知事記者会見の概要(令和4年7月20日(水))

最終更新日 2022年8月10日ページID 050363

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令和4年7月20日(水曜日)
10:30~11:30
県庁 大会議室

 

知事写真220720

 

【知事】

〔配布資料:新型コロナウイルス感染症について

 それでは私から最初にコロナについてです。

 本日も新型コロナについては新規感染者数が638人ということで過去最高になる見込みです。人数も急激に増えて今、1週間の合計感染者数も3500人を超えてきているという状況です。入院の数についてはまだ明らかになっていませんので、この後、午後に担当からお話を聞いていただければと思っています。

 そういう中で、昨日の臨時会見で申し上げたとおりです。まずは、とにかく「おはなしはマスク」。会話時のマスク着用、これが最も重要だと考えています。お子さんに対しては大人の方から声がけをしていただく。ちょうど明日から夏休みになりますので、こういった点については学校でも子どもたちに声掛けしていただくようにしています。

 また、冷房中の換気の徹底。急に暑くなったときに感染者が増えてまいりました。現状も暑い日が続いていますので、冷房を使っていただきながら定期的に換気をお願いしたい。

 そして、ワクチン接種は、やはり効果がある。少なくとも重症化を止める効果が大きいということで、これから拡大していきますので、ぜひともご利用いただきたいと思っています。

 その上で、旅行、帰省の前にはワクチン接種、そして無料の検査所で陰性の確認をしていただく。帰省中は「おはなしはマスク」を徹底していただく。親しき仲こそマスクありということ。そして手指消毒や、具合が悪ければ医療機関を使っていただく。帰って来たら具合が悪いときは出ない。無料検査所で検査をしていただく。そして、やはり一定程度の期間は、感染すると重症化するリスクのある方にあまり近づかないということも必要だろうということですので、ぜひともこの点についてのご注意をいただきたいと思います。

 これは一言ご報告でございます。

 

〔配布資料:一乗谷朝倉氏遺跡博物館の開館について

 2点目、今日はここがメインとなります。一乗谷朝倉氏遺跡博物館については、今までは10月頃開館の予定ということを申し上げていましたが、開館の準備を急ぎまして、10月1日に開館できることになりました。10月1日土曜日10時から記念式典を開かせていただき、13時から一般開放させていただくということになりました。

 ここをぜひ見ていただきたいという目玉のところについては、一乗谷朝倉氏遺跡の5代当主朝倉義景が暮らしていたという朝倉館(あさくらやかた)を再現しています。先日、春風亭昇太師匠と、私もここへ行きましたが、とても雰囲気のいい素晴らしい場所だと思います。のちに15代将軍となる足利義昭公とも、多分ここで面談されていたのだろうという雰囲気がございます。

 大きいところでは「一乗の入江」。足羽川から水運で上がって来る、そこの遺構が見つかりました。この遺構を石敷遺構として露出して展示をしている。屋根がしっかりとかけてありまして、これが建物を建てるときに発掘調査で見つかりましたので、設計を変更いたしまして、少しお金をかけましたが、ここが直接見られるようになっているという、素晴らしいところがございます。

 そして、30分の1のスケールで再現した大きなジオラマも見どころだと思います。実は、資料にも書いていますが、平面復原の地区がありまして、ここは大体礎石が置いてあって、こんなものが建っていたのだろうという想像はできます。しかし、今の法律で、なかなか明確にこれが建っていたというようなものがわからない限りは、上にものが建てられないというようなことがあって、実際の復元ができにくい場所になっています。そこを、概ね歴史的にはこの時期にこういうものがあったのだろうというものを、礎石など出てきたものから想定しまして、ここに復元しています。見ていただくと、人間も30分の1になっているものですから、5センチぐらいで、当時の生業や風習などもよくわかるようになっていますので、これをぜひ見ていただくと楽しいかなと思っています。

 もう一つは、いわゆる博物館としての機能のほかに、大切なものとして、遺跡全体のゲートウェイ施設としての役割があるということです。例えば1階に入っていただきますと、左手のところにガイダンス機能、ガイダンスゾーンがありまして、遺跡全体についての映像が流れたりと、ここのところで一乗谷朝倉氏遺跡を紹介しています。

