知事記者会見の概要(令和4年4月14日(木))

最終更新日 2022年5月18日ページID 049467

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令和4年4月14日(木曜日)
10:30~11:20
県庁 大会議室

 

知事写真220414

 

【知事】

 おはようございます。それでは私の方からまず説明をさせていただきます。

 

〔配付資料:新型コロナウイルス感染症対策について

 まず、新型コロナウイルス感染症についてです。今日は213人の感染の発表をさせていただく予定です。全体の新規系統が27系統で県外由来がそのうち15系統ということで、依然として新規系統が多い、また県外由来が多いという留意点があります。

 最近の感染と新規系統の状況をグラフにしていますが、3月の終わりぐらいから新規系統が増えてきて、それに合わせるような感じで新規の感染者も増えている。最近は200人程度がずっと続くような状況になっている。特に県外由来がその中でも多い、このような傾向が続いています。

 感染のパターンとしては、量的には家庭内が約5割、学校・保育所で2割程度、会社や同僚が十数%という傾向は変わっていませんが、県外由来が少し増えている。その経路としては、家族の帰省や久しぶりに会う友人との会食をきっかけに感染が拡大しているということが見られます。もちろん、家庭内でもお年寄りがいるときはマスクをしてくださいと言っていますが、なかなかそう簡単に減らせるものではない。また保育所でも難しいという状況の中で、やはり県外に行ったとき、もしくは子どもが帰省してくるとき、会社に新しく入ってきて歓迎会をするとき、このようなところでまず外から入ってきて、それが家族の中に持ち帰られて家の中で広がる、学校で広がる、こういうことを繰り返しているわけです。今大切なことは、まずは感染しないことですが、特に県外から持ち込まない。ここのところが極めて重要だと思います。

 それともう一つは、今日の感染者が213人、県外が15系統、全体で27系統と申し上げましたが、今起きている状況というのは概ね1週間から10日ぐらい前に感染しているわけです。潜伏期間が3日から5日あれば、そこで具合が悪いなと思って、翌日ぐらいに病院に行ってPCR検査をすればその翌日に判明して、大体その翌日に発表になるということを考えると、今の状況は1週間から10日ぐらい前の感染。そうすると、社会の今の状況をお考えいただけますと、新入社員や転勤の方は4月1日までに来るわけです。また、大学は大体のところが入学式も終わり新学期も始まっているということで、4月初めにかけて大学生は移動して来ます。そうすると新しい人が入ってきて、その人を中心にうつっていくという場面は、1週間から10日経ってくると収まってくる。次に来る山でもう見えているのは、当然歓迎会。大学生の間で最近クラスターも発生しています。この歓迎会を今一番気をつけていただく。もしくは、年度が変わりますとお仕事の関係も挨拶回りで県外を含めてよく出て行かれると思います。現実に県外往来も増えています。そのようなときに、行ってお話しているときは多分大丈夫ですが、親しく、これからよろしくお願いしますよと、こういうときが一番危ない。今は特に、飲食しないということではなくて、飲食するときも含めて、歓迎会のときも含めて「おはなしはマスク」をお願いしたいということです。

 今、一番注意すべき点は、ゴールデンウィークにこれから向かっていきます。人の動きがさらに大きくなりますので何とかゴールデンウィークの前に一旦下げていく、そういう局面を作らないといけないという状況だと思います。まず県外往来、ここで感染対策を徹底していただく。やはり県外由来というのが県内に新しくウイルスが入ってくる元になりますので、ここを抑えていただくために、ゴールデンウィークのこともそうですが、県外への旅行の時には、正直に申し上げて県内の今の観光に関わる感染拡大の状況を見ても、家族旅行で家族だけで出歩く時には、観光地でマスクを外してその土地の人としゃべることはあまりない。やはり旅行と言っても、いわゆる観光旅行ということだけではなくて、友人同士、帰省を含めて、人の移動、親しい間柄の移動、こういったことに気を付けながら、特に県外往来のときの感染対策を徹底していただきたい。とにかく、まずは「おはなしはマスク」です。もちろん手洗いもしていただきたいと思います。

