知事記者会見の概要(令和3年3月24日(水))

最終更新日 2021年4月23日ページID 046734

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令和3年3月24日(水曜日)
10:30~11:35
県庁 大会議室

知事200213

 

〔配付資料:令和3年度 組織改正・人事異動

【知事】

 本日は、組織改正と人事の異動について、発表させていただきます。

 主なポイントは、DXの推進、文化・スポーツ局の設置、新型コロナウイルス感染症対策の強化、女性活躍、若手職員のチャレンジ応援、という項目です。

 まず、DXの推進については、外部の専門人材を部長級としてDX推進監に登用します。人材としては、NTTドコモの社員です。この方は、NTTドコモにおいて、ICTの推進はもちろん、さらにその中でもITベンチャーの掘り起こし、スタートアップの支援も行ってこられています。福井県内には中小企業が多い中で、DXの推進を担うには打ってつけの人材と考えています。これは、1人に任すということではなくて、未来戦略課のDX推進室4名が直接事務をつかさどって、組織として支えていく。現実には生活・産業・行政の各分野のDXの推進は各部局で行いますので、これらを取りまとめていく。また、以前から申し上げていますが、特に行政分野のDX、県庁のDXとして、県だけではなく、市や町と行政のシステムを一元化していくために、未来戦略課DX推進室とあわせ、統計情報課ICT戦略室が中心となり、DX推進監がこれら全体を統括しながら、DXを進めていくということになります。

 また、7階の未来戦略課をフリーアドレス化しまして、3月30日にお披露目会をさせていただきます。このDX推進室も未来戦略課の中に入りまして、新しいスタイルで行政を進めていこうと考えています。未来戦略課のオフィスの別称として「パブリックデザインラボふくい」という本当に少しイカした感じのオフィスに変わっていますので、3月30日を楽しみにしていただきたいと思います。

 それから、DX推進本部を設置します。私を本部長として、両副知事が副本部長、本部員としてDX推進監をはじめ、各部長、教育長、警察本部長という全庁的体制でDX推進本部を設置して進めていくということです。

 二つ目は、文化・スポーツ局の設置です。交流文化部を2年前につくらせていただきました。これまでも、この中にスポーツ推進幹を置いて、福井県のワクワクドキドキを進めてきましたが、さらにここへ文化も加えて、県民のワクワクドキドキを広げていこうということです。

 一つには、文化とスポーツを活かした楽しみや元気あふれるまちづくりを推進していきます。これから、北陸新幹線福井・敦賀開業に向けて、フルマラソンやまちなかでの文化イベントも進めていくことを考えています。交流文化部は、人の交流や文化をキーにしながら、進めていくと申し上げてきましたが、文化・スポーツ局は、どちらかというと県民の皆様に主体となってもらい、楽しんでいただく、もしくは文化の花を開いていただくようなイメージがあります。それが結果として、外に発信されることもあるのですが、ブランド、新幹線、観光誘客、定住交流は、作用が県の外に向かっているようなイメージ、県外の方に呼びかけて人を集める。これに対して、県民の皆様にワクワクドキドキを感じていただけるように文化・スポーツ局を設置したということです。

 あわせて、文化振興事業団に新たに職員を派遣します。今まで、文化振興事業団は主にハーモニーホールの運営が中心になっていました。もちろん文化の伝道としての役割は、非常に大きいのですが、それだけではなくて、県民の皆様自身が文化に携わる、もしくは舞台に立つ、楽しめる、触れ合うようなことをまちなかでもしていけるような展開を、文化振興事業団には担っていただこうということです。3名増員し、組織も強化しまして、4月からやっていきたいと考えています。

 新型コロナウイルス感染症対策の継続と強化では、これまで兼務で行っていた事務を専任化し、収束に向けた体制を強化していきます。ワクチン接種が本格化しますので、専任職員6人を配置しました。これまでも市町に1人ずつ担当を置いていましたが、これを継続しつつ、さらに拡充していきます。

 女性活躍では、女性管理職を過去最多の78名、過去最多であった今年度の69名を上回っています。また、今回の女性管理職の登用も15名と、2年前の12名を上回って過去最高、管理職に占める割合も過去最高の17.4%となっています。嶺南振興局長には初めて女性職員を登用しました。しっかりと独自色を出しながら頑張っていただける女性職員を嶺南振興局長にあてましたので、嶺南の各市町の方もしっかりと一緒になって、地域づくりをやってくれるのではないかと思っています。

 また、課長相当の業務を行うディレクターを新たに置きまして、若手職員のチャレンジを応援しようと思っています。その本人のチャレンジもありますが、県民の皆様の「チャレンジ応援ディレクター」を新設し、37歳の職員をあてさせていただきます。ディレクターは、課長ということではありませんが、課長と同じような仕事をするということです。例えば県を代表して、いろいろな仕事を外に向かってする、それから部下のチーム員を抱えて組織として仕事をする、特命事項も担ってやっていただくということにしています。

