知事記者会見の概要(令和4年6月9日(木))

最終更新日 2022年7月8日ページID 050025

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令和4年6月9日(木曜日)
10:30~11:55
県庁 大会議室

 

0609記者会見

 

【知事】

 それでは私から最初に4点お話をさせていただきます。

 

〔配布資料:令和4年度6月補正予算案について 予算案の概要主要事業ポイント

 まず6月補正予算案についてです。6月補正予算案のポイントとしては、コロナ禍ということ、そして円安、ウクライナの関係で原油価格、物価高騰の影響を受ける事業者等への支援、さらに、併せて交通などもかなり止まっている部分がありますので、例えば交通機関の利用促進や、企業に前向きな投資を促進していくということで、6月補正予算の規模は69億円。これまでの累計は一般会計で5,181億円になっています。項目としては、コロナ禍の原油価格・物価高騰対策と新型コロナウイルス感染症対策、ウクライナ避難民への支援という大きな三つの柱になっています。

 中小企業者等への物価高騰対策については、資金繰りが非常に厳しくなっているところがあるということで、コロナ対応だけではなく、新たに原材料・原油価格高騰対策分の経営安定資金を創設いたします。これによって新たに8,000万円の融資限度額の枠ができ上がるということです。併せまして、既存のコロナ融資などにつきましても、期間が長くなっていますので、融資の返済が始まって、それが厳しいというような場合には、返済等について条件変更を行うことがあります。これについて、変更を行った場合に、県が保証料について補助するということを今回追加させていただきます。

 また、2月議会で中小企業者等事業継続支援金を拡充させていただきました。これについては4月までに、売上が前年やコロナ前よりも70%以上落ちるなどといった基準で支給額を決めていましたが、3月末に上海のロックダウンが行われまして、影響が4月だけではなく5月にも延びているという状況を受け、対象の期間を1か月延長するということを今回盛り込ませていただいています。

 企業への前向きな投資としては、省エネが非常に今喫緊の課題になってきていますので、県独自の制度として、省エネ設備を導入したときに国の補助金があり、3分の1が事業者負担ですが、その半分を県が支援する。もしくはEVなどを企業として導入する場合、国の補助相当額の2分の1を助成して、省エネを進めていこうということです。

 また、交通関係ですが、鉄道、バスでのお出かけの応援を行おうということで、例えば1,000円以上、1日フリー切符を買った場合には、500円の割引が受けられるなどといった「ふく割」の発行などを行います。併せて、各交通事業者にもいろいろなパターンがあります。例えば、電車や路線バスについては、全体の大きな赤字に対して助成を行っていく。また、貸切バスやタクシー、運転代行などについては、いったん車を休ませていても年間の固定費はかかりますので、そういったものを補助する。さらに、トラックの関係では、低燃費用のタイヤに取り替えていただくための補助金を出す。このようなことで、交通関係の特別支援を行っていきます。

 農業も大変厳しい状況に置かれています。特に、燃料価格の上昇、そして肥料、飼料、さらに農業用資材といったものが高騰しているというお話をいろいろ伺っていますので、例えばお米や麦などに対しては、10アール、一反当たり2,000円の肥料等の補助、園芸の場合は集中的に肥料も使いますので、この場合は10アール当たり1万1,000円、また、施設園芸用のビニールハウス、大体0.1ミリの厚さのビニールを使うそうですが、より電気や燃料を節約できるようにということも含めて、また、0.1ミリのものを0.15ミリの厚さにすると断熱の効果もあり、長持ちする、5年ぐらいで取り替えているところが7年ぐらい持つという効果も期待できます。そうすると、単価が平米あたり約300円上がりますので、その半分の150円を補助させていただくといったことで、農業等を下支えしていきます。

 次は配合飼料、えさ代です。えさ代についても1トン当たり7,000円、高騰している部分の一部を支援していく。漁業などにつきましても、燃料価格等の値段が上がったりして経営が危ないときに、セーフティネットという保険のようなものがありますが、この掛け金の2分の1を県が補助します。各業種に対して、一次産業にも支援をしていきます。

 また、伝統工芸、例えば和紙は三椏(みつまた)、楮(こうぞ)やパルプなどが高騰していますし、漆器の場合は漆も高騰していますので、価格上昇分の3分の2程度を支援していく。そして一般公衆浴場についても、燃料の高騰分を助成していこうというものです。

 消費喚起一般につきましても、「ふく割」を追加して発行していきます。7月から10月、9月議会が終わるぐらいまでの間を見通して、今後とも一般的な「ふく割」のほかに「マスク会食割」や「じざけ割」「ようふく割」など、発行を増やしていきます。

 給食も食材が8%程度高騰しているという話もありますが、この部分につきまして、県立学校や私立幼稚園、保育所等に対して助成をしていく。また、生活に困窮している方に対しては直接の補助金ではなく、生活に困窮している子どもたち、親御さんも含めて守っていこうということで、セーフティネットの仕組みをつくっていく。例えば役場や社会福祉協議会、子ども食堂やNPO、企業、ハローワークなどが入って、困窮者のみなさんたちを見守っていく。そういう事業を行うプラットフォームを各市町でつくっていただく。こういう助成を強化していきます。

 新型コロナウイルス感染症対策では、福井大学附属病院に感染症向けHCU(高度治療室)の整備や必要な設備を支援をしていきます。これで福井大学附属病院でも、感染症患者への高度な治療がさらに可能になってきます。

 また、ウクライナ避難民の方が現在9名、福井県内にいらっしゃいます。こういった方々に対する支援の強化として、例えば相談体制の強化では相談員の1人増員や、電話相談の体制としてウクライナ語を追加する。居住環境の整備ではエアコンなどを整えたり、学習支援としてサポーターの方などを増やしていくことで、避難民のみなさんの生活の支援を強化していきます。

 以上が予算の関係でございます。

 

〔配布資料:全国育樹祭の会場および基本方針の決定について

 2点目は、令和6年秋に全国育樹祭の実施を予定しています。会場と基本方針が決まりましたのでご説明をさせていただきます。県と国土緑化推進機構の主催で、時期は令和6年秋、趣旨は継続して森を守り育てることの大切さを普及啓発する、ということです。