 それから、県内県外を問わずに「おはなしはマスク」ということで、先ほど申し上げました歓迎会。今、一番気を付けなければいけないのは、人の移動は大体収まりつつあると思いますので、歓迎会もしくは新しくこれからよろしくお願いしますというような顔見せ会や友人、会社の同僚、とにかく食事のときも、会話時、お話をするときにマスクを着用する。長時間の宴会はリスクが上がるということで、気を付けていただきたいと思います。また家庭内でもお年寄りや重症化リスクのある方、ご本人がまずマスクをしていただく。こういうことをして自分を守る行動をとっていただきたい。

 また、暑い日もありました。いつも「おはなしはマスク」の時に申し上げますが、逆に言えば、お話をしない、周りに人がいない、このようなときは暑ければマスクを外している、こういうこともできるので、メリハリのある行動、熱中症予防もしていただきたいと考えています。ラスト1メートルとよく申し上げますが、飛沫も1メートルを超えていくと感染するリスクも下がっていきます。やはりラスト1メートルで会話をするときはマスクをつけていただきたい。

 それから早期受診の徹底ということで、感染の5割を家庭内が占めている。こういうときに家族の中で体調不良を感じたら、その人はまず病院に行っていただく。その際には恐縮ですが、そのご家族のみなさんも、今なら抗原検査で結果がすぐに出たりしますので、その結果が出るまではご自宅に居ていただくということだと思っています。

また、最近いろいろな場面を少し詳しく見ていますと、例えば県庁のどこかの課でうつったのを県庁職員全部が気を付けるというよりは、同じ部屋の中にいる誰かが感染するということがあると思います。そういうときには、ご自宅に帰られたら、うちの課の中で感染者出たんだよねっていうときは、そのご家族は、それほど大変なことではありませんので、そのときぐらいマスクをしていただくことで、十分に家庭内の感染の拡大も抑えられます。

 それともう一つ、感染を抑制していく効果が大きいのはワクチン接種です。これはいつも説明していますが、ファイザー、モデルナにかかわらず、3回目の接種をしていただきますと、有効性つまり感染の抑止効果は6割から75%ぐらいまで高まるということです。私もモデルナを打って5~9週目というところですが、まだまだ非常に高い水準。少し比較するとファイザーは、私が5~9週目だとすると6割弱に下がっていますが、モデルナは7割近くの水準を維持しているので、副反応も私は3回目大したことありませんでしたが、こういうことも考えていただきたい。まだファイザーに偏る傾向があります。打てないということもありませんが、モデルナの効果もよく見ていただいてお考えいただいたらよろしいかなと思います。最初に打つ時は副反応が心配になるのですが、打った後は3か月経ったけど大丈夫かな、4か月経ったけど大丈夫かなと、こういうことが心配になってきます。そういうことも、こういうデータを見ながら考えていただくと、今打てるワクチンを早く打とうということになるのかなと思います。

 ほかにも、入院予防効果が25週、6か月ぐらい経ってくると44%に下がるのが、3回目を打てば92%に回復するなど、2回目接種で終わっている人と3回目接種の人を比べると、3回目を打っていない人は5倍の感染リスクがあるということです。県内の重症事例を見ても、いずれも一度も打っていないか2回目接種で終わっている方という状況ですので、3回目接種の効果は非常に大きい。今こういう時期こそ3回目接種をぜひお願いしたい。そして、まず6か月経過したらすぐに接種をお願いしたい。ゴールデンウィークが近いので、理想的には2週間前に打っておいていただきたいですが、1週間でも抗体価はどんどん上がってきます。そういうこともありますので、できるだけ早期の接種をお願いしたい。

 それから12歳から17歳、ここも3月25日に国から通知がありまして、県内も4月の初めから、小浜市だけは今日現在まだ送れていないと思いますが、これも15日または18日月曜日には出ると言われています。どんどん届いていると思いますので、12歳から17歳のみなさんも接種券が届いたらすぐに接種をしていただきたい。全国的に見て若い世代、20代、30代の接種がなかなか進まないという話がありますので、県内もこういうところをターゲットにしながら、できるだけ接種ができる機会を増やそうということで、まずエルパプラスの会場について、新たに夜間接種を金曜日に拡大していきます。やはり翌日が心配という方が多く、金曜日、土曜日の希望者が増えますので、金曜日の夜間接種を開始します。また小児接種もエルパで17日日曜日から始めさせていただきます。それから希望が多いのが親子接種。一緒に行ってお父さん、お母さんとお子さんが打てるということで、3回目接種の保護者と5歳から11歳のみなさんを17日日曜日からエルパプラスでやらせていただいて、夜間接種もこれから取り入れていこうと思っています。また、小規模企業の従業員のみなさんに向けた接種もやらせていただきます。さらに、若い方向けに、予約なしの接種を20代、30代に拡大して、今週末から始めさせていただきます。

