知事記者会見の概要(令和8年8月28日(金))
令和8年8月28日(金曜日)
14:30~15:20
県庁 特別会議室

(知事)
乾式貯蔵施設の事前了解について、県としての判断を申し上げたいと思います。
まず、経緯から申し上げたいと思います。乾式貯蔵施設については、令和6年2月、関西電力から、県と美浜町、高浜町、おおい町に対して、安全協定に基づく「事前了解願い」が、それぞれ提出されました。関西電力が計画するこの施設は、使用済燃料を中間貯蔵施設へのより円滑な搬出、さらに搬出までの間、安全性の高い方式で保管するためのものとされています。事前了解の手続きについては、国への原子炉設置変更許可申請の前に、「申請することに対する了承」、そして、国の許可が出された後に、「設備の設置や変更に対する了解」の2段階で対応しているところです。
県としましては、立地町や県議会、県原子力環境安全管理協議会で意見を伺い、同3月、各町とともに、まずは一段階目となる「申請了承」を行いました。その際、県議会等のご意見を踏まえ、県から関西電力に対し、「使用済燃料対策ロードマップの実行状況」、「原子力規制委員会の厳正な審査」、「具体的な搬出時期の考え方」、「立地地域の振興や課題解決に向けた取組み」の4項目について、事前了解までに対応を確認すると申し上げました。県と立地町の了承を受け、関西電力は、原子力規制委員会に対し、同3月に高浜第一期、同7月に美浜と大飯、令和7年6月に高浜第二期の乾式貯蔵施設設置について、原子炉設置変更許可申請を行いました。令和7年8月、関西電力から4項目の対応状況について説明がありました。
「規制委員会の審査」につきましては、令和7年5月に高浜第一期が規制委員会の許可を受け、県原子力安全専門委員会でも安全性を確認しました。その後、美浜発電所も10月に許可を受け、専門委員会でも確認をしています。「搬出時期の考え方」については、遅くとも2035年末までに中間貯蔵施設への搬出を開始するなど具体的な搬出開始時期や、貯蔵量は中間貯蔵施設の受入れ可能量を超えないなどの管理の考え方が示されました。「地域振興」に関しては、継続的に資金を拠出する新たな仕組みが提示され、その後、本年1月から運用が開始されています。これら3項目については、立地町からも概ね理解が得られ、県として一定の評価をいたしました。一方、「ロードマップの実行状況」に関しては、六ヶ所再処理工場の審査対応やフランスへの搬出に向けた取組み等の説明がありました。乾式貯蔵施設の搬出先は中間貯蔵施設でして、再処理工場の竣工や操業開始時期には直接影響はしませんが、最終的には再処理工場で再処理されるため、乾式貯蔵施設の事前了解にあたっては、再処理工場にかかる技術的議論が終わり、審査終了の見通しが立つことが重要と考え、設工認の説明が終了した段階で判断していくことといたしました。
設工認の説明終了は、当初予定の昨年11月から、何度か繰り延べされましたが、本年6月、関西電力から、「審査会合で一通りの説明が終了し、議論が必要な事項は全て整理され、新規制基準に適合する設計が固まった」との報告を受けました。一方、7月に入り、資源エネルギー庁が、溶液・廃液処理の早期開始など新たな取組みを進める中で、「竣工目標から遅れる可能性もある」との認識を示しました。再処理工場は、使用済燃料の重要な搬出先であり、竣工目標から遅れるとすれば、ロードマップの実行状況に影響を与えかねないことから、7月27日および8月18日に、資源エネルギー庁と関西電力から、再処理工場の竣工に向けた取組みや、竣工遅れの可能性によるロードマップへの影響について、説明を受けました。
ここまでが、主な経緯です。以下は、県議会等での議論を踏まえて課題となっている主な論点、県として確認したことなどを、順にお話ししたいと思います。
