知事記者会見の概要(令和7年6月11日(水))

最終更新日 2025年6月23日ページID 061155

印刷
令和7年6月11日(水曜日)
10:30~11:58
県庁 特別会議室

知事写真250611

 

[知事]〔配付資料:令和7年度6月補正予算案について 〕 

 それでは6月補正予算案についてご説明をさせていただきます。

 

 今回のポイントといたしましては、大野市の上半原で起きております国道158号の土砂崩れの本復旧、仮復旧に向けての対応ということと、米国の関税措置・物価高への対応、それからその他の事業ということで全体で52億円、トータルの予算規模は一般会計で5,069億円ということで、概ね昨年度並みということです。

 

 中身ですが、災害への対応ということでこの3月19日に発生した大規模な土砂災害ですが、ここのところがまだ地崩れが止まってないような状況ですので、そういうところを慎重に見極めつつ、これが崩れてきても影響がない場所に仮の道路を作っていこうということです。これに向けて仮設道路を作ることと、それから全体の本復旧に向けての設計をしていこうという内容です。今のところ仮設道路は何とか夏休みまでに開通をさせたいと考えています。

 

 それからこれに合わせまして、先日も予備費を活用して対策を講じさせていただきましたが、奥越地域への誘客の促進策について、今回はさらに中京地域で、この後ご説明しますが、六呂師に新しいキャンプ場「SORA to DAICHI」ができますのでこれをPRする、それから恐竜博物館が開館25周年で特別展「獣脚類2025」をやる予定ですので、この部分についてPRを一生懸命していくというようなことです。

 

 それから米国の関税措置の対策の支援事業としましては、特別に前向きの資金、収益力を高めることで乗り切ろうということに対する支援をさせていただきます。給与の引き上げなどのためにも中小企業向けに同じような事業をさせていただいていますが、今回は給与の引き上げという要件は外して、前向きに収益力を高める取組みに同じような趣旨の補助をしていこうということです。それから県の制度融資による資金繰り支援ということですが、経営安定資金の中に米国関税対策分というのを設けさせていただこうと思っています。通常の経営安定資金の場合は、最近3か月の売上高、これが3%以上減少というのが条件ですが、これをまず1か月は3%以上売上が落ちていて、それからその後2か月も落ちそうだという見込みが立っている場合を対象にするということで手厚くさせていただいています。もう一つ、保証料の補給も3分の1とさせていただくということで、新たに手厚い制度を作らせていただくということです。

 

 続きまして、県産のお酒の生産安定化支援事業です。主食用米が高騰しているということで、酒米の高騰もあります。合わせて、酒米については、収量はあまり上がらなくてなおかつ手間がかかるというお話をよく伺います。そのため主食用米を作ったほうが儲かるということで、酒米の今年の仕込みそのものが非常に厳しい状況になっていると伺っています。一つにはもう田植えは終わってしまっていますので、お米を今からどうするかというなかなか難しい中で、今年の秋のお米を酒米に回す、こういう工夫をJAと酒造組合などでもしていただいています。その上で作る面積も減ってきますので、そうすると価格が急騰するというふうにも言われておりますので、その急騰する部分についてまた手当てをしていく補助制度を考えているというところです。そして、これまでも国の電気ガス料金などの対策に合わせて県の単独事業でもやらせていただきました。これを国が延長したのに合わせながら県も延長させていただく、少し仕組みを見直しながらやらせていただくというところです。

 

 もう一つは、その他としまして、竜王戦を昨年開催いただきましたが、大変地元的にも好評でしたし、また関係者のみなさまにも、非常に地元の受け入れ体制がよくまた盛り上がっていた、そしておもてなしが良かった、こういうことでして、竜王戦は八大タイトルの中でも一番格が高いというふうにも言われていますが、この竜王戦を2年連続でやっていただけるということですので、盛り上げを観光などに絡めてやらせていただこうということです。

 

[知事]〔配付資料:令和6年度福井県観光客入込数について 〕 

 一つは昨年の観光客の入込数です。

 

 観光消費額も観光客入込数も過去最高ということです。まず観光消費額。これは23.5%伸びていまして1500億円を超えました。また観光客入込数は17.6%増えまして、2069万人ということです。これは前の観光ビジョンの目標の2000万人を超えたということです。特筆すべきは、1月、2月、3月の初めまでは、特に1月1日の能登半島地震がありましたので大きく落ち込んでいました。こうした中で1年間通してみるとこういう結果になったということですので、非常に大きな新幹線効果があったと認識をしています。一乗谷朝倉氏遺跡も、特に恐竜博物館も、恐竜博物館は前年はありませんでしたので一番多かった令和元年との比較になりますが22.8%増ということですし、また敦賀がいろいろな施設が非常に好調だったということです。それから嶺南の西部のほうもSEE・SEA・PARKが15%増ということです。

 

 もう一つは県内県外の観光客両方合わせた数字が2000万人、それに対して県外から来られたお客さまというのは889万人ということで、これも15%増えているということになるわけでして、特に見ていただきたいのは関東からのお客さまが他に比べても大きく40%以上増えているということです。

 

 もう一つ今回統計をとってよく分かったのが、嶺南地域はなかなかお客さまが増えていないという話もありましたが、終わってみると15.7%増えているということで、嶺南地域にも新幹線の開業効果というのは一定程度波及しているということが分かったということです。

 

[知事]〔配付資料:六呂師高原キャンプ場「SORA to DAICHI」のオープンについて〕 

 続きまして、六呂師高原に作っています「SORA to DAICHI」というキャンプ場のオープンについて申し上げます。

 

 この新しい宿泊施設は、雄大な景観の中にこういうキャンプ場ができるということで非常に待ち遠しいという感じになると思います。7月19日にオープンをするということです。施設は、星空の日本一というところですし、それからこの景観が素晴らしいということで「大地」、「SORA to DAICHI」ということです。それでオートサイト、グループサイト、フリーサイトということです。

 

 特徴としましては独自の自然景観で、岩屑なだれ堆積物といって、背景に経ヶ岳という山があるのですが、この経ヶ岳というのは数万年前に大地震だったのかもしくは水蒸気爆発だったのか、山体が崩壊しています。崩壊することで、地震だったら斜面に土が出てくるわけで、岩や土がダーッと流れていく。もしくは水蒸気爆発だったら岩などがバーッと吹き飛ばされて落ちてくる。こういう景色が、平らなところに岩みたいなものがボコっと落ちている場所があって、そこを取り囲むようなサウナ棟、これ非常に人気になると思いますけど、岩屑なだれ堆積物という日本でも最大級の堆積物があるんです。要は大きな岩なんです。平らなところに突然岩があるのですが、そこにフィンランドサウナのサウナ棟を作るということをしたり、また音楽フェスも、8月30日、31日にACIDMANやChara、水曜日のカンパネラといった方々の音楽フェスもやる、こういった非常に今まで他にもなかなかあまりないような、本当にスイスアルプスのような景観が広がっていますので、恐竜博物館も近くにありますし大人気になるのではないかと思いますが、これが7月19日に開業するということです。

