知事記者会見の概要(令和2年9月4日(金))

最終更新日 2020年10月28日ページID 045364

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令和2年9月4日(金曜日)
10:30~11:50
県庁 大会議室

知事200213

 

【知事】  

 それでは、会見を始めさせていただきます。

 まず、本日、朝9時10分頃に嶺北地方で発生しました地震の概要についてご説明します。

 震源地は福井県嶺北でして、震源の深さは10km、マグニチュードは5.0と言われています。

 県内の震度ですが、坂井市で震度5弱、福井市とあわら市で震度4、そのほかの市町では震度3から1という状況です。

 県においては、直ちに安全環境部長をトップに災害対策連絡室を設置して、情報の収集に当たったところです。

 9時43分には県の防災ヘリも飛びまして、上空から監視を行っています。今のところ、火事のような煙が出ているなど、大きな被害が出ているという報告はありません。

 これから119番通報等が増えてくると思いますが、今のところ、けがをされた方が2名いると伺っています。また、大きな物的被害の情報は今のところ入っていません。福井地方気象台等も災害対策連絡室へ入っていただいて、今後、余震等の可能性も含めて十分に注視をしていくという状況です。

 現状においては、大きな被害になっていませんが、この後の余震や本震という可能性もありますので、高いところに物がある場合はそれを下ろす、危険な場所から離れるなど、県民の皆様にはしっかりと確認しながら、命を守る行動を取っていただきたいと思います。

 

〔資料:新型コロナウイルス感染症対策について令和2年度9月補正予算案 概要主要事業ポイント

 それでは、発表事項についてご説明をさせていただきます。まず1つ目が、9月補正予算案についてです。

 その中で一番大きな内容が、新型コロナウイルス感染症対策となります。

 今回の補正予算案については、新型コロナウイルス感染症対策が433億円。その他の対策として、主に長期ビジョン実現に必要な経費で5億円。さらに、公共事業は、国から内示がありましたので、34億円の増額補正を行います。歳入に関しては、今年度は様々な税収が落ち込んでいることを受け、税収見込みや地方消費税等の市町交付金などが、70億円の減額になります。あわせまして、一般会計の9月補正予算額は402億円、トータルの今年度の予算額は5,765億円になっています。

 その主な内容の一つである新型コロナウイルス感染症対策に係る予算についてご説明を申し上げます。

 今回、カラオケを伴う飲食店での感染拡大により、現状では入院患者が64人である事態を受け、確保病床を190床から215床に拡大させていただいています。現在はフェーズ3の131床に向けて増床を続けており、118床まで準備が整っている状況になります。また、宿泊療養施設と合わせて、これまでの最大335床から360床の病床確保も行っているところです。

 次に、カラオケを伴う飲食店における感染拡大を踏まえ、9月10日まで休業要請を行っていますが、休業要請終了後どのようにしてお店を再開していくかということの対策を強化します。

 まず業界のガイドラインが設定されていますが、これに県独自の対策を追加して、チェックリストを作り、分かりやすい形で、再開時の対策をお願いしていきます。

 具体的な内容としては、歌うときにもマスクを着用、目の前に透明なビニールカーテンなどを置く、客席との距離は原則2m確保する、換気の徹底、密になって盛り上がるような状況を避ける、定員を超える場合の入店制限等をお願いしていきます。

 これらの感染防止対策に伴い、店舗を直すような必要性がある場合については、今回の補正予算の「中小企業等における感染拡大防止対策事業」の中で要した経費の5分の4を補助させていただきます。

 また、カラオケを伴う飲食店については、県下全域のカラオケ喫茶に、先ほど申し上げた新しい基準でお店を開いていただくことを考えています。あわせて県民の皆様方には、「感染防止徹底宣言ステッカー」が貼られている店の利用をお願いします。推奨ではなく、利用していただきたいということで申し上げていくところです。

 また、店舗での感染防止対策がステッカーどおりとなっていないのではないかというお話も伺います。そういうときには、以前からお知らせしていますが、「利用者からの提案窓口」までご連絡をいただければ、県としても店舗に対して声がけをさせていただくことができます。安心して使っていただくためにも、ぜひお願いをしたいと思っています。

 詳細については、午後に担当からご説明させていただきますが、本日は3名の新しい患者が発生しています。それを受け、本日までの直近1週間の新規感染者数は35人となっており、病床の占有は64床、ICUは4床という状況です。

 今の状況として、1週間の新規感染者数は大分落ち着いてきています。そういう意味では、カラオケを伴う飲食店関連の感染者についてかなり捕捉ができている状況だと思います。

 ただし、高齢者の方を中心とした感染状況となりましたので、今のところ病床の占有数はあまり変わっていないという状況です。

 昨日、医師会から医療提供体制の特別警報が出されました。第1波は、1日の感染者の発生数が多いときは9人、12人という一番大きなカーブを描きましたが、今回の場合は13人、16人、11人というような発生の仕方でしたので、第1波のときよりも早く立ち上がっている。第1波では、1週間最大51人だったところが今回は64人まで達しました。そういったことから急激に病床、医療提供体制が逼迫する可能性があるということで特別警報を出されたと思っています。

 私どもは日頃から、医師会との間で意思疎通を図りながら進めさせていただいています。先ほど申し上げましたように、全体の病床数については、今後とも十分に拡大する余地があると考えています。

 一方で、医療機関に対する負荷が大きくなっていることは明らかですので、皆様方には日頃からの感染予防として、うつさない、うつらない行動、特にマスクは日頃からしていただく、さらに食事やカラオケでマスクを外しているときは十分にお気をつけいただくことを徹底していただきたいと思います。

