知事記者会見の概要(令和4年4月27日(水))

最終更新日 2022年5月23日ページID 049668

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令和4年4月27日(水曜日)
10:30~11:40
県庁 大会議室

 

知事写真220427

 

【知事】

 それではよろしくお願いいたします。私から2点、最初にご説明をさせていただきます。

 

〔配付資料:新型コロナウイルス感染症対策について

 まず新型コロナウイルス感染症について、現在、5月15日までを期限として福井県感染拡大警報を発令させていただいています。本日の状況ですが、197人の新しい感染がありまして、相変わらず、新規系統は10系統、県外7系統と高止まりの状況になっています。病床使用は70床で比較的落ち着いていますが、15.9%という状況になっています。最近の傾向としては、まさに高止まりという状況で200人前後が続いています。これからゴールデンウィークに入り県外との往来が増える時期ですので、感染が広がらないよう注意する必要があります。

 最近の傾向では、3月、4月の異動のシーズンで県外との往来が増えると県外から新しい株が入ってくる。それがまず20代、30代の方を中心に広がり、それがご家族の中に広がっていく。こういう経路のことを、4月の初めに横浜市立大学の黒木先生とお話をさせていただきましたが、まさにそういう状況になっていまして、20代、30代の感染者の比率は少し下がってきて平均的な状況になっている中で20歳未満が増えてきています。こういうことで家庭内での感染拡大を抑制することが非常に重要になっています。

 また、感染経路の中で家族が5割程度、学校・保育園は少し増え気味になっていて、ここをこれからどうしていくのかということになるわけですが、特に学校・保育園、家族での感染は家庭の中に入りますので、できるだけ隔離等しながら進めていくことになります。隔離の状況については、現在入院の比率は低くなっていますが、宿泊療養施設も積極的に活用させていただいて、全国でも一番高い水準、隔離率3割を超えているのは福井県と山梨県くらいだと思いますが、そういうことも行いながら、感染の拡大をできるだけ家庭内でも防いでいます。

 その上で、お出かけの際は感染対策の徹底ということで、ぜひ県民のみなさんに、明後日からのゴールデンウィークにしっかりと守っていただきたいことをお話させていただきます。まずは何をおいても「おはなしはマスク」。これは県の内外を通じて、最も喫緊で、最もやりやすくて、最も効果的なことが「おはなしはマスク」。感染経路、感染場面を特定していきますと、94%は現状でもマスクなしの会話が出てきます。飲食中も含めて会話時はマスクの着用を徹底していただければ、相当程度リスクを下げることができる。逆に言うと、ここが抜けていると感染するということです。非常に近接してお話をする機会が増えますので、そういったところを気を付けていただきたいと思っています。

 また、お年寄りの方、重症化リスクの高い方はご家庭内でも会話時のマスクを、みんなで集まるときにはしていただくということもよろしいと思います。しかし、熱中症の季節でもありますので、まさに「おはなしはマスク」で、周りにお話をする相手がいないときは外して歩く、走るなどということもあると思います。

 続きまして、これから県外往来が増えます。外から持ち込まれて中で広がるというのがオミクロン株の大きな特性です。県外へ旅行されるときは、まず人混みを避ける、手洗い、このような基本的な対策を講じていただく。そして、行く前、行った後には無料検査をぜひご活用いただきたいと思います。「福井県 無料検査」で調べていただきますと、ゴールデンウィーク中も無料で検査が受けられる場所がありますので、安心して出かけていただく。戻って来ても安心して普通の生活に戻っていただく。大切なことですので、福井駅にも4月28日から無料の検査所を臨時に設けさせていただきます。

 また、大切なことは戻ってきたとき、先ほどから申し上げているようにマスクを着用して人と接しましょうと申し上げています。とはいえ、親戚に久しぶりに会いました、親しい友達に会いましたというときにはなかなかマスクができなかったという反省は、ご自分の中にはしっかり記憶に残っていると思います。そういうときのために、帰って来たらまずは検査をしていただくのですが、その上で、翌日以後も当分の間は、お出かけの後は体調管理の徹底、この期間くらいはよく体調管理を徹底していただいて、体調不良を感じた方はすぐに医療機関に行っていただく。その場合は同居のご家族の方も、検査の結果はすぐ出ますので、お出かけを控えていただく。ここを徹底いただきたい。県外にお出かけ、県内も含めて、マスクの着用の徹底を飲食のときもしていただく。行き帰りのときに無料の検査をしておく。そして、戻ってきたときは特に検査をしていただいた上で、体調が悪いなと思ったらすぐに病院に行っていただく。ご家族の方もお出かけを控えていただく。こういう基本的な動作はそう難しくないと思いますので、ぜひともお願いしたいと思います。

 特に、コロナ禍になって、緊急事態宣言等が出されないでゴールデンウィークの時期を迎えるということは初めてです。福井県内でも一昨年は全国で緊急事態宣言で、お店の休業要請をしていましたし、昨年も県独自の緊急事態宣言を出していました。今年は特にそういうことがありませんので、みなさま方にぜひ自覚を持って活動いただきたいと思います。