 みなさん、エルパプラスは大変打ちやすい環境を整えていますので、ぜひゴールデンウィークの前に接種を進めていただければと考えています。そのほか、資料にサポートセンターの連絡先も書かせていただいていますのでよろしくお願いします。

 

〔配付資料:新幹線駅ホーム柵への写真設置について

 大きな話題の2点目ですが、これは新幹線駅のホーム柵への写真の設置です。

 今、人が怪我しないようにということで、新幹線駅にホーム柵が設置されています。これについて、全国で初めて新幹線のホーム柵のところの透明なな部分に、一部、恐竜などの写真を張って、観光客のみなさんに楽しんでいただこうと思っています。ホーム側だけではなくて新幹線側の方にも同じ写真が張ってありますので、新幹線に乗っている人にはここのところは見えないのではないかと思うと、これは逆に近くで見られるということになっているわけです。

 県内の17市町と協働し、いろいろな観光地や物産、伝統工芸品といったものを写真に出していこうということで、まずは4月15日から福井駅で写真の設置の工事を始めて、芦原温泉駅や越前たけふ駅も順次工事を始めます。敦賀駅はもともと1年ぐらい工事が遅れていますので今調整中ですが、いずれにしてもこれをやるということで進めさせていただきます。

 例えば福井駅であれば、いろいろなところに待合室や下りたり上ったりする場所がありますので、こういう人が多く集まるところに1メートル×2メートルの大きな写真、永平寺や福井城址、越前大野城というところの写真を張らせていただいたり、芦原温泉駅であれば、人が乗り降りする場所が集中していますので、こういった場所に丸岡城の写真。先日も行きましたが、今はとてもプロジェクションマッピングが綺麗です。行ってみるといいと思います。その他にも、芦原温泉や東尋坊も張らせていただきます。越前たけふ駅では漆器やコウノトリ、越前がに極などを、真ん中に乗り降りする場所が集中していますので、そこに張らせていただくということを予定しています。

 私からのご説明は以上です。

 

~質疑~

【記者】

 11日から県は警戒レベルを特別警報から警報に切り換えたと思いますが、その影響が今出ているのかどうか、どう分析していますでしょうか。

 

【知事】

 特別警報を警報に下げた結果が出ているという感じは、特にないと思います。年度の終わりぐらいから継続している県外から入って来られる方、年度変わりの移動の影響が大きいのかなと思っています。ですから、県民のみなさんにはぜひとも、そうした感染が起きやすい場面、日頃会っていない人と食事するような場面、こういったときの「おはなしはマスク」を徹底していただければと考えています。

 

【記者】

 ワクチン接種について、3回目の接種が現役世代含めて少し進んでいないのかなという状況かと思われますが、どのようなところが原因で伸びていないのか、またその対策について改めてお聞かせください。

 

【知事】

 全国的に見ても接種率が上位の方ですので、そういう意味では順次進んでいるというところだと思います。進み方が一番弱いのは、全国的に20代、30代と言われています。若い方は副反応とお仕事の関係もあって、最近の傾向では日曜日に打たれる方は少ないなということを感じています。

 あともう一つあるのは、お子さん、特に5歳から11歳のところも、なかなかお子さんだけで行けない、できればお休みの日に打ちたいということもありますので、そういったことを含めて、今回は接種される方の身になって会場を用意しようということで、金曜日、土曜日の夜間接種、それから小児接種ももちろん進めますが、一緒に親子で打てる環境をつくって、あとは20代、30代の方に予約なしの接種をできるようにする。こういうことをしながら、さらに市町ではまだ未接種の方がわかりますので、もう一度打ちませんかということを連絡していただいたり、例えばチラシを全戸に入れたり、県も広報の強化をしていくといったこともやりながら、ワクチン接種をしやすい環境、もしくは客観的な状況をよくわかっていただくようなこともしていきたいと思っています。

 

【記者】

 「ふくいdeお得キャンペーン」もブロック割が始まっていると思いますが、その反響や28日以降のゴールデンウィークの対応はどのように考えていますでしょうか。

 