 特に、ここで地図が見られるのですが、先日、春風亭昇太師匠と行ったとき、赤色立体図もここに出てきてとても感動します。今は山城など、山は上から見ても木がいっぱい生えていますので、全然実態がわかりません。しかし、赤色立体図で見ると、ここに縦型の畝型の空堀がいっぱい見えてきます。これが朝倉の一つの城作りの要なのだそうです。そういうものも赤色立体図で、ここで見える。これを見てからこの上の山城の方に行っていただくと、「ああ、こういうことか」ということもおわかりいただけるのかなと思っています。

 また、博物館に集まっていただいて、ガイド付きのツアーバスの運行もさせていただきます。当時の騎馬武者の姿をデザインしたバスや唐門をデザインしたバスに乗って、ガイドさんにツアーをしていただくこともできることになっています。

 また、この博物館のすぐ近くに一乗谷駅がございます。JR越美北線の一乗谷駅に、10月から戦国列車も走らせていただいて、車両にラッピングをしたり、駅舎もすごく昔風に直していますし、ARのガイドのアプリなども出させていただくので、乗ると戦国気分が味わえて、博物館で少し勉強した後、ガイドツアーに行くと、時間もたっぷりと使っていただけるかなと考えています。

 そして、博物館を紹介するポスターを作りました。「お屋形さま!新しき館にござりまする!」という、少し時代背景がわかるようなもの、「OPENで候。」などです。また、「朝倉氏 新たな歴史をここに灯す。」ということで、県内のデザイナーにもご活躍いただきながら、作らせていただきました。

 この開館を記念いたしまして、まず、8月13日ハピリンホールにおいて、限定100名様ということで、「朝倉氏新たな歴史の幕開け」というプレイベントをさせていただきます。ちょうど開館50日前に開かせていただきます。中身的には、今回編成されました「朝倉おもてなし楽舞隊」の演奏を聞けますし、博物館の愛称も発表させていただきます。みなさんから応募していただいたものです。また、名誉お屋形さまの春風亭昇太師匠による博物館の紹介映像もここで見ることができます。また、ロクモンジャーという歴史好きのお笑い芸人のトークショーも予定されています。7月31日までが申し込み期限ですので、ぜひ奮ってご応募いただいて、抽選になるかもしれませんが、ご参加いただければと思っています。

 そのほか、開館最初には特別展としまして、「発掘調査の歩み」を開催します。50年以上にわたって今ここは発掘調査が行われていて、当初から日本のポンペイと言われて、朝倉氏が滅ぼされてからずっと田んぼになっていましたので、下からまだまだこれからいっぱい出てくる。今出土するもの一つひとつが、この入江の遺構もそうですが、新しい歴史を刻んでいくようなものがまだ出ている。そういう発掘調査の歩みをやらせていただきます。また、当時は東山文化、これは京都が非常に荒れている時期でしたので、東山文化と、それを朝倉文化が非常に継承しているということを、来年の3月から開館記念特別展で開催する予定です。

 私からの発表は以上でございます。

 

~質疑~

【記者】

 今回、一乗谷朝倉氏遺跡博物館のいろいろな見どころがあると思いますが、知事としては、歴史好きの人などいろいろなターゲット層がいる中で、どういう人に来てもらいたいのでしょうか。

 

【知事】

 歴史好きな方は何もしなくても、先日も春風亭昇太師匠とお話して彼の嗜好を見ていても、ぜひ来たくなると思います。歴史好き、もしくはお城好きの方はここに来ていただいて、さらに一乗谷や朝倉氏、福井を好きになっていただくといいなと思います。

 その上で、元々歴史はあまり詳しくない方にお越しになっていただいても、実際の当時の遺構や朝倉館などがあったり、ジオラマを見ていただくとわかる、触ってはいけませんが、スマホで近写すると生きているような感じがするほど精巧に再現されています。復原町並もありますし、週末には寸劇があって当時の風情もわかるようになっていたりしますので、新しく歴史好きになることについてもとても意味のあるところだと思います。

