知事記者会見の概要(令和3年12月27日(月))

最終更新日 2022年2月4日ページID 048772

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令和3年12月27日(月曜日)
10:30~11:25
県庁 大会議室

知事200213

  

 

【知事】

 まず私から何点か説明させていただきます。

 

〔配付資料:25日からの大雪について

 土曜日からの大雪の状況についてご説明します。今、県内で一番降っている場所が嶺南ということで、小浜市の47cmが最大、山の中の方は少し別かもしれませんが、平地では一番深くなっています。昨日の朝から大雪警報が出ていますので、県としては災害対策連絡室を設置して警戒体制を組んでいます。現在は、人的被害についてあまり大きなものはないという状況です。また以前もご説明していましたが、除雪状況の見える化ということで、「みち情報ネットふくい」に除雪状況がわかるような仕組みを導入しています。9時40分の段階で近畿地方整備局の東川(とがわ)局長ともお話し、敦賀から木之本までの北陸道の通行止めを解除していただくことができましたので、美浜から敦賀を通って、木之本までは通過できるようになりました。あわせて、私どもから今申し上げていることは、国道8号の敦賀以南のところも早く解除してほしいということで、除雪等を行っていただいているところです。随時、局長と私も直接連絡をとりながらやらせていただいています。大雪はもう少し続くということですので、県民のみなさま方には雪の状況を見ながら、外出を控えていただくということかと思っています。経済界にも金曜日の段階から大雪のときにはテレワークもしくは時差出勤をしていただくお願いもしていました。そういったことで少しは減っているかと思いますが、これからも雪の状況によって我々としては適切に対応していこうと考えています。

 

〔配付資料:福井県スポーツ特別賞授与について

 続きまして、福井県スポーツ特別賞の授与を行いたいと考えています。昨日、東京オリンピック金メダリストの吉田正尚選手と栗原陵矢選手に県栄誉賞を贈らせていただきました。12月11日には見延和靖選手にも贈らせていただきました。

今回は先日のバドミントン世界選手権で、山口茜選手が初優勝を飾られました。世界女王ということですし、山口選手は大変地元思いで、またお正月にも帰ってきてくださるようです。平成30年にワールドスーパーシリーズファイナルズで優勝されたときにも、贈呈させていただきましたが、今回改めてスポーツ特別賞を授与させていただこうと考えています。贈呈式は1月6日に県庁において実施する予定となっているところです。

 

〔配付資料:新型コロナウイルス感染症対策について

 続きまして、新型コロナウイルス感染症対策、年末年始の感染対策についてお願いを申し上げます。現状、福井県内は今日で48日連続感染者ゼロという状況で発表させていただくことになると考えています。そういう中ですが、オミクロン株の市中感染も広がってきている状況で年末年始を迎えます。いつも申し上げていますが、年末年始となりますと、単なる旅行ではなくて親しい間柄の人が行ったり来たりする状況になりますので、マスクを外した生活も起こりうることになってきます。県民のみなさんにはぜひ年末年始、特に注意していただきたいことについて申し上げます。

 まず一番は、何と言いましても「おはなしはマスク」をしっかりと行っていただくことだと思います。第5波の状況を見ましても、福井県内で94%の方は会話の際にマスクをしていなかったことが原因で感染が起きている。そういうことが明らかになっていますので、帰省などで家族、友人に会う際は必ず「おはなしはマスク」をしていただく。また、忘年会の開催も急に拡大しているとみなさまも感じていらっしゃると思います。そういうことで、飲食中も会話時はマスク。マスク会食と言わず、飲食中も「おはなしはマスク」。会話、発話するならマスクをしていただくことをお願いしたいと思います。これが本当に一番の感染対策であり、経済対策だと思っています。みなさまも大分慣れてこられたと思いますし、あとはもう心構えだと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

 それから体調管理の徹底をお願いしたいと思います。日頃やっていただいている検温とあわせて特に帰省や旅行で県外との往来がある場合の体調の変化に注意していただきたいと思います。政府でも言われていますが、オミクロン株が市中感染で広がり始めています。オミクロン株の市中感染が広がっているとされている地域と、特に帰省や親しい友人に会うというときには十分注意をいただきたい。注意と言いましても、今の段階では、行き来することを止めるということではなくて、まさに先ほど申し上げた「おはなしはマスク」。飲食時も「おはなしはマスク」。「親しき仲こそマスクあり」ということを徹底していただくことが、とにかく一番今できることだと思っています。そういう意味で十分注意をしていただきたいということかと思っています。体調不安の場合は、必ず迷わずに医療機関に行っていただく。また、帰省する人に具合悪いという話が事前にあったときには、恐縮ですが、やはり近くの病院に行っていただくということかと思っています。