 

 私からは以上です。

 

~質疑~

 

[記者]

 今回の補正予算のポイントと、どのように利用していきたいかということについて、コメントいただけますか。

 

[知事]

 6月補正予算としては、52億円はかなり大きいと思っています。特に2点ありまして、やはり国道158号の道路を一日も早く通行できる状況に戻し、本復旧に結びつけるための対策を急いでやっていくということ。もう一つは米国の関税措置、そして物価高。これまでいろいろな対策を打ってきておりますが、さらに新しく関税措置がいろいろ出てきましたので対応をしていく。この2点かと思います。

 

[記者]

 国道158号はかなり大規模な土砂崩れで時間もかかるということですが、夏休み前までの開通と今までもおっしゃっていましたが、今回予算を作るということで、大体7月中ぐらいの開通を目指すというイメージでしょうか。

 

[知事]

 夏休み前なので、7月20日ぐらいまでに何とかしたいと。これは今ちょうど梅雨が始まってしまいましたので、大水が出るとやはり作業ができません。川の中に橋脚を立てながら橋台を乗せていくという作業ですので、お天気との相談ということで、必ずしもできないかもしれないが、それなりにお天気に恵まれれば、なんとか達成できるのではないかと考えています。いずれにしても、本当に大規模な何かが起きない限りは、なんとか夏休み前、もしくはその頃に、まずは仮復旧。仮復旧も2車線を確保しますので、片側交通をする必要がないので、多少スピードを落としながら通ることになると思いますが、大きな渋滞をここで招くということがないようにしていますので、何とかそれを間に合わせていきたいと思っています。

 

[記者]

 ありがとうございます。今後になるかもしれませんが、アメリカの関税措置で、今回も少し盛り込まれていますが、今後もこのような影響を見極めて支援を続けていくというような方針ですか。

 

[知事]

 正直申し上げて、福井県でもアメリカへの輸出の割合は10%程度あって、全体で見ると4番目に多い取引の国ですが、個別の企業にも私も聞きますが、今のところ即座の影響が出ているわけではないと。関税があっても、基本的にまず向こうの人が払うお金なので、あとはこちらにまけてほしいという交渉が来る。そして他の国から取っているもの、中国との関係のことも言われます。中国とのやりとりがなくなっているので、中国へ出しにくいとか、もしくは中国が今度はアメリカに売れないから、ダンピングのような形で他の国に物を出しているので、そこに売れなくなるとかいろんな影響があるようですが、今のところ、もうやっていけないというほどのことはあまり伺っておりません。今後その影響は多岐なので、常に経済界ともやり取りしながら、会議の中でも意見を伺いながら、躊躇なく早めに対応できるようにはしていきたいです。

 

[記者]

 六呂師高原ですが、星空保護区ということで、県外でも知っている方がいると思いますが、まだまだもっと知られていいところだと思います。キャンプ場ができるということで、改めて知事のその推しのポイントと言いますか、PRをお願いします。

 

[知事]

 全くおっしゃるとおりで、私もよく六呂師に行きますが、高原の雰囲気が一番の売りだと思います。そこにしかもキャンプ場ということで、自然と溶け込むような形で、宿泊ができる場所ができることは、私は今回とても期待しています。ここには、例えば先日オープンした、福井県の羊とのふれあいパークを作ったり、奥越高原牧場があったり、そして自然保護センターの星空を望遠鏡で見られたり、そのようなイベントもしています。まずは様子見ですが、これが動き始めると、さらに投資をするような計画もあると伺っていますので、まずはスタートでライブイベントもありますし、このようなところで知っていただく、そうするときっと評判になると思います。評判になると、加速度的に人が集まってくるのではないかと思います。ここのいいところは、決して奥地ではなく、福井駅からでも1時間くらいあれば行ける場所、ここにこういう場所があることは素晴らしいと思います。星空保護区ということもありますし、こうしたスイスアルプスのような景観、そこに馴染んだ施設ということで、我々もPRを一生懸命やりながら訴求していけるようにしていきたいと思っています。

 

[記者]

 私からは竜王戦についてお伺いします。まず昨年初めて県内での開催となりましたが、こちら振り返って、福井県にとってどのような意義があったかをお聞かせください。

 

[知事]

 昨年は勝負めしなど、県内のみなさんにも喜んでいただけました。私も前夜祭に行きましたが、とても将棋が好きな方が多く、写真を撮るなどいろいろできたらしく、受け入れが素晴らしいと言われました。また県内でもいろいろな評判になったということで、地域も盛り上がったのでとてもよかったと思います。

 

 また今回も同じ「あわら温泉 美松」さんの「竜悠(りょうゆう)」の間でやるので、きっと美松さんも投資してとてもお金をかけたと思いますが、それが使ってもらえることも、とてもいいですし、あわら市も大歓迎されていましたが、これは県民挙げて大変光栄なことで、盛り上げていければと。恐竜のモニュメントを装飾するなど、観光PRもさせていただく、このようなことでより多くのお客さまに来ていただき、県内でも盛り上がってもらえればと思います。

 

[記者]

 ありがとうございます。昨年地域の盛り上がりがあったということを踏まえて、今年に向けて改めて期待されることや、どのような対局になればという思いがあればお聞かせください。

 

[知事]

 藤井聡太七冠と、これから決まる挑戦者の方は、落ち着いてしっかりと全力を尽くした名勝負と、後から語られるような勝負に期待して、我々はそれを静かに見守りながら、盛り上がっていきたいと思っています。

 

[記者]

 キャンプ場への期待感の部分で、7月19日の開業日に、国道158号の仮設道路復旧が間に合うか重要なところもあると思いますが、特に国道158号の関係で奥越の誘客に寄与する点を踏まえて、期待感について一言いただければと思います。

 

[知事]

 もちろんどちらが先かよく分かりませんが、7月19日というのは、夏休みシーズンに向けてこの日にオープンをされると思っています。まさにこういった日に向けて、なんとか工事を進めていきたいと思っています。ただやはり安全が最優先ですし、またオープンの日は7月19日ですが、ここからずっと続く話ですので、安全に通行いただけるような体制をきちんと作っていくということを、ある程度優先せざるを得ないかもしれません。とはいえ、今のところ決して諦めているわけではなく、なんとかできるのではないかと思ってやらせていただいていますので、まずは道路の開通を急いでいきたいと思っています。

 