 また、中世の遺構がそのまま土の下に眠っていて、まだ9割は発掘途上というような状況になっていますので、そういうロマンを子どもたちに感じてもらって、子どもがそういう歴史考古学者に育つ場にもなるのかなと期待しているところです。

 

【記者】

 開館の記念特別展はありましたが、開館にあわせて何か特別にイベントはあるのでしょうか。

 

【文化課 三武課長】

 10月1日は開館記念式典を開催いたしまして、まずはこの10月1日からオープンする特別企画展、これをご観覧いただきたいと考えております。

 一般の方は13時からとなっておりますので、ぜひこれをまず見ていただいて、その後、週末には能の観覧や雅楽の鑑賞といった中世を思わせるようなイベントを用意してみなさんをお迎えしたいと考えております。

 

【知事】

 あと、これは少し前になりますが、7月31日と8月7日には、先日収録されました笑点もこの朝倉氏をバックにした感じでやられますので見ていただくと楽しいかなと思っております。

 

【記者】

 ポスターはどのように活用されていくのでしょうか。

 

【知事】

 まずは、北陸新幹線の開業のいろいろなPRもしていきますので、そういうようなときには持っていく。また、首都圏、京阪神も含めて主な駅などに、観光という意味でもポスターを貼らせていただいたり、県が実施するようなイベントのときには持っていって機運の醸成をする。こういうことで活用していきたいと思っています。

 結構キャッチーといいますか、何かなと思わせるような感じにはなっていると思いますので、ぜひ目にとめていただければなと考えております。

 

【記者】

 新しい博物館について、年間入館者数の目標を設定されているといったことはありますでしょうか。

 

【文化課 三武課長】

 まずは20万人を目指していきたいと考えております。

 資料館は年間で8万8千人をお迎えしてまいりました。これをその倍以上、20万人を目指して、いろいろなことでみなさまをお迎えしたいと思っております。

 

【記者】

 昨日のコロナ臨時会見で、アオッサに無料の検査所を設置されるという発表があったかと思いますが、県内の薬局やドラッグストアなどでもやっていると思います。

 そういうところで検査を受けようかなと思った方が、検査キットがなくて検査できなかったという話が少しあります。そういう中で新たな場所を設置するという発表がありましたが、検査キットの確保の目途、受け入れ体制はどのように今設定されているのか教えてください。

 

【知事】

 これはご案内のとおり、ここへ来て急に感染者数が広がっているということで、利用される方の数も非常に増えているというようなことでございまして、そういう意味で一時的に滞ってきていたというところがいくつかのところで見られたということは聞いています。

 そういうことが今後ないように、できるだけ多くの検査キットの数を集めてということで今、準備をさせていただいています。一時的に今後、滞ることがあるかもしれませんが、全体としては何とかこなしていければと考えています。

 

【記者】

 県内のドラッグストアや薬局での検査の無料の期間を延長されるようなことも可能性としてあるのでしょうか。

 

【知事】

 今、無料検査の期間は8月7日までですが、これは急にやめるということはいたしませんので、やはり状況が落ち着いてこないとやめることは難しいと考えています。

 

【記者】

 参議院議員選挙について、知事も支援されていた山崎正昭さんが6選を果たされました。山崎さんについては、選挙期間中も高齢や多選批判の声もあったかと思いますが、改めて選挙結果の受け止めと、山崎さんに期待することについてお聞かせください。

 

【知事】

 選挙ですので、いろいろな声があることは当然のことかと思いますし、今おっしゃられたことも含めて、選択の際に県民のみなさんがお考えになられたことは、いろいろあったのだろうと思っています。

 しかし、結果としては、山崎正昭さんもご自身で言われていましたが、エネルギーや食料、国防、安全保障など、また、人づくりや教育といったところを重点的に、さらに経験を生かしてやっていくといったことが、非常に県民のみなさんに支持されたと私も考えています。また「愛郷無限」ということで、ふるさとが栄えていなかったら国も栄えないというお考えも、ずっと50年間訴えておられると思います。そういった点も、県民に支持されたのだろうと思っています。