年末年始、初詣などお出かけをしますと密になる状況が増えてくると思います。密に大分慣れてきてしまっていますが、やはり感染リスクは上がりますので、できるだけ時間をずらして行っていただくということが肝心かと思っていますし、やはり手指の消毒、換気は十分に行うことを心がけていただきたいと思っています。

 次にワクチン接種の関係です。3回目の接種につきましても、12月17日に国の方針が出ましたので、それに従って福井県でも進めさせていただきます。基本的には、医療従事者、高齢者施設の入所者、従事者、それから通所に通われている方々などは、6か月に前倒しをして、順次接種を行っていきます。高齢者福祉施設についても、特別養護老人ホームや介護老人保健施設で今日から6か月に前倒しした入所者、従事者に対する接種も開始させていただきます。施設関係の方々については、6か月に前倒しをし、それ以外の一般の65歳以上の高齢者の方には、7か月に短縮した形で県内では実施をさせていただく予定です。全員の方が一斉に2回目接種後から6か月や7か月で接種に来られると、結構タイトな状況にはなりますが、3月までにワクチンが届くという前提で言えば、何とかなる数のワクチンが県内でそろってくるという状況にはなっています。何と言っても、オミクロン株も出てきました。オミクロン株に対しては、ワクチンの効果が少し弱くなっているのではないかというようなお話もありますが、とはいえワクチンの効果はあると十分に言われています。この際、早い遅いはありませんので、1、2回目打たれてさえいれば、重症化リスクもかなり下がると言われています。ぜひとも周りの方を守るためにも早く1、2回目の接種をしていただきたい。

 また、福井県では、健康上の理由によってワクチン接種ができない方に対して、無料の検査を25日から開始しました。今日現在で55か所まで広がっています。さらに大きく増えていきますので、こういった方々には、ぜひ安心のために確認していただくということが大切だと思います。これからもオミクロン株ゼロのまま何とかいきたいと思いますが、通常考えてみると必ずいつかオミクロン株が入ってきます。そうなってきますと国と協議の上で、無料の検査を一般的な形で全体に広げていくということも今後想定されるところです。オミクロン株への対応方針ですが、現状県内で市中感染はありませんので、航空機の中でたまたま陽性者になった方の近くに座っていたもしくは機内にいたような場合は連絡があります。県内に来られた方については、宿泊療養施設において経過観察をさせていただくという状況になっています。仮に陽性になられた場合は、オミクロン株に限らずこれまでの既存の株も含めて、すべて入院ということを行います。入院した上で、例えばデルタ株は1日あれば、通常のどおり陽性ということが確認できますが、この段階でコロナの陽性ですが、デルタは陰性ということになると、ゲノム解析に回りまして、3日程度かかる。この間は病院の中で過ごしていただくということですので、外への感染の可能性がないということになります。以上、新型コロナ、特に年末年始のみなさま方へのお願いについて申し上げました。

 