 また、直近1週間では、35人中26人が60歳以上となっており、全体の74.3%を占めています。

 4月28日以来75日ぶりに感染者が発生した7月12日からカラオケを伴う飲食店由来と思われる前までの状況では、60代以上が占める割合は23%でした。それが今は74%となっており、お年を召された方が増えていますので、十分にご注意いただきたいと思います。なおかつ、これまでは大丈夫でしたが、調子が悪いと思ったら、日を置かずにすぐに帰国者・接触者相談総合センターへお電話、ご相談いただければ必要な体制をすぐに取らせていただきますので、ぜひお願いいたします。

 続きまして、今回の9月補正予算ですが、新型コロナウイルス感染症関係に433億円を計上しています。これまでに新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策は、11回予算措置を行ってきており、総額で922億円となっています。

 主な内容ですが、「新型コロナウイルス感染症対策事業」では、インフルエンザの流行期に備えて、検査体制を1日3,000件まで強化することに力を入れています。これまでのインフルエンザの流行期には、1日にインフルエンザの検査を受けられる方が県内で二千数百件という状況でしたので、過去のピーク時を見て、ある程度の余裕を持つために、1日3,000件まで検査ができる体制をつくろうとしています。

 このときに課題となることが2点ございます。1つは、PCRや抗原検査キットを常時供給できる体制をつくる。もう1つは検体の採取場所を増やさないといけない。この両面からやらせていただいています。

 昨日、医師会が医療提供体制逼迫と言っていますのは、秋冬のインフルエンザの流行時期に向けて、検体採取できる病院数を増やしていかなければいけない。昨日は150ぐらいに病院、診療所を拡大できればというお考えをおっしゃっていたと思います。病院や診療所で検体採取を行い、県においてPCR検査の体制や抗原キットの供給を実施することで1日3,000件、インフルエンザ検査数の分をしっかりとこなしていける体制にしていくということです。

 現状においても、県では県内企業と提携し、1日3,000件の検査キット備蓄体制を取っています。今後とも、この目標に向けて鋭意努力していきたいと考えています。

 また、6月議会でも多くの議論をいただきましたが、これまでの医療、介護、障がい者福祉施設のサービス事業者への慰労金に加え、県独自で児童福祉サービス、保育所、こども園などの先生方、関係者の皆様にも、1人5万円の慰労金を「医療・福祉サービス従事者への慰労金支給事業」として支給させていただきたいと思います。

 次の「新設医療機関向け運営資金利子補給事業」については、今年2月以前に新設された医療機関に対する国の融資制度がありましたが、それ以降に新設された医療機関に対する融資制度がありませんので、支払利子の支援を県としてさせていただくというものです。

 次の「新型コロナウイルス感染症クラスター防止協力金」は先般、専決処分させていただいたものに追加して予算措置するものでして、県が要請を行って休業や営業時間の短縮をしていただいた方に協力金を支払う。1回20万円という県が多いですが、実態を見ますと休業が長くなるなどいろいろなバリエーションがありますので、1日当たりの休業ならば1万円、営業時間短縮ならば5,000円としています。ある程度まとめてお休みいただきたいと思いますので、そのインセンティブとして2週間程度お休みいただければ、約20万円の協力金をお支払いします。

 そうすると、今度はお店のほうで、いろいろな対策を取らなければなりません。そのため「中小企業等における感染拡大防止対策事業」においては、事業者の感染防止対策に要する経費を支援していきます。

 次に「医療機関・社会福祉施設等における感染拡大防止対策事業」では、医療機関や社会福祉施設等の感染拡大防止に必要な対策を支援していきます。

 また、新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、公共交通機関の経営は大きな痛手を受けています。そのため、「地域公共交通運行継続特別支援事業」や「地域公共交通利用環境整備支援事業」にて、鉄道、バス、タクシー事業者に対して支援していきます。

 次の「ハッピーマリッジ応援事業」についてです。最近は、結婚の機会も減っていますが、こういう時期にこそ愛を育んで結婚していただく機会を見つけていただきたいということや結婚式に関わる業界の仕事が大きく減っていますので、県内のブライダル関連企業や飲食店等を利用できるカタログギフトを贈呈し、品物を買っていただける環境をつくるということ。さらに、結婚の良さを演出するという意味で、抽選にはなりますが、ウエディングの動画制作や打ち上げ花火イベントもやらせていただこうと思っています。

 次に、「デジタル県庁推進事業」です。県庁では、カメラがついていない古いパソコンも多くあり、テレワークがしにくい環境がありますので、カメラのついていないパソコンを新しいものに更新していきます。また、県庁の通信ネットワークは、LGWANという外部からアクセスできないシステムになっていますので、職員がテレワークするときに庁内の事務システムを使用できる環境の整備など、これから県庁のテレワーク化を進めていくための経費です。

 次に「県内修学旅行支援事業」についてです。今は県内で新規感染者が増えていますので慎重な判断が必要ですが、これから収束させていく努力をしていきます。そういう中で、県外にはなかなか行きにくい状況がございますので、県立学校と私立学校、それから市立、町立の小中学校も同様に県内宿泊を伴う修学旅行に変更する場合1人当たり1万5,000円、さらに嶺南と嶺北の行き来の場合は1クラス当たり3万円の加算を行うなどの経費を支援します。今年は県内で修学旅行をしていただくことを推奨していこうと考えています。