 主な行事としましては、平成21年、今から13年前の全国植樹祭で現在の上皇上皇后両陛下がお手植えをされましたアカマツやトチノキなどがございますので、こういったものに対して皇族殿下が枝打ちをされたり施肥をする「お手入れ行事」がございます。もう一つは皇族殿下によりますお言葉を賜ったり、緑化等功労者の表彰などを行う「式典行事」がございます。場所につきましては、お手入れ行事については、13年前に上皇上皇后両陛下、当時の天皇皇后両陛下がお手植えをしていただきました一乗谷朝倉氏遺跡で行わせていただきますし、式典についてはサンドーム福井を予定しています。これによって、豊かな水と緑に恵まれた美しいふるさと福井を次の世代につないでいくため、「木を伐って使い、植え育てる」流れを社会全体で進めていく契機となるようなことを目指してまいりたいと考えています。

 

〔配布資料:県保有施設における太陽光発電の導入について

 3点目です。県でも、長期ビジョンの中でも表させていただいていますが、2050年のカーボンニュートラルを目指しています。その第一歩としてPPAモデルで太陽光発電設備を県有施設に導入します。例えば契約を行いますと20年の契約が多いようですので、耐用年数から見て20年以上ある施設や200キロワットぐらいの太陽光パネルがあると効率的という話があります。そうすると1300㎡以上設置ができるスペースがある施設など一番モデル的にできそうなところを見たところ、工業技術センター、県立図書館、こども療育センター、坂井合同庁舎の4か所について公募の開始を本日6月9日、事業者選定を9月に行って、来年度から発電の開始を行っていきます。今回は第1弾です。例えば児童相談所の、今作っています一時保護の場所、こういうところへ順次拡大をしていきます。まずモデル的にやっていこうということです。

 

〔配布資料:新型コロナウイルス感染症について

 4点目が新型コロナの関係です。現在、6月12日の日曜日までが注意報の期間ですが、当面という意味で、1か月程度、7月10日まで注意報を継続させていただきます。

 本日の新しい感染者の方は136名、新規系統が5系統のうち県外2系統でして、1週間の感染者数は983人、千人を切るのは3月27日以来です。病床の利用も29床で比較的落ち着いてきているという状況です。新規の感染者数と系統数は減少傾向で病床利用率も30床以下になってきているという状況です。年代別に見ると、10代、20代が増えている、全体が下がっている中でここが一定数継続して出ているという状況です。感染した場面がどこかということで言いますと、学校・保育園の割合は、2割程度でしたが、今は3割近くに上がってきています。

 県民のみなさんへのお願いはいつも申し上げていますが、まずはご自身そしてご家族の体調の管理、具合が悪ければ医療機関に行っていただく。また、その方は家からは出ないでいただく。こういうことを徹底していただきたい。また、体調管理をお願いしたい。そして「おはなしはマスク」。とにかく「おはなしはマスク」を頭に入れておいていただけるとありがたいと思います。飲食中も「おはなしはマスク」。バーベキューなどで楽しく外でということも結構感染を広げている原因です。宴会も短時間を心がけていただきたい。一方で、まさに「おはなしはマスク」ですので、周りの人がいないとき、特に暑いとき、1人で走ったり歩いたりしているようなとき、会話をしないとき、こういうときはマスクを外していただくことは十分可能ですので、「おはなしはマスク」ということをよく頭に置いていただくといいと思います。

 また、症状があればもちろんお医者さんに行っていただくのですが、何かイベントがあったとき、マスクを外して騒いでしまったというときもあると思います。そういうとき不安な方は、無料検査を7月10日まで延長させていただきますので、ご利用いただきたいと思います。ワクチン接種についてはノババックスも出てきました。結構好評です。4回目の接種ではノババックスは打てませんが、4回目の接種を打てる方はどんどん打っていただいたらよろしいかと思います。

 ワクチン接種の推進では、県営エルパプラスの会場でノババックスのワクチンの接種機会を拡大していきます。好評でして、例えば今月18日、25日では1日あたり150回を予定していましたが、すでに埋まってしまいましたので、これを300回に拡大させていただきます。7月に入りましても、みなさん日曜日というより土曜日、金曜日の夜に来られますので、ここも継続させていただきます。その他、市の集団接種会場でも受けられる場所が出てきています。ノババックスはメッセンジャーRNAのファイザーやモデルナとは違うワクチンでして、不活化ワクチンの一つで副反応が小さいと言われています。発熱などは2分の1、3分の1など、痛みが出る度合いもかなり低いということです。3回目をノババックスにしようという方ももちろんいらっしゃいますが、1回目をノババックスが出たから打とうという方も増えてきています。まだメッセンジャーRNAワクチンが少し怖いと思っていらっしゃる方も、試していただいたらよろしいかと考えています。

 続きまして評価指標の見直しです。表で5期と6期の比較をしています。資料25ページの括弧内が1日平均などでわかりやすいと思いますが、感染者数や新規系統数、1週間の感染者数の最大などを見ていただくと、大体5期と6期では10倍ぐらいの開きがある。6期になって10倍ぐらいに膨らんだという感じです。とはいえ、オミクロンの毒性は弱いことから、入院率については比較的落ち着いている。しかし、病床利用率は29%、6波のときは高齢者が非常に多かったということもあって医療現場は逼迫いたしましたが、病床の数も十分に増やしてきたということもありまして、比較的低く抑えられています。その上で、入院率も以前に比べれば10分の1、弱毒化が見えるとともに、福井県では重症化させないということで、第6期は自宅経過観察にも力を入れさせていただきました。結果として、亡くなられた方の数は5期は1人、今回は7人ですが、死亡率で見れば5分の1に下がっています。なおかつ、死亡率の0.02%は全国で一番低く、全国平均の8分の1ぐらいです。さらに、福井県より感染率が少ない県は幾つもありますが、7人という実数では一番少ない。それだけ重症化、死亡を抑えてきているという、福井県のやり方の効果がここに出ています。重症化の割合も全国平均の3分の1程度に抑えられていますので、一定程度重症化を抑えていくという治療法についても、福井県では進めながらやらせていただいています。感染者数が、デルタ株に比べれば入院して重症化する人の割合はかなり低いということを踏まえて、大分落ち着いてきましたので、今回、オミクロン株を前提として、こういう見直しをさせていただこうと考えています。