〔配付資料:令和3年を振り返って参考資料

 今年最後の記者会見かと思いますので、令和3年を振り返ってということで簡単にお話をさせていただきます。

まず、何と言いましても新型コロナウイルス感染症の拡大、それからそれに対する対応ということで経済再生をやらせていただきました。私も全国的にいろいろなところへ行って、相当いろいろと声をかけていただきますが、「福井モデル」という形がかなりみなさんに浸透と言いますか、理解されてきているのかと思います。積極的疫学調査を徹底して行って、PCR検査を幅広く行う。それに基づいてマスクなしの会話での感染が94%。県外由来が91%。やはり県外との往来が大きな原因。さらには先手先手の対策を打っていく。マスク購入券もありました。医療従事者のみなさんへの手当、臨時医療施設は野戦病院と言われていますが、こういったものも先手で整備をさせていただいた。対策は前向きにやっていく。「おはなしはマスク」ということを使いながら、しっかり感染対策をやっていただいている第三者認証店にはお金も差し上げる。それから病床数も今741床を確保しています。これは第5波の323床、323人の療養が最大でしたので、大きく2倍を超えている状況になっています。さらに言えば、病院もしくは看護師さん、保健師さんの負担を減らすということで、受診・相談センター、入院コーディネートセンターで県下一元化することで現場の人たちの負担を減らす。さらにはメディカルチェックセンターで万が一自宅療養になっても、健康観察がしっかりできるようにする。こういったことを行ってきたこの福井モデルを今年はしっかりとやらせていただくことで、県民のみなさんにご理解をいただきましたし、かなりの新型コロナの感染を抑えることができたのではないかと考えています。ワクチン接種も相当なスピードで進めさせていただいて、全国でもトップレベルのスピードで接種を行わせていただきました。現状で12歳以上が87%。全住民の比率でも78%の方の接種を完了しています。先手先手の対応ということで宿泊療養施設もやらせていただきましたし、非常に評価もいただいたと思います。「m3.com」での医師の評価や日経新聞の10月23日の全国ランキングいずれも全国1位という状況でした。

 経済の再生については、例えばデジタルバウチャー「ふく割」は非常に機動的に、状況に応じて発行させていただくということで、きめ細かい業種に対して対応ができたと思っています。あとは、県版GoToトラベルのふくいdeお得キャンペーン、GoToEat、GoToショッピングといったことも随時行いながら相当の効果を上げてきていると考えています。

 また、経済団体のみなさんともコロナで大変なときには、オンラインが多かったですが、常にコミュニケーションをとって、必要な情報を集めて対策を打つということをやらせていただきました。大分落ち着いてきたかと思います。

それから、夏にはインターハイが福井県を中心に54年ぶりに開催されました。ボートや体操で優勝もしています。また、私は開会式にも出させていただきましたが、本当に3,500人のみなさんがいろいろな形で参加をして、非常に感動的でした。220人の高校生活動委員の方々が積極的にやっていただいた結果、すばらしい大会になったかと思います。一部感染者が出ましたが、概ね良好に大会を開くことができたということでうれしく思っています。

 それから東京オリンピック・パラリンピック。前回のリオデジャネイロオリンピックでは、県勢は10名でしたが、今回は20人と大活躍をいただきました。特に見延選手、吉田選手、栗原選手は金メダルを獲得しました。その他の選手もいろいろな形で大活躍をしていただいて、県民のみなさんに感動と希望を与えていただきました。特に金メダルの三方には県栄誉賞を授与したところです。

 それから安心安全の面で言いますと、5月24日から県単独のドクターヘリの運用を開始させていただきました。ドクターヘリの効果についても、まず、約7か月で229回ということですので、平均的に言うと1日1回以上出動しているということです。事後的に、ドクターヘリの効果はどうだったか調べますと、亡くなられる方、重症で後遺症が残る方というのが大幅に減ったであろうと考えているというところです。これについては、引き続き運用をさらに行っていきたいと思っています。

 大雪の対策については今日も降っていますので、継続しているということですが、令和3年1月7日から10日に北陸道で1,600台という大きな渋滞がありました。この経験も踏まえて、今日の朝の早い段階から、私も近畿地方整備局長と何度も電話でやりとりさせていただいています。いろいろな機械力も向上させていただいています。それから事前にタイムラインの作成や訓練もやっているところです。大雪の対応力を少しでもつけていますので、大きな災害にならないようにしていきたいと考えています。

 北陸新幹線については、昨年1年遅れるということになりましたが、その後は、順調に工事は進んでいるということです。それから敦賀以西についても、私が11月に北陸新幹線建設促進同盟会の会長に就任をさせていただきまして、来年が一番の山場になるということです。令和5年度当初の着工を国へこれからも強く要請していきたいと考えています。並行在来線も来年7月には本格会社に移行していきます。道路のネットワークも中部縦貫道が令和8年春に全線開通ということが発表になりました。こういったものに向けて、しっかりと準備を進めていく。来年度中には、和泉までの開通が予定されています。

 以上が私からの発表でございます。

 

~質疑~

【記者】

 大雪については、昨シーズンの経験を踏まえて機械力の増強やタイムラインの整備などで、対応力が増しているということでしたが、まず今回の大雪で具体的にどういったところに経験が活かされたのかをもう少し掘り下げて教えてください。