 また、職員の自主性と意欲を高める新しい仕組み、チャレンジ制度として庁内公募を行い、それに則った人事配置を行わせていただいています。本人からこんな仕事やりたいということを聞いています。例えば、DXや観光振興、フルマラソンといったことで11名が手を挙げてきた中で、9名をあてさせていただいています。

 県庁の課題は、日々新しくいろいろな事が起きてきます。そういうときに、担当課を決めて、縦割りでやっているとよく言われます。それはそれで、専門性が高いことの必要性は、非常に多いのでやっているわけです。それだけではなく、その考え方にとらわれないで、新しいことにチャレンジしていかなくてはいけない、もしくは新しい考えを導入しなくてはいけないというようなときに、タスクフォースを立ち上げて、その中で短期間に、基本的に兼務をかけながら、アドホックに集まって物事を解決していく。そういうことをタスクフォースという形でやらせていただく。

 もう一つは、本人が県政の推進のために何か新しいことをやりたいというときに、組織にこだわらずに、チャレンジができるような体制を組むために、「ふくい式20%ルール」を導入させていただきます。例えば、新たな課題を持ち、何人かで話し合うことは、今までに、”Life style shift”で働き方改革を考える、クレド、男性職員の育児休業、最近試験を受けてくれる県庁職員が少なくなっていることを何とかしようというチームなど、いくつか作ってきました。そういったことを自発的にやりたいとき、本人に手を挙げてもらい、所属長に話をすると、所属長はそれを受けて、課の中の仕事も減らし、少しでもその人の仕事を工夫することで、その職員が勤務時間内に20%普段やっている仕事とは違う仕事に関わっていくという「ふくい式20%ルール」を導入します。また、これによりタスクフォースの実効性を高めていこうと思っています。

 タスクフォースを細かく言いますと、形として、クレドを作る、もしくは男性の育児休業取得促進を考えるという最初から課題を与えるパターンと、職員の側からチャレンジする新しい政策提案を出してもらって、タスクフォースをつくるということもあります。その他にも、例えば政策デザインのワークショップに参加してもらうやり方もあります。

 「ふくい式20%ルール」では、タスクフォースに参加するという方式もあります。また、個人として特に高い専門性を持っているような人が、ある仕事が起きたときに参加するようなことも考えているところです。

 今回の組織改正人事異動のポイントについて、ご説明をさせていただきました。

 

~質疑~

【記者】

 DX推進監というポストを作ることは理解できましたが、そのポストを中心に県庁全体でDXがもっと進むような動きになってくるのでしょうか。

 

【知事】

 これは、DXを進める体制として、DX推進本部をつくります。そしてDX推進監という部長級の職をつくりまして、CDО(チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサー)を置きます。CDОはDX推進室とICT戦略室を指揮して実務を行います。その時にICT戦略室は県、市町のDXを進めていく。それに対してDX推進室は県庁の中で各部局、産業のDXであれば産業労働部が中心に、学校であれば教育庁になりますが、これを束ねるのがこのDX推進室になります。それらを統括するのがDX推進監、なおかつ全庁組織としてDX推進本部があるという作りになっています。

さらに、ふくい産業支援センターに職員を派遣し、県内企業のDXを推進していきます。

 

【記者】

 NTTドコモ社員がDX推進監として来られます。民間の部長級ですが、どういうことを期待されているのかを教えてください。

 

【知事】

 私もお会いしてお話を伺いましたが、性格も大変明るいですし、このICTの分野についても非常に明るい方だという印象を持っています。私どもも、昨年の10月にDX推進プロジェクトチームをつくり、進めています。庁内にも、長年にわたってDX、ICTに携わる詳しい職員はいますが、少数ですし、また、社会や世界の最先端の状況をまず把握をしている、明るいところを持っている方が必要だろうということで、NTTドコモに要請しまして、人選をしていただいて、私も会って、決めさせていただきました。

 県庁内の詳しい職員のレベルを上げていく、さらに、各部局に対して必要性、こう変えたらどうかという助言をいただいたり、こういう方向に向かっていくべきだと私とのコミュニケーションの中でも出していただくことで、政策として、県庁や県内のDXが進むことができるよう具体的に政策化ができることを期待しています。

 

【記者】

 知事は、4月から1期目の折り返しとして3年目に入られます。DXと文化・スポーツ局という二つの機構改正をされて、3年目には具体的にどういうことをやり遂げたい、始めたいと思っているのでしょうか。

 