 このような雰囲気の「岩屑なだれ堆積物」も、日本で最大級だそうですが、そこを取り囲むフィンランドサウナ、普通私たちがよく入るお風呂は、高温で低湿度ですが、フィンランドサウナは、低温で高湿度ということで、ゆっくりと日本で最大級の「岩屑なだれ堆積物」を見ながら、ずっとサウナに入っていて、それで体の中からポカポカになってくるそうです。そのようなことが楽しめ、冬も一部営業されると。群馬でもヴィレッジインクが運営していますが、その群馬の「土合ビレッジ」は冬もスノーシューを履いてツアーをする、雪合戦する、また雪とサウナのコラボをするなど、面白い企画もあるようですので、オールシーズン楽しめるような施設になっていく、新しい形のキャンプ場の雰囲気もありますので期待をしています。

 

[記者]

 以前の議会で利用料金に関する条例も出ていた記憶がありますが、利用料金や予約開始日は既に決まっていますか。

 

[観光政策課 宿泊・周遊推進室長]

 本日予約を開始し、料金も発表します。

 

[知事]

 後ほど聞いていただければと思います。今回、県は補助金も出していますが、その見返りもあり、90日間は県民限定で値引きができるという権利も得ているので、これを平日に当て、小中高生がレクリエーションを使ったり、部活動で使ったり、このようなことにも利用いただけるような枠も用意させていただきますので、県民の皆さんにとっても、使いやすい施設になればいいと思います。

 

[記者]

 酒米の購入支援のことでお伺いします。高騰が見込まれるということで、その高騰分の2分の1を支援するということはよくわかりますが、酒米の生産自体が、例年の4割減になると言われています。購入費を支援することは大事ではありますが、物がない中で、さらに確保していくためにはどのような支援策があり得るのか、あり得ないのか、どのように考えていますか。

 

[知事]

 おっしゃる通りで、一番の課題はお米を集めることです。今年の秋に仕込むお米の総量を確保することで、少し前までは相当乖離がありましたが、ここはJAさんと酒造組合も含めて相談をして、今年の秋の仕込みについては、何とか福井県内は間に合うという目処は立った、立ちつつあるところですが、一つは、今年まずそれを確実にしなければならないということと、作付けも減ってきていますので、価格が急騰していく部分をこの予算で何とかしようということがあります。

 

 もう一つは、来年以降も継続的にということであり、今年は酒米の田植えが終わっていますので、なかなかそれを変えるということはできませんが、来年以降に酒造好適米を植えていただく必要がありますので、こういった話し合いも、今からJAと酒造組合、また県も入って話し合いをして、どうしたら続けられるのか、その仕組みづくりも同時並行でしていこうと思っています。県内のお酒のお米は、何とか今年の秋は大丈夫な状況になってきたかと思っています。

 

[記者]

 補正予算についてお伺いします。全体的なことですが、先ほど重点ポイントとして2点教えていただいたと思いますが、どのような観点で、この2点を重点ポイントと置かれているのかお聞かせください。

 

[知事]

 これは補正予算ですし、特に6月補正予算は基本的に当初予算が可決してから、わずかの期間しか経っていませんので、通常は9月補正予算には、政策経費というのを入れますが、6月はあまり補正予算がない。だから52億円はとても大きいと申し上げました。その中でやはりこの3か月くらいの間にいろいろなことが起きていますので、こういったことに対する対応策だけは、少なくとも政策経費を持つということで、国道158号の災害対応、また物価高や米国関税、こういったものの措置をしました。

 

[記者]

 令和6年の観光客入込数についてですが、入込の前年比の17.6%増に対して、消費額の方が伸びが大きい。この理由を知事としてはどう考えられますか。

 

[知事]

 消費単価が十数%上がっていると聞いております。今回、東京とつながった。これは感覚的にということを含めて言うと、関東のお客様は非常にお支払いいただけると言われる方がいます。これまで、言ってみれば遠くからも来るということも含めて、非常に消費単価が上がってきている。このことが、人数に比べて消費額が大きくなっているということかと思います。

 

[記者]

 もう一点、鉄路で考えると、関西・中京というのは乗り換えが敦賀止まりになる。乗り換えが必要になり、そのマイナス影響もあるかと思ったのですが、関西・中京ともそれぞれ前年比で伸びているということについてはどうお考えですか。

 

[知事]

 私どもも心配した部分はありますが、みなさんご案内のとおり、昨年3月16日の開業は全国的にも大変取り上げていただきましたし、大きく言うと、それまであまり知られていなかったというと何ですが、「知られざる福井へ」という感じで、「福井ね。行ってみようよ」というところはいろんなメディアで取り上げていただいた。そのことは、決して関東だけではなくて、やはり関西方面・中京方面でも大きな話題になりました。私も岐阜出身ですが、岐阜の友達も、「この際福井行くわよ」と言う方もたくさんいましたので、そういった効果が大きかったかなと思っております。ただ今後どうなるかということはありますが、いずれにしても、今後ともそうした福井の良さが見つけてもらえたというところが大きいと思っていまして、例えば来られた方の9割方は満足したということだったり、1年以内に5割の方はもう1回来たいという方もいらっしゃるアンケート結果がございます。そういうことから言えば、これからも関西・中京も含めて、しっかりと福井の良さをPRすることでその乗り換えの部分を乗り越えていただけるのかなと。そこを強化していきたいと思っております。

 

[記者]

 酒米のことで、酒米の価格が高騰している中とありますが、これはする見込みで大丈夫ですか。

 

[知事]

 細かい仕組みのところは分かりませんが、すでに令和6年産米でも価格が上がってきている影響が出ておりますし、それから基本的には主食用米に引っ張られる形で上がっていきますので、さっき言ったように、面積が狭くなって取れなくなるからもっと上がるということもあるでしょうし、いずれにしても、令和7年産米は上がっていくとも言われております。これは上がったらその分の一部を埋めていくというやり方ですので、そういう意味では、上がる可能性がある、もしくは高いと認識をしてこの措置をさせていただいています。

 

[記者]

 作付面積がそもそも減ったことで収穫量も減るだろうということで、秋には確保する見通しがたったということですが、これはどう確保されるのですか。

 

[知事]

 詳細は聞いていただいた方がいいとは思いますが、お酒のお米というのは、必ずしも例えば山田錦や五百万石など、いわゆる酒造好適米だけではなくて、普通のお米も元々使って作ったりしておりますので、いろんな形でお米を集める方法はあるということです。一部は令和6年産の酒造好適米も活用するということも聞いていますけれども、全体として大体整ってきたと聞いています。

 

[記者]

 県外のものを購入するということもするのですか。

 

[知事]

 あるかないかというのは、確認していただくといいと思いますが、大きく言うと、福井県は福井県内で取れる分と福井県内で使われる分から見ると、圧倒的に外に出している方が多い県ですので、私も、少し県内に残せばいいのではないかと思ったのですが、それはダメで、やはりいろんな酒蔵さんが県外でお待ちなので、そういう輪をできるだけ崩さないようにしながら集めるというのは非常に苦労していると聞いています。

 

[記者]