 次に「県立大学システムネットワーク増強事業」についてです。県立大学では、前期の授業をウェブで行っていました。前期のウェブ授業と後期も同じでいいのではないかという考えもあります。しかし、実際は、どのようにウェブ授業をしていたかといいますと、生徒は自分でパソコン持っていて自宅にWi-Fi環境がある一方、先生は自宅でウェブ授業ができる環境をつくって対応していたわけですが、これから徐々に、対面も含めて、大学で授業を行う必要性が出てきています。しかし、県立大学に来ますとルーターもない、Wi-Fi環境もない。さらに、県立大学に結ばれているネットワーク回線も容量が少ないものしかありませんので、そういった環境を直していこうという経費になります。

 次の企業応援の項目として、まずは消費喚起のため、「デジタルバウチャーを活用した消費喚起・キャッシュレス促進事業」をしたいと考えています。例えば商店街対策として、ものを売っていきたいというときに、商工会議所等が中心になりデジタルバウチャー(電子割引チケット)を発行する。利用者はアプリからデジタルバウチャーを入手して、店舗で見せて、かつ、各店舗に配られたQRコードの紙を読み込むことで、5,000円の商品だったら2割引きで4,000円だけ払う。後から利用店には割引分が返って来ます。こういうような形は、紙での応援券などでよくありますが、紙では始めるまでに印刷や配布などで時間がかかりますので、臨機応変にできるように、このデジタルバウチャーという制度を始めたいと思っています。

 次の「眼鏡・伝統工芸品販売促進事業」では、国のGo Toトラベルを利用して発行される地域共通クーポン券を使って、県内の伝統工芸や眼鏡を購入するときに、県としてクーポンと同額を上乗せして割引させていただくことを始めます。

 次の「ふくいwo味わうレストラン応援事業」では、国のGo ToEatキャンペーンの開催にあわせ、県産食材をたくさん使っていただいている飲食店を広報させていただき、皆様にお使いいただけるようにしていきたいと思います。

 次に、「越前がに消費応援事業」についてです。現在、越前がになど高級な食材が非常に売れにくくなっていると聞いています。そのため、福井県を代表する越前がにをお歳暮などで贈る際、2万円以上の場合は3,000円を県が応援します。より多くの皆様に越前がにを贈っていただきたい。そういったキャンペーンを行いたいと思っています。

 次に、「展示会出展・新スタイル商談支援事業」についてです。伝統工芸等の産業が非常に痛んでおり、展示会にも行けないとのことから、展示会への出展の他、例えば和紙でウエディングドレスを作る、帯の生地でマスクを作るといったことを応援していきます。

 次の「県内企業取引マッチング促進事業」では、オンライン商談会の開催等により県内の大手製造業が調達先として県内中小企業を選んでいただけるようにしていきたいと思っています。

 次の「デリバリーインフラ整備事業」は、飲食のデリバリー事業に取り組む運輸事業者等を支援し、コロナ時代に適応したデリバリーインフラを整備していこうというものです。

次の「ジョブシェアリング促進事業」は、この時期だけ従業員の手が空いている企業と、とても忙しい企業との間を結んで、失業しなくて済むような体制をつくっていこうというものです。

 次の「県制度融資(コロナ関連融資)の融資枠拡大」は、新型コロナウイルス関連の融資枠もいっぱいになっていますので、国と県の制度でトータル1,300億円だった融資枠を2,600億円に倍増させようというものです。

次の「小規模事業経営支援事業」は、商工会議所や商工会の相談窓口で対応する中小企業診断士等が足りなくなっている状況ですので、これを応援しようというものです。

 次の「イルミネーションエリア創出による夜間観光促進事業」では、夜間観光を促進する市町・団体等を支援し、プロジェクションマッピングやイルミネーションでまち全体を盛り上げていくことを行います。

 次の「鉄道遺産魅力発信支援事業」は南越前町と敦賀市、そして滋賀県長浜市の鉄道遺産が今年6月に日本遺産に認定されましたので、地元市町が行う着地型ツアーの支援や日本遺産認定記念展を市町イベントとあわせて行うというものです。

 次の「若手アーティスト活動支援事業」は6月県議会でも申し上げましたが、まち全体を博物館、展示館にできるような仕掛けをやっていこうというものです。

 次の「ふくい県民応援チーム映像配信支援事業」は、ぜひとも、ホームでの試合のときには皆様に直接スポーツ観戦へ行っていただきたいのですが、アウエーのときにも試合をオンラインで見られる体制を整備します。

 ここからは「福井県長期ビジョンの推進」についてです。「児童相談所・一時保護所強化事業」では、児童相談所と一時保護所、婦人相談所の基本設計と実施設計を来年度にかけて行います。建設工事については、一時保護所は令和4年度中に、児童相談所と婦人相談所は、令和5年度には終えたいと考えています。

 次の「東尋坊活性化事業」については、坂井市が再整備計画をつくられましたので、県としてやるべきこと、駐車場の一元化や県道の拡幅について支援をしたいと考えています。

 次の「一乗谷朝倉氏遺跡受入環境整備支援事業」では、AR(拡張現実)を使ったり、5Gの無料Wi-Fiの整備を行い、昨年日本遺産に認定された一乗谷朝倉氏遺跡のさらなる魅力づくりをしたいと考えています。

 最後に、公共事業について国からの内示がありましたので、これに併せて増額補正を行っています。

 以上が予算に関連した内容です。

 

〔資料:「いちほまれ」の新米販売と新CMについて

 次に、マスクを付け替えまして、「いちほまれ」の宣伝をさせていただきます。

(「いちほまれ」CM動画)

 今、CMを見ていただきましたが、「いちほまれ」の新米の販売についてです。

 「いちほまれ」については、一時天候不順もありましたので心配していましたが、最近は非常に順調に生育をしているということで、9月7日頃から収穫が始まり、予定どおり5,000トンを出荷します。県内では9月26日から、県外では10月1日からの販売となる予定です。

