知事臨時記者会見の概要(令和7年11月25日(火))
令和7年11月25日(火曜日)
16:00~17:20
県庁 特別会議室

[知事]
今日はこうしてお集まりいただきましてありがとうございます。
私からハラスメントに関します県職員からの通報事案について現在の思いをお話させていただきたいと思っております。
これまで私は県、それから特別調査委員によります聞き取りの調査などに誠実に対応させていただいたところでございます。こうした中、私として調査を通じまして通報者の方およびその他の職員に対しましてのセクハラと思われるメッセージを送っていたということの認識に至ったところでございます。
お相手を深く傷つけてしまいましたことにつきまして、極めて重く責任を感じているところでございます。
こうした中、本日、特別調査委員によります調査報告書の公表が年明けになる、来月以降になると発表があったところでございます。調査報告が年明けとなりますと、年明け早々から来年度予算については知事査定が始まりますし、また、人事の作業も本格化するわけでございます。また2月県議会にも大きな影響を与えるということで、県政により深刻な影響を与えるものと思われるところでございます。
また、まもなく12月県議会が始まります。ここでも予算案をはじめとして重要な議案についてご審議をいただくわけでございますが、私がそこでご説明していく、知事として議会に臨むことは適当ではないというふうに考えたところでございます。
県政の混乱を少しでも抑え、一日も早く新しい体制で県政を再始動していただくために、私として知事の職を辞することを決意いたしまして、近日中に退職の申し出をさせていただこうということを宮本議長に対してご相談をさせていただいているところでございます。
今後とも特別調査委員の調査には誠実に対応し、報告書の内容を真摯に受け止めてまいりたいと思っております。
通報をされた方、それから私の言動により深く傷ついておられる方々に対しまして深くおわびを申し上げます。
また、県民のみなさま、県議会議員のみなさま、職員のみなさまの信頼を大きく損ねましたことに対し、心から謝罪をいたします。本当に申し訳ありませんでした。
私からは以上でございます。
~質疑~
[記者]
知事は先日の会見でも、調査結果が出てから適切な対応を取るとおっしゃっておられました。今このタイミングで辞意を表明された一番大きな理由は何だったのでしょうか。
[知事]
今も申し上げましたが、調査報告の結果が来月以降になると伺いました。私はもともと12月議会前に出されるものと思っておりまして、その段階で十分にご説明をさせていただこうという思いでおりました。それが今申し上げましたように、1月以降になれば、これは予算、人事、議会、大きな影響を与えるということ、それからまた調査の過程におきまして、私が送っていたメッセージ、これがセクハラに当たるということを自分でも認識をしたということでございまして、こういったことを自分として極めて重く責任を感じたということで、県政をできるだけ停滞させない、そういったことから今回この表明をさせていただいたところでございます。
[記者]
具体的に辞意の決断をされたタイミングはいつだったのでしょうか。今日になるのでしょうか。
[知事]
ここ数日、2、3日のうちということでございます。
[記者]
報告書の公開が年明けになると知らされたのはいつだったのですか。
[知事]
先週ぐらい、もう近々です。そこまで遅れるという話はですね。
[記者]
それを受けて、辞職について考え始めたということでしょうか。
[知事]
はい。
[記者]
調査結果が出る前に、セクハラにあたると知事ご自身が認識されたということですが、それは具体的には、例えば複数さらに事案があってセクハラにあたると認識されたのか、あるいは最初の通報の一件についてだけでもやはりそれはセクハラにあたると認識されたのか、どういうお考え、思考を経てセクハラに当たると認識されるに至ったのでしょうか。
[知事]
セクハラに当たるかどうかということについては、最終的には特別調査委員から認識が示されるものだと考えておりますが、ただ私の思いとしてセクハラに当たるなという認識に至ったということでございます。これにつきましては、当初の通報事案についてもそうですし、そのほかの複数の職員に対するメッセージがそれに当たるということを調査の過程でいろいろお話もさせていただく中で、自分として認識をしたということでございます。
[記者]
どのようなメッセージを送られたのかということについては、やはり調査の公開を待って明らかにされるお考えでしょうか。
[知事]
これはお相手もいらっしゃることでもありますし、認識にいろいろ違いがあってもいけないとも思います。これまで申し上げているとおり、特別調査委員の方でこれからも調査が続きますので、これに対してしっかりとお答えをしていきたいと、その中で明らかにされるものだと思っております。
[記者]
お話を聞いていますと、セクハラに当たるという認識に至ったことが直接その辞意につながっているのか、あるいはタイミングですね、12月の県議会があって、年明け予算編成、人事があってと、そういうタイミングがあって辞意を考えるに至ったのか、どちらのところが大きいのでしょうか。
[知事]
これはまずセクハラにあたるメールを、メールと言って言葉でいろいろ言うかもしれませんが、テキストメッセージと思っていただければと思います。これはショートメッセージであったり、LINEだったり、メールだったり、SNSのDMだったり、いろいろありますので、そういった可能性があるというだけで何があるかということを今申し上げているわけではなくて、テキストメッセージというふうにご理解いただきたいと思います。
その中身が、まず言ってみれば複数セクハラに当たるということを認識したことで辞職しようと決意をしたということですし、タイミングとして今の時期を選んだのが今日の延期と言いますか、公表が1月以降になるという発表があったということを踏まえて、今日発表させていただいたということです。
[記者]
11月の会見でもお伺いしたのですが、知事は幸福実感ということを掲げられて県政を進めてこられたと思います。やはりその心理的安全性を守るというところを大事にされていたのかなと思いますが、そこをやはり犯してしまったと、脅かしてしまったということを相当重く受け止められたということでしょうか。
[知事]
おっしゃるとおりで、本当に申し訳ないと思っております。
[記者]
知事が辞職されるとなると、当然知事選が行われることになると思います。その知事選に知事ご自身は立候補されるお考えというのはありますか。
[知事]
今そんなことを考えられるような状況にはありません。
[記者]
次の知事選にあたって、候補者の擁立に関して何かお考えになっていること、あるいは希望などそういうことはありませんか。
[知事]
全くございません。これはもう県民のみなさま方がお選びになられるものだと考えております。
[記者]
6月から直接の調査というのはスタートしているかと思うのですが、そこからセクハラに当たるのではないかというテキストメッセージの内容等々について、いろいろヒアリングもあったかと思うのですが、どのあたりからご自身でセクハラということを認識するようになったのでしょうか。
[知事]