 現状においては、物価高やコロナ禍、またウクライナ情勢など、さらに県内で言えば、北陸新幹線、中部縦貫自動車道といった、大きな、今すぐ解決していかなければいけない課題が山積みしているわけですので、そういう意味でも、本当の意味の即戦力、すぐに実力が発揮できるということにみなさんの票が集まったのだろうと思いますし、そこを私としても期待して、これからも県政運営にぜひとも一緒に連携してやらせていただければと考えています。

 

【記者】

 投票率について、県内の投票率は55.32%と前回よりは上昇していますが、それでも過去4番目の低さとなっています。その結果の受け止めと今後の対応策があればお聞かせください。

 

【知事】

 投票率については、その都度いろいろな争点や国民の関心度に左右されるところは大きいと思います。その中で、福井県の投票率は全国平均を3ポイント上回って、全国の都道府県の中でも9番目ですので、県民のみなさんの関心は非常に高かったのだろうと思っています。

 一方で、今ご指摘もいただきましたが、ずっと過去から見れば4番目に低いということも事実だと思います。できるだけ県民のみなさんに関心を持っていただいて、投票していただくということも大切だと思いますし、いろいろ機会も増えていますので、期日前投票も生かしていただけるように、PRだけではなくて、期日前投票の場所も増やしていく、もしくは、みなさんが集まりやすい場所にそういったものを設けていくなど、選挙に行きやすい環境を作っていくことも大切だと思います。

 また、若い方の投票率のことをよく言われます。今回の参議院選挙の中で、大学生ぐらい、22歳までぐらいの若い方を、選挙立会人として、各市町で工夫して依頼するということもされていました。そういう選挙を、私事、自分ごととして感じていただけるような環境を作っていくことも大切だと思っていますので、これからも工夫しながら、無関心にならないように、大切な国民の権利ですので、行使していただけるような環境づくりに努めていきたいと思っています。

 

【記者】

 高浜町出身の参政党の神谷さんが初当選されましたが、今後、神谷さんに期待することや、連携することがあればお聞かせください。

 

【知事】

 お子さんの頃に高浜にいらっしゃって、また若狭東高校でも講師として教鞭を取られたこともあると伺っています。福井県選出の国会議員の先生が減ってきている中で、お一人でも国政に声を届けていただけるということはとてもありがたいと考えています。

 ご本人も、福井県民の方々に恩返しをしたいという主旨のことも言われていたと聞いていますので、これからの活動に、福井県のいろいろな課題を国政に伝えていただくという意味では、期待しています。

 連携については、参政党は新しく2年前に結党をしたそうですが、比較的新しい政党ですので、また中身などもいろいろと勉強しながら、お願いしていくこともあるかなと思っています。

 

【記者】

 安倍元首相が亡くなられました。死去後、知事コメントも発表されていますが、拉致問題などに取り組んでこられた首相で、拉致問題も含めて今後の福井県政に与える影響などをお聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

 安倍元首相は、例えば、拉致問題もそうですし、東日本大震災後の復興もありましたし、また新型コロナ対策も、当初のところを一生懸命対応していただきました。また我々の直接の関係で言えば、地方創生といった言葉も生み出して、積極的に前に進めていただきました。個別に福井県の内容で言っても、北陸新幹線の小浜・京都ルートを決めていただき、また中部縦貫自動車道などもここまで急ピッチで進めていただいた。その素地を作っていただいたのも安倍元首相ということで、大変お世話になったと思っていますし、心から哀悼の意を表したいと思っています。

 大変残念な出来事だったと思っていますが、いずれにしても、政治、これはずっと県民のみなさんのために継続していくものになりますので、これからも県選出の国会議員の先生方や、私も含めて、いろいろな政治家の方々とのネットワークを持ってやっていますので、そういった方々に福井県の事情、実情をよく聞いていただくことで、何とか安倍元首相の大きな穴を埋めて、福井県政がさらに前に進められるように努力をしていきたいと考えています。

 

