知事記者会見の概要(令和7年10月8日(水))

最終更新日 2025年10月30日ページID 062090

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令和7年10月8日(水曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

知事写真20251008

 

[知事]〔配付資料:福井県栄誉賞の授与について〕 

 まず一つ目が山口茜選手について、先日パリで開かれました世界選手権で3回目の優勝を遂げられたということで、今回福井県栄誉賞を贈ることを決めました。理由は、3度目の優勝ということももちろんあり、女子のバドミントンの中では、これまでスペインのカロリナ・マリン選手が、1人1回だけしたことがあるということですので、これは非常に快挙であるということ、また山口茜選手は本当にバドミントンを愛して、ふるさと勝山を中心にとても積極的に戻っていただいて、一緒にみなさんと活動をし、県民にとっての誇りであり、希望と感動を与えているということで授与させていただこうと考えているところです。贈呈式については、帰省の時期を見てご相談し、実施を決めさせていただこうと思いますので、その時発表します。

 

[知事]〔配付資料:若者と福井がアプリでつながる「ハピBASE」スタート

 2点目は「ハピBASE」をスタートさせました。これまで福井県は様々なUターン政策を行ってまいりました。一番難しいことは、一旦東京や京都、大阪に出てしまうと、相手との意思疎通が図りにくい状況にあることで、高校在学中から大学進学後、もしくは就職、子育て世代になっても、県とのつながりを維持できるような方法を工夫してきました。その延長線上の一つとして、ハピコインも使って、ふくアプリの中に、新しいコンテンツサイト「ハピBASE」を作るということです。一つは、福井ではこのような新しい店ができた、ここがとてもきれいなど、こういった福井の今の情報発信をさせていただくことです。そして、みなさんにも喜んでいただかないといけないと思うので、例えば県内で大きなスポーツイベントがある、もしくはコンサートがある時に、そういったイベントのチケットを抽選で差し上げる、またハピコインもプレゼントするなど、いろいろなお得なメリットもつけていきたいと思っています。また就職や子育て期、こういう時に福井の良さを発信していきたいと思っているところです。

 今日から運用を開始し、まずは登録キャンペーンとして、高校3年生向けにハピコイン千円分をプレゼントし、大学生向けには桜マラソン出走権が当たるなど、抽選の実施をさせていただこうと考えているところです。

 

[知事]〔配付資料:あわら温泉旧開花亭跡地 星野リゾート進出について

 3点目が星野リゾートさんと「福井県内におけるリゾートホテル整備運営に関する協定書」を令和4年に結ばせていただいています。その星野リゾートさんが今回新たにあわら温泉に進出することが決定しましたので、発表します。今回、恐竜博物館の横、「リゾナーレ福井」の次に県内で2例目となるあわら温泉の旧開花亭の跡地に進出をしていただけるということです。非常に広い面積の13,000㎡のところに、旅館の施設を作っていただけるということで、素晴らしいブランド力です。これを生かしてあわら温泉のブランド力向上も期待したいと思っています。星野リゾートさんは、「福井県は多様な魅力にあふれた観光地」とおっしゃっています。また「福井の温泉文化を代表するあわら温泉に進出できることが嬉しい」、「温泉の魅力に徹底的にこだわり発掘し、まだ知らない福井の魅力を伝える体験を提供したい」、また日頃から、「地域独自の文化や魅力を見つけてリスペクトして発信をしたい」とおっしゃっていますので、我々としても大変期待をさせていただいているところです。

 

 私からは以上でございます。

 

~質疑~

 

[記者]

 まず県栄誉賞の山口茜選手のことについてですが、改めて知事から見て山口茜選手の活躍、功績などへの印象と、あと県民にどんな希望だったり感動を与えたと考えていますか。

 

[知事]

 もう10年前ですかね、副知事時代に山口茜選手が、高校生時代の時に国体に応援に行っていろいろお話したりもしましたが、当時から日本のトップで活躍をされておられましたので、長く県民のみなさんに、期待もされ、それに応え続けてきた。非常に可愛らしいご性格の方でもいらっしゃいまして、あんまりどんどん前に出て何か言うといったタイプもないようには拝見しますけれども、とても落ち着いてスポーツに集中して結果を上げてくださる、昔から福井にとっての宝だなというふうに思っていました。その後も再春館製薬所を中心としてとして様々な世界大会に出場されてランキングで1位になったりとか、福井県でもいろいろなスポーツ選手がいらっしゃいますが、ここまで活躍される方は他にもなかなかいらっしゃらないような活躍ぶりだと思っております。