 いちほまれの新CMのタレントに本田望結さん、紗来さんの姉妹、高校1年生と中学1年生ですが、起用させていただきました。私もドラマ「家政婦のミタ」で望結さんを見ていましたので、今はこんなにお姉さんになったのだなと思いましたが、皆様ご存知のこのお二人に今回CMを撮らせていただいて、これから全国に向けて発信をしていきたいと考えています。

 

 元のマスクに戻しましたので、この機会にお話をさせていただくと、昨日、ツイッターで女の子が全国知事のマスク姿のイラストを描いたことが話題になっていました。私はこのマスクで描いていただいていましたので、今日はそれをつけてまいりました。何かこだわりがあるのではないかとこのイニシャルつきマスクにコメントをいただきました。

 その中で富山県知事のところのコメントにマスク券を全国で一番早く配ったと書いてありましたが、それは福井県のほうが早かったと私は思っていますので、この場で少し訂正をさせていただければと思います。

 

〔資料:JAXA航空技術部門との連携協定の締結について雪氷モニタリングシステム

 次に、JAXA航空技術部門との連携協定についてです。内容的には雪氷モニタリングシステムの実証実験を行います。滑走路の下に積雪センサを設置しまして、雪氷状態をリアルタイムで把握して、最終的には航空機に直接データを送るシステムを開発しようということです。除雪の判断、離着陸の判断に活かされるということです。

 福井空港には積雪センサを設置し、実際に雪が降ってきたときのデータを取る、JAXAの実験を来年2月から約1年かけてやっていきます。また、JAXAに県職員を派遣しまして共同研究を進めていくことを考えています。

 協定の名称については、「福井県とJAXAとの航空科学技術の研究開発促進に係る包括協定」となりまして、9月14日(月)に、福井県庁で協定締結式を行います。

 実証実験の主な内容としては、今申し上げた雪氷モニタリングシステム等の気象影響防御技術の研究開発や道路の凍結状況を把握する技術を持つ県内企業とJAXAとの共同研究など、県内企業のノウハウも活かしていきます。さらに、「ふくいオープンイノベーション推進機構」にJAXAもご参加いただけると伺っています。

 その他にも、先ほど申し上げた県職員のJAXAへの派遣、さらには、県内高校でJAXAによる特別授業を行い、将来に向けての人材育成や県内企業の宇宙航空産業の参入促進を行っていきたいと考えています。

 

〔資料:令和3年度全国高等学校総合体育大会 総合開会式の開催日等の変更について

 次に、令和3年度の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の総合開会式などの日程や会場の変更についてです。

 ご存知のとおり、東京オリンピックは来年7月23日が開会式、8月8日が閉会式、パラリンピックは8月24日から9月5日に期間が変更され、従来の日程ではインターハイがオリンピックに重なってしまうという状況でした。そのため、インターハイの総合開会式を8月13日に変更します。また、場所については県立体育館からサンドーム福井に移し、開催期日もオリンピックやパラリンピックの期間と重ならないようにします。

 個別の競技については、資料をご参照いただければと思っています。

 

最後に、既に告知をさせていただいていますが、前田工繊株式会社との間で、保健衛生用品の供給等に関する協定の締結式を本日の午後1時15分から行わせていただきます。新型コロナウイルス感染症の第1波の際に、マスクや防護服、消毒用アルコールが供給不足になった状況がございました。6月補正予算では、県内で保健衛生用品が生産できる体制をつくろうということで、県内企業に声がけをし、補助金も出させていただきました。

 結果として、幾つかの県内企業から手を挙げていただいて、マスクや防護服、消毒用アルコールの生産が始まろうとしています。今回、前田工繊株式会社と協定を結びまして、必要なときに県内に供給していただけるようにいたします。

 私からは以上です。

 

~質疑~

【記者】 

 新型コロナウイルスについて、カラオケを伴う飲食店への感染対策の強化を打ち出す一方で、補正予算の中では、イルミネーションエリアの創出における夜間観光の促進が盛り込まれており、一見すると相反するようにも見えます。イルミネーションは屋外なので、どこまで密になるのかというところはあるかもしれませんが、知事のご見解をお聞かせください。

 

【知事】 

 いかにウィズコロナといいますか、コロナ対策をしながら経済を平常に戻していけるか。もちろん平常には戻せない部分もありますが、できるだけ平常に戻すというような状況かと思います。今はまだかなり経済的に苦しい、人も物も動いていないという状況だと思います。

 基本的には外の環境で密になりにくいもの、イルミネーションやプロジェクションマッピングといったことをやっていくと、まちの魅力が出て、皆様も外に出やすくなるのではないかということでやらせていただこうと思います。

 花火大会と一緒で、告知の仕方によっては密な状況が生まれることもあると思います。そこのところは十分に念頭に置いて、そういったことにならないように注意喚起をしながらイルミネーションやプロジェクションマッピングを活用していくことを考えています。

 

【記者】 

 来年度の全国高校総体ですが、先ほど開会式の場所がサンドーム福井に変更になったとおっしゃいました。これは、従前の会場であった県営体育館に他の予定が入っていて、日程が取れなかったのでサンドーム福井に変更したということでしょうか。

 

【知事】 

 そうです。ボクシングと日程が重なっています。

 

【記者】 

 競技会場との兼ね合いということでしょうか。

 

【知事】 

 そういうことです。もう一つの理由としては、より広い場所にしたほうが感染対策において安全性が高まるということもあります。

 

【記者】 

 新型コロナウイルス感染症対策を考慮しての日程や会場の変更はあるのでしょうか。

 

【知事】 

 総合開会式をサンドームに変更した理由の一つとして、会場を広いところにするためです。

 

