知事記者会見の概要(令和2年11月25日(水))
令和2年11月25日(水曜日)
13:30~14:20
県庁 大会議室
私のほうから2点、発表させていただきます。
〔配付資料:新型コロナウイルス感染対策について、令和2年度12月補正予算案について〕
〔参考資料:予算案の概要〕
まず、新型コロナウイルス感染症対策について、現在発令中の「感染拡大注意報」を1週間延長させていただきたいと思います。期間としては12月3日までですが、変更の可能性はあります。
次に、感染対策の再徹底をお願いしたいと思います。本日も1名の方の新たな感染が判明したところです。50代の鯖江市在住の会社員の方ですが、この方を含め、本日までの1週間で4系統16名の方が感染している状況です。その前の1週間で8系統21名の感染でしたので、そういう意味では、少し減ってきています。
また、13日に注意報を出してから、感染者数の山も少し下がってきて、先週18日は11人でした。その時は、13日の効果が出る前に感染してた方が大半だと思いますので、13日に注意報を出した後は、少し落ち着いてきている傾向が見られるところです。1週間の新規感染者数が10から20名の間で注意報としており、1週間で16名、病床は29床というところで注意報レベルとなっています。
今後も、先日の3連休の結果がどうなるかをよく見なければいけない状況ですので、1週間延長させていただきます。
その上で、感染対策の再徹底ということで、前回までも申し上げているようにマスクの着用の徹底、特にマスクを外している時の感染対策の徹底をお願いしています。
また、体調管理をしっかりしていただくということで、家族の中に体調不良者がいる場合には、家の中で生活空間を分け、マスクの着用もお願いをしたいと思います。
県外の訪問先での感染対策も徹底していただきたいと思います。特に感染が拡大している地域では、しっかりとした対策をしていただきたい。また、「感染防止徹底宣言」ステッカーの掲示を再度徹底するとともに、お客さん側もステッカーの掲示店を利用していただきたいと思います。
本日感染された方も職場の中での感染が疑われる例ということでした。本日の方については、事業所の全員に対し、再度PCR検査を行います。
職場の中の同僚や友人への感染拡大を抑えるために、まず各職場において、対策の責任者を定めて、感染対策の実施状況のチェックを行っていただきたいと考えています。
また、事業所でのアクリル板の設置など、さらに足りないと思われるところは、補助金を用意していますので、ぜひいろいろな整備も行っていただきたいと思います。
それから、勤務時間外について、会社では勤務後に会食をする場合もあります。こういうときには、以前からセンスある会食と申し上げてきましたが、一つにマスクです。マスクを利用した会食は、慣れればできると思っています。箸を使うときにはマスクを外して、箸を使って食べたらマスクを戻すことは、慣れてくるとあまり大変でもない気がします。基本的に食べながら話をすることは、あまり上品ではないと皆さんも教えられたと思いますが、大きく見ると同じことですので、食べるときにはマスクができないとなります。しかし、実は食べる瞬間と話す瞬間は違いますので、時間差でマスクを外すことや戻すこと自体は、慣れてくると大変でもないと思います。また、マスクが汚れることがどうしても気になるのであれば、センスある会食ということで、扇子で直接の飛沫を抑える方法もあると思います。何もしないよりはずっと良いと思います。例えば、こちらの扇子は、越前和紙の上に漆喰が塗られていて、漆喰に飛沫が飛ぶと、水分を含みますので、強アルカリ性になって、ウイルスを急激に減らす効果もあるようです。是非とも、こういった扇子も使いながら、食事をしていただきたいと思います。
職場でのマスクを外した状態の会話は、勤務時間外の大半を占めると思いますので、ぜひ注意をしていただきたいと思います。
また、各企業にはテレワークをぜひもう一度見直しをして、徹底していただきたいと思います。年末年始の行事も、有給休暇などを利用しながら、できるだけ三密を避けるような形で、分散してやっていただきたいと思います。
2点目は、令和2年度12月補正予算案についてです。明日から12月県議会が始まります。今回は、新型コロナウイルス感染症対策として、10億3,000万円の生活福祉資金の貸付原資の積み増しを行うとともに、1億5,000万円あまりになりますが、県内スキー場等における感染防止対策、平日への誘客促進について支援します。