 基本的な考え方は、重症化させない、もしくは医療の逼迫を招かないことですので、病床利用率や重症病床を十分に配慮しながらやっていくということだと考えています。まず、レベル3は国の基準でも病床利用率50%ということで、ここを定めまして、次にレベル2の水準が全国的に見ますと都道府県では20%が多いので、警報のスタートを20%と定めまして、注意報はその半分程度、特別警報はレベル2と3の間ということで、今回定めさせていただきます。

 現状におけるオミクロン株では、直近の感染ではかなり若い方中心になっているところもあり入院期間が短くなっていますが、入院率は6、7%というのが全体を通じた状況でした。そうすると、1週間で600人程度、入院期間が大体1週間ですので、これを計算すると大体6、7%の場合40、50人ぐらいになってくるということで、この数を定めている。また、上り局面が一番、警報や注意報を出すときに大事ですので、先週比1.0以上の拡大傾向が継続しているという概ねの前提をおいて見直しをさせていただこうと思っています。多分オミクロン株が残っているとすれば夏休みのころにまた拡大してきますので、そのときにもこの新しい指標を活用していきます。しかし、これまでと同様で、全体としてはこういう基準を持ちながら、後はそのときの病床や重症化の状況を見て判断していくことになると思っています。

 私からの発表は以上でございます。

 

~質疑~

【記者】

 今回の6月補正予算の編成にあたって、知事が最も重視した点、ねらいも含めてお聞かせください。

 

【知事】

 コロナ禍が長期化している、そしてウクライナ情勢によって円安も進んで原油や物価が上がっている、こういうところで一番しわ寄せが来ているところを十分に配慮して、少し景気もマインドも明るくなってきていると思いますので、腰折れすることがないように、今回も各事業者、団体から、十分にヒアリングをさせていただいて、求められていることを早めに形にするということでやらせていただいています。

 またコロナ対策についても、次に備えるということも含めて、コロナ患者を受け入れるHCUなどの整備もいたします。補正予算ですので、現下、特に緊急に必要なもの、こういったものを絞りながら、なおかつ十分な額を今回補正予算で組ませていただいたと考えています。

 

【記者】

 今回の補正予算で当面、事業者や県民の生活に十分な支援を行えると考えているということでしょうか。

 

【知事】

 基本的にはそう考えています。ヒアリングだけではなく、統計も見ながら、今、利益を出しているところが増えてきている。しかし、円安のところで、その効果がどちらに振れるかということで少しまた停滞するところが出てくるかもしれませんが、傾向としては、少しずつよくなってきていると思う中で、やはり危ないと思われるところに重点的にやらせていただいています。我々としては、今できる最大限のことをさせていただいていると思います。これで何とか凌いでいただけるのではないかと考えています。

 

【記者】

 今回の補正で重点的に組まれた原油高騰や肥料高騰の対策ですが、今、円安も進行していて、JA全農でも肥料価格が1.8倍になる見通しも出ています。まだ少し国の対策もはっきりしない中ではありますが、今から少し離農も検討するような声も聞こえてくる中で対策が十分なのでしょうか。また、今後、県の農業政策も含めたあり方をさらに活性化するために、現状の課題なども含めて知事の所見を伺います。

 

【知事】

 これはおっしゃるとおりで、特に肥料の関係は、まだまだこれから高騰するかもしれないということは言われていますし、秋野菜に向けて、肥料をたくさん使わなくてはいけない時期の高騰ということをとても心配されています。

 我々も国に対して、こういったことに対する肥料を中心として、すでにセーフティネットがある餌や燃油などもありますが、さらに肥料のところを新たに対策をしっかり打っていただくようにということもお願いしています。

 県だけではとてもやりきれませんので、国に対しても強く求めながら、農林水産業の各業種のみなさんと一緒にやらせていただこうと考えています。

 

【記者】

 今回前向きなところで、省エネ設備の導入や電気自動車の説明もありました。冬に向けて電気の逼迫状況も国全体の中で上がってきているなかで、電気消費量を落としていくことも念頭にした今回の対策ということで受け止めてよろしいでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃるとおりで、今年度中に策定を予定している、新しい環境基本計画の中で、トータルで施策を考えていくということが一番重要だと思っています。足元の夏、特に冬が厳しいと言われていますが、電力の消費を一気に増やさない、省エネということもあります。EVも多分昼間よりは夜に充電する機会も多いと思いますので、この足元のところも少しでも効果が出ればということも考えています。

 設備は1か月、2か月ですぐ効果があるかどうかはありますが、いずれにしても冬に向けては、一定の効果が出てくると考えています。

 

【記者】

 鉄道事業について、地域鉄道の振興に加えて、石油価格が上がっているので自家用車の維持費や利用代も上がると思いますが、そういったことも背景にあってこの支援策を打っているということでしょうか。

 

【知事】

 一つはおっしゃるとおりですが、原因がもともと違っているところもあり、例えばこの鉄道やバスの関係ではコロナ禍が長く続いて需要が必ずしも戻っていない状況の中で、赤字経営を強いられていることになりますので、これは去年、一昨年と考え方は同じように、事業継続に必要な経費を見ていくという考え方です。それに対して、燃料代などが上がってきて、その影響も受けているという部分がありますので、こういった固定費の部分を見ていくというような考え方で、こちらもコロナ禍と両方ありますが、そういったことを見ながら、一番それぞれの業界に合っているやり方を、お話もさせていただきながら選ばせていただいています。

 

【記者】

 福井鉄道やえちぜん鉄道に対する「ふく割」の発行は、公共交通の利用促進、後押しも含めたねらいがあるということでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃるとおりで、去年、一昨年のときは、コロナで出た赤字の部分は基本的に埋めましょうという考え方で補助も出させていただきましたが、今回は考え方として、コロナで減っているお客さんの数の8割程度を経常経費の補助金で埋めて、あとは「ふく割」などでお客さんを増やしていただく。いろいろ知恵を使って、これ以外にもいろいろ事業者にもお客さんを増やす、観光客を増やす、そういう努力をしていただくことで、2割以上稼いでいただいてもいいので、そうすると企業としては黒字になっていくということになります。そういう工夫で、できるだけ鉄道に戻っていただく、バスや公共交通に戻っていただくといったことも含めて、この事業を今回やらせていただこうと考えているところです。