【記者】 

 9月補正予算案への知事の意気込みをお伺いします。

 また、今年は新型コロナウイルス感染症対策で多額の予算を組んでおり、県予算にも基金を取り崩す等の影響が出ていると思いますが、そのことに対する知事の所見をお聞かせください。

 

【知事】 

 財政運営については私どもも大変危惧していますし、緊張感を持ちながら、予算査定をやらせていただいています。

 税収は、これから大きく減収になるように見えますが、昨年度の税収は過去最高で1,196億になっています。それが今回一気に減るわけですので、こういうときのために減収補てん債で、一旦今年の足りない分を借りておいて、約30年かけて返していくというようなやり方を取っています。

 また、昨年度の3月時点ではコロナ禍というのは見えてきていましたので、昨年度末決算のときにできるだけ起債を多く発行するようにし、目先のキャッシュフローを用意することで、昨年の黒字が60億円と例年より相当増えていたと思います。

 さらに、今年度に新型コロナウイルス対策でできなかった事業等については、やるべきことは徹底的にやって、そうでないものはやめる、メリハリをつけることで、今年度、来年度以降の財政運営をしていきたいと思っています。

 

【記者】 

 先ほど「いちほまれ」のマスクをされたので、マスクについてお聞かせください。今、知事が着けているマスクに知事のイニシャルがありますが、どのような意味があるのでしょうか。

 

【知事】 

 いちほまれのマスクは、職員の手作りになります。今、着けているマスクは私の妻の手作りになります。4月頃から、私は布マスクを基本的にしていますが、当時はマスクを作りたくても布が売っていませんでしたので、私の古くなったYシャツで作ってもらったのがこのマスクです。ちょうど腕のところに私のイニシャルが入っていましたので、妻が一生懸命工夫して作ってくれたということで、個人的にもこだわりがあります。

 

【記者】 

 何か月くらい使っているのでしょうか。

 

【知事】 

 たくさんのマスクを作ってくれたので、回して使っていますが、これは10回ぐらい使っています。私、会見のときは時々これを使っていると思います。勝負マスクだと言っていつも使っていましたが、これは少し分厚いので、夏用にはまた別のマスクをしていました。使っている期間は5か月ぐらいになります。

 

【記者】 

 新型コロナウイルス感染症について、カラオケを伴う飲食店での対策では、県独自のチェックリストを作成されますが、これは、お店が独自でチェックして申請するという形になるのでしょうか。

 

【知事】 

 はい。誰でも分かりやすいように、チェックを入れていくと、何が足りて何が足りていないかが分かるような形になっています。これは、お店でやっていただこうと思っています。

 

【記者】 

 それはいつ頃から始めるのでしょうか。

 

【知事】 

 これは休業要請期間の9月10日までになります。それ以外の地域の皆様も含めて、11日からは新しいガイドラインに沿ってお店を開いていただきたいと考えています。

 

【記者】 

 チェックリストを提出したところに感染防止徹底宣言ステッカーを出すという形でしょうか。

 

【知事】 

 そうです。カラオケを伴う飲食店についてはそのように考えています。

 

【記者】 

 今回の9月補正予算の額としては、過去と比べても特に大きい額と伺っていますが、特に知事としての思いを込められたところ、肝いりだという部分はあるのでしょうか。

 

【知事】 

 まず、秋冬のインフルエンザ期の新型コロナウイルス対策をどうしていくのか。これについて、とにかく必要量を確保できるように医療の体制と検査キットの供給を同時並行でやらせていただいています。それから、児童福祉サービスの従事者の皆様にも慰労金の支給をさせていただくことを考えています。

 また、休業協力金を恒常的にいつでも発動できるようにする。今回のカラオケを伴う飲食店でもそうでしたが、新型コロナウイルスというのは非常に正直な病気だと思っていまして、経過を注意深く見守っていても好転しない、具体的に手を打っていくことが非常に重要だと思っています。その最後の砦がこの協力金だと思っていますので、臨機応変に使えるようにやらせていただきました。

 また、鉄道やバスに乗る方が激減しています。タクシーを含めてなくてはならない公共交通をどうするのかという答えを今回出させていただいています。

 旅行業も打撃を受けています。修学旅行は、県内で3泊4日ぐらいまではものすごくいいプランが組めると聞いています。今、コロナ禍が福井県で拡がっているので、今後も予断を許しませんが、先日までは他県からも福井県へぜひ行きたいという声も多かったので県内でも進めていければと思っています。

 また、デジタルバウチャーの活用については、割引チケットを紙で発行すると時間がかかるものを臨機応変にやっていけるということで、今回、特に県として進めていきたいと考えています。

 さらに、伝統工も落ち込んでいるというお話も聞いていますので、どのように底上げしていくのか。

 「Go Toトラベルキャンペーン」を、英断でやっていただいていて、効果は大きいと思っています。一定の注意をしっかりしながら、できるだけ日常生活に近づけられるようにアーティストやトップスポーツのチームの皆様も応援しながらまちを盛り上げていきたいところです。

 あとは、これまでの長期ビジョンに掲げている児童相談所や東尋坊、一乗谷朝倉氏遺跡といったことも詰めていきたいと考えています。

 

【記者】 

 第2波との闘いの真っただ中での大型補正になると思いますが、感染症の収束、経済の再建に向けた意気込み、決意を一言お聞かせください。

 

【知事】 

 まさに今は、カラオケを伴う飲食店由来を中心とした第2波との闘いの真っただ中だと考えています。第1波のときのように、完全に経済活動を止めてしまうというような措置を全国的にも取る状況にはないと思いますので、完全な収束というものは正直言って難しいかもしれません。