あわせて、今回、一旦は小康状態になっているかと思いますが、年末年始にかけてまた大雪が予想されています。県民の協力がこういったときの対策では不可欠だと思いますが、不要不急の外出自粛等を強く求めるようなことはなされないということで理解してよろしいでしょうか。

 

【知事】

 これは、正直申し上げて、お天気次第だと思います。今日の状況は、小康状態となっていますが、この後まだ明日ぐらいまでは降雪が続くということですので、気を抜けない状況かと思います。気象台からは、少しずつJPCZ、日本海寒帯気団収束帯が弱まりつつあると伺っていますので、少しずつ収まってくるのかと思っています。いずれにしても、多く降ったときには、しっかりと対応していくということだと思います。

 そういう意味で何が進歩しているかというのは、なかなかすぐに申し上げるのは難しいところがありますが、私も早い段階から常に連絡を取り合わせていただいています。また、金曜日の段階から、経済界のみなさんにも、通行止めになる可能性のある箇所をできるだけ通過しないようにとお願いしました。

 また、本日、大雪の場合にはテレワークや自宅待機、時差出勤の実施のお願いもさせていただいて、こういったところの連絡網の整備もさせていただいています。機械力の増強もそうですし、タイムラインに沿って、これも重要ですが、気象庁が降雪の情報などを出したときにも、その3日前から、このような手順でいきますということを明らかにし、本当に数時間前、3時間前などに通行止めにすることとなったら、今度は広域で米原のどこから止めるのか、というようなオペレーションについても見えています。

 結果として今回は、福井県内が中心というよりは滋賀県内が非常に多い。特に滋賀県内の湖の東側と南が非常に厳しい。そういう状況の中で、敦賀と木之本間が止まった。ここのところは、まさに事前に周知をしながらやってきています。その間、別の161号というルートを使いながら、細々と通しながら、こちらの除雪を急ぎ、先ほど9時40分に解除になり、福井県内は行き来ができるようにする。そういうオペレーションは事前の訓練もしていましたので、今回もそれなりにスムーズにいったかと思います。1時間や2時間、思ったより遅れたなどいろいろありますので、簡単ではありませんが、やっていく。

 また、おっしゃるように次の寒波が年末年始に来ると言われています。今のところ、これがどの程度か、今回よりも大きいかは、まだわかりませんが、これについても、年末年始ですが、我々が必要な体制をすぐに取れるように、私も含めて、やらせていただきます。また、必要な段階で県民のみなさんにしっかりと周知させていただく。また、関係者の間で、密な連絡を取り合うということをやっていきたいと思っています。

 

【記者】

 新型コロナウイルスについて、オミクロン株の市中感染が出始めています。今は感染状況が落ち着いていますが、県として今後どういう見立てを想定しているのでしょうか。また、12月からワクチンの3回目接種が始まりましたが、今の進捗状況を教えてください。

 

【知事】

 ワクチン接種の進捗状況は、医療従事者から始めて、今日から6か月に前倒しをした形で、高齢者福祉施設の入所者といった方々にも広げていきます。今のところ順調に進んでいると考えています。この後も市町と連携しながら、量的には前回の半分、2回が1回になりますので、体制的には慣れてきているということもあります。今のところ、ワクチンの数も前倒しして、3月分まではほぼ足りているということはわかっていますので、全員が来られても、何とかやっていけると思っています。また、今回は交互接種をやっていただく必要があります。ファイザーに比べてモデルナの量が大体1、2回目のときに県内ではファイザーが9割、モデルナは1割でしたが、今回は半分近くがモデルナになります。一方で伺っていますと、ファイザー、ファイザーで3回目やる場合とファイザー、モデルナで交互接種する場合では抗体値がファイザーで20倍あるものが30倍になるという効果があるようには聞いています。早く国には、そうした中で安全性の面、効果の面といったことも明らかにしていただいて、接種される方が安心して、交互接種もできるような体制にもしていただきたいと思っています。