まず、何より重要な、安全性についてです。乾式貯蔵施設は、放射線の遮蔽・閉じ込め機能を有する堅牢なキャスクに使用済燃料を格納し、水や電気を使用せず、外気で冷却するものです。その安全性については、安全規制に一義的な責任を有する原子力規制委員会が確認し、県の原子力安全専門委員会としても、審査結果を確認しています。もとより、使用済燃料プールも規制委員会の許可を受け、必要な安全性は確保されていますが、歴代の規制委員長も、乾式貯蔵の方が望ましいとの認識を示していると承知しています。後ほど触れる立地町長のご意見にもありますが、立地地域の安全性向上に資するものと考えています。
次に、六ヶ所再処理工場の竣工の見通しや、それに向けた取組みについてです。この点について、7月27日、資源エネルギー庁は、「設工認の説明が終了したことで、設計の手戻りリスクがなくなり、竣工までのステップが確かに見通せる状況となった」との考えを示しました。8月5日には、日本原燃の増田社長からも、同様の認識を直接確認いたしました。そのうえで、資源エネルギー庁は、使用済燃料対策推進協議会の幹事会を毎月開催し、再処理工場の竣工に向け、補正申請、保安規定、使用前事業者検査といったステップごとに進捗を可視化する「ものさし」を活用して、国が責任を持って進捗管理を行う方針を示し、8月6日の幹事会では、補正申請に向けた補足説明資料の提出計画表が提示されました。また、関西電力をはじめ電力各社においても、日本原燃への追加人材派遣を開始しており、現時点で約30名、うち関西電力は約20名を追加派遣し、さらなる人材確保を調整中としています。
次に、竣工目標から遅れることによるロードマップへの影響についてです。この点について、関西電力は、仮に竣工目標から遅れたとしても、ロードマップについては、再処理工場への必要な搬出量を確保することに加え、溶液・廃液処理の竣工前からの開始による竣工から操業開始までの期間の短縮や、使用済MOX燃料の搬出検討中の100tを既存の300tに続けて搬出することにより、当面の搬出量に大きな影響はないとの見解を示しました。そのうえで、関西電力は、仮に竣工遅れが明らかとなれば、電力各社と連携・協力して、必要な搬出容量を確保し、使用済燃料を県外に継続的・安定的に搬出することが見通せる「実効性のあるロードマップ」を速やかに示すとしています。また、資源エネルギー庁においても、全原子力事業者に対し、関西電力の使用済燃料対策ロードマップの実行について、事業者全体の一層の連携強化を図りながら取り組むよう要請しています。
次に、現段階において、乾式貯蔵施設の準備を進める必要性についてです。搬出先となる中間貯蔵施設はまだ決まっていませんが、関西電力は、2030年頃に操業を開始し、「遅くとも2035年末までに乾式貯蔵施設からの搬出を開始する」方針を示しています。その上で、工事に少なくとも3年はかかることや、フランスへの使用済MOX燃料の搬出など他の作業と輻輳すること、搬出開始までに乾式キャスクを一定規模搬入しておく必要があること等から、出来るだけ早く工事を完了し、中間貯蔵施設に円滑に搬出する環境を整えたいとの考えを示しているところです。
次に、乾式貯蔵による長期保管や、貯蔵容量拡大への懸念についてです。関西電力は、先に述べたとおり、遅くとも2035年末までに搬出を開始するとしたうえで、その貯蔵量は、中間貯蔵施設へ確実に搬出できる量とし、中間貯蔵施設の受入れ可能量を超えないように管理するとしています。乾式貯蔵施設への搬入および乾式貯蔵施設から中間貯蔵施設への搬出にあたっては、毎年度、搬入計画および搬出計画を、県と立地町へ提出するとしています。また、貯蔵容量に関しては、「乾式貯蔵施設に移し替えることで空いた貯蔵プールのスペースは原則として使わない」との方針を示しています。例外については、「国内外の情勢変化や自然災害等、自社の事由によらない事象によって搬出が滞り、日本全体のエネルギー安定供給に貢献出来なくなる可能性がある場合」であり、六ヶ所再処理工場の竣工や操業開始の遅れをもって例外には当たらないとの考えを示したうえで、例外が認められるケースは、県と立地町の理解が得られた場合に限り、極めて限定的だとしています。