 しかし、カラオケを伴う飲食店由来のもののように、こうした大きなクラスターを生まないということがこれから我々のすべき一番大きなことだと思います。大都市部を中心とした方面から時々県内に入ってくるウイルスを一日も早く見つけて、それが拡がる前に隔離もしくは入院していただく。こういう状況をつくることで、丁寧に、迅速に、柔軟に我々はやらせていただいて、早期発見・早期治療をする。皆様の話を聞いていると、経済再開をいくら言っても、なかなか気持ちがついていかないという状況であると伺っています。それよりは、できるだけ県内での発生者を少なく維持できることが県経済に対して一番大きな良い影響を与えると感じています。我々としては、患者を増やさないという努力を引き続き全力を挙げてやっていきたいと思っています。

 

【記者】 

 県財政についてお聞きします。今回、国から出た地方創生臨時交付金も全て使い切ってしまいましたが、使い切るということは仕方なかったのでしょうか。また、臨時交付金確保のために知事会を通じてお願いするなど、県としてどのような国の支援を希望しているのかをお聞かせください。

 

【知事】 

 今回の補正予算をもって164億円、福井県への交付金の配分、限度額を使い切っています。福井県は必要不可欠なところに絞って財源措置を行ってきましたが、それが終わっているという状況です。これからも新型コロナウイルス感染症との闘いが続くという意味では、今後とも財政出動は必要だろうと思っています。

 私も日頃から、国に対して、もしくは知事会を通じて財源の措置、さらなる上乗せが必要だと申し上げています。

 これまでに3兆円の地方創生交付金や包括支援交付金をいただいています。それぞれ使い道がいろいろありますが、地方創生臨時交付金は現在配分されている3兆円にプラスして、この状況の中では5,000億円程度の上乗せが必要だということを知事会として具体的に積み上げまして、今、国に対して要求をしている、お願いをしている状況です。

 国は今のところまだ予備費を組んで持っていますので、こういった必要性を十分ご理解いただいて、この後の新型コロナウイルス感染症対策に遺漏がないように、我々としては全力を尽くしていきたいと思っています。

 

【記者】 

 国の新しい交付金がないとなかなか予算が今後組めないということなのでしょうか。また、財政調整基金を想定以上に崩したと思いますが、そのことについてご説明をお願いします。

 

【知事】 

 まず財政調整基金については既に41億円を崩しています。しかし、これから年度末になると、いろいろやらなかった事業も出てきますが、現段階では全く精査ができません。2月補正のところでしっかり整理していきますが、ある程度の余裕が出てくるところもありますので、使わなくていいものはしっかりと残して、今回取りあえず財政調整基金を出すことになっても、戻ってくるように、しっかりとやっていきたいと思います。

また、今回、新型コロナウイルス対策が円滑に進んでいるのは、国が必要な経費をしっかりと下支えしてくれているからだと思います。

 基金を取り崩し、税収が減っている中で、地方で全部やれということになると相当躊躇しますし、事業の規模も小さくなって後手に回るということが十分考えられます。

 国は今、赤字国債を出しながらの状況ですので、簡単ではないと思いますが、地方は赤字国債を出せませんので、我々も必要と思われるものは早めに国に申し上げて財源措置をしていただくといった体制は必要だろうと思っています。

 

【記者】 

 「いちほまれ」のCMについて、去年は新しいCMをつくっていませんでしたが、2年ぶりに新しくCMをつくった理由をお聞かせください。また、CMでどういったことをアピールされたいお考えかお聞きします。

 

【知事】 

 CMについては、これからもう間もなく出てくるだろうと思います。

 新しくした理由は、いろいろな年代層の方の気持ちに刺さるほうがいいだろうということです。もちろん今まで出演いただいていた五木ひろしさんは国民人気も高いですし、多くのファン層がありますが、今度はお母さんやお子さんなど、親しみやすいところにも分かっていただこうということがあります。国民的な人気もあり、優しいイメージの和風美人ですし、「いちほまれ」というイメージが出ているお二人にお願いしたというところです。

「いちほまれ」がどれだけおいしいお米かを、ただおいしいということだけではなく、見ていておいしさが伝わるような、「いちほまれ」をとても食べたくなるようなCMにしていただきたいと思っています。

 

【記者】 

 「いちほまれ」をはじめとしたブランド米が各地から出ていて、値段を落としているような産地もあります。今、ブランド米のマーケットの状況と、その中で「いちほまれ」が置かれているポジションについてどのような認識でしょうか。

 

【知事】 

 現状においては大変厳しいと思っています。家の中での需要は伸びていますので、総量として、食品はそれなりに売れている、伸びている方向の分野と思いますが、特にブランド品が難しいと聞いています。

 「いちほまれ」については、本年産米は、昨年と同額での農家引き渡し価格を維持していますし、「つや姫」や「ゆめぴりか」より少し上ぐらいを今のところ行けているという状況だと思います。昨年産米もここまで完全に順調とは言えませんが、新米に切り替わるのは全国的に見ると11月頃になります。それまでには昨年産米を売り切って、新米5,000トンに移っていこうということですので、こうしたCMを広く行って、県内の皆様にも食べていただくことで、今のプレミアム米の価格を維持することを続けていきたいと思っています。

 

【記者】 

 関西電力の原子力発電所の40年超運転についてお聞きします。

 関西電力が示されている工程では、そろそろ40年超運転の対策工事が終わるところが出てくると思いますが、過去を見るといろいろな問題が出ており、知事は、今までその話ができる段階ではないという趣旨の発言をされていたかと思います。その後、関西電力から県に対してアプローチはあったのか、何か話をできる状態にはなっているのでしょうか。

 