【知事】

 これは一つのポイントとして申し上げたということで、基本的には私は昨年7月に長期ビジョンをつくらせていただいています。これは県民の皆様、5千人以上の方にもご参加いただきまして、1年以上かけて、議会とも対話をし、決定させていただいています。これに沿った県政を進めていくということをこれからも一番に続けていこうと思っています。

 その中で一つのキーワード「安心の福井を未来につなぎ、もっと挑戦!もっとおもしろく!」というところが、ある意味これまでの福井県に足りていなかったと思っています。そういう意味では、チャレンジ、それから面白くする、ワクワクする、そういうような県政を進めるという意味の一つのキーワード、ポイントとして、DXがあり、文化・スポーツ局があると思っています。

 

【記者】

 コロナ対策の組織改正で、1月にワクチン接種対策グループを作ったかと思いますが、今回それがワクチン接種対策班として専任6人でやっていくということでしょうか。

 

【人事課長】

 ワクチン接種対策班という形で専任を置いて対応させていただくことになります。

 

【記者】

 ワクチン接種対策グループは、医師会と看護師会との連携も一つの大きな役割だと思いますが、ワクチン接種対策班が今後もその役割を担っていくのでしょうか。

 

【知事】

 実務的にはそうです。

 もちろんその班だけでなくて、これは組織、チーム全体、県庁全体で関わっていきますが、実務の中心でやりとりするのはそこになります。

 

【記者】

 感染拡大防止対策班が専任8人ということでかなり人員強化されているかと思いますが、今、福井県内での感染が落ち着いている状況で、この専任8人という数字はどういったねらいがあるのでしょうか。

 

【知事】

 これは、今まで兼務でやっていたことで、他の仕事にも影響が出ています。そういったものを専任化することで、仕事のトータルの力として大きく変わっているわけではないですが、これまで通りの体制を継続していく。それも組織全体として見るとストレスが他に行かないように、集中できるような体制にしたということです。

 

【記者】

 デジタルトランスフォーメーションというと、何か目的があって、ICTを導入するであるといった手段だと思いますが、知事はデジタルトランスフォーメーションを通じ、どういったことを実現したいとお考えでしょうか。

 

【知事】

 全く同じ意見です。DX推進監は方法論として非常に詳しい、もしくは社会がこう変わっていくという地図を頭の中にある程度持ってらっしゃる方という意味で推進監をお願いしています。しかし、実務は各部局が担っていくと思っています。ですから、私はDXについて、DX推進室やICT戦略室がするのではなくて、仕事そのものは各部局でするために裾野を広げていかなくてはいけない。職員みんなが、DXとは何なのか、もしくはDXによって、今自分が抱えている仕事、県民の皆様に対して、行政サービスを提供するということをどう変えられるのかということをまずわかってもらわなくてはいけない。今年度は、専門の職員と部長級以上がDXの入門編の研修をやっています。私も研修を受けてわかってきましたが、すべての職員が、まずこんなことができるようになる、こういうことがトレンドで今こういう方向に進もうとしていると、手法論として基礎的な知識を持つ。今までやってきたそのいろいろなソフトウェアやシステムの開発がもっと無駄なくできるとわかってきます。

 そういう地図を少し持ちながら、実際にプログラムを組む、システムをつくるのは専門家にお願いするのだと思いますが、さらにこういうふうにすることで行政サービスが便利になる、県民の皆様が便利になるということがわかっていくと思います。DX推進監は私たちを導くというより、大きな方向性を議論する中心の人物になっていただきつつ、全庁でこれからDXを推進していくのだろうと思っています。

 

【記者】

 DX推進監に関しては、DXを通じ、何ができるのかという学びを与えてくれる存在として外部から招集したという形になるのでしょうか。

 

【知事】

 まず詳しいということが、非常に重要だと思っていますし、行政に限らずというところも大事だと考えました。

ただ一方で、行政には、組織や物事の仕組みというものがありますので、DX推進監1人では仕事は進むわけではありません。そういう意味では分担しながら、より広く、より高みの人材を必要としたということです。

 

【記者】

 嶺南Eコースト計画室の体制強化の中身、初年度の具体的な活動計画などを教えていただけますか。

 

【知事】

 嶺南Eコースト計画は、これまでも推進会議でもいろいろとご議論いただいて、9人で体制を組んでいきます。この中には、経済産業省や文部科学省、それから事業者である関西電力や日本原子力発電も入っていただいて、県庁の職員も出して、9人で運営します。1人は非常勤ですが、ほぼ常駐になります。

 例えば、原子力リサイクルビジネスやスマートエリアをつくっていく。そして、試験研究炉の利活用、大きく三つの柱が、直近で動きますので、これらに担当を置いて進めていこうと思っています。

 