以上の国や事業者の取組み、考え等を、立地する美浜町、高浜町、おおい町にお伝えしたうえで、8月20日、各町長から、事前了解への意見を伺いました。3町長からは、乾式貯蔵施設については電源がなくとも使用済燃料を安全に保管できるものであって、地元の安全・安心にもつながるものであり、速やかに整備されるべきとの考えが示されました。そのうえで、すでに規制委員会の設置許可を受けている美浜町の戸嶋町長と、高浜町の西嶋町長からは、町として事前了解を判断されたことを伺いました。日ごろから原子力発電所と直接向き合われている立地町として、町議会等と十分議論されたうえでのご意見でございまして、重く受け止める必要があると考えています。こうした国や事業者、立地町の考えを踏まえて、本日、県議会全員協議会を開催いただきました。6月議会での議論も含めて、各会派から様々な意見をいただきましたが、乾式貯蔵施設の設置そのものに異論はなかったと認識しています。最大会派の自民党福井県議会からは、「使用済燃料のより円滑な搬出、安全性向上の観点から、知事が速やかに判断するのであれば、その判断を尊重する」との考えが示されたところです。
改めてまとめますと、まず、乾式貯蔵施設については、安全性向上に資するものです。そのうえで、事前了解にあたっては、六ヶ所再処理工場にかかる技術的な議論が終わり、審査終了の見通しが立つことが重要と考えていたところ、国と事業者は、竣工の見通しが立ったとの認識を示しました。そのうえで、国が責任を持って進捗管理を行うこととしています。竣工遅れの可能性に対しては、関西電力はロードマップに大きな影響はないとの認識を示し、また、仮に竣工目標から遅れることとなった場合には、電力各社と連携・協力して、実効性のあるロードマップを速やかに示すとし、国も全原子力事業者に対し、ロードマップの実行に向けて連携強化を図るよう要請しています。搬出先となる中間貯蔵施設について、関西電力は、2030年頃に操業を開始し、「遅くとも2035年末までに乾式貯蔵施設からの搬出を開始する」方針を示しています。乾式貯蔵による長期保管や貯蔵容量拡大への懸念に対しては、再処理工場の竣工や操業開始の遅延は、「プールの空いたスペースを使わない」との方針の例外には当たらないとしたうえで、例外となるケースは県と立地町の理解を得た場合に限定されるとの考えを示しました。
県としては、こうした国や事業者の具体的な取組みや考え、立地町のご意見、県議会でのご議論を踏まえ、安全性の確保を最優先に、必要性や実効性等を総合的に勘案し、規制委員会の許可を得ている高浜発電所第一期と美浜発電所の乾式貯蔵施設について事前了解することといたしました。なお、県議会等で議論のありました、長期保管等への懸念を払拭するため、関西電力は、「具体的な搬出時期の考え方」で示した搬出開始時期や貯蔵量の考え方、県・立地町への搬入計画・搬出計画の提出などの方針を、確実に遵守する必要があります。特に、乾式貯蔵施設への搬入にあたっては、県として、立地町とともに、搬入計画を厳格に確認してまいります。
また、関西電力が示す「原則として貯蔵容量を増やさない」ことに関しましても、例外に該当するケースは、県と立地町が認めるものに限り、極めて限定的に扱われる必要があると考えています。こうした関西電力が示した方針を事前了解の通知文書に明記し、県として、関西電力を厳格に監視、指導してまいります。県としては、引き続き、関西電力の使用済燃料対策ロードマップの実行状況を適時・適切に確認し、事業者に対して必要な対応を求めていくとともに、国に対して、責任を持って進捗管理を行い、事業者を厳しく指導・監督するよう求めてまいります。また、仮にロードマップの見直しが行われることとなった場合には、使用済燃料の必要な搬出容量が確保され、県外への継続的かつ安定的な搬出が見通せる計画となっているか、厳正に確認する必要があると考えています。本日の事前了解については、このあと、17時に、防災安全部長から関西電力の担当者に伝達する予定です。
私からは以上になります。
~質疑~
(記者)
今回の事前了解は、美浜発電所の1か所と高浜発電所2か所のうちの1か所、この計2か所についての事前了解ということでよろしいですか。
