知事記者会見の概要(令和3年11月11日(木))

最終更新日 2021年12月7日ページID 048357

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令和3年11月11日(木曜日)
10:30~11:20
県庁 大会議室

知事200213

  

〔配付資料:新型コロナウイルス感染症対策について

 

【知事】

 それでは、最初に私から新型コロナウイルス感染症についてお話をさせていただきます。

 まず、本日は今のところ感染は確認されておらず、1週間の感染者数は2名と、落ち着いている状況です。また、昨日、昨年10月5日以来401日ぶりに病院の病床使用がゼロとなりました。まだ2人が宿泊療養施設に入られていますが、入院治療が必要な患者さんはゼロになり、落ち着いてきています。これは第4期からの流れですが、今年3月以来ぐらいしっかりと落ち着いてきているという状況です。

 そういう中で、福井県においては、第4期、第5期について、いろいろな統計等や現場の状況を調べて、振り返りの取りまとめをさせていただきました。これから第6波に備えていきたいということで、その概要をご説明させていただきます。

 まず第5期の分析で感染者数等の統計は第1期から第5期までの流れを見ていますが、特に見ていただきたいところとして、感染経路の不明率は第5期で1.5%とさらに低くなっているということです。おそらく全国で一番感染経路不明率が低いと思っています。

 平均入院日数についても、早い段階で早期発見・早期治療に努めているということ、病院の入院の基準等も少し緩和されている部分もあり、9.4日と短くなってきているところです。

 病床の利用率については、最大の利用率は223床でしたが、臨時病床、臨時医療施設の開設を行い、分母の方を増やしていますので最大値は第4期に比べて下がっている状況になっています。

 それから、ICU利用率も同じように下がっており、宿泊療養施設の利用率については最大が上がっています。これは第5期のデルタ株がいかに難しい状況だったかということです。感染は拡大しましたが、軽症もしくは無症状の方もたくさんいましたので、その部分を宿泊療養施設でカバーしていったというところです。この時は最大101床を使っていますが、その分母になる146床は、この後順次拡大をして316床になっていますので、現状から言いますとこれよりもさらに落ち着くというような環境を整えているところです。その上で重症化率については、さらに第4期から第5期にかけて、重症化率0.4%ということで低く抑えている状況になっています。

 第5期の分析の会話時のマスク着用状況として、これまでも「おはなしはマスク」と申し上げてきました。どの場面で感染が起きているのか、感染を抑えるときに、人と人との接触を抑える、3密の回避ということをよく言われますので、そのこと自体は、全く否定するものはではありません。しかし感染、特にウイルスの関係はどこでうつったかという場面が最も重要であろうということで、福井県ではずっとこれを追跡してきたところです。これに基づきますと、第5期において、感染場面がわかっている状況の中では、94%がマスクなしの会話によって起きているということが分かりました。両者ともマスクをしていたということが明らかなところは6%弱ということですので、やはりマスクなしの会話が圧倒的に原因として考えられるということです。どういう場面だったのかが分からないという方も14.7%いますので、全体の中からその分を除いて、感染場面がわかっている方に限った状況です。

 ワクチン接種の効果についても調べています。これも非常に示唆に富んでいると思います。ワクチン接種を2回接種していれば、未接種の方に比べても圧倒的にその感染の比率が低いということを申し上げましたが、現状において福井県では2回接種された方が全人口の77%という状況になっています。10万人当たりの感染者数に置き換えて、未接種の方と2回接種して2週間経った方を比較しますと、2回接種者は未接種者の30分の1となる。いかにワクチンの効果が大きいかということはこれで明確にお分かりいただけると思っています。

 続きまして、重症化についてのワクチン接種の効果についても調査を行いました。重症化した場合の全国の統計上、何人が何日重症者として入院していたかということを統計で調べたものでありますが、福井県では早期発見・早期治療によって、全国平均の10分の1に抑えているという状況です。その一つの早期発見・早期治療の客観的データとして申し上げますと、発症した後から積極的疫学調査を行いまして、この日に少し具合が悪くなったという日から、実際に入院治療を始めるまでの間が福井県の平均は2日間。具合が悪いなと思って病院に行って検体を取ってPCR検査の結果が出て、それで入院していく、これまでの間が2日間でできているということです。