もう一つは、人事委員会勧告を踏まえ、期末勤勉手当の0.05ヶ月分の引き下げです。約3億円の減額を行い、合わせて9億円の増額補正です。今年度の一般会計予算現計は5,790億円になります。新型コロナウイルス感染症対策経費は950億円で、今年度に入ってからの補正予算は総額917億円になります。過去最大は平成7年度の1,211億円でしたが、補正総額においては、過去2番目の規模になります。
今回の一つの大きな柱である感染拡大防止事業では、冬のレジャーとして、今後スキー場等が混み合う場所になりますので、例えば、スキー場内で密にならないように人員を配置することやチケット売り場を自動化することに対して助成します。
また、できるだけ週末に人が偏らないように平日の利用を促進します。例えば、県民向けに平日のリフト券を半額にする助成措置、県内では法恩寺山有料道路を使ってスキージャムに行く方が最も多い状況ですので、法恩寺山有料道路を平日無料にするための助成を行わせていただこうと考えています。
私からの発表は以上です。
~質疑~
【記者】
今回、注意報を1週間さらに延長ということですが、新規感染者数としては最近減っている中での延長に踏み切った考えを改めて教えてください。
【知事】
減ってきているとは言っても、この1週間で16名の方が新たに感染をされています。病床も29床となっていて注意報レベルに、まだあるというところです。先日の3連休の結果もこれから出てくるという状況ですので、やはり今の段階としては、県民の皆さんにはよく注意をしていただく必要があります。また、全国的に見ても、非常に拡大してきている傾向にあります。
昨日も、1,200名あまりの方が新規感染されている状況ですので、まだ注意レベルを下げられるような状況にはないと考えています。
【記者】
注意報を前回1回延長してさらにもう1週、2週間延長されていますが、新たに職場での感染対策が大切になってくるということでしょうか。
【知事】
県内は、今、蔓延している状況ではないと我々は見ています。そういう中で、後から見ると県外の大都市近郊に行かれた方がそこで感染したと疑われる状況が大半になっています。県内に蔓延している状況ではない中で感染するとすれば、外に出かけた時に感染する、来られた方と親しく会食などをされてうつるような状況に一義的になります。
県外に出た時、特に感染拡大地域に行かれた時の感染予防対策を徹底していただくことは大事だと思っています。
その上で、一旦入ってきますと、広がりやすいのは変わっていません。今回も、職場内での感染の拡大ということが幾つか続いている状況です。特にマスクを外す機会がある職場での感染対策を徹底していただきたいということです。
【記者】
GoToトラベルやイートについて、全国的に都道府県での対応が自粛や一時停止で分かれていますが、福井県として対応を変更することはあるのでしょうか。
【知事】
現状は今申し上げている状況ですので、例えば大阪市、札幌市、さらに言えば東京といったところのように感染が拡大して病床が逼迫するような状況とは大きく異なっていると思っています。
今の状況でしっかりと県民の皆さんに感染拡大防止をしていただければ、GoToトラベル、GoToイート、最終的には国の判断というところがありますが、福井県としては、まだ様子を見ながら今の状況を続けていけるのではないかと考えています。
【記者】
今回の予算に込めた思いや訴えていきたいことは、どのような内容でしょうか。
【知事】
2月3月以降、これまで13回補正予算を組ませていただいていますが、その中の枠組みの中で、新たな感染が生じた場合でも、個別に感染防止のための対策を打てる状況にはなってきています。
その中で、冬の行楽シーズンは特にスキーが大きな目玉になりますので、この対策の部分を追加しながら、これまでの対策とあわせて、一つには感染拡大防止、それとともに経済再生に向けて、経済の下支えといったことに対応していきたいと思っています。
【記者】
政府のGoToトラベルキャンペーンの見直しに関して、目的地については今方針が札幌、大阪などでできるかと思いますが、出発地についてはまだ出ていません。知事のご見解はあるのでしょうか。
【知事】
最終的には国が判断されるものだと思いますが、ある程度合理性はあるかと思います。最近の県内の状況等を見ていても、感染経路としては県民が外に行ったときにうつって持ち込んできているなと疑われる例が多いと思っています。大半がそういう状況だと思います。
一般的な傾向を見ても、例えばGoToトラベルで東京や大阪の方がこられるときでも、来た人たちは、まずは基本的にマスクをしながら生活をされていると思います。その上で、福井県民の方と会食するようなときには県民の皆さんに気をつけていただくという方法があるわけです。