 

【記者】

 今後のコロナの感染拡大の減少がどうなるかという見通しについて、知事の考えをお聞かせください。

 

【知事】

 全国的な傾向としては高止まりが少しずつ下がっているかなと思いますし、福井県も傾向としては同様だと思います。新規系統数もここ数日、今まで二桁以上、10から20などがずっと続いていたのが、ここ3日間は5系統などになってきましたので、そういう傾向が続けばもう少し下がってくると思います。しかし、オミクロンはなくなるという状況が全く想像しにくいと思っていますので、数で言えば、一定程度維持されてしまうと考えています。

 社会経済活動をできるだけ止めないようにしながら、感染拡大をどんどん広げることが一番良くないので、みなさんに「おはなしはマスク」を徹底していただくことがよろしいのではないか、また、体調が悪かったら早めにお医者さんに行くことを心がけていただくのがよろしいと思います。

 

【記者】

 評価指標の見直しについて、適用はいつからでしょうか。

 

【健康福祉部 感染症対策監】

 次の感染拡大に向けてこの指標を使っていきたいと考えています。

 

【知事】

 もう少し下がってきて注意報を解除した後はこれを使っていこうと考えています。今申し上げた考え方は下り局面も同じ発想で、それなりに合っているので、今後という感じです。正式にいつからということはありません。

 

【記者】

 10日から訪日観光客の受け入れが再開すると思いますが、知事の受け止めと期待感、また積極的に誘致に取り組んでいくのかについてお聞かせください。

 

【知事】

 非常に期待が大きいと、福井県もそうですし、全国的にそういうことだと思います。世界経済フォーラムで、観光で魅力度世界一は日本だと言われているぐらい、多分世界から殺到したいのだろうと思います。とりあえずスタートするのがパッケージツアーということですので、少し方法論も含めて慣れていって、次に個人客にウイングを広げていくことはとてもいいことなのではないかと思っています。

 福井県も、これまで既に当初予算でも次の再開に向けてということで、世界的に刺さるという意味では「ZEN」をできるだけ売り込んでいくなど、今まではリアルのお客さんの行き来がなかったのでできませんでしたが、いろいろな形で、例えばフランスでの展示会や観光イベントに出てみる、また、新しく東南アジアから日本に来たいということが増えていますので、フィリピンやベトナムなどで展示会をやってお客様を迎え入れる、そういった宣伝をする準備もしてきました。

 県民のみなさんが一番心配なのはコロナが広がるのではないかということなので、わかりやすく、例えば「マスクプリーズ」のような標語で、はぴりゅうが貼ってあって、外国人の方が来られそうなところに、日本的なやり方ということを簡単にわかりやすく示しながら、安心してそういう方々を受け入れるようなやり方を十分に進めていきたいと思っています。

 

【記者】

 全国的にモデルナワクチンの廃棄問題が出ていますが、福井県内の状況を把握していれば教えてください。

 

【知事】

 福井県内でも5月末現在で、1万2000回分、残念ながら廃棄されています。これはできるだけ少ない方がいいと最初から思っています。全体で見ると170万回以上も接種している中の1万2000回ですので、努力をしてきたということが一つあります。もう一つは2月、3月の段階で、打たなくてはと集めた分について、思ったほど全体が伸びていないのもありますが、ファイザーに偏って打つという結果になって、モデルナの方に回らなかったことで、モデルナだけが1万2000回分廃棄されるということになっています。

 今は接種をするパターンが見えてきていますので、こういうことがないように、現状でいうと、県内にあるワクチンの量は15万回分ぐらいですが、次の使用期限が来るのは大体秋になります。秋までの間を考えると、4回目の接種がそれまでの間に25万人ぐらい入ってきます。今ある分は、市町ともう少しで切れそうな物はできるだけ融通してやっていますので、一番滞りにくいやり方をしていますが、そういったことも続けながら、これ以上できるだけ廃棄がないように進めていきたいと思っています。

 

【記者】

 先ほど外国人観光客の受け入れについて、わかりやすく示していきたいというお話もあったと思いますが、県として具体的に取り組んでいること、もしくは取り組む予定のあることがありましたらお聞かせください。

 

【知事】

 「マスクプリーズ」のようなものは、少し貼ってみようと考えています。まず国に求めていて、入ってくるときに、特に最初はパッケージツアーで周知もしやすいので、日本の習慣をよく周知してほしいということをお願いしていますし、国も始めていると思います。

 その上で福井県に入ってきた方々に、全国的によく似ていると思いますが、福井県らしく、わかりやすい言葉で端的に言うことも大事だと思います。その一つが「マスクプリーズ」で、これから少しいろいろ工夫しながらやっていきたいと思います。すでに準備を始めています。

 

【記者】

 具体的にどこに掲示などということはこれからでしょうか。

 

【知事】

 それは今一生懸命やっていると思います。

 

【記者】

 パッケージツアーということですが、10日から開始で、すぐに福井県にいらっしゃるような状況ということでしょうか。

 

【知事】

 最初の頃は全国的にも多分大都市で始まって、福井ももちろん来られると思いますので、今おっしゃっていただいたようなことについての対策は、我々も早めに打っていこうということではありますし、いろいろと国内の団体からもそういうマニュアルなど示されますので、そういったこともきちんと周知してやっていきたいと思っています。

 

【記者】

 新型コロナの感染症法上の分類についてお聞きします。今2類相当になっている分類の5類への引き下げについて、知事の基本的な考え方と、引き下げるとすればどのようなことが条件として考えられるのかという点をお聞かせください。

 

【知事】

 感染症法上の位置付けはコロナは2類相当と言われていますが、もともと2類になっているわけでもなく、ウイルスの特性を見てこれまでも運用されてきていると思います。5類相当ということはどういうことを言っているのかということはありますが、その特性を踏まえた対応をしていただく必要がある。その典型から言えば、2類相当だから、今、治療費は無償になっています。これがいきなり5類相当になってしまうと、保険適用になるとしても3割の負担が必要になる。それに対して今回のオミクロンの飲み薬の例で言えば、ラゲブリオは1回、1人分8万円ぐらいするというようなことで、この薬が必要になったときに、みなさんがしっかり使える環境にしないと、おそらく受診控えなど、治療はやめてくださいという話になって重症化することになります。