【記者】

 従来掲げているものを具体的により強めていくための体制で、特に大きな変化がこれによって生じるのでしょうか。

 

【知事】

 嶺南Eコースト計画は、まだ2年目ですので、1年目は計画の中身をしっかりと組んで、どうやって進めていくかという議論をしていました。今申し上げたように、リサイクルビジネスを立ち上げるように、来年度は進めていきます。来年度はできませんが、FS(フィジビリティスタディ)調査をして、具体化をしていく。

 また、今、文部科学省で試験研究炉を考えていますが、民間利用がもっとできるようにしてほしいとの話がありますので、これも具体化していく。さらに、スマートエリアの考えについては、市町でもまちづくりで補助金をもらってやろうというところも出てきていますので、それを推進するということで、具体化に向けて着手していきます。

 

【記者】

 何か新しい動きはあるのでしょうか。

 

【知事】

 計画を推進する組織ですので、計画は変わっていません。

 

【記者】

 予算の会見時に、知事は「福井が一歩前に出ていくためには、とんがっていくことが必要だ」と発言されたと思います。コロナで社会情勢が変わる中で、DXの推進やコロナ体制の強化など、各都道府県が似たような課題を抱えていると思いますが、今回の人事異動が福井県としてどういう意気込みを示したのか、どんな人事異動なのかを教えてください。

 

【知事】

 必要なことを地道に先手先手でやっていくと、後から考えれば相当な力が発揮できるのではないかというのが、私の基本的な考え方の中にあります。

何かを打ち出したり、ネーミングをつけたりするよりも、実務的にしっかりと基盤を作りながら、一つひとつのことを解決することは大事だと思います。

 DXは、方向性を持ちながら、先ほど申し上げたようなことをこれから進めていく仕掛けをしっかりと作っていくことが一つあります。文化とスポーツの分野でも、今までは、例えば博物館や美術館、ハーモニーホールに行って、座って聞いているという文化もあったと思います。しかし、多分皆様が今楽しんでいる文化は、もっといろいろな種類があって、自分もプレイヤーになりたいと思うことが多いと思います。行政は、そこにあまりコミットしていなかったと思います。  それは、規制をかけるという意味ではなく、皆様が舞台に立つ場がないということに対して、行政が応えるべきことがあると思います。そういったところに、県民の皆様が主役になれることの一つの形として、文化とスポーツに着目して、ものを進めていこうと考えています。

 女性活躍や若手職員のチャレンジについて、先ほど申し上げた県民のチャレンジ応援の仕事は、彼にとってもチャレンジですが、若い方に限らず県民の皆様が、「新しいことをやりたい」、「こういうことをしてみたい」ということや、お年寄りの方が「第二の人生でこんなことしてみたい」ということ、チャレンジすることを応援する、もしくは、それを発信することを担ってもらおうと考えています。

 そういう意味では、県民の皆様一人ひとりが輝けるようなことを具体的に進めるための組織・人事だと考えています。

 

【記者】

 コロナのワクチンについてお伺いします。4月から高齢者向けのワクチン接種が始まりますが、他県では県庁所在地など人口の多いところを先に始めるというところが多い中で、福井県が全市町を一斉に始めることにした狙いを教えてください。

 

【知事】

 全ての市町、県民の皆様に、自分のところでも始まったなということを実感していただくということが一つの効果としてあります。もう一つは、市や町、医療関係者の皆様とご相談した結果、そういう方向になっています。一番クラスターが発生しやすい、重症化しやすい高齢者の福祉施設からモデル的にやっていく。そこでまず、始まったということがわかるということ、もう一つは、ほかに広げていく上で少しずつ決まったところからやっていってその知見を活かしていくということも含め、トータルで考えて、やはりまず施設から始めて、それを全部の市町でやっていくとこういうことで皆様が合意したということです。

 

【記者】

 一般向けの接種について、まだ時期が不明瞭なところもありますが、河野大臣は人口が少ない自治体では4月下旬から始めることも可能だというような発言をしているようです。福井県でもこうした早期の接種開始は可能でしょうか。

 

【知事】

 これは実務を担っていくと仰っていることはよくわかります。全てをまだ市や町で検討しており、国からどれだけの量のワクチンが来るかということにもよりますので、まだ見通せているわけではありません。やはり人口が小さいと、一箱で届けば約1000回分になりますので、人口が少ないところは、それが幾つか入ってくればそれで足りていくというような状況にもなります。そういう意味では、進捗はある程度人口にもよるのかなと思っています。

 

【記者】

 今のところ県内でも一般向け接種の見通しがまだ立っていない状況ということでしょうか。

 

【知事】

 そうです。まだ国からもそういったところまでのワクチンの配分については、具体的な数字が示されていません。

 