また、職場や学校に行くときは少し体調が悪くても、今日は行こうかなという感じになりますが、旅行の時だとそれなりに自制心も働くので、こんな悪いのに遠くまで行くのかなということもあります。やはり発地と着地という考え方は、ある程度あるかなと思います。
しかし、さらに蔓延してくるような状況になりますと、それは人の交流そのものが感染拡大をする大きな要因であることは間違いありませんので、今後、さらに検討が進むと思います。
現状においてはそうではないということが一つ国の判断。さらに我々として今、福井県内で大きく広がる状況ではないので、今、国が考えている方向については、合意をしてやっていくというところです。
【記者】
福井県民が感染の拡大している地域へ移動することに対して、より慎重に、自粛して欲しいなどといった考えはあるのでしょうか。
【知事】
これは私も何度かお話をさせていただいています。一律に地域ごとに自粛ということより、今申し上げたように感染する場面は、ある程度限定されてきていると思います。そういう意味では、感染拡大地域に行くことにより、感染するリスクが高くなるということは疑う余地はないと思います。しかし、それを抑える方法について、人と会うときに普通はマスクしていますので、その時に会った人でうつっていたということは、今のところ聞いたことがない状況です。
会食をするときや職場でちょっとしたミーティングの時にたまたまマスクを外すということはあるかもしれません。そういうようなことを避けていただければ、あとはその地域でかなり大きく感染が広がる、うつって帰ってくる可能性はないかと思います。
先日来申し上げている通り、県民の皆さん一人ひとりが、個別のご自身の行動、特にマスクを外すという状況の時の行動、活動について、しっかりと自分で自制しながらやっていただければよろしいのではないかと思っています。
【記者】
国では、GoToイートのプレミアムつき食事券やポイントを一時停止するとなどの判断を都道府県に任せると言っています。GoToイートについて、福井県としては、当面続けるというお考えでしょうか。
【知事】
その考えでいます。昨日現在の報道等を見ていますと、全国的に三つの自治体で具体的に停止する、または、4人以下の利用に限定するといった都道府県があるとは聞いていますが、大きく言えばステージ3になった、近づいたというような状況の中で行われていると思います。
福井県は、ステージ1の少し手前というような状況ですので、皆さんにも今後ともしっかりと会食の場所でも、感染防止対策を徹底していただくことを期待しつつ、今のところは制限を設けないということで考えています。
しかし、県内の会食の会場で感染が拡大しているという状況が見られれば、すぐに我々としても必要な対応をとるという考えです。
【記者】
先日、全国知事会で地方創生臨時交付金が6,000億円ほど不足するという調査結果が示されました。今後の財政運営の見通し、来年度以降についてどうでしょうか。
【知事】
今後の感染拡大に備えることも含めて考えれば、知事会全体で今申し上げているような県でも6,000億円、市や町も合わせて1兆2,000億円といったような国の予備費等を活用した交付金等が必要だと認識をしています。
また、現状においては、福井県は少し落ち着いていますので、何とか財政運営はこれまでに交付されている国の交付金を活用しながら進められている状況だと認識しています。
一般財源持ち出しをしていますが、現時点で財政運営そのものに大きな影響を与えるような状況ではないかと思っています。
【記者】
感染防止徹底宣言ステッカーについて、前々回の会見で店舗の対策の状況を調査をするとおっしゃっていましたが、その結果はどうでしょうか。
【知事】
全体で約9,500件の店舗にステッカーを貼っていただいていますが、そのうちマスクを外す機会があるような店舗、概ね4,000件を目標にやっています。ここまでのところ約1,100件終わっているということで、ある意味、良い機会で再徹底ができているかと思っています。まず各事業所で独自に感染防止の再徹底をお願いしたいと思っています。
【記者】
1,100件の中で、特に指導や対策ができていない店が散見したというわけではないのでしょうか。
【知事】
それは時々出ています。その場で指導して、直していただくこともあれば、少しまた期間をおいて見に行くこともさせていただいていると聞いています。
【記者】
今日、高浜町議会で40年の運転を超える原子力発電所の再稼働について、同意の判断をしました。また、町長に報告し、再稼働を求めたところですが、この地元の動きに対して、知事としてどう受け止めたのでしょうか。
【知事】