 オミクロンもしくはこの後の株、メディアなどで伺っているとだんだん弱毒化するのではないかと言われています。強毒化するかもしれません。新しい株も含めて、それの特性を踏まえて、医療体制や医療を受ける側の経済的負担なども含めて考えた上で、インフルエンザみたいな形で通常の医療になるまでは、特別な配慮が必要だと思っています。

 

【記者】

 治療費が今の季節性インフルエンザ並みの価格や提供体制ができれば、引き下げることについては賛成ということでしょうか。

 

【知事】

 いずれにしても一番大事なことは毒性ですので、十分に重症化しない、もしくは医療体制が整っていないといけないと思います。

 現状でも自宅でずっと過ごしていて、具合が相当悪くなってから病院に来るということがまだ続いています。そういうことだと、気軽に病院に行けるという状況ではないとすれば、それはどこに原因があるのか、周知ができていないのならばすればいい。そういう医療提供体制、また毒性の強さといった特性をよく見て、そして本当にインフルエンザと同じみたいだということになってくれば、これは私が申し上げるというよりは、しっかりとした審議をしていただいて下げていただく。経済再開ということから言えば、そういう方向性もあっていいのではないかと思っています。

 

【記者】

 先月政府がマスクの不要な場面について方針を発表したと思います。県内においては「おはなしはマスク」というキーワードで、その方針が出る前から発表していたこともあり、視聴者の方から、なかなか外す場面がメッセージとして聞こえてこないので、例えば子どもの通学のときなど、外していいのか悪いのか、どちらがいいのだろうと心配の声などがあります。改めて、県としてはどのように考えていらっしゃるかお聞かせください。

 

【知事】

 詳細については、事務的にしっかりとご説明をさせていただきます。

 感情論的に今の話は理解できるところですが、私も先般、子どもたちの下校の見守り等やらせていただきましたし、状況もよくわかります。子どもたちが集団登校、集団下校しているときに、全くしゃべらないという環境をつくれるかはともかく、できるだけ静かに登下校するということを徹底できれば、外すことは可能だと思います。それに対して、集団登下校が大事だということであれば、マスクの材質もあると思います。外ですし、それほど厳密に、全く飛沫を浴びてはいけないという状況ではなくなると思いますので、そういったことも含めて少し考えないといけない部分があると思います。

 「おはなしはマスク」は、今ご指摘もいただきましたので、十分に県民のみなさんには、再度ご説明をさせていただきますが、まさに話をするとき、飛沫を飛ばすときにマスクをしましょうということですから、周りに人がいない、会話をする予定がないようなときは外していただくことは十分に可能です。この趣旨をご理解いただければ、行動の幅というのは広がってくると思います。飲食のとき、人と食事するときは私も常にやっていますが、気にならないです。しゃべるというタイミングを自分でとらえながらやっていくということです。

 周知のところは、夏の暑い時期になってきますので、そこのところは十分に考えていきたいと思います。

 

【記者】

 飲み薬ラゲブリオなどの経済的な負担、医療側の負担が軽減されれば、知事としても出口に近づいてきているという認識でしょうか。

 

【知事】

 今一生懸命PRさせていただいていますが、やはり医療提供体制が重要だと思います。福井県の場合は、みなさま方に4月以降よくご説明させていただいていますが、その地域の診療機関を含めて、現状で150機関がコロナの疑いのある方を受け入れていただいて、そこで陽性か陰性かの確定ができて、その上で中和抗体薬の点滴を打ったり、ラゲブリオのような飲み薬を処方できる。こうして自宅経過観察に移っても毎日電話をかけて、体調はどうですかという確認をしていくと、死亡率などは全国平均の8分の1で、実数も含めて全国一少ない。そして重症化率も全国平均の3分の1という状況ができてくるわけです。

 医療提供体制ということも、みなさんがすぐにお医者さんに行って、安心して自宅で経過観察ができるという体制をとりながらやっていく必要があると思います。私たちがこういうふうに思うだけではなく、発信もさせていただいて効果も出ていると思います。全国平均を大きく下回っています。こういうことを全国でやっていただくことを、さらに医療科学審議会などいろいろなところで検討いただいて、決めていっていただければよろしいと思っています。

 

【記者】

 県都にぎわい創生協議会でグランドデザインの骨子が示されたと思いますが、それについての知事の受け止めをお聞かせください。また、アリーナの整備構想、中間報告がされたと思います。現時点でまだ整備費や収支が具体的に示されていないのですが、実現可能性等、どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

 一昨年の7月ににぎわい創生協議会ができまして、2年経って、今回グランドデザインが出てきて、イメージしやすくなってきたので、とてもよかったなと思っています。基本的な考え方の、楽しさがあって、それで仕事がよくなってきて、暮らしがよくなっていくという循環も、とてもいいなと思います。やはり福井駅前のようなところは、まず投資がされるわけです。そうすると魅力が上がってくる、人が集まる。人が集まるとお金が落ちるので、また投資しようというふうになってくる。そういうことで楽しさが湧いてきて、そこに新しい仕事が生まれて、暮らしが豊かになる。現実に福井駅を中心として、これからマンションも含めてたくさんの居住系も建ってくる。こういう話を聞いていますと、その核になるグランドデザインが描かれつつあるなということで、私も大変歓迎をしています。

 その中で今、中心市街地のにぎわいづくりのために再開発が進んでいますし、リニューアルなども、県も市も補助金を出しながら進めていく。こういうようなこととあわせて、アリーナも非常に大きな核になると考えています。