【知事】 

 本当に事務的にどうなっているか私は知らない部分がありますが、少なくとも私が感知している限りはございません。新聞報道等でいろいろなことが言われているということはよく知っていますが、今具体的に再稼働に向けての何らかの手続に入る、もしくは日程感といったことについて私に相談があるわけでもありませんし、今はこういう状況になります。

 いずれにしても、日頃から申し上げていますが、7月の段階でも新しく子会社に金品授受の問題が出てきています。また、今は関西電力で3月に掲げた計画を実行中だと思いますので、一つひとつ関西電力が立地地域の信頼獲得をできるようなことを積み上げていくこと以外に、方法論としてそれ以上前に進めることはできないと思っています。

 

【記者】 

 今のところ話ができる状況にないと以前おっしゃっていましたが、その状況から変わりはないということでしょうか。

 

【知事】 

 今のところ状況は何ら変わっていません。

 

【記者】 

 中間貯蔵施設について関西電力から何か報告はあったのでしょうか。

 

【知事】 

 これも関西電力から今年中に、できるだけ早い時期に中間貯蔵施設の場所について報告があることになっていますが、現状において報告はございません。

 

【記者】 

 福井県で原子力発電所関連の労災が相次いでいることについての認識をお聞かせください。

 

【知事】 

 これは私も大変懸念しているところです。ハインリッヒの法則は皆様もご存じかと思いますが、こういった小さな事象でも起きてくれば、必ず大きな事故が起き、さらには死亡事故につながる。300対29対1の法則というのもあります。こういうところを言うまでもなく、事故が多いということは、経営中心になっているのではないか、安全サイドに立っていないのではないかという疑念を抱かれるわけですので、労災を一つひとつ関西電力としても起きないような対策を常に取っていただきたいと思っています。

 現状は正直言って、例年と比べてものすごく増えているというわけではないとは思っていますが、少なくはない、多くなっていることは去年に比べて明らかですので、これは日頃から私ども常に関西電力に申入れをします。

 

【記者】 

 日本総合研究所の幸福度ランキングで福井県が1位になったということで、その受け止めをお聞かせください。また、今回はコロナ後の幸福の在り方がテーマの一つになっていまして、地方移住など、特に福井県が強いのではないかと思われるところもあったと思います。そういった福井県ならではの視点もあったのかなど、どのような認識を持っているでしょうか。

 

【知事】 

 今日発売と伺いました。都道府県幸福度ランキングで、4回連続日本一になったということを見まして、私も大変うれしく思っていますし、県民の皆様も、幸福度日本一の福井県だからということは、いろいろなところで言われるフレーズだと思います。今回も1位を勝ち取れた、特に東京を上回っているので、とても励みになることだと思います。

 基本的には、県民の皆様が長年培ってきた社会性や教育環境、特に仕事と教育環境が日本一になっていて、生活面でも4位ということで、しっかりと働いていただいていますし、社長輩出率日本一と言われるぐらい元気な企業が多いのだろうと思います。

 そういった中で、子供が学齢期になる前からしっかりと家庭教育もできていて勉強に向かう環境も整っている。それが学力、体力日本一にも結びついて、結果として日本一になっている。本当に福井県の皆様のたゆまぬ努力でこれに至っているなと私も教えられているところです。

 子育てや仕事などの部分が日本一ということで、これから全国、東京や大阪の人たちに、人口分散を進めていかなくてはいけない中で、追い風になっていると思いますので、ぜひとも活かしていきたい。具体的に政策の形にしていきたいと思います。

 

【記者】 

 「もんじゅ」の敷地に建つ予定の研究炉について、どのような出力でどのような活用をすることが理想的と思われているか。また、いつまでに建設するべきと考えているのでしょうか。

 

【知事】 

 「もんじゅ」サイトに国が造る試験研究炉については、主に嶺南Eコースト計画でも十分に今議論をさせていただいています。これまでの議論の経過から言いますと、原子力人材の育成や原子力研究を推進することにプラスして、地域の産業、経済に対して良い影響を与える、プラスの効果を与えるような試験研究炉にしたほうが良いという方向性が出ています。

 その規模が、1万キロワット未満中規模程度のものと言われています。先日、報道等されていましたが、国の考え方として、人材育成、それから産業用、幅広い用途に使えるものというような考え方で、1万キロワット未満と言われていたと思いますが、私どもの考え方の方向に沿っていると思っています。

 時期は一日も早く、必要性のあるものであればと思います。原子力人材は非常に手薄になっているという現状であります。また、京都大学のKURという試験研究炉が2026年には廃炉になると伺っているので、一つの目途としては、できれば2026年までに。そうでなくても、それから日を空けない、開業できる状況にしていただくことが、私どもとしてもありがたいですし、日本全体にとっても重要なポイントになってくると考えています。

 

【記者】 

 関西電力の金品受領問題が発覚して1年となります。県と関西電力との関係はどう変わってきて、現在どのような状態にあると認識されていますか。

 

【知事】 

 3月末の時点で関西電力の社長とお会いしたときに、信頼関係は完全に崩れたと申し上げました。大きく言うとそれから変わっていないと思っています。昨年9月の終わりに、報道から関西電力の高浜町元助役の金品授受の関係があったことが明らかになってから、おおむね半年かけて第三者委員会で調査をされて、3月末に業務改善計画を作って、国の指導の下でそれを実施しています。そういうことを外から見ていて、内部でやっているという広報のようなものは、我々は見たり聞いたりするのですが、それが外に向かって、私たちに向かって、そういったものが届いてくるような、例えば、地域で信頼が高まっているとか、そういうような状況にはまだまだ全然ないのではないかなと思っています。