 次が「福井モデル」です。感染経路の不明ということがそもそも、これは第5期までを通じて全体で2.1%、もしくは第5期だけで言えば1.5%となっているわけです。そういう中で、幅広くPCR検査を行う。具合が悪くなる人を待っているのではなくて、これから具合が悪くなる、感染している人を探しに行く。まさに積極的な疫学調査を行う。接触可能性のある方まで幅広くPCR検査を行うことで、先ほどのように、早期発見、もしくは入院治療に結びつける。そして、エビデンスもしっかりと皆さんに申し上げていく。県外関連の陽性がほぼ大半を占めているということはわかっている。なおかつ、入院コーディネートセンターでは昨年4月から入院調整を一元的に行っていますので、PCRの陽性が出てから入院まで2日ありません。発症からその入院までの間を短くするためにも入院コーディネートセンターで入院調整を一元化して、どの地域で発生しても、滞りなく入院ができる。さらに、受診・相談センターは保健師の応援にも回りますが、まず具合が悪い、PCRが必要だというときにはどこで検査を受けるのかの調整も行います。また、他のところでも何か具合が悪い、相談したい、仮に、自宅療養ということになっても、何か具合悪いというときには、保健所からの連絡を待たなくても自分から受診・相談センターに連絡いただければ、しっかりとした入院や治療もしくは指導の方に結びつけられる福井モデルが今の早期発見・早期治療を可能にしていると考えています。

 そして、早期発見・早期治療の効果を検証しました。11月8日に国の分科会で、感染や医療の状況を予測するツールを使って、これからレベル2やレベル3にならないように努力をしていくというようなお話をされました。その予測ツールを、8月20日を初日にして、実際の第5期に当てはめてみました。そうすると8月20日は、まだ福井県でも次々とクラスターが発生しているような状況でしたが、予測ツールではこの後ずっと新規陽性者数が増えていくと見えています。しかし、現実にはミクロのレベルでとにかく感染を抑えるという努力を福井県の場合は行っています。その結果として、予測ツールに反して、非常に低い水準でさらにだんだん抑えてきているということが明らかになっています。

 続いて重症病床を要する人について、初日はゼロということで勘案して少し下に行っていますが、現実には重症病床を要する人が増えていくとなっています。早い段階で発症から2日で入院治療までたどり着いていますので、現実には、低いところで動いているということです。

 また、療養者数は宿泊療養施設も含めた数ですが、統計的に最初にゼロからスタートしていますが、大きな山にならないで低く抑えていける。いずれもこれはこうしたモデルを使うということではなくて、感染の場面から抑えていくという方法が、特に大都市部はそこまでやるということがどこまで可能なのか、できるだけ努力をすることは必要かもしれませんが、なかなか難しいかもしれない。とはいえ、地方部において、こういうことをやっていくことの有効性がこれでも明らかだと思っています。

 こういったことを踏まえて、県民の皆様方には第6波に備えた感染対策の徹底をお願いしたいと思います。一つはこれから忘年会のシーズンを迎えます。最近は、飲食店にも大分お客さんが戻ってきていますが、やはり気を抜いているといつ感染が拡大するかわからない。最近も、全国的には落ち着いてはいますが、下げ止まったという感じも出てきているような雰囲気です。いろいろな指標を見ますが、一つには感染者が1人でも発生している都道府県の数を私たちは見ています。大分落ち着きましたが、ついこの間までは一番低くて23県ですので、残りの24県は発生しない日はあったのですが、ここのところ30県ぐらいまで増えてきている。何となくこれ以上減らない状況になっている。

 また、全国の感染者に占める東京や大阪の割合などをよく見るのですが、いつも感染が始まる最初は東京や大阪が上がり始めて、それがだんだんと全国に広がっていく。それが今、少し上がり始めていることも含めて、これから気を抜けない時期を迎えてきたと思っています。