【記者】

 他県も同じような状況だと思いますが、国に求めていくことはなんでしょうか。

 

【知事】

 まずは中長期的に体制を整備しないといけませんので、大体この時期にこのくらいということの確実な数字を明らかにしていただく必要があると思います。その上で、1日も早くできるだけワクチンを供給していただきたいと思っています。

 

【記者】

 感染対策について、首都圏での緊急事態宣言が解除され、これから歓送迎会や花見のシーズンで人の移動や飲食の機会も増える時期だと思いますが、県民に改めて呼びかけることはありますか。

 

【知事】

 前回の会見のときにも申し上げましたが、まさに年度末、年度初めは人が移動します。しかも今回は、年末年始と似ていて、観光の方が一時来て、自分たちが楽しんで帰るということとは違い、そこに居ついて、家族が帰ってくる、もしくは職場が一緒になっていく、という状況ですので危機感は非常に大きいと思っています。

 そういう意味では、県民の皆様に以前からお願いしていましたのは、こちらに来られる2週間前から、基本的に受け入れる方、会社がありますので、そういう方々が2週間前から感染が広がらないような行動をあちらで取っていただく。その上で来ていただくということですが、もう2週間切っています。そういう意味では、今日から、少しでもそういったリスクを下げていただくということが来る前にできればしていただきたい。

 その上で、おいでになられた後も、受け入れる側も、感染防止対策を徹底していただく。家族の中でも最初のうちはよく注意をしていただくということもあると思いますし、会社の中でも新入社員の方で大学を卒業して、東京や大阪から来られる方々には、特に配慮が要るだろうと思っています。

 それとやはり何といってもご本人さんには、人にうつさないということが一番重要な行動だと思っています。もしも症状があればすぐに休んで病院に行くことをやっていただきたいと思います。また、まだ準備中ですが、県でも特急が停車するような主要駅で、通りがかって目に付くようなところに、熱がすぐにわかるようなサーモグラフィを置かせていただいて、もしも熱がある人はここに電話してくださいということで、すぐに病院へいけることをわかりやすい形で進めさせていただきたいと思います。

 

【記者】

 コロナの県内感染からおよそ1年、今年は変異株の確認も2例ほど確認されています。改めて、感染拡大の防止、先ほど人事の中でも強化という点がありましたが、経済活動の両立というところでの今後の思いをお聞かせください。

 

【知事】

 全国的には、もう46万人近くの方が感染されて、9,000名近くの方が亡くなられています。亡くなられた皆様には心からご冥福をお祈り申し上げます。さらに今でも毎日感染者が1,500人ぐらい出ているという状況で、リバウンドも心配されている状況かと思います。

 福井県内は、今日も今のところ感染者はいないと報告を受けていますが、553名の方が感染し、25名の方が亡くなられています。

 しかし、全国的に見ても、感染者の数は43位ということで、比較的落ち着いてきていると思っています。これについてはまず県民の皆様が、何よりも、私どもの呼びかけに大変積極的に応じていただいた。我が事として人にうつさない、自分がうつらない行動をしっかりととっていただいた、皆様方に心から感謝を申し上げたいと思います。

 また、医療従事者の皆様も最前線で本当によくやっていただいています。エッセンシャルワーカーの方も本当に基盤を支えていただいています。職員もよく頑張っていると思います。そういう中で、こういった状況になっているわけで、何とかこの年度末、年度初め、ある意味の危機の時期でもありますが、これを乗り越えていきたいと思っています。

 その上で、これから大切なことは、これを収束の方向に向けていかなければいけない。新年度はそういう時期に差しかかってくるのだろうと思っています。そういう意味では、ワクチン接種の体制をしっかりととらせていただく。それから、県民の皆様が正確な情報を得て、接種の判断ができるように、効果や副反応を国とも連携をとりながら、正確に皆様にお伝えをしていく。

 また、不安になられることもあると思いますので、県としても専門の相談窓口を設置させていただいてご相談に乗らせていただく状況でございます。接種については、ご本人さんがしっかりとご判断いただければよいと思いますが、やはり多くの県民の皆様や医療関係者の皆様は、何とか医療の負荷を減らしていくことも大事だろうということで、接種を希望されている方も多いわけです。そういった希望される方が1日も早く接種できるようにしていきたい。その他にも、福井県の取組みは、「福井モデル」と言われています。例えば、全国で最初に宿泊療養施設をつくりました。さらに、4月12日には、入院コーディネートセンターを設置し、患者が発生した場合には、全県一律で一元的にどのように対応していくのかということ始めています。また、医療従事者向けの特別手当も非常に早く3月18日からやらせていただいています。マスク券もそうですし、妊婦さんのPCR検査などといったことを先手先手でやらせていただいています。