今回のことは高浜町内で、議会と町長の間でのやりとりと認識しています。いろいろな安全対策工事等も進んできています。また、美浜町も含めて、町内では国や事業者からの説明を聴取したりというようなことも行われていると聞いていますので、それぞれの自治体の中で、そういった再稼働に向けての議論が進んできているのだろうと認識しているところです。
【記者】
もちろん、地元の判断というものは知事の判断の一つの参考になると思いますが、改めて県として、知事として、今後の判断に向けてどういうことが条件になっているのか、どういうことを考えているのでしょうか。
【知事】
これについては、国は県民の皆さんの安全を最優先にするという大原則に立って、様々な対策を行っていると思います。そういう中で、先般、10月14日に関西電力、16日に国にお越しいただいて、いくつかボールを投げさせていただいています。安全運転の関係、国民、県民に対する原子力の重要性、40年超運転の必要性や安全性、地域との共生、さらには使用済燃料の中間貯蔵施設の計画地点の明示といったことについてのボールを投げていますので、一つにはこういったことをしっかりと誠実に受け止めて、回答いただくということがあると思います。
また、手続き的な流れとしては、今言われたような、高浜町、美浜町といった立地地域の考え方を伺い、さらには県議会がどう考えるか、こういった議論をいただき、さらには県の原子力安全専門委員会での安全性の確認というようなことが、今後考えられる流れかと思います。
【記者】
今言われた中で、中間貯蔵施設に関しては、約束としては年内で、期限が迫ってきているわけですが、現在、何か報告なり関西電力とのやり取りはあるのでしょうか。
【知事】
10月14日に社長とお会いしましたので、それ以降は何もありません。
【記者】
年内の約束も、特段情報としてはないということでしょうか。
【知事】
これはもう、お守りいただくということだと思いますし、年末でなくても良い、早い分には困らないです。
【記者】
明日から県議会が始まります。今も県議会の意見も参考になるとのことでしたが、例えば3年前の大飯3、4号機の再稼働時には、西川知事が議会の議論を参考にするというように、議会に対して議論を促すようなことを言っています。12月議会に対して、知事として議論を促すようなことはされるのでしょうか。
【知事】
明日、県議会初日で提案理由説明等がありますが、今のところ、国からも事業者からもボールが返ってきている状況ではありませんので、私どもの方から、議論を促すという段階にはならないと思います。
【記者】
議会が独自で議論をするのかどうか、このあたりについては、何かあるのでしょうか。
【知事】
県議会の中の話だと思うので、議会の中でお考えいただければと思います。
【記者】
そうすると、前回11月10日の定例会見で、日程感を持っていないと言われていましたが、その状況は全く変わっていないということでしょうか。
【知事】
その後、高浜町での動きはありますが、その他に大きな動きはないので、何ら今のところ変わっていません。日程感を持っているものではありません。
【記者】
客観的にみますと、仮に関西電力から中間貯蔵施設の提示があったとしても、年内の判断は難しい、物理的に難しいと感じますが、その辺はいかがでしょうか。
【知事】
それは、正に日程感を持っていませんので、無理に遅らせようというつもりがあるわけではありません。しかし、日程が詰まってくれば、焦って急いでやるというような性質のものでもありませんので、確認すべきものはしっかりと時間を取りながら、確認していくことも必要かと思います。そういう意味では、今言われるような考え方での日程としては、だんだん窮屈にはなっているとは思います。
【記者】
前回、最終的には視察もされたいと言っていましたが、それは変わっていないのでしょうか。
【知事】
そこは変わっていません。
【記者】
青森県むつ市で中間貯蔵施設ができ、原子力規制委員会の正式合格を受けて来年度には運転を始めると言っています。一方、県内では関西電力の使用済燃料の中間貯蔵施設は進んでいない現状がありますが、そういうことに何か思いはあるのでしょうか。
【知事】
特段、私は事業者について思いを持っていません。ただ、今回のむつ市の中間貯蔵施設の関係は、先般7月の六ヶ所再処理工場のときも、ある意味国の核燃料サイクル政策が一歩前進したということではあると思います。
【記者】
県はこれまでも、県外へ使用済核燃料を運ぶよう再三求めています。原子力規制委員会では乾式貯蔵の議論が進んでいて、専用のキャスクの規格が定まったり、実際に東日本大震災のときは乾式貯蔵でも使用済燃料の貯蔵が津波の影響も少なかったなどの検証もされてきています。県外に搬出するという話とは別のことになり、現段階で中間貯蔵の議論を棚に上げるわけではないですが、一旦、美浜や高浜、大飯発電所の敷地内に乾式の貯蔵施設を新たに作って、一時保管の期間を少し継続する等ということは、現時点ではありえないのでしょうか。