 やはり、何と言っても運転を事故なく、トラブルなく進める、労働災害が起きないようにしていく、新型コロナウイルス対策に万全を期していただく、それから透明な形で地域の振興に力を尽くす。こういったことを一つひとつ関西電力は積み重ねないと、関西電力と立地地域の関係は改善しないと考えています。

 もう1つは、当然のことですが、福井県庁の中でも、高浜町元助役との関係では金品の授受があったということで、年末には処分もさせていただき、処分相当ということで通知もさせていただきました。そして、県の倫理規則も作らせていただいて、現在、四半期ごとの報告を含めて県職員が、私もそうですが、いろいろ事業者から送られてきても、全部送り返すことをさせていただいています。こういったことをこれからもしっかりと続けていく。我々自身が身を正すことで県民の皆様の信頼を勝ちとる、そういうことに努めてまいりたいと思っています。

 

【記者】 

 40年超の再稼働について、知事が一番判断に当たって重視する点は何でしょうか。

 

【知事】 

 炉の安全性については規制庁がしっかりと見ていただく、それから安全運転のところも然りです。国として40年超運転の必要性、原子力発電の必要性、それからどう進めていくのか、こういうところを明確にしていただくことが大事だと思います。

 これから新しいエネルギー基本計画を作るという段階に入ってきていると聞いています。2030年に20~22%を占めると言われていますが、現状では6%にとどまっている。これをこれからどうしていくのか。また、再生可能エネルギーがさらに広がっていくだろうと言われていますが、それだけで2050年にCOゼロにするとかいう大きな目標、社会の流れに合っていくのか。こういったことが全く見えない状況だと思います。

 このため、私は審議会を含めて、そういったことを指摘させていただき、まず国として今後原子力政策をどのように進めていくのか。それを私ども、また国民に向かって明らかにして信任を得ていくことが必要だと思います。今のような不祥事が次々と起きてくるような体制では、とても信頼に足る状況にはないのではないか。とても新しいことができるような状況にないのではないか。そういった疑念が持たれるわけであり、しっかりとこれまであったことについては正しながら、今後に向けて信頼を勝ちとることが大事だと思っています。

 

【記者】 

 40年超運転関連ですが、関西電力が先日、美浜3号を1月、高浜1号を来年の3月に再稼働するとの現状の工程を仮だと思いますが出しました。このことについての知事の受け止めと今後の再稼働への地元同意を含めたスケジュール感についてどのような認識をお持ちでしょうか。

 

【知事】 

 スケジュール感というものは全くありません。そもそも私どもに対してそうしたものが示されていない以上、何らスケジュール感は持てない状況でございます。その意味で白紙の状況ということだと思います。

 その上で、今の状況で言えば、これは国に対して、再稼働に向けてというか、検査の申請の中で1月や3月という日程を示している。実務的な日程感を規制庁に対して出しているというような状況だと思いますので、これはそれに向かって動いているかというと、同意の観点から言えば、全くそうなっていないということです。

 

【記者】 

 同意の観点でもう1点お尋ねしますが、事業者側は今のところ1月の再稼働としています。合わせて、関西電力は年内に使用済み燃料の中間貯蔵施設の県外候補地を示すとしている。この中間貯蔵施設について、県との約束が今後の再稼働の地元同意に影響するのでしょうか。

 

【知事】 

 それはもう当然、約束を守るか守らないかというのは、人間、それから組織と組織でも同じですが、信頼関係の基本だと思います。そういったことは一つ大きく注目をしているというところでございます。したがって、一日も早く国と十分に協議をしながら、そういった方向性、どこにするのか、そういったことを明らかにしていただきたいと思っています。

 

【記者】 

 自民党総裁選がもうすぐ告示、投開票されます。自民党の中の話ではありますが、次の内閣総理大臣を決めるという選挙であることも確かです。今のところ報道では3人の名前が出ていますが、次の自民党総裁、次の内閣総理大臣に求めたいところがありましたら、お聞かせください。

 

【知事】 

 まず第1に、最大の緊急事態である新型コロナウイルス対策です。都道府県を中心にいろいろな対策を行っています。これができるような体制を常につくっていただきたいと考えています。また、地域経済が日に日に弱ってきている。地域経済対策として、零細企業は県でも何とか支えていく努力を続けていきますが、中規模の企業以上になると、国がしっかりと対策を打たないとやっていけない。こうした地域経済の下支えもお願いする必要がある。これは直近の課題だと思っています。

 先の安倍内閣のときには、アベノミクスで経済の復活をしながら、地方創生ということも言っていただきました。しかし、地方創生も道半ばだと感じていますので、それを形にしていただく。最も大きいのは、このコロナ禍で東京一極集中から、「国土の分散」、「人口の分散」、「分散型国土づくり」が非常に重要視されています。それを具体的な政策として打ち出していただきたい。

 例えば、私どもが申し上げているのは、大学定員の削減です。東京は、18歳人口が8%しかいないのに大学1年生は25%いる。こういったところにメスを入れて、必要な大学を地方に配置する。または東京や大都市に集中している企業、本社を分散するために、必要性があれば法人税を見直す。一部引き上げて一部引き下げるという方法を持ってくれば、税収を変えなくても人を動かすことができると考えています。そういった具体的な骨太の政策を打っていただきたいと思います。そして何よりも、福井県として今、新しい政権にお願いをしなければいけないことは新幹線です。これを2年半後には確実に福井・敦賀まで開業していただいた上で、切れ目なく敦賀以西の工事に着工していただいて、新大阪まで一日も早い、できれば2031年の札幌開業より早く開業ができるように、国にお願いをしたいと思っています。

―― 了 ――

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