 見立てというようなことは私どもではとてもできるような状況でありませんが、明らかだと思われるのは福井県内にもいずれオミクロン株は入ってくることは予想できるかと思っています。そうなってもおかしくないように我々が準備をするということかと思っています。今のところ、オミクロン株について伺っていますと、感染力が強いということはありますので、そういう意味では、感染しないような体制はやはり気を緩めずにしっかりやる必要があるいうことですが、重症化リスクについては今のところ知見はないということ、もしくは少し弱くなっているのではないかというようなお話を聞いています。いずれにしましても、対応の仕方としても今やってきていることがすべてだと思っています。ですから「おはなしはマスク」。本当にあれもこれもといろいろな感染対策を徹底しましょうとよく言われます。密になってはいけません、換気をしっかりやりましょう、手洗いは30秒以上など、いっぱいいろいろなことがあると思いますが、とにかく「おはなしはマスク」。オミクロン株に対しても福井県で今ご推奨させていただく一番の感染防止、それから経済対策にもなることだと思います。

 とにかく、帰省すると、多分みなさん想像すればわかりますが、友達や親戚に会えばマスクを外して話すのだと思います。そういうところも気を張ってやっていただければと思っています。

 

【記者】

 3回目のワクチン接種については、医療従事者、高齢者施設の入所者向けはもともとの予定よりも前倒しをして半年以上経過した人に、在宅の高齢者向けは8か月から7か月以上に前倒しするという方針に変更したという理解でよろしいでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃるとおりです。

 

【記者】

 その上で、3月以降の18歳から64歳の方々についてですが、この方たちの前倒しについては今のところ知事の考えとしてはいかがでしょうか。

 

【知事】

 これも基本的には国の我々に対する指示、指導を踏まえながらと考えていまして、現状においては8か月のままということになっていると思います。もちろん8か月をもう少し前倒しした方が抗体値を維持できるという考え方もあるでしょうし、一方でやはりワクチンの総量が足りるのかということもあると思います。混乱を招いてもいけませんので、スムーズに物事を進めるということも大事だと思います。そういった全体のことを考えながら、国にはこれからまたいろいろな指導をしていただけると思います。我々としては、少しでも早く知見に基づいて、やはり早いほうがいいのであれば早くしていただきたいということは申し上げていくということかと思っています。

 

【記者】

 知事が今年1年間の県政運営を振り返って、改めて、成果と課題をあえて挙げるとすればどういったところがありますでしょうか。

 課題がもしあるとすれば、来年以降どういった県政運営につなげていきたいか、お考えを聞かせてください。

 

【知事】

 一番の成果と課題は、やはり新型コロナだと思います。県民のみなさんのご協力も非常にいただきまして、第5波まで何とか乗り越えることができました。これはチームふくいという意味でも、また先手先手で仕事していくという意味でも、また関係者の方々のご協力をいただけたというところも本当に大きいと思います。

そういう意味では先ほども少し申し上げましたが、医師のみなさんが選んだり、もしくは日本経済新聞社の9つの客観指標を使ったランキングでも福井県は両方ともに1位ということで、これは非常に県民のみなさんのご協力のおかげだと思っています。

 一方で、これはまだこれから続くわけです。私どもがいつも国と話していることは、とにかく出口戦略を持ちながらやっていこうということです。そういうことを少しずつ明らかにしながらやっていくことが国民のみなさんにも、県民のみなさんにも理解を得やすい、安心を与えるということを常々申し上げています。

 そういう意味では、飲み薬も徐々に承認もされるようになってきました。また、オミクロン株の状況がまだわかりませんので、これにどう対応するかということも早く明らかにしていただきながら、これから正常というか、以前の日常にすぐに戻るかどうかはともかく、どんな道筋で、どんなことをしながら戻していくのかということも明らかにしていただく必要があります。それに向けて我々としては体制を整備する、または経済の傷んでいるところ、全体として見ると、ほぼコロナの前の水準に県内は戻ってきていると思います。ただどうしても個別に傷んでいるところがありますので、そういったところの下支えをさらにさせていただきながら、いかにして日常に早く戻していくのか、こういったところの努力が来年度も求められ続けると感じています。

 

【記者】

 今年1年を漢字にすると何になるのでしょうか。

 