 そういう中で、経済を再開しながら、できるだけ感染を抑えるという方法で宴会をするならマスク会食をぜひ皆さんも実践していただきたいと思います。宴会をするときには、大人数の会食時の感染対策の徹底をお願いしたい。宴会の時も会話をする際には、マスクをしてお話をしていただきたいと思います。お酒を酌み交わしたりして、少し歩いて行くかもしれませんが、お話しするならマスクをすることをぜひお願いしたい。

 今まで1テーブル4人以下、5人以上ならテーブルを分けてと申し上げてきましたが、今回緩和させていただきます。その上で、是非ともお話をするときにはマスクをしていただく。私も毎日マスクをしていますが、苦になりませんし、していただくと安心ですので、ぜひお願いしたいと思います。宴会をされる主催者の方には是非とも、飲食の最中も会話の時は「親しき仲にもマスクあり」ということで必ずマスクをする。また、ふくい安全・安心認証店も4,000店舗ぐらいになってきていますので、これをご利用いただきたい。かなりの比率で、認証店になっていただいています。お店を探すことは難しくないと思いますので、ぜひお願いしたい。また、体調不良の場合は参加しない。これはもうぜひ皆さんに徹底していただきたいと思います。

 お店側も、お客さんに入っていただきたいということはあるでしょうが、感染が広がればお店はお客さんが減りますので、そういうことから言えば感染させないことが一番だと思います。マスク会食をぜひお店でも呼びかけていただきたいと思います。これまでどおり、消毒設備の設置、座席の間隔の確保や換気もお願いしたいと考えているところです。

 第4期、第5期の振り返りの状況については、本日午後、資料配付をさせていただきたいと思います。是非とも発信していただけると、いろいろな地域でも参考にしていただけるのではないかと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

 年末に向けては、帰省や成人式で人にたくさん会うと思います。特に親しい方に会うときのために、ワクチン接種をしていると、重症化のリスクが10分の1に減るということを説明しました。さらに、人にうつす確率も減るということは、今回の第5期の検証に出ています。第5期全体で感染者が1,676人いるのですが、そのうち2回接種後2週間経った方が148人いました。それで両方比較をしてみますと、濃厚接触者が第5期の場合、全体では3,497人、その中から感染した人は966人とデルタ株がこれまでの株に比べると感染率が上がっているという状況になりました。今回、2回接種後の方に限って言いますと、10.8%と以前よりも下がっています。これを科学的には解明できているわけでありませんが、データとして見れば、ワクチン接種を2回終えた人が感染するいわゆるブレイクスルー感染したとしても、濃厚接触者が感染するリスクは低くなるというような結果も出ています。自分も重症化しない、周りもうつさないという可能性が非常に高まるということを今回の福井県の第5期の状況を踏まえて、言えることだと思っています。

 

~質疑~

【記者】

 今回の振り返りの中でもワクチンがすごく効果的であるという見解が示されましたが、宴会のシーズンを迎えるということに備え、県独自のワクチンパスなどを検討しているのでしょうか。

 

【知事】

 国の考え方は必ずしも完全に決まっているわけではありませんが、伺っていると感染者数の上り局面、だんだんステージが上がってくる前、レベル2のような状況になってきたときに、安全を確保するためのワクチン・検査パッケージというような考え方が何となく示されてきているのかという感じを持っています。そういうことから言いますと、今はワクチン・検査パッケージという局面ではないかと思っています。それよりは、宴会をする、大人数で集まるときに感染リスクが上がりますので、それをどう避けるかということを通常の行動パターンとして、きちんと守っていくことで乗り越えていくのかと思っています。

 もう一つは、やはりワクチン接種可能な方は、よくお考えいただいた上で、積極的に接種をしていただくということも重要なのだろうと思っています。

 

【記者】

 3回目のワクチンが今月中旬には入ってくるという見込みがある中で、改めてスケジュールと今後の市町との連携体制の構築について教えてください。

 

【知事】

 昨日の厚生労働省の専門家会合で、12月1日から18歳以上の方について、2回接種から8か月を経過した方に対し接種を始めるという方向性が示されまして、15日の厚生科学審議会でそういった方針が決められると伺っています。