 併せて、3回目のワクチン接種をどんどん加速しています。特に10代のみなさんの3回目接種を加速しようということで、今回、5月の毎週土曜日に、12歳~17歳向けのワクチン接種の枠を用意しています。5月7日から土曜日にやっていきますので、ぜひご活用いただきたい。特に、中学生、高校生という世代ですので、放課後近くのお医者さんで打つということもあると思います。土曜日に、みんなで出かけてエルパで打つということもあると思いますので、ぜひご検討をよろしくお願いいたします。

 

〔配付資料:若狭湾サイクリングルート ロゴマークについて

 次に、私からの発表の2点目です。若狭湾サイクリングルートについては、今、ナショナルサイクルルートを目指して一生懸命整備中です。このロゴマークが決定しました。若狭湾の「W」にサドルがあったりハンドルがあったりという感じと、この5つの青いところは、デザインをされた方によれば、海の波だということです。また、外国の方にもわかりやすくということで「WAKASABAY CYCLING ROUTE」と書かれています。これを見た人に言わせると、5つの青い部分が三方五湖の象徴にもなるのではないか、「O」という文字はおおい町と小浜市ではないか、ということも想像されるような、非常にわかりやすくて、すがすがしい海沿いを走るという感じが出ている。このようなロゴマークに決まったと思っています。

 昨年11月8日から2か月間募集をかけまして、県内53件、県外109件、合計162件、県内、県外が1:2ぐらいの応募がありました。ピクトグラムという感じで、非常にわかりやすいものになったと考えています。

 これからどう使っていくかということですが、例えば、しまなみ街道では、この写真のように、こっちがルートだよ、ここが終点ですよというマークになったり、ビワイチではマップで使われたりなどされています。このようなことも参考にしながら、「わかさいくる」が愛称なので、「わかさいくる」という言葉も看板に入れたりしながら、このロゴマークを使っていきたいと考えています。

 私からの発表は以上でございます。

 

~質疑~

【記者】

 今の感染状況を見ると10代の感染が多いという印象を受けますが、部活動等を日常どおりに戻した際に、何か新しい対策など考えをお聞かせください。

 

【知事】

 おっしゃるように10代の方は一定程度、部活動による感染があります。しかし、大きく広がっているかと言いますと、4月に入って部活動でクラスターのようなものが出たのは、公立の学校でいうと4件です。状況的には経路不明というよりは、例えば部活動が終わった後にしゃべっていてマスクをしていなかったり、部活動をやっている最中も換気の悪い室内でやっていたなど、原因が結構明らかになっているもので、これらはいずれも注意しましょうというところが守られてなかったということです。

 また、4件というのは、高校で言えば、部活は全部で524と言われています。その中の4件です。中学は700の部活がある中でゼロです。基本的な感染対策をしっかりしていると、クラスターにそんなに簡単にはならないということです。もちろん様子を見ながら、合宿等についても注意事項を申し上げていますが、そういったものをしっかり守っていただくことで当面はやっていけるのではないか。もし、別の要因が出てくれば、そこに注意をして、駄目ならまた部活動の仕方を考えるということをしていく。現状においては、先生がしっかり見ながら進めていくというやり方を続けていこうと考えています。

 

【記者】

 ゴールデンウィークの話があったと思いますが、これから感染が増える可能性があるということで、ゴールデンウィーク後を見据えて、医師会等と連携し何か新たな対策等、お考えがあればお聞かせください。

 

【知事】

 まず、みなさんに日常を気を付けていただく。行くとき、帰ってくるときには無料の検査ができるように準備をしています。また、行ったときはマスクをつけているということが一番安全に繋がる。帰ってきたときは具合が悪ければ出かけない、病院に行く、みんなも出かけない。こういうことをやっていくことが一番重要だと思います。その上で、福井県でもすでに4月1日から、県内の120を超える医療機関で、外来で病院に来られて抗原検査で陽性が出れば、その場で中和抗体薬やラゲブリオなどの薬を処方するか点滴を打つ。こういうことを行って、もちろん入院ということもありますが、自宅経過観察していただくと、ここまで重症化した方はいらっしゃいません。

 早い段階で初期治療をするということが、今のオミクロン株に対して非常に大きな効果があるということはわかっていますので、感染者が出ても冷静に対応していくというやり方で進められるのではないか、特に大きく経済を止める必要は今のところないのではないかと考えています。

 

【記者】

 北陸3県での日帰り旅行割の調整状況について、何か進展があればお聞かせください。

 

【知事】

 これについては、民間の事業者間で各県の、福井での日帰り旅行を富山、石川で売ってもらわないとあまり意味がない。来た人がそれをわざわざ探して買っているようではいけないので、お互いの旅行業協会で連絡を取って話し合いをしています。

 宿泊は5月9日からスタートできるようになっていますので、それにできるだけ足並みはそろえられるようにできればいいなと思っています。

 

【記者】

 4回目のワクチン接種では、国が60歳以上について推奨対象を示しました。県内の高齢者に向けた4回目の接種の準備状況、あるいは接種の見通しはいかがでしょうか。

 