 とてもふるさと愛も強いということで、勝山のみなさんもいつも山口茜選手が帰ってくるとジオアリーナのところにたくさんの人が集まって応援もされるというぐらい、それだけ愛されるお人柄だというふうにも思っていますので、県民のみなさんにとても大きな希望と勇気を与えていただいているということにお応えをする一つの形と思っています。

 

[記者]

 星野リゾートの件ですが、現状では施設の概要や開業時期については検討中ということになっていますが、いわゆるブランドというかどういうターゲットにした施設になりそうだとか、規模感、広い敷地という話もありましたが、そのあたり現時点で言える範囲でお答えいただきたいのと、あとこの星野リゾートさんが進出してくることによってあわら温泉の活性化、改めて福井県にとってどういう影響があると考えているのかお聞かせください。

 

[知事]

 どのようなホテルになるかということを含めて、大きさもそうですが、ここのところは今内部でご検討中ということですので、またいずれ星野リゾートさんからの発表があると考えていますのでそれをお待ちいただければと思っています。やはり星野リゾートというのは本当に我が国を代表するリゾートやホテルのトップブランドと言えるのではないかと思っています。それがあわら温泉に来ていただくことで、あわら温泉のお客さんを取り合うというよりは星野リゾートがあるということであわら温泉そのものの魅力をみなさん感じていただける、星野リゾートさんを目指してきて、ちょっと泊まれないから他も行ってみようということも含めて、多くのお客様を引きつけて、またその星野リゾートさんはホテルだけで独立するのではなくて人を集めるための仕掛けを一緒にホテルの建設とともにやっていただけますので、そうした仕掛けとともに多くの人が訪れてあわら温泉がさらに活況を呈する、大きなことだ、プラスになる、というふうに考えて、県としても応援をしていきたいと考えています。

 

[記者]

 県栄誉賞を授与された県内、県にゆかりのあるスポーツ選手というのは山口茜選手で何人目になるのでしょうか。

 

[知事]

 福井県栄誉賞としては、文化人も含めてですが延べ10名で2団体ということになります。

 

[記者]

 星野リゾートさんについて確認です。詳細はこれからということではあると思いますが、具体的な開業時期といいますか、だいたいどれぐらいを目標にまたは目処にといったスケジュール感はありますか。

 

[知事]

 これは、まだ私どもの方も聞かせていただいていないということでして、今内部でご検討されているということです。いずれにしても今年の春に宿泊・周遊推進室も作らせていただいて、いろいろと交渉も重ねさせていただいて、また県のほうでもこういう誘致の補助金などについてもお話をさせていただきながらここまで来たというところでして、まずは進出が決まったということの報告をさせていただいたということですので、詳細については乞うご期待というところです。

 

[記者]

 星野リゾートさんに関して、協定を結ばれたときに確か複数箇所で今後設置を、ということだったのですが、まだ他にも検討されているところは今現在進行中であるということでよかったでしょうか。

 

[知事]

 複数ということで言えばこれで2例目ということです。ただ私たちとしては、また引き続き県内の良いところなども紹介させていただいたりはしています。ただ具体的に動きがあるというような状況にはございません。とてもありがたいと思います。やはり協定の効果というのは大きいと思っています。

 

[記者]

 先ほど補助制度の話が出ましたが、10億円を上限に補助率25%で支援という仕組みだったと思うのですが、今回も補助制度を適用ということでよろしいですか。

 

[知事]

 成長産業立地促進補助金というのがございまして、これに該当すると思っていますので、ただ中身は具体的に見させていただいて上限10億ということで制度ができていますのでこれに当たるのではないかと思っています。

 

[記者]

 「ハピBASE」について伺います。若者向けの最新情報発信というところですが、これは職員が発信していくのか、地域おこし協力隊や民間の方々を活用するのか、どういう形で運営するのか教えてください。

 

[知事]

 職員だけというのはなかなか難しいかもしれませんので、いろいろな人に手伝っていただくということは考えております。

 

[定住促進課長]

 ふくいのデジタルとタイアップしている広報の業者さんと連携し、広報する材料を集めて発信していきたいと考えています。

 