 我々はそれに向かって、市町や医師会とよく相談をしながら準備をしていくということになります。現状においては既に最初の2か月分、12月、1月分は福井県の状況でいえば、5月末までに2回接種した方の分のワクチンが来ることになっていますので、12月1日からの接種が可能だと思っています。最初は医療機関関係者や高齢者の福祉施設の入所者などを中心に、これまでのノウハウもしっかりとありますので、問題なくやっていけると思います。そこから先どのように拡大していくのかは国の方針を見ながら、準備をして、ここのところはそれほど混乱なくワクチンさえしっかりと供給いただければできると思っています。

 

【記者】

 12月、1月に届くワクチンは、具体的には何回分の分量になるのでしょうか。

 

【知事】

 4万3,290回分です。

 

【記者】

 今後届くということでしょうか。

 

【知事】

 そうです。22日に正式に届きます。ファイザー製です。

 

【記者】

 会食については、今回テーブル4人以下という制限を緩和するということですが、5人以上同じテーブルを利用してもマスク会食を徹底すれば容認するという理解でよろしいのでしょうか。

 

【知事】

 私どもの思いとして、そのように申し上げています。大都市部でもそういう議論がされている中で、福井県においても、そうした日常に近い方にシフトしていこうということです。

 

【記者】

 県のコロナ対応の経済対策についてお伺いします。観光支援、宿泊支援は非常に人気が高かったと思いますが、進捗の度合いを教えてください。

 また、今後県外客の呼び込みというところで対象を広げたり、もしくは別の手を打ったりということがあるのでしょうか。

 

【知事】

 予算の進捗等で言えば、宿泊も好調でして7割、8割ぐらいまで予算を消化していると思います。特に日帰り旅行の分も9割以上売れていまして、先日一部予算を追加しましたが、非常に効果が大きいと思います。日帰り旅行は、旅行というよりは飲食店を絡めて少し観光地を回るという感じですので、そういうことから言うと、飲食店の特に少し高級なところを一気に上げる効果があったと思います。宿泊の方もカニのシーズンを迎えて、昨年の今頃はGoToトラベルをやっていたのですが、あのときはすごい活況で、それに近いぐらいの水準まで上がってきています。そういう意味では、今のところはうまく消化もできているし、経済の波も及んでいるかという感じを持っています。

 

【記者】

 今後の県外客の呼び込みについてお聞かせください。

 

【知事】

 国にはまずGoToトラベルを「もう落ち着いているのだから早く再開しよう」、「特に落ち着いているところからでもよいので始めてほしい」ということを強く言っています。合わせて、それが全国一律ですのでどうしても遅れる地域があるとすると、まず落ち着いている我々の隣県だけでも一緒にやれるような県版のGoToトラベルの部分を拡大できる補助制度にしてもらい、その給付金を追加で配分いただきたいということを今申し上げています。

 

【記者】

 今まさに越前がにのシーズンですが、知事ご自身としては県外からもお客さんを呼び込みたいというような思いはあるのでしょうか。

 

【知事】

 現状は本当にそうだと思います。東京も含めて、感染者は落ち着いています。やはり感染対策が重要だと思いますので、外から来られた方にも、マスク会食等、安全面をよくとった上で進めていくことが大事かと思っています。

 

【記者】

 会食の制限の緩和について、全体の解禁ムードに影響すると思うので伺いますが、例えば、年末の県庁職員の忘新年会では、知事ご自身としては止めるおつもりはない、やっていくというようなお話でよいのでしょうか。

 

【知事】

 これは先ほどから申し上げているように、現場において、「マスク会食」、とにかく会話するときにマスクをするということを徹底しながら、県民の皆さん、県庁職員も県民ですので、そういう意味ではやっていくのだろうと思います。ただ、第6波が来るとも言われていますので、それは状況に応じて、その都度我々としてはいろいろなメッセージを出させていただくことはあるかもしれません。

 

