやっていこうということで示させていただいています。

 8月1日まで再感染の拡大がなければ、国家的なスポーツなどを含めたイベントを除いて、相当部分緩和されると考えています。

 一方で、人の移動が増えてくる、海外との行き来が始まってくると、感染が拡大しないということは、なかなか難しいかもしれません。

 こういった1つの方向性を示しつつ、また感染が拡大していけば、兆候を早めに察知して福井県として必要な対応を取っていきたいと思いますし、その時にはまた県民の皆さんに対してもお願いをしっかりとさせていただきたいと考えています。

 

【記者】  

 会食については、6月1日から5人以内という上限を今回なくしました。しかし、大人数での会食を控えるよう継続して要請をしています。これは会食では引き続き注意してほしいという意味でしょうか。

 

【知事】  

 国の考え方は、基本的には会食のところの制限はされておりませんが、国においても、3密を避けようというところと同じような項目に、「家族を除く多人数での会食を避けましょう」ということがあります。

 すごく大きな宴会を開くというところはできるだけ控えていただきたいという思いが出ているわけでして、何人ということはありませんが、大人数というと1桁ぐらいが目安かなと思っています。ここのところは皆さんよくご判断いただければと思っています。

 

【記者】  

 感染者無しになって間もなく1か月になりますが、今、県内の感染抑制状況をどのように捉えているのでしょうか。

 

【知事】  

 いつも申し上げておりますが、福井県では4月3日に平日の夜間と休日の外出自粛の要請をさせていただいて以来、皆様方に大変ご努力をいただいた成果として、第1波についてはほぼ終息したという状況に結びついたと思っています。感謝を申し上げます。

 大きな効果としては、国内で県境をまたいだ人の移動をゴールデンウイーク前から止めていることで、今の状況が維持されている部分も大きいと思っています。ここが、経済の再開との一番のせめぎ合いの部分になってくると思います。

 これから経済の再開をしていきますと、リスクが徐々に高まっていく状況になってきます。基本的に人が移動することのリスクをどうやって実際の感染拡大の防止につなげていくかといえば、一人ひとりが現実の行動としてマスクをする。これは非常に効果的で、飛沫が飛ばない、人の飛沫を直接浴びないという効果があります。また、食事をする際などマスクを外したときにはきれいに手を洗う。そうすることで、可能性としての接触の機会の感染リスクが上がったものを低減させることができます。経済が再開しても安全が保たれるような、一人ひとりの自覚のある行動をお願いしたいと考えています。

 

【記者】  

 6月1日からスポーツジム、カラオケ、バーの利用自粛を解除するとしている一方で、キャバレー、ナイトクラブ、ライブハウスについては、6月18日まで利用の自粛を求めています。このように差をつけた理由についてどのような背景があるのかお聞かせください。

 

【知事】  

 感染防止対策をしっかりと取っていただくという前提で、自粛の解除、また、そういったお店を選んでいただきたいと申し上げています。

 事業者の皆さんには、各業界でガイドラインを今定めています。これに従って、例えば間にカーテンのようなものをつるす、もしくはお客さんの距離を離す、正面になりにくいような状況をつくるといったことを、さらに安全サイドに立っていろんな対策を徹底した上で、再開していただきたい。県民の皆さんにもそういうお店に行っていただきたいと考えています。

 その上で、今後も県民の皆さんに来店の自粛をお願いするものについては、ガイドラインができていないということがありますので、今のところなかなか感染予防を図ることが難しいという状況なのだと思います。このことは国も今後検討していくということですので、状況の推移等を見ながら判断をしていきたいと考えています。

 

【記者】  

 今回、キャバレー、ナイトクラブ、ライブハウスなどの利用自粛や、感染者が発生している地域への移動について、6月18日までに区切った理由をお聞かせください。

 

【知事】  

 これは全国的に国の歩調に合わせていくということでした。6月18日までが1つのターンということですので、我々も踏襲させていただいたということです。

 

【記者】  

 あと、県民行動指針について、6月18日まで継続して感染者が発生している他県、地域の皆様には不要不急の来県の自粛をお願いしますと書かれています。一方、昨日、県の調べで、福井県に来訪されている方の数が、感染が拡大する前の9割程度まで回復しているといったような現状が報告されています。

 そうした県外からの人の動きが増えてきているという現状と、不要不急の来県の自粛をお願いしているといったような現状を合わせているわけですが、そのことについてどのように評価しているのでしょうか。