[記者]

 もう一点素朴な疑問ですが、大学生向けの特典のところで、桜マラソンの出走権がもらえるというのにはどういう意図があるのか教えてください。

 

[知事]

 学生のみなさんはチャレンジ精神が旺盛で、県内にいる学生にも効果があると思いますし、県外の遠くにいても、興味のある人は、「あ、桜マラソンに出られるんだ」ということで、無料で参加できるのなら走ってみたいということで、つながりも持ちたいと思っていただけるんじゃないかということも含めて、刺さる中身が何かないかなということで、一つの方法として、ちょうど桜マラソンの募集期間も始まっておりますので、そういった意味で今回出させていただいています。

 

[記者]

 星野リゾート進出について伺います。詳細はまだということではあると思いますが、いろんなブランドラインがある中で、どのラインなのかとか、どういうターゲット層ですとかイメージみたいなものというのはお聞きになっていますでしょうか。

 

[知事]

 それもまだ私どもは聞いておりませんので、今検討中なんだろうと思っています。

 

[記者]

 県としては富裕層のインバウンドですとか、そういったものにも力を入れていますが、こういうターゲットがいいという県としての希望などはありますか。

 

[知事]

 お話は具体的にだいぶ進んできていますので、そういうこともお伝えしながらというふうに思っています。大きく言えば富裕層ということを狙うのでしょうが、とはいえそれが星野リゾートのブランドの中のどこに当たるのかということはまた星野リゾートさんのいろいろなお考えもあると思いますので、大きく言えば富裕層向けということかと思います。

 

[記者]

 「ハピBASE」に関して、登録者数の目標数とともに、いきなり県外大学の方にこのアプリをなかなかPRする術もないと思いますが、とりあえず今県内の高校、例えば学校に協力してもらって、県内高校生にまず登録してもらって、来年度以降本格運用していくなど、どういう目標でどんな形で利用者、登録者を増やしていくのかというのを教えてください。

 

[知事]

 まず大事なことはやはりUターンを狙っていくというところだと思いますので、スタートとしては今年の高校3年生、こういう方々にまず登録をしていただく。6500人ぐらいいるそうですので、この方々にどの程度使っていただけるのかということをまず大きく目指して進めていきたい。これがだんだん積み重なって、4年後に少しでも多くの方に戻っていただくということが大事だと思います。

 併せましてこういったことを、今現在も大学生になられているような方、もしくはUターン予備軍といいますか、子育て期に入ろうとされているような方、いずれも帰省の機会なんかもあると思いますので、親御さんなどにも「こんなのあるらしいよ」みたいに口にしていただいたり、また福井は「ふく育県」ですので、子育て施策もいろいろ発信する中で、いろいろ検索されている中で引っかかったりということもあると思いますので、そうした既に大学へ行っている、もしくは子育てを始めようとされているような方にもなんとか届くようなことも考えながらやっていこうと思っています。

 

[記者]

 「ハピBASE」についてお伺いします。福井の今を若者向けに発信するということですが、Uターンで戻ってこられることを検討されている方で、就職が一番なのかなと思うのですが、就職についての情報というのは何か発信されるご予定でしょうか。

 

[知事]

 就活の時期になれば、例えば東京で開かれるような合同企業説明会、福井県内で行われるような時には、移動の旅費の一部の負担もこちらでするところもありますので、こういったことの発信もさせていただこうと思いますし、そういった情報は常にタイミングを見ながらやらせていただこうと思っています。あまりそういうことばっかり言っていると、あまり見てもらえないので、日頃はやはり「今の福井はいいよ」と、お友達はたくさんこっちに残っていると思いますので、もしくは帰省の機会は学生のうちは非常に多いと思いますので、そのような時を見計らっていろいろ話題になるようなことも載せさせていただこうと思っています。

 

[記者]

 今月4日に自民党総裁選の結果、高市早苗新総裁が就任されました。知事も4日にコメントを出され、北陸新幹線の早期全線開業と責任あるエネルギー原発政策を期待するというコメントを出されていますが、改めてその受け止めをお聞かせください。

 

[知事]