 キャンプ場について整備費を確認したいのですが、こちらの施設は事業者で作る特別目的会社奥越前パークコンソーシアム合同会社というところが運営するということですが、もし分かれば整備費全体でおいくらなのか、そして県と大野市のそれぞれ補助金といいますか、いくら公的資金を投入しているのかも教えてください。

 

[観光政策課 宿泊・周遊推進室長]

 整備費については約4億円です。それに関して、県が六呂師高原への次なる民間投資を呼び込むという整備として特別に補助しました。市の方については、それ以外のインフラ設備等につきまして、県と同程度負担をしています。事業者の方については、備品整備や管理運営費を負担しているという状況です。

 

[記者]

 県の補助額は大体いくらですか。

 

[観光政策課 宿泊・周遊推進室長]

 約4億円です。

 

[記者]

 全体の整備費は。

 

[観光政策課 宿泊・周遊推進室長]

 約4億円です。整備費の約4億円について、県が次なる民間投資の呼び込みとして相当額を支援しています。事業者については、それ以外の備品整備や管理運営費を今後も含めて負担していくということです。

 

[記者]

 概ね最初の整備費、大きなところは県が全額を出しているということでしょうか。

 

[知事]

 そういうことです。

 

[記者]

 来訪者目標はありますか。

 

[知事]

 300人定員だそうですが、年間で1万人程度を見込んでいる。今年は途中なので6000人程度だそうですが、そういったことを考えているそうです。

 

[記者]

 サウナのことをお聞きしたいのですが、先ほど知事が、サウナに入りながら堆積物を見られるとありましたけれど、サウナは密閉空間だと思いますが、例えば外に水風呂があったり、外にベンチがあって整いながら山を見たり、そういうイメージですか。

 

[観光政策課 宿泊・周遊推進室長]

 岩屑物を見ながら外気浴を楽しめるという施設になっています。

 

[記者]

 ベンチみたいなのがあって、寝転がりながらみたいな感じですか。

 

[観光政策課 宿泊・周遊推進室長]

 そういう形になります。また16日に事業者の内覧会がありますが、その際に内部のご案内はします。

 

[知事]

 乞うご期待ということでよろしくお願いします。

 

[記者]

 仮設道路の開通目標のことで、先ほど7月20日までに何とかしたいが、大水があると必ずしもできないかもしれないとおっしゃっていまして、現状だと7月20日というのは厳しい目標だという認識ですか。

 

[知事]

 そういうつもりはありません。現状も、下の方からのアプローチが7割方進んでいます。それから、上からのアプローチは4割程度進んでいる状況になっています。そういう意味では、今、順調には進んでいる状況になっています。順調というのは、7月の夏休み前に向けて、順調に今のところ進んでいるということで、これから本当に水がたくさん出たときにどうなるかがわからないということです。

 

[記者]

 順調にこのまま進めば7月20日に間に合うということですか。

 

[知事]

 そのつもりでやっております。

 

[記者]

 酒米のことで、この補助をすることで、来年度以降も酒米を作っていただくということも考えたということですが、現場の農家への直接的な支援というのは現段階で考えられていますか。

 

[知事]

 来年度以降のことは、正直言ってまだ白紙というような状況かと思います。と言いますのは、これは価格差を埋めることなので、大きく言うと、やはり原料の価格に合わせて製品価格を上げていただくというのが本筋という部分はあると思います。ただ構造的な問題として、主食用米の方が少し単価が高いです。また、作りやすいです。そうすると、主食用米作ろうという人が増えてしまうと、酒米がそこから抜けてしまって、お酒が作れないということになるので、ここをどう埋めるかという仕組みを、もしも主食用米の高騰が続くとした中で、どうやって酒米を作ってもらうのかという仕組みを作らないといけない、というふうに思っております。まずはそういったことについて、並行してこれから議論をしていって、8年度に向けて形にしていくということになりますので、これは今年やらざるを得ない部分かと思っております。

 

[記者]

 とりあえず価格が上がった分、県内の酒蔵に支援をして、一旦は緊急的に措置をしようということで、農家さんには来年からまた考えようというイメージですか。

 

[知事]

 大きく言えばそういうことだと思います。お米はもう植わっているわけで、植わっているものをどう配分してもらうかということを今相談している中で、価格が急騰してくる可能性があって、そうすると酒蔵も払えないし、酒蔵が払えないと農家にお金が行き届かないということにもなりますので、そういう急騰したところを少し持ち上げてあげることで、酒蔵のところからお金が出て、農家にもお金が行くということを考えながら、何とか総量を確保することを最大の目的にしながらやっているのが、この制度ということになります。

 

[記者]

 北陸新幹線についてお伺いします。先週、京都市議会の方で、京都市内の地下トンネルを通すルートへの反対決議案が可決されました。まずこれについての受け止めを教えてください。それと、この可決によって今後のルート議論にどのような影響が出るというふうにお考えになるかもお聞かせください。

 

[知事]

 京都のみなさんの心配が大きいということは十分に認識をさせていただきました。ただ、大深度地下ルートによる整備ということを反対する決議と合わせまして、整備推進に向けてしっかりと適切に対応していくことという決議が、言ってみれば正反対のように見える決議が同時に採択もされているという状況だと思います。京都のみなさんにとって今まで他人事ということはありませんけれども、あまり具体的でなかった、具体的に頭にイメージできてなかった北陸新幹線の議論が具体的になってきたということなのだろうと思っております。国や鉄道・運輸機構が説明会をしていただいておりますけれども、やはり科学的知見に基づいてよくご説明をしていただく、これはとても大事だろうと思っております。もちろん水の問題、大深度地下だから水をどうするんだというようなお話があったり、また土砂をどうするんだというお話があったり、また騒音が大変なんじゃないか、渋滞はどうなるんだと、こういうようなお話がございます。

 