【記者】

 旧統一教会のことについて伺います。現代ビジネスという媒体で、旧統一教会の関連のイベントで杉本知事が祝電を送っていたという言及がありました。イベント名は「孝情文化祝福フェスティバル」、時期は2019年10月6日です。祝電送った経緯なども含めて知事のご記憶はありますでしょうか。

 

【知事】

 いろいろなイベントに私も祝電を送らせていただいて、公務の時は公務で、そうでないときは私として送らせていただいていると思います。3年前に確かにそのようなお話があって、祝電を打たせていただいていたということについては、うっすらですが覚えています。

 趣旨はそのとき世界平和や日米同盟だったか、平和を進めていくという大きな大会で、ほかの自治体の首長も含めて、趣旨に賛同しているというお話もあったので、私費で送っていると思います。公費の関係を調べたのですがなかったので、私費でやったのだと思います。

 

【記者】

 動画などもアップされていまして、大村愛知県知事の祝電の内容なども見ることができるのですが、韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏に敬意を表して会の成功を祈りますという内容で、旧統一教会の関連だと一目でわかるようなものだと思います。問題があると社会で広く認識が共有されている団体に、個人かもしれませんが、知事が祝電を送ることの影響についてはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

 いろいろな団体がいろいろなイベントをやられます。そのイベントの趣旨に賛同する場合には、いろいろと祝電などを送らせていただいたり、私がメッセージや実際に行って話したりということは、いろいろな団体であるわけです。ただ、基本的に、私が宗教団体に対して、直接その宗教性、団体の応援をするということはありません。その上で、やられている内容について賛同できるものであれば、それに対して祝意やメッセージを送るということはあるだろうと思います。

 いずれにしても、私としての政治的な活動の一環、政治的でない場合もあるかもしれませんが、個人のことも含めて、私として、そういう対応させていただいている。細かいところまで覚えていませんが、そういうことだと思います。

 

【記者】

 旧統一教会との関連で言うと、祝電を送ったり、どこかに出向いて講演をされたりなど、接触があったのはこの1回だけでしょうか。

 

【知事】

 少し覚えてないです。いろいろなところへ行っていますので、あったかもしれませんし、今思い出せるところはないです。

 

【記者】

 3年前のときはどなたかの紹介か何かで祝電を送られたということでしょうか。

 

 

【知事】

 あったと思います。あったと思いますが、誰だったかよく覚えていません。私が自分で探してきてということはないので、どなたか、議員さんや、熱烈な支援者の方などです。しかし、いずれにしても、闇雲に送りませんので、一応、趣旨は聞いたりしていると思います。趣旨に賛同したということだと思います。

 

【記者】

 この半年ぐらい前に知事選があったわけなのですが、知事選でお世話になったというような関係があったというわけでもないのでしょうか。

 

【知事】

 それもあったかもしれませんが、ものすごく大変な時期で、初めて会う方もたくさんいましたので、どういう状況だったかは今すぐ思い出せるようなことはございません。

 

【記者】

 県選出の国会議員はみなさん安倍派に所属していますが、安倍元首相がお亡くなりになられた影響についてどのように考えていますか。

 

【知事】

 安倍派がこれからどうなるのかということは、報道によれば、国葬のときまでは今の体制で、特に会長を置かないというお話もあるようです。こうした政治集団、勉強集団といったものとしては、何らかの形で残っていくでしょうし、それはそれとして、県選出の国会議員の先生方にも、いろいろな形でそういうものに参加したりして、力を発揮していただければと思います。

 今までも自民党の派閥には、いろいろな形で継承されていくというパターンがありましたが、急に亡くなられてその後、代替わりしていくということもありましたので、何らかの形でしっかりと、そういった集団で力を発揮していただけると思っています。

 

【記者】

 明日、石川県、富山県の知事と北陸三県知事懇談会を予定されていると思いますが、開催に至る経緯や懇談会の意義、また懇談会を今後も定例的に開催していく予定なのかについてお聞かせください。

 