 

【知事】  

 人が動かないと商売は成り立たないというところは裏腹の関係にあるので、非常に難しいと思っています。

 徐々に再開させていくということは、重要なあり方だと思っています。そうすることで、人がだんだん増えてきても、対策を維持できる水準もできます。急に増えると、始めたばかりの対策はなかなか守れないという状況にもなると思いますので、徐々に増えていくということについては、そちらの方向にかじを切ろうとしているということかと思います。

 県外からのお客さんが9割方戻ってきているということについては、調査の仕方もあって、人がA地点からある日に福井県に入ってくると1人とカウントする手法になっています。一方で、別の統計を見ると、県内の宿泊施設、特に福井市の街中のホテルの状況を見ると、3月の大きな感染拡大の前の状況に比べると、ホテルの稼働率が6割、7割に減っている状況かと思っています。

 ホテルに泊まっての会食や、片町など中心市街地のところのお店では、まだ6割方はお客さんが戻っていません。そういう意味では、9割まで回復している理由としては、県境を越えて通勤されている方が結構多いかなと思っています。出張も含めて、経済活動としてこちらに来ている人はまだ少ないのかなと思っています。

 

【記者】  

 県民生活再開に向けた感染防止対策事業として、今、県があっせんしているマスクを買い取るといったようなこともこの中に含まれていると思いますが、県が買い取ることになった経緯と意義をお聞かせください。

 

【知事】  

 これは県民の皆さん、30万世帯に2箱行き渡るようにということで最大限努力をさせていただいた結果として、22万箱残るということです。マスクは特に福祉施設や学校、避難所など、今も足りない状況が続いているところがあります。備蓄や消耗品として、ぜひ欲しいというところがたくさんありましたので、そういうところから、再度の感染防止対策として配らせていただくということで考えています。

県民の皆さんへのお願いの一つとして、これから再度感染が広がってくる時期が可能性としてあります。そういう時には積極的疫学調査を行わせていただきますが、患者になられた方、その感染の元になったと思われるようなお店などの事業主の方にはぜひとも調査にご協力をいただきたい。そうすることで感染の拡大を効果的に防ぐことができますので、ぜひそういったことについてもお願いをしたいと考えているところです。

 

【記者】  

 マスクの購入券事業について、石川県や富山県、鳥取県など、福井県の取り組みを参考にする形で広がりを見せていますが、どのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】  

 マスクの購入券については非常に県民の皆さんにも喜んでいただきました。一番難しかったのは、準備をするということでしたが、他県でも同じような取り組みをされるということは、福井県としてやらせていただいたことが効果的だったことの証左かと思っています。

 このマスクの件に限らず、今回の新型コロナウイルス感染症拡大防止に向けての対策として、県職員がいろんな形で、仕事でこんなことができるというようなことをみんなで共有しながら、アイデアを出して、それを財政当局も含めて、みんなでチームワークでやってきた結果だと思っています。そういう意味では、職員もよくやってくれたと思っています。

 これからも、県民の皆さんの安全を守るため、県や市町、企業等と一体となって、こういった対策を柔軟に進めていきたいと思っています。

 

【記者】 

 キャバレー、ナイトクラブ等、接客を伴う飲食業やライブハウスは18日まで利用を控えてほしいということですが、19日からは自粛は解除されるのでしょうか。または、もう一度解除するかしないのか判断をするのでしょうか。

 

【知事】  

 これについては2点あると思います。1つは、社会全体、福井県の中の感染状況が収まっているかということがあります。もう1つは、各事業者が十分な感染対策が取れるかどうかといったところがあると思います。後者のほうは、国も含めて、各業界で新型コロナウイルスが拡大しないような措置をぜひ進めていただいて、国も判断するのだと思いますが、我々としても判断していきたいと考えています。基本的には、19日に自粛を解除できるのであれば解除するという方向だと思っています。

 

【記者】  

 もう一度19日の前に判断されるということでしょうか。

 

【知事】  

 それはあり得るという意味です。今から止めようと思っているということではありません。

 

【記者】  

 6月1日から県立学校と小中学校が概ね授業を再開します。県として、部活動をどうするのか、授業の遅れをどう取り戻すのか、夏休みをどう使うのかなど、各市町に示されるような大きな方針が固まっているのでしょうか。