 これは民間のみなさん、この円安で、建設資材も燃料も人件費もだんだん上がってくるというようなことを含めて、今の時期は少し慎重にならざるを得ないというところが、一つの影響があるのかなと思っています。しかし、野坂座長は、令和8年春の開業に向けては全力を尽くすというような趣旨のことを仰ってましたので、これはぜひとも形にできるように、また逆に言うと、少し物が上がってきているから、そうすると全体が回らなくなるから全部やめてしまうということになるのはとても惜しい、残念なことですので、こういうときこそ、いつもちょい足し応援と申し上げますが、そういう隘路になっているところを行政側も十分に相談をしながら、どんなご協力の仕方ができるのか、もちろんその効果を見てということですが、応援の方法も考えながら、福井市とともにやらせていただこうと考えています。

 そういう意味では、中身が一番重要だと思っていますが、バスケットボールはBリーグに参戦するため、今年申請して、来年のシーズンからは参入して数年以内にB1を目指すと、確実にそうしていくんだという意気込みでやっていただいているチームがありますし、ほかにもプロ化を目指す球技も出てきています。中身は結構あるのではないかと思っていますので、ここは民間だけに任せないで、補助金を出そうという趣旨ではなく、みんなで役割分担をしながら、ぜひ民間主導でやっていただけるような形になるといいなと思っています。

 

【記者】

 今、資材高騰や人件費高騰などで建設費などが去年の構想段階のときより若干上がっているという認識ですが、応援という部分で、県として先ほど補助金というようなお言葉も出てきましたが、そういうものを投入されるおつもりはございますか。

 

【知事】

 これは主体の方々がどのように絵を描かれて進めていかれるかというところがあると思います。例えば八戸の方式ですと、物にお金を出すのか、例えば、1年間を通して運営する上で、黒字になる日もあれば閑古鳥が鳴く日もある。しかし逆に言うと、素晴らしい場所ができ上がるわけですので、県民や市民の健康づくりに使ってもらえるような場所としてお借りする。そういうことで運営費の方にお金が回っていくということになって、事業としては前に進めやすい環境ができるなど、いろいろな方法がありますので、そこはどういうことをお考えになられるか、もしくはどこが隘路になっているかをお互いに話をしながら考えていくことだと思っています。今こう決めているということではございませんし、また福井市と十分相談しながらと思っています。

 

【記者】

 先日産総研の北陸拠点について会合があったと思いますが、ここで人員体制は10人程度でスタートされるという話がありました。知事は以前の定例会見で他と同じような30人程度の規模を要望されたと思いますが、この点についてどのように対応されていくお考えでしょうか。

 

【知事】

 もともとスタートが令和3年度の補正予算ということですので、予算的にも限られているという部分と、もう一つは、補正予算の縛りで、翌年一旦繰り越して、次のもう1年は繰り越せないので、基本的には翌年度に作り上げないといけないということがありますので、そういったことも含めて、今回の規模になっていると理解しています。細田経済産業副大臣にお願いをしたときにも、小さく産んで大きく育てるという考え方も言っていただきました。

 これまでの例から言うと、福井県での大きさは建物的にも人数的にも他の3分の1ぐらいという感じですので、まずは実績を積み上げながら、我々としては、規模や研究の内容、広がりや深さといったものも含めて、さらに拡充していただけるようお願いをしていきたいと思っています。

 いずれにしても、日本海側では初めての施設ですので、十分に活用させていただいて、デジタルは今ものづくりの基本ですので、大変良いテーマを選んでいただいたと思います。オープンイノベーション推進機構で大学や経済界など、いろいろな人たちも期待しています。こういう方々とよく相談しながら、十分に活用させていただけるように国とも相談していきたいと思っています。

 

【記者】

 5月31日に、札幌地裁が泊原子力発電所の運転差止めを命じる判決を出しましたが、これを受けてのコメントを伺います。

 

【知事】

 司法の関係なので、それぞれのいろいろな事情もあるため、私からコメントを申し上げることはありません。

 少なくとも福井県においては、安全最優先で、しっかりと県民益が最大化するように、今後とも気を引き締めながら、事業者に対して物申していきます。国に対しても言うべきことは言っていきます。こういう体制はしっかり維持していきたいと思います。

 

【記者】

 参院選の公示がおそらく6月22日となっていますが、知事としては山崎議員を支援する立場だと把握しているのですが、信頼している部分、なぜ支援されるのかというところを教えてください。

 

【知事】

 これは私個人の信条の部分になります。

 いろいろな選挙で立候補される予定の方が多くいらっしゃるということはいいことだと思います。その中でも、一つは実績がありまして、安心感がある。いつお願いに伺っても、県内の事情を十分に心得ていただいていて、すぐに対応していただけて、結果も出る。これは本当にありがたい方だと思います。また、何といっても、郷土愛、福井県に対する思いはとても強いと感じています。どこの地域に伺っても、山崎正昭先生に対するみなさんの思いはとても強いと、常にとてもにこやかに県民のみなさんと接していらっしゃると、みなさんよくそういうことを言っていただいていますので、そういう意味でもよろしいのではないかと思います。

 また、一番の即戦力という感じもします。今はとても危機的な状況にあると思います。例えば国防の話でもそうですし、農業のこともそうですし、円安、原油高、安全保障の部分が非常に大きいと思います。今はとにかく一致できるということ、もしくは果敢に物事を進められるということが大切だと思います。そういう意味でも、与党の中でもしっかりとした地位を占めてやっていただける。さらに、決めたらしっかり前に進めていただくということは、以前、例えば新幹線で金沢まで着工の認可が出たときに、福井駅だけ飛んで、福井駅部の着工の認可が出ました。あのときも拝見していましたが、本当に孤軍奮闘でやられていて、そういう正に離れ業をやられたという信念の強さ、こういう危機管理のときにはとても重要だと思っています。

 私は付き合いも深いということがありますが、客観的に見てもそういうところを感じましたので、県民のみなさんにご推薦しようかなと今後考えているところです。

 

【記者】

 青森県のむつ市長選で、宮下市長が無投票で三選を果たしました。福井県は使用済燃料の県外搬出を求めていて、関西電力は来年末までに提示すると約束しています。一方、宮下市長は中間貯蔵施設について、共同利用ありきの議論はできないとのスタンスを変えず、福井県の課題は福井県で解決を、と5月30日の会見で述べています。これについての受け止めを伺います。

 