(知事)
その認識で間違いありません。
(記者)
話にもありましたが、再処理工場について、日本原燃は実現性の高い工程表を示すと言っています。それを受けて関西電力も定量的で実効性のあるロードマップを示すということを明言されています。この新しく出てくるであろうロードマップを県ないしは県議会で検証する前に事前了解を出されたのはなぜでしょうか。これまでの経緯は我々も重々承知していますし、先ほども説明があり、経緯の繰り返しは不要ですので、なぜそんなに事前了解を急いだのか教えていただきたいです。
(知事)
まず前提として、乾式貯蔵施設の搬出先は中間貯蔵施設であり、再処理工場の竣工や操業開始時期には直接的には影響しませんが、最終的には再処理工場で再処理されるため、乾式貯蔵施設の事前了解にあたっては、再処理工場に係る技術的な議論が終わり、審査終了の見通しが立つことが重要であると考えています。この点について、資源エネルギー庁からも設工認の説明が終了したことで、設計の手戻りリスクがなくなり、竣工までのステップが確かに見通せる状況になったとの考えが示された次第であり、日本原燃からも同様の認識を直接確認したわけです。こうした再処理工場の竣工に向けた国や事業者の具体的な取り組みや考え方、立地町のご意見等々、県として判断するために必要な材料が揃ったことから、県議会でこの度ご議論をいただいたということです。
(記者)
必要な材料は揃ったとの説明ですが、関西電力がまた新たにロードマップを示すわけで、それを検討しないことにはロードマップの実効性というのは見通せないのではないかと思いますが、いかがですか。
(知事)
そうしたご意見もあるかと思いますが、我々としては必要な判断の材料が揃ったと。議会からもそうした要請、必要な材料が揃って議論を行うと、県議会の方で諮るということを県議会の皆様と確認した次第であるので、今回そのような判断をしました。
(記者)
再処理工場の完成が遅れているということは、説明は聞いておられると思いますが、それは搬出量に影響はないという説明を受けたから、そこは大丈夫という判断をしたということでよろしいですか。
(知事)
再処理工場については、資源エネルギー庁から溶液・廃棄処理の早期開始など、新たな取り組みを進める中で、竣工目標から遅れる可能性もあるとの認識を示されています。したがって、この溶液・廃液処理の実施時期や内容の詳細について、今現在、日本原燃が原子力規制庁と議論を重ねていますが、この竣工時期や操業の開始時期について、その議論の状況を注視したいと考えています。資源エネルギー庁から、その上で竣工までのステップが確かに見通せる状況になったとの考えを示して、日本原燃からも同様の認識を直接確認したという状況であるので、今回そのように判断しました。
(記者)
今後、事前了解を関西電力に示して、進んでいくのかという流れと思いますが、今後懸念される課題であったり、県としてどう対応していきたいかを伺います。
(知事)
引き続き、しっかりと国や事業者の取組みというものを厳正に確認していくことです。
(記者)
県が関西電力から受けた説明を事前了解の文書に明記すると言っていましたが、具体的にどういうことを明記するのでしょうか。
(知事)
この明記については、関西電力の方から、原則として、貯蔵容量を増やさないという考え方が示されています。県議会でも指摘がありましたが、例外となるケースというものが、県と立地町の理解を得た場合に限るとしているので、こうした関西電力が示した方針を事前了解の通知文書にしっかりと明記して、県として関西電力の取組みを引き続き厳格に監視・指導していくということです。
(記者)
主に、貯蔵容量を増やさないというところについて明記するということですか。例外の話も含めて。
(防災安全部副部長(原子力行政))
この後、先ほど知事が申し上げた、17時から部長の方から伝達するときに、また見ていただきたいと思いますが、今考えているのは、関西電力がもともと搬出時期の考え方で示している計画的な搬入・搬出計画、これを県、立地町に提出することや、管理の考え方、それから先ほど知事が申し上げた貯蔵容量を増やさない方針、こうしたことをしっかりと明記したいと考えています。その他、県民への情報提供とかロードマップの着実な実行、そうしたことも明記したいと考えています。