【知事】

 11日以降、富山、石川、新潟、長野といったところからも予約が増えているということですので、効果があるということです。ゴールデンウィーク中については、今のところ国で対応が決まっていない状況ですが、県外分も含めて、かなり予約が入ってきています。28日以降は決まっていませんが、ゴールデンウィークも大分よくなっていると伺っていますので、効果は大きいかなと思っています。

 

【記者】

 先ほどゴールデンウィーク中の県外往来についての注意喚起もありましたが、お得キャンペーンを引き続きということであれば、そういったところへの旅行は気をつけていればどんどん行こうという話でいいのでしょうか。

 

【知事】

 先ほども申し上げていますが、訳がわからないところからウイルスが入ってきているということではなくて、福井県での感染経路不明割合は1.7%と極めて低い。そういう方々の中で、感染場面を見たときは、結果としてみなさん93%はマスクなしで会話をしていたことが明らかになっています。直近でも同じような状況が続いているということですので通常の旅行をしている途中で、本当に気付かないうちに感染するということは非常にまれな例だと思います。ないとは言いませんが、まれな例だと思います。もちろん感染対策、とにかく会話時のマスクということを気をつけていただきながら、その上でゴールデンウィーク、一般的にご家族でご旅行といったところであれば、リスクもそれほど大きくはならないと思いますので、楽しんでいただければと思います。逆に気が緩むと、やはりマスクなし会話が起きているということが後からわかるということですので、そこのところを気をつけていただければと思います。

 

【記者】

 連日感染者が200人以上と高止まりしている状況ですが、知事の認識として、現状はまだ第6波が続いているのか、それとも第7波に移行しているのか、どう見ていますか。

 

【知事】

 全国的に第7波という議論があるということは、よく認識をしています。ただ、状況的には全国も含めて、第7波かどうかというのはもう少し様子を見ないとわからないなという感じです。

 先ほどもご説明しましたが、福井県も原因としてはほぼ例年どおり、ここ2、3年ずっと続いていますが、年度変わりの人の移動に伴って、しかもそれが単なる旅行での移動というよりは、とても親しい関係が移動しているということから増えてきている傾向かと思いますし、現状においては高止まり状況ですが、上がり続けている状況でもあまりないというようなところです。もちろん1週間の感染者数は1.2倍ずつ増えていますので、決して油断できませんが、そういう意味では、ここでみなさんとともに新規系統を減らす。新しい系統が増えなければ、徐々に収束していくということですので、何とか第7波と呼ばれるものにならないような形で収束できればと考えていますので、県民のみなさま方にもご協力をよろしくお願いいたします。

 

【記者】

 新幹線駅のホーム柵に写真を設置するのは、全国で初めてという表記もありますが、写真を設置するようになった経緯と、改めてどのような効果を知事として期待しているのかお聞かせください。

 

【知事】

 いろいろな形で新幹線の効果を広げていきたいと思います。一番大きいのはもちろん人を運んでいただくということですが、例えばホームを使って恐竜のモニュメントを置いて、そうすると通過する車両も含めてみんな「あっ」と思うのではないかといった、いろんなアイデアはあります。しかし、ホームはみなさんに安全に移動していただくということもあるので、あまり真ん中に物を置いてはいけないという制約もあります。そういう中で、JRや鉄道・運輸機構とご相談をさせていただいて、ここならというのがこの柵のところです。この柵のところは透明の板ですので、ここのところに表と裏で同じ写真を張らせていただくと、この駅にはこういうものがある、地域の名所のPR、もしくは伝統工芸品のPRにもなる。また、降りた人だけではなくて、停まって通過していく人たちが見ても、次は来たいなと思えるだろうということで、安全性の面、また利用可能なもので、何を発信したら一番効果的かということを考えて、今回、JRや鉄道・運輸機構とお話させていただいてここに設置をするということが決まったということです。

 昨日も石川県のラジオ番組に少し出演したのですが、あまり福井のことを知らなかったということを、石川の方も言われるので、ぜひこういう機会も含めて、新幹線は遠距離移動が一番得意ですので、遠くの人にもご理解いただけるような、そういう効果的なPRをしていきたいと思っています。

 

【記者】

 写真は定期的に交換していくなど、モデルチェンジみたいなことは考えているのでしょうか。

 

【知事】

 今は当面このままいこうと思っていまして、いずれ機会があれば変えるときもあると思いますが、今それを予定しているわけではございません。

 