【知事】

 もともとは、直近でいうと石川県の馳さんが知事に当選されたときに、富山県の新田さんも私も応援したという関係もあって、近しい関係である3人で、北陸としていろいろ抱えている課題、各県の課題が、各県だけではなく北陸として活動することで、よりよく解決していく。そういう可能性が広がるわけですので、何らかこれからは協力していきましょうというお話は、選挙のときからありました。今まで北陸経済連合会と3県知事で、懇談会を年に概ね1回開いているかと思いますが、その他に政治家同士もしくは個人の付き合いも深めるという趣旨で今回開かせていただくということになりました。

 これはとても意味があると思います。やはり人間関係はとても大切で、災害があったときにすぐにやりとりをして、私はほかのところにもいろいろ属しているところがありますが、すぐに情報共有しながら、こんなことができる、こういうことをしたほうがいいといったことをざっくばらんに、直接連絡が取り合える。それは携帯番号を知っていて繋がっているということだけではなくて、人間として近しくなっていると、非常に動きがよくなると思います。そういう意味でも、今回、非常に私自身も期待しているところです。

 これからどうしていくのかということについても、こういったことは、機会というか、いいタイミングがあれば続けていけばいいと思います。それを定例的にやるのかどうか、あまり形式的になる必要もないと思いますので、これからこのような形も取り入れて、親しい関係を作っていきたいと考えています。

 

【記者】

 杉本県政以前に、こういった3県知事の懇談会は開催されたのでしょうか。

 

【知事】

 どうでしょうか。少しそこは存じ上げない。ただ、北陸経済連合会と3県知事の懇談会は毎年夏ぐらいに開かれていたと思いますので、そこで3県知事が一緒になって、いろいろ同じテーマについて話し合いをするという場面はありました。隣県では、富山と石川、石川と福井というパターンはあったと思いますが、3県で会うのは、どうですかね。

 あまり気にしない、というのは、例えば中部圏のブロックの知事会議もあれば、全国知事会など、いろいろなところでお会いしますので、また北陸新幹線のいろいろな大会や活動は、いつも3県は大体出てきて一緒にやるという感じですから、こういう機会は多かったと思いますが、構えてこういうやり方をするのがあったかどうかは私は知りません。

 

【記者】

 北陸新幹線の敦賀以西の整備について、山場の一つとなる概算要求の締め切りが徐々に近づいているかと思いますが、国の議論の進捗に関する知事の現状認識と、この夏に向けての対応や取組み、要請活動などは予定されているのでしょうか。

 

【知事】

 これについては、議会でも答弁申し上げていますように、今年は勝負の年だと認識しています。来年度当初の敦賀以西の着工ということになれば、概算要求と年末の予算編成、ここが非常に大きな山場になるわけです。今年度に入り、私が直接参加するものでも4回、北陸新幹線建設促進同盟会の会長としてもそうですが、実施させていただいている。機会があれば果敢にお願い、アタックをしているということで、国交省に伺っても、非常に熱心にやっているという評価をいつもいただいていると思っています。

 そういう中で、現状からいうとまだまだ見えない、非常に難しい課題があると思っています。環境アセスメントのところは、現状においては、現地に入っていろいろな調査が徐々に進んでいると伺っていますが、遅れをどう取り戻すかということについて、髙木先生も委員長として、いろいろなお考えを巡らされているところだろうと思っています。

 こういったことを形にしていかなければいけないということで、非常に難しいところに今差しかかっているのかなと思っています。私どもとしては、こういったことをさらに、しっかりと政府全体として、また与党として受け止めていただけるように、これからも通常ないような機会に、北陸新幹線建設促進同盟会としても活動していこうということも検討していまして、概算要求前にも、こういったことも進めていければと今調整をしています。

 先日、15日に斉藤国土交通大臣にもお会いしました。このときも、前向きにしっかりと応援していきますというような趣旨の言葉もいただいています。みんなで知恵を出し合いながら、力を出し合いながら、また、関西広域連合、経済界も関西地域でイベントを近々やりたいと検討いただいています。そういう機運醸成も大分出てきていますので、そういう動きも大切にしながらこれからやっていきたいと思っています

 