(記者)
原子力規制委員会で審査中の大飯と高浜の2か所目について、こちらの事前了解についての方針や意向はありますか。
(知事)
高浜第二期や大飯の乾式貯蔵の許可がなされれば、県の原子力安全専門委員会においても、審査結果を確認して、立地町の意見を伺ったうえで、事前了解について判断することになろうかと思います。
(記者)
事前了解の判断に対して、ロードマップの実効性を重視されてきたと思うが、改めて、その実効性とは、どのように捉えていますか。
(知事)
前提として、竣工の遅れが示されれば、関西電力の方から実効性のあるロードマップが示されるわけですが、それをまずはしっかり確認するということが重要であると考えています。今ここで、何があるから実効性があるというようなことはなかなか申し上げられません。
(記者)
今までの乾式貯蔵施設の事前了解の判断、4項目の中で、これまでロードマップの実効性の確認を挙げられていて、その文脈の中で再処理工場の完成の目途が論点とし挙がってきたと思います。その実効性を確認するところが、現状、日本原燃の新工程がまだ出ていない中で、関西電力が改めて見直したものを示す可能性がある状況の中で、実効性が今あると確認できているのでしょうか。
(知事)
我々としては、しっかりと関西電力に対して、実効性のあるロードマップを着実に示す、そして着実に実行する必要があると考えているし、それをしっかりと確認していきたいと思っています。その実効性については、先ほどの説明の中にありましたが、しっかりと必要な搬出容量を確保しているということや、使用済燃料を県外に継続的・安定的に搬出することがしっかりと見通せるか、そのようなこと等々をしっかりと、実効性のあるロードマップが示されて、我々としても厳格に確認していきたいと考えています。
(記者)
まだ見直す可能性があるので、実効性は確認し終えてはいないことになるのでしょうか。
(知事)
速やかに示される必要があると我々は考えていますし、示され次第、実効性のあるロードマップ、我々はしっかりと確認していきたいと思っています。
(記者)
今日の全員協議会の議論を踏まえてですが、6月の時点から、各会派の意見、判断に対する方向性というのはあまり大きく変わっていないのかなと思いますが、改めて今日の議会の議論の何を踏まえたのか伺います。
(知事)
今回、材料が揃ったと申し上げていますが、これは、もちろん県議会での議論は重要なものであると考えていますが、それだけではありません。国や事業者の具体的な取組みや考え方、そして立地町の意見等々、県として判断するために必要な材料、これらすべてに含まれているので、そうしたことを、6月以降もしっかりと確認させていただいたという次第です。
(記者)
日本原燃の新工程が出てから、実効性のあるロードマップを提示すると言った上で、今、知事も示され次第、確認するという話がありました。そうすると、なおさら新工程が出てからの判断でもおかしくなかったのではないかと思います。そこが示される前に、今判断をされたというところをご説明いただきたいです。現状、遅れが分かったら、実効性のあるものをまた出していくという話をしている段階だと思います。知事の言うように、ステップは見通せたけれども、実際、竣工はどこになるかわからないし、廃液処理に関しても、テクニカルなところで操業が遅れる可能性は残されています。客観的な担保というのは乏しいのではないかと思います。改めて、今の時点で判断された理由が、腑に落ちないところがあるので、ご説明いただきたいです。
(知事)
先ほどの質問への回答と重複する部分はありますが、県として判断するために必要な材料という中には、6月議会も含まれますし、それ以降、国や事業者からの説明、具体的な取組みや考え方、そして非常に重要であると考えている立地町のご意見、これらをしっかりと確認しています。それらを総合的に勘案して、材料が揃ったと判断したので、本日、県議会の全員協議会で議論させていただいたという状況です。