 高市総裁が総務大臣時代に、私は消防庁で国民保護・防災部長としてお仕えしていましたので、当時からとてもよくしていただいており、お話もしやすい関係だと思っています。総務大臣も多分歴代で一番長く、二度にわたってお務めで、政調会長の要職もお務めということ、これもまた長かったと思います。非常に政策に詳しく、演説を聞くとよくわかりますが、就任の会見もすごかったですが、とても詳しいです。まず、勉強家、努力家、これが一番印象に強く残りますし、結果として幅広い知見であったり、深い見識をお持ちだといつも思っています。それだけではなくて、非常に心遣いが素晴らしいです。私も選挙も応援をいただいたことがありますが、とても和ませるというか、私のことを考えた発言だけではなく、場にいる方の空気を読みながら、とても人柄もいいなと感じているところです。それとやはりみなさん見てのとおりというと私がどこまで知っているかというのもありますが、非常に決断もしっかりとされて、果敢に挑戦もされるという人柄でもあると思っています。また先ほど少し話があったかと思いますが、責任ある積極財政派というようなお話もされていますが、北陸新幹線、これはXで投稿もされていたと思います。北陸新幹線を一日も早く大阪につなぐと、そのために与党PTであったり、北陸新幹線の整備委員会を動かしながらスピーディーに進めていくという話もあったと思いますので、新幹線の開業に向けての期待もありますし、公約というかご自身の話として、ガソリン税の暫定税率廃止に合わせて、軽油引取税の暫定税率も廃止するという話もありましたが、これは地方の財源そのものなので、そういったことについては責任を持って財源の確保をお願いしたいと思いますし、何より東京一極集中です。奈良で生まれ育っていると思いますので、地方の状況は十分にご存知、また福井とも非常に関係の深い方なので、福井といったそういった地方との関係をしっかりと見て、東京一極集中を是正する、人口減対策を進めていただく。国として果たさなければいけない役割を十二分に果たしていただきたいと考えているところです。大変期待をしています。

 

[記者]

 関連で、参院選が終わってから、北陸新幹線について、米原ルートも含めた工費の試算を改めて示すようにと指示がされて、総裁選もあってずっと停滞しているように見えますが、新総裁になって今後どのような形で議論が進捗することを期待していますか。

 

[知事]

 今は政治空白期と言われている方もいますが、新幹線についても今議論が前に進んでいる状況にはないと思っています。そのような中で高市総裁はスピード感を持って動かしていくとおっしゃっていますので、小浜京都ルートだと私たちも思っていますが、これから整備委員会をしっかりと早く動かしていただきたいです。また与党だけで決めることができませんので、政権の枠組みの話もされていますが、いずれにしても野党の理解、協力を得ながら進めていくというプロセスが重要になりますので、こういったことにも丁寧にスピーディーに当たっていただきたいと思っていますし、期待もしています。

 

[記者]

 新幹線の期待やスピーディーにという話がありましたが、この後いわゆる首班指名があったり、連立の枠組みもですが、決まっていく中で来年度中の認可・着工を考えると年内に京都駅の位置などを決めるスケジュールが必要ですが、そのあたりの実現性と知事の中で来年度中の認可・着工というところに対しての思いを現段階でお聞かせください。

 

[知事]

 政権全体としての枠組みの議論をしているということからすると、新幹線の議論をできるだけ早く始めていただきたいということを強く希望します。その上で政府として北陸新幹線の認可・着工に向けての事項要求がされているので、来年度中の認可・着工を視野に入れてなんとか実現したいという政府の思いだと考えています。早くまずは政権の枠組みから始まって、高市総裁が言われているような整備委員会や与党PTで議論を早く進めていただいて、ルートの一本化を進めていただきたいと思っています。この間も私たちは国土交通省に対して、地元に対する丁寧な説明をもっと早く進めるべきだと、科学的な見地で申し上げていて、こういった実務的なところも大きいので、それをまず進めていただくということだと思います。その上でこれからいろいろな進め方や整備委員会も含めてメンバーがはっきり決まってくると思いますので、そういったものが分かれば、北陸の同盟会全体としても活発に要請活動ができるようにしていければとも考えています。

 

[記者]

 先日の総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会で、電気事業連合会が2040年代までに原発5基分の建て替えが必要という試算を公表しました。知事も会議に出席されていたと思いますが、その場で国の責任あるエネルギー政策を示すよう要望されていたと思いますが、立地県の首長としてこの試算への受け止めを伺います。

 

[知事]