どのあたりかちょっと、自分でも分かりませんが、そういった聞き取り調査を踏まえながら、セクハラなんだなと認識をしたと。当初の段階はとても自分の認識が十分でなかった、不十分だったと反省もしているところです。
[記者]
最初送った時はセクハラのテキストメッセージを送っていると認識はなかったということですよね。
[知事]
申し訳ありません。本当に認識は十分でなかったんだと思っております。
正直申し上げて、もともと自分は、若い頃からもそうですが、一緒に仕事をしている仲間、後輩もいますが、そういうのは仕事の仲間だとか、親しい友人だとか、親しい後輩だとかそういう感じでざっくばらんにずっと付き合ってきております。それは男性も女性もということですが、やりとりの中で、非常に自分としては軽口だとか少しふざけたつもりで書いていたということがもともとあったのだと思います。そういうことが今見れば、これはもうセクハラだったんだということを強く認識したということでございます。
[記者]
これまでも働く上で、近い職員たちとはそういうふうなテキストメッセージのやり取りも通じながら、少しフランクに会話をするような仲であることが、仕事を進める上でいい関係だと思いながら県政運営をやられてきた、そういうふうなスタンスで知事としてはやってこられたということでしょうか。
[知事]
おっしゃるとおりでございまして、以前から周りの職員とは、もしくは同僚も先輩もそうですが、そういう方々とできるだけ胸襟を開いてフランクにお話もするし、それから気持ちも述べ合うというようなスタイルでやってきたつもりでおりました。
ただやはり一番大きく認識がずれていたのは、知事という立場に立って、その職員の、もしくは周りのみなさんがどういう思いで私と接しているかということの差というか、落差というか、違いということを自分で認識しないままに、昔のままの思いで、こういうざっくばらんな関係なんだっていう思いで続けていたことが今回のことになったなと、深く反省をしているところです。
[記者]
その内容については、仕事、業務以外のことも送り合う間というか、そういう内容のことも送り合っていたということでしょうか。
[知事]
職員とやりとりをするときはほぼ仕事からというか、仕事起点かもしれませんが、もちろん仕事以外の私的な中身を日頃でもやり取りすることはあります。
[記者]
ただそこについては知事と職員という上下の間柄というのは必ずあって、それは抜けるものではないということはあるかと思うのですが、その中でもそういうような私的なメッセージというのを送られていた、そこの認識について欠けていたというところはいかがでしょうか。
[知事]
そういったこともあったのだろうと思います。
[記者]
そういう中でご自身として、調査が進められる上で、セクハラに当たるであろうとご自身でも認識をされ始めて、結果的に今日に至ったということですが、この辞職というところが頭をよぎるようになったのはいつ頃でしょうか。
[知事]
特別調査委員の職員向けの調査をされまして、それの期限が延びた最初10月30日でしたかね、それが10日まで延びたのですかね、その段階で何もないのかもしれないというような思いもありましたが、やはりそれで延びたということは何らかの反応があったんだなというところで、自分としてはいろいろとやはり考えを改めたというところかと思っております。
[記者]
ということは今月頭ぐらいのところのタイミングで、これは混乱はかなり大きくなるであろうという認識に至ったということでしょうか。
[知事]
そうですね、おっしゃるとおりです。
[記者]
今日新たに知事の方から発言のあった、通報された方は1人だったかと思いますが、調査の上で複数というようなお言葉がありました。そのあたりもやはりご自身として認識できるメッセージ、それはやはり複数の職員に対してだったなという認識でしょうか。
[知事]
そうですね、これはお相手の受け取り方ということもありますので、具体的に誰がとかそういうことではございませんが、自分としてもこれはもうセクハラに当たるなというものが複数あると認識したということです。
[記者]
これはこの内容の深さというか、その辺が調査報告書というのが明らかになっていないので、こちらも全然分からないのですが、当事者のセクハラの度合、内容について知事はどのようにその内容について受け止めてらっしゃいますか。
[知事]
これは特別調査委員の方でしっかりと調査をしていただければと思っております。
[記者]
12月県議会前ということで、当然12月県議会自体もちょっと混乱をきたすかなというふうにも思いますし、県政の停滞、そのあたりというのは、この後しばらくはやはり生んでしまうのかと思いますが、任期も途中である、県議会の直前である、報告書が出る前であると、こういうようなタイミングで、今日やはり辞任をすべきだったのでしょうか。
[知事]
これは冒頭にも申し上げましたが、より深刻な県政の混乱を招かないようにする、そのためにいつの時期がいいかと考えまして、今日のタイミングになったと考えております。
[記者]
辞職されるのは近日中にとおっしゃられたかと思うのですが、近日中というのは具体的にどのあたりまでの話でしょうか。
[知事]
これは県議会のいろいろなご意向なども伺いながら、少しご相談をさせていただこうと思っております。できるだけ早い段階と思っております。
[記者]
それは12月県議会が始まる前でしょうか。
[知事]
多分この時期ですと、それも分かりません、私はそれでもとは思いますが、ただいろんな日程等もあると思いますので、これは虚心坦懐ですね、県議会とよくご相談をさせていただくということだと思っております。
[記者]
先ほどのやりとりの中で、知事選がある時に出直し出馬に関して聞かれたお答えが、「今考えられる状況ではない」というお答えだったと思います。これは出るとも出ないとも決めていないという意味ですか。出ることを明確に否定されているようには聞こえなかったのですが、出る可能性があると考えてよろしいですか。
[知事]
今は全く考えていません。
[記者]
考えていないというのは出ないという意味ではないということですか。
[知事]
今考えておりません。
[記者]
出ないのなら出ないと明言されてほしいのですが、可能性はどちらもあるということですね。
[知事]
今考えていません。考えられないと申し上げたと思います。
[記者]
わかりました。その場合に少し気になることが、1月に最終報告がずれ込むとすると、知事選の時期によっては、詳しい中身が明らかにならないまま、杉本達治候補が出直し出馬するということがあったら、これは少しフェアではないと思うのですが、こういったことにはならないということは言い切れるでしょうか。
[知事]
申し訳ありません、仮定のご質問にはお答えできません。私今知事選に出ようと考えているわけではありませんので。
[記者]
時期を考えるのは、そのあたりもやはりつまびらかにした上で、県民の信を問うというならわかるし、私はもう全く出る資格がないので、次の方にということで1日も早くと、そういうのならわかるのですが、何も明言されないまま、その時期を考えているとおっしゃっても、それはやはり少しどうなるかは非常に心配です。
[知事]
私今出るつもりはありません。
[記者]
出ないという意志が今強いということでよろしいのですね。
[知事]
今出るつもりはありません。
[記者]