【知事】

 まだ期限が到来しているわけではなく、3回目接種から5か月後というお話になっていますので、国で予防接種法上の予防接種に位置付けるかどうかの議論を今日していると思います。ここで結論が出れば、言われたとおり3回目の後、5か月後に打つということであれば、それについては各市町、医療機関とよくご相談して準備させていただく。全体で見ても、県内で大体25万回分という感じですので、これまでの接種の実績から言えば、順調にいけると思っています。国の意向を見ながら、県内でも市町、医師会などとよくご相談をして準備をしていくと順調にいけると思っています。

 

【記者】

 18歳以上の3回目接種について、以前知事が議会の中で大体5月前半ぐらいを目途に接種を完了したいという目標を示されていましたが、その状況等、改めてワクチンの呼びかけについてお願いします。

 

【知事】

 4月の終わりがちょうど10月の終わりの6か月後ということになりますので、各市町の状況を見ていますと、2回目の接種後6か月過ぎるところで、順調に接種券の発送は行われていると考えています。みなさん、打ちたいと意欲を持たれている方は、4月の終わり以降いつでも打てる体制になってきたと思っています。また、県内のワクチン接種の状況も、全国的な順位は10位台前半で来ていますので、それなりに順調に進んでいると思っています。

 一方で、現在、県内では53%台が全体のワクチン接種の割合だと思っています。65歳以上は88%を超えていますが、64歳未満はまだ40%台となっていますので、ぜひともみなさま方には接種券が届いたら、また、このゴールデンウィークに向けて、最中でも結構ですので、できるだけ3回目のワクチン接種を早くしていただく、そのことが今高止まりになっているものを少しでも抑えることになる、もしくは、重症化を抑えることになると思います。

 やはり、この第6波の中で見ていても、福井県内でも亡くなられた方、重症化された方はほとんど、各々1例を除いて3回目接種を終えていない方ですので、重症化させないことも含めて、ぜひとも、3回目のワクチン接種を急いでいただければと思っています。

 

【記者】

 ゴールデンウィーク期間中、行く前、行った後に検査などを受けて安心して過ごしてほしいとおっしゃっていましたが、例えばJR福井駅の検査場、1日当たり360件を想定されていると思います。今年は緊急事態宣言も出ていないということで、人の往来はかなりの数が見込まれると思います。こちらの数が、例えば1日の検査数を上回ってしまった場合はどのような対策をとられるのでしょうか。

 

【知事】

 福井駅の臨時検査場所は、鉄道利用で福井駅を利用される方にとっては便利だと思い臨時で設けさせていただいています。一方で県民のみなさんは、ご自分の都合のいいときに、多分出かけるときにいきなりそこに寄って行くことは時間が厳しいので、事前に受けておくということが、方法としては多いと思います。「福井県 無料検査」で検索をいただくと出てきますので、ぜひそちらのほうもご活用いただきたい。

 その上で、360件を大幅に上回るようであれば、基本的には、まず増やすということを考えます。ただ場所も限られているので、他の方法で、少しみなさんには他のところに行っていただくということはあるかもしれません。最善を尽くしながら、まずはできるだけ検査を受けていただけるように努力をしていきたいと思います。

 

【記者】

 新型コロナウイルスについて、季節性インフルエンザと同じ5類に分けるべきという意見もあると思いますが、知事の考えをお聞かせください。

 

【知事】

 今でも、オミクロン株は弱毒化してきていると言いながら、医療提供体制の状況によっては家の中で重症化するという例が頻発しています。福井県としては、インフルエンザと同じような対応ができる体制を組んで進めています。効果も非常に大きく、重症化して家から搬送されるということもなくなっています。まずは医療提供体制を、都市部も含めて、病床が幾つあるということを競うというよりは、最初期の段階にどのように医療を施せるかという体制を作っていく必要があるのではないかと思っています。

 その上で、そういったことが整ってきて、オミクロンやその後の株がどうなるかわかりませんが、ウイルスとして弱毒化してくるということであれば、2類を5類に落としていくという議論がさらに深まってくる、大きくなってくる可能性はあると思っています。それに対しては、私どももそういった方向性を検討していくことについて、昨日の全国知事会議でも申し上げました。

 一方で、一つの大きなネックは、今は特別な状況ということで、コロナについてはすべての医療費が無償化されていますが、お薬一つとっても、8万円や10万円など、とても高額になっていると伺っていますので、これをいきなり5類に落として、自分で病院でお金を3割払ってとはなかなかいかないだろうと思います。実態をよく見た上で、もし医療の施し方としては5類に落としてインフルエンザのようにやっていくということが合理的だとなってきても、その時は、当面は医療費の助成等について、しっかりと全額を国でみるといったことを考えていただく必要があると思っています。

 しかし、出口を急ぐよりは出口をつくることが大事だと思いますので、医療提供体制を一番最優先に、福井県は最先端を行っていると思いますが、そういったことを全国でやっていただいたらよろしいのではないかと思っています。

 

【記者】

 大型連休の話が出ましたが、観光地によっては2年ぶりのにぎわいということになると思います。そこへの期待感と、県外からも多くのお客さんが来ると思いますが、受け入れ側としての注意点を教えてください。

 