 これはまさに試算として、政府が第7次エネ基の中で示している目標を達成するためには客観的にこういう必要があるということを、電事連として示されたというふうに認識をしています。私どもも常々、今のエネ基の目標が2040年ということになっていて、これはそこまでのリードタイムを考えても、2040年では短すぎて、もっと先も見越してどうしていくのか、そういった目標の設定もそうですし、具体的に道筋をどう描くのかを国に求め続けているところであり、こういったことを、さらに今後とも、国として議論を深めていただきたいというふうに考えています。

 

[記者]

 具体的に建て替えの必要性について知事自身はどのように考えますか。

 

[知事]

 これは国として、今こういう試算が示されて、それをどう考えるか、どう進めるのかをしっかりと検討していただくことだというふうに思います。私どもは、国が一義的に担うエネルギーとか原子力政策、こういったものを見ながら、協力するしないといったことを考えていく、そういう立場だというふうに思っています。

 

[記者]

 乾式貯蔵の事前了解の判断について、六ヶ所再処理工場の設工認の説明終了後という考えを示され、具体的な搬出時期の考え方など3項目については一定評価するとしていた一方で、立地町や県議会でも、2035年末までに搬出開始できなかった場合は燃料プールに戻すという関電の覚悟の示し方について反対する声が多いと見受けられます。県として関電の覚悟の示し方について見直しを求める考えはないのでしょうか。

 

[知事]

 まず、今回の2035年末までに搬出開始できなければプールに戻すという考え方は関西電力が元々、乾式貯蔵で長期保管されてしまうのではないかということに対する考え方として示されたものだというふうに思っています。そういう意味では、県から、何かを申し上げることでもないですが、一方で、9月22日の原子力環境安全管理協議会の時にも、関西電力はこれを今変えるつもりはないとも言っていましたし、また丁寧に説明していくと言っていました。そういう意味では、関西電力として、そういったものをよく説明しながら理解を得ていくということなのだろうと思います。

 その上で、2035年の時点にプールに戻すとか戻さないという議論は、今、両論意見はありますが、一方で、それまでの間を考えると、例えば中間貯蔵施設は建設ができるかできないかということは、これからの10年の間に明確になってくるわけですし、フランスへの搬出も進んでいるのかいないのかということもあるわけですので、そういう意味ではリードタイムはあるなというふうには思っています。今どちらというようなことではなくて、大事なことは、2035年末までに搬出を開始すると、その時からは一定出ていくと、だから、いつまでも置いておくわけではないという搬出時期の考え方が示されたということに意味があるのかなというふうに思っています。

 

[記者]

 六ヶ所再処理工場について、日本原燃が11月までに予定していた審査会合での説明を終えられないということを表明しました。2026年度中の完成に変更はないということだが、改めて原燃側からそういったスケジュール感の説明が県に対してありましたか。また、知事は、これを受けて関西電力側から説明があるだろうということを発言されていましたが、その2つについて説明なり進展があったのか伺います。

 

[知事]

 その点について日本原燃から説明があったわけではありません。その上で、今回の審査会合を踏まえて、明日、国の方で使用済燃料対策推進協議会の幹事会が開かれるというふうに伺っていますので、通常こうした幹事会が開かれれば、その後、関西電力から説明を受けるということになりますので、近々話があるのだろうと思っています。

 

[記者]

 内容次第になるとは思いますが、知事はあくまで説明が終わった後に判断をするというスタンスは変わらないということでしょうか。

 

[知事]

 そうです。設工認の説明が終了した時点で、事前了解については判断をしていくということについて変わりはないです。

 

[記者]

 原子力発電所の安全最優先というのは、県としても大前提で常日頃やっているという理解の上で伺いますが、そもそも、原発構内で本来必要のない作業工程を加えることそのものにリスクがあると考えれば、一度プールから出したものを戻すということは、安全確保であったり、立地町からの声等々を踏まえれば、地元住民の理解と同意、この三原則のうちの2つに照らし合わせても、到底理解が得られる状況ではないと思います。なぜ県として撤回を求めることをしないのか、考えを伺います。

 

[知事]

 これは関西電力が判断されればいいということだと私は思います。その中で、今のところは撤回というか、変えるつもりはないと説明をしていくということなので、それは関西電力がやられればよろしいというふうに思っているということです。

 

[記者]

 県として、原子力行政の進め方に相反するのではないかとも思ってしまいますが、その点はどう考えていますか。

 