【知事】
乾式貯蔵の方式が安全性に優れていると国が一定程度判断していることは伺っています。一方でそうしたことを具体的に検討している、もしくは申し入れられているという状況ではありませんので、特にコメントは差し控えさせていただきます。
【記者】
先ほど言われたように、原子力安全専門委員会でのそうした評価を聞いて判断するということですが、例えば次回の開催時期やどれくらいまでに報告をまとめていただきたいとの考えはあるのでしょうか。
【知事】
これはこちらの方から何か申し上げているということはありません。原子力安全専門委員会として原子力発電所の安全に必要と思われる議論をしていただいた上で、報告書が出てくるのだろうと思っています。
【記者】
高浜町議会については、知事がおっしゃったように、今、国や事業者にボールが投げられていて、その姿勢を見極める前に同意をされましたが、その判断についてはどのように思いますか。
【知事】
各町もしくは議会の中で、必要と思われる議論がされて、ある程度、国や事業者から質問内容に対する考え方の聴取もされているようなので、必要と思われる手続きを踏みながら、皆さんやられているということだと思います。
【記者】
これから、美浜町議会も議論が進んでいくと思いますが、高浜と美浜発電所を一緒に考えていくとの考えがあるのでしょうか。それとも個別に考えるのでしょうか。
【知事】
そこは、皆さんがどうされるのか分かりませんが、それぞれにどういうご判断をされるか、特段こちらが一緒にやってはいけないと言うようなものでもありません。どんな形であれ、地元の判断が示されたら、その中身に沿って、県としてはそれをどうしていくのかということを考えていくものと思います。
【記者】
先日の国の行政レビューで、ふげんの燃料搬出について指摘があって、搬出が遅れてしまうようなことが考えられますが、今の考えを教えてください。
【知事】
これについては、先週、私どもで嶺南Eコースト計画推進会議を開催した時に、文部科学省の生川研究開発局長に対して、2012年が元々の目標でしたが、2017年に延び、2026年とすでに2回延びている状況の中で、二度と遅れないようにしっかり約束どおり持ち出してほしいと申し上げました。生川局長からは、令和8年に持ち出すということを重く受け止めて、行革推進本部に対してしっかりと説明をしていくとおっしゃられていました。
また、経済産業省に対しても、これは核燃料サイクルの大事な部分でもあるので、国、政府一体となって進めてほしいと申し上げました。これもがんばっていくと言っていただいています。
また、報道ベースですが、萩生田文部科学大臣も、今の方法以外には考えられないというご趣旨のことをおっしゃられて、そのことをよく説明していくと伺っていますので、その方向でやっていただくのだと思います。
【記者】
北陸新幹線について、今、検証委員会も始まりまして工期の短縮といった動きが国でも起きていますが、改めまして知事の思いをお聞かせください。
【知事】
これについては、以前から申し上げている通り、びっくりもしましたし、憤りも感じているところです。
そういう中で、国、政府、与党含めて、今議論を進めていただいていまして、検証委員会も国として立ち上げて、来月上旬には中間報告をされると伺っているところでございます。その中で、原因の究明、工期のさらなる短縮と事業費が増嵩したものをどう抑えていくか、今後こういったことが二度と起きないような体制づくりといった議論をしっかりと進めていただきたいと思っています。
【記者】
現時点で観光宿泊や再開発などいろいろなまちづくりについてのそれぞれの思いを私も幾つか聞きましたが、そういった現状でいろいろと影響は感じられていますでしょうか。
【知事】
はい。こういった点も具体的に各関係者に今聞き取りを行っているところでございまして、そういう中では、やはり特に民間のホテルやにぎわい施設があります。こういったにぎわい施設ということはそこでご商売されるということになります。こういった方々は、もともと令和5年3月に開業する前提でお客さんを見込んで投資計画を立ててやっていくという中ですので、大きな影響があると思っています。
また私どもも、一乗谷朝倉氏遺跡博物館、恐竜博物館などいろいろな施設整備を抱えている中で、大きな影響があると思っていますので、こういった影響について、例えば損失が出る、経費が上振れするといったことについて、政府や与党に対して、今後何らかの形で申し上げていきたいと思っています。
【記者】