【知事】

 県内の宿泊業者さんのお話を伺っていても、コロナ前に完全に戻っているかというと、そこまでというのは難しいかもしれませんが、かなりの予約も入ってきている。特に県内に限らず、県外からもお客様が来てくださっている。ふくいdeお得キャンペーンといったものは、この期間は適用になりませんが、それでもかなり戻っているということで、とてもありがたいと思っています。

 業者さんは細心の注意を払っていると思います。ここでもしもコロナが広がったということになれば、自分の店にとっても一番大きな影響を与えるわけです。そういう意味では、細心の注意を払ってやっていただいていると思いますが、加えて、お客様に対しても、ぜひとも感染対策の徹底について呼びかけを行っていただく。「おはなしはマスク」ということをはじめとして、宴会になるとついついマスクを外して会話することもあるでしょうから、そんなときには注意喚起をしていただく。途中で言うのは言いにくいので、最初の段階で一言添えるということも大事だと思っています。そうした基本的なところを守っていただければ、大きな混乱は生じないだろうと思います。これまでの例からいっても、宿泊施設で感染が広がったということはほぼありませんので、楽しく過ごしていただけるのではないかと思います。

 日頃の店側の注意喚起、自分たちで細心の注意を払うこと、お客様に対して丁寧な説明をしていただくということで、楽しんでいただけたらと思っています。

 

【記者】

 先日、厚生労働省が4種類目となるノババックス社製のコロナワクチンを承認しました。5月下旬以降、全国に10万回分ぐらいを発送すると表明されていますが、現時点で県内に配送されるノババックス社製のワクチンの量、また、接種会場を県内に最低1か所設けるようにということですが、どこになるのか。また、これまでとタイプが異なるのでアレルギーのある方にも有効であると言われていますが、接種をする対象はどういった方を想定されているかについてお聞かせください。

 

【知事】

 福井県でも5月23日と6月6日のクールに80回分入ってくると言われています。今回は、アレルギー反応、今のメッセンジャーRNAは大分コントロールできていますが、副反応が大きい部分もあると言われています。そのアレルギーの部分について、今回のものはあまり生じさせないということですので期待も持たれる。副反応についても、ファイザー、モデルナに比べて3分の1以下ぐらいと非常に期待されるものだろうと思っています。また、国産ですので、需要がある時に増産も可能になるのではないかと大きな期待をしています。

 県内での接種場所については、今、医師会とも相談しています。打ちたい方に打っていただけるようにしていく。最初は80件なので殺到すると打てなくなることもあるかもしれませんが、1億5000万回分を国は用意しているというお話も伺っていますので、それほど殺到しないように、順番を待っていただくという方法をとれば、十分混乱なく可能なのではないかと思っています。

 

【記者】

 昨日の全国知事会での発言の中で、重症患者病床の整備を検討しているというお話がありました。重症病床の総数を増やすということではないと伺っていますが、この検討状況はいかがでしょうか。

 

【知事】

 これはお相手もあって、これまで感染症病棟になっていない、もしくはICUやHCUの形にするなど、こういうことを考えていらっしゃるところもあります。まだ引き続き、いろいろお願いもしながら広げていますので、そういったことを円滑に進められるようにお願いしたいという趣旨です。引き続き、各病院等とお話させていただいています。

 

【記者】

 先ほど知事の説明にもありましたが、ナショナルサイクルルートの指定の見通しについてはいかがでしょうか。

 

【知事】

 今まで3年に1回ぐらい指定がありまして、去年それがありましたので、あと2年後という感じかと思っていますが、国の計画期間が令和7年度までありまして、それまでの間に1回はやると言っています。遅くとも令和7年度までにあるだろうということで今準備を急ピッチで進めているところです。

 

【記者】

 先日、中部縦貫自動車道大野油坂道路で勝原・和泉間の開通が半年遅れるというような発表がありましたが、期待していた地元の方も多い中で、知事の受け止めと半年遅れによる影響があれば教えてください。

 

【知事】

 昨年の年末の段階から、荒島第2トンネルは軟弱地盤で地山が悪くて、非常に工事が遅れているというようなお話がありました。その段階で春先になると、特に避難道を先行して掘っていて、同じような場所に行くので、そうすると地層がどこにあるのか、断層がどこにあるのかというのもわかるので、そのときに発表しますというお話でした。それが先日の4月21日、事業費等監理会議の時に発表されたということです。約半年遅れということですので、住民のみなさんも、私どもとしても、少し残念な思いをしております。

 しかし、どうしてもそういうことは起きることですし、また話を伺っていますと、プレキャスト工法という、いろいろなコンクリートを現場で打つのではなくて、そこに見合った形のものを工場で作ってきてはめ込むというような、非常に効率が良く、なおかつ強度も上がってくるという工法をとっていくことや、3Dスキャナを使って安全面をしっかりと確認しながら急いでやっていくというようなことを言われていますので、最善を尽くしていただいたということで、その部分は感謝を申し上げております。

 そのときにも申し上げましたが、県民の気持ちも含めて、秋は秋でもシーズンが終わるころの秋と行楽シーズンが始まる前の秋では、やはりインパクトも大きく違いますので、安全を第一にしていただきながら、1日でも秋の早い時期に開通をしていただきたいと思います。また、もう一つ心配したのは、全線開通が遅れるのかということもありましたが、これは遅れないと、同時並行で他のところをやるということでしたので、引き続き令和8年春と言っていますが、1日でも早く開通していただくようにお願いをしていますし、そう期待をしています。