 一つの例でしかありませんし、これは全然それが当てはまるかどうかはともかくですが、つい先日、名古屋駅のところへリニア中央新幹線の大深度地下の工事の現場と、その周辺、それから開削で駅のところをやっておりますので同じような京都駅で起きそうなことをやっている現場に行ってみました。それで自分で回ってみたり、それから今度タクシーにも乗りましたので、運転手さんにどんな評判ですかということも伺いました。これは私の一つの経験でしかないですから、それはみなさんにも確認していただけばいいと思います。大深度地下のところの騒音は直接聞けなかったというのは、工事をそのときはやってなかったので、ただある意味大深度でやっているので、そこですごい音がするというふうにもあまり想像はできませんけれども、それはもちろん土を運んだりするときに音は出るんだと思いますのでそれはあると思いますが、いずれにしてもちゃんと騒音計も設置されていて、まずはしっかりとその基準を守っているという状況でしたし、それから開削のところは工事をやっておりましたので、駅のところですね、こういうところでは工事の現場にもいましたが、音もそのようなびっくりするような音は本当にしておりませんでしたし、あと運転手さんに聞いたところ交通渋滞という意味でも、そのような大変なことには全然なっていない、全然なってないって言い方は私の個人的な思いではなくて、私が聞き取ったことで申し上げれば、そんな渋滞が大きくなっているということはありませんよと、ではいろいろみなさん、怒ったりしていますか、などと聞きましたが、いやそういう声も聞いたことないです。というのは2台しか乗っていませんので、非常に冷静で、大問題だという感じはなかったというのが、私が受けた感想ですし、これからもしっかりとそういった現場のことも確認もしながらと思っています。大深度のトンネルの水の問題、こういったことであったり、土砂の関係だったりというのはきちっと科学的にもしっかりとまずは説明もしていただいて、安心、納得感と京都市長もおっしゃっていますが、得られるようにしていただくというのは本当大事だと思います。非常にみなさんの気持ちがこうやって向き始めましたので、聞いていただける体制にもなってきたのかな、そういう中で、またこれも私の個人的な経験で申し上げると、この間京都に行ったときにタクシーに乗りました。タクシーの運転手さんにいろいろ聞くと、もちろん知らない人として聞くと、大体いろいろ教えてくれるので、というか厳しいこともよく言われますが、そのときに最初北陸新幹線を知っていますかと言うと、新聞で見たことがありますねと言われていて、あまりよく知りません、リニアのことは時々話題にはなりますが、京都を通りませんからと言われていて、それで少し北陸新幹線、こんなに京都にもメリットあるんじゃないですかね、ということは聞きましたね、なんて話している中の、そんな長くしゃべっていません、わずかな時間なので。北陸新幹線ができると京都から小浜までが19分なんですよねという話をしたら、もう運転手さんは本当に雰囲気変わりまして、「いや、ぶらっと日本海へですね」という、そういうふうにご自分でそうおっしゃったんですよね。いやこうなったらもう日本海行っておいしいものが食べられるようになりますよねって、うれしそうにお話をされていたということもございました。

 

 そういうことで、やっぱり興味を持っていただいてお話を聞いていただいて、不安なところは十分に意見も言っていただきながら進めていく、それからまたメリット、機運醸成ということもしっかりと進めていただく、これが大事だなと思いましたので、これはことあるごとに国や機構にも申し上げていますが、また名古屋の状況も、私も、私のことばっかり言う必要はありませんが、そういったことを国にも申し上げながら、機運醸成のところは我々もお手伝いできるところがあると思いますので、しっかりとやっていく、国や機構にもお願いをしていく、こういうことをやっていきたいと考えております。

 

 相反する決議がされたということで、もちろん地元の意見が割れているという状況だと思いますので、影響という意味では、これは京都市長もおっしゃっていますが、やはりこれは国策としてこの事業の必要性は認識をしていると、否定するものではないと言われた上で、時間がかかってもしっかりとここのところをちゃんと説明をしていってほしいというふうにもおっしゃっています。今、緒に就いたところですので、影響というか、今やろうとしている地元のみなさんに対する説明を丁寧にしっかりと行っていただいて、納得感を得ていく、こういうことが必要なのではないかと思っております。

 

[記者]

 この決議が採択されたことは、知事としては想定内だったのか、それとも想定外のことでびっくりしたのか、いかが受け止めましたか。

 

[知事]

 決議案がこういうふうに出るというのは全然想定も何もしていませんでしたが、いろいろなあり方はありますので、びっくりはしましたが、そういうこともあるんだなと。なおかつ先ほども申し上げた両論の決議がされているということですので、ここは冷静に受け止めてやっていくのだろうなというふうに思いました。

 

[記者]

 こういった状況で、福井としても京都への理解を得るためにいろいろ取り組んでいると思いますが、現時点でこうした動きがあるという中で課題というのはどういった点にあると思いますか。

 

[知事]

 これはまさに、沿線は、福井も含めてですけれども、みなさんのご理解を得なければ、なかなか事業は進めにくいということでございますので、これはまず国や機構にはぜひとも、前からというか、年末のときの与党PTの中間報告にもありましたが、丁寧にしっかりと科学的知見に基づいて十分にご説明をいただく、だから多く機会をまず持っていただくことが大事だと思います。我々もいろいろな形で、でも本当に思うと、京都のみなさんにとっても、例えば京都府の振興や、もしくは京都府の北部の振興、それから山陰新幹線、こういうことを考えても、やはり大きな、大切なというか、国家プロジェクトと言っていますが、これは決して京都のみなさんにとって全く無関係な国家プロジェクトではないということは、西田先生自身がルートを決めたときもその後も言われていますが、私もそういうことかと思いますので、そうした必要性、それからメリット、それも理解も少しずつでもいただきながら、あとはその懸念の点、こういったところの納得を得ていくということが大事なのだろうというふうに思います。

 

[記者]

 今後県としてもアプローチの仕方を変えていくなど、こういう取り組みの変化っていうのは考えている点はありますか。

 

[知事]

 申し上げたようなことは、もともと大切だと思っておりましたので、先日の京都駅でも、新幹線のPRのイベントも、インバウンドも含めてさせていただいたりもしましたが、そういうこともさせていただいていますし、これからも我々として、一つは北陸新幹線建設促進同盟会として整備促進ということももちろんありますし、福井県としてもいろいろな機運醸成みたいなことはしっかりとしていきたいと思っております。

 

[記者]

 京都の理解を得るために引き続き丁寧な説明をし、納得感を得ることが非常に大事とおっしゃいました。石川県の馳浩知事は昨日の県議会で従前からおっしゃっていることですが、期限を区切って年内に京都の理解を得なければならないとおっしゃっています。これについて知事は、やはり従前からここでもおっしゃっていますが、期限は決して区切るのが適切と思っていないというお立場なんでしょうか、確認させてください。

 

[知事]

 これは京都の市長も含めてしっかりと説明してもらうと、納得感が得られるように、ということであれば、今期限を区切ってやっていくということを言っていくことそのものがそもそもお話をさせていただく体制になってないということはあるのかなとも思います。今その期限を区切って、いつまでに決めるんだという状況ではないと私は認識をいたしております。その上で馳知事は、やはり乗り換えなしで大阪まで直通できるということが大事だというようなこともおっしゃっていたと思いますので、大きな方向としては一致していると思います。その今の期限の区切り方というのをどこで持ってくるのかというところはあると思いますが、大きな方向性は変わってきていないというふうに認識をいたしております。

 

[記者]

 ルートにつきまして、今回京都市議会が、京都市内を通すのはやめてくれというような決議を、2つある決議の1つですが、しました。知事に伺いたいのが、京都市の中心部を通らないルート、南北ルートと桂川ルートはそれぞれ京都の中心部ですが、そこを通さないルートを検討する余地が果たしてあるのか、環境アセスメントがそもそもやり直しになってしまうのかもしれませんが、これだけ議論が停滞しているなら、いっそのことルートを広げて、環境アセスメントも別にしてやった方が早いのではないかという意見も考え方としてはあると思います。