【記者】

 先般の北陸新幹線建設促進同盟会で富山県知事以外では初めて会長に就任されました。改めて、新会長に就任された抱負と大阪までの早期開業をどのように進めていくかお聞かせください。

 

【知事】

 今、北陸新幹線の敦賀以西の着工という大変大事な時期を迎えているということで、私としては身の引き締まる思いですし、責任の重大さということを痛感しています。

これから沿線全体、特に京都、大阪、関西の皆様とも力を合わせて、大きな課題がありますので、乗り越えていけるように運動をさらに活発化していかなければいけないと思っています。そういう意味では、関西の皆さんがどうやって、さらに活発に活動していただけるかということにこれから力を入れてかなくてはいけないと思っています。直近で言いますと、近々、関西広域連合の北陸新幹線建設促進大会が開かれると伺っています。

 その後、皆で要請行動を行うということも聞いていますので、私もそこに参加させていただく。これまでも、福井県知事として参加していましたが、これからは沿線全体の同盟会の会長としても参加するので、機運を盛り上げていきたいと思います。

 また、関西地域の経済界はとても沸騰してきている。JR西日本の運営側も、もちろん負担の部分がありますが、そういったことを乗り越えてやりたいと強く思っていらっしゃる。関西経済界も何とかこの北陸新幹線を起爆剤に、経済を盛り上げたいという考えが強い。そういう意味では、今まで私たち北陸の側のメリットばかり説明してきたような気がしますが、関西目線でいろいろな良さや必要性をもう少し発信していくことも大事かと思っています。この辺についても、関西の皆様とご相談しながら、積極的にやっていきたいと思います。

 

【記者】

 当然大阪開業までに様々な課題があると思います。あえて一つ、最大の課題をどのように対処していきたいかという思いをお聞かせください。

 

【知事】

 一番大きいのは、最終的に待ち構えている財源の問題だと思います。ここのところは、今のところ2.1兆円と言われています。さらに、福井県内の工事区間でも工事費が高騰等をしている状況を踏まえると、2.1兆円で収まるのかという危惧もあります。そういった中でどうやってこれを準備していくのか、そこのところをまず乗り越えていかなくてはいけないと思っています。

 これについては、福井県はすでに7月29日に与党北陸新幹線敦賀新大阪間整備委員会でお話をさせていただきました。貸付料の見直しでは、整備期間を現行の30年から50年にしていくということ、そして敦賀以西の貸付料の単価をしっかりと実態に見合ったものにしていく。これまでの貸付料が現実から見れば低すぎるという部分があるので、そういった部分を見直したらどうかという提案をさせていただいています。こういったことも含めて、これまでのチームもたくさんありますので、何とかこれを乗り越えていくということは大事だと思っています。

 それ以外にも、例えばアセスの課題もあれば、トンネルの建設残土、長大トンネルの工事の関係、京都駅や大阪駅では大深度地下駅を作ることなど、いくつも様々な課題があると認識しています。そういったものを、これまで同様、沿線の自治体や国会議員の先生方としっかりとタッグを組んで乗り越えていきたいと考えています。

 着工5条件をどう確保するか、その中で特にお金の面が非常に重要かと思っています。

 

【記者】

 先日、衆議院議員総選挙が終わりましたが、今回、県選出の国会議員は自民党のお二人ということになり、これまでに比べて半減という形になりました。結果の受け止めと、要望や声が届きにくくなるのではという懸念もあるかと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。

 

【知事】

 衆議院議員総選挙の結果については、やはり今まで県内に4名いらっしゃった衆議院議員が2人になられるということですので、そういう意味では残念に思っています。

ただ、これについては、そういう制度になっているということもありますが、今回当選された稲田先生、高木先生も6期、8期と期を重ねていただいていまして、高木先生は自民党の国対委員長という五役の一角を占めていただいていますし、稲田先生もこれまで政調会長、幹事長代行、大臣を2回もやっておられて本当に重鎮のお二方でございます。