わかりました。これは福井に限った話ではなく、最近首長さんのハラスメントというお話が出てくることが多くて、これは最近多発しているのか、明るみに出ることが増えたのか、それはどちらなのかは分かりませんが、やはり福井だけの問題ではないとも思うのですが、知事自身何が足りなかったかや、権力者のハラスメントを防ぐためにどうしたらいいのかなど、そういったところをご自身の経験から言えることは、何かないでしょうか。
[知事]
申し訳ありません。私にその認識が足りなかったから、今日を招いていると認識しています。
[記者]
先ほどの男女問わずざっくばらんにという言葉がありましたが、記者の扱いにも男女少し差があると、多くの記者が感じていて、本当にざっくばらんなことだけなのかと少し違和感があるのですが、やはり女性に対する姿勢というのも、ご自身に対して問題があったと思ってないのでしょうか。
[知事]
問題があったからこういうことになったのだろうと深く反省をしています。ただそういうつもりがあったわけではありません。
[記者]
問題が明るみになってから、あるいは定例会見の場で県民への説明責任を尽くすという話があったかと思いますが、今の段階で辞任を表明されますと、調査結果の内容が出てきたタイミングで、知事の説明がないままになってしまう可能性もあると思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。
[知事]
一般的に考えれば、知事ではないと思います。いずれにしても調査結果については私としては真摯に受け止めて、また必要な対応をしてまいります。
[記者]
もう一点、今後の県議会の運営、県政運営、それから予算、人事などを考慮した上での辞任ということだと思いますが、一方で12月というのは、北陸新幹線敦賀以西の認可・着工について重要な時期であり、原発に関して言えば、乾式貯蔵の事前了解もいつというのが、六ケ所の問題もあり、先延ばしになっている、そういった状況かと思います。そういった中で知事選ということになる、あるいはご自身がお辞めになるということについては、どのようにお考えでしょうか。
[知事]
おっしゃる通りで、私ももともとは報告書を受けて、それに対して自分の考えも述べていこうと考えていましたが、より深刻な影響がやはり1月に入ればあり、自分のハラスメントについての認識もあるという中で、今の時期の方が適切であろうと考えたところです。
[記者]
もう一点、先ほど冒頭で議長の方には申し入れというお話もありましたが、後援会や県議会議長以外の方には、すでに辞任の意向はお伝えになっているのでしょうか。
[知事]
これは必要に応じて、今させていただいているところです。
[記者]
先ほど調査結果が出た際には、真摯に受け止めて必要な対応をするとおっしゃられましたが、必要な対応というのは、公の場で県民に対する説明は含まれていると考えてよろしいのでしょうか。
[知事]
必要な対応をさせていただきますので、説明もさせていただきます。
[記者]
知事はその説明も必要と考えていらっしゃるということでしょうか。
[知事]
それは内容によりますが、必要な対応をさせていただきます。
[記者]
わかりました。ここまで県政のより深刻な影響を避けるためにということで、このタイミングでの辞任を表明されたかと思いますが、ここに至るまでも、県の方、県政の方、職員の士気等に影響を与えているかと思います。その点についてはどのように今お考えでしょうか。
[知事]
特に10月22日に特別調査委員による調査が始まるという会見をさせていただきましたが、それ以降は多少なりとも影響はあったのだろうと思っています。ただ、前はほぼ職員が知る状況にもありませんでしたが、それ以降も含めて、本当に職員のみなさんは普通のようにやっていただいていました。また県民のみなさんもできるだけ冷静に受け止めていただけていて、大きな混乱や影響もなく、ここまでは私としてもこれまで通り、一生懸命全力で県政の運営ができてきたと考えています。
[記者]
先ほど北陸新幹線、これから年末に向けて予算や、乾式貯蔵の事前了解の話など、重要な時期に差し掛かってくるということが出ましたが、その道半ばで、職を辞することに対する知事自身の思いはどのようなところであるか聞かせてもらえないでしょうか。
[知事]
もちろん任期の途中で辞めさせていただくということは、大きな影響があると認識をしていますし、今も非常に重要な局面であるということは認識しております。やはりより大きな深刻な影響をできるだけ避けるという思いで今回表明をさせていただいています。本当に県民のみなさま方にご迷惑をおかけしますことを心からお詫びを申し上げます。
[記者]
知事自身が特にやり残したことや道の半ばであると感じていることを、具体的に知事の口から教えていただけないでしょうか。
[知事]
まさにみなさまおっしゃっていただいていることが大きな課題だと思います。北陸新幹線小浜京都ルートが今この先どれだけ早く認可・着工に結びつけられるのかということもありますし、原子力の乾式貯蔵をはじめとして、使用済燃料の課題もあります。また、子育てやアリーナ構想も、今緒に就こうとしているような状況でもありますし、新幹線開業後の県内の発展をさらに拡大していかなくてはならない、そういう重要な局面だということも認識しています。また福祉の面もこれからさらにやっていかなければいけないところも大きいですし、もう本当に課題は尽きないと認識しています。
[記者]
2期6年超の県政の中で知事ご自身として達成されたこと、功績等についてご自身で考えられているところがあれば教えてください。
[知事]
まだ道半ばではありますが、やはり北陸新幹線の開業に向けて、まちづくりや恐竜王国福井も一生懸命やってまいりましたし、アリーナもそういった方向に向いてやってまいりましたし、やはり北陸新幹線の開業に向けて、もしくはそれを活用してというところは非常に大きいと思っています。結果としても幸福度日本一ということは続けておりますが、幸福実感も日本一になって、ウェルビーイング日本一という状況になっているということは、県民のみなさまは本当に一緒にこうしてここまで県政発展していただいていて、とてもありがたく嬉しく思っているところです。
[記者]
知事選になるかと思います。後任の方には、ご自身がやり残したことを引き継いでいただきたいというような思いはありますか。
[知事]
私はもちろん引き継ぎはさせていただきます。引き継ぎはいたしますが、新しい体制のもとで、その新しい方のお考えでしっかりと前に進めていただくということが大切だと思っています。
[記者]
最初の通報以外に、複数セクハラに当たるのではないかとご自身が認識されたメッセージがあったということですが、複数というのは具体的に数字で言えば、どれぐらいあったのでしょうか。
[知事]
これはお相手の方もいらっしゃいますので、複数ということです。
[記者]
例えば10件までいっている、いっていないなどで言うと、どうなのでしょうか。
[知事]
複数ということです。特別調査委員の方で明らかにしていただければと思っています。
[記者]
副知事時代から存じ上げて、非常に今回の件というのは残念な思いがします。セクハラに関して、通報者の方とは別に、複数の案件も認められたということで、これテキストメッセージとしては同じような内容の形で、相手がセクハラだと認識するような内容だったのか、それとも何か違う内容だったのか、県民はなぜ知事が辞められるほどのセクハラをしたのかということが、非常にわからないと思うので、もう少し具体的にお話していただきたい。また、ご自身の中で減給などいろいろ考えもあったかと思うのですが、この辞職に至ったときに、セクハラを認めて辞職に至ったのは、どのように重大に受け止めているのかということをもう少し教えていただけますか。