さらに京都の商工会議所の堀場会頭は、舞鶴ルートの検討余地があるのではないかということもおっしゃっています、そういったふうに現行のルートにとらわれずにより広くルートを考えることもありではないかというふうな意見に対して知事は改めてどのようにお考えですか。

 

[知事]

 私はもう北陸新幹線のルートは、今国が決めているのは小浜・京都ルートしかないと、私も今その方向に向けて進めるべきだと思っております。先ほども申し上げましたが、いろいろ議論が大きく始まった、本当に具体化してきているという、その中の右だ左だという議論が京都市の中でも起きているのだろうと思っております。ここからしっかりと納得感を得られるようにご説明をしていく、それから機運を盛り上げていくということが今一番大事なときだと思います。堀場会頭がおっしゃっているのは、私が少なくとも見聞きしていることで申し上げれば、もちろん舞鶴ルートのことも、舞鶴経由というようなお話もされていることも伺っておりますが、何よりも京都を通さなければいけない、経済的なダメージが大きい、損害が大きいということを十分に認識されて、京都を通すべきだということを言われている。その上で舞鶴を通ったらいいよねと、こういうお話なのだろうと認識をいたしております。ここのところは、西田委員長は以前から言われていますが、もちろん平成28年12月の時にはこのルートも検討したわけです。そうすると時間効果もそれから値段も上がる、そのことはやはりこの小浜・京都ルートに比べたらどうしても劣るということもあって、それでまずは小浜・京都ルートで結んで、そこで舞鶴との行き来をしやすくする、もしくは府の北部へ効果を入れさせて、例えば小浜で降りて直通でバスなどを駅から出せば多分1時間ぐらいで舞鶴まで行けます、今は1時間半ぐらいかかると思います、そういうようなことをやりながら、山陰新幹線こういったことは分岐もできるんだからとおっしゃっています。それに尽きると思いますね。堀場さんはもちろん、お考えを個人としてはおありだと思いますが、まずおっしゃっているのは、とにかく京都を通さないといけない、これはそうだと思いますので、私は小浜・京都ルートについて十分にまたご説明をしながらやっていくのだろうと思っております。

 

[記者]

 知事は従来から科学的な説明を丁寧に行うことが重要だと兼ねてから訴えられてきたことと思います。京都府内の自治体向け説明会が3月に初めて開催されてから、まだ次回の開催日は決定していない状況で、また、現状京都府内には国交省に直接一般的な住民を対象にした説明会の開催を要望している市民団体もあるという話も聞いておりまして、説明会の回数だけで単純に国の本気度を測るということはなかなか難しいかもしれないですが、単純にこういう現状をどのように受け止めてらっしゃるのかっていうところをお聞きしたいのと、あと国に重ねて要望したいことがあればお願いします。

 

[知事]

 常に申し上げているのは、もう説明どんどんしましょうよと申し上げておりますし、自治体向けの説明会だけでなく、それ以外の説明会も順次やられているというようには伺っておりますが、もっと要は納得感を得られるようにと言われているわけですから、納得感が得られるように。科学的知見に基づくというのは私は私なりにその説明の中身を聞かせていただいて、そのことを受けて10キロメートルの大河のところにこういうものが通るんだというような説明など、その説明は私が勝手に思っているだけですが、いろいろなことを聞いていると、それなりに分かるということは、伺っていても結構あるように思いました。ですので、まずは意見を聞いて、またそれをどういうふうに改善するかということのフィードバックというかやりとりをどんどんやっていく必要があると思いますよ。ですからこれまでも国や鉄道・運輸機構に言いましたが、それに対してしっかりと今後とも説明を尽くしていくということをお願いをしていこうと思っております。

 

[記者]

 知事が年明けに言及された小浜先行開業の件ですが、これが先日の県の建設促進大会で初めて決議文の方に記載されて、また国への要望項目の中にも入ったと思いますが、知事個人の思いがその県の目標に昇華されたという形だと思いますが、改めてその現状を踏まえた上での先行開業案に込める思いを教えていただければと思います。

 

[知事]

 先行開業は初夢というふうにも申し上げましたが、25年かかると言われている工期の中で小浜・敦賀間といえば区間も短いわけですので、そういうような中のところを25年かけてやらなくてもいいのではないかと。そうすることで工費、費用のところはもう、今は本当に10年もすると建築単価が倍になるようなこういう時代になっていますので、工費を抑えるということにもなりますし、また小浜のほうの工事が先に進んで、トンネルの工事も終わっていれば、また次に福井県内でも土砂を受け入れるような素地も出てくる可能性があるとも考えております。また働く人たちも敦賀・小浜間をやっていた人が他の工区に働きに行くということも可能なわけで、工期短縮の可能性もある、そういうような意味で私どもとしては、先日の北陸新幹線建設促進同盟会としての要請の中でも、これは紙には書いていませんが、全体を乱すことはありませんので、県の個別の要望として、小浜線は並行在来線ではないということと、それから今の先行開業についてもご説明をさせていただいた、これを今回県の重点要望の中にも入れさせていただいたということでございます。

 

 いずれにしてもあのときも申し上げましたけれども、まずは今のルートで、小浜・京都ルートで1日も早く全線開業という方向に向けて、どんどん進めていく、それを遅らせるというつもりはありませんので、それが大目標。その中で一つの方法としてこういうやり方をすると効果があるんじゃないですかという趣旨で、しっかりと、これからも福井県の立場を言うときには申し上げていこうと思っております。ただ国交省で古川副大臣とお話ししたときには、やはり課題もいくつかあるということもおっしゃっていてお話としては承ったというような状況でしたので、今すぐ形になるなど、そういう状況でないことも認識はいたしております。

 

[記者]

 先ほどの京都市議会の決議の受け止めに関してなんですけれども、京都のみなさんにとって具体的になってきたのだろうというのは、これまでは京都の方々にとって北陸新幹線は具体的なものではなかったというご認識なのでしょうか。

 

[知事]

 どういうご趣旨で取られるのかというところを気をつけながら申し上げますが、正直言うとさっきのタクシーの運転手さんのお話が結構合っているのだろうという気はしました。そうですから、あまり関心を持っていらっしゃらなかった方が多かったのではないかというふうには思っております。それは当然のことで福井でも新幹線が来るって本当にみなさん雰囲気が盛り上がってきたのは1年前ぐらいだと思います。現実に開通が決まるというか、認可・着工のときワーッと盛り上がりますが、ワーッと盛り上がって工事が始まると、工事が来るところはそれなりに噂には出ますが、だからといって本当にみんなが新幹線来るぞって本当に思うのは、1年前っていうのが直感的にやっていて感じました。

 