【知事】

 福井県としては、私が思うところによればという意味で、お話の「話」です。会話の「話」という漢字が一番かと思います。

 先ほどから申し上げているように「おはなしはマスク」ということもありますし、それから福井県の新型コロナ対策は、例えば医療従事者のみなさんとの対話、それから感染の後の経済対策は、各ステークホルダー、関係者のみなさんとの対話が非常に重要だったと思います。また、県民のみなさんといろいろな形で私も対話も、今年はコロナ禍でしたが、昨年に比べると倍ほど、昨年は10回ぐらいしか現場でトークをできませんでしたが、今年は20回ぐらいやらせていただいて、肌で感じました。それだけではなくて本当に濃密に、Webを使ってやらせてもらいました。Webは本当に便利だと思いますが、いくつものところへすぐに出かけられるというか、いろいろな人の話が聞けるということで、もうそれこそありとあらゆる形で対話をさせていただいたと思っています。

 またそれだけでなく、これは私の関係ですが、トップセールスという形で、先日JRの関係の旅行会社の社長さんとお話も直接させていただきましたし、AGCさんにも、お願いをしてこちらに誘致できました。それから名古屋でも企業立地セミナーを開かせていただいたり、他にも東京行ったりしたときに、社長さん方にお会いしていますが、結構感触もよかったです。アフターコロナをみなさんよく考えてらっしゃるなと感じました。

 そういう意味では、コロナ禍でなかなか動きが取りにくいといいながらも、次に向けての準備もできたかなという意味でも、対話というのは大事だった。やはりお話しするということは大事だな、コミュニケーションは大事だと感じました。

 

【記者】

 ご自身の県政運営に点数をつけるとしたら何点ぐらいでしょうか。

 

【知事】

 これは私がつけるのではなくて、県民のみなさんにつけていただくものだと思います。私はもう一生懸命やらせていただいたかと思っています。

 

【記者】

 県内の病院の入院患者と家族の面会について、今ほとんどの県内の病院が面会を制限しているという現状で、基準についてはそれぞれの病院が判断しているということになっていると思います。特に終末期の患者さんやご家族からは、あの病院では会えるのにこの病院では会えないという不満の声が上がっていることを取材で知りまして、病院の方から逆にクラスターなどが出たら病院が責任を負うため、やはり厳しく制限をかけざるを得ないという話がありました。県として独自で例えば指針やガイドラインなどを作るというのは難しいものなのでしょうか。

 

【知事】

 そういった悩みや考えの方が多くいらっしゃるということは十分に認識をさせていただいています。ここは本当に難しい問題だとは思います。

 一つには、11月19日、24日に厚生労働省の指針、考え方は示されているということは認識をしています。その中でも、やはり地域の実情、ご家族の状況、それからワクチンを打ったか打たないかといったことを見ながら、直接面会をよく考えましょうということで、ある意味前向きな方針は示されています。あとは具体的にどのようにするかということになるわけですが、患者さんの性質といいますか、高齢者の方が多いようなところだったりすると、少し守りの側に入るでしょうし、いずれにしても多くの人が出たり入ったりすること自体は、感染リスクを上げるという意味では同じだと思います。そういう意味で、厚労省の方でもなかなか一律にその病院ごとの状況まで見て、判断ができないということなので、県としてそれを示すということは難しいかと思っています。しかし、いろいろ聞いてみましたが、年末年始に人が動くときの判断として現実に禁止しているところも聞いていますが、ほぼみなさんの実情に合わせて1日1回1人や2人、3人と、特にワクチン打ったような方など示しながらやっていく。 また、本当に緊急に様態が変化したようなときには、ある程度柔軟にご家族が集まれるようなことは各病院もやられているようですので、そういう意味では、できるだけ感染が広がらない状況を守っていくことで、少しでもこういったことが続けられ、緩和できるようにしていくのは、私たちの務めかと思っています。

 

【記者】

 介護施設では、国が面会するようにという指針を出して、対面の面会が非常に進んだというところがあります。やはり国が方針や指針などを示さないと現状変えるのは難しいというようなところもあるのでしょうか。

 

【知事】

 やはり病院は、病気だから入院されているということですので、免疫力を含めて、相当弱っている方々への対応をしています。もう一つ、高齢者福祉施設の関連に入所されている方は、ある意味精神的な安定というのは大事な部分があるわけです。そういうことから言うと、やっぱりどちらかといえば、心のケアということを考えて、それと特に体が入院するような状況でもないというようなことを考えて前向きな判断をされているのだろうと思います。それはそれで肯定的なのかと思いますので、先ほどから申し上げているように、感染の状況が収まってきたり、それからまた治療の方法とか明確になってくれば、病院も含めて緩和の方向に行くと思いますので、そういったことを頑張りながら、徐々に緩めていくということが安心安全な方向なのではないかと思っています。