[知事]
辞めるほどのセクハラの内容なのかなどについては、特別調査委員の中でしっかりとご議論いただき調査いただければと思っています。私は程度というよりも、結果として自分の認識が非常に甘かった、不十分な結果、お相手の方を傷つけてしまった。そして自分が今知事という立場にある、そういったことを極めて重く責任を感じて、今回辞職をさせていただくというところです。
[記者]
もう一点、知事や各首長さんがこのセクハラに限らず、ハラスメント事案というのが非常に多く出ていた中で、知事は他山の石というか、そういう認識はなかったのかどうかというところをお伺いしてもいいですか。
[知事]
一つ一つの報道については、自分で思うところはありましたが、いかんせん自分としてそうした認識に至っていなかった、不十分だったというところが大きな問題だったと思っていますし、深く反省をしています。
[記者]
知事という立場は、やはりその人事権も財政的なところも含めて、非常に優越的な地位が強いという立場の中で、やはり職員に対する思いが非常に不十分、少し言えば軽率だったと思うのですが、そのあたり認識はされていなかったのでしょうか。
[知事]
おっしゃるご指摘は重く受け止めさせていただきます。そうした認識が極めて足りていなかったということだと思っています。
[記者]
私も新幹線敦賀以西を記者として担当している立場として、知事の今回の事案は非常に残念だと思っております。沿線都道府県でつくる同盟会の会長という立場でもあり、小浜京都ルートの旗振り役として、本当にこれから重要な局面でした。繰り返しになりますが、知事の今回の辞任によって小浜京都ルートという、この波が停滞することが避けられないのかなと思います。そこの責任を改めてお聞きしたいと思います。
[知事]
おっしゃるとおりでございまして、私も一生懸命、なんとか小浜京都ルートで1日も早く大阪に全線開通できるようにと思ってやってきました。結果として、こういうことになりまして、この後全ての関係者のみなさま方に大きなご迷惑をおかけするということを深くお詫びを申し上げたいと思っています。ただいずれにしましても、この課題は、もちろん新しい知事になられる方も、当然その方向に向かって力を入れていただく必要もありますし、これは福井県知事もしくは私が一人でやることではなくて、本当に日頃から県議会も含めて、とても一緒に力を合わせながらやっていくということですので、今後とも新しい体制の下で力を入れて進めていただければと考えているところです。
[記者]
地元小浜市も市長をはじめ、市民のみなさんが小浜ルートをいち早くつなげようということで団体も立ち上げて運動しています。この地元小浜市に対してはどのように今思い至っていますでしょうか。
[知事]
今までは本当に応援もさせていただき、というか一緒にやりましょうということでやらせていただきましたし、今回こういうことになりましたことを本当に心からお詫びを申し上げたいと思っています。
[記者]
今回知事が辞任を表明された理由の一つとして、複数の同様の事案をセクハラに当たるとご自身が認識されたという説明がありましたが、これは調査委員から他にも職員から同様の話が出ているなど、他の類似事案があるという説明があったわけではなく、知事ご自身が思いを巡らせる中で、同様の聞き取りに答えるなどする中で、同様の事案があったとご自身が思ったのか、どちらの話になのでしょうか。
[知事]
まず、私の認識としてということでご理解をいただきたいと思います。決して特別調査委員から、これはセクハラなど、そういう指摘を受けているわけではないということです。ただ一般的なセクハラについての、相手の方の思いなどについてはお話を聞かせていただいたりもしておりました。そういったやりとりの中で、私として、あともう一つ大切な事実としましては、特別調査委員のお考えを、今の状況について、なんら私に情報があるわけではないと、これは全くそういう状況で独立して、しっかりと調査をされていると思います。ただ私として、今までのやり取りの中でいろいろお話を伺っている中で、自分がやってきたこと、これを振り返って、それに当たるということを認識したということです。
[記者]
その点もう少しお聞きするのですが、知事が認識している複数の事案というのは、いずれもテキストメッセージを送ったということに限るのか、それとも何か例えば2人で会ったりなど、どこかに飲食に誘ったりなど分かりませんが、テキスト以上の行動も何か思い至ったのか、どうですか。
[知事]
食事に行ったりなどしたことも、これは仕事上でも含めてありますので、そういう意味では機会というか、可能性としてあり得るということは認識しています。ただ私が今思っていますのはメッセージのやり取りということです。
[記者]
さらに少し聞きますが、知事が思い至っている複数の事案におきまして、お答えできる範囲でいいですが、例えばご自宅に職員を呼んだりなど、あるいは大変失礼な言い方になりますが、ホテルに例えば呼んだりなど、そういった事案は何か思い当たることはありますか。
[知事]
自宅は日頃からいろいろな、今までもそうですが、仕事上もそうですが、いろいろな人が来ますので、そういう意味では、呼んで、おいでよ、などということの思いはありませんが、ホテルなどそんなことも全くございません。
[記者]
知事が思い至っている複数の事案は、いずれも2019年の知事1期目就任以降の話なのか、あるいはその以前の副知事や総務部長時代も含めて思い至ったのか、その点はいかがですか。
[知事]
これはいつということは必ずしも流れの中ではありませんが、ただやはり今調査されていて、知事になって特に今こうして公職にあるというようなことを強く意識して、今のセクハラのメッセージを送っていたなというふうに思う、その知事以降ということを考えています。
[記者]
知事就任以降ということですか。
[知事]
はい。
[記者]
少しプライベートに踏み込む質問になるので、お答えできなければ結構ですが、ご家族への説明で、特に奥様にどのように説明をされているのか、そしてどのような反応と言いますか、お言葉を受けられたのか言える範囲で教えてください。
[知事]
私が今回の通報事案を知ったのが6月の初めでしたが、その頃から妻には中身も含めて詳細にも話しましたし、経過の中でいろいろ起きますと、その都度説明もしてきておりまして、妻は本当にずっと辛い思いをしているなというのを、顔を見ていても感じていました。ただそうは言いながら、非常に気丈に、今朝も含めて支えてくれていると思っていますし、そういう状況にあるということです。子どもたちにもお話をしました。びっくりしておりましたが、そういう状況です。それ以上はちょっと。
[記者]
大事なところなので、確認の質問なのですが、出直し戦について今は考えていないとおっしゃっていて、次の体制でということも発言もされているので改めて確認したいのですが、出直し戦には出馬されないと報道して大丈夫でしょうか。
[知事]
今は考えていないということでございます。
[記者]
少し時間が経てば検討するということもあり得ますか。
[知事]
今は考えていないということでございます。
[記者]