【記者】

 先日JR西日本が利用者の少ない路線の収支を初めて公表されました。県内は小浜線と越美北線が該当していたと思いますが、過去にJR北海道で収支公表した後に廃線というような形もありました。今回の発表について知事の受け止めをお願いします。

 

【知事】

 いろいろと言われていますし、廃線に向けての一歩にならないとも限らないという意味では危機感を持っているところはありますが、大きな話で申し上げれば、もともとJRが発足するときの考え方として、こうした赤字路線も含めた形で事業全体が成り立つような、そういう採算がとれるようなということで、いろいろな事業の資産の分配を行っているわけです。赤字のところだけ強調したいというお考えもあるのでしょうが、だからといってこれですぐ廃線ということには、もともとの経緯からしてもできるはずではないと思います。

 一方で、長谷川社長が記者会見で言われていたと思いますが、JRとして経費節減してもやりきれないところというのはあるという、そういう危機感のもとに議論の活性化をしていくというようなお考えで今回発表したこと自体は理解できます。福井県の場合は、もうすでにこうした危機感を共有しながら議論を始めています。例えば、越美北線は昨年の3月に観光利用の面も含めて利用促進の協議会をつくって議論を始めていますし、小浜線についても今日、そういった協定を結ばせていただく。長谷川社長とお会いしてお話ししていても、福井県とはいい関係ができているということですので、そういった信頼関係の中で、まずはこの議論が独り歩きしないことを注意深く見ないといけないと思っています。すごい勢いで赤字を出し続けて、どんどん人が乗らなくなっていくという状況はなかなか難しいと思いますので、そういうことよりは、前向きに、維持するためには当然のことながら、やはり乗る運動や観光客が利用できるような環境を整える。こういったことについて、地元としてもしっかりと一緒にやっていきながら、決して廃線や減便といったことにならないように、我々としても努力し、それからJRさんにも申し上げる。

 大事なことは、日本全体の人口が減る、高齢化すると、公共交通機関に頼らないといけないのですが、人口そのものは疎になっているわけですので、乗る人は少ない。しかし止めていいのかといったら交通手段がない。こういう状況ですので、公共交通機関、特に鉄道の公共性は非常に高まっていると思います。こういうようなことも国はしっかりと受け止めて、こうした赤字ローカル線を、JRの分も含めて、これからどうしていくのかという議論を国にも求めていきたいと考えています。

 

【記者】

 JR西日本は今回最適な交通体系のあり方を議論したいということで、上下分離方式も選択肢の一つに挙げていると思いますが、知事として、県内のその二つの路線で最適な交通体系のあり方をどのように考えていますでしょうか。

 

【知事】

 福井県内は現状のあり方をまずは前提にしながら、観光利用促進を行う。例えば大野市も越美北線では御乗印という御朱印のようなものを作ったり、サポーターを作ってみんなに乗ってもらう運動ということをやっています。全体の中で収支が合うような構造で、今現実にJR西日本さんもずっと黒字を続けていました。しかし今回は2000億という大きな赤字を毎年出されていますが、トータルしてもまだ1兆円以上の累積の純利益を出していらっしゃいますので、そういう大きな利益を出している中で、今、越美北線、小浜線で大きなあり方の見直しというような議論にはなっていないのではないかと思います。我々も、まずはいろいろな形で乗る運動、そういったものを広げていきたいと思っています。

 

【記者】

 ウクライナの避難民の方について、今県内に3人の方がいらっしゃっていると思いますが、その方々から聞き取りをして、困っていること、それに対して県がどのように支援していくかという部分で、何かありますでしょうか。

 

【知事】

 今避難されている方は3名いらっしゃいます。私自身も4月15日にお会いさせていただいて、直接お話も聞かせていただこうと思っています。今のところはご家族の方のところへ身を寄せていらっしゃることもあるのだと思います。住むところは11日から県の職員住宅になりましたが、大きく何かに困るというような状況にはないように考えています。

 しかし、これから長くなってきますと、いろいろな生活の不便もあると思います。洗濯機や冷蔵庫などについては県の職員住宅に我々で手配させていただいていますし、お話も聞かせていただきながらやっていますので問題ないと思いますが、生活費をどうしていくのか、お子さんの学校をどうするのか、長くなればお仕事はどうしようかということがこれから出てくると思いますので、こういったことはしっかりと今後とも継続して、福井市と一緒になって、また経済界、商工会議所も会員企業に対して就業場所についての照会もしていただいていますし、また住民登録等の手続きもありますので、こういったところは行政書士会に無料でいろいろな手続きをお手伝いいただいたりといった体制もできました。また県民のみなさま向けに4月1日から寄付を募らせていただいて、今300万円を超えてご寄付をいただいています。こういったものも活用しながら、日常会話に支障がないように翻訳機も対応させていただいていますので、4月15日にまた話を聞きながら、さらに必要なことも考えていきたいと思います。