(記者)
現状、説明の中では、当面の搬出量に大きな影響はないと関西電力が言っているから、実効性は現状確認ができたから判断に至った。もちろん、総合的というところではありますが、その実効性という観点から話をされると、そこの点で一応確認をしたので、了解に結びついたというような一つの判断軸というふうに捉えて良いのでしょうか。
(知事)
先ほどから申し上げていますが、総合的に判断しています。それは、関西電力からの説明もそうですが、資源エネルギー庁からも具体的な考えや取り組みを示されているし、日本原燃からも同様の認識を直接確認しています。そうしたことを総合的に勘案して、今回判断しました。
(記者)
2035年末までに搬出開始する点に関して、搬出計画等々確認をして、明記をして、貯蔵容量の確認だったりということで、長期保管の懸念に対する解だと捉えているのかと思いますが、今までの関西電力のやっていることを見ると、時期や約束を反故にするケースが見られます。2035年末までに搬出するというところを確約、絶対できるという保証はないと思っています。そこを、もしクリアができなかった場合、県としてどうするべきと考えられているのか伺います。
(知事)
ご指摘の懸念というのは、議会の方で議論されたものと認識しています。関西電力の方から遅くとも2035年末ということで、貯蔵量は中間貯蔵施設の受入可能量を超えないという、管理する方針というのは以前から示されている通りです。こうした方針を確実に遵守する必要があると我々も考えていますし、搬入計画を厳格に確認していくということです。6月議会以降、国や関西電力から説明を受け、先ほどの話にもありましたが、例外となるケース等々を確認しました。この貯蔵容量を増やさないという考え方について、極めて限定的であるということも確認させていただきました。これらのことを総合的に判断し、限定的ということも事前了解の通知文書に明記するということを、新たに確認しました。そうしたことを受け、事前了解を判断しました。
(記者)
厳格に確認していくとしていますが、現状、関西電力が言っていることに対して、確認をしていくにすぎないのかなと捉えています。そのような認識で良いでしょうか。
(知事)
関西電力のみならず、国や事業者が責任を持ってしっかりと進めるべきところを進めていくということです。関西電力だけではなく、国や事業者、あらゆる関係機関、それらがしっかりと取り組み、進捗を確認していくということです。
(記者)
もし、最悪のケースになってしまった時というのは、現状、客観的な状況から見ると、例外規定も県と立地町が認めなければ当然増えないわけですし、そうすると動かせない状況になってくると思います。そうなったら、そのように県の方からも伝える可能性があるという認識で良いでしょうか。
(知事)
申し訳ありませんが、そこまでの仮定の質問にはお答えし辛いです。
(記者)
日本原燃の実現性の高い工程表が、今回、知事の判断材料の中に入らなかった理由は何でしょうか。
(知事)
我々として、判断する材料が今回揃ったので、県議会で議論させていただいたということです。
(記者)
この前の関西電力の説明の中でも、日本原燃が今後示す実現性が高い工程表を踏まえる必要があるというのが前提にあって、搬出計画への影響がないという話なので、今回、日本原燃の新しい工程表が出ていない中で、知事の判断材料に含まれないのはなぜかということをお聞きしています。
(知事)
私としては、総合的に勘案したという点であり、繰り返しになりますが、6月以降、国や事業者からの具体的な考えや取組みを受け、そして立地町のご意見を踏まえて、県議会での議論、これらを総合的に勘案して、安全性の確保、これを最優先に必要性や実効性等を総合的に勘案した結果、今回、乾式貯蔵施設の事前了解をさせていただいたということです。
(記者)