 こういうことをしっかりと継続しながら、さらにこれからも柔軟に対応して、県民の皆様に安心安全を感じとっていただけるようにしていきたいと考えています。

 

【記者】

 県議会では40年超原発の議論は材料不足ということで、一度整理してボールを返してほしいという話になりました。ボールという表現でしたが、県は具体的に何を整理し直そうとしているのでしょうか。

 

【知事】

 県議会で最後に言われた主な点は、立地地域の将来像というものをもっと明確になるような、そういうところを重点的に、その他も報告してほしいという話でしたので、先日22日、総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会で私も申し上げた点もありますが、国から立地地域の将来像を議論する場について、具体的に示されたと思っています。

 その他にも、予算もそろそろ終わる頃なので、そうするといろいろな事業が動き出す。こういったことも含めて、現状がどうなっているのか、国から返ってきているボールをいくつか見ながら、議会にボールを返す、報告する機会があると思っています。

 

【記者】

 立地地域の将来像ということで、5月頃に会合をするのではないかという話と、議会で言っていたのは嶺南Eコースト計画について、4月から組織を作る。あと電源三法交付金の拡充、その3つが出たかと思いますが、嶺南Eコースト計画は今日の人事で国から人が出てきます。評価できるのでしょうか。

 

【知事】

 まさに予算がこういうふうに決まって、国の組織も決まってきたので、そういう意味では具体的に人数が国や事業者からも出てくるということが明らかになったということも一つ前進、今まで分かっていなかったことで、国がこういうふうに前向きにやっているという話は、今申し上げられるのかと思います。

 

【記者】

 今、いろいろ整理をされているということで、いつ頃県議会にまとまった形で返されるのでしょうか。

 

【知事】

 これはまだ私どもも、もう少し様子を見ながら進めていきたいと思っています。一つだけのことではなく、まだ予算が成立もしていないので、年度は少し越えるかもしれないなと思っています。

 

【記者】

 今お話しされていた原子力小委員会で示された立地地域の将来に向けた議論の場について伺います。40年超原発の再稼働に関連して、県は国に対して様々な要請、ボールを投げていると思いますが、これに対して、議論の場という国の方針は一つの回答というようなとらえ方をされるのでしょうか。

 

【知事】

 これは回答の一つだと思います。

 

【記者】

 この会議で国や事業者が地域共生の取組みをまとめた行動計画を策定するということですが、行動計画に対する期待や求めることは何でしょうか。

 

【知事】

 これは、国もしくは事業者が立地地域に対して、将来像を描く上で、こんなことをやっていく、元々はあり方と書いてありましたが、できるだけそれをもっと具体的な項目で明確にしながらやってほしいということを申し上げて、それは大分具体化していると思います。

 そういう意味で、国にも事業者にも一つは具体的な政策や施策を明らかにしていただく、それからそれをフォローアップというか、しっかりと作りっぱなしで終わるのではなくて、コミュニケーションを継続してとりながら、一緒になって立地地域の将来像だけでなくて将来をつくっていく、こういうような場にしていっていただくということは必要なのかと思います。これはずっとこれから継続してということになると思います。

 

【記者】

 日曜日、敦賀市で県主催の説明会があり、知事も出席されましたが、例えば説明や質疑のやりとりを聞いて、率直にどのように感じられたかお尋ねします。

 

【知事】

 私もいろいろなところで原子力、40年超運転の話は首長さんからも伺いました。また議会でも聞かせていただきました。その他でも個人的に聞く機会もありましたが、やはり皆様、立地地域をはじめとして不安なことがあります。特に前回の話の中でありましたのは、広域避難計画の実効性をもっと高めなくてはならないのではないか、さらに、大阪地裁の判決を受けての基準地震動への不安も大きいと感じました。

 22日の原子力小委員会でも、こういったことが立地地域でも不安に思っている住民が多いということを申し上げて、国に対してはさらにこういったところの説明責任、もしくはもっと精度を高めていくことを要請させていただきました。

 

【記者】

 説明会での原子力規制庁の説明は私には難しすぎると感じましたが、知事はどう感じましたか。

 

【知事】

 私もそんなに詳しくはないため、分からないこともありましたが、質問されていた方も大学の先生で、非常に詳しいことを聞かれていた部分もあったと思います。そういう意味では、最もコアな部分のご説明を、グラフなども示しながらしていたかと思います。いろいろな形で、水準を合わせて、私たちにも分かりやすいように、引き続き国でも説明していっていただく必要があります。そういうことも含めて、原子力小委員会で私は県民・国民への説明をもっとしてほしいと申し上げました。

 