 

【記者】

 先日、池田農林水産部長が退職されて坂井市長選への出馬を表明されました。当初予算の編成作業が大詰めの中、現職の部長が退職されたということについての受け止め、感想をお聞かせください。

 また、これまで知事は県内自治体の首長選挙でも特定の候補を応援されてきた経緯もあるかと思いますが、今回の坂井市長選についてのスタンスをお聞かせください。

また、県OBの方、県関係者の方が県内市町の首長になるケースが相次いでいる点について、どうお考えでしょうか。

 

【知事】

 後半の二つを先にお答えさせていただきますと、私は県内首長の選挙で特定の方を応援したこともありました。しかし、こうして県政3年目に入っていますので、私が特にこの人と言うことは影響もあります。そういう意味では、これはまさに坂井市民のみなさんに決めていただくことが一番よろしいと考えています。

 県庁OBの方が選挙に出られるということは、どなたが出られるということも当然あってもいいし、それも権利というと変ですが、当然それでいいのだと思います。優秀な方が、主にお生まれになられたような地域ということが多いと思っていますが、そういうところで見出されてぜひ出てほしいというようなことであれば、それはそれでみなさんのお考えなのだろうと思っています。

 池田さんについては、おっしゃるとおりで予算をやっているところでありましたが、議会は終わっていましたので、そういう意味ではタイミングをお考えいただけたのだと思います。お辞めになられるということは、非常に痛手だと思っています。

 とはいえ、これはご自身が新しい道に進もうとしているところですので、職場としては、しっかりと送り出してあげると言いますか、それも当然のことなのかと思います。また、県庁の中には、多くの優秀な人材がたくさんいますので、池田さんが辞めることは大変だと思いますが、何とかこれからの予算時期も含めて、新たな体制でやっていければと考えています。

 

【記者】

 先日、共創会議が開催されたと思いますが、国の予算も出たところで改めて進捗などについてお聞かせください。

 

【知事】

 先日の共創会議の内容については、まだ具体性が乏しいというお考えを言われる委員の方もいらっしゃっいました。しかし、別の委員の方が言われていましたが、1回目のときは方針や方向性くらいの話だったものが、かなり内容が絞られてきているという話もあり、私もそちらの方を感じました。

 スピードが速い遅いというのは、中身が経済産業省の中だけにとどまっていればすぐに決められると思いますが、できるだけ幅広くお考えいただくという趣旨に沿って、いろいろな調査の結果も示していただいて、いろいろな角度からなんとか少しでも産業の複線化や新産業の創出などを考えようとしていただいているということは感じました。そういう意味では、私はある程度時間がかかってきたのもやむを得なかったと思っています。

 今回の共創会議の計画の中には、原子力リサイクルビジネスをしっかりと国としてのプロジェクトにしていただいて、合理的な規制や経済環境、会社を起こせるような環境を作っていただく、応援していただくことも大切だと思います。

 また、敦賀港という立派な港があり、ここは関西・中京にも近い、太平洋側で何かが起きたときにはいろいろなライフラインが途切れてしまう。こういうときに日本海側の敦賀港を使いながら、水素やアンモニアのサプライチェーンを作っていくということを国は肯定的に、非常に前向きに捉えていました。私はこういうことをさらに具体化していく必要があると思っています。

 道半ばなので、これからというところではありますが、これからもワーキンググループを含めてしっかりと議論しながら、より実りある、もしくは立地地域の将来像が見えるような計画にしていただきたいと思っています。

 

【記者】

 本来であれば、来年度の国の予算案にしっかり予算を取ってもらうという話だったと思います。

 

【知事】

 おっしゃるとおりだと思いますが、いろいろな話を伺っていても、今回の予算の中にも、エネルギー構造高度化・転換理解促進事業がありますが、この補助金の使い道はまだ決まっていないので、いきなり1年目からすごい予算が出てくるということは普通ないと思いますし、取っ掛かりのところはこういった予算を重点的に充てていくという話も伺っています。3月までに第3回目が開かれると聞いていますが、そういうところに位置付けられれば、令和4年度予算から活用が可能ということもあると思います。そういったことをしっかりと考えていただきたいと思っています。