 

【記者】

 公共事業の遅れというと新幹線開業の遅れもあったと思いますが、国の大型公共事業の開業、開通目標を示されたことに対して、県として関わり方、国の公共事業のあり方も含めて何かお考えがあればお願いします。

 

【知事】

 いつも100年に1度のチャンスと申し上げています。福井で言えば戦後、焼け野原になり地震の後まちづくりをやり直したというようなものに匹敵するような、大きな、それこそ北陸線が引かれたときに匹敵するような大きなまちの構造変化が、鉄道でも、道路でも、中部縦貫自動車道も、舞鶴若狭自動車道の4車線化も進んでいくということで、とても大きなチャンスの時期だと思っています。

 そういう意味で公共事業は、遅れていた部分を福井県として何とか取り返そうという部分が一つありますし、もう一つは国の社会構造として、リダンダンシー、南海トラフ地震は必ず起きるということになっていますので、そういったときに社会として日本社会をどう保つのかという意味でも、1日も早くこういったものを完成させていくということはとても大切だと思います。

 結果として、福井県社会にとっても多くの観光客の方、道路であれば、物も動くわけでして、チャンスが大きく広がっていく。先日も講演の中でお話を伺ったときにも、やはり新幹線の沿線のところは栄えていくという論理もありましたので、そういったことを我々としては、しっかりと追い風として受けて、帆を張って前に進められるように、まちづくり、魅力づくりといったことを引き続き進めていきたいと考えています。

 

【記者】

 ウクライナの避難民の方に関して、先日面会なさったときに、言葉や学校の問題について心配されているというようなことがあったと思いますが、その後の対応はどうなっているのでしょうか。

 

【知事】

 先日、避難民のみなさんと15日にお話をさせていただきました。3日に来られて、疲れもたまっている、もしくは大変ご苦労されていて暗い顔されているかなと思いましたが、みなさん明るく、とっても良くしていただいているということを言っていただいたので、少し安心もさせていただきました。また、お米を食べる習慣がないというお話しでしたので、食事が口に合うか心配していましたが、日本料理はおいしいと、何食べてもおいしいとおっしゃっていまして、すごくうれしくも思ったところです。

 その時に、お子さんの学校の問題、医療の問題、就職の問題といったことを何とか早く解決してほしいと仰っていましたので、ここは福井市も既に住民登録ができたというようなことでございました。

 学校にもお子様に一度見に行ってもらって、英語の授業や他の授業も少し見学したり、体育館で子どもと遊んだり、そんなこともされたようで、とてもいい雰囲気だったということは伺っています。これから学校をどこにするかということもご相談しながら、ゴールデンウィークがありますから少しゆっくりしてもらった上で、そのあとに学校を決めて通っていただく準備もしていけたらと思っています。

 また、就業の関係も、経済界、商工会議所連合会等が大変積極的にやっていただいていまして、今日も新聞に出ていましたが、県内でも85社211人分の雇用について手を挙げていただいていると、特に21社は非常に積極的に採用したいという意欲が強いと伺っていますので、こういったものもご紹介させていただいて、できるだけ早く日常の生活、福井県に馴染んでいただいて、福井県民になっていただくということもあるかもしれませんが、そういった安心して生活していただけるような体制にしたいと思います。

 そのために、まず生活の支援もさせていただいていまして、県もしくは福井市がその方々を支えます、いつでも連絡くださいと言ってもどこへ連絡していいか分からないですし、その都度担当が変わると馴染みにくいだろうということで、そうしたご家族が来られたときには専任の担当者を決めまして、その人にご相談いただければ、その人と私達全体で相談してできる限りのことをする。そういった体制も整えさせていただいています。

 また生活支援金についても、県民のみなさまからすでに420万円以上の寄付をいただいています。これも活用しまして、先日、35万円ぐらいを4月分としてお渡しさせていただいて、順調に生活のスタートができていると伺っています。ちょうど季節もいいので、これから県内いろいろなところを、市町と相談しながら、出歩いていただけるように段取りしていきたいと考えています。

 

【記者】

 日本語を覚えたいということも結構強くおっしゃっていたと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

 

【知事】

 ボランティアの方もいらっしゃいますし、ウクライナ語を話せる方は県内に10人程度しかいらっしゃらないのですが、教え方はいろいろあるそうでして、簡単な言葉をとにかく伝えていくということが勉強になるというやり方もあるそうですので、日本語学校の方のお話しやボランティアの方などにもご参加いただきながら、1日も早く日本語について習得ができるような体制を整えているところです。順次そういうこともやらせていただいています。自動翻訳機もお使いいただいていますので、これも活用いただきながら、日常生活のところで特に不便があるというようには伺っておりません。

 

【記者】

 今後の受け入れ予定はありますでしょうか。

 

【知事】

 今、具体的にお話が来ているもので、日本語学校の方が身元引受人になっていただいて、4組6名の方が5月中にも福井に来られたいというような、若い方中心にお話しを伺っています。その他、複数の方からお友達やご家族を呼び寄せたいというようなご相談をいただいておりますので、順次それは拡大してきていると考えています。