 

【知事】  

 詳細は教育庁にお聞きいただければと思いますが、先週金曜日に市町教育長会議で考え方についてご説明をさせていただいています。基本的には、学校ごとに、もしくは市や町ごとに判断しながらということですが、例えば部活動について言えば、最初の1、2週間は、感染しない方法の説明や、トレーニングをするなど、いきなり部活動そのものを再開するのではなく、3週目から活動していくということもあります。いずれにしても、感染拡大防止ということを念頭に置いた活動をしていくことを考えていますし、また、夏休みをどうするのか、それから授業をどのように消化していくのかといったことについては、こちらでも指針を示しつつ、国に対して、全ての教科のカリキュラムを通常どおりやっていく必要があるのかどうかの判断も引き続き求めていきます。子供たちは、勉強はしないといけませんが、生身の人間ですので、12か月を10か月に短くして、夏休みや行事も精査してほとんどなくなっていくということが、正しい子供の教育かどうかというところも含めて、国に対してもお願いしながら、最終的には決められた枠の中で市や町と相談しながら進めていきたいと考えています。

 

【記者】  

 6月1日までに夏休みや冬休みをどれだけ短縮するということを今は決めないで、走りながらもう一度考えていくということでしょうか。

 

【知事】  

 各学校や市町の状況を聞いていますと、6月のしかるべき時期までに夏休み期間をどうするかを決めていくと伺っています。

 学校を再開しながら、それぞれの市町、学校でご判断いただければと思っています。

 

【記者】  

 6月以降の対応について、広域的なお祭りや行事は全国的に7月末まで自粛を要請するということですが、県内で具体的に想定されているお祭り、行事はあるのでしょうか。

 

【知事】 

 現在、具体的には想定していません。

 

【記者】  

 コンサートや展示会などのイベントは、段階的にステップ2、3、4と規定されていますが、基本的に、時期が来れば切り替わっていくものだということしょうか。それとも、対策本部会議を開いて判断して決めるのでしょうか。

 

【知事】  

 状況の変化がなければ、基本的にはこのまま進めていこうと思っています。

 

【記者】  

 新型コロナウイルス対策の予算には、経済対策も盛り込まれていますが、この予算に込められた思いをお聞かせください。

 

【知事】  

 専決予算については、6月議会が始まる前に急いでやっておかなければいけないこと、県民の皆さん、特に傷んでいる事業者の皆さんにお渡しできるようなお金について、専決をさせていただいたというところです。

 こうしたお金については、今日以降、申請の受付をできるだけ早く始めさせていただいて、執行もさせていただこうと考えています。

 県民の皆さんには何とか事業を継続していただいて雇用を守っていただく、また我々も一生懸命全力で応援をさせていただきたいと思っているところです。

 

【記者】  

 恐竜博物館など、まだ開館していない県の施設があったと思いますが、今後の予定を教えてください。

 

【知事】  

 今議論を始めています。恐竜博物館の場合は、オープンすればお客様が殺到する状況になりますので、館中でおおむね2m間隔が取れるキャパシティーがどれくらいあるかを見て、キャパシティーに対して午前と午後でお客様を分ける。午前と午後で一巡させ、一度にたくさんの人が入ってくることがないように人数制限をかけて、予約制にすることなどを徹底していく。また、空気の入れ替えをどうしていくのかを考えています。

 6月のしかるべき時期から少し開けて、8月頃にもう少し開けていくようなことを発表ができればと思って準備をしています。

 

【記者】  

 6月18日まで首都圏や北海道、その他継続して感染者が発生している地域への移動を自粛するということですが、「その他継続して発生している地域」というのは、今現在どこかを想定しているのでしょうか。

 

【知事】  

 これからどのように感染が拡大するか分かりません。首都圏と北海道は、これから1週間から10日程度は減少して、その後にぶり返すかもしれない。また、これから1週間のうちに、どこかでまた感染者が増加するかもしれない。そういう可能性がありますので、国も言っている首都圏と北海道をプラスして、これからのいろんな感染拡大の状況をよく注意してみてくださいという趣旨で後半の部分をつけ加えさせていただいています。ですから、今すぐにどこかを想定しているわけではありません。

 

【記者】  

 現状のままであれば、京都と大阪などは構わないということでしょうか。

 