 

【記者】

 今年1年の振り返りということで言うと、原発再稼働のGOサインを出した年になったと思います。その際に国や関西電力に主体的にいろいろやってほしいという話をされていたかと思いますが、その進捗具合はどうでしょうか。

 

【知事】

 ここのところは、第6次エネルギー基本計画の中で、原子力について必要な規模を持続的に活用するということを明示していただきました。しかし、必要な規模はどれくらいなのか、まだ原子力発電所はこんなに動いていないのに20~22%の比率を2030年に実現できるのかなど、こういったことが不透明だということで私たちは申し上げています。そういう意味では、一歩一歩階段は上がっていると感じています。

 例えば、中間貯蔵施設の県外立地の地点の確定についても、国も当事者として前面に出て、理解の促進を図るということを、大臣も含めて明言していただいているので、必ずしも100点満点になっているわけではないですが、一歩一歩進めていくという意味では、4月にお話しさせていただいたことも形になっていく過程にあると思っています。

 

【記者】

 ちょうど1年前に電気事業連合会がむつ市での中間貯蔵施設の共同利用案を表明しました。この共用案については、関西電力も選択肢の一つとして検討すると県にも説明しています。その後、関西電力から県に対し、検討状況などの説明はあったのでしょうか。現時点での認識を教えてください。

 

【知事】

 今は事務的にはあるのかもしれませんが、私は聞いていないので、直接今どこまで進捗しているのかということは分かっていません。1月の初めにいつも年頭の挨拶に来られるので、その時にでも状況、現状がどうなっているかは明らかにしてくれるのかなとは考えています。

 

【記者】

 年始の挨拶とは社長が来る予定になっているのでしょうか。

 

【知事】

 今のところ、そういう予定をしていると思います。今年の挨拶はコロナでありませんでしたので、来年もどうなるか分かりませんが、今のところは予定をしていると思います。日程調整までできているかは知りませんが、そういった意向があるということは聞いています。

 

【記者】

 中間貯蔵施設をめぐり、関西電力が県外候補地を2023年末までに確定させると知事に約束していますが、期限まで残り2年となり、知事の現状認識と改めて国や事業者に求めることを教えてください。

 

【知事】

 これは国と事業者が約束したことなので、これを守っていただくべく、これからも含めて、これまでも努力をされていることだと思いますが、最善の努力をしていただく。

 特に国には、やはり環境の整備も重要なので、事業者が直接やり取りすることとともに、核燃料サイクルを含めて、中間貯蔵施設の県外立地のためにも、核燃料サイクルをぐるっと回せるような、そういった理解が進んでくれば、立地地点というところも確定しやすい環境になると思います。

 そういった点も含めて、国がやはり当事者として前面に出て、一つひとつの課題を解決していっていただくことをお願いしたいと思います。

 

【記者】

 北陸新幹線の関係で今年1年の振り返りにもあったのですが、同盟会の会長に就任されて、京都・大阪の機運醸成ということが一つ課題になっていると思います。経済界、自治体は整備促進で概ね一致していると思いますが、住民レベルでの反対という件について、福井県として、同盟会の会長としてどのように関与していこうとお考えでしょうか。

 

【知事】

 これは、やはり住民の方の理解を得られないままに物事が進められるということはないと思います。そういう意味では鉄道・運輸機構、国が丁寧な説明、理解いただけるような活動をしていくことが必要だろうと思います。

 その上で、やはり日程を見ながらやらないといけませんので、迅速に行っていただきたいと思います。ボタンのかけ違いが一番よろしくないと思いますので、ここのところはまず丁寧に当たっていくということから入っていただくことかと思っています。

 非常に厳しい段階にきていると思いますので、我々としては、短縮していくなど、そういったところで知恵を出しながら、何とか、令和5年度当初の着工までに財源も含めて、着工5条件を解決していかなくてはいけないわけですので、国とよく調整しながら、前に進めていきたい。そのために、関西地域のみなさんにもできるだけ機運を盛り上げていただく。メリットがわかるようにしていく作業も努力していきたいと考えています。

                                                         

                                                                   ―― 了 ――

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福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
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