 また、これは全国的な問題ですので、今私どもが知事会としても言っているのは、いわゆる難民と避難民というのがあって、その避難民の中も身寄りのある方とない方で制度がものすごく複雑になっていて、トータルでみなさんが困らないような環境になるのかというところをしっかりと国でも整理をしていただく必要があると思います。今どちらかというと、今回福井に来られているみなさんに対して国や入管庁が直接手当するような制度があまりない状況になっています。これからウクライナの避難民の方が増えてくる可能性は十分ありますので、こういったところも国に対しても、しっかりと求めている状況にあります。

 

【記者】

 県民の方から寄せられた支援金は、今のところどういう用途で使う計画でしょうか。

 

【知事】

 これについては、配分委員会を4月8日に設けさせていただいています。委員会を通じてこれから決めていくというところですので、今のところは決まっていませんが、ご本人さんのご意向や、これからどういうふうにウクライナの避難民の方が国内もしくは福井県内に入ってくるのかという見通しを立てながら決めていくのだろうと思います。

 

【記者】

 今後受け入れる予定の方は今のところいらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

 決まっている方はいませんが、複数お話は聞いております。学生さんを受け入れたいというような法人があったり、友達もしくはご家族、知人を呼びたいというようなお話もあることはありますが、まだ具体的に決まっているという案件はございません。

 

【記者】

 杉本知事は初当選時に自民党の推薦を受けられておられますが、最近では石川県知事選で馳氏の応援に駆けつけたり、稲田氏の政治資金パーティーにも出席されました。安倍派の政治家の応援やパーティーに出席されていますが、どのような意図でこういったことをしているのでしょうか。

 

【知事】

 これは安倍派がどうということではなく、私の個人としての政治信条に基づいて行動をさせていただいているということかと思います。

 今おっしゃられるところを伺っていれば、重なっているように見えますが、もともと福井県内は安倍派のみなさまが多いわけです。しかし、私がこれまで応援やいろいろとさせていただいている方は決してそれに限っているわけではありませんので、これは私としてみなさんにご推薦したいという方に対して、私としての応援をさせていただいているということです。

 

【記者】

 県選出国会議員の派閥所属状況などを見ますと確かにそうなので、その上で、知事個人の政治信条に基づいてあくまでそうした応援したいと考えている政治家のところに伺っているということでしょうか。

 

【知事】

 そうです。県内の政治情勢が結果的にそう反映されているということかなと、自分でも今言われて、そうかなというようには感じました。いずれにしても個別に判断をさせていただいて、この人を応援したいと思ったときに応援をさせていただくということです。

 

【記者】

 北陸新幹線について、先日、京都府知事選で西脇知事が再選されました。敦賀以西の整備については京都府内で様々な課題が指摘されているかと思いますし、京都府との連携ということが一つ大きな課題、重要なポイントになるかと思います。北陸新幹線建設促進同盟会の会長として、今後、西脇知事に改めて協力を求めたり、沿線整備に関する意思を改めて共有したりする場を持つお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

 西脇知事とは、選挙の前から親しくさせていただいておりますし、選挙の後もご連絡をさせていただいてお祝いも言わせていただきました。

 お祝いとともに、電話の中の会話ですが、これから新幹線もありますし、隣県ですから、いろいろとお願いしますと申し上げて、よくお話し合いはこれからもしましょうというような会話はありました。

 そういうことも含めて、北陸新幹線については、敦賀以西、新大阪・京都への来年度当初に着工というような目標で今進めているところです。そういうようなことから言えば、連携を深めていく必要があると思っています。

 もともと西脇知事は、昨年の7月に与党の敦賀以西の整備委員会に出席をされて、その中でも1日も早く大阪へ、新大阪への全線開通について、立地地域として、最大限協力していくというようなお話もされました。11月の全体での活動、要請活動の時にもご参加もいただきました。全部ではありませんでしたが、ご参加もいただいていまして、その中でも同じような趣旨のことをおっしゃっていました。