【知事】  

 京都も大阪も昨日の感染者はゼロだったと思います。福岡では2人出ていますが、点在的に感染が出ていることまで申し上げているわけではありません。

 

【記者】 

 第2波防止に関して、県としては、最悪の事態を想定しておくことが必要だと思いますが、どのようなシナリオを描いているのでしょうか。

 

【知事】  

 基本的なスタンスとしては、全く同じような意識を持っています。ただ、第2波が最悪の想定にならないように、注意レベルや緊急事態レベルを示しています。

 福井県の第1波は、最初に感染者が出たときにはもう10程度に枝分かれていたので、一気に広がっていったということが後から分かってきたことかなと思います。

 4月1日から2日になるところで感染者が20人を超えて、福井県では4月2日から夜の接待のあるようなお店に行くことの自粛、4月3日には県民の皆さんに不要不急の外出の自粛をお願いしています。そういう意味では、今回とほぼ同じような対応ができるような水準を設けています。

 そういう意味では、4月3日以後、県民の皆さんの行動が止まったことで、感染の拡大は止まってきていると見られます。

 感染経路、いつ感染したかを見ても、4月3日以降に新しいクラスターが次々できる状況ではございません。81人の患者さんがいたときが、一番多かったという状況でした。

 今回、318床を準備していますし、PCR検査も1日に318例の検体採取ができる体制も準備できますので、今回と同じような感染のピークであれば、方法論的にもそれなりに止められる、もしくは実際に患者さんが発生しても医療の側で受け止められる。1週間で1日当たり20人というような水準を設定していますので、第2波と思われるような兆候を確実にキャッチできれば、何とか福井県として医療も含めて持ちこたえられるのではないかと考えています。

 

【記者】  

 この318床という体制で第2波に備えるということでしょうか。

 

【知事】  

 当面はこれで進めていこうと考えています。あわせて、PCRの検査についても、5月25日に新しい検査機器を導入して、1.5倍に増やしています。

 

【記者】  

 濃厚接触者などのPCR検査を早期に実施とありますが、濃厚接触者に関しては全員すぐ検査するということでしょうか。

【知事】  

 これは必要性に応じてと考えています。これまでの経験も含めて、どういう方々に感染が拡大しやすいかということはそれなりに分かってきています。幅広く、柔軟にやっていくというような趣旨を資料に記載しています。

 

【記者】  

 抗原検査や抗体検査は書かれていないと思いますが、そこは考えていないのでしょうか。

 

【知事】  

 抗体検査については、どの程度抗体を持っている方がいるかということですので、直接患者さんの有無を調べるということとは考え方の基本が違うと思います。

 抗原検査でいく場合には、どうしても擬似陰性が出てしまう人がいますので、陰性と判定された方はもう1回PCR検査をしなければ確定診断ができない。PCR検査が間に合っている間は、主な検査になっていくのは難しいと思っています。

 しかし、緊急的に手術をする必要があるというときには抗原検査も重要ですので、合わせ技として、急に必要な数がたくさん出てきたときや短時間で対応しないといけないようなときには、福井県としても用いていくことは考えていきたいと思っています。

 

【記者】  

 県民行動指針の他県との往来自粛について、「首都圏や北海道、その他継続して感染が発生している他県」とありますが、この首都圏は昨日解除になった1都3県を差すのでしょうか。

 

【総務部長】  

 昨日解除になったところです。

 

【記者】  

 6月1日から多くの学校が再開になります。県教委も各学校に通知を出していますし、各学校でも感染防止対策を取られているかと思います。知事が各学校に気をつけてほしいと再開に向けて願っていること、対策をしっかりとしてほしいというところの所見をお聞かせください。

 

【知事】  

 いろんなところで親御さんのご意見、お考えを伺っています。やはり子供の安全を守ってほしいというところを皆さんおっしゃられます。全くそのとおりだと思います。

 そういう意味では、子供は自分で自分を守るというところをよく身につけるということが大切だし、いい時期なんだろうと思います。ですから、頭から一つひとつの行動を押しつけるのではなくてどうすると感染しやすいのか、どうすれば感染を防ぐことができるかということを説明しながら、子供たちに今度はそれを身につけてもらって行動に活かしていくようなことに結びつけていっていただければと思っています。

 

【記者】  

 当初予算、令和2年度の県の事業について、こういう状況でなかなか執行が難しいと思うような事業が出てきていることは事実だと思います。

 国が交付金を増やすということを決定したとはいえ、財源を確保するために当初予算の組替えなどを考えているのでしょうか。

 