そもそも6月県議会で、再処理工場の竣工遅れの可能性が出てきて、その竣工が見通せないから事前了解を今回判断できないとおっしゃっていたと思います。安全性などの話ではなく、最初はそういう話でした。それで、今後新しい工程表が出てくるという一つ客観的な事実がある中で、材料に今回含まれなかったのはなぜでしょうか。
(防災安全部長)
先ほどの全員協議会でも申し上げているのは、県として去年の9月議会で申しているのは、六ヶ所の審査終了の見通しが立つことが重要だと、竣工が重要ということではなくて、審査終了の見通しが立つことが重要だということで、設工認の説明終了が一つの判断としています。今回、遅れる可能性というのは申していますが、設工認の説明を終了したことで、審査終了の技術的見通しが立ったと、これは資源エネルギー庁もそのように説明しているので、その点で乾式貯蔵施設の確認も条件の一つはクリアできたという判断です。
(記者)
話が戻っています。設工認が終わってから、状況が揃ったと言うのであれば、6月県議会で判断されているのではないでしょうか。そうではなく、竣工遅れの見通しが出てきたので、6月県議会では判断を見送ったという話だと思いますが、今回、日本原燃が青森県知事とのやりとりの中で今後新しい工程表を示すという話が出てきている中で、材料に含まれなかったのはなぜか。聞いている答えにはなっていないのではないでしょうか。
(防災安全部副部長)
乾式貯蔵施設というのは、あくまで中間貯蔵施設に持っていくものですので、再処理工場の竣工や操業開始時期には直接影響しないというのがまず前提にあります。ただ、最終的には再処理工場に持っていくので、再処理工場がちゃんとしっかり完成できるのか、その技術的議論がちゃんと終わって、審査終了の見通しが立つことが重要ということです。6月議会の時には、7月に入ってから竣工遅れの可能性があるということで、技術的議論が終わったのかどうかがちょっとわからなくなったので、そこをもう一回確認する必要があるということで、資源エネルギー庁と関西電力に確認した結果、資源エネルギー庁からは技術的な議論は終わっていると、あくまで今、溶液・廃棄処理というのは審査上の議論ではなく、安定運転や信頼性向上のためにやるものであって、技術的な議論とは違うということを確認しましたので、今回こういう整理をしたということです。
(記者)
廃液・溶液処理を、資源エネルギー庁が言っていますが、予定にない新たな工程として竣工前にやるわけであり、そうするといろいろな竣工までの工程が、もう1回考え直す必要がありますので、今回新しい工程表を日本原燃は考えてまた示すことになっています。それが今回、乾式貯蔵施設の判断材料に含まれなかったのはなぜかと聞いています。
(防災安全部副部長)
あくまで再処理工場の竣工時期、操業開始時期というのは、今回の乾式貯蔵施設の判断には直接影響しません。あくまで中間貯蔵施設に持っていくわけであり、その何十年か後に再処理工場に持っていくことになりますので、その再処理工場というのは技術的にちゃんとできるのかどうかについて我々は確認しないといけないということで資源エネルギー庁なりに確認したということです。
(記者)
今しがたの議論ですが、出発点がおかしくなっていて、もともと杉本前知事が示されていた条件の4つのうち1つ、クリアできなかったのは、ロードマップの実効性の確認だったわけです。このために、審査状況がある程度見通せる段階になれば、それが見通せるのではないかということで、ここに設定されていたわけで、大事なのが審査終了の見通しだと言うならば、議論がすり替わっています。再処理工場は直接関係ないと言われますが、県議の方とかが心配されているのは、要は出て行かないと、バッファーとして乾式貯蔵が使われてしまうのではないかという不安があるということです。ロードマップは見直される可能性が非常に高いわけで、4項目の一つ、ロードマップの実効性の確認というのは、実効性を確認すべきロードマップが今ない状態になっているわけで、揃うわけがなくて、変わる可能性の高いロードマップでなぜ実効性を判断できるのかということをお聞きします。
(知事)