【記者】

 県民説明会の質疑応答で込み入った議論になるのはわかりますが、文系の人間や嶺南のおじいさんおばあさん、あるいはYouTubeを見た県民の人達があの説明を理解できるか、それで安心を持てるかは疑問に思います。どう感じられたのでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃられることは一つの考え方としてあると思います。よって先ほども申し上げ、原子力小委員会でも申し上げましたが、しっかりと説明をしていくことは大事だと思いますし、何より裁判は係争中ですので、ここのところでしっかりと説明をして、問題がないという方向に持っていくことが国にとって一番重要なことだと思います。

 説明会については、今もネットで見ることができるようにしていますし、意見も書いていただけるので、ぜひとも県民の皆様にご覧いただき、なおかつ疑問点があれば質問していただいたり、国はいろいろな機会を作りながら説明をしていく必要があると思います。継続してやっていただく、それが大事だと思っています。

 

【記者】

 40年超運転、中間貯蔵施設の問題で、今回2023年末までに関西電力が計画地をまとめると言ってきましたが、それに関連して、これまで期限が延びてきて関西電力が約束を果たしていないと思っています。約束が果たされなかった時の責任、県側、知事の責任について、そもそもあるのかないのか、どのように考えているのでしょうか。

 

【知事】

 まずは23年末までに約束を果たしてもらうということだと思います。この約束は国と事業者が約束していますので、約束は守ってもらうことだと思います。

 

【記者】

 守っていただくのはわかりますが、最終的にはストップをかけられるのは県しかないと思っています。そういう提案がなされたときに了とした県の判断があったかと思いますが、その責任は生じるのか、あるいは生じていないのか、どう考えているのでしょうか。

 

【知事】

 私は常々申し上げていますが、40年超運転とそもそも中間貯蔵の話は別の問題ですが、これまでの約束を守らないということでは新しい話に入れないということで、前提という言葉を使わせていただきました。そういうことで、新しい議論に入る前提としては、確定の前に計画地点を提示するということについて、2020年の年末までに提示してほしいということについて、一定の回答がありました。

 私が説明しているのは、一定の回答と、2023年末という期間に確定していくと言われましたので、新しい議論に入っていく話は、議論には入りましょうと申し上げました。2023年末ということについては、関西電力と国がしっかりと責任を果たしていくということなので、私はその点についてはこれからもしっかりと県として動向を注視していきたいと考えています。

 

【記者】

 知事は40年超運転と中間貯蔵の問題は別の問題としていますが、例えば関西電力はついこの前まで、使用済核燃料プールは6年から10年でいっぱいになると言っていましたが、運転を再開するとして、5年から9年と期間を短くしたりと使用済燃料がひっ迫しています。40年超運転をすれば使用済燃料が発生して、それがさらに進んでいくということで、2つの問題は個別の問題ではなく、一緒に解決していくべきではないでしょうか。

 

【知事】

 これは原子力発電、もしくは核燃料サイクルの問題は、その2つに限らず、いろいろなことが一つになりながら進んでいくということなので、それぞれの役割の人たちが、一つひとつのことをしっかりと果たしながらやっていくということだと思います。この2つだけで動いているということではありません。

 

【記者】

 エネルギー基本計画に原子力政策の方向性や福井の位置づけを明記してほしいとの意見が福井県からあったと思いますが、具体的に要請するものはあるのでしょうか。

 

【知事】

 22日の原子力小委員会でも、県議会で今のエネルギー基本計画の中では、原子力の比率を逓減するという方向性だけを言っていて、どこまでいくのか、無くしてしまうのかどうかが分かりません。

 そういう状況に対して県議会の中でも、再生エネルギーをどんどん進めていくことで原子力は小さくなるとの書き方をしていて、その後、再生エネルギーがうまく進めばいらなくなるのか、もしくは再生エネルギーがあまり進まなくて、やはり原子力がいるからやってくださいといったことで立地地域を振り回すのはやめてくれとの意見があることを申し上げ、国として今後どういう方針でこれからの2050年のカーボンフリーを実現していくのかということを明確にしてほしいと申し上げています。

 その意味では、県議会で言われている事を常日頃からフィードバックしながら、先ほどの県民の皆さまのご意見も含めて、国とのやり取りをこれからも進めていきたいと思います。

 

【記者】

 国がどのようにエネルギー基本計画で明確にするのかは別として、明確化をこれまでも求めているし、この前の原子力小委員会でも求めたということでしょうか。

 

【知事】

 物事はいろいろなものがいろいろな速度で進んでいくので、どこでどう出てくるのかは、必ずしも今から想定しているわけではないし、どんどん進んでいくことなので、常に私ども求めながら確認しながらやっていくことだと思っています。

 