【記者】

 岸田首相が先日の会見で電力需給のひっ迫対策として、冬までに原発を最大9基まで稼働させるとの方針を示しましたが、これについての知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

 今、電力の需給が大変ひっ迫している状況の中で、様々な電源を確保していこうという考えの表れの一つだと思っています。そういう意味では、老朽化したという表現も報道ではされていますが、火力発電所も起こしてきて発電しなければいけない、こういう中にあるのが日本の今の電力状況なのだろうと思っています。

 その中で、クリーンエネルギー戦略、さらには骨太の方針、こういったところで原子力発電の最大限の活用ということも謳われているのだろうと思います。その延長線で、この冬場に稼働ができる原子力発電所、最大ということなので9基が確定したわけではないと思いますが、最大9基を活用していくという考え方が示されたということだろうと思っています。

 その内の最大5基は、福井県内の発電所ということは念頭に置かれているようです。大切なことは、まずは安全第一に、稼働していくならしていくということが、目先の問題として重要。さらに、立地地域の理解を得ていくということから言えば、日頃から申し上げているように、これからの2050年に向けた原子力の姿、どういうふうに活用していくのか、どういう道筋でやっていくのか、どの程度の量を活用していくのか、こういったことを国が明確にすることが、やはり、確実に電力需給のひっ迫を救っていく道になっていくのだろうと思いますので、こういった点も、決してただ動かせるものを動かしていくという発想ではなくて、ぜひとも中心にそういう考えを置いて、我々が求めている内容についての答えも示していっていただきたいと考えています。

 

【記者】

 今後の姿を示してほしいということは、従前から知事が言っていたことだと思いますが、今回の岸田首相の最大9基の発言というのは、それが一歩前進したと受け止めているのでしょうか。

 

【知事】

 これは前進とは少し違う道筋だと思います。全国の原子力の需給関係を見ながら、あり方として原子力というものも活用していく、それは今予定されている運転状況からいくと9基最大活用していく、そういう方向性だったと認識しています。

 ただ、そうしたことを明確に挙げながら、電力の需給というものを、この夏・冬に限らず、エネルギーの安全保障等から考えていくと、原子力というものをなしには考えられない状況にあるということも言葉の外には含んでいると認識していますので、さらに先ほど申し上げたことを付け加えて明らかにしていくことも大切なことだろうと思っています。

 

【記者】

 県内の原発も7月後半にかけて動き出しますが、県内の状況としてはどう見ていますか。

 

 

【知事】

 いつも申し上げていますように、関西電力についても、安全最優先ということで、安全なものを稼働していっていただきたいと思っていますし、そうしていただいていると認識しています。

 一部、蒸気発生器のところで不具合があると定期検査の中で出てきたところについては、規制委員会とやり取りしながら、慎重に対策を取って進めているものと認識していますので、これからも安全最優先にしながら、慎重に稼働、運転をしていただきたいと思っています。

 

【記者】

 地方鉄道に関する有識者会議が輸送密度千人未満のところで見直し協議に入るという提言案をまとめたというような一部報道があります。県内では小浜線、越美北線は千人未満に該当するのかなと思いますが、提言案の方向性に関する知事の受け止め、国や事業者に求めていくことはどのようなことでしょうか。

 

【知事】

 詳細について私、中身を把握しておりませんので、報道にあったことや、これまでの地域モビリティの刷新に関する検討会での議論を踏まえますと、国が主体的に主導して、地域鉄道もしくは地域モビリティといったものの存続について、もっと中心になってやっていくべきだということを我々申し上げてきましたので、もし今日の報道等にあるような内容であれば、少しは前進をしてきているのかなと思います。

 しかし、今おっしゃっていただいたような千人未満、ほかにもいろいろな要件があるような感じもしましたので、これは具体的に何を指しているのか、また国の支援というものはどんなものがあるのか、こういったところはとても大切だと思っています。