【知事】

 まさに立地ということについて、宮下市長、むつ市、もしくは青森県もとても悩まれているのだろうと思います。これは以前から申し上げていますが、決して福井県とむつ市、もしくは青森県との関係の問題では全くありません。

 核燃料サイクルというものの考え方があって、私たちは発電という立地で、中間貯蔵という立地もあれば、再処理という立地もあれば、最後決まっていませんが、最終処分どうするかなど、いろいろな立地がある。こういったところが、その自治体任せ、もしくは事業者任せになっているところが、不安を大きくしているのだろうと思います。

 だから私は以前から国に対して、核燃料サイクルというものは、もしくは我々立地ということで、しっかりと耐え忍んでがんばっているのは、国の核燃料サイクルや原子力政策があり、それにある意味賛同して、安全最優先でやっていただけるということなので、それで何とか耐えています。志を持って耐えているという状況にあります。

 それを国が前面に立って解決していくということでなければ、これは地方自治の問題でもなければ、事業者個々の、もちろん事業者の課題は大きいですが、事業者だけの課題ではないということで、引き続き国に対して、こういうことがないように、核燃料サイクルを早く実現できるように、安心感を与えていただけるように、求めていきたいと思っています。

 

【記者】

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、国への最重点要望についても原子力施設への武力攻撃に対する万全の措置などをあげています。以前から福井県は嶺南地域への自衛隊配備という要望もしていますが、改めて原発防護についての知事の考えを伺います。

 

【知事】

 私もザポリージャの原子力発電所が占拠されるというときに、すかさず岸防衛大臣のところに伺って、ほかにも内閣官房やいろいろな所に伺わせていただき、安全性の確保、防御について求めました。

 特に岸防衛大臣に対して、まず防御態勢、例えばイージス艦やPAC3、こういうことで迎撃できる体制を整えていただく、また、基地を置いて近くですぐに駆け付けられるような状況になる、さらに言えばここの所に部隊を配備していく、こういったことの必要性について強く求めました。

 また、今の国の体制は、有事と有事でない状況、通常の今のような状況は規制委員会が中心になって規制をかけて、認可を通して事業者がその範囲内で物事を動かしていくということですが、新しく武力攻撃事態等になったときには、今度は事態対処法や国民保護法に移り変わるわけです。その時に、一部規制委員会のほうは、私たちは通常運転のところの規制をやっているという話が出てくるわけです。

 現実的にはリニアに法律的にはつながっています。立場が変わって、ものが進んでいくということになるはずですが、そういうことがないように、まず法律的な手当てが必要か、例えば今与党内で議論されていることで言えば、警護出動ということが必要ではないかということも議論されています。こういうことをまずしっかりと検証し、議論をして、体制を整えていただいて、その上で安全性についての説明をしていただいたり、また訓練などにも活かしていく。そういうことで二重三重に体制を作り、準備をして、訓練もして、安心感を高めていくということが必要だと思います。これはすでに申し上げているところもありますが、引き続き国に対して強く求めていきたいと思います。

 

【記者】

 第4回共創会議において、約40項目におよぶ取組み案が大筋でまとまりました。改めて所感と、確実な取組みの実現に向けて今後、国や会議に求めることがあればお聞かせください。

 

【知事】

 先般の共創会議では、立地地域の将来像の実現に向けた基本方針と取組みの案が示されて、近く決められるのだろうと思います。前回の時からかなり具体性も出てきて、規模感もでてきたかなと思っています。

 これまでのところすでに、例えば高速炉の研究開発の中核的拠点化に向けて、さらに調査や構想を策定する、原子力リサイクルビジネスの国のリーディングプロジェクト化や大規模な水素の製造実証プラント、こういったものを整備するといったことを前回明らかにしてもらいました。

 今回の会議ではさらにプラスして、水素としては、発電にも使っていくプラントを作っていく、大阪・関西万博に水素を届ける、小水力の発電を含めて再生可能エネルギーにも着手していくといった具体的なものがさらに充実されて、しかも規模感についても、現在の状況を維持だけではなくて、発展させていくことも示されました。

 また、こちらから申し上げていたのは、今ある推進体制のメンバーだけで物事を進めるのではなく、新しいプレーヤーが中に入り込んできます。こういう人たちを巻き込みながら、いろいろ要請を聞いたりもしつつ、その人たちが回していくということが大事ではないかと申し上げたところ、新しくプロジェクトチームを作る、民間の事業者、プレーヤーとしてやられている方のヒアリングをする、タスクフォースを作る、市町は専門家が助言できる体制を整えることなどを言ってもらいました。

 かなり立地地域が求めてきたことは盛り込まれてきたと思います。これからはこれをきっちりやっていってもらわなければならない。その一つが予算であり、既存の枠の中だけでやるのではなく、新しい予算を組みながら進めていただきたい。

 来年度以降も新しい課題が次々と出てくるので、それを踏まえて新しい課題にも対応できるように計画を充実させていくようなことも前回求めました。大きくは了解を得たので、期待をしているし、これからも引き続き、この会議はこれを評価する会議に変わっていきますが、運営していく中で我々としては意見を申し上げていきたいと思います。

 

【記者】

 原発防護に関し、基地や部隊を近くに配備すると逆にミサイルの標的になるのではないかという地元の声がありますが、認識を伺います。

 

【知事】

 国防の問題なので、国としてどう考えるかをしっかりと議論していただく必要があります。その上で具体的な場所について、よくこちらも話をさせていただくことかと思います。

 今はまだ防御するという体制、どのような形の防御が良いのか、こういったことを国で十分議論していただくことが良いと思います。その上で、必要があれば我々として、場所があるのかないのか、もしくは県民のみなさんの話を聞きながら定めていくということになると思います。

 

【記者】

 共創会議では概ね県の要請がくみ取られたとの認識との話がありましたが、間もなく美浜3号機の再稼働から1年となり、関西電力の社長が変わって1年半で中間貯蔵の期限が来てしまいます。この1年、今後に向けての課題などを伺います。

 

【知事】

 関西電力は来年中に計画地点を確定すると言っていますし、国は主体の一人として、前面に立って解決していくと言っています。そういったところで我々としても時々確認をしながら進めさせていただくし、両者がしっかりと約束を守っていただくということだろうと思っています。

 