 

【記者】

 昨日、ウクライナ避難民の方の就労について商工会議所の調査が出てきたと思いますが、結果の活用方法、県としてどのようにとらえていくのか、また例えば、県外からの就労なども考えていくのか、どのように見ていますでしょうか。

 

【知事】

 昨日のお話は、八木会頭から私も直接お話を伺いましたが、県内の企業にはとても積極的に受け入れをお考えいただいているなと感じたところです。

 もちろん、いろいろ濃淡があって、すぐにでもフルタイムでということもあれば、やはり言葉の問題もあるので、徐々に、いろいろな支援もいただきながら、というようなことの例もあるそうですが、いずれにしても福井県内で見て、85社で211人分というのは相当な数になりますので、安心して、来られた方々にも少し生活が落ち着いたら選んでいただく、自分に合ったところを探していただいて、マッチングをさせていただけるかなと思っています。

 主に今のところ福井市に入って来られるというような話ですので、福井市とも相談して、各経済団体もしくは各社と橋渡しをさせていただいて、順調に仕事に就けるような段取りをしていきたいなと考えています。

 

【記者】

 県内に避難されているウクライナの方ですと、先ほどの増える予定の方も含めて10人弱ぐらいですが、日本全体だと数百人いると思います。そちらからも受け入れるということはあるのでしょうか。

 

【知事】

 ここは相手の方のご意向によることだと思います。福井県は人口でいえば全国の0.7%ぐらいの比率を占めていますので、全国的に見ても少なくない数を受け入れさせていただいていくのだと思います。

 ここから先は、日本国政府として、もちろん日本財団が生活支援の面を考えていただくということもありますが、プラスして、それに人数は1,000人程度を前提としているということですので、さらにそれを超えてきたときに、その個人に対して、もしくは我々が手を差し伸べる、県民が手を差し伸べるのにプラスして、どんな対応をしていただけるのか、こういったことも引き続き国にもいろいろ求めていくということも繰り返しながら、我々としては県外からでも来られたいという方がいらっしゃれば、それはそれでやらせていただきます。しかし、入って来るときに身元引受といったことをやっていきますので、そうすぐに多くなることもないかなと考えています。

 

【記者】

 前回の定例会見の際、赤字ローカル線の維持に向けた議論や支援を進めていくとおっしゃっていて、その後、国土交通大臣にも要望に行かれましたが、改めてこのローカル線維持に向けて、国に求めていく内容や大臣に要望を出したときの具体的な反応があれば教えてください。

 

【知事】

 4月11日にJR西日本の長谷川社長から、乗車密度2千人未満の線区の収支が出されて、それについてのいろいろな反応がメディア等も通じてあったということを含めて、私どもとして20日に斉藤国土交通大臣に対して県議会の鈴木議長や仲倉鉄道議連会長と一緒に要請をやらせていただいたところです。

 今回の大きな要請の内容は、一つはJRの赤字ローカル線について国も事業者任せということではなくて、やはり関与を強めるべきだということ。そして、単にこれは商業主義というか事業者の経営に任すだけではなく、しっかりと赤字ローカル線の維持ができるような、社会的な必要性に応じて維持ができるような制度を構築していく必要があるとこういうことを国にまず一つ申し上げたところです。

 もう一つは、鉄道事業そのものが、人口が減ってきて、なおかつ乗る人が少なくなった上に今度は高齢者など必要としている度合いの強い人が車に乗れなくなる。こうなってくると、公共交通は非常に重要だという中で、これをどのように維持していくのかという法律面、財政面を、しっかりと国として用意をしていただきたい、ということを申し上げたところです。これはJRに限らず、えちぜん鉄道や福井鉄道、これから県が運営する並行在来線も同じということになるわけです。

 これにつきまして、斉藤大臣はもともと島根県邑南町ご出身ということで、三江線という路線がなくなったというご経験もお持ちで、やはり電車は本数が少なくても来ると思っていれば希望はあるが、廃線になってしまうと非常に寂しいものだというご経験も踏まえて、やはり公共としての必要性を認識してしっかりと考えていくということも言っていただいた上で、今実際に、「地域モビリティの刷新に関する検討会」も2月に発足して検討しているところだということで、7月には中間報告が出てくるので、それに従っていろいろ考えていく。その方向としては、事業者任せにしないで自治体や国や住民が一体となって、赤字ローカル線も含めてどのように維持をしていくのかといったことも考えたいということですので、法律などもつくりながらやっていく必要があるかと思います。引き続き県としては一体となって、維持、さらには利便性を高めていくような方向を、国に対して求めていきたいと思っています。

 

【記者】

 先月開かれた共創会議では、嶺南地域の将来像に向けた基本方針と取組み案について、知事ご自身もかなり前進したという発言で、一定評価されたと思いますが、先日の常任委員会では、委員から、抽象的な部分が多いなど、不満の声が多かったと感じます。知事の認識はいかがでしょうか。また、次回の共創会議の日程など決まっている部分があったら、お聞かせください。

 