 さらに、新幹線の関係でも、高木先生は敦賀新大阪間の与党PTの整備委員会の委員長ですし、稲田先生も整備新幹線の鉄道調査会会長というお立場ですので非常に力強いお二方が当選していただいたということです。このお二方のネットワークや力量でもちろん全国のこともそうですけれども、福井県のこともお考えいただいて、これからもタッグを組んでやっていただければと思います。また、福井県としても、私も含めて、県議会の先生方もいろいろなネットワークを国会議員の先生方にお持ちです。私も微力ながら、自分の力を発揮しつつ、さらに行動力で、何とかこれを乗り越えていき、やっていきたいと思います。

 やはりこのように人口と完全比例ということは本当によいのかなということは、若干感じます。今、分散型国家などと言っていますが、結局、社会の構造が一極集中すればするほどこういう状況がさらに加速します。人口だけで、選挙制度ということを考えるということが本当に正しいのか、ということも少し感じるところがあります。これは国会の中でご議論されることですので、しっかりと現状は現状として把握した上で、我々としても乗り越えていく努力をしていきたいと思っています。

 

【記者】

 あわら市の小林化工について、発覚から間もなく1年というようなタイミングですが、現在どのような状況でしょうか。そして、県に再開の認可等の権限があると思うのですが、お考えをお聞かせください。

 

【知事】

 今、次の営業再開に向けて申請が出てくるという状況ではありません。今、私どもが伺っている限りにおいては、やはり長い年月に渡って、ルール違反の状況で製造等を行ってきたというところで、従業員の教育訓練も相当かかりますし、薬の製造過程も見直さないといけません。今まで短絡的にやっているわけですので、ルールに則ったやり方をすると相当厳しい、難しい状況があって、遅れているとも伺っています。

 そして、単なる薬機法違反の部分だけではなくて、アルコール事業法でもアルコールの利用の仕方がおかしいといった他の法律違反の部分もあります。そもそも物を作ろうと思ってもそういった材料を集められないという状況もあります。今のところ試薬を作る工程にも進めていないと伺っていますので、まだ当分かかるのではないかと思います。

 いずれにしても、原因究明とそれを改善する手段、それから組織体制は見直しながら行っていらっしゃるのだと思いますが、従業員に対する教育訓練や製品の品質、製造の管理工程、体制をしっかりと正していただいて、我々はそれを審査させていただくということかと思っています。

 

【記者】

 アルコール事業法違反の所管は経済産業省近畿経済産業局だと思いますが、処分の報告は受けたりするのでしょうか。

 

【医薬食品・衛生課長】

 報告は受けていません。

 

【知事】

 物事を動かす時には、全部そういうところは整っているかどうかの確認をさせていただきますが、今のところその一つ一つのことについての報告はないということです。

 

【記者】

 まだ経済産業省から処分が出ているかどうかの報告も何も入ってきてないということでしょうか。

 

【知事】

 そうです。聞いておりません。

 

【記者】

 衆議院議員選挙で当選した高木議員が、選挙期間中の訴えの中で、原子力発電所の60年超運転についても判断すべきということや、使用済燃料の発電所内での乾式貯蔵も一つの選択肢ではないかと言われていましたが、このことについての受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

 これは高木議員の見識でおっしゃられているのだろうと思います。

 私どもとして、例えば60年超の運転については、7月に報道があったときに、資源エネルギー庁にも確認して、検討している事実はないと明言いただいています。

 また、中間貯蔵施設については、今回のエネルギー基本計画の中でも、中間貯蔵施設と核燃料サイクルを進めるということでもありますし、大臣とお会いした時にも、中間貯蔵施設の計画地点の確定に向けて、国も当事者として前面に立って進めていくと言っていただいています。福井県としてはこれまでと何も方針は変えていません。

 

【記者】

 関西電力の金品受領問題に関して、9日に大阪地検特捜部が元役員を不起訴としましたが、知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

 これは司法の話なので、私はコメントするような立場にありません。

 いずれにしても、関西電力はこうしたことに再発防止策を講じているわけですので、今後ともしっかりと進めていただいて、国民の信頼を勝ち取っていただく必要があると思います。経済産業省においても、電気事業法の指導監督権があるわけですから、今後とも事業者に対する指導監督を行っていただきたいと思います。