[知事]

 事柄として、普通は一旦乾式貯蔵したものをプールに戻すということはないということですが、ただ、作業としては、プールにあるものを乾式のキャスクに入れて、また今度例えば六ヶ所再処理工場に持っていったとすると、またそれでプールに戻します。だから、キャスクからプールにやるという作業そのものは、これは通常の中でも行われることなので、そんなにリスクが高まるという、ゼロかゼロじゃないかと言えば高まりますが、作業としてそんなに危険を伴うというものでもないということは認識をしています。

 ただし、作業として普通行うものではないということも分かっていますので、そういう意味では、立地の町だったり議会だったり県議会、こういったところでいろいろ批判も受けているわけですから、しっかり関西電力として、そのようなところは踏まえながら行動していただく、説明していただくことが大事だと思っています。

 

[記者]

 プールに戻すという覚悟については、乾式貯蔵での保管の長期化への懸念を払拭するためという発言がありましたが、今回、立地町や県議会での批判的な発言を踏まえて、懸念は払拭されたという考えですか。

 

[知事]

 払拭できているかどうかはともかく、搬出時期の考え方として、一番みなさんが心配されているのは、永久保存というか、そこに廃棄されるのではないかというようなことだと思います。そうしたことに対して、2035年末には搬出を開始するという考え方と、そのための覚悟といったことは必ずしも受け入れられていませんが、そういった考え方を提示してきているということは、ある意味前進しているのだろうと思っています。

 

[記者]

 中間貯蔵施設の計画地点を巡っては、これまで関西電力が県との約束を反故にしてきた中、2030年頃の操業開始と考えるともう5年程しかないところです。発電所内の貯蔵プールの容量を見ても、再処理工場ができなかったとすれば、もう3年後には高浜では満杯になる可能性があります。そういった状況の中で、改めて中間貯蔵施設の必要性を考えれば、少なからず2、3年以内には最低限計画地点は示してもらわないと、2030年頃の操業開始は難しいのではないかなと思いますが、そういったみなさんの懸念の声を払拭するためにも、県として、具体的にどこに中間貯蔵を立てるかの明示を求める考えはないのでしょうか。

 

[知事]

 これは、ロードマップの中で、大きく私どもが求めているのは、使用済燃料の必要な量を確実に県外に搬出していくということであり、これに向けて、ロードマップ全体として実現していくということを関西電力が約束しているということですので、しっかり守っていただくということだと思います。一方で、もしそれが守られなければ、イコールでプールがいっぱいになるので、そういう意味では動かせない炉が出てくるということにもつながるわけです。そういう意味で、関西電力は、全ての可能性を今後とも追求していくと、そのために活動していくということですので、それをやっていっていただくのだろうと思います。1つ1つのことも大事ですが、全体としてそれを守っていただくことが、福井県にとって最も重要だというふうに認識をしています。

 

[記者]

 プールに戻すということについて、県民の安全を確保するという意味で、県としては、事業者の取組みを監視するという役割も一定程度担っているのかと思います。その意味で、事業者の方針が地元の意見と反するものであれば、その方針の軌道修正を促すことも必要な機能と思いますが、どうでしょうか。

 

[知事]

 まず、プールでの保管も安全性は十分確認されているということだと思います。だから、戻していいとは全く思っていませんが、ここのところはいろんな議論があるわけであり、関西電力もその覚悟を示したという思いも持っているのだと思います。こういうところをどうしていくのか、しっかりと議論していけばいいと思います。一方で、プールに戻すかどうかを今確定しておく必要があるのかという時間軸の中で考えれば、そこのところはもう少し議論というか、関西電力はまだ説明したいということを言っているのであれば、そのことを否定するものでもないということかと思っています。これを認めているわけでも全くないですが、県として、ああしろこうしろという状況ではないというふうに思っているところです。

 

[記者]

 今確定しなくてもという状態で、原子力の利用を進めていくというのは、福井県の原子力行政三原則の安全の部分や地元同意の部分に反するかと思いますが、どうでしょうか。

 

[知事]

 ここは県議会の中でも、搬出時期の考え方については、私ども申し上げて、それで県議会としての理解も一応得られているというふうには認識をしています。もちろん、本当にプールに2035年に戻すということになれば、それまでの間に必ず県議会とか立地町の理解も得ておかないといけませんが、そういうこととは違って、これからそれ以外のことを含めて、2035年末までに搬出開始できる環境を作ることが重要なんだというふうに思っています。