特別調査委員のお考えについては全く知る立場にないということなのですが、相手の方の話を聞く機会があったということなのですが、どのような経緯で聞く機会があったのでしょうか。
[知事]
相手の方の話を聞く機会があったということは言っていないと思います。
[記者]
先ほど被害者の方の話を聞いたと話していたと思いますが。
[知事]
そうだとすると私はそのことを言い間違えていると思います。聞いたことも接触したこともありません。
[記者]
特別調査委員がどういう調査をしているかも分からないが、セクハラにあたるメッセージを送ったという認識に至ったというのは、自分が送ったどのメッセージがセクハラにあたるかというのを理解した上でセクハラと認識しているのか、どのメッセージが自身で理解された上で判断されているのでしょうか。
[知事]
私は特別調査委員として、どういう情報に基づいてどんな調査をされているかについては、通報事案についてはいろいろな状況についても聞かれましたので、特別調査委員の方々との話し合いとして、通報事案の内容について少しやりとりはしておりますが、それ以外については何も知り得る状況にもございません。ですので、先ほど来申し上げているように、セクハラという認識は私が複数持っているということであって、調査員の方がこれからいろいろと私にも含めて、調査して結論を出していただくのだろうと思っています。
[記者]
通報事案に関しては特別調査委員の方と話し合いをする機会があったということですが、それ以外も複数の事案を認識しているということなのですが、それについても特別調査委員の方から説明があったということですか。
[知事]
いいえ、全くありません。私は通報事案についてだけ、まず特別調査委員から聞き取り調査を受けているということで、それ以外の事案についてまだ調査を受けておりません。
[記者]
通報事案について話し合いをする中で、他にもそういったメッセージを送った認識があるというふうに思い直したということですか。
[知事]
自分としてそういう認識に至ったということです。
[記者]
辞職の決断というのは、ご自身でセクハラという認識に至ったということなのですが、辞職の決断というのもご自身お一人でお決めになったことなのか、あるいは職員の方からそういう進言があったり、ご家族の方からそういう進言があったり、そういったことはありましたでしょうか。
[知事]
以前からご相談している方はいますが、最後は自分で決断しているということです。
[記者]
前回の知事会見の際には、自身の進退について問われたときに、適切に報告書をもって、というふうな形でおっしゃられていました。ただ先ほどの質問では、11月の、今月の頭の頃には、もう辞職ということは考えられていたというような回答もございました。どちらのほうが先だったのでしょうか。
[知事]
11月の頭の頃から思い始めていたと、まだ決断するなど、そういう状況にはございませんでしたし、やはり本日、1月以降に報告書が発表されるということを受けて決めたということです。
[記者]
もちろんいろんな方から声もかけられたと思いますし、これから県政の停滞というところでご自身の辞職を決められたのは知事の判断だと思います。しかし一方で、応援されていた方もいらっしゃったかと思います。そういった方たちの前でこうやって辞職を選ぶしかなかった、そのところについて何かしらお気持ちがあればお願いします。
[知事]
私の周りは、10月22日以降も本当に温かく見守ってくださるばかりではなくて、とにかく頑張れと、もしくは県政頼むと、こういうふうに強くおっしゃられる方が本当に多かったと思っています。そのため今日までも全力でやらせていただいてまいりましたが、先ほど来の経緯で、本日このように表明をさせていただきました。本当に申し訳ないと思っています。
[記者]
今、夢半ばで2期目の途中で辞職されると思います。今の時点でやり残したこと、県政の課題ではなくてご自身が知事としてやり残したこと、それがあればお願いします。
[知事]
これはまさに県政の課題そのものだと思っています。今までも県民のみなさんの県民益、これを最大化するというのが私の思いでしたので、この時点で課題として残っているものすべてが道半ばということだと思っています。
[記者]
お話かぶるようで少し嫌な質問にはなってしまうのですが、会見や22日の囲みの時には報告書が出たら適切に対応するという話でした。ただ今回は報告書が出る前に、報告書の公表という時期が見通された時点で辞職の判断をされたと、そこに関しては少し一貫性がないように思えてしまうのですが、そこの批判に関してはいかがでしょうか。
[知事]
先ほど来申し上げている経緯ではございます。その上で報告書が出て、もちろん説明は、報告書が出た時に私として必要な説明をさせていただくということですので、一番重い判断を早くしたということかと思っています。
[記者]
今回ではなく、その前の時点ですが、報告書が出たらどのような内容をご自身の口から説明しようと思ったのですか。それと、また今回先ほども少し出ましたが、辞められた後には知事の口から説明する機会はなくなってしまうのですが、そこに関しては説明責任というところでどうしようと思っているのか、2つお願いします。
[知事]
報告書は内容が出ているわけではありませんので、中身について私は何か今申し上げられることはございません。一方で報告書が出れば、もはやその段階では今の状況であれば知事ではありませんが、必要な説明はさせていただくということです。
[記者]
必要な説明というのは例えばSNSなどそういった発信ということですか。
[知事]
これは中身を見ないと分からないと思います。
[記者]
原子力に関連してお伺いします。乾式貯蔵の事前了解の判断もさることながら、福井県が構想している国内初のリサイクルビジネスであったり、当然高経年化プラントをどう安全安定運転していくよう事業者を指導していくのか、監視していくのか等々、福井県はトップランナーとして様々な課題はあったと思います。改めて、原子力行政に与えるこの影響というのを今知事はどのようにお考えなのか聞かせてください。
[知事]
おっしゃるように本当に今重要な時期を迎えていると思います。ただ私も西川知事からバトンをいただいたときも思いましたし、現状も思いますが私が一人で何かをやっているわけではなくて、本当に福井県の原子力行政というのは以前から積み重ねがしっかりとあって、職員の中の積み重ねもある。そういう中で、我々はそれを少しでもいい方にということで私は努力はしておりますが、優秀な職員、もしくは様々な専門家のみなさんがいろんな導きをしていただいてこのような状況になっておりますので、これからも新しい体制でしっかりと支えていただきながら、より良い県民益を目指していただければと思っているところです。
[記者]
今の在任期間を振り返って、関西電力の原子力発電所が廃炉を除けば全て再稼働を果たしたり、一方で使用済み核燃料の県外搬出、これに関連する中間貯蔵施設の県外計画地点の問題、これに関わるロードマップ、またロードマップの破綻等々様々なことがありましたが、改めて原子力行政を在任期間中振り返られてどのような受け止めがありますか。
[知事]