その判断については、先ほどから申し上げている通り、総合的に判断しているわけであり、関西電力からのロードマップに関する考え、取組み、それだけではなく、国や日本原燃を含む事業者からの説明、そして重きを置いている立地町の首長による判断、これは町議会、県民の皆様からの非常に大切な総意であると捉えているし、そうしたことを総合的に勘案して、今回判断をしました。
(記者)
全体の判断はそうかもしれませんが、4項目のうちの1つのロードマップの実効性に関しては全然揃っていないはずです。ロードマップが変わるというわけですから。そこをどう判断したのか。全体の判断は総合的に一つの要素だけではないでしょうが、少なくとも揃っていると言っていることに関して、それはおかしいんじゃないかというのがさっきから言っていることです。
(知事)
先ほども担当から申し上げましたが、今回、審査終了の見通しが立つことが重要であると考えています。
(記者)
先ほどから申し上げていますが、ロードマップの実行状況という中で、一番大きな搬出先が再処理工場です。だからこれがポシャってしまうと、ロードマップ全体がうまくいかないから、そこを見ないと実効性が判断できないと。出ていかなくなると、バッファーとして物理的に乾式は貯蔵容量に使えてしまうので、みんなそれが不安だからロードマップを確認しましょうという話です。再処理工場の竣工は、そのうちの一つでしかなくて、だからむしろ小さい話になっていますが、もともとのところが確認できなくなっているわけです。だから揃っていないという話をしています。
(知事)
我々としては、判断する材料、必要とする材料が揃ったから、今回、県議会でご議論をさせていただいているという状況です。
(記者)
聞き方を変えますが、まもなく内容が変わると分かっているロードマップの実効性をどうやって確認したのでしょうか。
(知事)
竣工遅れが明確になった場合は、関西電力の方から、実効性のあるロードマップが示されるということなので、我々はそれを厳正に確認していくという所存です。
(記者)
それが出てからじゃないと確認できません。だから揃っていませんよね、という話です。
(知事)
判断する材料がということですか。それは揃ったと我々としては判断させていただいたので、本日議論させていただいたということです。
(記者)
じゃあこれはやめにするとして、前回、9月議会で議論すべきというような声が、県議からも上がっていたと思います。県民の代表との議論というわけで、これでは議論が尽くされていないという声だったと思いますが、これに関してはどのように考慮して9月議会前に判断されたのでしょうか。
(知事)
そういった意見もありますが、6月議会においては、9月議会を待つことなく、早急に判断すべきとの意見もありました。これは確かです。これも踏まえて、総合的に判断させていただいた次第です。
(記者)
今回、竣工に関する話がずっと出てきて、議会でもちょっと指摘がありましたが、保安規定がまだであり申請時期も見通せない。使用前事業者検査も20年近く動いていないものが本当に動くのかどうかも分からないですし、出来上がったところで、ガラス溶融炉を2機リプレースしない限り800tに達しないとか、これからもロードマップの実効性に関するリスクが非常にたくさんある中で、これらをどう考えて判断されたのでしょうか。
(知事)
竣工に向けては、今ご指摘の保安規定も含めて、補正申請とか、使用前事業者検査など、ステップを進めていく必要があります。資源エネルギー庁は、これに関しては、使用済燃料対策推進協議会の幹事会を毎月開催するとして、このステップごとに進捗を可視化する「ものさし」を活用していくと、しっかり国が責任を持って、進捗管理を行う方針としています。県としては、この幹事会の結果等々も踏まえて、再処理工場の竣工に向けた国や事業者の取り組みについて、関西電力からしっかり適時・適切に報告を受けて、進捗状況をしっかり確認してまいります。
―― 了 ――
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