 

[記者]

 一部町議会では関電の方に修正を申し入れるような形の動きも出ていますが、県としては事前了解の判断まで、この点について静観していく形でしょうか。

 

[知事]

 そうです。関西電力がどういうふうに説明していくのか、考えるのかということだろうと思います。

 

[記者]

 プール戻しに関して、関電が今後撤回するかそのままにするかは、知事の事前了解の判断には影響しないということでよいでしょうか。

 

[知事]

 様子をよく見ていきたいと思います。今ここで申し上げるというよりは、今動いているところだと思います。

 

[記者]

 13日に大阪・関西万博が閉幕します。福井県のブースは比較的好調だとは聞いていますが、もともとの目的としては福井県の方への誘客を狙ってということで、これからもしかしたら万博に訪れられた方が秋冬に来られるという可能性もあるのかもしれないですが、現状としてこれまでの万博の振り返りと誘客への効果、それから今後に向けて知事のお考えを伺います。

 

[知事]

 今回の大阪・関西万博は全体としても目標まではいかないかもしれませんが黒字化するというようなお話もいただいていますし、後半になって大変な盛り上がりを見せていると思っています。関西パビリオンの中の福井県ゾーンも大変な人気でして、いつも平日も含めて満員になるぐらいの盛況という感じでして大変ありがたいなと思っています。もともとの目標は基本計画の中で30万人というようなことを言っていましたが、現時点で37万人を超えて40万人近くいくかという感じまできていると思います。いろいろと途中も会期中も含めて展示の仕方、中身を少し入れ替えたりとか、香りを出したりとかということもさせていただきましたし、恐竜のグッズも配らせていただいてとても喜ばれたということもあります。おっしゃっていただいたように、これを福井へみなさん来ていただこうというようなことで進めさせていただいてまして、万博へ行った人が何人福井へ来られたかというのは正直言ってなかなかつかみにくいところはありますが、開業後の去年と今年で大阪府から福井県に来たお客様の数というのは、5月から8月までの統計で、開業2年目ですが5.6%増えているという、こういったデータも県として把握をしていますし、また万博の福井県ゾーンと恐竜博物館でスタンプラリーというのもありましたが、これも結構万博会場のスタンプをした人が福井県の恐竜博物館に来てスタンプをしている人もかなり多いとも伺っていますので、やはりあそこで恐竜博物館っていいなって思って来ていらっしゃる方が結構いらっしゃるということも感じていますので、万博において福井県もしくは恐竜王国福井ということが非常に発信できたということはまず間違いないですし、またこれが福井県へのもしくは恐竜博物館に来ていただくということに効果を発揮したということもありそうだと思っています。

 

[記者]

 先日、令和8年度の当初予算編成の方針が発表されまして、この中で今回は重要項目の1番目に全世代が幸福を実感できる社会の実現を謳っていて、1つ目に「ふく育県」の進化を挙げておりますが、去年までは新幹線開業効果の最大化や持続化ということだったと思うのですが、今回、この「ふく育県」の進化を一番目に挙げた知事の思いを教えてもらえますか。

 

[知事]

 北陸新幹線効果の最大化・持続化ということは引き続き、当然やっていくということだと思いますが、来年度ということになれば3年目に入りますので新幹線効果の最大化、結構2年目に入っても10%以上お客様が開業前よりも増えた状況が続いているということからすると新幹線効果というのは根強いということは実感しておりますので、これを今度はだんだんと軟着陸しながら、ポテンシャルが上がっているわけですので、移動がしやすくなったということを生かしてさらに通常の政策といいますか県民益を最大化するいろんな政策の方にシフトではなく、それを活用しながら課題に挑戦していこうというような趣旨で今回作らせていただいております。

 

[記者]

 「ふく育推進チーム」の検討結果を予算に反映とありますがこの「ふく育推進チーム」でいろんな課題が出てきてアイデアもいっぱい出てきたから一番目に入れることになったという考えでいいですか。

 

[知事]

 一番か二番かというと、さっき申し上げたように新幹線を一番に持ってくるということではないだろうと。県民益を最大化するときにはやはり全世代の一人一人の県民のみなさんの幸福もしくは幸福実感、こういったものを高めていくことが大事だという中で、その中の一番というとふく育県、子育て世代をしっかりと支えていくということが将来の福井県社会を支えることにもなるというような趣旨で挙げさせていただいているということですし、それもあるからこそふく育推進チームを作って今検討もしているということでございます。