私は総務部長時代も副知事時代も原子力行政はいろんな形で携わらせていただきました。本当に先ほどのお話にもありましたが、福井県というのは様々な形で全国の原子力の課題もそうですし、またいろんなことを前に進めるという意味でも最先端をいつも行っているなと思っています。そういう意味では本当に難しい選択を常に迫られる状況でございましたが、ただ本当にいつも原子力行政三原則と申し上げますが、こうしたしっかりとした原則があって、また立地地域のみなさんが志を持ってこういったことをずっと支えてきている。そして県議会でいろんな議論をいただいたり、専門家のお話を聞かせていただく。そういう大きな仕組みがあって、その都度何とか県民のみなさんにご理解いただけるような形でここまでやってこられたのかなと思っていますし、また今後ともそうしたことでさらに今前進をしていただければと思っています。
[記者]
あと一点原子力とは別ですが、特にこれまで知事を支援されてこられた関係者の方々から、今回の事案の概要であったり、中身がわからないからこそなのですが、今回辞意を表明されたとしても、改めて出直し戦に出馬して県民の信を問う、それが当然ではないのかと。逆にこのタイミング、まだ中身が何もわからない状況で職を辞する、そのままいらっしゃらなくなってしまうという、そういうのは逆にちょっとあんまりじゃないかっていうような声もありますが、その点に関してはどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
[知事]
ここは本当におっしゃるとおりで、私の思いとしてはもともと今月中にも報告書が出て、そこで私も12月議会含めてご説明をしながらとか、そういった思いはもともとは持っていたというところです。ただ今申し上げてきた経緯のようなことで、自分として認識を持ちですね、なおかつ報告書の時期が非常に重要な時期に重なってくるということで、今回の表明に至ったということです。本当に支援者のみなさんはもちろんですし、それ以外のすべての県民のみなさんに対して、心からお詫び申し上げたいというふうに思っています。
[記者]
まず細かいところの確認ですが、県議会議長への辞任意向の提出が事務的な手続きにはなるかと思いますが、知事ご自身として退職する時期のお考えというか、何日付けを想定して今こういうご発言をされているのかというのをお考えがあれば教えてください。
[知事]
これは今日も議長に申し上げましたが、議会のお考えもよく聞かせていただきながら、と申し上げております。ただ私の思いとしてはやはり12月議会、重要な議案をご審議いただく、そういうような場所ですので、私がその知事として議会に長く臨むということは適切ではないのではないかということは申し上げていますし、そういった中で、議会とよく調整させていただいて早い時期にと考えているところです。
[記者]
12月議会で知事として説明するのは適切でないというようなお話がありましたが、議会側からもし求められた場合は12月議会で本県の通報事案も含めて知事ご自身から説明されるというお考えはありますでしょうか。
[知事]
これは12月議会の議事の中でやるのかどうかということは、それはまた議会でお決めいただけばよろしいかと思いますが、いずれにしても県議会のみなさんに対してご説明をさせていただく機会は、議会のお考えですが、持たせていただくのではないかなと考えています。
[記者]
ここからどういう手続きになるかまだ分かりませんが、退職されるまでに知事としての果たさなければいけない責務というか、知事が在任の間にやらなければいけない何か仕事というか残されたものが何かご自身の認識の中であるようであれば教えてください。
[知事]
どちらかというと危機管理的なことがもしあればですが、これは当然のことながら最善を尽くすということはもちろんでございます。とはいえ、それ以外例えば長い過程を経て何かを決めていくようなことは私がすべきではないのではないかと思っております。ただ緊急に、やはりいわゆる本当の危機事象でなくても相談等あれば、職員に対して助言も行いますし、また、福井県として、何かをしなければいけないようなことがあって、どうしても知事でなければということがあれば何かするかもしれません。ただ基本的には今は新しいことを始めるというか、何か私が決めるとかいうような状況ではだんだんなくなっているなと思っています。
[記者]
前回の定例記者会見で報告書の取りまとめの後にご自身で事案について説明されるというような意向をお示しいただいたかと思いますが、この場がその県民含めて説明になるのか。それとも調査報告書の後で公職という形ではなくなるかもしれないですが、なんらかそのような説明の場を設けるお考えが現時点であるのかないのか教えてください。
[知事]
報告書の中は見ないと私も分かりませんので適切に対応するということだと思います。今回の辞意の表明については、まずはここでみなさんにご説明をさせていただくことで、一つは大きく県民のみなさんに対するご説明ということでもありますし、またこの後県議会でもしっかりとご説明をさせていただくということが大切なのだろうと思っています。
[記者]
最後に1点、今回の調査通報事案に関する調査では通報者の方との直接的なやり取りは特になかったと先ほどお話しいただいたかと思うんですが、ご自身でセクハラにあたるメッセージなのかもしれないと認識されたということは何件か該当するメッセージというか職員さんなりお相手が頭に思い浮かんでいるかと思うのですが、今日までの時点でそういう方々に例えば謝罪であるとか何かコミュニケーションを取られたりとかそういうことはありますか。
[知事]
私がいわゆる誰かに直接謝罪するとかいうことはございません。
[記者]
私が県政担当する以前はコロナ禍であったかと思いますが、知事就任直後からコロナ禍があって大変な県政運営であったかと思います。そうした中、新幹線の開業を迎えたり、原発の再稼働であったりということがあったかと思いますが、そういった知事のご功績を踏まえて、調査結果の概要が明らかになっていない中で、なぜ今なのか、あるいはどうして辞めなければいけないのかと思う県民の方もいると思います。その一方で、知事の問題が公表された後、県庁内などを見聞きしていたときに通報者の方を責めるような言動をされる方も少なからずいるということも聞いています。今日ライブ配信もしている中で、県民あるいは県庁内の方がこの問題についてどう向き合うべきかを、知事として何かメッセージを発信してくださればと思います。
[知事]
本日お話をさせていただいて、知事の職を辞する表明をさせていただきました。この間、いろいろな形で私に対して叱責の声もありましたが、多くの方に激励もいただきました。また、頑張れというようなお話もありました。そういった思いの中でいろいろなことを思っている方もいるかもしれません。それは本当に私としてはありがたいと思いますし、また叱責であれば重く受け止めさせていただきたいと思っています。いずれにしましても、今回の件は私が起こした大変申し訳ない行為であったと思っています。相手の方は被害者ということになるので、こういったことについてしっかりとみなさま方、私に対してとても優しいお気持ちをお持ちになっていただけるということはとてもありがたいところですが、被害者の方の思いもぜひ汲み取っていただければと思っています。いずれにいたしましても全て私の責任です。申し訳ありませんでした。
[記者]