【知事】

 3月29日に共創会議がありました。先日15日に、総務教育常任委員会が開かれたと聞いています。考え方のところで、国の原子力行政の行き先、道筋、どの程度の量にしていくのかが明らかにならないのに、共創会議ばかり進めてもという趣旨の発言がたくさんあったと聞いています。しかし、そのときも部長から答弁していますが、そちらが決まらないと、共創会議の中身が詰められないということでは、ないのではないでしょうか。逆に言うと、廃炉などいろいろなことが進んでいる中で、経済がそもそも寂れようとしている時に、それを支えないという手は全くないのではないでしょうか。

 これは、十分に同時並行可能なので、私としては、決して、必要となる原子力の量、もしくはその道筋という旗を降ろしてないので、これはこれで、強くやっていこうと思っていますし、議会のみなさまとも考えは同じであろうと思っています。

 その上で、共創会議は、何といっても相当進展したと思います。具体性がないと言われていますが、やはり、計画を作りながら進めるわけなので、具体的な予算化は年度毎にやっていきますが、共創会議の大きなねらいは、20年後などに、どんな社会が描けるのかというところ、産業をどのように根付かせていくのかということなので、そういう意味では、スタートラインについて、その方向性については、すべてがすべてとは言いませんが、それなりに描かれています。量的なものも、水素の製造プラントのところもありますが、示されてきているとは感じています。

 これからも、共創会議の中で、詰めるべきについては、しっかりもう一回開くということなので、詰めていけるように、ワーキンググループでも議論をさせていただきます。県議会の議論も、これは国の報告書の内容についてなので、国に対して、我々として、報告もしているところです。

 一つあるのは、ワーキンググループのところで、国の考え方の中でも、ウイングを広げる、今は、ステークホルダーは行政関係、直接携わっているのは事業者に関係していますが、私もあのとき申し上げましたが、どんどん民間事業者が入ってきて、その中でプレイヤーとなっていくわけです。そういうようなことで、いろいろな形で、プレイヤーとして、そこの中に入りこむ人、もしくはアドバイスしてくれるような民間の力、こういったものも活用して、ワーキンググループというものを作っていくことも大事だと思っています。

 この後、時期のことは聞いていませんが、大きく言うと、来年度の概算要求の前には、決着しているような段取りを組んでいくのだろうなと思っています。この辺は、最後は国の判断かと思っています。

 

【記者】

 解散が決まった道路公社についてお尋ねします。公社では2010年頃に当面の存続を決めた議論があり、それに先立って2008年頃に債権の切り替え、金融機関から福井県への債権の切替えと利息がかなり嵩んで問題になっていたと承知していますが、知事は過去に総務部長や副知事時代にこうした節目であった重要な判断に何か関わったことはあったのでしょうか。

 

【知事】

 2008年や10年には、福井県庁におりませんでしたので、直接林業公社のように、私が担当のときに何かしたということは、今のおっしゃる部分についてはありませんでした。

 しかし、総務部長のときも、非常に経営状況はよろしくない。もう一つ課題があったのは、いろいろな災害対応をするときにその中で赤字が出て、また直して赤字が増えていくというような状況もあったり、民間として借入れをしているので金利が高いというような状況があったので、どのようにして改善していくかという議論はよくしていたかと、一つひとつのことは覚えていませんが、予算査定のときも議論していたようには思っています。

 特に、私が副知事のころからは、できるだけ早く引き取って、無料にして開放する方向ということを申し上げていましたので、法恩寺山の期限がくる時期に合わせて、有料道路について無料開放するということを今回決めさせていただいて、今準備を進めているというところです。

 

【記者】

 無料開放しようと言われたのが知事になられてからということでしょうか。

 

【知事】

 決めたのは私だったかな。私になってからだと思っています。

 大体そのような方向ではありました。副知事のときもそういう議論をしていましたので、早くやろうと、それは法恩寺山が無料になるときかなというイメージがありました。

 決めたのは多分私になってからだと思います。

 

【記者】

 今回2月議会で福井県関連分で言いますと26億円程度の債権放棄ということが決まったと思います。本来であれば、県民の財産にするべき債権を放棄したということで、非常に重い決断であったと思いますし、額も大きかったと思いますが、改めて県民のみなさんにどのように理解を求めたいと考えていますでしょうか。

 

【知事】

 これは形式的には債務のところを県につけかえるという形になりますので、それを県民のみなさんの税金で行っていくということになるかと思います。

 しかし、資産が県の財産になりますので、レインボーラインにしても、今後県道としての活用としては、とても大きなものがあると思います。

 言ってみれば、あれだけの道路を26億円で買った、県民の財産にしたということですので、それはそれで非常に大きな効果があります。そこのところを勘案して、今回こういう措置をとらせていただいて、県議会でも議論がありましたが、ご理解をいただいて議決いただいているということです。過去の、ずっと以前からの有料道路をつくるときからの議論ということをおいても、私は意義のあることではないかということで、県民のみなさま方にご理解をいただければと考えているところです。

 

【記者】

 レインボーラインに関しては、つくった当初に債務を残した状態で無料化されるということは想定していなかったと聞いていますが、このような事態になった原因は何だとお考えでしょうか。

 