 そういうことからいっても認可・着工に向けてやっている間は行政の仕事と思われているのかどうかはともかくとして、盛り上がりもしくは認識という意味では、まだそれほど自分事として認識をされてきたとはあまり感じられなかったというところです。ただこういうふうに報道していただけるといろんな議論が出てくると思いますので、そういった議論をされることそのものは、私はより身近に感じていただけるという意味でもいい方向ではないかと思います。そうするとやはり先ほど申し上げたような、もしくはおっしゃっていただいたような経済界なんかも、もっと本気の、これはなくちゃ困るっていう声が出てくるっていうこともあるでしょうし、こういったことの議論がされることはいいことだというふうに思っております。

 

[記者]

 先ほど小浜先行開業に関して国交省で要望されたときに副大臣と面会されていろいろな課題のご指摘もあったというふうにおっしゃられたと思いますが、もし少しお話いただけるようでしたらどのような課題を指摘されたのかを教えていただけますか。

 

[知事]

 私が言い方を間違えておりました。いろんな課題とは言われておりません。解決すべき課題もあるので聞き置きますという話です。ですから解決すべき課題があるのだと思います。具体的には分かりませんが、電車をどこに止めておくのだとかそのようなことはいくつかあるのだと思います。正確には、「乗り越えるためにはクリアしなければならない課題もあるが、提案として承った」というふうに伺っております。

 

[記者]

 京都の方々のおっしゃる言葉の中で北陸新幹線が京都を通ってもあまりメリットはないというような言い方をされるようなこともあるというふうに聞いています。ただ具体的に北陸から対関西、京都・大阪方面の利用者数はサンダーバードを見ていても非常に多いことは明らかなわけで、具体的に北陸新幹線を通すことのメリットを京都・大阪の人たちにどのような形で伝えていくのがいいとお考えでしょうか。

 

[知事]

 私も正直申し上げて関西の側から見ても、これは本当につながる効果は大きいというふうに思っております。ただ押し付けになってはいけないので、みなさんの立場からお考えいただいて、よくご議論もいただいて、ご説明するということは大事だというふうにも認識をいたしております。何よりもこれは北経連さんや関西経済連合会さんがいろいろと試算もされておりますけれども、小浜・京都ルートで大阪までつながると全体で、全国で2700億円の経済波及効果があって、1910万人の交流人口の拡大がある。そのうちの1650万人は関西圏で交流人口が増えると、こう言われているわけでして、そうすると2700億円のうちのかなりの部分もその関西地域、大阪・京都ということになりますが、ここのところにお金が落ちる。お金も大きいと思いますが、それだけじゃなくてやはり先ほど申し上げましたが大阪や京都の方にとっても日本海がものすごく近くなる。京都からなら19分、大阪からなら38分で小浜まで来られる。「ぶらっと日本海へ」っていうのは、本当に日本海に対する京都のみなさんの思いというのはこういうことなのだと思いました。やはりあの美味いものが食べられる、自然が豊か、心が休まる、こういうような思いでその方はおっしゃっていましたけれども、そういうことのメリット、北陸新幹線が小浜・京都ルートでつながりますと、多分新神戸ぐらいまで大都市のところは一番近い日本海が小浜になると思います。観光で来るという意味もありますが、京都とか大阪だったら19分でしかも片道2000円とちょっとで行ったり来たりできますので、そうしたらもう本当に住む環境も日本一、幸福度日本一で、しかも学力体力も全国トップクラス、とても自然も豊かで美味しいものがすぐに食べられる、こういう環境を求める人って今非常に多いと思いますし、これは関西のみなさんがこっちから今も新幹線通勤ってどんどん可能になってきていますので、みなさんにとってのメリットは非常に大きいとは思っております。ですからそういう効果のところは、今まで私たちは一生懸命、一方的にこうやって発信するんですが、同じこと言っているのですが、これを何だってと、こうやって聞き耳を立てていただけるようになってくると結構届くようになってくると思います。私たちが気をつけないといけないのは、京都や大阪のみなさんにとって北陸新幹線がどういう意義があるのか、メリットがあるのかっていうこともしっかりとそちらの側からものを見て十分にご説明をさせていただくということも大切だと思いますので、これからそういったことも頭に置きながらやらせていただこうとも思っております。

 

[記者]

 今月5日に高浜4号機が運転開始から40年を迎えて、40年超運転をしているプラントが福井県内5基になりました。改めて、知事としての受け止めを伺います。

 

[知事]

 40年を超える超えないということそのものは、原子力規制委員会がしっかりと一義的に安全性の確認をしながら進めていただいて、国際的に見ても、40年がどうということは直接はないのではないかと思います。ただ、やはり高経年化してくれば、基本的には周りにいる人たちの不安感はだんだん大きくなってくるということでもあるし、当然のことながら、物は劣化していくということは考えうることです。そういう意味では、40年ということで、すぐに何が変わるということはあるか分からないが、とは言え、さらに安全性を十分に念頭に置いた慎重な運転、そういったことを、審査や検査もしっかり踏まえながら、やっていただきたいと思います。

 

[記者]

 ここ最近、関西電力が、事象としては軽微なトラブルであったり、労災のような落下事故もあり、いずれにしても、ちょっと前だと考えられないようなミスであったり、認識不足であったりというのが指摘されています。県の原子力安全専門委員会でもかねてから、再稼働のフェーズが終わった今こそ、人材を含めた安全への投資を求める声が非常に多くある中で、地域として、安全最優先の運転の上で、改めて関西電力に求めることはありますか。

 

[知事]

 これは、今までの行政経験も含めて申し上げれば、やはり大きな事故、もしくは大きくなくても周りに影響を与えるような事象というのは、ヒューマンエラーで起きるということが非常に多いというふうに思っているし、事実そうだと思います。なおかつ、今はいろんなことが機械化になったり、センサーに任せたりとかいうことになって、人間そのものの方がある意味退化しているというか、いろんなことを感覚で分かるというところが減ってきているというふうに思います。だから、ある意味、今までだったら熟練の方が気付いていたことが気付けなくて、結果としてどこかに穴が開いていたということがあるのかもしれません。

 

 そういうことで、今いろんなものがAIとかセンサーとかに置き換わろうとしている中なので、なおのこと、訓練であったり、もしくは日頃の小さなミスのようなものも見逃さないようにしながら、しっかりと安全運転に対して、さらに機械任せにしない対応を、各事業者に求めていきたいというふうに思います。これは日頃からそういうふうに申し上げています。

 

[記者]

 6月6日にGX脱炭素電源法が全面施行されて、60年を超える運転も可能になりました。関西電力は、この60年プラスαが、大体どれくらいの期間延長が可能かという公式的な見解は現状示していません。九州電力は、60年以降の運転は想定していないと前置きした上で、制度に照らし合わせれば何年ぐらい延長が可能かという公式的な見解を示しています。特に関西電力の場合、高浜3・4号機で差し止め仮処分があったり、震災後に大飯3・4号機が暫定的な再稼働をしたり、制度上、この要件に照らし合わせるとどれぐらい延長可能かというのは読みにくいところもあります。関西電力に対して、どれくらい延長が可能なのか説明を求めることも県民の理解促進にもつながると思うが、現状、知事としてそういう考えはありますか。