 そういうことから言うと、決して後ろ向きであるわけではありませんので、今回、こうしてとても、これまでも心を通じている西脇知事にご当選いただきましたので、さらにいろいろな形でお話をしながら、私も北陸新幹線建設促進同盟会の会長を仰せつかっておりますので、大阪、京都とタッグを組んで、さらに活動を強化していきたいと思っています。

 

【記者】

 先ほどローカル線の維持のことで、公共性が高まっていて国にしっかり受け止めてもらって議論を求めていくということをおっしゃっていましたが、税の投入ということが必要になる場合もあると思います。国交省の予算を見ると圧倒的に道路の予算が大きく、鉄道はかなり小さいかなと思いますが、その辺の税の配分の見直しが必要だといったお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

 税の配分ということは何をおっしゃられているかということは少しありますが、歳出をどうしていくのかということの議論で言えば、やはり公共性が高いものは、事業者だけの負担でなかなかやりきれない。そうしたらいずれ廃線になりますというような状況に立ち至る前に、公共性のところの評価をしながら、行政として歳出をしていくというような考え方はあると思います。

 そういう意味では、今後新たにそういった法律をつくって、特に地方ローカル線をどう維持していくのか、こういった議論もあるように聞いております。そのとおりになるかどうかともかくとして、そういった法律による何らかの支援なのか、もしくは財政的な何かルールに基づく支援なのか、いろいろな形はあると思いますが、いずれにしても、何らかの形で歳出なりを、必要なところには入れていく仕組みについては、必要性があるのではないかと思っております。

 それはJRに限らず、我々は福井県内のこれからの並行在来線、えちぜん鉄道や福井鉄道も含めて、そういった地方ローカル線全般の問題として、国に対してはこれまでも求めていますし、これからも求めていきたいと考えています。

 

【記者】

 3月にあった共創会議について、国からある程度具体的な取組みも出てきたかと思いますが、知事の受け止め、評価を改めてお願いします。また、基本方針も次の会議で決まると思いますが、今年度の議論の進展の見通しや、議論を深めたいと思っている部分をお願いします。

 

【知事】

 3月29日に第3回目の共創会議を開いていただき、大きく言えば、かなり具体性が出てきて、規模感もそれなりに出てきたかなということで、これまでの議論に比べたらだいぶ前進したと考えています。しかも、内容的にも、我々から求めているものに対する答えもかなり入っていたと思っています。

 例えば、高速炉研究開発の中核的拠点化に向けて調査に着手していくという話もありましたし、私たちがずっと話している、特に嶺南Eコースト計画の中でも力を入れている原子力リサイクルビジネスを国のリーディングプロジェクトにして、合理的規制ということも申し上げていましたが、こういったものについても、国として前面に立って、課題の解決をしていくと言われています。また、規模感のところでも、原子力発電による電力を利用しながら水素を製造する実証プラントを大規模に作るという話もありましたし、また、嶺南全体はゼロカーボンの地域だということをしっかりと全国に理解していただくような、そういった形で嶺南地域大のVPPや、スマートタウンといった言及もありましたし、そういったものを使ったデータセンターの拠点にしていくという考えもあって、非常に可能性のある、絵に描いた餅というよりは、地域性も踏まえた形でやっていただいていると思っています。

 しかし、その上で、私も申し上げましたが、国や事業者の会議、これからこういうことをやるという計画作りと、会議ということでものが進んでいて、これから県議会にも説明をさせていただいて意見も伺いますが、その上で、一つには、今いる人たちだけで物事を進めていくというよりは、いろいろな人がこれから入ってくるので、そういった人たちを巻き込みながら、支援もしながら、さらに大きくなっていくような仕組みが大事だということと、規模感のところも、現状の経済規模を維持するという考え方もありましたが、もっと攻めの方に持っていってほしいということも申し上げました。去年と同じならいいでしょというと、そもそも15あったものが7つの廃炉が決まっているわけなので、いつからどうなるのか、どこから計るのかということもありますが、攻めの姿勢は大事だと思います。こういったことも、第4回目に向けて、ワーキンググループも含めて議論していきたいと思っています。いずれにしても、今年度もいろんな調査に着手していくということもありますが、令和5年度予算がありますので、そうすると概算要求の中に入れ込んでいただくことも大事だと思いますので、日程感を見ながら、一回の区切りというのを早めにつけていくということはあると思います。

                                                                                                                                          

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