 我々が常に言ってきたことは、鉄道というものについて、これまでは需給の中で決まっていく、もしくはJRのローカル線については、国鉄改革のときに、儲かっている路線で赤字を埋めていくというような大きな枠組みでやってきたのですが、それが35年経って高齢化が進んで人口が減っていく。そうすると乗る人が減った上に、鉄道に乗らざるを得ない人が増えてくる。こういうような状況になっているわけですから、公共性は非常に高まっていると思います。

 そういう意味では、我々自治体もそうですが、国においてこそ、JRも含めて、地域鉄道をどう守るかということについては、これから検討会の報告書が出て、年末に向けて予算措置、また法制化、こういった議論をされると思いますので、これが出たところでしっかりと内容は把握させていただいて、また国に対して求めるべきを求めていきたいと考えています。

 これについても、先日、斉藤国土交通大臣に申し上げて、前向きにしっかり取り組んでいくということを言っていただいたというところでございます。

 

【記者】

 報道ベースですが、報告書の案の中では、この千人未満の路線に対して地元の沿線自治体、あとは国や事業者と協議会を作っていく趣旨のことも盛り込まれているようです。年末の状況などを踏まえた上で、知事としてはやはりこの越美北線と小浜線に関して、協議会を作ることについては、賛成といいますか、そういった協議をすることは前向きな形の姿勢ということでよろしいでしょうか。

 

【知事】

 もうすでに小浜線と越美北線は、逆に言うと非常に先進的に取り組んでいるというような位置付けをいただいているのだろうと思います。直接的には観光面での新しいいろいろな取組みをしていこうという協議会ですが、常にその協議会のときに冒頭から申し上げているのは、日常利用も含めて、JRと沿線自治体で協力関係を敷いて、路線を守っていく、発展させていく、利便性を上げていく。こういったことについての話をさせていただいていますので、協議会としては、そういったものも生かしていければいいと思います。そこに国が入ってくる。こういう国が主体として入ってくるということが一つとともに、国がいろいろな制度、支援制度も作った上で参加してくるということは非常に大きいと思いますので、その具体の協議会を、今のものを発展解消するのか、違うものにするのか、そこは具体的にはまだ分かりませんが、いずれにしても今あるものを大事に、その延長線として、これから取組みを強化していきたいと考えています。

 

【記者】

 セレスティアル航空が一時期、サイト上で7月から予約開始をしますというようなことを発表していたと思いますが、県として現在把握している国の許認可の状況などを教えてください。

 

【知事】

 セレスティアル航空については、おっしゃられるように以前そういった報道もありましたし、動きがあったというようなこともあると認識しています。

 しかし、現状において私どもが聞いているのは、国に伺っても、セレスティアル航空に対して何らかの許認可が出たということはないと聞いていますし、また航空会社に聞いたところでは、現在許認可の申請に向けて準備中ですというようなお話を伺っています。

 そういうことで私どもからは、常にセレスティアル航空に対して、まずは、許認可の手続き、もしも運行するのであればそういった法に従って、しっかりと手続きを踏んでいただく。そして安全な運航、こういったことを十分にやってくださいということのお願いをしているところでございます。

 

【記者】

 特に今のところはその予約受け付け開始の目途などについての話は、会社側から来ていないということでしょうか。

 

【知事】

 私どもが認識している限りそういう状況にはないというところだと思います。この一、二日でどう動くか、そこまで動いているかもしれませんのでわかりません。

 

【記者】

 先日関西電力の森新社長と面談された際の受け止めと今後の期待についてお聞かせください。

 

【知事】

 あのときにも原子力発電の安全な運転を第一にということも申し上げましたし、安全に工事で事故なども起きないようにということも含めて申し上げたり、また中間貯蔵の話もさせていただきました。新社長からは、不退転の覚悟で取り組む、特に中間貯蔵施設の県外地点の確定ということについておっしゃっていたと思います。

 これについて、私はそのときも申し上げましたが、森本前社長も引き続き地点確定には取り組んでいくという話もあったので、森本前社長と力を合わせながら、国、それから他の事業者、電気事業連合会等と連携をして、一日も早く、地点の確定をできるようにしてほしいと申し上げました。その考えについては今も変わっていません。

 

                                                   ―― 了 ――

 

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