 

【記者】

 明日、県原子力安全専門委員会が開かれますが、先日まで40年超運転をしていた美浜原発3号機が議題のひとつになると聞いています。今回の委員会開催の目的や知事が期待する議論はどのようなものでしょうか。

 

【知事】

 これは通常のタイミングで、美浜原発3号機が運転したことを踏まえ、これまでいろいろとやってきたことの結果について、検証していこうという部分も多いと思います。

 安全に運転を行っていく、安全最優先と言っているので、今回課題等があれば、そういったところも改善しながら今後に活かしていただくということは良いことだと思いますし、今後とも他の炉も含めてポイント、ポイントでこういった議論をしていただくことは大切だと思います。

 

【記者】

 共創会議について、第2回が秋に開催される予定で、基本方針案などがここで示される予定だったと思いますが、現状のスケジュールやワーキンググループでの議論の進捗などをお聞かせください。

 

【知事】

 今日現在、国から具体的な案は示されておらず、次回以降出てくると期待しているところです。先日も萩生田大臣に対して、国から立地地域の将来像を見ながら必要な、やらなければいけないプロジェクトをしっかり示していただくようにと申し上げて、それをやっていくと大臣にも言っていただいています。

 当面は、今年の年末に向けて何らかのものをつくっていくということだと思いますので、それに向けて国の側から、もしくは事業者の側から、主体的に行うプロジェクトについての提案をしっかりと出していただきたいと思っています。

 

【記者】

 本日、若狭会計室の県職員が住居侵入の疑いで逮捕されました。6月にも奥越農林総合事務所の職員が接待で問題になっており、今年に入って出先機関での不祥事が相次いでいます。知事の庁内でのアナウンスや今後の方針をお聞かせください。

 

【知事】

 まず若狭会計室の職員が逮捕されたという事実については、私も把握しています。事実関係は現在確認中だと思いますので、こういったことにしっかりと答えてもらう必要があるかと思っています。またいずれにしてもそうした疑義が生じるような行動を行ったということについては大変遺憾でして、県民の皆様方にお詫びを申し上げたいと思います。相次いでいると言いますか、2件起きているという状況です。事案は全く違う傾向のものですが、とはいえ、そうしたことが次々と起こるということは、公務に対する信頼を損なう大きな原因になりますし、また連鎖するということもあり得ますので、しっかりとこれから出先に限らず、職員に対して綱紀粛正ということを強く求める通知を行っていきたいと思っています。

 

【記者】

 石川県で新しい「輝」というカニのブランドが作られました。福井県の「極」に与える影響は何かお考えでしょうか。

 

【知事】

 影響そのものがどうなっているかということまでは把握していませんが、今回福井の「極」については、初競りでは80万円ということで過去最高値をつけています。また、越前がにブランドそのものとしても、平均単価を聞いていても、昨年も好調だったと言われていましたが、今年はさらにそれを上回るような単価で取引されているということですので、そういう意味では、コロナ禍にあっても、越前がにのブランド力もしくはそれに対する評価は下がっていない、逆に上がっている状況なのかと思っています。

 これまでしっかりと観光関係者や漁業関係者も含めてブランド化を進めてきた結果だと思います。石川県で「輝」も出たりしていますので、そういったことで対応が必要であれば、また考えていきますが、引き続き、これまでやってきたことをしっかり続けながら、国民の皆様に越前がにの良さを理解していただいていくことは大事かと思っています。

 

【記者】

 GoToEatについて、販売再開が10月から始まって、12月15日までが使用期限となっていますが、延長のお考えはあるのでしょうか。

 

【知事】

 ご議論があるように伺っています。とりあえず、12月15日までの使用期限を延ばすということは決まっていないと思いますが、11月15日までの販売については、延ばしていく方向で検討しています。その上で、12月15日の期限は今後議論されて延長していただきたいと思っています。皆様にはぜひGoToEatもご活用いただいて安全安心にお食事をしていただければと思っています。

                                                           ―― 了 ――

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