【記者】

 以前から県として自衛隊の配備を要望している一方で、地元にはすでに警察の組織として原発警備隊があります。これの役割のすみわけについてお聞きします。それぞれ出動が想定される状況が全く違うということでしょうか。

 

【知事】

 全く違うかどうかはともかく、当然真ん中に重なる部分は出てくると思います。私は細かい部分までは分かりませんが、軽火器などの一定程度のテロリストが襲ってくるというものを守るのが警察だろうし、ミサイル攻撃を含めて、いろいろな形、そういった武力攻撃事態もしくはそれに準ずる状況になったときに守るのが自衛隊の警護だろうと思います。

 だから、そこのところを少し前に進めないとロシアや中国、北朝鮮の状況を踏まえた形に見直す必要があると申し上げています。

 

【記者】

 コロナ対策の地方創生臨時交付金について、県の婚活支援事業の感染症対応との関連性が薄いのではないかという、先日国会での指摘がありましたが、今回の使い方については適切だったかという知事のお考えと、事業の意義や効果についてお聞かせください。

 

【知事】

 これは正直少し驚いたというのが実態です。コロナ対策を打つときは、各事業者さんといろいろ話し合いを、私ももちろんさせていただきますが、職員もいろいろなチャンネルでさせていただいていました。

 ハッピーマリッジ応援事業について言えば、飲食や宿泊などの周辺業種についてはいろいろ手当をしていく中で、それ以外のところに漏れはないのかということを一生懸命考えたわけです。聞いていると、結婚が非常に抑えられていて、少なくなっている。そうするとウェディング、ブライダル事業者が困っている。それだけではなくて、引き出物の事業者さんが困っている。さらに、イベントが全然できないのでイベント関係の事業者もとても困っている。花火を打ち上げる人たちも仕事が全くなくなってしまったというようなことがいろいろ出てくるわけです。その中の一つの括りの中でハッピーマリッジ応援事業を組むと、それらが一斉にうまく進んでいく。なおかつ、今は少子高齢化の中で結婚そのものが減っていて、子育てもなかなか進んでいないということもありましたので、これはこのような組み方をするといいということで事業化させていただきました。

 また、カタログを出させていただきました。5万円の現金を払ってもいいのですが、現金をあげてしまうと、結婚はしてくれるかもしれないけれど5万円がどこにいくかがわかりにくいということがあって、いろいろな周辺の事業者さんとカタログを作って、県内にお金が落ちるような形でやらせていただきました。

 結果として、ブライダルも、カタログに引き出物などを出した事業者さんも、件数がその後良くなったという話もあります。予約が入ってきたという話や、カタログの中の美容の関係など、日頃なかなかやってくれないような若い人も、これを使って新しく顧客になりましたという声も聞いています。また、若い方、それをもらった人たちも、これで記念品が買えましたということでとても喜んでいただいて、その年は3000組ほど結婚したのですが、1154組のみなさんにご利用いただいてとても好評だったと思います。花火も、一斉にやるとみなさん集まってしまうので、限定的な抽選にしましたので、みんなすごく楽しみにしてされていて、これもとても評判がよかったと思います。

 結果としても、例えば令和2年の婚姻数も、全国的には12.3%減りましたが、県は8.8%減です。また、この翌年、結婚した翌年に第一子が生まれることが非常に多い、これは統計的に明らかなのですが、令和3年の合計特殊出生率は、全国では1.33が1.30に減ったのですが、福井県は1.56が1.57に上がって全国順位も8位が7位に上がる。これに効果がどこまであったかはともかくとして、みなさんからお話を聞いている限り、福井県においては、ブライダルの方は他県の状況と比べれば少しは良かったのではないかと思っています。

 このような創意工夫が地方創生臨時交付金の趣旨だと思います。職員とも議論しながらつくった事業でしたので、少し意外というか、びっくりしたというか、とてもえっと思うような言葉を使われていたので、そういうところを見るとそうかなと思います。決して相手のことを言っているのではなくて、趣旨がちゃんと届いてなかったところは、反省というか、こういう形でご説明もさせていただけたと思っています。

 

【記者】

 今回の婚活支援にかかわらず、この2年ぐらい交付金を活用して様々な事業やっていらっしゃると思いますが、問題視されるようなものはないという認識でしょうか。

 

【知事】

 地方創生臨時交付金の趣旨は、細かい冊子もいただいて、例えばこのようなことに使えますよと、例示でしかないですが、しっかりとそういうものを参照しながらやらせていただいています。感染拡大の防止、雇用の維持や事業の継続といった、今の話は大体事業の継続に当たっていると思いますが、あとは経済の再開や新しい経済の展開などが地方創生臨時交付金の趣旨ですが、これにいずれも当たるように、もちろん議会にも説明をしていますし、国に対して申請するときも了解をいただいてやっています。

 例えば令和2年の分で言えば、国の会計検査も、書面の審査があったものもありましたが、これらもすべて今は指摘を受けていませんので、我々としてはしっかりと事前の段階でも検討しましたし、現状においてもそういうことだろうと思っています。

 

【記者】

 先日、知事の大規模な政治資金パーティーが開かれましたが、会場に出席された来賓の方からも、県政の継続、知事の続投を求める声が多々聞かれました。改めて再選、2期目に向けた現時点でのお考えをお聞かせください。

 

【知事】

 日曜日に私の応援してくださるみなさんが、私と福井の新時代をともに語る会というものを開いていただきまして、私も招かれましたので、そこで応援団のみなさんにいろいろとお話もさせていただきました。

 状況的には私も拝見していても、整然と落ち着いた雰囲気の中でやっていただけたなということで喜んでいますし、また応援弁士のみなさんもそうでしたが、終わった後のみなさんの反応も、これからの福井県がどういう方向に進んでいくのか、もしくは今どういう状況にあるのかといったことについて話を聞くことができて、とてもよかったということを言っていただけたので、私自身も励みになったというところです。

 引き続きこれから来年の4月まで任期がありますので、しっかりと、今回のことで、反省することはそれほどはないですが、そういうこともみなさんの声なども少し伺いましたので、そういうことも含めて、一日一日、これまでどおり頑張っていきたいと思っています。

 

                                                   ―― 了 ――

 

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