 

[記者]

 外国人材の受入れ・定着強化も力強い産業基盤の確立ということで挙げておられますが、先の参院選や今回の自民党総裁選でも外国人のことに対して懸念の声があって外国人政策の厳格化を訴える政治家が増えておられますが、そういった中で今回も外国人材の受入れ・定着強化を挙げられた知事の思いを教えていただきたいと思います。

 

[知事]

 私も報道等を通じてもしくはSNSで外国人の入国に対する考え方というのがどちらかというと厳しくなってきているということは感じておりますが、これは正直申し上げると都会と地方という関係で言えば、決してそれを荒立てようと思っているわけではありませんが、東京の方が例えば外国人じゃなくて日本人でいいじゃないっていうのは、どこの日本人かということをぜひこれは考えないと、現実の日本を支えているのは地方であって、その地方の人材がどんどん特に東京に集中していく。こういう現実の中で福井県はもう7年以上にわたって有効求人倍率が日本一ということは人手不足が続いている。こういう地方の現場を考えたときに私どもは福井県人としてできることならずっと福井にいていただけるような方をぜひ福井にお連れしたい、というよりもそう思っていただけるように私たちはみなさんに処遇と言うとおかしいですが、そういう環境を作っていこうという趣旨で書かせていただいております。現実の問題として外国人のみなさんの力を借りないで現場が回るということはほぼ私たちの実感から言うと難しいと思います。もちろん入国管理やこういったことについてはしっかりと国として考えていただく必要はありますが、やはり共生、一緒に共に作っていく、もしくは福井県社会を支えていく、そういった外国人材の必要性というのはさらに高まってきていると私は思っておりますので、そういうところでもちろんしっかりと社会の状況なども見ながらですが、まだまだ今地方には人材が足りないという状況であることは間違いないと思っています。

 

[記者]

 来年度当初予算の編成の関連でふく育県を第一に挙げたというところでリンクしているかどうか分からないですが、高校の授業料無償化の基金などを積み立てていたかとおもいますが、それが一応国で行うということになってその基金をどう活用していくかというところも含めてそういう打ち出し方になっていっているということでいいのでしょうか。

 

[知事]

 基金は子育て全体に対する50億の基金を作ってこれは年によって物事が拡縮するのでそこのところの障害をできるだけ小さくするために基金は作らせていただいております。おっしゃっていただいたような高校の授業料の無償化、福井県は独自にやらせていただいておりましたのでこの財源も来年度他よりも使っていた分が出てくるのですがそれを他のところで取り込もうというつもりもありませんので、大きく言えばそうした財源も別のことに変えながらという意味の継続なんかも頭に置きながらふく育県ということの充実、これを考えていこうと、ただふく育県だけではなくて先ほども申し上げましたが、全ての世代のみなさんに一人一人が安心して安全に生活をしていただける、これが大事だと思っておりますので、高齢者の福祉もしくは福祉ではなくて高齢者の方が楽しく元気に生活できるような環境を作るということも大事だと思いますし、また障がい者の方々も安全安心に住みよい環境で生活していただける、こういうことも含めて全体としてみなさんに今よりもより幸福度を高めていただけるようなそういう環境を作っていきたいというふうに考えております。

 

[記者]

 福井が舞台の「千歳君はラムネ瓶のなか」のアニメの放送が始まったことで期待していることがあれば教えて下さい。

 

[知事]

 以前からチラムネがアニメ化されるということで福井市さんを中心にこれを期待して、しかも聖地巡礼も含めて応援していこうというような動きがあることも十分存じ上げております。私は恐縮ですがライトノベルズを読んでいません。ただこれはとてもいいことだと思います。やはり地域愛というかエルパなんかのシーンが出てきたりとかみんなとても嬉しくなるシーンが、特に福井県民のみなさんにとっては多く出てくるらしいので、こういったものが全国放送されれば地元愛というかふるさとに対する誇りっていうものも高まりますので、ぜひともまずは県内のみなさんにもそういうのを見ていただいたりして応援もしていただければと思いますし、また全国で愛されるそういったものになっていくといいなというふうに期待もしているところです。

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