【知事】  

 当初予算の組替えが必要だとすると、新しくコロナ対策をやろうとしたときに足を引っ張るような事業は、両方立てられないということで組替えになってくると思います。今年度できないだろうという事業は出てきていると思っておりますし、財源としてその部分を活用していくということはあると思います。

 日程的に、今そちらを洗い直している時間がありませんので、例年で言えば、9月や2月の予算のときに精査をして財源の調整をしていくということになります。

 6月の予算では少し厳しいと思いますので、9月か2月に向けて精査していきたいと思います。

 

【記者】 

 予算の組替えは、9月や2月にあり得るという理解でよろしいでしょうか。

 

【知事】  

 確実にさせていただきます。

 

【記者】  

 5月18日に、原子力災害発生時の避難所が3密になるとして、大阪地裁に福井県の住民が関西電力の3原子力発電所の運転差し止めの仮処分の申し立てを行いました。住民がこういう不安を訴えていることに対しての知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】  

 そうした訴えの提起があったことは存じ上げています。

 一方で、避難所の関係は、原子力だけでなく、通常の自然災害でも同じように3密回避は当然必要になってきます。そういう点について、現在、県を挙げて、市町とともに避難所の運営もしくは設置の対策について進めているところです。

 原子力だけにとどまらず、自然災害も含めて、避難所での新型コロナウイルス感染拡大が起きないような対策については我々としても十分に心がけてやらせていただきたいと思っています。

 

【記者】 

 明日、防災会議がありますが、そこで県の対応は明らかになるということでしょうか。

 

【知事】  

 今回は、昨年までに国が示した方針に沿った部分を改定するのだと思います。

 今回の新型コロナウイルス感染拡大防止対策については、別にマニュアルや手順書をつくって、今既に市や町とやり取りしています。

 

【記者】  

 市町との調整ができ次第、マニュアルを策定していく方向になるのでしょうか。

 

【知事】 

 既に我々としては示させていただいています。一方で、個別の現場の課題については簡単でないところもありますので、相談に応じながら対策を進めています。

 

【記者】  

 先週、原子力規制委員会で日本原燃の六ヶ所村にある使用済燃料の再処理工場が基準に適合しているという判断を出されました。本県でも、関西電力の原子力発電所でプルサーマルなども進んでいますが、まず規制基準に適合していると判断されたことへの受け止めをお聞かせください。

 

【知事】  

 まだ決定していませんが、そういった審査書案ができて公表されているということは、言ってみれば、核燃料サイクルの政策が一歩前進したということかと認識をしています。

 一方で、まだまだこれから解決しないといけない課題もたくさんあります。福井県としては使用済燃料については県外に持ち出すということで申し上げておりますし、核燃料サイクルの国の運用の考え方に賛同して今事業を続けさせていただいています。国に対してはさらに、核燃料サイクル全体が動くような、そういった努力を続けていただきたいと考えています。

 

【記者】 

 今、核燃料サイクル全体のことに触れられましたが、再処理工場が本格的に稼働して、大きな節目を迎えると把握しています。福井県としては、今後とも核燃料サイクルについては推進を後押ししていくという立場に変わりはないのでしょうか。

 

【知事】 

 現状においては、国が今進めている政策、それから県としてやってきたことを継続してやっていこうと考えています。

 

【記者】  

 再処理工場が事実上の合格と言われていますが、そうしたことによって、核燃料サイクルについて期待する点や、県として注文をつけたい点など、今後の見通しについて何かお考えがあればお聞かせください。

 

【知事】  

 まさに今おっしゃられたように、これからの原子力の政策の行く末をどの方向に進めていくということが非常に不明確になっていると思います。見通しを早く国は明らかにしていく必要があると思います。

 例えば原子力の発電の比率というものを20%から22%にしていく、そういうことについてもまだ道筋が明確になっていない状況もあるわけですし、今の核燃料サイクルについてもまだそれが完結しているわけでもありません。こういったことをしっかりと国としては方針を立てて、それを国民の皆さんにご説明をしていただいて、それで安心をしていただく。その上で我々としてはそれに協力をしていくことができるように、国についてはぜひすべきことを進めて、見通しが立てられるようにしてほしいと思っています。

 

―― 了 ――

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