知事が思い至っている複数の事案につきまして、重ねて質問いたします。基本的には県職員の方への知事が不適切と認識しているメッセージということで私は認識していますが、職員以外の知事の支援者や、マスコミ関係者や、県職員以外への不適切な言動、発言はあったのか、この辺は知事ご自身が振り返ってどのように思っていますか。というのも、その後から調査とは別に、実は私もというような話がないと思いますが、そのようなことも想定もされると言いますか、なので考えをはっきりとお聞きかせください。
[知事]
私は今、特別調査委員のみなさま方に調査をしていただいています。これは今回の事案に基づいて全職員に情報提供を求めて、いろいろ調査をされていると思います。今回のようなセクハラのテキストメッセージなど関連するようなことについてもいろいろな情報などもあると思います。また私のことを言えば、職員だけということは確かになかったかもしれないと思います。そういうことから言えば、もしそういったつもりは全くありませんし、思いもありませんが、もし不快に思っている、辛い思いをされている方がいれば、それに対しても本当に深くお詫びを申し上げたいと思います。
[記者]
今後の身の振り方ですが、知事が現時点ではなかなか考えるのは難しいかもしれませんが、この政治の世界に身を置くことについてはそうあるべきなのか、全く別の道を歩むのか、今の考えをお聞かせください。
[知事]
今はもう後のことは全然考えられる状況にはないと思っています。
[記者]
セクハラの件はあったとはいえ、知事の県政を振り返ると2期目の重要課題でいえば、今新幹線のルート問題、敦賀以西早期認可・着工、ここも国に対しても積極的に働きかけを行われていたかと思います。あと、関西電力の乾式貯蔵施設の設置に向けたいろいろな宿題、条件についても、いろいろと直接的に関わりながら国のリーダーシップも取ってもらえるように働きかけながらやってきた経緯を見てきたと思っています。あと、アリーナについても、整備についてはかなり知事自身が福井県の中でリーダーシップを取ってやられてきたように感じられますが、この辺の中でも重要課題とされるようなことが今日の辞職の表明によって完全に道半ばで終わってしまうと思います。この辺について知事ご自身の思いを、ご自身が先頭に立ってやることができなくなるということについて、ご自身ではどのように捉えていますか。
[知事]
まずはこうして私がみなさま方の思いを受けて形にしようと努力してきたことを途中で私がこうして辞任をするというような形で…。ただ一つはこれは引き継ぐということだと思っていますので、道半ばではありますが、常に何事も道半ばであると思っていますので、私としてこれを最後までみなさんのご期待に添えるようにできなかったことについては本当に申し訳ないと思っていますし、この後しっかりとまた形にできていけるように、次の新しい体制にできるだけスムーズにバトンタッチをしていければと思っています。
[記者]
全うできなかったところについての悔しさやじくじたる思いなど、そのような感情をお聞かせください。
[知事]
私が悔しいというよりは本当に申し訳ないと思っています。いずれにしてもこうした課題は、もちろん別の課題を大切にされる新しい体制になるかもしれません。そういうようなこともあるかもしれませんが、それはそれとしてまた新しく県民益を十分に考えてやっていただけるのだろうと思いますので、私としては本当に申し訳ないと思いつつ、その上で次の方に早く次の県政を再スタートしていただきたいと考えています。
[記者]
ご自身がリーダーシップを取って最後までやりたかったという思いよりは、申し訳ないという思いの方が勝ってしまうというところでしょうか。
[知事]
先ほど申し上げているというか、私のこれまでずっと担ってきた県政の思いそのものは、県民のみなさんの思いが何であるのかということを考えて、それを形にしていくことだと思っていますので、私の後の方もしっかりとそれを担ってくださるのではないかと思っています。今はいずれかといえば、本当にここで今までのみなさま方の期待に合わない、そぐわない状況になったということに申し訳ないと思いつつ、次の方に県民の思いというのを引き継いでいってくださればという思いが強いということです。
[記者]
やはりずっと聞いていますと、テキストメッセージの内容が全くわからないというところに端を発して、何かもわからないなという思いが拭えないのですが、知事ご自身は今回の通報事案、それから自分で思い当たる複数の事案についてテキストメッセージをどういうつもりでお送りになっていたのか、その点はどんなおつもりだったのでしょうか。
[知事]
これは日頃の日常の雑談の延長だったということでしたが、本当に内容的に自分として知事という立場以前に、人として申し訳なかったなと。後から見れば、ざっくばらんに楽しくというつもりで書いていたその瞬間はそうだったのだろうと思いますが、今考えてみれば、本当に申し訳なかったなと思い、またなおかつ知事としての立場であればなおのこと、そこのことを意識すべきだったと考えているということです。
[記者]
性的なメッセージであるという認識よりは、冗談めかした、その場の会話を盛り上げるような、そのようなおつもりで送ったメッセージだったということでしょうか。
[知事]
このようなこと申し上げられるような立場ではないということは十分認識していますが、まさに日頃からざっくばらんというところは昔からのそれがずっと習い性で来ていたというところもありまして、冗談や軽口などそのような思いで自分として書いていたと本当に深く反省をしています。お相手の方に本当に申し訳なく思っています。
[記者]
今日は特別調査委員の方から類似案件があったということで1月以降の公表になると私は聞いているのですが、今回の辞任の表明にあたって類似案件があるということを特別調査委員の方から聞いたということはありますか。
[知事]
私、類似案件があるという事実を全く聞かされていません。今初めて聞かせていただきましたので知りませんでした。
[記者]
あくまでご自身の認識の中で複数類似するセクハラと思われるような事案があると思いに至ったということですか。
[知事]
おっしゃるとおりです。
[記者]
今回はこのセクハラの事案に対しての説明される会見だと思いますが、これまでの県政を総括するような別の会見の場というのを今後持たれる考えというのはありますか。あるいはこの場が最後の会見ということにされるおつもりでしょうか。
[知事]
これはこの後の状況次第かと思っています。とにかくまずはみなさま方に今日の私の思いをお伝えするということで今日を設けさせていただいているというところです。
[記者]
幹事社としてはぜひこれまでの県政をしっかり振り返り、ご自身で語っていただく場というのを設けていただきたいなと思いますので、その点ご検討いただければと思います。
[記者]
今回の知事の事案のみならず全国でも首長のセクハラやパワハラとかニュースは連日見聞きする機会があったと思います。その中で何度も襟を正す機会はあったと思います。今回の不適切なメッセージの通報があり、なぜ途中で認識を改められなかったのか、なぜ原因が発生したのかをお聞かせください。
[知事]
本当に人間として未熟だったということだと思います。自分が他山の石という言い方が正しいのかどうかがよくわかりません。反省ができていなかった、もしくは気づきがなかった、認識が不十分なままだったということを深く反省もしておりますし、申し訳なく思っております。
[記者]
最後にあと1点、もしこの調査結果次第でセクハラが認められた場合、通報された被害者の方にはどのように対応をしていくか、今考えていますか?