北陸新幹線の建設費の地元負担について、議会などは一切受けられないというような強い姿勢を示されています。知事はいろいろな場面でご発言されて、最小限に抑えて欲しいというような発言もされていらっしゃるかと思います。議会と足並みの乱れ、認識にずれがあるという理解でよろしいのでしょうか。また、地元負担について改めてお考えを聞かせください。
【知事】
県議会と足並みが乱れているかどうかということは、特段私は感じておりません。方向は同じだと思っています。
前回2年前に、2,263億円建設費が上がったときには、これは工期を間に合わせるために、どうしてもやむを得ない経費だということでありましたし、もう一つは国でも、例えば、財政投融資を活用することで、地方の負担を極力減らすということが全体として示された中で私どもも合意をさせていただいているということです。
今回は遅れていく上に増嵩する、しかも遅れて高くなっているのも不調不落ということに大きな原因があって、こういったものも鉄道・運輸機構の原因ではないかと思う中では、我々としても基本的には、今回増えていく部分をお支払いできる状況にないと思っています。
しかし、この2年くらいの間にやむを得ず上がってしまっている部分ということの説明もありますので、そういったことを最終的にはよく話を聞いた上で判断していく必要があると思います。さらに言えば、前回よりもさらに国もパッケージの中で、地方負担ということはよく考えていただく必要があると思っていますので、前回を上回って地方負担を減らしていただく必要はあると思っています。
【記者】
敦賀駅が大幅に遅延しているということで、一部では、福井駅や南越駅までの部分的な開業、先行的な開業を求めたらどうかというような意見もありますが、そのあたりどのように考えているのでしょうか。
【知事】
先行開業が可能であれば、そういったことを我々としても求めていくということはあると思っています。
現状少しわからないのは、加賀トンネルの工事がどのくらい時間がかかるのか。今は10か月プラスアルファというような感じで言われています。
それに対して、敦賀駅のところの遅れが1年半というところをもっとさらに短くするということがありますので、一つには福井に至るまでの間がどの程度で収まってくるのかということとともに、例えば留置線の関係や車両の検査をするような施設などの整備も一時的に必要になり、掛かり増し経費もあると思いますので、そういった点と短縮効果を見ながら最終的には国が判断いただくことだと思います。我々としては、可能性があって合理性があれば、先行開業ということを求めていくということはあると思っています。
【記者】
今の時点では何か国に具体的に提案されているということはあるのでしょうか。
【知事】
今まさに物理的に加賀トンネルがどうなるか、全体の工期がどうなるかということを見ないと、可能性があるのかどうかわからない状況ですので、そういったとこをまず注視して、これからもし必要性があればやっていく、求めていくという姿勢です。
【記者】
可能性があればということは、12月上旬に国の検証委員会で先行開業が示された場合は、福井県として受け入れるということでしょうか。
【知事】
もちろん我々としては受け入れていくということだと思います。10か月プラスアルファという話と、1年半マイナスベータという話があるので、そうするとそれがだんだん近づいてくるとなると、それができるかどうかということで、今すぐに求めるということではないと申し上げています。そこは確認しながら、可能であれば、求めていくのだと思っています。
【記者】
敦賀駅がどうしようもない場合は、加賀トンネルの工期短縮に集中して、福井先行開業という形が実現できればということでしょうか。
【知事】
そこは全体として、合理的なやり方をされるのだと思います。私達の思いだけで、多くの費用をかけて、最終的に敦賀までの期間が伸びるというようなことをお願いするということはあまりないかもしれません。
【記者】
明日、沿線自治体の首長を招いた自民党PTでヒアリングがあると思いますが、県としてその自民党PTや与党PTに今後出席する予定はあるのでしょうか。また、金曜日に中部縦貫自動車道の関係で国土交通省へ行くと思いますが、その際に北陸新幹線の要望はされるのでしょうか。
【知事】
先般、北陸3県の知事と議会で要請活動もさせていただいていますので、これにプラスして、与党や自民党PTから福井県に同席を求められれば、行かせていただいて、そこで必要な発言をさせていただきます。特にこれまで申し上げている中身を、さらに具体的な数字も挙げながら言っていくということも考えていきたいと思います。
―― 了 ――
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