【記者】

 先ほど国とやり取りしていくとの発言がありましたが、今回のゴタゴタの1つの原因が水面下で国と県がやり取りしていて、その結果が2月12日の会合で出てきました。その計画が全く明かされないまま結論だけ突然示されたことで、疑問や苦言などが出てきたと思っています。今後、また県民の理解を得て、原子力政策を進めていく上で、ある程度の国とのやり取りや進め方を県民や県議会に示す必要があると思いますが、知事の考えをお聞かせください。

 

【知事】

 おっしゃるとおりだと思います。大きく言えばできるだけ分かりやすくやっていく必要があるので、そういう意味ではいろんな形で私も申し上げているし、それをお返しいただくことが必要だと思います。

 一方で、やはり実務的に相手もある話なので、その意味では全てをオープンにして交渉ができるかといえばそういうことではないとも認識しています。

 

【記者】

 県議会にボールを返そうとしていましたが、立地の将来像の会合が5月頃になるのではないかということがあって、次の定例県議会が6月ということで、将来像も見てからなのか、どういうプランを描いているのでしょうか。

 

【知事】

 一つひとつのことで、あまりこうならなければいけないとは思っていません。ある程度の材料が揃えば、私どもとしても考えていくということになるかと思います。年度内はいろいろ予算も動いているので、今はちょっと考えにくいところでありますが、それほど時間を、これは物事のやり取りなので、ここで決めるということではないので、やりとりを、ボールを返せと言われていることについては、そんなに待ってやっていくと思っているわけではありません。

 

【記者】

 年度の早い時期にもあるということでしょうか。

 

【知事】

 ありうると思います。まだ決まっていません。どのようになるかわかりませんが、決して遅くやろうとしているわけではありません。

 

【記者】

 LINEの問題について、県でも情報発信にいくつか使っていると思いますが、今後どういう形にするつもりかお聞かせください。

 

【知事】

 福井県としては、LINEについて、個人情報の扱いということは今のところしていませんので、そういう意味では県民の皆様にはご心配されないようにと思っています。

 これからLINE側も、新たなことを発表していると思います。また、26日までに国が自治体に対して、どういうことで使っているのかという調査もしています。国、各自治体、それからLINEの動きを見ながら、適切に判断をしていこうと思います。

 

【記者】

 すでに自治体によってはLINE休止、一切使わないというふうな発表されているところもあるかと思いますが、福井県としては、国と事業者の判断を待つということでしょうか。

 

【知事】

 今申し上げた通りで、今は不安になるような使い方をしておりませんので、そういう意味では、ご安心いただきたいと思いますし、今の段階で、個人情報が使われるような使い方はもちろんしません。これからの対策も打たれ始めていますので、推移を見ながら適切に判断をしていきたいと思います。

 

【記者】

 医薬品メーカーの小林化工について、3月10日に業務改善計画が県に提出されたと思います。その中では組織の体制や製造管理品質管理の見直しについて言及されていると思いますが、その後、県に何か進捗状況の報告は来ているのでしょうか。

 

【知事】

 ないと聞いています。

 

【記者】

 昨日、鉄道・運輸機構の理事長に新しく内閣府の事務次官の方が選任されましたが、どういったことを期待しているのでしょうか。

 

【知事】

 新しく理事長になられる河内さんは、私の役所の4年先輩ということもあって、非常によく存じ上げています。個人的見解で申し上げますと、人格識見ともに、極めてすぐれた方だと思います。人選としては、この難局、難しい中でもある意味、すばらしい方が就任されたという印象をまず持っています。その上で、これは個人の問題ではなく、まさに鉄道・運輸機構そのものの体質を変えていただかなくてはいけないと思います。まず、事業の執行体制を強化する、それから本社のチェック機能強化する、それから私たち地元の自治体との情報の共有は大事だということです。例えば、実施体制の強化で言えば、今の大阪支社を北陸新幹線建設局として福井県の地元に置いていただく。

 また、チェック機能で言えば、建設費が一定額以上増えた場合、または工期が伸びた場合、本社に報告をする連絡協議会も立ち上がっています。これは実効性がしっかり上がるようにしていただくということが一番なので、責任と能力といったものをしっかりと高めて信頼に足る組織に変えていただきたいと思っています。

 

【記者】

 並行在来線の準備会社の社長人事について、開業まで3年というタイミングでの交代には、どういった狙いがあるのでしょうか。

 

【知事】

 人事は会社がするものですが、今回の人事では、社長は小川さんと言われていますが、私としてはこれまでの経歴からも打ってつけの方だろうと思います。私どもが期待していることと言えば、これから3年後の新幹線開業を控えて、1年遅れましたが、逆に言うと1年をチャンスに変えて、まちづくりにまで広げて、新幹線開業を迎えるために有為な人材だと思っています。

                                                       ―― 了 ――

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