 

[知事]

 最終的には国とのやり取りの中で決まっていくと思うが、大きくは、規定に照らし合わせれば、メディアでも拝見したけれども、5年から12年ぐらいというのが相場なのかなというふうに思っています。ここのところは、国が利用と合わせて安全性の面も含めて決めていくということなので、さっきも申し上げたが、何年になったらどうなるということはないというふうには思っています。

 

 ただし、長くなればやはり劣化するものもあれば、そこのところを不安に思う人もいるということを踏まえて、しっかりと国は安全第一の検査や審査をしっかりやっていただく、それから事業者は、先ほどのヒューマンエラーも含めてないように安全最優先で運転をしていただくということだと思います。今日、何年だと知ることそのものが、どれほどの関係があるのかというのもあるが、いずれだんだん年数についても分かってくるというふうに思っています。

 

[記者]

 政府が来年度中の設置方針を示している防災庁について伺います。石破首相が地方に拠点を分散するというところに意欲を示している中で、誘致をする自治体も増えてきていますが、現状で福井県として、もしくは県内市町で誘致を希望されている声を聞いていますか。

 

[知事]

 先日の重点提案要望のときにも、県として防災庁準備室のほうに要請活動もさせていただいております。基本的には福井県の場合であれば、今ちょうど福井空港のところを、もちろん民間の利用も受け入れますが、合わせて一つの大きな機能として、例えば大規模災害であるとか救急医療、こういったときに向けた機能をそこに持たせようというふうに考えております。また、定期便が飛んでいないということからすれば機能を持たせるということについて、日本の中心にありますし空路だったら特にちょうど真ん中ぐらいにあると思いますので、とてもいい立地だというふうに、しかもちょうど今改修しようというふうに考えておりますので、そういう意味での提案もさせていただいております。また、昨年の8月、特定利用港湾ということで敦賀港なども指定をいただきました。これによって日頃から訓練なんかもされるわけですので何か災害事象が起きたときなんかにもすぐに対応が可能かと思います。先日の能登半島地震のときにも敦賀港からお風呂が行ったりとか、そういうこともありましたので、事前から準備することが非常に重要だと思っております。そういったことを頭に置きながらですねご提案もさせていただいたということです。

 

 今、市町で直接ここにというようなことはありませんが、広域防災拠点として手を挙げているようなところはいくつもありますので、方向性としては、今言ったのは例示ですし、まだ具体的にどんな地方拠点かって話がそもそもありませんので、これから国の方のいろいろな提案も受けながら、我々としても具体化していくというふうに考えていきたいと思っております。

 

[記者]

 そうすると現時点で知事としては誘致を希望しているか希望していないかで言うと、まだ検討中ということになるのでしょうか。

 

[知事]

 それは要請させていただいていますので希望しているということです。

 

[記者]

 知事の中では坂井市の福井空港などを想定されているということでしょうか。

 

[知事]

 一つにはということです。何をやりたいのかっていうことによるので、ものすごく大きな倉庫を置きたいんですっていうんでしたらそれは別の場所になるかもしれませんので。防災拠点というのが地方分局というのが何であるかということをまず聞きながら柔軟に県内で、例えば防災備蓄庫ができるとすれば、そこにものがあれば福井県内で何か起きればそこからすぐに持っていけるっていうことも考えうるわけですので、防災拠点があるっていうことそのものは非常に、県内の防災にも大きく言えば、ものを見ないと分かりませんが、効果はあるというふうには思っております。

 

[記者]

 そうすると、地方分局の誘致を求めるという形ですか。

 

[知事]

 そうですね。総理も本局を移すとは言ってないようには思いましたけれども、そこは分かりませんが、提案を見ながらいろいろ考えたいというふうに思っております。

 

[記者]

 既に一部自治体では、赤沢担当大臣等に要望書を直接提出したりというところもありますが、今後改めて、重点要望でも行かれたということですが、国側にその意向を伝えていく方針とかがあれば教えてください。

 

[知事]

 これは機会を見ながらこの間も防災庁の準備室、これは事務的にお持ちしましたが、日程が合わなかったこともありますが、いずれにしても、これから状況を見ながら対応をしていきたいと思います。

 

[記者]

 発表項目は山のお話でしたが、海のお話を伺います。7月上旬あたりから海開きも始まるかと思いますが、県内でも当初予算に入っていたイルカの対策について現状どれぐらい進捗しているのか、今年どのように海開きを迎えられたいか教えてください。

 

[知事]

 おっしゃるとおりで、若狭湾のところのイルカの被害をいかに食い止めていくのかということが大きいと思っています。そのために、2月にイルカ被害対策会議を専門家のみなさんにも入っていただいて、それを踏まえながら準備を進めさせていただいています。方法としては、イルカの位置情報をできるだけ共有できるような方法を考えようということと、それから監視員を増やすとかお客さん向けに注意喚起をしっかりやっていく、それから鉄管を水の中で叩くといいというのが専門家の方がよくおっしゃられているので、そういったものの備品なんかの整備、こういったことも今進めておりまして、それを海開きに間に合うように何とか対応を進めていこうと、またその海開きの頃までにまた2回目の専門会議なんかも開きながら、ご意見聞きながら、さらにそれを深化させていくということもやっていきたいと思っています。

 

[記者]

 まだイルカに位置情報の発信機はつけられてはいないという理解でよろしいでしょうか。

 

[知事]

 まだそういう状況にはないと思います。

 

[記者]

 乾式貯蔵施設について、4月の会見でも、知事は関電側の動きがあってからだという趣旨のことを話されていたと思うが、国の設置許可が先月29日に出された中で、今後、知事としてはどういうスケジュール感で構えているのか、どういったところの説明を関電側に求めるのか、現段階での思いを伺います。

 

[知事]

 一つ目の高浜の1期目については、規制委員会の審査が終わっているということは分かっていますが、とは言え、私たちにスケジュール感があるわけじゃないので、私たちは申請了承の時に、まずはロードマップをしっかりと実行状況を見せろということと、審査を受けろと、審査のところはこれで一応終わったんだと思います。あとは具体的な搬出時期の考え方を示すということと、地域の振興、課題解決の取組みの状況、事前了解を受ける時には、この4点を示すようにと申し上げているので、その4点を持って関西電力が福井県に検討してくださいと言ってきた時がスタートで、そこからいつものような、原子力環境安全管理協議会とか議会、立地の市や町、安全専門委員会、こういったところで議論をいただいて、慎重に判断していくということだと思います。決してスケジュール感があるわけではないです。

 

                                            ―― 了 ――

 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

知事公室広報広聴課

電話番号:0776-20-0220 ファックス:0776-20-0621メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)