【知事】

 最近もそうですし、平成25年のときも非常に大きかったですが、災害が起きます。災害が起きたときに、例えば県道であれば、国費を入れて災害復旧ができるわけです。それに対して有料道路の場合は、自分でやっていかなければいけないということになる。そういった通常の収支の中で、計算の中に入ってこない部分というものが結構頻発してきている。こういう中で、収支を相当悪化させているということがあったと理解をしています。

 そういう意味では、県道になって、まず安全度を高めていく。収支の中でやっているとやはり完璧な対策がどこまで打てているのかということが、ある意味心配になる部分もありますが、今後は、県道としてしっかりとそういったところも見ながら、国費も入れて整備もしていけるということになるのではないかと思っています。

 

【記者】

 最終的にその結果として26億円程度の債権を放棄しないといけなくなったその責任はどこにあって、どのような責任のとり方をされるべきだとお考えでしょうか。

 

【知事】

 責任といいますか、それは判断をしたのだと思います。

 先ほど申し上げましたが、この財産を我々として、ある意味県民として手に入れることがどうかということについて判断をした結果、26億円でこのレインボーラインと法恩寺山の道路を公有財産にして、道路として供用する、無償開放することの効果は相当大きいと理解をしてやらせていただいているということです。

 最初にその事業を始めたときの経緯やそこのところの責任、それはそのときの判断があって、それぞれ手当もしてきていますし、債権放棄と言うとおっしゃるような責任がどこにあるか、あるかもしれませんが、ある意味買い手があって、県民のみなさんにもご理解をいただけて、今回こういう解決方法をとってきたということかと思っています。

 

【記者】

 最終的に金融機関の利息分がかなりあって、9億円ぐらいと聞いていますが、県への債権の切り替えがもっと早く行われていれば圧縮できたというようなお考えはあるのでしょうか。

 

【知事】

 それは時々にいろいろな判断をしてきたのだと思います。

 しかし相手のある話もあって、公社としての、公社の存続のこともあり、一方で赤字だから買ってくださいと言える立場かというところもあるわけで、それは県の判断としてもっと早くやっておけば県費をどこまで少なくできたか、事後的には有り得たかもしれない、論評できるかもしれませんが、その都度で言えば、立場が全く逆転していて、赤字を出しているからその赤字をこっちに取りつけるのはどういうことだというのは、一方で言うとそういう議論が成り立つわけです。今回はその両方の考え方をもとに有料道路としての期限が来るということのタイミングとして、26億円の債務をこちらで引き取って、県道として供用開始するということですから、タイミング的にもある意味素直な時期だったかなと思っています。

 

【記者】

 先日、坂井市の坂本市長が退任されまして、元県職員の池田氏が新市長に就任されました。東尋坊の整備であったり、坂井市の地域課題の解決に向けてどのように知事が坂井市と連携されていくのか、お考えを聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

 昨日、池田新市長さんがお越しくださいましたので、話もさせていただきました。とてもすばらしい方に市長にご就任いただいたなというのが、率直な感想ということになります。

 私も総務部長のときから、あの方は人事課や政策推進課にいらっしゃったりして、若いうちからとても頭角を現されていましたし、副知事の時には市町振興課長、私が知事になったときは健康福祉部長で、嶺南振興局長のときも地域、特に首長さんから抜群の評価でした。

 もともと私が知事になったときに嶺南振興局の位置付けを単なる出先にしないで、嶺南振興局長が首長さん方と一緒になって、物を決められるようにしようというようなことを申し上げてつくらせていただいて、人も配置させていただいた。結果としても、トライアル枠予算もしっかりと議会にもご理解いただきながら、柔軟に使えるお金も用意もさせていただいて、首長さん方とよく相談しながら、このサイクリングルートも最初の頃はその枠の中で一生懸命やってきているわけで、そういう意味では、嶺南振興局長をやっていらっしゃるときにも、地方自治、自立してやっていくということについての考えも、相当進められたのかなという気も、今となって考えるところです。

 いろいろと選挙のとき、終わった後の話も聞いていると、笑顔溢れる坂井市をつくるということですし、東尋坊や丸岡城といったところの観光もしっかりとやっていくということで、今の福井県が進めていこうとしている方向とぴったり合っていると思いますので、そういう意味では、仕事の方向性もそうだし、お人柄もとても信頼が置ける方ということで、これからまたしっかりと坂本市長時代と同じように、福井県としては全力で一緒にやらせていただく、そういうつもりでいるところです。

 

【記者】

 関西電力の金品受領問題について、先日、コンプライアンス委員会の調査報告書が公表されました。報告書の内容に関しての知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

 私の理解では、今回コンプライアンス委員会で指摘があった事項については、以前から報道等で問題点が指摘されていた事案かと考えています。関西電力としてコンプライアンス委員会を通じて、自浄努力をしっかりとしてきた結果かと考えています。

 ただ、中身的には不透明な内容だと見ていても感じているところです。また、関西電力の業務改善は今も続いているので、しっかりと今後とも関西電力としてコンプライアンスの徹底を続けていただきたいと思いますし、また、電気事業法で経済産業省が各事業者についての指導・監督を行うということですので、今回の件も含めて、これからも国でも指導・監督を強化いただきたいと考えています。

 

                                                   ―― 了 ――

 

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