[知事]
これは適切に対応させていただきます。事案の性格上、相手のいる問題でもありますが、適切に対応させていただきます。
[記者]
今おっしゃっている適切というのは謝罪も含め考えているということですか。
[知事]
一つの形としてはあると思います。
[記者]
途中のやり取りの中で「相手の方とお話をしたことはない、そんな発言はしてないはずだ」というようなやり取りがありましたが、そこの部分の知事の話を聞いていた時私が思ったのは、聞き取りの中でお相手は「こんな風に思っていたんだ」を伝えられる機会があり、その時が、知事が反省されるきっかけになったのではないかと思いました。そういうことではないということですか。
[知事]
調査の中身について申し上げてはいけませんし、そのように受け取られたとすると、私の伝え方も悪かったと思いますが、調査の中で先方の思いを自分も深く認識したということが一つあります。
[記者]
認識したということは、伝えられたわけではないが、推測というか思い至るところがあったというようなことなのでしょうか。
[知事]
あまり調査の中身について、私が申し上げてはいけないと思います。ただきっかけとしては、そういった思い至るところは調査の聞き取りの中でお話があったことに、自分がそういう思いを持ったということです。
[記者]
それから先ほど、調査の時期や結果の公表時期が延びなければ12月議会でしっかりと説明していきたいという思いもあった、というようなお話でしたが、それ以前にはアンケートの期限が延びた時点で、やはりやめることも考えなきゃならないんじゃないか、というように思い始めたとお話しにありました。公表が延びなければ即座に辞めるという考えではなかったということですか。
[知事]
まず一つ、私が勝手にと言うとおかしいですが、12月議会前にも結果が出るのかなと思っていました。それが出れば、一つのタイミングとして中身も自分でしっかりと見届けてご説明もする場として、県議会かその場でまさに同じことをしていたかもしれません。そこはよくは分かりませんが、何らかのアクションが起こせたかなと思っております。ただ今回はそれがだいぶ先になったということが、今の段階でのこういうご説明になっています。
[記者]
中身に関しては特別調査委員という姿勢で、一貫しておっしゃっています。非常によくわかるのですが今日も知事の中では、悪気があったわけではなくて会話を盛り上げるような悪ふざけの延長だったのが、認識の違いがやっぱり思い至らなかったというようなご説明なのかなと思いますがということは、性格としてやはり冗談のつもりで言える範囲ということなのでしょうか。これが性的な関係を許容するような内容であれば、私たちも知事がしたような表現はできません。そういったことではなく、知事の中ではあくまで冗談というか、仲間うちの会話の延長線の発言または文書だったということでしょうか。
[知事]
悪気がなかったとかいうような言葉は、私は多分使ってなかったと思いますが、冗談めいたというところは気持ちとしてありました。今思い起こせば、そういうような範疇ではないということを強く認識をして、反省をしているところです。
[記者]
関係を強要するような、そういった内容とは明確に違うということでしょうか。
[知事]
内容については特別調査委員の中で明らかにしていただければと思っております。
[記者]
時期的に来年度の当初予算の作業が、かなり進んでいた段階だと思います。知事選となるとかなりデリケートな時期に差し掛かると思います。来年度当初に関しては骨格予算になるのか、その辺の指示はどういうふうになっているのか教えてください。
[知事]
申し訳ございません。それは新しい体制の中でお考えいただければと思っているところです。私のいない、そうなると職務代理だと思いますが、職務代理の体制の中で考えていただくことだと思っております。
[記者]
今後もし、今回の通報事案に限らずご自身がセクハラと認識された被害者の方々から捜査機関に対して、被害届出や告訴という形で届出がなされた場合、今後どのようにご対応するお考えか、教えてください。
[知事]
これは調査に限らず、今おっしゃるようなことがあれば当然自分として適切に対応していくことになると思っております。
[記者]
現時点では捜査機関からの捜査は特に受けていないと考えてよろしいでしょうか。
[知事]
全くございません。
[記者]
通報事案に関して、4月に通報があって調査結果が出る前に知事がセクハラとご自身で認定されたと、認められたということなんですが、6か月ご自身で認めるまでかかっていることは、遅いのではないかと思います。結局全庁調査でいろんな情報が出てきたため、もう致し方なく認められたというようにも見えますが、そこはどうなんですか。
[知事]
そうではないです。私の認識だけのことを言うと、最初の段階から通報事案については事実の認定のところがありますので、客観的には特別調査委員なり県の方の考え方というのは別途あると思います。私の思いとしては、送った内容について申し訳ないと思っており、その旨は申し上げておりました。
[記者]
10月22日の会見の時では、メッセージを送ったことは認めるとおっしゃってましたが、その時から今回の通報事案に関してセクハラと認めるとなった、この間の変化というのは何かあったんですか。
[知事]
10月の会見の段階は調査結果に影響を与えないように考えていました。私の側だけの思いを述べれば当然調査の公平性や客観性に影響を与えるということを考えていました。
今も何かに影響を与えようとは思っておりません。一方の説明責任として、私が今こうして先ほどから申し上げている理由で辞職を表明するということであれば、その理由については、考え方を申し上げなければいけないため、調査の結果にできるだけ影響を与えない範囲で、今自分の思いを申し上げています。
[記者]
調査報告書が出て、通報事案に関してセクハラの認定がされたら、それは辞めるつもりがもともとあったっていうことでしょうか。
[知事]
直近の状況で言えば、そういうことになるだろうなと思っておりました。
[記者]
知事に伺うのか、事務の方に伺うのかが適切か分かりませんが、県民の方から県庁に対してどのぐらいの数の応援のメッセージや、苦情が届いているか数的なものを教えてください。
[知事]
これはまた後ほど、私は把握しておりませんので担当に聞いていただければと思っております。
[記者]
あともう一点、今回職を辞するにあたって、県民のみなさまには…というふうなことをおっしゃっていましたが、こうやって職を辞するという判断をした後、初めて報道の前で説明していると思いますが、今の率直な心情をお願いいたします。
[知事]
まずは通報者の方、また私の言動で深く傷ついていらっしゃる方、この方々に心からお詫びを申し上げたいと思います。
その上で、県民のみなさま、それから県議会のみなさま、県職員のみなさんはじめ、全てのみなさま方に対してこうした私の至らない行為によって、大変なご迷惑をおかけすることに対しても心からお詫びを申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。そういう中で、今回は県としてより深刻な混乱を抑えたいという思いで表明をさせていただき、これから県議会と私の退職の取り扱いについてのお願いもしていこうと思っています。
そういう意味で、1日も早く新しい体制を作って、新しいスタートを切って、福井県は本当にいい発展の状況になってきていると思うので、県の良さをさらに伸ばしていけるような体制を作って、再始動していただければと思っているところです。
いずれにいたしましても心からお詫びを申し上げます。
―― 了 ――
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